JP2004193538A - 現像装置及び現像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リンス液の供給態様の均一性を向上させること。
【解決手段】基板Wは、基板保持部10により略水平姿勢に保持され、スピンモータ113により回転される。リンス液供給ノズル140の一端部は、第2移動機構150により回転自在に支持され、基板Wの上方を通過するように回転される。リンス液供給ノズル140の吐出部からリンス液を吐出させながら、リンス液供給ノズル140を、基板Wの上方を通過するように回転させる。この際、基板Wの仮想走査方向Laがリンス液供給ノズル140の延在方向に対して実質的に垂直となるように、リンス液供給ノズル140及び基板Wを回転させる。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板、プラズマ表示パネル用ガラス基板等の基板に現像液やリンス液等を供給するための基板処理装置及び基板処理方法、特に、それらの基板上に形成され、所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像するための現像装置及び現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の現像装置として、基板幅以上の開口幅を有するスリット状の現像液吐出部が形成された現像液供給ノズルと、基板幅以上の開口幅を有するスリット状のリンス液吐出部が形成されたリンス液供給ノズルとを備えたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
このでは、現像液供給ノズルを基板の一端側から他端側に移動させて、該基板の上面全体に現像液を供給した後(この現像液供給方法をスリットスキャン現像方法ともいう)、その後所定時間経過後に、リンス液供給ノズルを前記現像液供給ノズルの移動速度と同速度で基板の一端側から他端側に移動させて、基板の上面全体にリンス液を供給して、基板上面における現像を停止させるようにしている。
【0004】
この場合、現像液供給ノズルの移動速度とリンス液供給ノズルの移動速度とを同じにすることによって、基板の上面全体において現像時間をほぼ同じとし、もって、現像むらを防止すると共に、現像後におけるレジストパターンの線幅均一性を向上させることができるという利点がある。
【0005】
【特許文献1】
米国特許6092937号明細書
【特許文献2】
特開平10−340836号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記現像装置では、吐出部に付着する異物やそれに生じる欠陥等の事情により、スリット状の吐出部から供給されるリンス液が、その幅方向に沿って均一な態様(量及び流速等)で供給されない恐れがある。現像液も均一に供給されない恐れがあるが、特に、リンス液は現像液の液層上を通過させる必要があり、リンス液供給ノズルと基板との間隔が大きくなる。この結果、リンス液の方が均一に供給されない恐れが強い。
【0007】
この場合、リンス液供給ノズル等を基板の一端側から他端側に向けて直線的に移動させているため、基板上において前記移動方向に沿って筋状に処理液が供給されない領域が生じ、基板に対するリンス液等の供給態様が、基板の幅方向に対して不均一となる恐れがある。
【0008】
そこで、この発明の課題は、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる現像装置及び現像方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像装置において、基板を保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された基板の主面に現像液を供給して、その基板の主面上に現像液層を形成するための現像液供給手段と、基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅でリンス液を吐出する吐出部を有するリンス液供給ノズルと、前記リンス液供給ノズルにリンス液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるためのリンス液供給系と、前記基板保持手段によって静止状態に保持された基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端に向けた仮想走査方向に対して、前記リンス液供給ノズルの吐出部の吐出幅方向を実質的に垂直に保った姿勢で、前記リンス液供給ノズルが基板の主面上の現像液層の上方を通過するように、前記リンス液供給ノズルを前記仮想走査方向に対して斜交するラインに沿って移動させるリンス液供給ノズル移動手段と、を備え、前記リンス液供給ノズル移動手段によって前記リンス液供給ノズルを基板の前記供給開始端から前記供給終了端に移動させつつ、前記リンス液供給系によって前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液を現像液層に向けて吐出させるものである。
【0010】
また、請求項2記載のように、前記現像液供給手段は、基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるための現像液供給系と、前記基板保持手段によって静止状態に保持された基板の前記仮想走査方向に対して、前記現像液供給ノズルの吐出部の吐出幅方向を実質的に垂直な姿勢に保った姿勢で、前記現像液供給ノズルが基板の主面の上方を通過するように、前記現像液供給ノズルを前記仮想走査方向に対して斜交するラインに沿って移動させる現像液供給ノズル移動手段とを備え、前記現像液供給ノズル移動手段によって前記現像液供給ノズルを基板の前記供給開始端から前記供給終了端に移動させつつ、前記現像液供給系によって前記現像液供給ノズルの吐出部から現像液を基板に向けて吐出させる、ものであってもよい。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像装置において、基板を保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と、前記基板保持手段に保持された基板の主面に現像液を供給して、基板の主面上に現像液層を形成するための現像液供給手段と、基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅でリンス液を吐出する吐出部を有するリンス液供給ノズルと、前記リンス液供給ノズルにリンス液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるためのリンス液供給系と、前記リンス液供給ノズルの一端側を、前記基板保持手段により保持された基板外の回転軸を中心にして回転自在に支持し、前記リンス液供給ノズルを、前記基板保持手段に保持された基板の上方を通過するように回転させるリンス液供給ノズル回転手段と、前記基板回転手段によって前記基板保持手段に保持された基板を第1の回転方向に回転させると共に、この回転する基板の主面上に形成された現像液層の上方を通過するように前記リンス液供給ノズルを前記第1の回転方向に回転させつつ、前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液を吐出させて、基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端にかけて前記リンス液供給ノズルからリンス液が供給されるように、前記基板回転手段、前記リンス液供給系及び前記リンス液供給ノズル回転手段を制御する制御手段と、を備えたものである。
【0012】
この場合、請求項4記載のように、前記制御手段は、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向がリンス液の前記吐出部の吐出幅方向に対して実質的に垂直となるように、前記基板回転手段及び前記リンス液供給ノズル回転手段を制御してもよい。
【0013】
また、請求項5記載のように、前記現像液供給手段は、基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部から現像液を吐出させるための現像液供給系と、前記基板保持手段によって保持されている基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを直線状に移動させる現像液供給ノズル移動手段と、を備え、前記制御手段は、前記現像液供給ノズルを前記基板保持手段によって保持され静止している基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを直線状に移動させつつ、前記現像液供給ノズルの吐出部から現像液を吐出させて、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて現像液が供給されるように、前記現像液供給系及び前記現像液供給ノズル移動手段を制御してもよい。
【0014】
この場合、請求項6記載のように、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記現像液供給ノズルから現像液を吐出する現像液供給時間と、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記リンス液供給ノズルからリンス液を吐出するリンス液供給時間と、が実質的に等しくなるように前記制御手段によって制御してもよい。
【0015】
また、請求項7記載のように、前記現像液供給ノズルが基板上を移動する際の速度パターンと、前記基板回転手段により回転される前記基板に対する前記リンス液供給ノズルの相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、が実質的に同じ等速度パターンになるように前記制御手段によって制御してもよい。
【0016】
また、請求項8記載のように、前記現像液供給手段は、基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部から現像液を吐出させるための現像液供給系と、前記現像液供給ノズルの一端側を、前記基板保持手段により保持された基板外の回転軸を中心にして回転自在に支持し、前記現像液供給ノズルを、前記基板保持手段に保持された基板の上方を通過するように回転させる現像液供給ノズル回転手段と、を備え、前記制御手段は、前記基板回転手段によって前記基板保持手段に保持された基板を第2の回転方向に回転させると共に、この回転する基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを前記第2の回転方向に回転させつつ、前記現像液供給ノズルの吐出部から現像液を吐出させて、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記現像液供給ノズルから現像液が供給されるように、前記基板回転手段、前記現像液供給系及び前記現像液供給ノズル回転手段を制御してもよい。
【0017】
この場合にも、請求項9記載のように、前記制御手段は、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向が現像液の前記吐出部の吐出幅方向に対して実質的に垂直となるように、前記基板回転手段及び前記現像液供給ノズル回転手段を制御してもよい。
【0018】
また、請求項10記載のように、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記現像液供給ノズルから現像液を吐出する現像液供給時間と、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記リンス液供給ノズルからリンス液を吐出するリンス液供給時間と、が実質的に等しくなるように前記制御手段によって制御してもよい。
【0019】
また、請求項11記載のように、前記基板回転手段により回転される基板に対する前記現像液供給ノズルの相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、前記基板回転手段により回転される基板に対する前記リンス液供給ノズルの相対速度成分のうち、前記仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、が実質的に同じ等速度パターンとなるように前記制御手段によって制御してもよい。
【0020】
請求項12記載のように、前記基板保持手段に保持された基板に対して前記現像液供給ノズルから現像液が供給された後の状態において、前記リンス液供給ノズルの前記リンス液吐出部が前記基板の供給開始端に対向して配設されるものであってもよい。
【0021】
請求項13記載のように、前記リンス液供給ノズルが前記基板の供給開始端に達したことを検出する検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記リンス液供給ノズルが前記基板の供給開始端に達したことを検出したときに、基板の回転を開始させるようにしてもよい。
【0022】
また、請求項14記載の現像装置は、基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像装置において、基板を保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と、前記基板保持手段に保持された基板の主面に現像液を供給して、基板の主面上に現像液層を形成するための現像液供給手段と、基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅でリンス液を吐出する吐出部を有するリンス液供給ノズルと、前記リンス液供給ノズルにリンス液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるためのリンス液供給系と、前記リンス液供給ノズルの一端側を前記基板保持手段により保持された基板外の回転軸を中心にして回転自在に支持し、前記リンス液供給ノズルを、前記基板保持手段により保持された基板の上方を通過するように回転させるリンス液供給ノズル回転支持手段と、を備え、前記基板保持手段に保持された基板を第1の回転方向に回転させると共に、この回転する基板の主面上に形成された現像液層の上方を通過するように前記リンス液供給ノズルを前記第1の方向に回転させつつ、前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液を吐出させ、かつ、前記リンス液供給ノズルが前記基板保持手段により保持された基板の回転軸上を通過する時点における、前記リンス液供給ノズルの回転軸とその基板の回転軸との回転軸間距離よりも、前記リンス液供給ノズルが前記基板保持手段により保持された基板の上方を通過する通過開始時点及び通過終了時点のうちの少なくとも一方の時点における前記回転軸間距離が大きくなるように、前記リンス液供給ノズルの回転に伴って、前記リンス液供給ノズルの回転軸を基板の回転軸から離隔又は近接する所定の軸移動方向に沿って移動させるものである。
【0023】
なお、請求項15記載のように、前記現像液供給手段は、基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部から現像液を吐出させるための現像液供給系と、前記基板保持手段によって保持されている基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを直線状に移動させる現像液供給ノズル移動手段と、を備え、前記リンス液供給ノズルの回転軸が、前記現像液供給ノズルの吐出部の直線帯状移動軌跡の一側で、前記現像液供給ノズルの走査方向に対して斜行する方向に沿って移動自在であり、かつ、前記リンス液供給ノズルは、前記現像液供給ノズルの走査方向に比較的近い第1の角度姿勢から、前記現像液供給ノズルの走査方向と直交する方向に比較的近い第2の角度姿勢に向けて、或はその逆向きに回転して基板の上方を通過し、前記リンス液供給ノズルが前記基板保持手段により保持された基板の回転軸上を通過する時点における、前記リンス液供給ノズルの回転軸と前記基板の回転軸との回転軸間距離よりも、前記第2の角度姿勢における前記回転軸間距離が大きくなるように、前記リンス液供給ノズルの回転軸を前記所定の軸移動方向に沿って移動させるようにするとよい。
【0024】
請求項16記載のように、前記リンス液供給ノズルを回転させるための回転駆動部が、前記現像液供給ノズルの吐出部の直線帯状移動軌跡の外側に配設されていてもよい。
【0025】
請求項17記載のように、前記リンス液供給ノズル回転支持手段は、前記リンス液供給ノズルの一端側を回転自在かつ前記所定の軸移動方向に沿って移動自在に支持するノズル支持手段と、回転駆動される回転軸部を有し前記所定の軸移動方向から外れた位置に設けられた回転駆動部と、一端側が前記回転軸部に固定されると共に他端側が前記リンス液供給ノズルに回転自在に連結され、前記回転軸部の回転駆動に伴い、前記リンス液供給ノズルを回転させつつ前記リンス液供給ノズルの回転軸を前記所定の軸移動方向に沿って移動させる駆動用アームと、を備えていてもよい。
【0026】
請求項18記載のように、前記基板保持手段が上下多段に複数設けられ、前記現像液供給ノズルと前記リンス液供給ノズルのうち少なくとも一つを、前記各基板保持手段により保持された各基板上方を通過可能な各位置に昇降移動させる昇降移動手段をさらに備えたものとしてもよい。
【0027】
請求項19記載のように、前記基板保持手段が、前記現像液供給ノズルと前記リンス液供給ノズルのうち少なくとも一つの回転軸周りに複数配列され、前記基板回転手段は、そのノズルを、前記各基板保持手段により保持された各基板上方を連続して通過するように回転させてもよい。
【0028】
請求項20記載のように、基板に対する前記リンス液供給ノズルの移動方向とは逆向きに指向して、前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液が吐出され、前記リンス液供給ノズルの吐出部から吐出されたリンス液が基板の主面上の現像液層に着液する時点において、基板に対するリンス液の相対速度成分のうち、基板の面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分が0よりも大きくなるように設定されていてもよい。
【0029】
また、請求項21記載のように、前記リンス液供給ノズルの吐出部から吐出されたリンス液が基板の主面上の現像液層に着液する時点において、基板に対するリンス液の相対速度成分のうち基板の面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分が、基板に対するリンス液の相対速度成分のうち基板に対して垂直下向き方向の相対速度成分に対して実質的に等しいか又は大きくなるように設定されていてもよい。
【0030】
請求項22記載のように、基板の上方を通過しているときの前記現像液供給ノズルと基板との間隔寸法よりも、基板の上方を通過しているときの前記リンス液供給ノズルと基板との間隔寸法の方が大きくなるように設定されていてもよい。
【0031】
請求項23記載の発明は、基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像方法において、(a)基板の主面上に現像液を供給してその主面上に現像液層を形成する工程、の後、(b)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から現像液層に向けてリンス液を吐出する工程と、(c)リンス液の前記吐出部の吐出幅方向を基板の一端側の供給開始端から他端側の供給終了端に向けた仮想走査方向に対して実質的に垂直な姿勢に保ちつつ、リンス液の前記吐出部を基板の供給開始端から供給終了端に向けて相対移動させる工程と、(d)リンス液の前記吐出部を前記仮想走査方向に対して実質的に垂直な方向にずらす工程と、の工程(b),(c)及び(d)を並列して行うものである。
【0032】
請求項24記載のように、(a)現像液を供給する前記工程は、(a1)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から基板上に向けて現像液を吐出する工程と、(a2)現像液の前記吐出部の吐出幅方向を前記仮想走査方向に対して実質的に垂直な姿勢に保ちつつ、現像液の前記吐出部を基板の供給開始端から供給終了端に向けて相対移動させる工程と、(a3)現像液の前記吐出部を前記仮想走査方向に対して実質的に垂直な方向にずらす工程と、の工程(a1),(a2)及び(a3)を並列して行う工程であってもよい。
【0033】
また、請求項25記載の発明は、基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像方法であって、(e)基板の主面上に現像液を供給してその主面上に現像液層を形成する工程、の後に、(f)基板を第1の回転方向に回転させる工程と、(g)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部からリンス液を吐出する工程と、(h)リンス液の前記吐出部の吐出幅方向一端側の回転軸を中心にして、リンス液の前記吐出部を、基板の上方を通過させるように前記第1の回転方向に回転させる工程と、の工程(f),(g)及び(h)を、基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端にかけてリンス液の前記吐出部からリンス液を供給するように、並列して行うものである。
【0034】
請求項26記載のように、現像液を供給する前記工程(e)は、(e1)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から基板の主面に向けて現像液を吐出する工程と、(e2)静止状態の基板の上方を通過するように、現像液の前記吐出部を基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けて直線状に移動させる工程と、を並列して行う工程であってもよい。
【0035】
請求項27記載のように、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて現像液を吐出する現像液供給時間と、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけてリンス液を吐出するリンス液供給時間と、が実質的に等しくなるようにしてもよい。
【0036】
請求項28記載のように、現像液の前記吐出部が基板上を移動する際の速度パターンと、回転する基板に対するリンス液の前記吐出部の相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、が実質的に同じ等速度パターンとなるようにするとよい。
【0037】
請求項29記載のように、現像液を供給する前記工程(e)は、(e3)基板を第2の回転方向に回転させる工程と、(e4)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から現像液を吐出する工程と、(e5)現像液の前記吐出部の吐出幅方向一端側の回転軸を中心にして、現像液の前記吐出部を、基板の上方を通過させるように前記第2の回転方向に回転させる工程と、の工程(e3),(e4)及び(e5)を、基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端にかけて現像液の前記吐出部から現像液を供給するように、並列して行う工程であってもよい。
【0038】
請求項30記載のように、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて現像液を吐出する現像液供給時間と、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけてリンス液を吐出するリンス液供給時間と、が実質的に等しくなるように設定するとよい。
【0039】
請求項31記載のように、回転する基板に対する現像液の前記吐出部の相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、回転する基板に対するリンス液の前記吐出部の相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、が実質的に同じ等速度パターンとなるようにするとよい。
【0040】
請求項32記載のように、基板の上方を通過しているときの現像液の前記吐出部と基板との間隔寸法よりも、基板の上方を通過しているときのリンス液の前記吐出部と基板との間隔寸法の方を大きくするとよい。
【0041】
請求項33記載の現像方法は、基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像方法であって、(i)基板の主面上に現像液を供給してその主面上に現像液層を形成する工程、の後に、(j)基板を第1の回転方向に回転させる工程と、(k)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部からリンス液を吐出する工程と、(l)リンス液の前記吐出部の吐出幅方向一端側の回転軸を中心にして、リンス液の前記吐出部を、基板の上方を通過させるように前記第1の回転方向に回転させる工程と、とを並列して行うのにあわせて、リンス液の吐出部が基板の回転軸上を通過する時点における、リンス液の吐出部の回転軸と基板の回転軸との回転軸間距離よりも、リンス液の吐出部が基板の上方を通過する通過開始時点及び通過終了時点のうちの少なくとも一方の時点における前記回転軸間距離が大きくなるように、リンスの前記吐出部の回転軸を基板の回転軸から離隔又は近接する所定の軸移動方向に沿って移動させる。
