JP3002933U - 大型管の連結部分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型管の管相互の連結を簡単に分離できる装
置を提供する。 【構成】 分離側の管Ａの下方に配置される基台１と、
基台前部に取着され、連結管体Ｂ端面に当接される当て
板２と、基台後部に配装した一対の倍力牽引装置４と、
分離側の管に対し固着され、チェン６を介して倍力牽引
装置に連結される結合金具８を備えた大型管の連結部分
離装置である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、地中に埋設された大型管の交換作業などにおいて管相互を連結部 から分離する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

地中にはガス管、水道管などの大型管が埋設されている。これらの大型管の補 修作業などを実施する際に、大型管に隣接してこれと略同一径をなす合成樹脂製 管からなる仮設配管を設置することがある。

【０００３】 一般に、合成樹脂製管では、一方の管端に大径短尺の連結管体を連設し、該連 結管体に別の管の管端を嵌挿して管相互を連結する構成のものである。

【０００４】 従来より、大型管に隣接して設置される仮設配管が不要になってこれを撤去す るに当たり、管相互を連結部から分離するには、連結管体側の管をそのままにし て連結管体に端部を嵌挿した側の管（以下、分離側の管という）を動かして連結 管体から管端を引き抜く手法が採られている。

【０００５】 この際に分離側の管をその軸心方向に単に引っ張るだけでは管端はなかなか連 結管体から外れない（引き抜けない）もので、連結管体を損傷させない程度に分 離側の管に左右の揺さぶりを掛けるとか、管を回したりしながら引っ張ると簡単 に管端が外れ易いことが知られている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、地中の埋設された大型管相互を連結部から分離するための専用の装 置はなく、作業としては、一般に、分離側の管回りに溝を堀り、この溝内に分離 側の管および連結部を露出させた状態にし、溝内に作業員が入って人力によるか 、或いは他の動力を使用して上記するような要領で管相互を分離する作業が行わ れている。従って、作業が狭隘な場所での力仕事となり、作業環境のきわめて悪 く、労力負担も大きく、手間も掛かるものである。

【０００７】 この考案は上述の点に鑑みなされたものであって、大型管の管相互の連結を簡 単に分離できる装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するためのこの考案の第１の構成は、一方の管端に連設した 大径短尺の連結管体に、別の管の管端を嵌挿して連結してなる大型管において、 連結管体に管端を嵌挿した側の管を分離側の管とし、該分離側の管の下方に配置 される基台と、基台前部に取着され、連結管体端面に当接される当て板と、基台 後部に左右に離間して配装した一対の倍力牽引装置と、分離側の管に脱着自在に 固着され、左右両側に設けた突片をチェンを介して倍力牽引装置に連結する結合 金具を備えたことを特徴とする大型管の連結部分離装置である。

【０００９】 第２の構成は、第１の構成における当て板は、上部に分離側の管が嵌入される 切り込み状の凹部を有し、下部を基台側面に設けた取着用ガイド部材に対して抜 き差し自在に取着し、分離側の管の直径に合わせて大きさの異なる凹部を有する 数種類を用意して交換可能にしたことを特徴とする大型管の連結部分離装置であ る。

【００１０】

【作用】

この考案の第１の構成では、連結管体端面に当て板を当接させ、両方の倍力牽 引装置のレバーを交互に操作して分離側の管を連結管体から引き離す方向に引っ 張ると、分離側の管は左右に揺さぶられる動きを伴いながら引っ張られて管端が 連結管体から引き抜きかれるので、作業が簡単確実になり、作業性を向上する。

【００１１】 第２の構成では、管径に適合する凹部を有する当て板を用いて連結管体端周面 と当て板とが広い範囲で当接して反力が受け止められるので、作業を円滑に遂行 する。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１３】 図１はこの考案の実施例を示す装置の斜視図、図２は牽引部材を構成する結合 金具の正面図である。

【００１４】 図において、１は基台で、この基台１は剛性を有する適宜長さの型材などから なる。２は基台１の前部に取着した当て板で、上部に分離側の管Ａが嵌入される 切り込み状の凹部３を有する。４は基台後部に左右に離間して配装した一対の倍 力牽引装置で、レバー５を所定角度で往復操作させて装置内に通したチェン６を 一方的に強力に引っ張る周知構成のもので、チェン６端にフック７を取着してい る。

