JP3004723U - 転写印刷シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所望の位置に、正確に且つ簡便に転写できる
転写印刷シートを提供する。 【構成】 保護シート１には、十字形等の位置決めマー
ク５が印刷されている。マーク５は、シート１が透明な
プラスチックフィルム又はシートの場合には、印刷パタ
ーン層２側に印刷されているのが好ましい。また、この
場合には、パターン層２とマーク５とを同時に、シート
１の片面に印刷するのが合理的である。シート１の次に
はパターン層２が積層されている。パターン層２は、シ
ート１によって完全に被覆されている。パターン層２の
次には、パターン層２と同一のパターンの接着剤層３が
積層されている。接着剤層３の次には、剥離シート４が
積層されている。剥離シート４は、接着剤層３を完全に
被覆している。 【効果】 マーク５を基準として、被写体に転写印刷シ
ートを転写すれば、正確に且つ簡便にパターン層２を転
写することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、被写体に、所定の文字や図柄等の印刷パターンを転写するのに使用 する、転写印刷シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、転写印刷シートとしては、図１及び図２に示したものが使用されて いる。図１は、転写印刷シートの平面図であり、１は保護シートであり、２は印 刷された文字や図柄等の印刷パターン層である。図２は、この転写印刷シートの 中央横断面端面図であり、１は保護シートであり、２は印刷パターン層であり、 ３は印刷パターン層を被写体に接着するための感圧性接着剤に代表される接着剤 層であり、４は接着剤層を被覆する剥離シートである。

【０００３】 この転写印刷シートは、以下のような方法によって被写体に転写される。即ち 、まず剥離シート４を剥離して接着剤層３を露出させる。そして、接着剤層３面 を被写体に接着する。その後、保護シート１を印刷パターン層２から剥離して、 印刷パターン層２及び接着剤層３を被写体に残して、印刷パターン層を転写する のである。従って、保護シート１と印刷パターン層２面との接着力（Ｘ）と、印 刷パターン層２と接着剤層３との接着力（Ｙ）と、接着剤層３と剥離シート４と の接着力（Ｚ）とは、次のような関係にある。即ち、Ｙ＞Ｘ＞Ｚの関係にある。

【０００４】 このような転写印刷シートは、被写体に美麗に印刷パターンを転写できるため 、重宝されている。しかしながら、所望の位置に正確に且つ簡便に転写するのは 困難であった。何故なら、転写印刷シートには、印刷パターンのみが印刷されて いるため、正確な位置に置く基準（目安）がなかったからである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は、転写後に取り去られる保護シートに、何らかの基準を印刷 しておくことによって、その基準を目安にして、所望の位置に正確に且つ簡便に 転写できるようにするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は、保護シート，印刷パターン層，接着剤層，剥離シートの順で 積層され、該保護シートは該印刷パターン層を完全に覆い、且つ該保護シートに は位置決めマークが印刷されており、該接着剤層は該印刷パターン層と略同一の パターンで構成され、該剥離シートは該接着剤層を完全に覆っていることを特徴 とする転写印刷シートに関するものである。

【０００７】 本考案で使用する保護シート１としては、従来から使用されているものであれ ば、どのようなものでも使用できる。但し、保護シート１と印刷パターン層２の 接着力（Ｘ）が、印刷パターン層２と接着剤層３との接着力（Ｙ）よりも大きく ならない材料を選択する点にだけ注意すればよい。保護シート１として具体的に 使用される材料としては、ポリオレフィン，ポリ塩化ビニル，ポリエステル，ポ リアミド，ポリウレタン，ポリイミド，セルロース誘導体，ポリアセタール等で 形成された透明なフィルム又はシートが挙げられる。透明なフィルム又はシート を使用する理由は、印刷パターン層２が保護シート１を通して目視できるからで ある。また、位置決めマーク５を保護シート１の印刷パターン層２側に印刷した 場合に、位置決めマーク５を保護シート１を通して目視しうるからである。従っ て、位置決めマーク５を印刷パターン層２側の反対側に印刷した場合には、不透 明なプラスチックフィルム又はシート、或いは紙や金属箔等を使用してもよい。 また、保護シート１の印刷パターン層２側の面には、軽度の粘着力を有する接着 剤で、コーティング処理等を施しておいてもよい。