【0042】
【発明の実施の形態】
{第1の実施の形態}
この第1の実施の形態では、基板を静止状態に保ったままで、現像液供給ノズル及びリンス液供給ノズルを、その基板の仮想走査方向に対して斜交するラインに沿って移動させるようにした現像装置について説明する。
【0043】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。なお、図2では、現像液供給ノズル20又はリンス液供給ノズル40が基板W上方に移動した状態を2点鎖線で示している。
【0044】
この現像装置は、露光後の基板Wに対して処理液として現像液及びリンス液を供給して現像処理を行う装置であり、基板Wを保持する基板保持部10と、現像液供給ノズル20と、現像液供給ノズル20を移動させるための第1ノズル移動機構30と、リンス液供給ノズル40と、このリンス液供給ノズル40を移動させるための第2ノズル移動機構50と、本装置全体の動作制御を行う制御部60とを備えている。
【0045】
基板保持部10は、基板Wを略水平姿勢で保持する。
【0046】
具体的には、基板保持部10は、装置本体5の略中央部に略鉛直姿勢で配設された支持軸部11と、その支持軸部11の上端部に固設された支持台12とを備えている。支持台12は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持可能に構成されている。なお、支持台12は基板Wを吸着保持する構成に限定されるものではなく、その他、例えば、基板Wの周縁部を把持する構成であってもよい。ここで、基板Wの主面上にはレジスト薄膜が形成されており、該レジスト薄膜には所定のパターンが露光されている。
【0047】
なお、基板保持部10周りには、基板Wを囲むようにして円形状の内カップ6が設けられると共に、その内カップ6の外周周りに略方形状の外カップ7が設けられている。また、外カップ7の両側に待機ポット8が設けられている。
【0048】
現像液供給ノズル20は、図1,図2,図3(a)及び図3(b)に示すように、基板Wの幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で処理液を吐出する吐出部22を有している。
【0049】
本実施の形態では、横長長尺状のノズル本体部21の下端部に、スリット状の吐出部22が形成されている。吐出部22は、ノズル本体部21の長手方向に沿って延びており、その長手方向の幅寸法は、基板Wの幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の寸法を有している。
【0050】
ここで、基板Wの幅寸法は、基板Wの一端側の供給開始端から他端側の供給終了端に向けた仮想走査方向Laに直交する方向における該基板Wの幅寸法である。本実施の形態では、基板Wは実質的に略円形板状に形成されており、その所定の直径の一端側に供給開始端が設定されると共に、他端側に供給終了端が設定され、該供給開始端から供給終了端に向けて仮想走査方向Laが設定される。基板Wは実質的に略円形板状なので、基板Wの幅寸法は基板Wの直径寸法を意味している。
【0051】
そして、理想的な状態では、該吐出部22から、その幅方向全体に亘ってカーテン状に、即ち、幅方向全体に亘って一様な流速かつ供給量で現像液が吐出されるようになっている。
【0052】
なお、この現像液供給ノズル20の吐出部22は、現像液供給ノズル20の移動方向とは逆方向へ所定角度傾く方向へ指向している(図3(a)参照)。そして、該吐出部22より吐出された現像液が、現像液供給ノズル20の移動方向とは逆方向へ流れるようになっている。これにより、現像液が現像液供給ノズル20の移動方向の前方側へ流れたりすることが無いようにしている。
【0053】
また、この現像液供給ノズル20には、現像液供給系機構26が連結されている。
【0054】
現像液供給系機構26は、現像液を蓄えた現像液供給源及び開閉バルブ(共に図示省略)を備えており、開閉バルブの開閉タイミングに応じて前記現像液供給源からの現像液が所定のタイミングで現像液供給ノズル20に供給されるように構成されている。
【0055】
第1ノズル移動機構30は、基板保持部10により保持された基板Wの仮想走査方向Laに対して吐出部22の延在方向(吐出幅方向)を実質的に垂直に保った姿勢で、現像液供給ノズル20を前記仮想走査方向Laに対して斜交するラインLbに沿って移動させる。なお、以下の説明では、図面を参照する便宜上、現像液供給ノズル20の延在方向と吐出部22の延在方向とは略一致しているという前提で説明するが、これらは必ずしも一致している必要はない。
【0056】
具体的には、第1ノズル移動機構30は、ガイドレール31と、該ガイドレール31に沿って移動可能な水平駆動部34と、支持アーム部36とを備えている。
【0057】
ガイドレール31は、装置本体5の上面側であって基板保持部10の側方に略水平姿勢で敷設されている。ガイドレール31は、前記斜交ラインLbに沿って延びている。水平駆動部34は、エアシリンダやモータ等のアクチュエータにより、ガイドレール31に沿って往復移動可能に構成されている。支持アーム部36は、基板保持部10側に延びるようにして水平駆動部34に片持ち状に支持されている。この支持アーム部36の遊端側に、吐出部22の延在方向、即ち、現像液供給ノズル20の延在方向を仮想走査方向Laに対して実質的に直交する方向に沿って配設した姿勢で、上記現像液供給ノズル20が略水平姿勢で支持されている。この姿勢を保ったままで、現像液供給ノズル20が基板Wの上方を通過する。
【0058】
そして、水平駆動部34の駆動により、現像液供給ノズル20が、基板Wの主面の上方を、その一端側から他端側に向けて移動し、基板Wの上方を通過する。この際、ガイドレール31は仮想走査方向Laに対して斜交しているので、吐出部22は、仮想走査方向Laに対して直交する方向に沿ってずれつつ移動する。
【0059】
リンス液供給ノズル40は、基板Wの幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で処理液を吐出する吐出部22を有している。
【0060】
具体的には、リンス液供給ノズル40は、上記現像液供給ノズル20と同様構成を有している。すなわち、リンス液供給ノズル40は、上記ノズル本体部21と同様構成のノズル本体部41の下端部に、上記吐出部22と同様構成の吐出部42が形成された構成とされている。
【0061】
そして、現像液供給ノズル20の場合と同様に、理想的な状態では、吐出部42から、その幅方向全体に亘って一様なカーテン状にリンス液が吐出され、基板Wの幅方向全体に亘ってリンス液を供給可能な構成となっている。
【0062】
なお、このリンス液供給ノズル40の吐出部42も、その移動方向とは逆方向へ所定角度傾く方向へ指向している(図3(a)参照)。そして、該吐出部42より吐出されたリンス液が、移動方向とは逆方向へ流れるようになっている。これにより、リンス液がリンス液供給ノズル40の移動方向の前方側へ流れたり、リンス液によって基板W上の現像液がリンス液供給ノズル40よりその移動方向の前方側へ押し流されたりすることを防止するようにしている。
【0063】
また、このリンス液供給ノズル40には、リンス液供給系機構46が連結されている。該リンス液供給系機構46は、リンス液を蓄えたリンス液供給源及び開閉バルブ(共に図示省略)を備えており、開閉バルブの開閉タイミングに応じて前記リンス液供給源からのリンス液が所定のタイミングでリンス液供給ノズル40に供給されるように構成されている。
【0064】
第2移動機構50は、リンス液供給ノズル40を、基板保持部10により保持された基板Wの仮想走査方向Laに対して吐出部42の延在方向(吐出幅方向)、即ち、リンス液供給ノズル40の延在方向を実質的に垂直に保った姿勢で、リンス液供給ノズル40を前記仮想走査方向Laに対して斜交ラインLbに沿って移動させる。
【0065】
具体的には、第2移動機構50は、第1移動機構30と同様構成を有しており、即ち、ガイドレール31と、上記水平駆動部34に対応する水平駆動部54と、上記支持アーム部36に対応する支持アーム部56とを備えている。ガイドレール31は、第1移動機構30と第2移動機構50とで共用されている。
【0066】
そして、水平駆動部54の駆動により、リンス液供給ノズル40が、基板Wの主面の上方を、その一端側から他端側に向けて移動し、基板Wの上方を通過する。この際、ガイドレール31は仮想走査方向Laに対して斜交しているので、吐出部42は、仮想走査方向Laに対して直交する方向に沿ってずれつつ移動する。
【0067】
制御部60は、本装置全体の制御を行うものであり、CPU、ROMおよびRAM等を備え、予め格納されたソフトウェアプログラムによって所定の演算動作を行う一般的なマイクロコンピュータにより構成されている。
【0068】
この制御部60は、次に説明する一連の動作の制御を行うものであり、少なくとも、基板Wに現像液を供給させた後、基板Wにリンス液を供給させる動作を行う。
【0069】
次に、この現像装置の基本的な動作について、図4〜図8を参照して説明する。
【0070】
まず、初期待機状態では、図4に示すように、現像液供給ノズル20,リンス液供給ノズル40は、基板Wの一端側(仮想走査方向Laの上流側)に位置している。なお、基板Wは、以下の動作中において、基板保持部10に静止状態で水平姿勢に支持されている。
【0071】
処理開始後、はじめに、図5に示すように、現像液供給ノズル20が基板Wの主面上方を、基板Wの一端側の供給開始端から他端側の供給終了端に向けて移動する。現像液供給ノズル20が基板Wの主面上方を通過する際、該現像液供給ノズル20から現像液が吐出され、現像液が基板Wの主面全体に供給される。これにより、基板Wの主面上の現像液による現像液層が形成される。
【0072】
この際、現像液供給ノズル20は、斜交ラインLbに沿って移動するので、吐出部22は、仮想走査方向Laと実質的に垂直な方向にずれる。
【0073】
図6に示すように、現像液供給ノズル20が基板Wの主面上方を通過した後、基板Wにおける現像反応に必要な所定時間が経過するタイミングに合わせて、図7に示すように、リンス液供給ノズル40が基板Wの主面上方を(即ち、基板Wの主面上に形成された現像液層上方を)、基板Wの供給開始端から供給終了端に向けて移動する。リンス液供給ノズル40が基板Wの主面上方を通過する際、リンス液供給ノズル40から基板Wの主面上の現像液層に向けてリンス液が吐出され、リンス液が基板Wの主面全体に供給される。
【0074】
この際、リンス液供給ノズル40は、斜交ラインLbに沿って移動するので、吐出部42は、仮想走査方向Laと実質的に垂直な方向にずれる。換言すると、吐出部42は、基板Wに対してその幅方向にずれる。
【0075】
基板Wの主面にリンス液が供給されると、基板Wにおける現像が停止する。
【0076】
これにより、基板Wの主面において、現像液が供給された態様(供給方向や供給速度)と同態様でリンス液が供給され、基板Wの主面全体において現像時間をほぼ同じとすることができる。
【0077】
次に、吐出部22,42に付着する異物やそれに生じる欠陥等の事情により、吐出部22,42から供給される現像液又はリンス液が、その幅方向に沿って不均一な態様(量及び流速等)で供給された場合の動作について説明する。
【0078】
図9及び図10は、リンス液供給ノズル40の延在方向に沿った所定箇所でリンス液の非供給箇所P1が生じた状態で、リンス液の供給を行った場合における、基板Wに対するリンス液の供給状態を示している。なお、図9及び図10において、右上がりの斜線を付した領域は、図9に示す時点において、リンス液が供給された領域を示している。また、図10において、左上がりの斜線を付した領域は、図10に示す時点において、リンス液が供給された領域を示している。
【0079】
図9に示すように、リンス液供給ノズル40が基板Wの仮想走査方向Laの途中まで移動した状態を想定すると、前記非供給箇所P1の後方延長上において、基板W上でリンス液の非供給領域E1が筋状に残ることとなる。
【0080】
そして、図10に示すように、リンス液供給ノズル40が斜交ラインLbに沿って距離Mだけ移動すると、リンス液供給ノズル40は、仮想走査方向Laに沿って距離Mx移動すると共に、仮想走査方向Laに実質的に直交する方向に沿って距離My移動することとなる。従って、吐出部42の非供給箇所P1も、図9に示す位置から、仮想走査方向Laに実質的に直交する方向に沿って距離Myずれた位置に移動し、吐出部42のうちリンス液を供給可能な部分(非供給箇所P1以外の部分)が上記非供給領域E1に対応する位置に配設される。そして、図10に示す状態では、吐出部42のうちリンス液を供給可能な部分から吐出されるリンス液が、上記非供給領域E1に供給されることとなる。
【0081】
これらの動作がリンス液供給ノズル40の移動に伴い、連続的に行われるので、基板W上におけるリンス液の非供給領域を無くすことができる。
【0082】
また、現像液供給ノズル20の吐出部22からも、上記と同様態様にて、基板Wに対する現像液の供給が行われる。
【0083】
以上のように構成された現像装置によると、現像液供給ノズル20から現像液を供給する際や、リンス液供給ノズル40からリンス液を供給する際に、吐出部22,42を仮想走査方向Laに対して実質的に垂直な方向に対してずらしているため、処理液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0084】
なお、本実施の形態では、現像液供給ノズル20及びリンス液供給ノズル40の双方を、仮想走査方向Laに対して実質的に垂直な方向に対してずらしているが、これらのうち一方だけを仮想走査方向Laに対して実質的に垂直な方向に対してずらしてもよい。
【0085】
{第2の実施の形態}
<A.現像装置の説明>
この第2の実施の形態では、基板を回転させると共に、基板の上方を通過するように処理液供給ノズルを回転させるようにした現像装置装置について説明する。
【0086】
図11は、この発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す平面図である。
【0087】
この現像装置は、露光後の基板Wに対して処理液として現像液及びリンス液を供給して現像処理を行う装置であり、基板Wを保持する基板保持部110と、現像液供給ノズル120と、現像液供給ノズル120を移動させるための第1ノズル移動機構130と、リンス液供給ノズル140と、このリンス液供給ノズル40を回転させるためのリンス液供給ノズル回転手段である第2ノズル移動機構150と、本装置全体の動作制御を行う制御部160とを備えている。
【0088】
基板保持部110は、基板Wを略水平姿勢で保持する。
【0089】
具体的には、基板保持部110は、装置本体105の略中央部に略鉛直姿勢で配設された支持軸部111と、その支持軸部111の上端部に固設された支持台112とを備えている。支持台112は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持可能に構成されている。なお、支持台112は基板Wを吸着保持する構成に限定されるものではなく、その他、例えば、基板Wの周縁部を把持する構成であってもよい。
【0090】
また、支持軸部111の下端部は、基板Wを回転させるための基板回転部であるスピンモータ113に連結されている。そして、このスピンモータ113の回転が支持軸部11を介して支持台12に伝達される。これにより、基板Wが鉛直軸を回転軸として水平面内で回転可能とされる。このスピンモータ113による基板Wの回転速度は、後述する制御部160により可変に制御される。
【0091】
なお、基板保持部110周りには、上記第1の実施の形態と同様に、基板Wを囲むようにして円形状のカップが設けられると共に、現像液供給ノズル120及びリンス液供給ノズル140の待機位置に対応して待機ポットが配設されているが、これらについては、図示を省略している。
【0092】
現像液供給ノズル120は、基板Wの幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で処理液を吐出する吐出部を有している。
【0093】
ここでは、現像液供給ノズル120は、上記第1の実施の形態における現像液供給ノズル20と同様構成とされている。
【0094】
また、この現像液供給ノズル120には、上記第1の実施の形態における現像液供給系機構26と同様構成の現像液供給系機構126が接続されており、現像液が所定のタイミングで現像液供給ノズル120に供給されるように構成されている。
【0095】
第1ノズル移動機構130は、現像液供給ノズル120を装置本体105の一端から他端に向けた現像液走査方向Lcに沿って移動させる。
【0096】
ここでは、第1ノズル移動機構130は、ガイドレール131と、該ガイドレール131に沿って移動可能な水平駆動部134と、支持アーム部136とを備えている。
【0097】
ガイドレール131は、装置本体105の上面側であって基板保持部110の側方に、該装置本体105の一端から他端に向けて略水平姿勢で敷設されている。水平駆動部134は、上記第1の実施の形態における水平駆動部34と同様に、ガイドレール131に沿って往復移動可能に構成されている。支持アーム部136は、現像液供給ノズル120を、その延在方向を前記現像液走査方向Lcに対して実質的に直交する方向に沿って配設した状態で、略水平姿勢に支持している。
【0098】
そして、水平駆動部134の駆動により、現像液供給ノズル120が、現像液走査方向Lcに向けて、基板Wの主面の上方を通過移動する。現像液供給ノズル120が基板Wの上方を通過する際に、その吐出部から現像液を吐出させることで、基板Wの主面上に現像液が供給されることとなる。
【0099】
リンス液供給ノズル140は、基板Wの幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で処理液を吐出する吐出部を有している。
【0100】
ここでは、リンス液供給ノズル140は、上記第1の実施の形態におけるリンス液供給ノズル40と同様構成とされている。
【0101】
また、このリンス液供給ノズル140には、上記第1の実施の形態におけるリンス液供給系機構46と同様構成のリンス液供給系機構146が接続されており、リンス液が所定のタイミングでリンス液供給ノズル140に供給されるように構成されている。
【0102】
第2ノズル移動機構150は、リンス液供給ノズル140の一端側を回転自在に支持して、該リンス液供給ノズル140を、基板Wの上方を通過するように回転させる。
【0103】
具体的には、第2ノズル移動機構150は、ノズル回転駆動部152と、回転軸部154と、支持アーム部156とを備えている。
【0104】
回転軸部154は、基板保持部110に保持された基板Wの周縁部に外接する仮想正方形Sの一頂点を中心として回転自在とされている。
【0105】
また、ノズル回転駆動部152は、スピンモータ等のアクチュエータにより構成されており、このノズル回転駆動部152の駆動により上記回転軸部154が回転する。このノズル回転駆動部152の回転速度は、制御部160により可変に制御される。
【0106】
支持アーム部156は、その一端部が回転軸部154に連結固定されて、装置本体105の上方に片持ち状に支持されている。この支持アーム部156の遊端側に、リンス液供給ノズル140が略水平姿勢で支持されている。
【0107】
そして、ノズル回転駆動部152の駆動により、リンス液供給ノズル140が、回転軸部154の回転軸を中心にして、基板Wの上方を回転する。リンス液供給ノズル140が基板Wの上方を通過する際に、その吐出部からリンス液を供給することで、基板Wの主面上にリンス液が供給されることとなる。
【0108】
なお、現像液供給ノズル120とリンス液供給ノズル140とは、例えば、高さ位置を異ならせる等、相互に干渉せずに移動可能とされている。
【0109】
制御部160は、本装置全体の制御を行うものであり、上記制御部60と同様に一般的なマイクロコンピュータにより構成されている。
【0110】
この制御部160は、次に説明する一連の動作の制御を行うものであり、少なくとも、基板Wの一端側の供給開始端から他端側の供給終了端に向う仮想走査方向Laがリンス液供給ノズル140の延在方向に対して実質的に垂直になるように、基板W及びリンス液供給ノズル140を回転させる動作を行わせる。
【0111】
次に、この現像装置の動作について、図12〜図15を参照して説明する。
【0112】
まず、初期待機状態では、図12に示すように、基板Wが基板保持部110に静止状態で水平姿勢に支持されている。ここで、基板Wの一端側は供給開始端であり、基板Wの他端側は供給終了端であり、基板Wの供給開始端から供給終了端に向けて仮想走査方向Laが仮想的に設定される。図12〜図15では、供給開始端を黒丸印で示してあり、供給終了端を黒塗りの三角印で示してあり、仮想走査方向Laを2点鎖線で示してある。この初期状態においては、基板Wの供給開始端を装置本体105の一端側(図12の右側)に指向させた状態としている。
【0113】
また、現像液供給ノズル120は、装置本体105の一端側(現像液走査方向Lcの上流側)に配設されており、また、リンス液供給ノズル140は、装置本体105の一端側(現像液走査方向Lcの上流側)に配設されている。すなわち、初期状態では、現像液供給ノズル120とリンス液供給ノズル140は、初期状態における基板Wの供給開始端に対向している。
【0114】
処理開始後、始めに、図13に示すように、現像液供給ノズル120が基板Wの主面上方を、現像液走査方向Lcに向けて移動する。この際、基板Wの回転は停止している。従って、現像液供給ノズル120は、基板Wの主面上方を、仮想走査方向Laに向けて移動する。
【0115】
現像液供給ノズル120が基板Wの主面上方を通過する際、現像液供給ノズル120から現像液が吐出され、現像液が基板Wの主面全体に仮想走査方向Laに沿って順次供給される。
【0116】
そして、現像液供給ノズル120は、基板Wの主面上方を通過した後、装置本体105の他端側(現像液走査方向Lcの下流側)で待機する。
【0117】
基板Wの主面に現像液が供給された後、基板Wにおける現像反応に必要な所定時間が経過するタイミングに合わせて、図14に示すように、リンス液の供給動作がなされる。
【0118】
すなわち、リンス液供給ノズル140が、基板Wの上方(即ち、基板Wの主面上の現像液層上方)をその回転軸周りに第1の回転方向に回転する。
【0119】
リンス液供給ノズル140の回転に伴って、基板Wが第1の回転方向に回転する。基板Wは、その仮想走査方向Laがリンス液供給ノズル140の延在方向に対して実質的に直交するように回転する。これにより、リンス液供給ノズル140が、基板Wに対して相対的に円弧帯状に移動する。
【0120】
なお、基板Wの仮想走査方向Laをリンス液供給ノズル140の延在方向に対して実質的に直交させるためには、基板Wの回転速度とリンス液供給ノズル140の回転速度とを実質的に同じにするとよい。
【0121】
リンス液供給ノズル140が基板Wの上方を通過する際、該リンス液供給ノズル140からリンス液が吐出され、基板Wの主面にリンス液が供給される。この際、リンス液供給ノズル140の延在方向と、基板Wの仮想走査方向Laとは実質的に直交しているので、該仮想走査方向Laと実質的に垂直な方向に沿って、リンス液の供給タイミングはほぼ同じである。
【0122】
そして、図15に示すように、リンス液供給ノズル140が基板Wの上方を通過すると、リンス液供給ノズル140の回転及び基板Wの回転が停止する。ここでは、基板Wとリンス液供給ノズル140とがπ/2ラジアン回転すると、それらの回転が停止する。
【0123】
このように基板Wの主面にリンス液が供給されると、基板Wにおける現像が停止する。
【0124】
これにより、基板Wの主面において、現像液の供給方向と同じ方向でリンス液が供給され、基板Wの主面全体において現像時間を可及的に同じとすることができる。
【0125】
基板Wに対する現像液供給ノズル120及びリンス液供給ノズル140の動きについて説明する。
【0126】
図16は基板Wに対する現像液供給ノズル120の相対的な移動軌跡を示す説明図であり、図17は、リンス液供給ノズル140の延在方向を基板Wの仮想走査方向Laに対して実質的に直交させるようにして基板W及びリンス液供給ノズル140を回転させた場合において、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の相対的な移動軌跡を示す説明図である。
【0127】
図16に示すように、現像液供給ノズル120は基板Wに対して仮想走査方向Laに沿って直線的に移動する。一方、リンス液供給ノズル140は、現像液供給ノズル120とは異なる移動軌跡を描く。図17に示すように、リンス液供給ノズル140は基板Wに対して仮想走査方向Laに沿って非直線的に、即ち、円弧状に移動する。
【0128】
図18は、基板Wに対する移動距離と現像液供給ノズル120及びリンス液供給ノズル140の相対移動速度との関係を示す図であり、直線Lは現像液供給ノズル120の相対移動速度、曲線Mはリンス液供給ノズル140の相対移動速度を示している。なお、図18の縦軸は、基板Wの仮想走査方向Laにおける基板Wに対する相対速度成分を示している。また、リンス液供給ノズル140の相対移動速度は、基板W及びリンス液供給ノズル140を実質的に同じ等回転速度で回転させた場合における変化を示している。
【0129】
同図に示すように、現像液供給ノズル120は、基板Wの仮想走査方向Laに対して等速度パターンを描くように移動する。一方、リンス液供給ノズル140は、現像液供給ノズル120の移動速度パターンとは異なる速度パターンで移動する。すなわち、リンス液供給ノズル140は、基板Wの中心に至るまで徐々に基板Wに対する相対速度が大きくなると共に基板Wの中心を越してからは徐々に相対速度が小さくなるような速度パターン、即ち、円弧状を描く速度パターンで移動する。
