JP3003356U - 可搬式クーラント清浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】各機械毎のクーラント装置を，微細スラッジの
堆積に特別な配慮の必要もなく，簡単で低コストの設備
で対処できる可搬式クーラント清浄装置を提供する。 【構成】小型発電機２で発電して吸引ポンプ３，及び強
力磁気分離機４を運転し，堆積スラッジを拡散したダー
ティクーラントを吸引して強力磁気分離機４に送り，こ
こで固液分離して処理液を元のメインタンク５に戻し，
捕集スラッジを受箱１２へ排出する。これ等一連の作業
が搬送先で自力で行えるようにユニット化されており，
特に該強力磁気分離機４により，捕捉困難な微細スラッ
ジも捕集出来る。尚微細スラッジの主体が砥粒の場合
は，強力磁気分離機４を，適宜なフイルター装置に置き
換えて対処する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

研削盤，或いはシェービング盤，又はその他一般の工作機械を母機として，循 環使用するクーラントのタンクに関し，該液中の砥粒，微細切りくず等の微細ス ラッジは，従来の磁気分離機，又はチップコンベア等では充分に捕集，排出が出 来ず，徐々にタンクの液底に沈澱し堆積する。これに対し本考案の可搬式クーラ ント清浄装置は，該微細スラッジが捕集出来，自力運転が出来るようなユニット 化した構成で可搬式になっており，これを該機械の所へ適宜巡回して該クーラン トタンク内の清浄化を行うので，各機械の該タンクを該微細スラッジの堆積に心 配なく低コストの設備で対処することが出来る。

【０００２】

【従来の技術】

クーラントの清浄化の方法としては，従来の磁気分離機が一般的に使用されて いるが，非磁性体の研削盤，シェービング盤，等の砥粒，及び磁性体でも吸引力 の弱い微細スラッジは，捕捉が出来ず，又は捕集が困難である。従ってフイルタ ー装置，サイクロン装置，又は遠心分離装置等による処理が必要となるがこれで はコスト高となるため，図３にその一例を示すように沈澱分離式タンク２１に磁 気分離機２２を付加した簡単な装置として，該堆積スラッジをその都度人手で掻 き出していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

研削盤，或いはシェービング盤，又はその他一般の工作機械は益々加工性が向 上したため，大量の切りくずその他のスラッジが排出されるようになってきた。 そしてその大半が従来の磁気分離機，又はチップコンベア等で捕集，排出される が，その内の微細スラッジは捕捉されず，これがクーラントに混入したまま循環 して母機の加工精度，面粗さを悪化させ又はスクラッチ等のトラブルの原因とな っており，更にこの微細スラッジが徐々にタンク底に堆積して，これの排出に人 手を要する状態に進展する。従って該微細スラッジを常時分離，排出しようとす ると，該微細スラッジ中の磁性体スラッジでも微細のため吸引力のより強い磁気 分離機が要求され，又該砥粒に対してはフイルター装置，サイクロン装置，又は 遠心分離装置等が必要となり，これ等を各機械毎に設置することはコスト高，ス ペースの拡大となり設備の面から益々困難になって来た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述した問題を解決するために成されたもので，研削盤に使用した クーラント，又はその他一般の工作機械に使用したクーラントのタンク内が，徐 々に微細スラッジの堆積で汚濁したものに対し，適宜該機械に搬接し，該微細ス ラッジ迄捕集出来る強力磁気分離機等を乗せ，該タンク内を清浄化出来るように 構成したしたことを特徴とした可搬式クーラント清浄装置である。

【０００５】

【作 用】

本考案の、可搬式クーラント清浄装置のキャリヤ上には，吸引ポンプを乗せ， この吸引側のホースは該クーラントタンク（以下メインタンクと云う）迄延長出 来，吐出側のホースは強力磁気分離機に配管され，この強力磁気分離機からは処 理済み清浄液を元の該メインタンクに戻すホースが設けられている。その外，該 キャリヤ上には前記吸引ポンプ，強力磁気分離機の各々を運転させるモータの電 源用小型発電機が設けられ，搬接先で自力運転が出来るユニット装置にまとまっ ている。尚母機が研削盤，或いはシェービング盤でクーラントに砥粒が混入して 来る場合は，前記強力磁気分離機を適宜なフイルター装置に取替え，又は直列設 置とし，その他は前記同様のユニット装置で対処する。

【０００６】 そこで本考案の可搬式クーラント清浄装置を，微細スラッジが該メインタンク 底に堆積した所へ搬接し，吸引ポンプの該ホースをメインタンクに挿入し，先ず 小型発電機を運転して吸引ポンプ及び強力磁気分離機に送電する。そして吸引ポ ンプを運転して，メインタンク内に堆積している微細スラッジと共に該クーラン トを吸引し強力磁気分離機へ流入させる。この磁気分離機は磁性体の吸引力が強 力なため微細スラッジでも捕捉し，該クーラントを固液分離し清浄化する。そし てこの液を，戻しホースで元の該メインタンクに戻すか，又は別にサブタンクを 設けて一旦これに貯留し，該メインタンクを空にして清掃後，該サブタンクから このメインタンクへ移し変える。尚該堆積スラッジの主体が砥粒の場合は，該強 力磁気分離機を適宜なフイルター装置に取替えたユニット装置で対処する。

