JP3004824U - 流体塗布装置 - Google Patents

流体塗布装置

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JP3004824U JP1994007483U JP748394U JP3004824U JP 3004824 U JP3004824 U JP 3004824U JP 1994007483 U JP1994007483 U JP 1994007483U JP 748394 U JP748394 U JP 748394U JP 3004824 U JP3004824 U JP 3004824U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 回転テーブル装置2は、塗布対象物3を吸着
保持するテーブル板4を備えている。また、塗布装置本
体1の塗布ヘッド10はスロット26により塗布液6を
薄い膜状に整形して吐出するものであって、スロット2
6が塗布対象物3の半径方向を向くように配置されてい
る。まず、テーブル板4を低速度で回すことにより塗布
対象物3を回転させ、塗布ヘッド10から流出した塗布
液6を塗布対象物3の表面に塗布する。ついで、必要に
応じて回転テーブル装置2により塗布対象物3を高速回
転させ、塗布対象物3の表面の塗布液6をレベリングす
る。 【効果】 スピンコータと比較して塗布液の歩留りを極
めて高くすることができる。まあ、矩形状以外の例えば
円板状などの塗布対象物にも均一な膜厚の薄い塗膜を形
成することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は流体塗布装置に関する。具体的にいうと、本考案はスロット型の塗布 ヘッドを用いて円板状や異形の塗布対象物に流体を塗布するための装置に関する 。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ(LCD)や半導体光学素子、半導体素子、半導体集積回路 、プリント配線基板等の製造工程においては、フォトレジストや絶縁材料、はん だレジスト等の各種塗布液を塗布対象物(例えば、ガラス基板や半導体ウエハ等 )の表面に塗布し、数ミクロン程度の非常に薄い塗膜を形成する必要がある。例 えば、液晶ディスプレイの製造工程においては、ガラス基板の表面に、乾燥時の 厚みが約1〜3ミクロンの均一なフォトレジストをコーティングする必要がある 。
【0003】 これらの場合、極めて均一な膜厚の塗膜を形成する必要があり、しかも、高精 度に膜厚を制御する必要があるため、従来においては、塗布装置としてスピンコ −タが一般に用いられている。スピンコ−タを用いたスピンコート法は、塗布対 象物を一定の回転数で回転させながら基板の上に塗布液を滴下し、遠心力によっ て塗布液を薄く延ばし、塗布液の粘度や回転数等によって決まる膜厚の塗膜を塗 布対象物の表面に形成する方法であって広く用いられている。
【0004】 しかしながら、このようなスピンコート法によれば、最終的に塗布対象物の表 面に塗布されるのは塗布対象物の上に滴下した塗布液のうち数%(平均的にいう と、2%程度)に過ぎず、残りの90数%の余剰の塗布液は塗布対象物から排出 されてしまう。このため、量産工程においては、フォトレジスト等の塗布液が大 量に消費されて膨大なコストが掛かっていた。しかも、塗布液の大部分は廃液と なるので、廃液の処理も問題となっていた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このようなスピンコート法の欠点を解決する方法として、本考案の出願人はス ロット型の流体塗布装置(スロット式粘液噴出塗布装置)を開発した(例えば、 特願平5−154409号など)。この装置は、スロット型の塗布ヘッド(図2 及び図3参照)と、ガラス板のような塗布対象物を吸着して搬送する水平搬送テ ーブル装置とからなり、テーブル装置によって直線状に塗布対象物を搬送しなが ら塗布ヘッドによって塗布対象物の表面に塗布液を塗布するものである。
【0006】 このようなスロット型の流体塗布装置では、塗布対象物の端が塗布ヘッドのス ロット位置に達した時に、塗布ヘッド内の塗布液に圧力を加えてスロットから吐 出させ、塗布対象物の表面に塗布を開始する。従って、ガラス基板のような矩形 状の塗布対象物の場合には、きわめて膜厚精度の高い均一な膜厚の塗膜を形成す ることができる。しかも、この装置によれば、過剰な塗布液を供給することなく 均一な塗膜を形成することができるので、塗布液の歩留りを大幅に向上させるこ とができ、塗布液のコストを大幅に節減できると共に廃液処理の問題も軽減する ことができる。