【0130】
以上のように構成された現像装置によると、リンス液供給ノズル140が、その一端側の回転軸を中心にして、基板Wの上方を通過するように回転するため、吐出部が、基板Wに対して相対的に円弧帯状に移動し、仮想走査方向Laに直交する方向に対してずれる。従って、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0131】
また、リンス液供給ノズル140は、仮想走査方向Laに対して実質的に垂直な姿勢とされるため、仮想走査方向Laと実質的に垂直な方向に沿って、リンス液の供給時間をほぼ同じにすることができる。
【0132】
さらに、リンス液供給ノズル140を回転させるための第2ノズル移動機構150は回転駆動系の機構であるため、水平駆動系の機構と比べてコンパクト化が可能となり、装置全体のコンパクト化にも貢献する。
【0133】
また、リンス液供給中に基板Wを回転させているので、遠心力により、現像反応による溶解生成物を効率よく基板W外へ導くことができるという効果を得ることもできる。
【0134】
なお、リンス液供給ノズル140の回転軸は、必ずしも、基板Wの周縁部に外接する仮想正方形Sの一頂点に配設されている必要はない。
【0135】
例えば、図19に示すように、該仮想正方形Sの外側に、リンス液供給ノズル140Bの回転軸が配設されていてもよい。
【0136】
この場合、支持アーム部156B(支持アーム部156に対応する)を長めにして、リンス液供給ノズル140B(リンス液供給ノズル140に対応する)が基板Wの上方を通過できるようにする。
【0137】
また、リンス液供給ノズル140,140Bの回転軸が該仮想正方形Sの内側に配設されていてもよい。
【0138】
要するに、リンス液供給ノズル140,140Bの回転軸は、基板Wの外側に配設されていればよい。
【0139】
なお、現像停止タイミングを基板Wの面内でほぼ均一にするため、基板Wの供給開始端から供給終了端にかけて現像液供給ノズル120から現像液を吐出する現像液供給時間と、基板Wの供給開始端から供給終了端にかけてリンス液供給ノズル140からリンス液を吐出するリンス液供給時間を実質的に同じにすることが好ましい。
【0140】
また、基板Wの仮想走査方向Laに沿ってリンス液の供給量を同じにするために、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の相対速度成分のうち、仮想走査方向Laに沿った相対速度成分が一定となるようにすることが好ましい。このためには、例えば、回転する基板Wを基準とする回転座標系において、リンス液供給ノズル140の相対速度と、リンス液供給ノズル140や基板Wの回転速度との関係式を求め、該相対速度の仮想走査方向Laに沿った相対速度成分が一定となるように、リンス液供給ノズル140と基板Wの回転速度を制御すればよい。
【0141】
これにより、該仮想走査方向Laにおけるリンス液の吐出態様を可及的に均一なものとすることができる。
【0142】
ここで述べた各回転速度の関係や現像液供給時間、リンス液供給時間の関係は、以下の各実施の形態においても適用できる。
【0143】
<B.リンス液の吐出態様について>
ここでは第2の実施の形態に係る現像装置において、リンス液の好ましい吐出態様について説明する。
【0144】
図20はリンス液供給ノズル140の吐出部から吐出されたリンス液が基板W上に形成された現像液層に着液する状態を示す説明図である。このリンス液は、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の移動方向とは逆向きに指向して該リンス液供給ノズル140の吐出部から吐出されている。なお、現像液層の膜厚は他の要素に比較して極めて小さいので、ここでは無視して考える。
【0145】
まず、リンス液供給ノズル140の吐出部から吐出されるリンス液の初速をV0、基板Wの面方向に対するリンス液の吐出角度をθ(0≦θ<π/4)、基板Wの主面(上面)からリンス液供給ノズル140の吐出部までの高さ寸法をhとする。
【0146】
また、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の相対移動速度成分のうち、リンス液の吐出方向における相対移動速度成分を−Vn(リンス液の吐出方向を+方向、Vn>0とする)とする。第2の実施の形態では、リンス液供給ノズル140は、基板Wに対して相対的に円弧帯状に移動しているところ、リンス液は仮想走査方向Laとは逆向きに吐出されている。このため、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の相対移動速度成分のうち、基板Wの仮想走査方向Laにおいてノズル140の移動方向とは反対方向の相対移動速度成分が上記相対移動速度成分−Vnとなる。なお、この第2の実施の形態では、基板Wは回転しているため、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の相対移動速度成分−Vnは、基板Wの回転速度及びノズル140の回転速度に基づいて算出されることとなる。
【0147】
そして、リンス液供給ノズル140の吐出部から吐出されたリンス液が基板W上の現像液層DLに着液する時点において、基板Wに対するリンス液の相対速度成分のうち、前記基板Wの面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分をVxとする。この第2の実施の形態では、基板Wに対するリンス液の相対速度成分のうち、基板Wの仮想走査方向Laとは逆方向の相対速度成分をVxとする。また、基板Wに対して垂直下向き方向の相対速度成分をVzとする。
【0148】
この場合、Vx、Vzはそれぞれ下記式で表される。
【0149】
Vx=V0・cosθ−Vn
Vz=V0・sinθ+g・t
但し、gは重力加速度であり、tはリンス液がリンス液供給ノズル140の吐出部から吐出された後基板W上の現像液層DLに着液するまでの時間であり、h=V0・t・sinθ+1/2・g・t、で定義される。
【0150】
リンス液の吐出態様としては、リンス液の着液時点において、基板Wに対するリンス液の相対速度のうち、基板Wの面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分Vxが0よりも大きくなるように設定されていることが好ましい。すなわち、Vx=V0・cosθ−Vn>0、に設定することが好ましい。
【0151】
これにより、リンス液がリンス液供給ノズル140よりも前方に押流されるような状況を防止でき、基板Wの各部における現像時間差を精度よく解消することができる。これにより、現像後において、基板Wの各部におけるレジストパターンの線幅均一性を向上させることができる。
【0152】
より好ましくは、リンス液の着液時点において、基板Wに対するリンス液の相対速度のうち、基板Wの面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分Vxが、リンス液の相対速度成分のうち基板Wに対して垂直下向き方向の相対速度成分Vzと実質的に等しいか又は大きくなるように設定する。すなわち、Vx≧Vzに設定するのが好ましい。
【0153】
これにより、リンス液がリンス液供給ノズル140よりも前方に押流されるような状況をより確実に防止でき、基板Wの各部における現像時間差をより精度よく解消することができる。
【0154】
なお、このような相対速度成分Vx,Vzの設定は、例えば、リンス液の初速V0や、リンス液供給ノズル140の相対移動速度成分−Vn(即ち、ノズル140の回転速度や基板Wの回転速度)、リンス液供給ノズル140の高さ寸法h、リンス液吐出角度θ等を調整・設定することにより行える。
【0155】
ところで、上記各範囲内においても、基板Wの各部におけるレジストパターン等の寸法は、レジストの種類やノズル140のスキャン速度、流量等によって変動し得るため、予め実験等によって各設定の最適状態を求めておくのがよい。
【0156】
このようなリンス液の吐出態様は、第2の実施の形態だけでなく、上記第1の実施の形態及び下記の各実施の形態においても、同様に適用することができる。
【0157】
{第3の実施の形態}
<A.現像装置の説明>
第3の実施の形態に係る現像装置について説明する。
【0158】
図21は現像装置の概略構成を示す平面図であり、図22は現像装置の概略構成を示す側面図であり、図23は図21のXXIII−XXIII線断面図である。なお、図23において基板を保持する部分についても断面で示している。
【0159】
この現像装置は、基板である半導体ウエハSWの表面に形成されたレジスト薄膜を現像するための装置である。なお、本装置により現像処理がなされるのに先立って、レジスト薄膜には、露光装置により所定のパターンが露光されている。
【0160】
より具体的には、この現像装置は、例えば、米国特許6051101号明細書に開示される現像装置内の現像ユニットとして配置される場合がある。もっとも、この現像装置が現像装置に組込まれる形態は、上記米国特許明細書に示される形態に限定されない。例えば、上記米国特許明細書の現像装置の塗布ユニットをも本現像装置に置換して、該米国特許明細書の現像装置を現像処理のみを行う現像装置として構成することも可能である。
【0161】
処理対象物である半導体ウエハSWは、実質的に円形板状に形成されている。半導体ウエハSWの直径は、例えば、200mm或は300mmである。また、半導体ウエハSWの外周縁の一部には、ノッチNC或はオリエンテーションフラット(オリフラ)が形成されている。
【0162】
この現像装置は、ウエハ保持・回転機構710と、現像液供給ノズル720と、現像液供給系機構(図26参照)と、現像液供給ノズル走査機構730と、現像液供給ノズル昇降機構739と、リンス液供給ノズル740と、リンス液供給系機構(図27参照)と、リンス液供給ノズル回動機構750と、リンス液供給ノズル昇降機構756と、最終リンス液供給ノズル770とを備えている。
【0163】
ウエハ保持・回転機構710は、半導体ウエハSWを保持すると共に回転させるための機構であり、支持軸部711と、支持軸部711の上端部に設けられたスピンチャック712と、支持軸部711の下端部に連結された回転軸を有するスピンモータ713とを備えている。
【0164】
スピンチャック712は、半導体ウエハSWを略水平姿勢に保持するものであり、半導体ウエハSWを吸着保持するバキュームチャックにより構成されている。スピンチャック712として、その他、半導体ウエハSWの外周縁部を掴んで保持するメカチャックを用いてもよい。
【0165】
スピンモータ713は、例えば、サーボモータにより構成されるものであり、後述する制御部760から与えられる信号(パルス数信号等)により回転速度及び回転量を可変に制御可能に構成されている。このスピンモータ713の回転が支持軸部711を介してスピンチャック712に伝達される。このスピンモータ713の回転駆動により、半導体ウエハSWが鉛直軸を回転軸として水平面内で回転可能とされることとなる。
【0166】
なお、スピンチャック712の周りには、スピンチャック712に保持される半導体ウエハSWを囲むようにして平面視略円形状の内カップ716が設けられている。内カップ716の上側開口部は、上方に向けて順次狭まる開口形状に形成されている。そして、その開口上縁部を半導体ウエハSWの外周部周りに配設した上昇位置とそれよりも低い下降位置との間で、エアシリンダ等の昇降機構によって昇降移動自在とされている。
【0167】
また、内カップ716を囲むようにして平面視略方形状の外カップ717が設けられている。そして、現像液供給ノズル720やリンス液供給ノズル740から半導体ウエハSW上に現像液やリンス液を吐出する際、該半導体ウエハSWからはみ出た部分に供給された現像液やリンス液が、内カップ716の外周面を伝わって或は内カップ716と外カップ717間を通って、外カップ717の底部に向けて導かれるようになっている。
【0168】
さらに、外カップ717の外方一側部であって現像液供給ノズル720の待機位置に対応して、待機ポット718が設けられている。待機ポット718は、現像液供給ノズル720を上方から収容配置可能な上方開口状の筺状体に形成されている。
【0169】
現像液供給ノズル720は、半導体ウエハSWの幅寸法(直径寸法)と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部722を有している。
【0170】
ここでは、現像液供給ノズル720は、長尺状のノズル本体部721の一側部に、スリット状の吐出部722が形成されてなる。吐出部722は、ノズル本体部721の長手方向に沿って延びている。この吐出部722からは、その幅方向全体に亘って一様なカーテン状に現像液が吐出され、半導体ウエハSWの幅方向全体に亘って現像液を供給可能な構成となっている。
【0171】
また、この現像液供給ノズル720には、現像液供給系機構が連結されている。この現像液供給系機構については、後述する。
【0172】
現像液供給ノズル走査機構730は、半導体ウエハSWの上方を通過するように、現像液供給ノズル720を水平方向に沿って移動させるための機構であり、支持体705の両側部に水平移動自在にガイド支持された一対の支持側板部731a,731bと、一方側の支持側板部731aを水平方向に沿って往復移動させるための水平駆動部735とを備えている。
【0173】
一方側の支持側板部731aは、長尺板形状に形成されている。この支持側板部731aの上側部分を支持体705よりも上方に突出させた状態で、支持側板部731aの下側部分が、支持体705の一側壁部の外面に設けられた2本のリニアガイド732によって水平方向に沿って移動自在にガイド支持されている。
【0174】
また、水平駆動部735は、支持体705の一側壁部の両端部に設けられた駆動プーリ736及び従動プーリ737と、駆動プーリ736を回転させるための現像液供給ノズル走査用モータ736aと、これらプーリ736,737に巻掛けられたベルト738とを備えている。また、上記支持側板部731aの下端部は、ベルト738のうち両プーリ736,737間を走行する上側部分に固定されている。そして、現像液供給ノズル走査用モータ736aの駆動により駆動プーリ736を回転させることで、ベルト738が回転し、この回転に伴って支持側板部731aが支持体705の一側で水平方向に沿って往復移動する構成となっている。なお、現像液供給ノズル走査用モータ736aは、例えばステッピングモータにより構成されており、制御部760から与えられる信号(パルス数信号等)に応じて正逆両方向への回転量及び回転速度を制御可能に構成されている。
【0175】
なお、支持体705の一側壁部の外面には、支持側板部731aの移動位置を検出することで現像液供給ノズル720の移動位置を検出する複数の位置検出センサ734a,734b,734c,734dが設けられている。図22の右側から順に、リンス液供給動作位置U1を検出する位置検出センサ734a、待機位置U2を検出する位置検出センサ734b、現像液吐出開始位置U3を検出する位置検出センサ734c、現像液吐出停止位置U4を検出する位置検出センサ734dである。そして、支持側板部731aに取付けられたセクタ731eが各センサ734a,734b,734c,734dに挿入されることで、各位置U1,U2,U3,U4の検出がなされるようになっている。
【0176】
また、他方側の支持側板部731bは、長尺板形状に形成されている。また、支持体705とは別の支持体にガイドレール733が固定されている。そして、上記支持側板部731bの上側部分を支持体705よりも上方に突出させた状態で、支持側板部731bの下端部がカムフォロワー733aを介してガイドレール733上を水平方向に沿って往復移動自在に支持された構成となっている。なお、現像液供給ノズル720が上昇した位置にある状態では、カムフォロワー733aとガイドレール733とは互いに離間した状態となる。
【0177】
また、両支持側板部731a,731bの上端部分間に掛渡すようにして現像液供給ノズル720が固定支持されている。現像液供給ノズル720は、略水平姿勢でかつ吐出部722を下方に向けた姿勢で、即ち、ほぼ真下に向けて現像液を吐出させる姿勢とされている。なお、現像液供給ノズル720の一側部にも両支持側板部731a,731bの上端部分間に掛渡すようにして、補強用の横棹部731cが配設されている。なお、これらの両支持側板部731a,731b及び横棹部731cは、例えば鋳物成形等で、一体形成されていることが好ましい。
【0178】
そして、現像液供給ノズル走査機構730の駆動により、現像液供給ノズル720が半導体ウエハSWの上方を通過可能となっており、また、その通過の際に、吐出部722から現像液を吐出させることで、半導体ウエハSWの主面に現像液が供給される構成となっている。
【0179】
なお、他方側の支持側板部731b及びこれを支持するガイドレール733を省略し、現像液供給ノズル720を片持ち支持する構成であってもよい。
【0180】
現像液供給ノズル昇降機構739は、現像液供給ノズル720が半導体ウエハSWの上方を通過可能な位置と、それより低位置にあって現像液供給ノズル720が待機ポット718内に配設可能な位置との間で、当該現像液供給ノズル720を昇降駆動させる機構であり、ここでは、エアシリンダ739aと現像液供給ノズル昇降ガイド739bとを備えている。
【0181】
現像液供給ノズル昇降ガイド739bは支持体705を昇降移動自在にガイドしており、エアシリンダ739aは支持体705を昇降移動させる。そして、支持体705が昇降移動することで、該支持体705に取付けられた各構成要素、即ち、現像液供給ノズル720や、現像液供給ノズル走査機構730、リンス液供給ノズル740、リンス液供給ノズル回動機構750が昇降することとなる。ここで、上記ウエハ保持・回転機構710や内カップ716、外カップ717、待機ポット718は、支持体705とは別の支持体により支持されている。従って、支持体705と共に昇降する現像液供給ノズル720やリンス液供給ノズル740は、ウエハ保持・回転機構710により保持される半導体ウエハSWに対して相対的に上下に移動する。
【0182】
なお、エアシリンダ739aの代りに、サーボモータ、ボールネジ機構を用いてもよい。この場合、現像液供給ノズル720の高さ調整を任意に設定できるという利点がある。
【0183】
これらの現像液供給ノズル走査機構730及び現像液供給ノズル昇降機構739によって、現像液供給ノズル720を移動させるための移動機構が構成される。
【0184】
リンス液供給ノズル740は、半導体ウエハSWの幅寸法(直径寸法)と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅でリンス液を吐出する吐出部742を有している。
【0185】
ここでは、リンス液供給ノズル740は、長尺状のノズル本体部741の一側部に、スリット状の吐出部742が形成されてなる。吐出部742は、ノズル本体部741の長手方向に沿って延びている。この吐出部742からは、その幅方向全体に亘って一様なカーテン状にリンス液が吐出され、半導体ウエハSWの幅方向全体に亘ってリンス液を供給可能な構成となっている。
【0186】
また、このリンス液供給ノズル740には、リンス液の供給を行うためのリンス液供給系機構が連結されている。このリンス液供給系機構については、後述する。
【0187】
リンス液供給ノズル回動機構750は、半導体ウエハSWの上方を通過するように、リンス液供給ノズル740を回動させるための機構であり、リンス液供給ノズル回動用モータ752と、回転軸部754とを備えている。
【0188】
リンス液供給ノズル回動用モータ752は、ステッピングモータ等により構成されるものであり、ブラケット751及びリンス液供給ノズル昇降機構756を介して、上記現像液供給ノズル720の一端部よりの位置に取付けられている。このモータ752の回転速度及び回転量は、制御部760から与えられる信号(パルス数信号等)に応じて可変に制御される。
【0189】
上記回転軸部754は、リンス液供給ノズル回動用モータ752のモータ軸に連結されて、ブラケット751の下面より垂設されている。上記現像液供給ノズル720がリンス液供給動作位置U1に位置する状態で、回転軸部754は、ウエハ保持・回転機構710により保持された半導体ウエハSWの周縁部に外接する仮想正方形Sの一頂点を中心として回転自在とされる。
【0190】
この回転軸部754の下端部に、リンス液供給ノズル740の一端部が連結固定されることで、該リンス液供給ノズル740が支持体705の上方に略水平姿勢で片持支持されている。また、リンス液供給ノズル740の吐出部742は、水平面に対して、リンス液供給ノズル740の吐出時の回動方向とは反対方向に向けて15度から60度の範囲で傾斜するように設定されている。なお、このようにリンス液供給ノズル740の回動方向とは反対方向に傾斜させているのは、リンス液供給ノズル740の移動に先行してリンス液が流れてしまうことを防止するためである(図20参照)。そして、上記リンス液供給ノズル回動用モータ752の駆動により回転軸部754が回転することで、リンス液供給ノズル740が半導体ウエハSWの上方を通過するように回動する。リンス液供給ノズル740が半導体ウエハSWの上方を通過際に、その吐出部742からリンス液を吐出することで、半導体ウエハSWの主面上にリンス液が供給されることになる。
【0191】
リンス液供給ノズル740は、ブラケット751、リンス液供給ノズル回動用モータ752及びリンス液供給ノズル昇降機構756及び後述するシリンダ取付用ブラケット731dを介して、上記横棹部731cに取付けられていることになる。
【0192】
なお、ブラケット751には、センサブラケット755aを介してリンス液供給ノズル原点位置検出用センサ755bが取付けられている。一方、リンス液供給ノズル740のノズル本体部741側には、被検出子であるセクタ741aが固定されている。そして、ノズル740が原点位置(現像液供給ノズル720に対して実質的に平行な姿勢が原点位置)に位置する状態で、該セクタ741aがセンサ755bに挿入される。これにより、センサ755bは、リンス液供給ノズル740が原点位置にあるか否かを検出する。
【0193】
図24及び図25は、現像液供給ノズル720とリンス液供給ノズル740とを示す要部拡大図であり、図24はリンス液供給ノズル740が上方の位置にある状態を示し、図25はリンス液供給ノズル740が下方の位置にある状態を示している。
【0194】
すなわち、リンス液供給ノズル昇降機構756は、ロッド756cを介してブラケット751a側に固定されたブロック片756aとシリンダ取付用ブラケット731dを介して横棹部731c側に固定されたブロック片756bとが上下にスライド自在に連結されてなる。この一方のブロック756aは、例えばエア駆動により、他方のブロック756bに対して相対的にスライド移動するようになっている。これにより、ブラケット751が上下に移動することで、現像液供給ノズル720に対して、リンス液供給ノズル740がリンス液供給ノズル回動用モータ752等と共に昇降移動する構成となっている。
【0195】
なお、この実施の形態では、リンス液供給ノズル740が現像液供給ノズル720に対して一体的に取付けられた構成となっているが、勿論、上記第2の実施の形態のように、それらを別々に独立して設けてもよい。
【0196】
また、最終リンスノズル770は、ノズル支持アーム771の先端部とそれよりも手前の位置に2つ取付けられている。各最終リンスノズル770のそれぞれには配管772を介してリンス液が供給される。先端部の最終リンス液供給ノズル770は、半導体ウエハSWの中央部にリンス液を供給するためのもので、それよりも手前の位置の最終リンス液供給ノズル770は半導体ウエハSWの外周側部分にリンス液を供給するためのものである。ノズル支持アーム771の一端部は半導体ウエハSWの外周側、より具体的には、リンス液供給動作位置U1よりも外側の位置に回動自在に取付けられている。そして、半導体ウエハSWに現像液やリンス液を供給する際には、ノズル支持アーム771は半導体ウエハSWから側方へ外れた待機位置に位置している(図21参照)。また、半導体ウエハSWに現像反応を停止するためのリンス液を供給した後、該半導体ウエハSWの上面を洗浄する際には、先端側の最終リンス液供給ノズル770が半導体ウエハSWの上方に位置するように、モータ等の駆動によりノズル支持アーム771が回動し、該最終リンス液供給ノズル770からのリンス液が半導体ウエハSWの中央部及びそれよりも外周側の部分に向けて吐出される構成となっている。
【0197】
図26は現像液供給系機構を示す配管図である。
【0198】
現像液供給系機構は、加圧用の現像液タンク780と、該現像液タンク780とそれとは別の現像液貯留タンク又は工場に設置された所定の現像液供給源である工場ユーティティとの間を結ぶ第1現像液系配管781と、所定のN2ガス供給源と現像液タンク780との間を結ぶ第2現像液系配管782と、現像液タンク780と現像液供給ノズル720との間を結ぶ第3現像液系配管783とを備えている。第1現像液系配管781には、エアオペレーションバルブ781aが介装されている。また、第2現像液系配管782には、N2ガスの流量調整用のレギュレータ782aとエアオペレーションバルブ782bとが介装されている。第3現像液系配管783には、エアオペレーションバルブ783a、現像液供給ノズル720に向けて流れる現像液の流量を計測するとともにこの流量を調整する機構を備えた流量計783b及び該現像液に含まれる異物を除去するためのフィルタ783cが介装されている。上記第1現像液系配管781及び第2現像液系配管782の現像液タンク780側端部は、現像液タンク780内の現像液非貯留空間である上部空間に開口しており、第3現像液系配管783の現像液タンク780側の端部は、現像液タンク780内の底部に向けて引込まれおり、その開口が貯留された現像液に浸された状態となっている。上記各エアオペレーションバルブ781a、782b、783aの開閉制御は、例えばN2ガス等の気体の流量制御により行われ、その開閉制御用の気体の流量は、制御部760による電磁弁の開閉制御により調整される。
