JP3001883U - 可搬式クーラント清浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】微細スラッジの堆積に特別な配慮の必要もな
く，簡単で低コストの設備で対処できる可搬式クーラン
ト清浄装置を提供する。 【構成】キャリヤー上には，小型発電機２，ベビコン
３，吸引ポンプ４，及び強力磁気分離機５，又はフイル
ター装置を積載し，操作としては，先ずベビコン３を運
転してクーラントタンク６内にエヤーを吹き込み，微細
スラッジ層を拡散させ，これを吸引して該強力磁気分離
機５に送り，ここで固液分離して処理液を元のタンク６
に戻し，捕集スラッジは受箱１４へ排出する。これ等一
連の作業が搬送先で自力で行えるようにユニット化され
ており，特に該タンク６内の堆積微細スラッジ層を，エ
ヤーで拡散し処理する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

研削盤，或いはシェービング盤，又はその他一般の工作機械を母機として，循 環使用するクーラントタンクに関し，該液中の砥粒，微細切りくず等の微細スラ ッジは，従来の磁気分離機，又はチップコンベア等では充分に捕集，排出が出来 ず，徐々にタンクの液底に沈澱し堆積する。これに対し本考案の可搬式クーラン ト清浄装置は，該微細スラッジが捕集出来，自力運転が出来るようなユニット化 した構成で可搬式になっており，これを該機械の所へ適宜巡回して該クーラント タンク内の清浄化を行うので，各機械の該タンクを該微細スラッジの堆積に心配 なく低コストの設備で対処することが出来る。

【０００２】

【従来の技術】

クーラントの清浄化の方法としては，従来の磁気分離機が一般的に使用されて いるが，非磁性体の研削盤，シェービング盤，等の砥粒，及び磁性体でも吸引力 の弱い微細スラッジは，捕捉が出来ず，又は捕集が困難である。従ってフイルタ ー装置，サイクロン装置，又は遠心分離装置等による処理が必要となるがこれで はコスト高となるため，図４にその一例を示すように沈澱分離式タンク２１に磁 気分離機２２を付加した簡単な装置として，該堆積スラッジをその都度人手で掻 き出していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

研削盤，或いはシェービング盤，又はその他一般の工作機械は益々加工性が向 上したため，大量の切りくずその他のスラッジが排出されるようになってきた。 そしてその大半が従来の磁気分離機，又はチップコンベア等で捕集，排出される が，その内の微細スラッジは捕捉されず，これがクーラントに混入したまま循環 して母機の加工精度，面粗さを悪化させ又はスクラッチ等のトラブルの原因とな っており，更にこの微細スラッジが徐々にタンク底に堆積して，これの排出に人 手を要する状態に進展する。従って該微細スラッジを常時分離，排出しようとす ると，該砥粒に対してはフイルター装置，サイクロン装置，又は遠心分離装置等 が必要となりコスト高，スペースの拡大となる。又微細スラッジ中の磁性体スラ ッジでも微細のため吸引力のより強い磁気分離機が要求され，これ等を各機械毎 に設置することはコスト，スペースの面から益々困難になって来た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述した問題を解決するために成されたもので，研削盤に使用する クーラント，又はその他一般の工作機械に使用するクーラントタンクの底に沈澱 し堆積した微細スラッジ層を，エヤー攪拌によりタンク内全体に拡散させ，該微 細スラッジの均等な混入液とし，これを任意の位置から吸引して固液分離を行い ，該タンク内の清浄作業を行う構成であることを特徴とした可搬式クーラント清 浄装置である。

【０００５】

【作 用】

本考案の、可搬式クーラント清浄装置のキャリヤ上には，小型コンプレッサー （以下ベビコンと云う）及び吸引ポンプを乗せ，前者からはエヤー吐出ホース， 後者の吸引側にはサクションホースが接続されており，各ホースは該クーラント タンク（以下メインタンクと云う）迄延長させることが出来る。一方吸引ポンプ の吐出側からは強力磁気分離機に配管され，この強力磁気分離機からは処理済み 清浄液を元の該タンクに戻すホースが設けられている。その外，該キャリヤ上に は前記ベビコン，吸引ポンプ，強力磁気分離機の各々を運転させるモータの電源 用小型発電機が設けられ，搬接先で自力運転が出来るユニット装置にまとまって いる。尚母機が研削盤，或いはシェービング盤でクーラントに砥粒が混入して来 る場合は，前記強力磁気分離機をフイルタ装置に取替え，又は直列設置とし，そ の他は前記同様のユニット装置で対処する。