【0007】 しかしながら、シリコンウエハのような円板状をした塗布対象物、その他縁が 直線状でない異形の塗布対象物の場合には、均一な膜厚の塗膜を形成することが 困難であった。例えば、図12に示すような円板状をした塗布対象物3の場合、 塗布対象物3の中央部の縁アがスロットの位置に達した時に、スロットから塗布 液6の吐出を開始する。このため、両側の縁イがスロットの位置に達した時には 、スロットの対応箇所には塗布液6が溜まって垂れ下がった状態となっており、 この塗布液6が塗布対象物3の表面に塗布されることになる。この結果、塗布対 象物3の両側の部分(図12に梨地模様で示した部分)では塗膜が厚くなり、均 一な膜厚の塗膜を得ることができなかった。
【0008】 本考案は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると ころは、円板状など異形の塗布対象物の表面にも均一な塗膜を形成することがで きるスロット型の流体塗布装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案の流体塗布装置は、塗布ヘッド内のスロットで流体を薄膜状にして流出 させ、当該薄膜状流体の厚みよりも大きな間隙を隔てて塗布ヘッドと相対的に移 動する塗布対象物の表面に、当該薄膜状流体を塗布する塗布装置本体と、塗布対 象物を保持し、塗布対象物を回転させる回転テーブル装置とを有することを特徴 としている。
【0010】 例えば、本考案の流体塗布装置においては、塗布ヘッドを塗布対象物に対して 相対的にほぼ円周方向に移動させるとよい。より具体的には、スロットの長さ方 向を塗布対象物のほぼ半径方向に向け、塗布ヘッドを塗布対象物に対して相対的 にほぼ円周方向へ移動させることにより、塗布対象物の表面に流体を塗布するよ うにできる。
【0011】 この場合には、特に、塗布ヘッドのスロットの開口幅をスロットの長さ方向で 変化させておくとよい。具体的には、塗布ヘッドを塗布対象物に対して相対的に ほぼ円周方向へ移動させながら塗布対象物の表面に流体を塗布したとき、塗布対 象物の表面に塗布された流体の膜厚が塗布対象物の半径方向で均一となるように 、前記スロットの開口幅をスロットの長さ方向で変化させるとよい。
【0012】 また、本考案の流体塗布装置においては、塗布ヘッドを塗布対象物と相対的に 螺旋状に移動させることにより、塗布対象物の表面に流体を塗布するようにして もよい。その場合には、塗布ヘッドと塗布対象物との相対的な移動速度を塗布位 置に応じて変化させるようにするのが好ましい。
【0013】 塗布ヘッドを塗布対象物に対して相対的に円周方向へ移動させるには、例えば 回転テーブル装置で塗布対象物を回転させればよい。
【0014】 また、塗布ヘッドにより流体を塗布した後、塗布対象物を回転テーブルによっ て回転させ、塗布対象物の表面に塗布された流体をレベリングさせるようにして もよい。
【0015】 本考案の流体塗布装置は、円板状をした塗布対象物に流体を塗布するのに特に 最適である。
【0016】
【作用】
本考案の流体塗布装置にあっては、例えば、回転テーブル装置に塗布対象物を 保持させ、塗布ヘッドを塗布対象物と相対的に移動させながら塗布対象物の表面 に流体を塗布した後、回転テーブル装置により塗布対象物を高速回転させ、塗布 対象物表面の流体をレベリングする。したがって、本考案によれば、スロット型 の塗布ヘッドによって塗布対象物の表面に薄い塗膜、特に目標膜厚に近い膜厚の 塗膜を作ることができるので、流体の歩留りを向上させることができる。しかも 、塗布後、回転テーブル装置で塗布対象物表面の塗膜をレベリングすることによ り、流体の膜厚を高い精度で均一にすることができる。
【0017】 また、塗布ヘッドと塗布対象物との相対的な移動形態は、塗布対象物の形状に 合わせて選択することにより、より一層流体の使用効率を向上させることができ るが、特に、円板状をした塗布対象物の場合には、塗布ヘッドを塗布対象物に対 して相対的にほぼ円周方向へ移動させるようにすれば、流体の歩留りが向上する 。
【0018】 あるいは、塗布ヘッドを塗布対象物と相対的に螺旋状に移動させながら表面に 流体を塗布すれば、塗布位置に応じて相対速度や流体の吐出速度等を変化させる ことにより、流体をほぼ均一な膜厚で塗布対象物の表面に連続的に塗布すること ができる。