【0199】
現像液供給ノズル720に現像液を供給するにあたって、前もって、現像液タンク780内に現像液を供給する。現像液タンク780内に現像液を供給する際には、エアオペレーションバルブ782b,783aを閉じた状態で、エアオペレーションバルブ781aを開いて、第1現像液系配管781を通じて現像液を現像液タンク780内に供給する。そして、現像液タンク780内に充分に現像液が貯留され、現像液供給ノズル720に現像液を供給する場合には、エアオペレーションバルブ781aを閉じた状態で、エアオペレーションバルブ782b,783aを開く。これにより、第2現像液系配管782を通じて現像液タンク780内にN2ガスが導入され、現像液タンク780の内圧が高まり、この内圧により現像液タンク780が押出され、第3現像液系配管783を通じて現像液供給ノズル720に現像液が供給されることとなる。なお、第3現像液系配管783を通じて現像液供給ノズル720に供給される現像液の流量調整は、流量計783bにより行われる。
【0200】
図27はリンス液供給系機構を示す配管図である。
【0201】
リンス液供給系機構は、加圧用のリンス液タンク785と、該リンス液タンク785とそれとは別のリンス液貯留タンク又は工場に設置された所定のリンス液供給源である工場ユーティティとの間を結ぶ第1リンス液系配管786と、所定のN2ガス供給源とリンス液タンク785との間を結ぶ第2リンス液系配管787と、リンス液タンク785とリンス液供給ノズル740との間を結ぶ第3リンス液系配管788とを備えている。第1リンス液系配管786には、エアオペレーションバルブ786aが介装されている。また、第2リンス液系配管787には、N2ガスの流量調整用のレギュレータ787aとエアオペレーションバルブ787bとが介装されている。第3リンス液系配管788には、エアオペレーションバルブ788a、リンス液に含まれる異物を除去するためのフィルタ788c及び該リンス液供給ノズル740に向けて流れるリンス液の流量を計測するとともにこの流量を調整する機構を備え流量計788bとが介装されている。
【0202】
つまり、第3リンス液系配管788におけるフィルタ788cと流量計788bの位置が逆になっている点を除けば、上記現像液供給系機構と同様構成となっており、同様の原理・動作にて、リンス液供給ノズル740に対してリンス液の供給を行う。
【0203】
図28は、本現像装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0204】
制御部760は、後に説明する一連の動作制御を行うものであり、CPU、ROMおよびRAM等を備え、予め格納されたソフトウェアプログラムによって所定の演算動作を行う一般的なマイクロコンピュータにより構成されている。
【0205】
この制御部760には、現像液供給ノズル720の移動位置を検出する位置検出センサ734a,734b,734c,734dと、リンス液供給ノズル原点位置検出用センサ755bが接続されており、各検出信号が制御部760に入力される。また、操作パネル762が制御部760に接続されており、該操作パネル762を通じて所定の操作指令が制御部760に入力される構成となっている。
【0206】
また、サーボモータ等により構成されるスピンモータ713が制御部760に接続されている。制御部760は、該スピンモータ713側のロータリーエンコーダ等の回転量検出機構等により出力される検出信号を受取り、該検出信号に基づいてスピンモータ713の回転量をフィードバック制御する。
【0207】
さらに、現像液供給ノズル走査用モータ736aと、現像液供給ノズル昇降用のエアシリンダ739aと、リンス液供給ノズル回動用モータ752と、リンス液供給ノズル昇降機構(エアシリンダ)756と、上記現像液供給系機構及びリンス液供給系機構におけるエアオペレーションバルブ781a、782b、783a、786a、787b、788a用の各電磁弁もそれぞれ制御部760に接続されており、それぞれ制御部760によって動作制御がなされる。
【0208】
次に、この現像装置による半導体ウエハSWの現像処理動作について説明する。
【0209】
図29は現像装置による一連の現像処理動作を示すフローチャートであり、図30は現像液供給ノズル720の動きを説明するための説明図であり、図31はリンス液供給ノズル740の動きを説明するための説明図である。
【0210】
処理開始後、まず、ステップS1において、搬送ロボットにより半導体ウエハSWがウエハ保持・回転機構710のスピンチャック712上に搬入される。なお、初期状態において内カップ716は下降している。
【0211】
続いて、ステップS2で半導体ウエハSWに対して現像液が供給される。
【0212】
すなわち、図30に示すように、初期状態では、現像液供給ノズル720は、待機位置U2において待機ポット718内に下降した位置にある。そして、ステップS2の処理開始後、矢符▲1▼に示すように当該待機位置U2において現像液供給ノズル720が上昇し、待機ポット718から上方に離れる。続いて、矢符▲2▼に示すように、現像液供給ノズル720が半導体ウエハSWの一端部の現像液吐出開始位置U3に向けて一定速度で水平移動した後、現像液吐出開始位置U3で矢符▲3▼に示すように現像液供給ノズル720が下降し、現像液供給ノズル720からの現像液の吐出が開始される。次に、矢符▲4▼に示すように、現像液供給ノズル720は現像液吐出開始位置U3から半導体ウエハSWの他端部の現像液吐出停止位置U4に向けて一定速度で水平移動しつつ、一定流量で現像液を半導体ウエハSWに向けて供給する。これにより、現像液が半導体ウエハSW上に液盛りされる。
【0213】
ここで、待機位置U2から現像液吐出開始位置U3に向けて現像液供給ノズル720が移動する速度は、現像液吐出開始位置U3から現像液吐出停止位置U4に向けて現像液供給ノズル720が移動する速度と同じ場合と、前者の速度が後者の速度よりも大きい場合とがある。後者の速度は、30mm/secから70mm/secの範囲で任意に設定可能である。また、吐出される現像液は、アルカリ水溶液や所定の溶剤である。このときの現像液の供給流量は、0.7リットル/分から1.8リットル/分の範囲で任意に設定される。流量の設定値は、所定の現像処理条件で最適値を実験等で求めて流量計783bを調整した後には、固定される。
【0214】
また、図32に示すように、現像液供給ノズル720が半導体ウエハSW上を移動する際、半導体ウエハSWの上面と現像液供給ノズル720の最下端部との間隔寸法Ddは、1.5mm程度であることが好ましい。
【0215】
次に、矢符▲5▼に示すように、現像液吐出停止位置U4で、現像液供給ノズル720が上昇する。
【0216】
なお、このステップS2において、リンス液供給ノズル740は、上昇位置にあって、現像液供給ノズル720と共に移動している。また、半導体ウエハSWは静止している。
【0217】
次に、ステップS3において、静止現像処理を行う。
【0218】
すなわち、半導体ウエハSWの静止させた状態で、露光後の半導体ウエハSWに対する現像処理を行う。この静止現像時間は、レジストの溶解速度や装置のスループット等に依存し、3秒から120秒の範囲内で設定される。
【0219】
なお、この静止現像処理が終了した後、図30の矢符▲6▼に示すように、現像液供給ノズル720は一旦待機位置U2に戻り待機ポット718内に下降する。ちなみに、リンス液供給ノズル740と現像液供給ノズル720とは別に設けた構成にあっては(上記第2の実施の形態参照)、後述する基板搬出工程(ステップS7)後、即ち、半導体ウエハSWを取出した後で、現像液供給ノズル720が待機位置U2に戻る構成であってもよい。
【0220】
次に、ステップS4に示すように、半導体ウエハSWに対してリンス液の供給を行う。
【0221】
まず、図30の矢符▲7▼に示すように、現像液供給ノズル720が上昇し、半導体ウエハSWから離れた位置であるリンス液供給動作位置U1に向けて移動する。現像液供給ノズル720は上昇位置のまま静止する。このとき、リンス液供給ノズル740は半導体ウエハSWの一端部上に位置することとなる。この位置は、現像液供給ノズル720が現像液の吐出を開始する位置とは若干異なっており、当該位置よりも若干半導体ウエハSWに近づいた位置である。
【0222】
この状態で、図31の矢符aに示すように、現像液供給ノズル720に対してリンス液供給ノズル740が下降する。続いて、リンス液供給ノズル740からのリンス液の吐出を開始する。リンス液吐出開始後、リンス液供給ノズル740の回動を開始するのと同時に、半導体ウエハSWの回転を開始する。なお、半導体ウエハSWの周方向において、リンス液の供給がなされる位置と現像液の供給がなされる位置とは実質的に同じである。そして、リンス液供給ノズル740をπ/2rad(90度)回動させる(図31の矢符b参照)と共に、半導体ウエハSWを同じくπ/2rad(90度)回転させる。
【0223】
この際のリンス液供給ノズル740の回動の角速度と半導体ウエハSWの回転の角速度はπ/24(rad/sec)からπ/4(rad/sec)の範囲内で任意に設定可能である。ここでは、両角速度は一定であり、かつ、互いに等しい。
【0224】
なお、これらの角速度が一定である場合、仮に現像液供給ノズル720が半導体ウエハSW上を走査するのに要する時間と、リンス液供給ノズル740が半導体ウエハSW上を走査するのに要する時間とが等しい場合(例えば共に4秒)でも、半導体ウエハSWにおける現像液供給ノズル720の走査方向と平行なリンス液供給ノズル740の速度成分は、一定速度にはならないし、また、現像液供給ノズル720の走査速度と等しくならない。
【0225】
また、両方の角速度を一定に設定した場合、半導体ウエハSW上の各部位における現像停止時間が均一にならない。上記各角速度を制御することによって、半導体ウエハSWにおける現像液供給ノズル720の走査方向におけるリンス液供給ノズル740の速度成分を、現像液供給ノズル720の速度と等しくし、半導体ウエハSW上の各部位で現像停止時間を等しくすることは可能である。
【0226】
これらリンス液供給ノズル740の角速度と半導体ウエハSWの角速度との関係及び好ましい設定態様等については後で詳述する。
【0227】
なお、上記リンス液は、純水、アルコール、過酸化水素水、所定の溶剤等であり、リンス液の供給流量は、2.5リットル/分から3.5リットル/分の範囲で任意に設定される。流量の設定値は、所定の現像処理条件で最適値を実験等で求めて流量計788bを調整した後には、固定される。
【0228】
また、図33に示すように、リンス液供給ノズル740が半導体ウエハSW上を通過する際、半導体ウエハSWの上面とリンス液供給ノズル740の最下端部との間隔寸法Drは、上述した現像液供給ノズル720における間隔寸法Ddとは異なり、8mm程度であることが好ましい。半導体ウエハSW上に液盛りされる現像液の膜厚が3mm程度あり、これにリンス液供給ノズル740が干渉しないようにするためである。
【0229】
このように半導体ウエハSW上にリンス液が供給されることで、当該半導体ウエハSW上における現像反応が停止する。
【0230】
リンス液供給ノズル740が半導体ウエハSW上を回動した後、図31の矢符cに示すように、リンス液供給ノズル740が現像液供給ノズル720に対して上昇し、矢符dに示すように、リンス液供給ノズル740が先ほどとは逆方向に元の原点位置に戻る。そして、図30の矢符▲8▼▲9▼に示すように、現像液供給ノズル720が待機位置U2に移動し待機ポット718内に下降する。
【0231】
次に、ステップS5において、半導体ウエハSW上に最終的なリンス供給が行われる。
【0232】
すなわち、内カップ716を上昇させ、半導体ウエハSWを回転させつつ、リンス液(純水)を最終リンス液供給ノズル770から半導体ウエハSWの中央部に供給して、現像生成物を洗浄して除去する。
【0233】
このときの半導体ウエハSWの回転数は、500rpmから1000rpmである。
【0234】
次に、ステップS6において、半導体ウエハSWを高速回転させて、半導体ウエハSW上のリンス液を振り切り乾燥する。
【0235】
このときの半導体ウエハSWの回転数は、1500rpmから3000rpmである。
【0236】
最後に、ステップS7において、内カップ716を下降させ、スピンチャック712による半導体ウエハSWの吸着保持を解除した後、搬送ロボットにより半導体ウエハSWを搬出する。
【0237】
以上のように構成された現像装置によると、半導体ウエハSWを回転させた状態で、該半導体ウエハSWの上方を通過するようにリンス液供給ノズル740を回動させつつリンス液供給ノズル740からリンス液の供給を行っているため、吐出部742がリンス液の吐出方向に対してずれることになり、半導体ウエハSWに対するリンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0238】
また、半導体ウエハSWの全面において現像処理時間をほぼ同じにすることができ、均一な現像処理を行うことができる。
【0239】
さらに、ステップS4のリンス液供給工程中に、半導体ウエハSWが回転しているので、遠心力によって現像反応による溶解生成物を効率よく半導体ウエハSW外に導くことができる。
【0240】
<B.半導体ウエハとノズルとの相対的位置関係>
<B1.半導体ウエハに対するノズルの位置>
半導体ウエハSWとリンス液供給ノズル740との相対的な位置関係についてより詳しく説明する。
【0241】
図34は、XY平面上における半導体ウエハSWとリンス液供給ノズル740との位置関係を示す図である。XY平面については、半導体ウエハSWの回転軸を原点Oとし、半導体ウエハSWの仮想走査方向Laに沿ったx軸とそれに直交するy軸とを有するものを想定している。なお、ここでの仮想走査方向Laは、第2の実施の形態において説明した仮想走査方向Laと同じである。
【0242】
同図では、略円板状の半導体ウエハSWの回転中心は、原点O(0,0)に位置しており、そのウエハSWの半径はrである。なお、リンス供給の際には、半導体ウエハSWは原点Oを中心として左回り(矢符P方向)に回転する。
【0243】
また、リンス液供給ノズル740は、半導体ウエハSWの外接正方形Sの一頂点を回転中心O´(x0,y0)として、半導体ウエハSWの上方を左回り(矢符Q方向)に回転する。そして、リンス液供給ノズル740の延在方向における任意の位置と前記回転中心O´(x0,y0)との距離をr´とする。
【0244】
まず、半導体ウエハSWが静止している場合を想定すると、リンス液供給ノズル740の回転開始からt秒後、半導体ウエハSW上におけるリンス液供給ノズル740の任意の位置(x´,y´)は、下記式で表される。
【0245】
【数1】
Figure 2004193538
【0246】
但し、θ´は、リンス液供給ノズル740が回転を開始した時点からt秒後におけるリンス液供給ノズル740の回転角度である。
【0247】
次に、リンス液供給ノズル740の回転に合わせて、半導体ウエハSWが回転した場合を考える。ここで、半導体ウエハSWが回転を開始した時点からt秒後における半導体ウエハSWの回転角度をθとする。
【0248】
この場合、点(x´,y´)がθだけ回転して点(x,y)へ移動したと考えればよい。
【0249】
まず、点(x´,y´)を、極座標表示すると、図35に示すようにようになり、下記式のように表すことができる。
【0250】
【数2】
Figure 2004193538
【0251】
基板Wが左回りにθ回転する場合には、上記点(x´,y´)が右回りにθ回転したと考えればよい。ここで、θは基板Wが回転を開始した時点からt秒後における半導体ウエハSWの回転角度である。従って、半導体ウエハSWの仮想走査方向Laをx軸とし、それに直交する座標をy軸とし、かつ、半導体ウエハSWの回転中心を原点とする回転座標系において、半導体ウエハSWに対するリンス液供給ノズル740の任意の点の相対的な座標を(x,y)とすると、当該(x,y)は、次のように表すことができる。
【0252】
【数3】
Figure 2004193538
【0253】
余弦定理、正弦定理から、数3は次式のようになる。
【0254】
【数4】
Figure 2004193538
【0255】
そして、数2及び数4から、t秒後における半導体ウエハSWに対する相対的なリンス液供給ノズル740の任意の点の座標(x,y)は、次式で表される。
【0256】
【数5】
Figure 2004193538
【0257】
数5で、r´を変更すると、t秒後における、半導体ウエハSWに対するリンス液供給ノズル740の各部の位置を決定することができる。
【0258】
なお、リンス液供給ノズル740が回転周期T´で等速回転運動を行い、半導体ウエハSWが回転周期Tで等速回転運動を行うとき、θ、θ´は、次式で表される。
【0259】
【数6】
Figure 2004193538
【0260】
<B2.半導体ウエハの角速度とノズルの角速度との関係>
上記数5に基づいて、半導体ウエハSWの角速度とリンス液供給ノズル740の角速度との関係について説明する。
【0261】
まず、双方の角速度が同じである場合(両方の角速度が同期して変化する場合を含む)を考えると、t秒後における、半導体ウエハSWの回転角度θとリンス液供給ノズル740の回転角度θ´は同じであるから、θ=θ´となり、数5は次式のように表される。
【0262】
【数7】
Figure 2004193538
【0263】
なお、数7において、リンス液供給ノズル740と半導体ウエハSWとが同じ回転周期Tで等速回転運動を行うと考えたときには、下記式が成立する。
【0264】
【数8】
Figure 2004193538
【0265】
数7で、xに関する式は、r´の項を含んでおらず、半導体ウエハSWの半径rと回転角度θのみの関数となっているのが分る。これは、xがリンス液供給ノズル740の回転中心からの距離に依存しないことを表しており、リンス液供給ノズル740の延在方向が常に半導体ウエハSWの仮想走査方向Laに対して平行であることを表している。
【0266】
数7に基づいて、リンス液供給ノズル740が半導体ウエハSW上に描く軌跡を示すと、図36に示すようになる。なお、図36は回転する半導体ウエハSWの仮想走査方向Laを横軸としそれに直交する方向を縦軸とする座標系で示しており、半導体ウエハSWの直径は200mmである。
【0267】
同図に示すように、リンス液供給ノズル740は、半導体ウエハSW上において所定幅の円弧帯状を描くことがわかる。また、リンス液供給ノズル740の延在方向は、半導体ウエハSWの仮想走査方向Laに対して常に略垂直な姿勢となっており、仮想走査方向Laに直交する方向(図36の縦軸方向)に関しては、半導体ウエハSW上に吐出されるリンス液の量は均一であることが予想される。
【0268】
つまり、仮想走査方向Laに直交する方向において半導体ウエハSW上に吐出されるリンス液の量を可及的に均一にするためには、t秒後における半導体ウエハSWの回転角度θとリンス液供給ノズル740の回転角度θ´とを常に同じに、即ち、両者の角速度を同じにする必要がある。
【0269】
なお、リンス液供給ノズル740の回転軸の座標を半導体ウエハSW外の任意の座標に設定しても同様の結論を得ることができる。
【0270】
<B3.仮想走査方向に沿ったノズルの相対速度>
数7に基づいて、半導体ウエハSWの仮想走査方向Laに沿ったリンス液供給ノズル740からのリンス液の吐出量について考える。
【0271】
図37における半導体ウエハSW上の黒丸は、半導体ウエハSWとリンス液供給ノズル740とが共に一定の回転速度で回転し4秒で1/4回転するときに、すなわち、T=16秒としたときに、0、1、2、3、4秒後でのリンス液供給ノズル740の位置を示している。
【0272】
このとき、仮想走査方向Laにおいて、0〜1秒の間での移動距離は45.9mmであり、1〜2秒の間での移動距離は54.1mmであり、2〜3秒の間での移動距離は54.1mmであり、3〜4秒の間での移動距離は45.9mmである。すなわち、単位時間当りのリンス液供給ノズル740の移動距離が異なっているのがわかる。
【0273】
図38はリンス液供給ノズル740が通過する単位時間当りの面積を示している。
【0274】
F1は0〜1秒の間にノズル740が通過する面積、F2は1〜2秒の間にノズル740が通過する面積を表している。ノズル740の長さをLとすれば、F1、F2はそれぞれ下記式のようになる。
【0275】
【数9】
Figure 2004193538
【0276】
1秒間に例えば100ccのリンス液が吐出されるとすれば、単位面積当りのリンス液の量は、F1の方が多いのは明らかである。
【0277】
また、数7及び数8が成立する条件で、数8を数7に代入し、xを時間tで微分してリンス液供給ノズル740の相対速度成分を求めると、次式のようになる。
【0278】
【数10】
Figure 2004193538
【0279】
数10の計算値の絶対値をとると、ウエハSWの仮想走査方向Laにおけるノズル740の相対的な速度成分を得ることができる。
【0280】
図39は、T=16秒としたとき、ウエハSWに対するノズル740の相対的な速度を示す図である。
【0281】
同図に示すように、回転開始から2秒後、即ち、ノズル740がπ/4回転したときに、55.5mm/secとなり、最大の速度となる。一方、ノズル740及びウエハSWの回転開始時及び回転終了時には、39.3mm/secとなり、最小の速度となる。このままで、ウエハSW上に吐出されるリンス液の量は、仮想走査方向Laに沿って、ウエハSWの中央部で最も少なくなり、供給開始端及び供給終了端で最も少なくなる。かかる不均一性を無くするためには、仮想走査方向Laに沿った、ウエハSWに対するノズル740の相対速度成分を一定にする必要があり、そのための条件を以下に示す。
【0282】
この場合、ノズル740がウエハSWの端から端までを、ノズル740がウエハSWの上方を通過するのに要する時間で、一定速度で移動すればよい。
【0283】
ここで、ノズル740とウエハSWとを同じ角速度で回転させた場合において(θ=θ´)、ノズル740及びウエハSWが一回転するのに要する時間をT″とすると、ノズル740がウエハSWの上方を通過するのに要する時間は、T″/4である。つまり、ウエハSWの直径に相当する距離2rを、T″/4で一定速度で移動すればよい。
【0284】
仮想走査方向Laに沿った、ウエハSWに対するノズル740の相対速度成分をvxとすると、相対速度成分vxは、次式のように表すことができる。
【0285】
【数11】
Figure 2004193538
【0286】
速度成分vxでノズル740を移動させたとき、t秒後のノズル740の位置は、下記式のようになる。
【0287】
【数12】
Figure 2004193538
【0288】
数7のxと、数12のxは同じことを表しているので、数7及び数12より下記等式が成立する。
【0289】
【数13】
Figure 2004193538
【0290】
数13の左辺について、三角関数の合成公式を用いると、下記式のようになる。
【0291】
【数14】
Figure 2004193538
【0292】
そして、数14より、θは次式のようになる。
【0293】
【数15】
Figure 2004193538
【0294】
図40に、T″=16secとしたときの、時間tと回転角度θとの関係を示す。同図において点線は一定角速度の場合の関係を示しており、連続直線は数15に従って角速度を制御した場合の関係を示している。
【0295】
数15を満たすように角速度を制御した場合には、半導体ウエハSWの仮想走査方向Laにおいて、ウエハSWに対するノズル740の相対速度成分Vxは一定になる。
【0296】
特に、前述したリンス液供給ノズル140,740の仮想走査方向Laにおける相対速度成分の速度パターンを、基板W上を移動する現像液供給ノズル120,720と移動速度パターン(後述の実施の形態では、例えば、仮想走査方向Laにおける現像液供給ノズル220の相対速度成分の速度パターン)と実質的に同じ等速度パターンとすることで、現像停止タイミングを基板Wの面内で均一にできる上、リンス液の供給量を面内でほぼ均一にできる。
【0297】
<B4.リンス液供給ノズルの回転中心と半導体ウエハの位置との関係>
ここでは、リンス液供給ノズル740の回転中心と半導体ウエハSWの位置との関係について考える。
【0298】
なお、図41、図42、図43及び図44では、回転する半導体ウエハSWの仮想走査方向Laを横軸としそれに直交する方向を縦軸とする座標系において、直径200(mm)のウエハSWがその回転中心を原点(0,0)に一致させて配置された場合を以下に示す。
【0299】
まず、半導体ウエハSWに外接する正方形Sの外側にリンス液供給ノズル740の回転中心がある場合を以下に示す。
【0300】
ここでは、より具体的に、図41に示すように、ノズル740の回転中心が座標(110,−130)にある場合を以下に示す。
【0301】
この場合、ノズル740はウエハSW上を円弧帯状に移動し、ウエハSW及びノズル740が約80度回転したときに、ノズル740はウエハSWの全面を通過する。なお、図41の円弧状曲線は、ウエハSW及びノズル740が共に90度回転したときの軌跡を示している。