【０００７】

【実施例】

本考案の可搬式クーラント清浄装置を工作機械のクーラントタンク（メインタ ンク）に使用した実施例を，図１及び図２，に基づいて説明する。 キャリヤ１上には，小型発電機２，吸引ポンプ３，及び強力磁気分離機４が積 載され，これ等が自力運転出来るようにユニット化されている。吸引ポンプ３の 吸引側にはこのメインタンク５から該クーラントを吸引するホース６が接続され ，吐出側には強力磁気分離機４へ該クーラントを送り込むパイプ８が接続されて いる。尚このホース６のメインタンク５への挿入部分は吸引操作を容易にするた めに金属の吸引パイプ７が付いている。又パイプ８の途中には２方向切替弁９が 付き，強力磁気分離機４への送り込みと，メインタンク５への戻しホース１０へ 流路が切替えられるようになっている。強力磁気分離機４は強力磁石を内蔵した 回転ドラムを主体とし，このドラム外周の絞られた流路に該クーラントを通過さ せて液中のスラッジを捕捉するもので，この処理液はホース１１で元のメインタ ンク５へ戻し，捕集したスラッジは該ドラム外周から掻き取って受箱１２へ排出 する。又この強力磁気分離機４からはオーバーフロー戻しホース１３を設け，メ インタンク５へオーバーフロー液を回収させる。尚該メインタンク５の他にサブ タンク１４を設けこれに強力磁気分離機４の処理液を一時このサブタンク１４に 貯留させ，メインタンク５を空にしてこれを清掃する。

【０００８】 従って本可搬式クーラント清浄装置を，該メインタンク５の所へ搬接し，吸引 ホース６の吸引パイプ７，処理液の戻しホース１１，オーバーフロー戻しホース １３をそれぞれ該メインタンク５に挿入し，小型発電機２を起動させる。そして 先ずこのタンク５内に堆積している微細スラッジ層１５を適宜の方法でメインタ ンク５内液全体に拡散させる。そして吸引ポンプ３を運転して吸引パイプ７，吸 引ホース６でこのタンク５内の固液混濁させたダーティクーラントを吸引し，こ れをパイプ８で強力磁気分離機４へ送り込む。この強力磁気分離機４は磁性体に 対する吸引力が強大なため，ここで該ダーティクーラント中の微細スラッジでも 捕捉し，固液分離を行って清浄液とし，これを戻しホース１１でメインタンク５ 内へ戻し，捕集したスラッジを受箱１２へ排出する。なお母機が研削盤，或いは シェービング盤で，堆積スラッジ層１５の主体が砥粒の場合は，強力磁気分離機 ４を適宜なフイルター装置（図示なし）に取替えたユニット装置で対処する。又 メインタンク５の他に，サブタンク１４を設けて，強力磁気分離機４の処理液を 戻しホース１１で一時このサブタンク１４に貯留させ，該メインタンク５を空に してこれを清掃後，サブタンク１４の貯留液をメインタンク５へ戻せば，より一 層のクーラントの清浄化が出来る。尚サブタンク１４からメインタンク５へ貯留 液を戻す方法として，吸引パイプ７をこのサブタンク１４に挿入して再度強力磁 気分離機４を通し，戻しホース１１でタンク５へ戻してもよいが２方向切替弁９ を操作して，吸引ポンプ３の吐出側パイプ８から直接戻しホース１０へ連通させ てタンク５へ戻せば，操作時間の短縮を図ることが出来る。又本実施例では小型 発電機２を積載し，全てが自動運転出来る構成になっているが，本装置の運転場 所で容易に受電できる環境の所では，小型発電機２を取り除いても良い。又メイ ンタンク５内の微細スラッジ層１５の拡散作業に，該吸引ポンプ３を高圧ポンプ とし，これでメインタンク５内の処理液を高圧吐出させれば，該拡散操作を容易 にすることも出来る。

【０００９】

【考案の効果】

本考案の可搬式クーラント清浄装置によれば，研削盤，或いはシェービング盤 ，又はその他一般の工作機械から排出されるクーラント中の切りくず等のスラッ ジの大半は，従来の磁気分離機，又はチップコンベア等で捕集，排出されるが， その内の微細スラッジは捕捉されず，これが該タンク底に沈澱し堆積した微細ス ラッジ層の清浄化に対し，ユニット化された本装置を該メインタンクに搬接させ ，適宜拡散させて固液混濁させたダーティクーラントを吸引して固液分離を行っ て浄化するので，該微細スラッジがクーラントに混入したまま循環して母機の加 工精度，面粗さ，を悪化させ又はスクラッチ等のトラブルをおこす心配がなくな る。又本装置は各々の母機に適宜巡回して搬接させ該メインタンク内を浄化する ので，個々の該メインタンクの微細スラッジに対し特別に配慮した装置の必要も なく，簡単な低コストの設備で対処することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の可搬式クーラント清浄装置を
示す正面図

【図２】本考案の実施例の可搬式クーラント清浄装置を
示す説明図

【図３】従来のクーラント清浄装置の一部例の斜視図

【符号の説明】

１・・キャリヤ ９・・２方
向切替弁 ２・・小型発電機 １１・・処理
液の戻しホース ３・・吸引ポンプ １２・・受箱 ４・・強力磁気分離機 １４・・サブ
タンク ５・・クーラントタンク １５・・微細
スラッジ層 （メインタンク） ６・・クーラントの吸引ホース ２１・・沈澱
分離式タンク ７・・金属の吸引パイプ ２２・・磁気
分離機 ８・・吐出パイプ ２３・・クー
ラントポンプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】研削盤に使用したクーラント，又はその他
   一般の工作機械に使用したクーラントのタンク内が，徐
   々に微細スラッジの堆積で汚濁したものに対し，適宜該
   機械に搬接し，該微細スラッジ迄捕集出来る強力磁気分
   離機等を乗せ，該タンク内を清浄化出来るように構成し
   た可搬式クーラント清浄装置。