【0019】 また、塗布ヘッドを塗布対象物と相対的にほぼ周方向へ移動させながら塗布を 行なう場合には、回転テーブル装置によって塗布対象物を回転させながら流体を 塗布するようにすれば、回転テーブル装置によって塗布時の塗布対象物の回転と 塗布後のレベリングを行なうことができ、装置の構成を簡単にすることができる 。
【0020】 さらに、塗布ヘッドのスロットの開口幅をスロットの長さ方向で変化させてお けば、塗布ヘッドによって塗布されたレベリング前の塗膜の膜厚の均一性を向上 させることができ、塗布後のレベリング精度が高くなると共に流体の歩留りをよ り向上させることができる。
【0021】 また、本考案の流体塗布装置にあっては、塗布ヘッドを塗布対象物に対して相 対的にほぼ円周方向へ移動させながら塗布対象物の表面に流体を塗布したとき、 塗布対象物の表面に塗布された流体の膜厚が塗布対象物の半径方向で均一となる ように、前記スロットの開口幅をスロットの長さ方向で変化させているので、回 転テーブル装置により円板状をした塗布対象物を回転させながら塗布ヘッドで塗 布対象物表面に流体を塗布し、高い歩留りで均一な膜厚となるように流体を塗布 することができる。
【0022】
【実施例】
(第1の実施例) 図1は本考案の一実施例による流体塗布装置Aを示す一部破断した概略正面図 である。この流体塗布装置Aは、塗布装置本体1と回転テーブル装置2とから構 成されている。回転テーブル装置2は、塗布対象物3を吸着保持するテーブル板 4とテーブル板4を回転させる駆動部5を備えており、テーブル板4の周囲には 、塗布対象物3から排出される塗布液6の飛散を防止し塗布液6を回収するため のカバー7がテーブル板4を取り囲むように設けられている。また、テーブル板 4の回転速度は検出器8によって検出されており、制御部9は検出器8で検出し た回転速度の値に基づきテーブル板4の回転速度が一定速度となるように駆動部 5をフィードバック制御している。
【0023】 塗布装置本体1においては、塗布ヘッド10はアーム11の先端に設けられて おり、アーム11は支持部12によって昇降自在に保持され、エアーアクチュエ ータ13によって上下に昇降する。図4に示すように、塗布ヘッド10は、テー ブル板4の上に位置決め保持された例えば円板状の塗布対象物3の半径方向を向 くように配置され、しかも塗布ヘッド10のスロット26の一方の端が塗布対象 物3の中心Pに対向するように位置決めされている。
【0024】 図2及び図3はそれぞれ上記塗布ヘッド10の分解斜視図及び断面図を示す。 この塗布ヘッド10は、2つの分割ヘッド14,15と1枚のシム16とから構 成されている。一方の分割ヘッド14の内壁面には、図2に示すように、左右に わたって空洞状をした流体リザーバ17が設けられている。流体リザ−バ17は 、分割ヘッド14の内壁面から内方へ向けて水平に凹設されており、分割ヘッド 14の上面から流体リザーバ17の中央部に向けて塗布液注入口18が穿設され ている。他方の分割ヘッド15は、内壁面の上端縁から位置決め用の突部19が 突設されており、この突部19を対向する分割ヘッド14の上面に当設させるこ とにより、塗布ヘッド10の組立時に両分割ヘッド14,15同志を位置合わせ できるようにしている。また、この分割ヘッド14,15の内壁面は、通孔14 a,15aを除いて平らに形成されている。また、両分割ヘッド14,15の下 面の内壁面側の縁には左右全幅にわたって断面三角形状のテーパ部20を突出さ せてあり、下面全体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂 21をコ−ティングしてある。シム16は、金属製の薄板であって、両側端に脚 片22を有していて脚片22間に切欠状凹部23を形成されている。
【0025】 内壁面間にシム16を挟み込むようにして両分割ヘッド14,15を組み合わ せ、分割ヘッド14,15及びシム16の各通孔14a,15a,16aに挿通 させたボルト24を分割ヘッド14の通孔(雌ねじ孔)14aに螺合させ、ボル ト24を強く締め付けることによって図3のような塗布ヘッド10が構成されて いる。こうして組み立てられた塗布ヘッド10においては、シム16の切欠状凹 部23によって分割ヘッド14,15の内壁面間に塗布液整形用のスロット26 が形成され、スロット26の下端は塗布ヘッド10下面でノズル口25として開 口し、流体リザーバ17の開口はスロット26の上端部に臨み、スロット26内 部と連通している。