【0302】
これから、半導体ウエハSWの外接正方形の外側に、リンス液供給ノズル740の回転中心がある場合、リンス液供給ノズル740は半導体ウエハSWの全面上方を通過することができる。
【0303】
次に、半導体ウエハSWに外接する正方形Sの内側で、かつ、半導体ウエハSWの外側にリンス液供給ノズル740の回転中心がある場合を以下に示す。
【0304】
ここでは、より具体的に、図42及び図43に示すように、リンス液供給ノズル740の回転中心が座標(90,−80)にある場合を以下に示す。
【0305】
図42は、ウエハSWとノズル740とを共に90回転させたときのノズル740の軌跡を示しており、図43はウエハSWとノズル740とを共に113度回転させたときのノズル740の軌跡を示している。
【0306】
これらの図に示すように、両者を90度回転させただけでは、ノズル740がウエハSW全面を通過せず、ウエハSWの途中で止ることとなる。ウエハSWの全面を通過させるためには、両者を共に113度回転させる必要がある。
【0307】
次に、半導体ウエハSWの内側に、リンス液供給ノズル740の回転中心がある場合を以下に示す。
【0308】
ここでは、より具体的に、図44に示すように、ノズル740の回転中心が座標(30,−40)にあるときのノズル740の軌跡を示している。
【0309】
同図の弧状曲線は、ウエハSWとノズル740とを共に90度回転させたときのノズル740の軌跡を示しており、この場合には、ノズル740がウエハSWの全面を通過していないことがわかる。
【0310】
また、このようにウエハSWの内側にノズル740の回転中心があるとき、ノズル740の長さをいくら長くしても、回転角を大きくしても、ウエハSWとノズル740とが同回転速度で回転している限り、ノズル740がウエハSWの全面を通過することは原理的に不可能である。
【0311】
以下にその説明を述べる。
【0312】
ノズル740の回転中心を(x1,y1)、ノズル740と角速度とウエハSWの角速度とが同じで、θ=θ´、とすれば、数5は、下記式のように書換えることができる。
【0313】
【数16】
Figure 2004193538
【0314】
数16のxについて三角関数の合成公式を使うと、下記式のようになる。
【0315】
【数17】
Figure 2004193538
【0316】
ウエハSWの半径が100mmのとき、ノズル740をウエハSWの外側から走査させようとすると、x≧100であればよい。すなわち、下記式が成立する必要がある。
【0317】
【数18】
Figure 2004193538
【0318】
数18から、半径100mmの円の外側にノズル740の回転中心を配置する必要があることがわかる。
【0319】
<B5.仮想走査方向に沿ったノズルの相対速度の一般式化>
上記数15は、半導体ウエハSWの外接正方形Sの一頂点にノズル740の回転軸をおくという条件下で、半導体ウエハSWの仮想走査方向Laにおいて、ウエハSWに対するノズル740の相対速度成分が一定になる関係を規定している。
【0320】
ところが、数18に示すように、ノズル740の回転中心をウエハSWの外側に配設した場合であれば、該ノズル740がウエハSWの全面を通過可能になることがわかった。
【0321】
そこで、以下の説明においては、ノズル740の回転軸をウエハSWの外側に配設するという条件下で、半導体ウエハSWの仮想走査方向Laにおいて、ウエハSWに対するノズル740の相対速度成分が一定になる関係式をより一般式化する。
【0322】
すなわち、ノズル740の回転中心がウエハSWの外側にある任意の点(x,y)であるとすると、回転開始からt秒後におけるウエハSWに対する相対的なノズル740の任意の点の座標(x,y)を示す数5は、下記式のように書き改められる。
【0323】
【数19】
Figure 2004193538
【0324】
半導体ウエハSWの角速度とノズル740の角速度とが同じである場合(両角速度が同期して変化する場合を含む)を考えると、θ=θ´となる。この場合、数19のxに着目すると、下記式のようになる。
【0325】
【数20】
Figure 2004193538
【0326】
ここで、(x,y)を極座標表示すると、下記式のように表すことができる。
【0327】
【数21】
Figure 2004193538
【0328】
従って、xは下記式のようになる。
【0329】
【数22】
Figure 2004193538
【0330】
また、ノズル740がウエハSW上を、仮想走査方向Laに沿ったx軸方向に沿って等速に移動するとすれば、下記数23が成立する。
【0331】
【数23】
Figure 2004193538
【0332】
ここで、時間Tは、ノズル740がウエハSWの始点から終点へ移動するのに要する時間、即ち、ノズル740がウエハSW上を通過するのに要する時間である。
【0333】
そして、数22及び数23より、下記数24及び数25が導き出される。
【0334】
【数24】
Figure 2004193538
【0335】
【数25】
Figure 2004193538
【0336】
従って、ノズル740の回転軸をウエハSWの外側に配設するという条件下で、半導体ウエハSWの仮想走査方向La(x軸方向)において、ウエハSWに対するノズル740の相対速度成分を一定にするためには、上記数25を満たすように、ノズル740の角速度及びウエハSWの角速度を制御すればよい。
【0337】
<B6.まとめ>
以上をまとめると、リンス液供給ノズル740が半導体ウエハSWの全面を通過し、かつ、リンス液供給ノズル740から吐出されるリンス液が半導体ウエハSW上に可及的に均一な態様で供給されるためには、次の3つのポイントを満たしていることが好ましい。
【0338】
一つ目は、半導体ウエハSWとリンス液供給ノズル740と、同時に、かつ、同じ角速度で回転させることである。
【0339】
二つ目は、半導体ウエハSWとリンス液供給ノズル740との各角速度を制御することである。例えば、半導体ウエハSWの外接正方形Sの一頂点に、リンス液供給ノズル740の回転軸をおいた場合には、上記数15を満たすように制御する。また、半導体ウエハSWの外側にリンス液供給ノズル740の回転軸をおいた場合には、上記数25を満たすように制御する。
【0340】
三つ目は、リンス液供給ノズル740の回転中心を、半導体ウエハSWの外側に配設することである。
【0341】
なお、半導体ウエハとノズルとの相対的位置関係の項目で述べた内容は、上記第2の実施の形態の他、以下の各実施の形態においても適用できる。勿論、現像液供給ノズルを回転させる場合にも、適用できる。
【0342】
{第4の実施の形態}
第4の実施の形態に係る現像装置について説明する。
【0343】
図45は現像装置の概略構成を示す平面図であり、図46は現像装置の概略構成を示す側面図である。
【0344】
この現像装置は、基板である半導体ウエハSWの表面に形成されたレジスト薄膜を現像するための装置である。
【0345】
処理対象物である半導体ウエハSWは、実質的に円形板状に形成されている。半導体ウエハSWの直径は、例えば、200mm或は300mmである。また、半導体ウエハSWの外周部の一部には、ノッチ或はオリエンテーションフラット(オリフラ)が形成されている。なお、この半導体ウエハSWには、本装置により現像処理がなされるのに先だって、レジスト薄膜には所定のパターンが露光されている。
【0346】
この現像装置は、ウエハ保持・回転機構810と、現像液供給ノズル820と、現像液供給系機構826と、ノズル走査機構830と、ノズル昇降機構890と、リンス液供給ノズル840と、リンス液供給系機構846と、リンス液供給ノズル回転支持機構850と、制御部860とを備えている。
【0347】
ウエハ保持・回転機構810は、半導体ウエハSWを保持する機構及び半導体ウエハSWを回転させるための機構であり、支持軸部811と、支持軸部811の上端部に設けられたスピンチャック812と、支持軸部811の下端部に連結された回転軸を有するスピンモータ813とを備えている。
【0348】
スピンチャック812は、半導体ウエハSWを略水平姿勢に保持するためのものであり、半導体ウエハSWを吸着保持するバキュームチャックにより構成されている。スピンチャック812として、その他、半導体ウエハSWの外周縁部を掴んで保持するメカチャックを用いてもよい。
【0349】
スピンモータ813は、例えば、サーボモータにより構成されるものであり、後述する制御部860から与えられる信号(パルス数信号等)により回転速度及び回転量を可変に制御可能に構成されている。このスピンモータ813の回転が支持軸部811を介してスピンチャック812に伝達される。このスピンモータ813の回転駆動により、半導体ウエハSWが鉛直軸を回転軸として水平面内で回転可能とされることとなる。
【0350】
なお、スピンチャック812の周りには、スピンチャック812に保持される半導体ウエハSWを囲むようにして平面視略円形状の内カップ816が設けられている。内カップ816の上側開口部は、上方に向けて順次狭まる開口形状に形成されている。そして、その開口上縁部を半導体ウエハSWの外周部周りに配設した上昇位置とそれよりも低い下降位置との間で、内カップ816がエアシリンダ等の昇降機構によって昇降移動自在とされている。
【0351】
また、この内カップ816を囲むようにしてバット817が設けられている。このバット817は、後に詳述する現像液供給ノズル820の吐出部822の直線帯状移動軌跡よりも一回り大きな略方形状の平面視形状を有している。そして、現像液供給ノズル820の吐出部822がバット817の上方領域を移動し、その吐出部822から吐出される現像液が内カップ816の外周面を伝わって或は内カップ816とバット817間を通って、バット817の底部内に向けて導かれるようになっている。なお、リンス液供給ノズル840もバット817の上方領域内で回転移動するようになっており、このリンス液供給ノズル840の吐出部842から吐出されるリンス液も同様態様にてバット817の底部に向けて導かれるようになっている。
【0352】
さらに、外カップの外方一側部であって現像液供給ノズル820の待機位置に対応して、待機ポット818が設けられている。待機ポット818は、現像液供給ノズル820を上方から収容配置可能な上方開口状の筺状体に形成されている。
【0353】
現像液供給ノズル820は、半導体ウエハSWの幅寸法(直径寸法)と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部822を有している。
【0354】
ここでは、現像液供給ノズル820は、長尺状のノズル本体部821の一側部に、スリット状の吐出部822が形成されてなる。吐出部822は、ノズル本体部821の長手方向に沿って延びている。この吐出部822からは、その幅方向全体に亘って一様なカーテン状に現像液が吐出され、半導体ウエハSWの幅方向全体に亘って現像液を供給可能な構成となっている。
【0355】
また、この現像液供給ノズル820には、現像液供給系機構826が連結されている。この現像液供給系機構826は、第3の実施の形態において図26を用いて説明したのと同様構成とされている。
【0356】
ノズル走査機構830は、半導体ウエハSWの上方を通過するように、現像液供給ノズル820を水平方向に沿って直線状に移動させるためのノズル移動機構であり、支持体805の一側部に水平移動自在にガイド支持された支持側板部831と、該支持側板部831を水平方向に沿って往復移動させるための水平駆動部835とを備えている。
【0357】
支持側板部831は、長尺板形状に形成されている。この支持側板部831の上側部分を支持体805よりも上方に突出させた状態で、支持側板部831の下側部分が、支持体805の一側部の外面に設けられた2つのリニアガイド832によって水平方向に沿って移動自在にガイド支持されている。
【0358】
また、水平駆動部835は、支持体805の一側部の両端部に設けられた駆動プーリ836及び従動プーリ837と、駆動プーリ836を回転させるためのノズル走査用モータ836aと、これらプーリ836,837に巻掛けられたベルト838とを備えている。また、上記支持側板部831の下端部は、ベルト838のうち両プーリ836,837間を走行する上側部分に固定されている。そして、ノズル走査用モータ836aの駆動により駆動プーリ836を回転させることで、ベルト838が回転し、この回転に伴って支持側板部831が支持体805の一側で水平方向に沿って往復移動する構成となっている。
【0359】
なお、ノズル走査用モータ836aは、例えばステッピングモータにより構成されており、制御部860から与えられる信号(パルス数信号等)に応じて正逆両方向への回転量及び回転速度を制御可能に構成されている。
【0360】
なお、支持体805の一側部の外面には、支持側板部831の移動位置を検出することで現像液供給ノズル820の移動位置を検出する複数の位置検出センサ834a,834b,834c,834dが設けられている。これらの検出出力は、制御部860に与えられる。
【0361】
また、この支持側板部831の上方突出部分に、ノズル昇降機構890が設けられている。
【0362】
ノズル昇降機構890は、いわゆるボールネジ構造により構成されており、即ち、外周面にネジ溝が形成されたボールネジ軸部891と、内周部にネジ溝が形成されたボールナット部892と、ボールネジ軸部891を回転させるためのステッピングモータ等の回転駆動部893とを備えている。
【0363】
ボールネジ軸部891は、支持側板部831の上方突出部分に、略垂直姿勢で支持されている。このボールネジ軸部891は、制御部860の制御信号を受けて制御される回転駆動部893の回転軸に連結されており、当該回転駆動部893の回転駆動力を受けて正逆両方向に回転可能に構成されている。
【0364】
また、ボールナット部892は、ボールネジ軸部891の外周面との間にボールを介在させた状態で、ボールネジ軸部891に螺合している。そして、ボールネジ軸部891の正逆両方向の回転に応じて、ボールネジ軸部891の軸方向に沿って昇降移動する構成となっている。
【0365】
また、このボールナット部892に、第1ブラケット896を介して上記現像液供給ノズル820が片持ち状に支持固定されている。現像液供給ノズル820は、支持側板部831の移動方向に沿って略垂直な方向に沿った姿勢で、半導体ウエハSWの上方を通過可能な略水平姿勢とされている。また、現像液供給ノズル820の吐出部822は下方に向けられている。
【0366】
そして、上記ノズル走査機構830の駆動により、現像液供給ノズル820が半導体ウエハSWの上方を直線状に通過可能となっており、また、その通過の際に、吐出部822から現像液を吐出させることで、半導体ウエハSWの主面に現像液が供給されることとなっている。
【0367】
また、ノズル昇降機構890の駆動により、現像液供給ノズル820が、半導体ウエハSW上を通過可能な位置と、それよりも低位置にあって待機ポット818内に配設される位置との間で、昇降する構成となっている。なお、その他、エアシリンダ等により昇降する構成であってもよい。
【0368】
リンス液供給ノズル840は、長尺状のノズル本体部841の一側部にスリット状の吐出部842が形成されてなる。吐出部842は、ノズル本体部841の長手方向に沿って延びている。この吐出部842から、その幅方向全体に亘って一様なカーテン状にリンス液が吐出されるようになっている。
【0369】
また、このリンス液供給ノズル840には、リンス液の供給を行うためのリンス液供給系機構846が連結されている。このリンス液供給系機構846は、上記第3の実施の形態において図27を用いて説明したのと同様構成とされている。
【0370】
図47は、リンス液供給ノズル回転支持機構850を示す要部拡大平面図である。
【0371】
図45〜図47に示すように、リンス液供給ノズル回転支持機構850は、リンス液供給ノズル840を回転自在に支持すると共に該リンス液供給ノズル840を回転駆動するための機構である。本実施の形態においては、リンス液供給ノズル回転支持機構850は、第2ブラケット898を介して上記ボールナット部892に支持されている。このため、上記現像液供給ノズル820と共に、昇降移動及び水平移動するようになっている。もっとも、現像液供給ノズル820とは独立して一定位置に設けられた構成であってもよい。
【0372】
このリンス液供給ノズル回転支持機構850は、リンス液供給ノズル840を回転自在かつ所定の軸移動方向Mに沿って移動自在に支持するノズル支持部851と、所定の回転駆動を行うノズル回転駆動部854と、ノズル回転駆動部854の回転駆動力をリンス液供給ノズル840に伝達する駆動用アーム部856とを備えている。
【0373】
ノズル支持部851としては、一種のリニアガイド構造が採用されている。ここでは、ノズル支持部851は、スライド溝852aを有するスライド支持本体部852と、該スライド溝852a内をスライド移動自在に取付けられたスライド体853とを備えた構成となっている。このスライド溝852aは、現像液供給ノズル820の吐出部822の直線帯状移動軌跡の一側に設けられており、また、現像液供給ノズル820の走査方向Ldに対して斜行する方向に沿って延びている。このスライド溝852aの延在方向が上記所定の軸移動方向Mを規定している。なお、スライド溝852a(軸移動方向M)は、現像液供給ノズル820の走査方向Ldに対して非平行な方向に延びていればよく、例えば、当該走査方向Ldに対して略直交する方向に沿って延びていてもよく、また、曲線状に延びていてもよい。また、ノズル支持部851としては、その他、リンス液供給ノズル840側の軸部が溝内に移動自在かつ回転自在に支持された一種の溝カム構成を採用してもよい。
【0374】
また、上記スライド体853に、リンス液供給ノズル840の一端部側に延設された支持アーム部848が軸部848aを介して回転自在に支持されている。そして、リンス液供給ノズル840は、該軸部848aを中心にして、現像液供給ノズル820の走査方向Ldに比較的近い第1の角度姿勢(図51参照)から現像液供給ノズル820の走査方向Ldと直交する方向に比較的近い第2の角度姿勢(図53参照、本実施の形態では現像液供給ノズル820に対して略平行な姿勢)に向けて回転して、半導体ウエハSWの上方を通過可能とされている。また、この際、上記スライド体853がスライド溝852a内をスライド移動することで、当該リンス液供給ノズル840の回転軸が半導体ウエハSWの回転軸(本実施の形態においては半導体ウエハSWの中心と一致している)に対して接近・離隔する方向に移動自在、より具体的には、吐出部822の直線帯状移動軌跡の一側で、現像液供給ノズル820の走査方向Ldと斜交する軸移動方向Mに沿って移動自在となっている。
【0375】
なお、本実施の形態では、リンス液供給ノズル840が、第1の角度姿勢から第2の角度姿勢に向けて回転する際に、リンス液を供給する構成となっているが、逆に、第2の角度姿勢から第1の角度姿勢に向けて回転しつつリンス液を供給する構成であってもよい。もっとも、前者の構成を採用する利点については後述する。
【0376】
ノズル回転駆動部854は、ノズル支持部851の側方に位置して、第2ブラケット898に取付けられた第3ブラケット899に取付けられている。本実施の形態では、ノズル回転駆動部854は、現像液供給ノズル820の吐出部822の直線帯状移動軌跡の外側、より具体的には、バット817の一側外方に配設されている。このノズル回転駆動部854は、例えば、ステッピングモータ等により構成されており、回転駆動される回転軸部854aを有している。この回転軸部854aは、上記所定の軸移動方向Mから外れた位置に設けられている。また、このノズル回転駆動部854の回転量及び回転速度は、制御部860から与えられる信号に応じて可変に制御される。
【0377】
駆動用アーム部856は、長尺形状を有しており、その一端部が回転軸部854aに回止状態に固定されると共に、他端部がリンス液供給ノズル840に回転自在に連結されている。本実施の形態では、駆動用アーム部856の他端部は、リンス液供給ノズル840の長手方向中央部よりもその基端側よりの位置に、連結されている。
【0378】
そして、回転軸部854aの回転駆動により、駆動用アーム部856が当該回転軸部854aを中心にして回転する。この回転により、リンス液供給ノズル840が上記軸部848aを中心にして半導体ウエハSWの上方を通過するように回転することとなる。また、同時にスライド体853がスライド溝852a内をスライド移動することにより、リンス液供給ノズル840が所定の軸移動方向Mに沿って移動することになる。これにより、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの回転軸上を通過する時点における、リンス液供給ノズル840の回転軸と半導体ウエハSWの回転軸との軸間距離よりも、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの上方を通過する通過終了時点における(即ち、第2の角度姿勢における)当該回転軸間よりが大きくなることとなる。
【0379】
なお、リンス液供給ノズル840を回転させると共にスライド体853をスライド移動させるために必要とされる、リンス液供給ノズル840の軸移動方向M及び駆動用アーム部856の回転軸部854aの位置関係については後に詳述する。
【0380】
なお、本実施の形態では、リンス液供給ノズル回転支持機構850及びリンス液供給ノズル840を、現像液供給ノズル820と共に水平移動及び昇降移動させる構成となっているが、リンス液供給ノズル840及び現像液供給ノズル820が別々の移動機構によって独立して移動する構成であってもよい。
【0381】
また、バット817の外方位置に、最終リンスノズル870が設けられている。最終リンスノズル870は、ノズル支持アーム871の先端部とそれよりも手前の位置に2つ取付けられている。各最終リンスノズル870のそれぞれには配管を介してリンス液が供給される。先端部の最終リンスノズル870は、半導体ウエハSWの中央部にリンス液を供給するためのもので、それよりも手前の位置の最終リンスノズル870は半導体ウエハSWの外周側部分にリンス液を供給するためのものである。ノズル支持アーム871の一端部は装置筐体802に回動自在に取付けられている。そして、半導体ウエハSWに現像液やリンス液を供給する際には、ノズル支持アーム871は半導体ウエハSWから側方へ外れた待機位置に位置している。また、半導体ウエハSWに現像反応を停止するためのリンス液を供給した後、該半導体ウエハSWの上面を洗浄する際には、先端側の最終リンスノズル870が半導体ウエハSWの上方に位置するように、モータ等の駆動によりノズル支持アーム871が回動し、該最終リンスノズル870からのリンス液が半導体ウエハSWの中央部及びそれよりも外周側の部分に向けて吐出される構成となっている。
【0382】
制御部860は、本装置全体の制御を行うものであり、CPU、ROMおよびRAM等を備え、予め格納されたソフトウェアプログラムによって所定の演算動作を行う一般的なマイクロコンピュータにより構成されている。
【0383】
この制御部860は、次に説明する一連の動作の制御を行うものであり、少なくとも、半導体ウエハSWに現像液を供給させた後、半導体ウエハSWにリンス液を供給させる動作を行う。特に、リンス液を供給する際、半導体ウエハSWを所定の第1回転方向に回転させると共に、半導体ウエハSW上の現像液層の上方を通過するようにリンス液供給ノズル840を当該第1の回転方向に回転させつつ、その吐出部842からリンス液を吐出させる動作を行わせる。
【0384】
次に、この現像装置の動作について、図48〜図54を参照して説明する。
【0385】
まず、搬送ロボットにより半導体ウエハSWがウエハ保持・回転機構810のスピンチャック812上に搬入される。これにより、半導体ウエハSWがウエハ保持・回転機構810に静止状態で水平姿勢に保持されることとなる。なお、この初期状態では、内カップ816は下降している。
【0386】
続いて、現像液供給ノズル820が上昇し、待機ポット818から上方に離れる。上昇後、現像液供給ノズル820は走査方向Ldに向けて移動する。そして、現像液供給ノズル820が静止している半導体ウエハSWの一端部に達した時点で現像液の吐出を開始する。これにより、図49に示すように、現像液供給ノズル820は、半導体ウエハSWの一端部から他端部に向けた走査方向Ldに向けて一定速度で水平移動しつつ、一定流量で現像液を半導体ウエハSWに向けて吐出する。これにより、半導体ウエハSW上に現像液が液盛りされることとなる。なお、現像液として吐出される液は、アルカリ水溶液や所定の溶剤である。
【0387】
現像液供給ノズル820が半導体ウエハSWの他端部を通過した時点で、現像液の吐出が停止される。そして、図50に示すように、現像液供給ノズル820が半導体ウエハSWの他端部を越えて、かつ、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの他端部外側位置に達した位置(リンス液供給位置)で、現像液供給ノズル820の移動が停止される。この状態では、リンス液供給ノズル840は上記第1の角度姿勢に位置している。
【0388】
次に、図51に示すように、リンス液供給ノズル840を所定の回転方向(図51では反時計回り)に回転させることにより、半導体ウエハSWの上方を通過させて、当該半導体ウエハSWの外周部に接する位置(第2の角度姿勢)に一旦移動させる。同時に、半導体ウエハSWを回転させて、半導体ウエハSWの外周部の一端部(現像液の供給開始位置)をリンス液供給ノズル840と対向する位置に配設する。
【0389】