【０００８】 保護シート１の次には印刷パターン層２が積層されている。印刷パターン層２ を積層する方法としては、保護シート１の片面に所定のパターンで印刷を施せば よい。また、接着剤層３の上に、この接着剤層３のパターンと同一のパターンで 印刷を施して印刷パターン層２を得た後、保護シート１を印刷パターン層２の上 に積層してもよい。保護シート１の片面に印刷を施して、印刷パターン層２を得 る場合には、同時に位置決めマーク５を印刷するのが好ましい。何故なら、位置 決めマーク５と印刷パターン層２とが同時に形成でき、別個に印刷する必要がな くなり、合理的だからである。

【０００９】 位置決めマーク５は、保護シート１に印刷されている。前述したところから明 らかなように、位置決めマーク５は、印刷パターン層２と共に形成されるのが好 ましく、従って、保護シート１の印刷パターン層２側に印刷されているのが好ま しい。しかしながら、位置決めマーク５は、保護シート１の印刷パターン層２側 とは反対側に印刷されていても差し支えない。位置決めマーク５の形状（平面形 状で目視しうる形状のこと）は、どのような形状であっても差し支えないが、一 般的には十字形（いわゆるトンボ）であるのが好ましい。これは、被写体の隅の 角部と位置決めマーク５とを容易に合致させることができるからである。また、 位置決めマークは、印刷パターンの全体を囲んだ閉路、即ち一定の形状の枠とな っていてもよい。更に、位置決めマークが所定の印刷パターン中に存在している 、即ち複数の印刷パターン層２の間に存在していてもよい。

【００１０】 印刷パターン層２を形成するのに使用される印刷インキとしては、従来公知の 印刷インキであれば、どのようなものでも使用しうる。但し、この場合において も、保護シート１と印刷パターン層２の接着力（Ｘ）が、印刷パターン層２と接 着剤層３との接着力（Ｙ）よりも大きくならないようなインキを選択する点にだ け注意すればよい。印刷インキとして、具体的には、色料非配合インキ，色料配 合インキ，紫外線硬化型インキ，電子線硬化型インキ，機能性（導電性，示温性 ，蛍光性，蓄光性，反射性，芳香性，磁性等）インキ等が用いられる。

【００１１】 印刷パターン層２の次には、印刷パターン層２のパターンと同一のパターンの 接着剤層３が積層されている。なお、印刷パターン層２と接着剤層３とを同一の パターンで印刷するには、例えば、スクリーン印刷等の手法で同一のスクリーン 印刷版を使用して行えばよい。但し、このスクリーン印刷版で印刷パターン層２ と共に位置決めマーク５を印刷した場合には、スクリーン印刷版の位置決めマー クの印刷部分は目詰めしておく必要がある。何故なら、目詰め処理をしておかな いと、位置決めマーク５にも接着剤が塗布され、印刷パターン層２を転写する際 に、位置決めマーク５も転写されてしまうからである。接着剤としては、一般的 には感圧性接着剤を使用されるが、その他、感熱性接着剤や再湿性接着剤等を使 用してもよい。また、接着剤中には、その接着特性を任意に変更させる趣旨で、 粘着付与剤，軟化剤，老化防止剤，充填剤，架硫剤，架橋剤，着色剤等の添加剤 を添加してもよい。

【００１２】 接着剤層３の次には、接着剤層３を完全に被覆するように剥離シート４が積層 されている。剥離シート４としては、一般的に、紙，金属箔，プラスチックフィ ルム又はシートの片面（接着剤層３と当接する面）を剥離剤で処理したものが用 いられる。特に、透明のプラスチックフィルム又はシートは、印刷パターン層２ を剥離シート４側からも目視しうるため、好適に使用される。