【0026】 次に、上記流体塗布装置Aの動作を説明する。まず、塗布対象物3の中心Pと テーブル板4の回転中心とを一致させるようにして、回転テーブル装置2のテー ブル板4の上に塗布対象物3を吸着保持させる。ついで、エアーアクチュエータ 13によって塗布ヘッド10を下降させ、塗布ヘッド10のスロット26下端と 塗布対象物3の間に一定の間隔をあけて塗布ヘッド10を静止させる。この一定 間隔は、スロット26から流出する塗布液6の膜厚よりも大きな寸法となってい る。こうして塗布対象物3の表面と対向させられている塗布ヘッド10は、図4 に示すように塗布対象物3の半径方向を向いており、スロット26の端は塗布対 象物3の中心Pと一致している。また、スロット26の長さは塗布対象物3の半 径とほぼ一致させておくのが好ましい。
【0027】 ついで、図5に示すように、テーブル板4を比較的小さな回転速度で回転させ 、塗布液注入口18から流体リザーバ17内に塗布液6を供給すると、塗布液6 は流体リザーバ17内に充満して流体リザーバ17内の全幅に広がる。さらに、 塗布液6は供給圧によって流体リザーバ17からスロット26内へ流れ出し、ス ロット26で均一な膜厚に整えられて下端のノズル口25から均一な膜厚の塗布 液6として流出する。塗布ヘッド10から塗布液6を吐出させながら塗布対象物 3を360゜回転させ、塗布対象物3の表面に塗膜を形成する。このとき、塗布 液6の吐出速度と塗布対象物3の周方向速度との差により、ノズル口25から吐 出された均一な膜厚の塗布液6は塗布対象物3の表面へ塗布される際に薄く引き 延される(逆に塗布対象物3の中心部では塗布液6が溜まる)。この結果、塗布 対象物3の表面には、塗布対象物3の中心部で比較的膜厚が厚く、外周方向へ向 かうに従って膜厚が薄くなった塗膜が形成される。
【0028】 この後、塗布ヘッド10を再び上昇させ、テーブル板4を高速回転させると、 遠心力のために中心部の塗布液6が外周方向へ広がってレベリングされ、均一な 膜厚のきわめて薄い塗膜が得られる。しかも、塗膜の膜厚は、塗布液6の粘度と テーブル板4の回転数等によって決まる一定膜厚にすることができ、膜厚精度の 高い塗膜を得ることができる。遠心力によって塗布対象物3から分離された塗布 液6は、カバー7によって周囲への飛散を防止されると共にカバー7によって回 収される。
【0029】 このようにして流体塗布装置Aを用いれば、円板状等その他任意の形状をした 塗布対象物3、特に矩形状以外の異形の塗布対象物3にも、高い精度で均一な膜 厚の薄膜を形成することができる。しかも、始めにスロット型の塗布ヘッド10 によって目標膜厚に近い膜厚の塗膜を形成しておくことができるので、レベリン グ時に排出される塗布液6の量を極めて少なくすることができ、スピンコータと 比較して塗布液6の消費量を大幅に節減することができる。このため塗布液6の コストを大きく節減することができると共に廃液処理の手間も簡単になる。
【0030】 なお、この実施例では、スロット26の幅wが長さ方向にわたって同じ寸法と なっていたので、周方向速度の大きな外周部では塗布液6が大きく引き伸ばされ て薄くなり、周方向速度の小さな内周部では塗布液6が比較的厚くなる。レベリ ング前の塗膜の内周側と外周側との膜厚の差を小さくするためには、スロット2 6の幅wを変化させ、内周側でスロット26の幅wを薄くし、外周側で厚くする とよい。あるいは、塗布液注入口18をスロット26の外周側に位置する端に設 け、塗布液6に掛かる圧力を偏らせることも考えられる。
【0031】 (第2実施例) これは塗布対象物3を回転させながら、塗布ヘッド10により塗布対象物3の 表面に塗布液6を塗布したとき、塗膜の膜厚が塗布対象物3の全面で均一となる ようにしたものである。この実施例における流体塗布装置の構成は、第1実施例 の塗布装置Aとほぼ同じであるが、スロット26の形状に特徴がある。すなわち 、図6に示すように、塗布対象物3の中心Pと対応するスロット26の端を原点 として距離rの位置におけるスロット26の幅wが距離rと比例するよう、w= kr(kは比例定数)としている。このためには、シム16の厚みも長さ方向に わたって変化させている。