【０００６】 そこで本考案の清浄装置を，微細スラッジが該クーラント底に堆積したタンク の所ヘ搬接し，ベビコン及び吸引ポンプからの各ホースを該メインタンクに挿入 し，先ず小型発電機を運転してベビコン，吸引ポンプ及び強力磁気分離機に送電 する。そしてベビコンを運転し，関係弁を開いてエヤーを該メインタンク内に吐 出し攪拌し，堆積している微細スラッジをメインタンク内液全体に拡散させる。 次に吸引ポンプを運転して該微細スラッジが均等に拡散された該クーラントを吸 引し強力磁気分離機へ流入させる。この強力磁気分離機は磁性体の吸引力が強力 なため微細スラッジでも捕捉し，該クーラントを固液分離し清浄化する。そして この液を，戻しホースで元の該メインタンクに戻すか，又は別にサブタンクを設 けて一旦これに貯留し，該メインタンクを空にして清掃後，該サブタンクからこ のメインタンクへ移し変える。尚該堆積スラッジの主体が砥粒の場合は，該強力 磁気分離機を適宜なフイルター装置に取替えたユニット装置で対処する。

【０００７】

【実施例】

本考案の可搬式クーラント清浄装置を工作機械のクーラントタンク（メインタ ンク）に使用した実施例を，図１，図２及び図３に基づいて説明する。 キャリヤ１上には，小型発電機２，小型コンプレッサー（ベビコン）３，吸引 ポンプ４，及び強力磁気分離機５が積載され，これ等が自力運転出来るようにユ ニット化されている。ベビコン３からは該メインタンク６へエヤーを吐出させる ホース７が接続され，吸引ポンプ４の吸引側にはこのメインタンク６から該クー ラントを吸引するホース８が接続され，吐出側からは強力磁気分離機５へ該クー ラントを送り込むパイプ１０が接続されている。尚このホース８のメインタンク ６への挿入部分は，吸引操作を容易にするために金属の吸引パイプ９が付いてい る。又パイプ１０の途中には２方向切替弁１１が付き，強力磁気分離機５への送 り込みと，メインタンク６への戻しホース１２へ流路が切替えられるようになっ ている。強力磁気分離機５は強力磁石を内蔵した回転ドラムを主体とし，このド ラム外周の絞られた流路に該クーラントを通過させて液中のスラッジを捕捉する もので，この処理液はホース１３で元のメインタンク６へ戻し，捕集したスラッ ジは該ドラム外周から掻き取って受箱１４へ排出する。又この強力磁気分離機５ からはオーバーフロー戻しホース１５を設け，メインタンク６へオーバーフロー 液を回収させる。尚該メインタンク６の他にサブタンク１６を設け，これに強力 磁気分離機５の処理液を一時ここに貯留させ，メインタンク６を空にしてこれを 清掃する。