【００１３】 本考案に係る転写印刷シートは、上記したように、位置決めマーク５が印刷さ れた保護シート１，印刷パターン層２，印刷パターン層と同一のパターンの接着 剤層３，剥離シート４の順で積層されたものである。なお、各層は、この序列で 積層されていれば足り、各層間に各種の介在物（介在層）が設けられていてもよ い。

【００１４】 この転写印刷シートの使用方法は以下のとおりである。まず、転写印刷シート から剥離シート４を剥離して被写体に接着剤層３を当接して、接着する。被写体 としては、一般的にどのような材質のもので使用でき、具体的には、金属，プラ スチックス，竹木類，セラミックス，紙，編織布，不織布，皮革，無機材料等を 採用することができる。また、陶磁器を形成する焼入れ前の素面を被写体とする こともできる。そして、被写体に接着した後、保護シート１を印刷パターン層２ から剥離することによって、印刷パターン層２が被写体に転写されるのである。

【００１５】

【考案の効果】

本考案に係る転写印刷シートには、保護シート１に位置決めマーク５が印刷さ れているため、この位置決めマーク５を基準としながら、被写体の所望の位置に 印刷パターン層２を貼着することができる。従って、被写体の所望の位置に正確 に且つ簡便に印刷パターン層２を転写することができるという効果を奏する。ま た、位置決めマーク５は、転写後には取り去られる保護シート１に印刷されてい るため、転写後において位置決めマーク５が被写体に残ることがなく、従来の美 麗な転写をそのまま維持しうるという効果を奏する。

【００１６】 また、保護シート１として透明プラスチックフィルム又はシートを使用すれば 、位置決めマーク５を印刷パターン層２側へ印刷しても、保護シート１を通して 位置決めマーク５を目視することができる。このような場合には、印刷パターン 層２と位置決めマーク５を同時に印刷することができ、印刷パターン層２の印刷 と位置決めマーク５の印刷とを別個に行わなくてもよいという効果を奏する。即 ち、位置決めマーク５の印刷が合理的に行えるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の転写印刷シートの平面図である。

【図２】従来の転写印刷シートの中央横断面端面図であ
る。

【図３】本考案の一例に係る転写印刷シートの平面図で
ある。

【図４】図３に示した転写印刷シートのＡ−Ａ線横断面
端面図である。

【符号の説明】

１ 保護シート ２ 印刷パターン層 ３ 接着剤層 ４ 剥離シート ５ 位置決めマーク

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 保護シート，印刷パターン層，接着剤
   層，剥離シートの順で積層され、該保護シートは該印刷
   パターン層を完全に覆い、且つ該保護シートには位置決
   めマークが印刷されており、該接着剤層は該印刷パター
   ン層と略同一のパターンで構成され、該剥離シートは該
   接着剤層を完全に覆っていることを特徴とする転写印刷
   シート。
2. 【請求項２】 保護シートとして透明プラスチックフィ
   ルム又はシートを使用し、且つ位置決めマークが保護シ
   ートの印刷パターン層側の面に印刷されている請求項１
   記載の転写印刷シート。
3. 【請求項３】 印刷パターン層と位置決めマークとを同
   時に保護シートに印刷した請求項２記載の転写印刷シー
   ト。
4. 【請求項４】 位置決めマークが十字形である請求項１
   及至３のいずれか一項に記載の転写印刷シート。
5. 【請求項５】 位置決めマークが印刷パターン全体を囲
   んだ閉路で構成されている請求項１及至３のいずれか一
   項に記載の転写印刷シート。
6. 【請求項６】 位置決めマークが印刷パターン中に存在
   する請求項１及至４のいずれか一項に記載の転写印刷シ
   ート。