【0032】 いま、スロット26内における塗布液6の流量をρ、テーブル板4の回転周期 をTとし、距離rの位置にある長さΔr、幅w=krのスロット26の一部を考 えると、テーブル板4が1回転する間に、この部分から流出する塗布液6の量は 、kρTrΔrである。この塗布液6は、塗布対象物3表面の半径r、幅Δrの 帯状に塗布されるから、その塗膜の厚みは、 (kρTrΔr)/(2πrΔr)=〔k/(2π)〕ρT となり、半径rに関係なく一定となる。従って、このような塗布ヘッド10を用 いれば、塗布対象物3の表面に均一な膜厚の塗膜を形成することができる。また 、塗膜の厚みは、テーブル板4の回転速度を変えることによって調整することが できる。
【0033】 こうして塗布ヘッド10により塗布対象物3の表面に形成した塗膜の膜厚が、 許容範囲内であれば、この段階で成膜工程を終了することができる。また、塗膜 の膜厚を向上させるため、回転テーブル装置2を高速回転させて塗膜をレベリン グしてもよい。従って、この実施例によれば塗布液6の歩留りを極めて高くする ことができる。
【0034】 なお、この実施例では、設計手法として述べたが、均一な膜厚に塗布されるよ うスロット26の幅は、実験的に定めることができることはいうまでもない。
【0035】 (第3の実施例) 図7に本考案のさらに別な実施例による流体塗布装置Bの一部破断した概略正 面図を示す。この流体塗布装置Bの塗布装置本体1にあっては、回転テーブル装 置2の半径方向に沿ってガイドレール27が敷設されており、塗布ヘッド10を 支持しているアーム11は走行ユニット28によってガイドレール27に沿って 移動できるようになっている。走行ユニット28は制御部9によって移動量を数 値制御されている。また、図示しないが、塗布ヘッド10は上下に昇降可能とな っている。塗布ヘッド10のスロット26の長さは、塗布対象物3の半径に比べ て短くなっている。回転テーブル装置2のテーブル板4の回転速度は検出器8に よって検出されており、テーブル板4の回転速度は制御部9によって制御されて いる。
【0036】 しかして、この流体塗布装置Bにあっては、図8に示すように、制御部9によ ってテーブル板4の回転速度と走行ユニット28による塗布ヘッド10の直線移 動速度とを制御することにより、塗布ヘッド10が塗布対象物3の表面に対して 相対的に螺旋運動するようになっており、塗布対象物3の全面には塗布ヘッド1 0によって螺旋状に塗布液6が塗布される。しかも、テーブル板4の回転速度は 、塗布対象物3に対する塗布ヘッド10の相対的な周方向速度が一定となるよう 制御部9によって制御されている。従って、塗布ヘッド10が塗布対象物3の外 周側へ移動するにつれて、テーブル板4の回転速度は遅くなる。
【0037】 このようにして塗布ヘッド10の相対的な周方向速度が一定となるように塗布 対象物3を回転させながら塗布液6を螺旋状に塗布していくので、この実施例で も塗布対象物3の表面に塗布液6を均一に塗布することができる。こうして要求 精度内の均一な膜厚の塗膜が得られた場合には、ここで成膜工程を終了してもよ いが、塗膜の重なりが発生していたり、さらに塗膜の均一度を要求される場合に は、回転テーブル装置2を高速回転させ、塗膜をレベリングし、均一な膜厚の塗 膜を得るようにしてもよい。
【0038】 なお、この実施例においても、スロット26の幅を変化させてもよい。また、 螺旋状に塗布するのでなく、同心円状に塗布してもよいが、螺旋状に塗布すれば 、塗布ヘッドの移動や塗布液の吐出を連続的に行なえ、塗布工程の処理時間を短 縮することができる。
【0039】 (第4の実施例) 図9は本考案のさらに別な実施例による流体塗布装置Cを示す一部破断した概 略正面図である。この実施例にあっては、塗布液6の塗布時にテーブル板4は一 定の回転数で回転させ、走行ユニット28の移動速度を制御することにより、塗 布ヘッド10を塗布対象物3に対して相対的に螺旋運動させるようにしている。 また、図示しないが、塗布ヘッド10は昇降自在となっている。一方、塗布対象 物3の表面に塗布される塗膜を均一にするため、制御部9によって流量制御弁2 9を制御しており、塗布対象物3に対する塗布ヘッド10の相対的な周方向速度 に応じて塗布液6の流量をコントロールすることにより、塗膜が塗布対象物3の 表面でほぼ均一となるようにしている。
【0040】 (第5の実施例) 塗布対象物3に塗膜を塗布する際には、塗布対象物3を回転させるのでなく、 塗布ヘッド10を回転させるようにしてもよい。図10に示す流体塗布装置Dで は、塗布された塗膜のレベリングを行なうための回転テーブル装置2と、塗布液 6を塗布する際に塗布ヘッド10を回転させる機構とを別々にしている。塗布ヘ ッド10は、アーム11の先端部に設けられた回転駆動部30を介して昇降自在 に保持されている。塗布ヘッド10のスロット26の長さは塗布対象物3の直径 と等しいか、それよりも若干長くなっている。