そして、所要の現像処理時間が経過した後、半導体ウエハSWに対してリンス液の供給を開始する。ここで、現像時間は、レジストの溶解速度や装置のスループット等に依存し、例えば、3秒〜120秒の範囲内で設定される。
【0390】
すなわち、所要の現像処理時間経過後、図52に示すように、リンス液供給ノズル840を所定の第1回転方向(図52では時計回り)に向けて回転させるのと同時に、その吐出部842からのリンス液の吐出を開始する。これにより、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの主面上に形成された現像液層の上方を通過してリンス液が供給され、現像反応が停止される。また、この際、リンス液供給ノズル840の回転、特に、半導体ウエハSWの回転軸通過後の回転に伴い、リンス液供給ノズル840の回転軸が半導体ウエハSWの回転軸から離隔する方向へ移動する。本実施の形態では、該回転軸は現像液供給ノズル820の走査方向Ldと斜交する軸移動方向Mに沿って半導体ウエハSWの回転軸から離隔する方向へ移動する。すなわち、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの回転軸(中心)を通過する時点におけるリンス液供給ノズル840の回転軸と半導体ウエハSWの回転軸との軸間距離よりも、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの上方を通過し終る通過終了時点における回転軸間距離の方が大きくなる。
【0391】
これにより、リンス液供給ノズル840の先端部が現像液供給ノズル820の帯状移動軌跡の内側に向けて退避移動し、バット817の上方領域から外方にはみ出ることなく移動することとなる。また、リンス液供給ノズル840の回転に合わせて、半導体ウエハSWを第1回転方向に向けて回転させる。この際、半導体ウエハSWにおける現像液の供給開始端部と供給終了端部とを結ぶ仮想走査方向Laとリンス液供給ノズル840が可及的に直交し、かつ、その仮想走査方向Laに沿ったリンス液供給ノズル840の移動速度成分が可及的に等速となるように、リンス液供給ノズル840の回転速度及び半導体ウエハSWの回転速度を制御することが好ましい。なお、リンス液としては、純水、アルコール、過酸化水素水、所定の溶剤等が用いられる。
【0392】
そして、図53に示すように、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの上方を通過して、現像液供給ノズル820と略平行姿勢(第2の角度姿勢)になると、リンス液供給ノズル840の移動が停止する。なお、半導体ウエハSWの上方を通過しているときの現像液供給ノズル820と半導体ウエハSWとの間隔寸法よりも、半導体ウエハSWの上方を通過しているときのリンス液供給ノズル840と半導体ウエハSWとの間隔寸法の方が大きくなるように設定されていることが好ましい。リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSW上の現像液層に接触することを防止するためである。これは他の各実施の形態についても同様である。
【0393】
この後、内カップ816が上昇すると共に、最終リンスノズル870が半導体ウエハSWの上方に移動する。そして、半導体ウエハSWを回転させつつ、最終リンスノズル870から最終的なリンス液の供給を行う。
【0394】
最終的なリンス液の供給が行われた後、半導体ウエハSWを高速回転させて、半導体ウエハSW上のリンス液を振切り乾燥する。
【0395】
この振り切り乾燥の途中で、内カップ816を徐々に下降させる。また、内カップ816が下降する途中で、現像液供給ノズル820の待機位置への移動を開始し、現像液供給ノズル820とリンス液供給ノズル840を上昇させて走査方向Ldとは反対方向に移動させて、半導体ウエハSWの上方を通過させる。
【0396】
これにより、図54に示すように、現像液供給ノズル820とリンス液供給ノズル840とが、半導体ウエハSWの一端側外方の待機位置に戻る。そして、現像液供給ノズル820とリンス液供給ノズル840とが下降して、待機ポット内に配置される。
【0397】
最後に、スピンチャック812による半導体ウエハSWの保持を解除した後、搬送ロボットにより半導体ウエハSWを搬出する。
【0398】
なお、本実施の形態では、リンス液供給ノズル840を一旦図51に示す第1の角度姿勢に回転させた後に、リンス液供給ノズル840を第2の角度姿勢に向けて第1の回転方向に回転させつつリンス液の供給を行っているが、逆方向に回転させつつリンス液の供給を行ってもよい。
【0399】
もっとも、本実施の形態のようにすることにより、次の利点を得ることができる。
【0400】
第1には、基板処理を迅速に行うことができるという利点である。すなわち、本実施の形態では、現像処理時間中に、リンス液供給ノズル840を回転させているため、リンス液供給終了後には、リンス液供給ノズル840は現像液供給ノズル820に対して略平行姿勢となる。このため、リンス液供給後、直ぐに、現像液供給ノズル820と共に水平移動して所定の待機位置に戻ることができ、迅速な基板処理を行える。これに対して、リンス液供給ノズル840を第2の角度姿勢から第1の角度姿勢に向けて回転させつつリンス液を供給したときには、リンス液供給終了後、リンス液供給ノズル840を回転させて第2の角度姿勢に戻す必要があり、リンス液供給後直ぐに現像液供給ノズル820を所定の待機位置に戻すことができなくなり、基板処理の迅速性が損われることとなる。
【0401】
第2には、現像液供給ノズル820の汚染を防止できるという利点である。すなわち、リンス液の供給を行うにあたって、リンス液供給ノズル840に対するリンス液の先行防止等を狙いとして、リンス液供給ノズル840はその移動方向逆方向に向けてリンス液を吐出することが好ましい。この場合、図50に示す第2の角度姿勢からリンス液の吐出を開始するためには、リンス液を現像液供給ノズル820側に向けて吐出する必要があるから、リンス液供給ノズル840から吐出されるリンス液が現像液供給ノズル820に飛散し汚染してしまう恐れがある。これに対して、図51に示す第1の角度姿勢からリンス液の吐出を行うときには、リンス液を現像液供給ノズル820とは反対側に向けて吐出すればよいから、そのような事態は生じ難く、現像液供給ノズル820の汚染は防止される。
【0402】
半導体ウエハSWに対するリンス液供給ノズル840の動きについて説明する。
【0403】
図55は半導体ウエハSWに対するリンス液供給ノズル840の相対的な移動軌跡を示す説明図である。
【0404】
同図に示すように、リンス液供給ノズル840は仮想走査方向Laに沿って非直線的に移動する。より具体的には、半導体ウエハSWの回転軸に達するまでは比較的小さな曲率半径を持つ円弧状に移動し、半導体ウエハSWの回転軸を越えた後は、比較的大きな曲率半径を持つ円弧状に移動する。ここで、仮想走査方向Laにおけるリンス液供給ノズル840の速度成分が等速度となるように制御した場合、リンス液供給ノズル840は、半導体ウエハSWの一端部と中心の間、及び中心と他端部との間で、仮想走査方向Laに対して若干傾いた状態となる。なお、図55では傾きは誇張して描いてある。
【0405】
次に、バット817に対するリンス液供給ノズル840の動きについて説明する。
【0406】
図56はリンス液供給ノズル840の移動軌跡を示す図である。同図に示すように、始めの第1の角度姿勢では、リンス液供給ノズル840は走査方向Ldに対して大きく傾き、かつ、その先端部が半導体ウエハSWの外方に大きく突出した状態となっている。そして、リンス液供給ノズル840が回転し、半導体ウエハSWの回転軸に近づいた状態では、リンス液供給ノズル840は半導体ウエハSWの所定の直径上に位置する。さらに、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの回転軸を通過すると、リンス液供給ノズル840の回転軸が所定の軸移動方向Mに沿って半導体ウエハSWの回転軸から離隔する方向へ移動する。これにより、リンス液供給ノズル840の先端部が走査方向Ldと斜行する方向に沿って半導体ウエハSW側に引戻されるように退避移動し、半導体ウエハSWからの突出量を少なくすることができる。
【0407】
図57は、回転軸を固定した比較例におけるリンス液供給ノズル840Bの移動軌跡を示す図である。
【0408】
この場合、リンス液供給ノズル840Bの移動軌跡は、固定された回転軸を中心とする弧状の軌跡を描くこととなり、特に、リンス液供給ノズル840Bが半導体ウエハSW上を通過し終えた時点で、リンス液供給ノズル840Bの先端部が半導体ウエハSWから大きく突出することになることがわかる。このため、比較的大きめの幅を持つバット817Bを用いる必要がある。
【0409】
図58は、走査方向Ldと略直交する方向に沿った一側部側で、リンス液供給ノズル840の突出量を少なくするために、必要とされるリンス液供給ノズル840の軸移動方向M及び駆動用アーム部856の回転軸部854aの位置関係について説明するための図である。
【0410】
同図に示すように、走査方向Ldと略直交する方向に沿った一側部で、リンス液供給ノズル840の突出量を少なくするためには、まず、リンス液供給ノズル840の回転軸の軸移動方向Mを走査方向Ldに対して非平行、即ち、斜交する方向に設定する必要がある。
【0411】
また、駆動用アーム部856の回転に伴いリンス液供給ノズル840の回転軸を軸移動方向Mに沿って移動させるためには、駆動用アーム部856のうちリンス液供給ノズル840との連結部分が、リンス液供給ノズル840の弧状移動軌跡の接線方法における速度成分と、軸移動方向Mにおける速度成分を持って動く必要がある。
【0412】
すなわち、リンス液供給ノズル840の回転軸を半導体ウエハSWに最も近づけた状態においてリンス液供給ノズル840のうちの駆動用アーム部856との連結部分の移動軌跡Qを基準にして考える。この場合、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの回転軸を通過した後、駆動用アーム部856のうちリンス液供給ノズル840との連結部分の移動軌跡Rが、当該移動軌跡Qに対して内側へ(言換えれば、リンス液供給ノズル840の回転軸側)へ徐々に離れる軌跡を描く関係にあれば、リンス液供給ノズル840の回転軸を軸移動方向Mに沿って半導体ウエハSWから遠ざかる方向へ移動させることができる。
【0413】
以上のように構成された半導体装置によると、半導体ウエハSWを回転させつつ、リンス液供給ノズル840を、当該半導体ウエハSWの上方を通過するように回転させてその半導体ウエハSWの主面にリンス液を供給するため、リンス液供給ノズル840は半導体ウエハSWに対して略円弧帯状に移動することとなり、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0414】
また、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの回転軸(中心)を通過する時点におけるリンス液供給ノズル840の回転軸と半導体ウエハSWの回転軸との軸間距離よりも、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの上方を通過し終る通過終了時点における回転軸間距離の方が大きくなっているため、当該通過終了時点における半導体ウエハSWの外周部からのリンス液供給ノズル840の先端部の突出量を小さくすることができる。これにより、リンス液を受けるバット817のサイズの大型化を防止することができる。
【0415】
なお、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの回転軸を通過する時点における軸間距離よりも、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの上方を通過し始める時点における軸間距離を大きくした場合には、当該通過開始時点における半導体ウエハSWの外周部からのリンス液供給ノズル840の先端部の突出量を小さくでき、上記と同様の効果を得ることができる。
【0416】
まとめると、リンス液供給ノズル840が半導体ウエハSWの回転軸を通過する時点における軸間距離よりも、リンス液供給ノズル840の通過開始時点及び通過終了時点のうちの少なくとも一方の時点において軸間距離が大きくなるように、リンス液供給ノズル840の回転軸を移動させることで、吐出部842の先端部の突出量を小さくして、バット817のサイズの大型化を防止することができる。
【0417】
勿論、リンス液供給ノズル840が逆向きに回転しつつリンス液を供給する際にも、同様の効果を得ることができる。
【0418】
特に、本実施の形態では、リンス液供給ノズル840の回転軸を、現像液供給ノズル820の吐出部822の直線帯状移動軌跡の一側で、当該現像液供給ノズル820の走査方向Ldに対して斜行する方向に沿って移動自在にし、リンス液供給ノズル840が現像液供給ノズル820の走査方向Ldと直交する方向に比較的近い第2の角度姿勢になった時点で、軸間距離を大きくするようにしている。このため、吐出部822の直線帯状移動軌跡からのリンス液供給ノズル840の先端部の突出量を小さくすることができる。ここで、吐出部822の直線帯状移動軌跡に対応する領域については、バット817を設ける必要があるところ、リンス液供給ノズル840の移動軌跡を当該バット817の配設領域内に収めて、バット817の大型化を防止することができる。
【0419】
また、ノズル回転駆動部854は、現像液供給ノズル820の吐出部822の直線帯状移動軌跡の外側、より具体的には、バット817の一側外方に配設されているため、半導体ウエハSW側からノズル回転駆動部854側への液飛散防止及びノズル回転駆動部854から半導体ウエハSW側へのオイル等の汚染物質飛散防止を図ることができる。
【0420】
さらに、ノズル支持部851によって、リンス液供給ノズル840の一端側を回転自在かつ所定の軸移動方向Mに沿って移動自在に支持し、単一のノズル回転駆動部854の回転駆動力を、駆動用アーム部856によって、リンス液供給ノズル840を回転させる力及びその回転軸を軸移動方向Mに沿って移動させる力としてリンス液供給ノズル840に伝達しているため、構成の簡易化が図られる。
【0421】
もっとも、リンス液供給ノズル840を回転させるモータ等の回転駆動部とは別に、リンス液供給ノズル840の回転軸を移動させるためのモータ等を利用した駆動機構を設け、これらを連動させて駆動させるようにしてもよい。
【0422】
{第5の実施の形態}
この第5の実施の形態では、現像液供給ノズルとリンス液供給ノズルとの双方を回転させるようにした現像装置について説明する。
【0423】
図59は、この発明の第5の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す平面図である。
【0424】
なお、上記第2の実施の形態の現像装置の構成要素と同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0425】
この現像装置は、基板保持部110と、現像液供給ノズル220と、現像液供給ノズル220を回転させるための現像液供給ノズル回転手段であるの第1ノズル移動機構230と、リンス液供給ノズル140と、リンス液供給ノズル140を回転させるための第2ノズル移動機構150と、本装置全体の動作制御を行う制御部260とを備えている。
【0426】
現像液供給ノズル220は、基板Wの幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で処理液を吐出する吐出部を有している。
【0427】
ここでは、現像液供給ノズル220は、上記第1の実施の形態におけるリンス液供給ノズル40と同様構成を有している。
【0428】
この現像液供給ノズル220には、現像液を蓄えた現像液供給源及び開閉バルブ(共に図示省略)を備える現像液供給系機構26が連結されており、開閉バルブの開閉タイミングに応じて前記現像液供給源からの現像液が所定のタイミングで現像液供給ノズル220に供給される。
【0429】
第1ノズル移動機構230は、現像液供給ノズル220の一端側を回動自在に支持して、該現像液供給ノズル220を、基板Wの上方を通過するように回転させる。
【0430】
具体的には、第1ノズル移動機構230は、ノズル回転駆動部232と、回転軸部234と、支持アーム部236とを備えている。
【0431】
回転軸部234は、基板Wの周縁部に外接する仮想正方形Sの頂点であって、第2ノズル移動機構150側の回転軸に対向する頂点を中心として回転自在とされている。
【0432】
また、ノズル回転駆動部232は、スピンモータ等のアクチュエータにより構成されており、このノズル回転駆動部232の駆動により上記回転軸部234が回転する。
【0433】
支持アーム部236は、その一端部が回転軸部234に連結固定されて、装置本体205の上方に片持ち状に支持されている。この支持アーム部236の遊端側に、現像液供給ノズル220が略水平姿勢で支持されている。
【0434】
そして、ノズル回転駆動部232の駆動により、現像液供給ノズル220が、回転軸部234の回転軸を中心にして、基板Wの上方を回転する。現像液供給ノズル220が基板Wの上方を通過する際に、その吐出部から現像液を供給することで、基板Wの主面上に現像液が供給されることとなる。
【0435】
制御部260は、制御部60と同様に、一般的なマイクロコンピュータにより構成されており、次に説明する一連の動作の制御を行う。少なくとも、基板Wの一端側の供給開始端から他端側の供給終了端に向う仮想走査方向Laが、現像液供給ノズル220の吐出部の延在方向と、リンス液供給ノズル140の吐出部の延在方向のそれぞれに対して実質的に垂直になるように、基板W及び現像液供給ノズル220及びリンス液供給ノズル140を回転させる動作を行わせる。
【0436】
この現像装置の動作について、図60〜図62を参照して説明する。
【0437】
まず、初期状態では、図60に示すように、基板Wが基板保持部110に静止状態で水平姿勢に支持されている。なお、図60〜図62において、基板Wの一端側の供給開始端は黒丸印で示され、基板Wの他端側の供給終了端は黒塗りの三角印で示され、供給開始端から供給終了端に向う仮想走査方向Laは、2点鎖線で示されている。初期状態では、基板Wは、その供給開始端を装置本体205の一側(図60の下側)に指向させた状態で、支持されている。
【0438】
また、現像液供給ノズル220は、基板Wに外接する位置であって上記供給開始端に対向する位置で待機している。また、リンス液供給ノズル140は、基板Wに外接する位置であって現像液供給ノズル220に直交する位置で待機している。なお、この位置は、後述する現像液供給処理後において、基板Wの供給開始端に対向する位置である。
【0439】
処理開始後、始めに、図61に示すように、現像液供給ノズル220が基板Wの主面上方を通過するように第2の回転方向に回転する。これに合わせて、基板Wは、その仮想走査方向Laが現像液供給ノズル220の延在方向と直交するように第2の回転方向に回転する。即ち、基板Wと現像液供給ノズル220とを実質的に同じ回転速度で回転させる。
【0440】
現像液供給ノズル220が基板Wの主面上方を通過する際、現像液供給ノズル220から現像液が吐出され、現像液が基板Wの主面全体に仮想走査方向Laに沿って順次供給される。この際、基板Wに対する現像液供給ノズル220の移動軌跡は、円弧帯状となる。これにより、基板Wの主面上に現像液層が形成される。
【0441】
現像液供給ノズル220が、基板Wの主面上方を通過して、左回りにπ/2ラジアン回転すると、装置本体205の他端側で待機する。
【0442】
この状態では、基板Wと現像液供給ノズル220とを実質的に同じ回転速度で回転しているから、基板Wも左回りにπ/2ラジアン回転した状態にある。従って、基板Wの供給開始端は、装置本体205の一端側(図61の右側)に指向した状態となっており、該供給開始端はリンス液供給ノズル140に対向する位置に配設されている。
【0443】
基板Wに現像液が供給された後、基板Wにおける現像反応に必要な所定時間が経過するタイミングに合わせて、図62に示すように、リンス液供給ノズル140が基板Wの主面上方(即ち、基板Wの主面に形成された現像液層上方)を通過するように第1の回転方向に回転する。これに合わせて、基板Wは、その仮想走査方向Laがリンス液供給ノズル140の延在方向と直交するように第1の回転方向に回転する。即ち、基板Wとリンス液供給ノズル140とを実質的に同じ回転速度で回転させる。
【0444】
リンス液供給ノズル140が基板Wの主面上方を通過する際、リンス液供給ノズル140からリンス液が吐出され、リンス液が基板Wの主面全体に仮想走査方向Laに沿って順次供給される。この際、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の移動軌跡は、円弧帯状となる。
【0445】
リンス液供給ノズル140が、基板Wの主面上方を通過して、右回りにπ/2ラジアン回転すると、他側側で待機する。基板Wも、リンス液供給ノズル140と同回転速度で回転するから、基板Wも右回りにπ/2ラジアン回転する。
【0446】
以上のようにして現像装置の一連の動作が終了する。
【0447】
基板Wに対する現像液供給ノズル220及びリンス液供給ノズル140の動きについて説明する。
【0448】
図63は基板Wに対する現像液供給ノズル220の相対的な移動軌跡を示す説明図であり、図64は、基板Wに対するリンス液供給ノズル140の相対的な移動軌跡を示す説明図である。なお、両図共に、現像液供給ノズル220及びリンス液供給ノズル140の延在方向を基板Wの仮想走査方向Laに対して実質的に直交させるようにして基板Wや現像液供給ノズル220、リンス液供給ノズル140を回転させた場合における移動軌跡を示している。
【0449】
両図に示すように、現像液供給ノズル220もリンス液供給ノズル140も非直線的に移動するが、その移動軌跡は互いに異なっている。
【0450】
すなわち、図63に示すように、現像液供給ノズル220は、基板Wの仮想走査方向Laに沿って、該仮想走査方向Laの一側方に向けて(仮想走査方向Laを向いて左向き)に湾曲する円弧状に移動する。一方、リンス液供給ノズル140は、仮想走査方向Laに沿って、仮想走査方向Laの他側方に向けて(仮想走査方向Laを向いて右向き)に湾曲する円弧状に移動する。
【0451】
以上のように構成された現像装置によると、現像液の供給態様及びリンス液の供給態様の双方に関して、上記第2の実施の形態における効果と同様の効果を得ることができる。
【0452】
加えて、現像液供給後の状態で、リンス液供給ノズル140が基板Wの供給開始端に対向して配設されているため、現像液供給後、基板Wを回転させることなく、リンス液の供給を開始でき、円滑な現像処理が可能となる。
【0453】
なお、現像液供給ノズル220の回転軸やリンス液供給ノズル140の回転軸の配設位置や初期の位置は、上述した内容に限られない。
【0454】
要するに、現像液供給ノズル220の回転移動後において、リンス液供給ノズル140と基板Wの供給開始端が対向するような位置関係であればよい。
【0455】
このような位置関係を別の視点で捉えると、即ち、基板Wの供給開始端から供給開始端に向けて仮想走査方向Laが設定されているから、現像液を供給した後の状態において、現像液供給ノズル220とリンス液供給ノズル140とが基板Wを挟んで対向して配設され、それらの延在方向が互いに実質的に平行な関係となっていればよい。
【0456】
また、本実施の形態では、現像液を供給する際の基板W及び現像液供給ノズル220の回転方向である第2の回転方向と、リンス液を供給する際の基板W及びリンス液供給ノズル140の回転方向である第1の回転方向とが逆回転方向となっているが、これら第1及び第2の回転方向は同回転方向であってもよい。同回転方向とするためには、現像液供給ノズル220又はリンス液供給ノズル140の初期の位置を変えればよい。
【0457】
なお、この実施の形態においても、現像停止タイミングを基板Wの面内でほぼ均一にするため、基板Wの供給開始端から供給終了端にかけて現像液供給ノズル220から現像液を吐出する現像液供給時間と、基板Wの供給開始端から供給終了端にかけてリンス液供給ノズル140からリンス液を吐出するリンス液供給時間とを実質的に同じにすることが好ましい。また、仮想走査方向Laにおける現像液供給ノズル220の相対速度成分の速度パターンと、仮想走査方向Laにおけるリンス液供給ノズル140の相対速度成分の速度パターンとを実質的に同じ等速度パターンとすることで、現像停止タイミングを基板Wの面内で均一にできる上、現像液及びリンス液の供給量を面内でほぼ均一にできる。
【0458】
{第6の実施の形態}
この第6の実施の形態では、上下多段に設けられた基板Wに対して処理液を供給する現像装置について説明する。
【0459】
図65は、この発明の第6の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す縦断面図であり、図66は同現像装置の概略構成を示す平断面図である。
【0460】
この現像装置では、基板保持部310が上下多段に複数設けられている。各基板保持部310は、第2の実施の形態における基板保持部110と同様構成とされている。
【0461】
各基板保持部310により略水平姿勢に保持された基板Wは、それぞれ基板回転部であるスピンモータ313により回転する。この基板Wの周囲には、処理液の飛散を防止するカップ316が設けられている。
【0462】
上記各基板保持部310は、それぞれ箱状の装置ケース体302内に収容された状態で、上下方向多段に配設されており、それぞれ装置ケース体302の底部である仕切板部302aにより仕切られている。
