JP3003445U - 車両試験装置の位置補正機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置全体の中心合致精度を向上し、構造が簡
単でスペース制約の小さい車両試験装置の位置補正機構
を提供する。 【構成】 左右の装置部４、５をラック９ａ、９ｂとこ
れらラック９ａ、９ｂに噛合するピニオン８で連動し、
左右の装置部４、５を装置中心対称に位置補正する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車に装着されている車輪の傾斜度等を検査するための車両試験 装置において車両を中心対称位置に補正するための機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の位置補正機構として図２の如くベースａの左右に、左右方向に延 びる１対のレールｂを敷設すると共に、これらレールｂに車両の車輪を載置する 板状の装置部ｃを左右方向に移動可能に係合し、これら左右の装置部ｃを支点ｄ を中心としてＺ形リンクｅにより連結したものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この従来の位置補正機構によると、左右の装置部ｃをＺ形リンクｅにより連結 しているので、各リンク要素の連結点でのガタつきによる精度の低下があり、又 Ｚ形リンクｅは装置部ｃの中央に支点ｄを設ける制約と、リンクが動くための大 きなスペースが必要となる問題点があった。

【０００４】 そのため本考案はこれらの問題点を解消し、装置全体の中心合致精度を向上し 、構造が簡単でスペースの制約の小さい車両試験装置の位置補正機構を提供する ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成すべく、ベースの左右に左右方向に移動可能に設け た左右の装置部において、ベース上に固定した軸にピニオンを枢支し、該ピニオ ンに前後方向に平行な２つのラックを噛合すると共に、一方のラックを一方の装 置部に連結すると共に他方のラックを他方の装置部に連結したことを特徴とする 。

【０００６】

【作用】

請求項１の車両試験装置の位置補正機構において、左右２つの装置部をピニオ ンを介して２つのラックで連結することにより、ガタつきが減って精度が上り、 構造的に簡単になって省スペース化ができる。

【０００７】 請求項２の車両試験装置の位置補正機構において、前記一方のラックを前記一 方の装置部の前端面或いは後端面に固定すると共に、前記他方のラックを前記他 方の装置部から側方に突設したロッドの先端部に固定したので、ロッドが一本で すみ、構造が簡単になる。

【０００８】 請求項３の車両試験装置の位置補正機構において、前記ロッドの根部を前記他 方の装置部の前端面或いは後端面から突設の突片に枢支し、該ロッドを前記ベー スに軸支したローラに摺接したので、該ロッドのラックが確実にピニオンに噛合 する。

【０００９】 請求項４の車両試験装置の位置補正機構において、前記装置部が板状体に形成 されていることにより、車両の車輪の乗り込みが容易となる。

【００１０】 請求項５の車両試験装置の位置補正機構において、車両の進入による左右の車 輪の左右の装置部への乗込みにより又は駆動にモータ等を使用することにより、 装置部を容易に移動できる。

【００１１】 請求項６の車両試験装置の位置補正機構において、一方の装置部を駆動装置に より左右移動可能にしたので、他方の装置部と共に左右の装置部を容易に移動で きる。

【００１２】

【実施例】

本考案の１実施例を図１に従って説明する。

【００１３】 １はベース、２、３は該ベース１に設けられた左右の固定枠、４、５は左右の 装置部を示し、該装置部４、５は板状体からなり前記左右の固定枠２、３の上面 に設置されたガイドレール６上を左右方向に滑動するようにした。

【００１４】 ７は前記ベース１上に固定したピニオン軸、８は該ピニオン軸７に枢支された ピニオンを示し、該ピニオン８の前後に第１ラック９ａと第２ラック９ｂを平行 に噛合させる。

【００１５】 １０はロッド、１１は右装置部５の前端面に設けられた突片、１２は前記ベー ス１に枢支したローラを示し、前記第１ラック９ａは左装置部４の前端面に固定 されていると共に、前記第２ラック９ｂは前記ロッド１０の先端に固定され、該 ロッド１０の根部は前記右装置部５の突片１１に枢支されている。

【００１６】 又前記ローラ１２は該ロッド１０に固定された第２ラック９ｂの反対側面に摺 接して該第２ラック９ｂがピニオン８に空隙なく噛合するようになっている。

【００１７】 次に上記実施例の位置補正機構の動作の説明をする。

【００１８】 被検査自動車は車種によりトレッド距離が異なるので、検査のための車両試験 装置が載った左右の装置部４、５の中心を装置全体の中心に対称位置になるよう に適宜連動させることが必要である。

【００１９】 そこで、被試験車両のトレッドの距離に応じてピニオン８を図示しないがモー タ等の原動機に連動して回動させ、該ピニオン８に噛合するラック９ａ、９ｂと ロッド１０を介して、装置部４、５を移動させると、これら装置部４、５は試験 装置の中心線から等距離を保持しながら所定間隔になる。

【００２０】 その後これら装置部４、５上に被試験車両の左右の車輪を乗り込ませて車輪の 傾斜度等を測定する。

【００２１】 尚、前記実施例では、第１ラック９ａ及びロッド１０を装置部４、５の前端面 側に設けたが後端面側に設けてもよい。

【００２２】 又、前記実施例ではピニオン８をモータ等の原動機により回動する例を示した が、左右いずれかの装置部４或いは５の側方に油圧シリンダー等の駆動装置を設 け、該駆動装置のロッドの先端を前記装置部４或いは５に連結し、該ロッドの進 退により装置部４、５を左右に移動してもよく、又は、前記ピニオン８を自由回 動にし、車両の左右の車輪が左右の装置部４、５上に乗り込みに伴って装置部４ 、５が左右に移動してセルフアライニングするようにしてもよい。

【００２３】

【考案の効果】

このように本考案によると、ラックとピニオンの組合せのため装置全体の中心 合致精度が向上し、一本のロッドだけの連結のため構造が簡単でスペースの制約 が小さくなる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の平面図である。

【図２】従来例の平面図である。

【符号の説明】

１ ベース ４ 左装置部 ５ 右装置部 ８ ピニオン 9a ラック 9b ラック 10 ロッド 11 突片 12 ローラ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースの左右に左右方向に移動可能に設
   けた左右の装置部において、ベース上に固定した軸にピ
   ニオンを枢支し、該ピニオンに前後方向に平行な２つの
   ラックを噛合すると共に、一方のラックを一方の装置部
   に連結すると共に他方のラックを他方の装置部に連結し
   たことを特徴とする車両試験装置の位置補正機構。
2. 【請求項２】 前記一方のラックを前記一方の装置部の
   前端面或いは後端面に固定すると共に、前記他方のラッ
   クを前記他方の装置部から側方に突設したロッドの先端
   部に固定したことを特徴とする請求項１に記載の車両試
   験装置の位置補正機構。
3. 【請求項３】 前記ロッドはその根部において前記他方
   の装置部の前端面或いは後端面から突設の突片に枢支す
   ると共に、先端部において前記他方のラックの反対側面
   で前記ベースに軸支したローラを摺接させたことを特徴
   とする請求項２に記載の車両試験装置の位置補正機構。
4. 【請求項４】 前記装置部は車両の車輪を載置する板状
   体であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１
   に記載の車両試験装置の位置補正機構。
5. 【請求項５】 前記ピニオンは自由回動に枢支するか或
   いはモータ等の原動機に連動したことを特徴とする請求
   項１に記載の車両試験装置の位置補正機構。
6. 【請求項６】 前記左右の装置部のいずれか一方の装置
   部に、該装置部を左右方向に移動する駆動装置を連結し
   たことを特徴とする請求項１に記載の車両試験装置の位
   置補正機構。