【0041】 しかして、テーブル板4の上に塗布対象物3を吸着保持させた後、塗布ヘッド 10から塗布液6を吐出させながら塗布ヘッド10を180゜回転させ、塗布対 象物3の上に塗膜を形成する。ついで、回転テーブル装置2により塗布対象物3 を高速回転させ、塗膜をレベリングする。
【0042】 (第6の実施例) 図11に示す流体塗布装置Eでは、塗布ヘッド10は、ガイドレール31に沿 って移動できるようになった走行ユニット32に昇降自在に保持されている。従 って、走行ユニット32によって塗布ヘッド10を直線状に移動させて塗布対象 物3の表面に塗膜を形成した後、回転テーブル装置2によって塗布対象物3を高 速回転させて塗膜をレベリングすることにより均一な膜厚の塗膜を得ることがで きる。
【0043】 例えば、図12に示すように、円板状の塗布対象物3に塗布ヘッド10で塗布 液6を塗布した場合、膜厚の厚い部分αが生じるが、回転テーブル装置2でレベ リングすることにより膜厚を均一にすることができる。また、塗布対象物3の形 状が矩形状に近い場合、例えばコーナーを面取りされた略矩形状の塗布対象物3 の場合、面取り部分では膜厚が厚くなるが、塗布ヘッド10を相対回転させて塗 布液6を塗布するよりも、塗布時における塗布液6の歩留りを高くすることがで きる。
【0044】
【考案の効果】
本考案によれば、塗布ヘッドによって塗布対象物の表面に薄い塗膜、特に目標 膜厚に近い膜厚の塗膜を作ることができるので、流体の歩留りを向上させること ができ、しかも、塗布後、回転テーブル装置で塗布対象物表面の塗膜をレベリン グすることにより、流体の膜厚を高い精度で均一にすることができる。従って、 本考案の流体塗布装置によれば、矩形状以外の塗布対象物にも高精度で均一な膜 厚の薄膜を形成することが可能となり、しかも、流体の使用効率を非常に高くす ることができて流体のコストを大幅に節減することができる。また、流体の廃棄 量が少なくなるので、廃液処理の労力も低減できる。
【0045】 また、円板状をした塗布対象物などの場合には、塗布ヘッドを塗布対象物に対 して相対的にほぼ円周方向へ移動させるようにすれば、流体の歩留りがより向上 する。
【0046】 あるいは、塗布ヘッドを塗布対象物と相対的に螺旋状に移動させながら表面に 流体を塗布しても、流体をほぼ均一な膜厚で塗布対象物の表面に連続的に塗布す ることができる。
【0047】 この場合、塗布ヘッドのスロットの開口幅をスロットの長さ方向で変化させて おけば、塗布ヘッドによって塗布されたレベリング前の塗膜の膜厚の均一性を向 上させることができ、塗布後のレベリング精度が高くなると共に流体の歩留りを より向上させることができる。
【0048】 さらに、塗布ヘッドを塗布対象物と相対的にほぼ周方向へ移動させながら塗布 を行なう場合には、回転テーブル装置によって塗布対象物を回転させながら流体 を塗布するようにすれば、回転テーブルによって塗布時の塗布対象物の回転と塗 布後のレベリングを行なうことができ、装置の構成を簡単にすることができる。
【0049】 また、本考案の流体塗布装置にあっては、塗布ヘッドを塗布対象物に対して相 対的にほぼ円周方向へ移動させながら塗布対象物の表面に流体を塗布したとき、 塗布対象物の表面に塗布された流体の膜厚が塗布対象物の半径方向で均一となる ように、前記スロットの開口幅をスロットの長さ方向で変化させているので、回 転テーブル装置により円板状をした塗布対象物を回転させながら塗布ヘッドで塗 布対象物の表面に流体を塗布することにより、流体を高い歩留りで、均一な膜厚 となるように塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による流体塗布装置を示す一
部破断した概略正面図である。
【図2】同上の塗布ヘッドを示す分解斜視図である。
【図3】同上の塗布ヘッドを示す断面図である。
【図4】塗布対象物と塗布ヘッドのスロットとの関係を
示す図である。
【図5】同上の流体塗布装置の動作説明図である。
【図6】本考案の別な実施例による流体塗布装置におけ
る、塗布対象物と塗布ヘッドのスロットとの関係を示す
図である。
【図7】本考案のさらに別な実施例による流体塗布装置
を示す一部破断した概略正面図である。
【図8】同上の流体塗布装置の動作説明図である。
【図9】本考案のさらに別な実施例による流体塗布装置
を示す一部破断した概略正面図である。
【図10】本考案のさらに別な実施例による流体塗布装