【0463】
最下部の装置ケース体302では、基板保持部310により保持される基板Wの側方に位置するようにして処理液供給ノズル320が配設される。
【0464】
この処理液供給ノズル320は、基板Wの幅寸法と同等又はそれ以上の吐出幅で、リンス液又は現像液を吐出する吐出部を有するものであり、上記第2の実施の形態におけるリンス液供給ノズル140と同様構成とされている。
【0465】
この処理液供給ノズル320は、回転機構330により、その一端側の回転軸を中心にして回転自在に支持されている。この回転機構330は、上記第2の実施の形態における第2移動機構150と同様構成とされている。そして、処理液供給ノズル320が基板Wの上方を通過するように回転可能とされている。
【0466】
この現像装置には、処理液供給ノズル320を、各基板保持部310により保持された各基板W上方を通過可能な各位置に昇降移動させる昇降移動機構390を備えている。
【0467】
昇降移動機構390は、例えば、テレスコピック伸縮機構等により実現される。なお、これに限らず、処理液供給ノズル320が上下方向に沿って配設されたレール上を移動して、昇降移動する構成であってもよい。
【0468】
また、上記各仕切板部302aに、処理液供給ノズル320が通過可能な通過孔302hが形成されている。
【0469】
そして、昇降移動機構390の駆動により、処理液供給ノズル320が、各通過孔302h内を通って昇降し、各基板Wの上方を通過可能な各位置に配設される構成となっている。
【0470】
本現像装置は、図示省略の制御部の制御により、次のように動作する。
【0471】
すなわち、この現像装置では、昇降移動機構390の駆動により、処理液供給ノズル320が昇降し、各装置ケース体302内において、処理液供給ノズル320が基板Wの上方を通過可能な各位置で一旦停止する。
【0472】
この状態で、回転機構330により、処理液供給ノズル320が対応する高さ位置の基板Wの上方を通過するように回転する。そして、第2の実施の形態におけるリンス液供給ノズル140と同様態様で、処理液を供給する。
【0473】
この後、元の位置に回転復帰して、再度、処理液供給ノズル320が各通過孔302hを通って昇降し、他の基板Wの上方を通過可能な位置に昇降し、そこで一旦停止する。この停止状態で、再度処理液供給ノズル320が該対応する高さ位置の基板Wの上方を通過するように回転し、上記と同様に処理液を供給する。
【0474】
以下、処理液供給ノズル320が昇降移動しつつ、各段の基板Wに対して上記動作を繰返し行う。
【0475】
従って、この現像装置では、単一の処理液供給ノズル320により、複数の基板Wに対して処理液を供給することができる。これにより、製造コストの低減効果等を得ることができる。
【0476】
なお、実際の現像装置では、通常、現像液とリンス液とが供給される。これに対応するためには、単一の処理液供給ノズル320から現像液及びリンス液が切換えて供給されるようにしてもよい。また、処理液供給ノズル320及びその回転機構330,昇降移動機構390を2つ設け、それぞれからリンス液又は現像液を供給するようにしてもよい。
【0477】
{第7の実施の形態}
この第7の実施の形態では、処理液供給ノズルの回転軸回りに複数配列された基板Wに対して処理液を供給する現像装置について説明する。
【0478】
図67は、この発明の第7の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す平面図である。
【0479】
この現像装置は、処理液供給ノズル420と、複数の基板保持部410とを備えている。
【0480】
処理液供給ノズル420は、基板Wの幅寸法と同等又はそれ以上の吐出幅で、リンス液又は現像液を吐出する吐出部を有するもので、上記第2の実施の形態におけるリンス液供給ノズル140と同様構成とされている。
【0481】
この処理液供給ノズル420は、回転機構430により、その一端側の回転軸を中心にして回転自在に支持されている。この回転機構430は、上記第2の実施の形態における第2移動機構150と同様構成とされており、その回転軸は、装置本体405の略中央部に配設されている。また、処理液供給ノズル420は、各基板Wの上方を連続して通過可能な程度の角度回転できるようになっている。ここでは、2πラジアン回転可能となっている。
【0482】
基板保持部410は、処理液供給ノズル420の回転軸周りに複数配列されている。本実施の形態では、処理液供給ノズル420の回転軸周りに、π/2ラジアン間隔で4つの基板保持部410が配設されている。なお、基板保持部410の数は4つに限られず、2つ或は3つ、5つ以上であってもよい。これらが、処理液供給ノズル420の回転軸から略等距離の位置に配設されていればよい。
【0483】
これら各基板保持部410は、個別に基板回転部であるスピンモータ413の駆動により回転し、該各基板保持部410に保持された基板Wも個別に回転する。
【0484】
そして、回転機構430の駆動により、処理液供給ノズル420が、各基板Wの上方を順次通過する構成となっている。
【0485】
本現像装置は、図示省略の制御部の制御により、次のように動作する。
【0486】
まず、現像装置では、回転機構430の駆動により、処理液供給ノズル420が回転する。処理液供給ノズル420が初期の位置(図67では下方を指向する位置)から右回りに回転する際に、最初の基板W(図67の左下の基板W)の端部上方に達すると、該最初の基板Wが回転を開始する。この際、基板Wの仮想走査方向Laが処理液供給ノズル420の延在方向と実質的に直交するように、基板Wと処理液供給ノズル420の回転速度が制御される。
【0487】
処理液供給ノズル420が基板Wの上方を通過する際、該処理液供給ノズル420から処理液が吐出され、その基板Wに対して処理液が供給される。
【0488】
そして、処理液供給ノズル420が最初の基板Wの上方を通過すると、該最初の基板Wの回転が停止する。
【0489】
処理液供給ノズル420が次の基板W(図67の左上の基板W)の端部上方に達すると該基板Wが回転を開始する。
【0490】
以下、同様にして、処理液供給ノズル420が各基板Wの上方を順次通過して、各基板Wに対して処理液を供給する。
【0491】
従って、この現像装置では、単一の処理液供給ノズル420により、複数の基板Wに対して処理液を供給することができる。これにより、製造コストの低減効果等を得ることができる。
【0492】
本現像装置において、現像液とリンス液とを供給するためには、単一の処理液供給ノズル420から現像液及びリンス液が切換えて供給されるようにしてもよい。相互に干渉しないように上記処理液供給ノズル420及び回転機構430を2組準備し、それぞれからリンス液又は現像液を供給するようにしてもよい。
【0493】
{変形例}
なお、この発明では、ノズル20,220,320,420,40,140,140B、840等を、仮想走査方向Laに対して直交する方向にずらすことによって、該直交する方向に対して現像液やリンス液等の処理液の吐出態様を可及的に均一にしているから、上記各ノズル20,220,320,420,40,140,140B、840等に形成される吐出部は、必ずしもスリット状でなくともよい。
【0494】
例えば、図68に示すノズル520のように、複数の供給孔522hが吐出幅方向に沿って間欠的に形成されることにより吐出部522が形成された構成であってもよい。この場合でも、該ノズル520は、基板Wの仮想走査方向に対して直交する方向にずれつつ移動するので、基板Wの主面全体に対して現像液やリンス液等の処理液を供給することができる。
【0495】
この場合、処理液をスリット状の吐出部から供給する場合と比べて、消費量の削減を図ることができる。
【0496】
また、上記第2の実施の形態〜第7の実施の形態において、特にノズル220,320,420,140,140B、840等の待機位置が基板Wの外側方にある場合には、それらノズル220,320,420,140,140B、840等が基板Wの外側方から基板Wの供給開始端に達した時点と、基板Wの回転開始時点とを可及的に同期させることが好ましい。
【0497】
そこで、図69及び図70に示す各変形例のように、ノズル620(ノズル220,320,420,140,140Bに対応する)が基板Wの供給開始端に達したことを検出する検出部630,640を設け、ノズル620が基板Wの供給開始端に達したことを検出したときに、基板Wの回転を開始させるようにするとよい。
【0498】
図69に示す変形例では、初期状態における基板Wの供給開始端の下方に、検出部として水検知センサ630を設けている。
【0499】
そして、ノズル620が、現像液やリンス液等の処理液を吐出しながら基板Wの供給開始端に向けて移動し、該供給開始端の上方に達すると処理液が供給開始端に吐出されるのとほぼ同時に水検知センサ630にも吐出される。これにより、水検知センサ630が処理液を検出すると、この検出信号をトリガとして、回転駆動部であるスピンモータ113,313,413の駆動による基板Wの回転を開始させるようにしている。
【0500】
また、図70に示す変形例では、ノズル620に光反射型の光センサ640を設けている。この光センサ640は、ノズル620の下方に向けて光を投光し、その反射光の有無で、ノズル620の下方における基板Wの有無を検出している。そして、ノズル620が基板Wの外側方から基板Wの供給開始端に向けて移動し、該供給開始端の上方に達すると反射光が検出されて、ノズル620が基板Wの供給開始端上方に達したことが検出される。この検出信号をトリガとして、回転駆動部であるスピンモータ113,313,413の駆動により基板Wの回転を開始させるようにしている。
【0501】
これら図69及び図70に示す各変形例では、ノズル620の移動タイミングと、基板Wの回転タイミングとを精度よく同期させることができる。従って、ノズル620と基板Wとの相対的な位置関係を比較的正確に制御することができる。
【0502】
【発明の効果】
以上のようにこの発明の請求項1記載の現像装置によると、リンス液供給ノズルの吐出部が仮想走査方向に対して実質的に垂直な方向にずれることとなるため、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0503】
また、請求項2記載の現像装置によると、現像液供給ノズルの吐出部が仮想走査方向に対して実質的に垂直な方向にずれることとなるため、現像液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0504】
また、請求項3記載の発明によると、基板を回転させつつ、リンス液供給ノズルを、当該基板の上方を通過するように回転させてその基板の主面にリンス液を供給するため、リンス液供給ノズルは基板に対して円弧帯状に移動することとなり、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0505】
また、請求項4記載の発明によると、吐出幅方向は仮想走査方向に対して実質的に垂直な姿勢とされるため、仮想走査方向と実質的に垂直な方向に沿って、リンス液の供給時間をほぼ同じにすることができる。
【0506】
ところで、リンス液供給ノズルの場合には、基板上に形成された現像液層上を通過することとなるため、現像液層に接触すると現像液を汚染したり、現像液層に揺らぎを与えてしまうこととなり、現像処理に悪影響を与える。このため、リンス液供給ノズルについては、基板との間隔を比較的大きくする必要がある(現像液供給ノズルと基板との間隔よりも大きい)。これにより、現像液の液切れにより本発明が解決しようとする供給態様の不均一性を生じ易い。
【0507】
一方、現像液供給ノズルの場合には、基板に近接配置された状態で走査されつつ、ノズルの先端に現像液のメニスカスを形成し、このメニスカスを基板に接触させる。このような状態にあっては、現像液の表面張力によって液切れが発生する可能性は低い。そこで、現像液供給ノズルについては、請求項5の発明のように、基板の供給開始端から供給終了端に向けて直線状に移動させてもよい。
【0508】
さらに、請求項6記載の発明によれば、現像液供給時間とリンス液供給時間とを実質的に同じにして、現像停止タイミングを基板上でほぼ均一にすることができる。
【0509】
また、請求項7記載の発明によれば、現像液供給ノズルの速度パターンとリンス液供給ノズルの相対速度成分のうち仮想走査方向における速度パターンとが実質的に同じ等速度パターンであるため、基板の面内で、現像停止タイミングをほぼ均一にできる上、現像液やリンス液の供給量をほぼ均一にすることができる。
【0510】
請求項8記載の発明によれば、基板を回転させつつ、現像液供給ノズルを、当該基板の上方を通過するように回転させてその基板の主面に現像液を供給するため、現像液供給ノズルは基板に対して円弧帯状に移動することとなり、現像液の供給態様の均一性をより一層向上させることができる。
【0511】
請求項9記載の発明によれば、吐出幅方向は仮想走査方向に対して実質的に垂直な姿勢とされるため、仮想走査方向と実質的に垂直な方向に沿って、現像液の供給時間をほぼ同じにすることができる。
【0512】
請求項10記載の発明によれば、現像液供給時間とリンス液供給時間とを実質的に同じにして、現像停止タイミングを基板上でほぼ均一にすることができる。
【0513】
請求項11記載の発明によれば、基板の仮想走査方向において、現像液供給ノズルの相対速度成分の速度パターンとリンス液供給ノズルの相対速度成分の速度パターンとが実質的に同じ等速度パターンであるため、基板の面内で、現像停止タイミングをほぼ均一にできる上、現像液やリンス液の供給量をほぼ均一にすることができる。
【0514】
請求項12記載の発明によれば、現像液供給後の状態で、前記リンス液吐出部が前記基板の供給開始端に対向して配設されているため、現像液供給後、基板を回転させることなく、リンス液の供給を開始でき、円滑な現像処理が可能となる。
【0515】
請求項13記載の発明によれば、リンス液供給ノズルの移動タイミングと、基板の回転タイミングとを精度よく同期させることができる。
【0516】
以上のように構成された請求項14記載の現像装置によると、基板を回転させつつ、リンス液供給ノズルを、当該基板の上方を通過するように回転させてその基板の主面にリンス液を供給するため、リンス液供給ノズルは基板に対して略円弧帯状に移動することとなり、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0517】
また、リンス液供給ノズルが基板の上方を通過し始める通過開始時点及び通過し終る通過終了時点のうちの少なくとも一方で、リンス液供給ノズルの回転軸が基板の回転軸から比較的遠くなるため、基板の外周部からのリンス液供給ノズルの先端部の突出量を小さくすることができる。これにより、リンス液を受けるバットのサイズの大型化を防止することができる。
【0518】
請求項15記載の現像装置によると、リンス液供給ノズルが現像液供給ノズルの走査方向と直交する方向に比較的近い第2の角度姿勢になった時点で、回転軸間距離が比較的大きくなる。このため、現像液供給ノズルの吐出部の直線帯状移動軌跡からのリンス液供給ノズルの先端部の突出量を小さくすることができる。従って、現像液供給ノズルの走査方向と略直交する方向においてリンス液を受けるパッドのサイズの大型化を防止することができる。
【0519】
請求項16記載の発明によると、基板側から回転駆動部側への液飛散防止及び回転駆動部側から基板側への汚染物質飛散防止を図ることができる。
【0520】
請求項17記載の現像装置によると、単一の回転駆動部によって、リンス液供給ノズルの回転駆動及びその回転軸の移動を行える。
【0521】
請求項18記載の発明によれば、単一の現像液供給ノズル又はリンス液供給ノズルにより、上下多段に設けられた複数の基板に対して現像液又はリンス液を供給することができる。
【0522】
請求項19記載の発明によれば、単一の現像液供給ノズル又はリンス液供給ノズルに連続的な回転動作を行わせることにより、複数の基板に対して効率よく現像液又はリンス液を供給することができる。
【0523】
請求項20記載の現像装置では、基板に対するリンス液の相対速度成分のうち基板の面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分が0よりも大きくなるように設定されているため、リンス液がリンス液供給ノズルよりも前方に押流されるような状況を防止できる。
【0524】
また、請求項21記載の現像装置では、前記基板に対するリンス液の相対速度成分に関して、前記基板の面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分が、前記基板に対して垂直下向き方向の相対速度成分と実質的に等しいか又は大きくなるように設定されているため、リンス液がリンス液供給ノズルよりも前方に押流されるような状況をより確実に防止できる。
【0525】
請求項22記載の現像装置によると、リンス液供給ノズルが現像液層に着液することをより確実に防止できる。
【0526】
さらに、この発明の請求項23記載の現像方法によると、リンス液の吐出部が仮想走査方向に直交する方向に対してずれるため、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0527】
また、請求項24記載の現像方法によると、現像液の吐出部が仮想走査方向に直交する方向に対してずれるため、現像液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0528】
また、この発明の請求項25記載の現像方法によると、リンス液の吐出部が基板の上方を通過するように回転するため、該吐出部は基板に対して円弧帯状に移動することとなり、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0529】
この場合に、請求項26記載のように、現像液の吐出部については基板に対して直線状に移動させても、差支えない。
【0530】
また、請求項27記載の発明によると、現像液供給時間とリンス液供給時間とを実質的に同じにして、現像停止タイミングを基板上でほぼ均一にすることができる。
【0531】
請求項28記載の発明によれば、基板の仮想走査方向において、現像液の吐出部の移動速度の速度パターンとリンス液の吐出部の相対速度成分の速度パターンとを実質的に同じ等速度パターンにしているため、基板の面内で、現像停止タイミングをほぼ均一にできる上、現像液やリンス液の供給量をほぼ均一にすることができる。
【0532】
さらに、請求項29記載の発明によれば、現像液の吐出部についても基板に対して略円弧状に移動させることで、現像液の供給態様の均一性をより向上させることができる。
【0533】
請求項30記載の発明によると、現像液供給時間とリンス液供給時間とを実質的に同じにして、現像停止タイミングを基板上でほぼ均一にすることができる。
【0534】
請求項31記載の発明によると、基板の仮想走査方向において、現像液の吐出部の移動速度の相対速度成分の速度パターンとリンス液の吐出部の相対速度成分の速度パターンとを実質的に同じ等速度パターンにすることで、基板の面内で、現像停止タイミングをほぼ均一にできる上、現像液やリンス液の供給量をほぼ均一にすることができる。
【0535】
請求項32記載の発明によると、リンス液の吐出部が現像液層に接液することをより確実に防止できる。
【0536】
また、請求項33記載の現像方法によると、リンス液の吐出部が基板の上方を通過するように回転するため、該吐出部は基板に対して略円弧状に移動することとなり、リンス液の供給態様の均一性を向上させることができる。
【0537】
また、リンス液の吐出部が基板の上方を通過し始める通過開始時点及び通過し終る通過終了時点のうちの少なくとも一方で、リンス液の吐出部の回転軸が基板の回転軸から比較的遠くなるため、基板の外周部からのリンス液の吐出部の突出量を小さくすることができる。これにより、リンス液を受けるバットのサイズの大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る現像装置を示す概略平面図である。
【図2】図1のII−II線概略断面図である。
【図3】図3(a)は現像液供給ノズルの断面図、図3(b)は現像液供給ノズルの底面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る現像装置の初期状態を示す説明図である。
【図5】同上の現像装置による現像液供給状態を示す説明図である。
【図6】同上の現像装置による現像液供給後の状態を示す説明図である。
【図7】同上の現像装置によるリンス液供給状態を示す説明図である。
【図8】同上の現像装置によるリンス液供給後の状態を示す説明図である。
【図9】同上の現像装置によるリンス液供給態様を示す説明図である。
【図10】同上の現像装置による経時的なリンス液供給態様を示す説明図である。
【図11】この発明の第2の実施の形態に係る現像装置を示す概略平面図である。
【図12】同上の現像装置の初期状態を示す説明図である。
【図13】同上の現像装置による現像液供給状態を示す説明図である。
【図14】同上の現像装置によるリンス液供給状態を示す説明図である。
【図15】同上の現像装置によるリンス液供給後の状態を示す説明図である。
【図16】基板に対する現像液供給ノズルの相対的な移動軌跡を示す説明図である。
【図17】基板に対するリンス液供給ノズルの相対的な移動軌跡を示す説明図である。
【図18】基板に対する移動距離と現像液供給ノズル及びリンス液供給ノズルの相対移動速度との関係を示す図である。
【図19】リンス液供給ノズルの回転軸の位置に関する変形例を示す説明図である。
【図20】リンス液供給ノズルから吐出されたリンス液が基板上の現像液層に着液する状態を示す説明図である。
【図21】現像装置の概略構成を示す平面図である。
【図22】現像装置の概略構成を示す側面図である。
【図23】図21のXXIII−XXIII線断面図である。
【図24】現像液供給ノズルとリンス液供給ノズルとを示す要部拡大図である。
【図25】現像液供給ノズルとリンス液供給ノズルとを示す要部拡大図である。
【図26】現像液供給系機構を示す配管図である。
【図27】リンス液供給系機構を示す配管図である。
【図28】現像装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図29】現像装置による一連の現像処理動作を示すフローチャートである。
【図30】現像液供給ノズルの動きを説明するための説明図である。
【図31】リンス液供給ノズルの動きを説明するための説明図である。
【図32】半導体ウエハと現像液供給ノズルとの位置関係を示す図である。
【図33】半導体ウエハとリンス液供給ノズルとの位置関係を示す図である。
【図34】XY平面上における半導体ウエハとリンス液供給ノズルとの関係を示す図である。
【図35】極座標におけるリンス液供給ノズルの座標と回転角度との関係を示す図である。
【図36】半導体ウエハに対するリンス液供給ノズルの相対的な移動軌跡を示す図である。
【図37】半導体ウエハの仮想走査方向におけるリンス液供給ノズルの移動距離を示す図である。
【図38】リンス液供給ノズルが通過する単位時間当りの面積を示すための図である。
【図39】半導体ウエハの仮想走査方向におけるリンス液供給ノズルの相対速度成分の変化を示す図である。
【図40】回転開始後の経過時間と回転角度との関係を示す図である。
【図41】半導体ウエハ上をリンス液供給ノズルが通過する軌跡を示すための図である。
【図42】半導体ウエハ上をリンス液供給ノズルが通過する軌跡を示すための図である。
【図43】半導体ウエハ上をリンス液供給ノズルが通過する軌跡を示すための図である。
【図44】半導体ウエハ上をリンス液供給ノズルが通過する軌跡を示すための図である。
【図45】この発明の第4の実施の形態に係る現像装置を示す概略平面図である。
【図46】同上の現像装置を示す概略側面図である。
【図47】同上の現像装置のリンス液供給ノズル回転支持機構を示す要部拡大平面図である。
【図48】同上の現像装置の初期状態を示す説明図である。
【図49】同上の現像装置による現像液供給状態を示す説明図である。
【図50】同上の現像装置による現像液供給後状態を示す説明図である。
【図51】同上の現像装置によるリンス液供給前状態を示す説明図である。
【図52】同上の現像装置によるリンス液供給状態を示す説明図である。
【図53】同上の現像装置によるリンス液供給後状態を示す説明図である。
【図54】同上の現像装置の現像処理終了状態を示す説明図である。
【図55】半導体ウエハに対するリンス液供給ノズルの相対的な移動軌跡を示す説明図である。
【図56】バットに対するリンス液供給ノズルの移動軌跡を示す説明図である。
【図57】比較例におけるバットに対するリンス液供給ノズルの移動軌跡を示す説明図である。
【図58】リンス液供給ノズルの軸移動方向と駆動用アーム部の回転軸との位置関係を説明するための図である。
【図59】この発明の第5の実施の形態に係る現像装置を示す概略平面図である。
【図60】同上の現像装置の初期状態を示す説明図である。
【図61】同上の現像装置による現像液供給状態を示す説明図である。
【図62】同上の現像装置によるリンス液供給状態を示す説明図である。
【図63】基板に対する現像液供給ノズルの相対的な移動軌跡を示す説明図である。
【図64】基板に対するリンス液供給ノズルの相対的な移動軌跡を示す説明図である。
【図65】この発明の第6の実施の形態に係る現像装置を示す概略縦断面図である。
【図66】同上の現像装置を示す概略平断面図である。
【図67】この発明の第7の実施の形態に係る現像装置を示す概略平面図である。
【図68】処理液供給ノズルの吐出部の変形例を示す底面図である。