【００１５】 ８は分離側の管Ａに脱着自在に固着される結合金具で、展開自在な二分割構成 の半円状の金具片で分離側の管Ａを挟んで他方の端を閉じ位置で締め具９で締め 付けて分離側の管Ａ上に固着するもので、左右両側に突片１０を背向的に突設し 、両突片１０にチェン６端のフック７を係止する係止孔１１を設けている。

【００１６】 １２は基台１の側面に設けた当て板２の取着用ガイド部材で、当て板２の下部 を抜き差し自在に取着するようにしたもので、当て板２を分離側の管Ａの直径に 合わせて大きさの異なる凹部３を有する数種類を用意しておき、交換可能にして いる。

【００１７】 上記構成において、使用態様を説明する。

【００１８】 分離側の管Ａの下方に基台１を配置し、当て板２の凹部３に分離側の管Ａを嵌 入して当て板２を連結管体Ｂの端面に当接させる。基台１上方にあって、当て板 ２と倍力牽引装置４との間で適所に分離側の管Ａに結合金具８を固着する。この 結合金具８の左右両側の突片１０の係止孔１１にチェン６端のフック７を係止す る。

【００１９】 こうして装置をセットした状態で、一方の倍力牽引装置４のレバー５を操作し て当該倍力牽引装置４のチェン６を引っ張り、この引っ張り力によって管Ａが僅 かに動いたところで、他方の倍力牽引装置４のレバー５を操作して当該倍力牽引 装置４のチェン６を引っ張り、この引っ張り力によって反対側に管Ａが僅かに動 いたところで、また、レバー５の操作を変える。こうして交互にレバー５を操作 してチェン６を引っ張ると、分離側の管Ａは左右に揺さぶられながら分離側の管 Ａを連結管体Ｂから引き離す方向に引っ張ると、分離側の管Ａは左右に揺さぶら れる動きを伴いながら引っ張られて管端が連結管体Ｂから引き抜きかれる。

【００２０】

【考案の効果】

上記構成からなるこの考案によれば、大型管の連結部分に装置をセットして、 一対の倍力牽引装置のレバーを交互に操作する簡単な作業で、分離側の管を左右 に揺さぶりを掛けてその管端を連結管体から引き抜くようにしたから、地中に埋 設した大型管の取り替え工事などで狭隘な場所での力仕事とならず、労力負担が 少なくて作業を能率よく遂行できる。また、管径に適合した凹部を有する当て板 を用いて連結管体面と当て板とを広い範囲で当接させて反力が受け止められるか ら、作業を円滑に遂行する。さらに、結合金具を分離側の管に固着し、該結合金 具に倍力牽引装置から延びるチェン端のフックを係止するだけで装置のセットが できるから、作業の巧拙がなく、確実な作業を短時間にできて便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の実施例を示す装置の斜視図であ
る。

【図２】 結合金具の正面図である。

【符号の説明】

１…基台 ２…当て板 ４…倍力牽引装置 ６…チェン ８…結合金具 Ａ…分離側の管 Ｂ…連結管体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の管端に連設した大径短尺の連結管
   体に、別の管の管端を嵌挿して連結してなる大型管にお
   いて、連結管体に管端を嵌挿した側の管を分離側の管と
   し、該分離側の管の下方に配置される基台と、基台前部
   に取着され、連結管体端面に当接される当て板と、基台
   後部に左右に離間して配装した一対の倍力牽引装置と、
   分離側の管に脱着自在に固着され、左右両側に設けた突
   片をチェンを介して倍力牽引装置に連結する結合金具を
   備えたことを特徴とする大型管の連結部分離装置。
2. 【請求項２】 当て板は、上部に分離側の管が嵌入され
   る切り込み状の凹部を有し、下部を基台側面に設けた取
   着用ガイド部材に対して抜き差し自在に取着し、分離側
   の管の直径に合わせて大きさの異なる凹部を有する数種
   類を用意して交換可能にしたことを特徴とする請求項１
   に記載の大型管の連結部分離装置。