置を示す一部破断した概略正面図である。
【図11】本考案のさらに別な実施例による流体塗布装
置を示す一部破断した概略正面図である。
【図12】先願の技術における問題点を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 塗布装置本体 2 回転テーブル装置 3 塗布対象物 4 テーブル板 6 塗布液 10 塗布ヘッド 16 シム 26 スロット

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布ヘッド内のスロットで流体を薄膜状
    にして流出させ、当該薄膜状流体の厚みよりも大きな間
    隙を隔てて塗布ヘッドと相対的に移動する塗布対象物の
    表面に、当該薄膜状流体を塗布する塗布装置本体と、 塗布対象物を保持し、塗布対象物を回転させる回転テー
    ブル装置とを有することを特徴とする流体塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布ヘッドが塗布対象物に対して相
    対的にほぼ円周方向に移動することを特徴とする請求項
    1に記載の流体塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記塗布装置本体は、スロットの長さ方
    向を塗布対象物のほぼ半径方向に向け、塗布ヘッドを塗
    布対象物に対して相対的にほぼ円周方向へ移動させるこ
    とにより、塗布対象物の表面に流体を塗布するものであ
    ることを特徴とする請求項2に記載の流体塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記塗布ヘッドを塗布対象物と相対的に
    螺旋状に移動させることにより、塗布対象物の表面に流
    体を塗布するようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載の流体塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記塗布ヘッドと塗布対象物との相対的
    な移動速度を塗布位置に応じて変化させるようにした請
    求項4に記載の流体塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記塗布ヘッドのスロットの開口幅が、
    スロットの長さ方向で変化していることを特徴とする請
    求項2,3,4又は5に記載の流体塗布装置。
  7. 【請求項7】 塗布ヘッドを塗布対象物に対して相対的
    にほぼ円周方向へ移動させながら塗布対象物の表面に流
    体を塗布したとき、塗布対象物の表面に塗布された流体
    の膜厚が塗布対象物の半径方向で均一となるように、前
    記スロットの開口幅をスロットの長さ方向で変化させた
    ことを特徴とする請求項6に記載の流体塗布装置。
  8. 【請求項8】 回転テーブル装置で塗布対象物を回転さ
    せることにより、塗布ヘッドを塗布対象物に対して相対
    的に移動させるようにしたことを特徴とする請求項2,
    3,4,5,6又は7に記載の流体塗布装置。
  9. 【請求項9】 流体を塗布された塗布対象物を回転テー
    ブルによって回転させ、塗布対象物の表面に塗布された
    流体をレベリングすることを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6,7又は8に記載の流体塗布装置。
  10. 【請求項10】 塗布対象物が円板状をしていることを
    特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は
    9に記載の流体塗布装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11128813A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Tokyo Electron Ltd 塗布処理方法および塗布処理装置
JP2010253341A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Toppan Printing Co Ltd 塗布装置

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