【図69】水検知センサ設けた変形例を示す要部側面図である。
【図70】光センサを設けた変形例を示す要部側面図である。
【符号の説明】
10,110,310,410 基板保持部
113,313,413 スピンモータ
20,120,220,320 現像液供給ノズル
22 吐出部
30,130,230 第1ノズル移動機構
40,140,140B リンス液供給ノズル
42 吐出部
50,150 第2ノズル移動機構
60,160,260 制御部
320,420 処理液供給ノズル
330,430 回転機構
390 昇降移動機構
520,620 ノズル
630 水検知センサ
640 光センサ
La 仮想走査方向
Lb 斜交ライン
S 仮想正方形
W 基板
710 ウエハ保持・回転機構
712 スピンチャック
713 スピンモータ
720 現像液供給ノズル
722 吐出部
730 現像液供給ノズル走査機構
735 水平駆動部
739 現像液供給ノズル昇降機構
740 リンス液供給ノズル
742 吐出部
750 リンス液供給ノズル回動機構
756 リンス液供給ノズル昇降機構
760 制御部
810 ウエハ保持・回転機構
812 スピンチャック
813 スピンモータ
817 バット
820 現像液供給ノズル
822 吐出部
826 現像液供給系機構
830 ノズル走査機構
840 リンス液供給ノズル
842 吐出部
846 リンス液供給系機構
848a 軸部
850 リンス液供給ノズル回転支持機構
851 ノズル支持部
854 ノズル回転駆動部
856 駆動用アーム部
860 制御部
Ld 走査方向
M 軸移動方向
SW 半導体ウエハ

Claims (33)

  1. 基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像装置において、
    基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の主面に現像液を供給して、その基板の主面上に現像液層を形成するための現像液供給手段と、
    基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅でリンス液を吐出する吐出部を有するリンス液供給ノズルと、
    前記リンス液供給ノズルにリンス液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるためのリンス液供給系と、
    前記基板保持手段によって静止状態に保持された基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端に向けた仮想走査方向に対して、前記リンス液供給ノズルの吐出部の吐出幅方向を実質的に垂直に保った姿勢で、前記リンス液供給ノズルが基板の主面上の現像液層の上方を通過するように、前記リンス液供給ノズルを前記仮想走査方向に対して斜交するラインに沿って移動させるリンス液供給ノズル移動手段と、
    を備え、
    前記リンス液供給ノズル移動手段によって前記リンス液供給ノズルを基板の前記供給開始端から前記供給終了端に移動させつつ、前記リンス液供給系によって前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液を現像液層に向けて吐出させる、現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置であって、
    前記現像液供給手段は、
    基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、
    前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるための現像液供給系と、
    前記基板保持手段によって静止状態に保持された基板の前記仮想走査方向に対して、前記現像液供給ノズルの吐出部の吐出幅方向を実質的に垂直な姿勢に保った姿勢で、前記現像液供給ノズルが基板の主面の上方を通過するように、前記現像液供給ノズルを前記仮想走査方向に対して斜交するラインに沿って移動させる現像液供給ノズル移動手段とを備え、
    前記現像液供給ノズル移動手段によって前記現像液供給ノズルを基板の前記供給開始端から前記供給終了端に移動させつつ、前記現像液供給系によって前記現像液供給ノズルの吐出部から現像液を基板に向けて吐出させる、現像装置。
  3. 基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像装置において、
    基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の主面に現像液を供給して、基板の主面上に現像液層を形成するための現像液供給手段と、
    基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅でリンス液を吐出する吐出部を有するリンス液供給ノズルと、
    前記リンス液供給ノズルにリンス液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるためのリンス液供給系と、
    前記リンス液供給ノズルの一端側を、前記基板保持手段により保持された基板外の回転軸を中心にして回転自在に支持し、前記リンス液供給ノズルを、前記基板保持手段に保持された基板の上方を通過するように回転させるリンス液供給ノズル回転手段と、
    前記基板回転手段によって前記基板保持手段に保持された基板を第1の回転方向に回転させると共に、この回転する基板の主面上に形成された現像液層の上方を通過するように前記リンス液供給ノズルを前記第1の回転方向に回転させつつ、前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液を吐出させて、基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端にかけて前記リンス液供給ノズルからリンス液が供給されるように、前記基板回転手段、前記リンス液供給系及び前記リンス液供給ノズル回転手段を制御する制御手段と、
    を備えた現像装置。
  4. 請求項3記載の現像装置であって、
    前記制御手段は、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向がリンス液の前記吐出部の吐出幅方向に対して実質的に垂直となるように、前記基板回転手段及び前記リンス液供給ノズル回転手段を制御する、現像装置。
  5. 請求項3又は請求項4記載の現像装置であって、
    前記現像液供給手段は、
    基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、
    前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部から現像液を吐出させるための現像液供給系と、
    前記基板保持手段によって保持されている基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを直線状に移動させる現像液供給ノズル移動手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記現像液供給ノズルを前記基板保持手段によって保持され静止している基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを直線状に移動させつつ、前記現像液供給ノズルの吐出部から現像液を吐出させて、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて現像液が供給されるように、前記現像液供給系及び前記現像液供給ノズル移動手段を制御する、現像装置。
  6. 請求項5記載の現像装置であって、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記現像液供給ノズルから現像液を吐出する現像液供給時間と、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記リンス液供給ノズルからリンス液を吐出するリンス液供給時間と、
    が実質的に等しくなるように前記制御手段によって制御する、現像装置。
  7. 請求項5記載の現像装置であって、
    前記現像液供給ノズルが基板上を移動する際の速度パターンと、
    前記基板回転手段により回転される基板に対する前記リンス液供給ノズルの相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、
    が実質的に同じ等速度パターンになるように前記制御手段によって制御する、現像装置。
  8. 請求項3又は請求項4記載の現像装置であって、
    前記現像液供給手段は、
    基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、
    前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部から現像液を吐出させるための現像液供給系と、
    前記現像液供給ノズルの一端側を、前記基板保持手段により保持された基板外の回転軸を中心にして回転自在に支持し、前記現像液供給ノズルを、前記基板保持手段に保持された基板の上方を通過するように回転させる現像液供給ノズル回転手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記基板回転手段によって前記基板保持手段に保持された基板を第2の回転方向に回転させると共に、この回転する基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを前記第2の回転方向に回転させつつ、前記現像液供給ノズルの吐出部から現像液を吐出させて、基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記現像液供給ノズルから現像液が供給されるように、前記基板回転手段、前記現像液供給系及び前記現像液供給ノズル回転手段を制御する、現像装置。
  9. 請求項8記載の現像装置において、
    前記制御手段は、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向が現像液の前記吐出部の吐出幅方向に対して実質的に垂直となるように、前記基板回転手段及び前記現像液供給ノズル回転手段を制御する、現像装置。
  10. 請求項8又は請求項9記載の現像装置において、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記現像液供給ノズルから現像液を吐出する現像液供給時間と、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて前記リンス液供給ノズルからリンス液を吐出するリンス液供給時間と、
    が実質的に等しくなるように前記制御手段によって制御する、現像装置。
  11. 請求項8又は請求項9記載の現像装置において、
    前記基板回転手段により回転される基板に対する前記現像液供給ノズルの相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、
    前記基板回転手段により回転される基板に対する前記リンス液供給ノズルの相対速度成分のうち、前記仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、
    が実質的に同じ等速度パターンとなるように前記制御手段によって制御する、現像装置。
  12. 請求項8〜請求項11いずれかに記載の現像装置であって、
    前記基板保持手段に保持された基板に対して前記現像液供給ノズルから現像液が供給された後の状態において、前記リンス液供給ノズルの前記リンス液吐出部が基板の前記供給開始端に対向して配設される、現像装置。
  13. 請求項3〜請求項12のいずれかに記載の現像装置であって、
    前記リンス液供給ノズルが基板の前記供給開始端に達したことを検出する検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記リンス液供給ノズルが基板の前記供給開始端に達したことを検出したときに、基板の回転を開始させる現像装置。
  14. 基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像装置において、
    基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の主面に現像液を供給して、基板の主面上に現像液層を形成するための現像液供給手段と、
    基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅でリンス液を吐出する吐出部を有するリンス液供給ノズルと、
    前記リンス液供給ノズルにリンス液を供給してその吐出部からリンス液を吐出させるためのリンス液供給系と、
    前記リンス液供給ノズルの一端側を前記基板保持手段により保持された基板外の回転軸を中心にして回転自在に支持し、前記リンス液供給ノズルを、前記基板保持手段により保持された基板の上方を通過するように回転させるリンス液供給ノズル回転支持手段と、
    を備え、
    前記基板保持手段に保持された基板を第1の回転方向に回転させると共に、この回転する基板の主面上に形成された現像液層の上方を通過するように前記リンス液供給ノズルを前記第1の方向に回転させつつ、前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液を吐出させ、
    かつ、前記リンス液供給ノズルが前記基板保持手段により保持された基板の回転軸上を通過する時点における、前記リンス液供給ノズルの回転軸とその基板の回転軸との回転軸間距離よりも、前記リンス液供給ノズルが前記基板保持手段により保持された基板の上方を通過する通過開始時点及び通過終了時点のうちの少なくとも一方の時点における前記回転軸間距離が大きくなるように、前記リンス液供給ノズルの回転に伴って、前記リンス液供給ノズルの回転軸を基板の回転軸から離隔又は近接する所定の軸移動方向に沿って移動させる、現像装置。
  15. 請求項14記載の現像装置であって、
    前記現像液供給手段は、
    基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅で現像液を吐出する吐出部を有する現像液供給ノズルと、
    前記現像液供給ノズルに現像液を供給してその吐出部から現像液を吐出させるための現像液供給系と、
    前記基板保持手段によって保持されている基板の上方を通過するように前記現像液供給ノズルを直線状に移動させる現像液供給ノズル移動手段と、
    を備え、
    前記リンス液供給ノズルの回転軸が、前記現像液供給ノズルの吐出部の直線帯状移動軌跡の一側で、前記現像液供給ノズルの走査方向に対して斜行する方向に沿って移動自在であり、
    かつ、前記リンス液供給ノズルは、前記現像液供給ノズルの走査方向に比較的近い第1の角度姿勢から、前記現像液供給ノズルの走査方向と直交する方向に比較的近い第2の角度姿勢に向けて、或はその逆向きに回転して基板の上方を通過し、
    前記リンス液供給ノズルが前記基板保持手段により保持された基板の回転軸上を通過する時点における、前記リンス液供給ノズルの回転軸と前記基板の回転軸との回転軸間距離よりも、前記第2の角度姿勢における前記回転軸間距離が大きくなるように、前記リンス液供給ノズルの回転軸を前記所定の軸移動方向に沿って移動させる、現像装置。
  16. 請求項15記載の現像装置であって、
    前記リンス液供給ノズルを回転させるための回転駆動部が、前記現像液供給ノズルの吐出部の直線帯状移動軌跡の外側に配設された、現像装置。
  17. 請求項14〜請求項16のいずれかに記載の現像装置であって、
    前記リンス液供給ノズル回転支持手段は、
    前記リンス液供給ノズルの一端側を回転自在かつ前記所定の軸移動方向に沿って移動自在に支持するノズル支持手段と、
    回転駆動される回転軸部を有し前記所定の軸移動方向から外れた位置に設けられた回転駆動部と、一端側が前記回転軸部に固定されると共に他端側が前記リンス液供給ノズルに回転自在に連結され、前記回転軸部の回転駆動に伴い、前記リンス液供給ノズルを回転させつつ前記リンス液供給ノズルの回転軸を前記所定の軸移動方向に沿って移動させる駆動用アームと、
    を備えた現像装置。
  18. 請求項3〜請求項17のいずれかに記載の現像装置であって、
    前記基板保持手段が上下多段に複数設けられ、
    前記現像液供給ノズルと前記リンス液供給ノズルのうち少なくとも一つを、前記各基板保持手段により保持された各基板上方を通過可能な各位置に昇降移動させる昇降移動手段をさらに備えた現像装置。
  19. 請求項3〜請求項18のいずれかに記載の現像装置であって、
    前記基板保持手段が、前記現像液供給ノズルと前記リンス液供給ノズルのうち少なくとも一つの回転軸周りに複数配列され、
    前記基板回転手段は、前記現像液供給ノズルと前記リンス液供給ノズルのうち少なくとも一つを、前記各基板保持手段により保持された各基板上方を連続して通過するように回転させる現像装置。
  20. 請求項1〜請求項19のいずれかに記載の現像装置であって、
    基板に対する前記リンス液供給ノズルの移動方向とは逆向きに指向して、前記リンス液供給ノズルの吐出部からリンス液が吐出され、
    前記リンス液供給ノズルの吐出部から吐出されたリンス液が基板の主面上の現像液層に着液する時点において、基板に対するリンス液の相対速度成分のうち、基板の面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分が0よりも大きくなるように設定された、現像装置。
  21. 請求項20記載の現像装置であって、
    前記リンス液供給ノズルの吐出部から吐出されたリンス液が基板の主面上の現像液層に着液する時点において、基板に対するリンス液の相対速度成分のうち基板の面方向におけるリンス液の吐出方向の相対速度成分が、基板に対するリンス液の相対速度成分のうち基板に対して垂直下向き方向の相対速度成分に対して実質的に等しいか又は大きくなるように設定された、現像装置。
  22. 請求項2、請求項5〜請求項21のいずれかに記載の現像装置であって、
    基板の上方を通過しているときの前記現像液供給ノズルと基板との間隔寸法よりも、基板の上方を通過しているときの前記リンス液供給ノズルと基板との間隔寸法の方が大きくなるように設定された、現像装置。
  23. 基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像方法において、
    (a)基板の主面上に現像液を供給してその主面上に現像液層を形成する工程、の後、
    (b)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から現像液層に向けてリンス液を吐出する工程と、
    (c)リンス液の前記吐出部の吐出幅方向を基板の一端側の供給開始端から他端側の供給終了端に向けた仮想走査方向に対して実質的に垂直な姿勢に保ちつつ、リンス液の前記吐出部を基板の供給開始端から供給終了端に向けて相対移動させる工程と、
    (d)リンス液の前記吐出部を前記仮想走査方向に対して実質的に垂直な方向にずらす工程と、
    の工程(b),(c)及び(d)を並列して行う現像方法。
  24. 請求項23記載の現像方法であって、
    (a)現像液を供給する前記工程は、
    (a1)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から基板上に向けて現像液を吐出する工程と、
    (a2)現像液の前記吐出部の吐出幅方向を前記仮想走査方向に対して実質的に垂直な姿勢に保ちつつ、現像液の前記吐出部を基板の供給開始端から供給終了端に向けて相対移動させる工程と、
    (a3)現像液の前記吐出部を前記仮想走査方向に対して実質的に垂直な方向にずらす工程と、
    の工程(a1),(a2)及び(a3)を並列して行う工程である、現像方法。
  25. 基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像方法であって、
    (e)基板の主面上に現像液を供給してその主面上に現像液層を形成する工程、の後に、
    (f)基板を第1の回転方向に回転させる工程と、
    (g)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部からリンス液を吐出する工程と、
    (h)リンス液の前記吐出部の吐出幅方向一端側の回転軸を中心にして、リンス液の前記吐出部を、基板の上方を通過させるように前記第1の回転方向に回転させる工程と、
    の工程(f),(g)及び(h)を、基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端にかけてリンス液の前記吐出部からリンス液を供給するように、並列して行う現像方法。
  26. 請求項25記載の現像方法であって、
    現像液を供給する前記工程(e)は、
    (e1)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から基板の主面に向けて現像液を吐出する工程と、
    (e2)静止状態の基板の上方を通過するように、現像液の前記吐出部を基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けて直線状に移動させる工程と、
    を並列して行う工程である、現像方法。
  27. 請求項26記載の現像方法であって、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて現像液を吐出する現像液供給時間と、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけてリンス液を吐出するリンス液供給時間と、
    が実質的に等しくなるようにする、現像方法。
  28. 請求項26記載の現像方法であって、
    現像液の前記吐出部が基板上を移動する際の速度パターンと、
    回転する基板に対するリンス液の前記吐出部の相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、
    が実質的に同じ等速度パターンとなるようにする現像方法。
  29. 請求項25記載の現像方法であって、
    現像液を供給する前記工程(e)は、
    (e3)基板を第2の回転方向に回転させる工程と、
    (e4)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部から現像液を吐出する工程と、
    (e5)現像液の前記吐出部の吐出幅方向一端側の回転軸を中心にして、現像液の前記吐出部を、基板の上方を通過させるように前記第2の回転方向に回転させる工程と、
    の工程(e3),(e4)及び(e5)を、基板の一端側である供給開始端からその他端側である供給終了端にかけて現像液の前記吐出部から現像液を供給するように、並列して行う工程である、現像方法。
  30. 請求項29記載の現像方法であって、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけて現像液を吐出する現像液供給時間と、
    基板の前記供給開始端から前記供給終了端にかけてリンス液を吐出するリンス液供給時間と、
    が実質的に等しくなるように設定する、現像方法。
  31. 請求項29記載の現像方法であって、
    回転する基板に対する現像液の前記吐出部の相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、
    回転する基板に対するリンス液の前記吐出部の相対速度成分のうち、基板の前記供給開始端から前記供給終了端に向けた仮想走査方向における相対速度成分の速度パターンと、
    が実質的に同じ等速度パターンとなるようにする現像方法。
  32. 請求項24、請求項26〜請求項29のいずれかに記載の現像方法であって、
    基板の上方を通過しているときの現像液の前記吐出部と基板との間隔寸法よりも、基板の上方を通過しているときのリンス液の前記吐出部と基板との間隔寸法の方を大きくする、現像方法。
  33. 基板の主面上に形成されて所定のパターンが露光されたレジスト薄膜を現像液によって現像した後、リンス液により現像を停止する現像方法であって、
    (i)基板の主面上に現像液を供給してその主面上に現像液層を形成する工程、の後に、
    (j)基板を第1の回転方向に回転させる工程と、
    (k)基板の幅寸法と実質的に同寸法又はそれ以上の吐出幅の吐出部からリンス液を吐出する工程と、
    (l)リンス液の前記吐出部の吐出幅方向一端側の回転軸を中心にして、リンス液の前記吐出部を、基板の上方を通過させるように前記第1の回転方向に回転させる工程と、
    とを並列して行うのにあわせて、
    リンス液の吐出部が基板の回転軸上を通過する時点における、リンス液の吐出部の回転軸と基板の回転軸との回転軸間距離よりも、リンス液の吐出部が基板の上方を通過する通過開始時点及び通過終了時点のうちの少なくとも一方の時点における前記回転軸間距離が大きくなるように、リンスの前記吐出部の回転軸を基板の回転軸から離隔又は近接する所定の軸移動方向に沿って移動させる、現像方法。
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