【０００８】 従って本可搬式クーラント清浄装置を該メインタンク６の所へ搬接し，エヤー 吐出ホース７，吸引ホース８の吸引パイプ９，処理液の戻しホース１３，オーバ ーフロー戻しホース１５をそれぞれ該メインタンク６に挿入し，小型発電機２を 起動させる。そして先ずベビコン３を運転しメインタンク６にエヤーを吹き込み ，このタンク６内を攪拌させてタンク６内に堆積している微細スラッジ層１７を このタンク６内液全体に拡散させる。そして吸引ポンプ４を運転して吸引パイプ ９，吸引ホース８でタンク６内の固液混濁したダーティクーラントを吸引し，こ れをパイプ１０で強力磁気分離機５へ送り込む。この強力磁気分離機５は磁性体 に対する吸引力が強大なため，ここで，該ダーティクーラント中の微細スラッジ でも捕捉し，固液分離を行って清浄液とし，これを戻しホース１３でメインタン ク６内へ戻し，捕集したスラッジを受箱１４へ排出する。なお母機が研削盤，或 いはシェービング盤で堆積スラッジ層１７の主体が砥粒の場合は，図３に示すよ うに，強力磁気分離機５をフイルタ装置１８に取替えたユニット装置で対処する 。またメインタンク６の他に，サブタンク１６を設けて，強力磁気分離機５の処 理液を戻しホース１３で一時このサブタンク１６に貯留させ，該メインタンク６ を空にしてこれを清掃後，サブタンク１６の貯留液をメインタンク６へ戻せば， より一層のクーラントの清浄化が出来る。尚サブタンク１６からメインタンク６ へ貯留液を戻す方法として，吸引パイプ９をこのサブタンク１６に挿入して再度 強力磁気分離機５を通し，戻しホース１３でタンク６へ戻してもよいが，２方向 切替弁１１を操作して吸引ポンプ４の吐出側パイプ１０から直接戻しホース１２ へ連通させてタンク６へ戻せば，操作時間の短縮を図ることが出来る。又本実施 例では小型発電機２を積載し，全てが自動運転出来る構成になっているが，本装 置の運転場所で容易に受電，及び圧縮空気が受給できる環境の所では，適宜発電 機２及びベビコン３を取り除いても良い。又本実施例ではメインタンク６内の微 細スラッジ層１７の拡散をベビコン３のエヤー吐出で行っているが，これに限定 されるものでなく，該メインタンク６内の処理液を本装置内に設けた高圧ポンプ で吸引し，高圧吐出させれば，エヤー同様の拡散効果を出すことも出来る。

【０００９】

【考案の効果】

本考案の可搬式クーラント清浄装置によれば，研削盤，或いはシェービング盤 ，又はその他一般の工作機械から排出されるクーラント中の切りくず等のスラッ ジの大半は従来の磁気分離機，又はチップコンベア等で捕集，排出されるが，そ の内の微細スラッジが捕捉されず，これが該タンク底に沈澱し堆積する微細スラ ッジ層に対し，清浄化の処理装置としてユニット化された本装置を該メインタン クに搬接させ，本装置からこのメインタンク内にエヤーを吹き込み，該タンク底 に沈澱し堆積した微細スラッジを攪拌し該タンク内全体に拡散させ，該微細スラ ッジの均等な混入液とし吸引して固液分離を行って浄化するので，該微細スラッ ジ層の掻き出しに人手を要する心配がなくなり，又該微細スラッジがクーラント に混入したまま循環して母機の加工精度，面粗さ等を悪化させる等のトラブルの 心配がなくなり，又本装置を各々の母機に適宜巡回して搬接させ該タンク内を浄 化するので，個々の該タンクの清浄化に対し，該微細スラッジに対する特別に配 慮した装置の必要もなく，簡単な低コストの設備で対処することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の可搬式クーラント清浄装置示
す正面図

【図２】本考案の一実施例の微細スラッジが磁性体を主
体としているクーラントの清浄装置に適用した説明図

【図３】本考案の一実施例の微細スラッジが砥粒を主体
としているクーラントの清浄装置に適用した説明図

【図４】従来のクーラント清浄装置の一部例の斜視図

【符号の説明】 １・・キャリヤ １１・・２方
向切替弁 ２・・小型発電機 １３・・処理
液の戻しホース ３・・小型コンプレッサー（ベビコン） １４・・受箱 ４・・吸引ポンプ １５・・オー
バーフロー戻しホース ５・・強力磁気分離機 １６・・サブ
タンク ６・・クーラントタンク（メインタンク）１７・・微細
スラッジ層 ７・・エヤー吐出ホース １８・・フイ
ルター装置 ８・・クーラントの吸引ホース ２１・・沈澱
分離式タンク ９・・金属の吸引パイプ ２２・・磁気
分離機

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０３Ｃ 1/10 Ａ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】研削盤に使用するクーラント，又はその他
   一般の工作機械に使用するクーラントタンクの底に沈澱
   し堆積した微細スラッジ層を，エヤー攪拌によりタンク
   内全体に拡散させ，該微細スラッジの均等な混濁液と
   し，これを任意の位置から吸引して固液分離を行い，該
   タンク内の清浄作業を行う構成の可搬式クーラント清浄
   装置。