JP3002925B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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    • C08L71/02Polyalkylene oxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は貯蔵安定性と硬化性に優
れた1成分形シーリング材を提供する硬化性組成物に関
する。ここで、1成分形シーリング材とは、あらかじめ
施工に供する状態に調整されているシーリング材のこと
である
【0002】
【従来の技術】加水分解性ケイ素基含有有機重合体を1
成分形硬化性組成物として利用する際に、該重合体中の
加水分解性ケイ素基、すなわち該重合体中に存在する反
応性ケイ素基に結合した加水分解性基よりもH2 Oに対
して反応性の高い加水分解性ケイ素基を含有する低分子
量シリコン化合物の添加により、貯蔵安定性が確保でき
ることは公知である。
【0003】しかしながら、従来法では、貯蔵安定性を
確保するために組成物中のH2 O量のみに着目して、低
分子量シリコン化合物の添加量を決めているため残存す
る低分子量シリコン化合物の影響により実際に同組成物
を現場で使用する時に、硬化性が遅くなる、また硬化後
の硬化物が固くなり過ぎるなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、加水
分解性ケイ素基含有有機重合体中の加水分解性ケイ素基
量に対し残存する低分子量シリコン化合物の量をコント
ロールして、貯蔵安定性と即硬化性とのバランスをとる
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、加水分解性
ケイ素基含有オキシアルキレン重合体を必須成分とする
1成分形硬化性組成物において、上記重合体よりもH2
Oとの反応性の高いケイ素原子に結合した加水分解性基
を有する低分子量シリコン化合物を含有し、かつ低分子
量シリコン化合物中の加水分解性基のモル数が、上記重
合体中の加水分解性基のモル数を越えず、かつ上記重合
体の分子量が10,000以上で、分子量分布を示すパ
ラメーター(Mw/Mn)が1.5以下である硬化性組
成物によって達成される。
【0006】本発明に使用する加水分解性ケイ素基含有
有機重合体における加水分解性ケイ素基とは、特に限定
するものではないが、代表的なものを示すと、例えば、
下記一般式(1)で表される基が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】〔式中、R1 及びR2 は、いずれも炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数7〜20のアラルキル基または(R3)3 SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1 または
2 が2個以上存在する時、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。ここでR3 は炭素数1〜20
の1価の炭化水素基であり、3個のR3 は同一であって
もよく、異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示
し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であって
もよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3
を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。また、m個
の下記〔化2〕基におけるbは異なっていてもよい。m
は0〜19の整数を示す。但し、a+Σb≧1を満足す
るものとする。〕
【0009】
【化2】
【0010】上記Xで示される加水分解性基は特に限定
されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的
には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、ア
ミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、
アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、
水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメ
ート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカ
プト基及びアルケニルオキシ基が好ましいが、加水分解
性が穏やかで取扱いやすいという観点からメトキシ基等
のアルコキシ基が特に好ましい。
【0011】この加水分解性基は1個のケイ素原子に1
〜3個結合することができ、(a+Σb)は1〜5であ
るのが好ましい。加水分解性基が加水分解性ケイ素基中
に2個以上存在する場合には、それらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。加水分解性ケイ素基中に、
ケイ素原子は1個あってもよく、2個以上あってもよい
が、シロキサン結合等によりケイ素原子の連結された加
水分解性ケイ素基の場合には、20個程度あってもよ
い。
【0012】なお、下記〔化3〕の一般式(2)で表さ
れる加水分解性ケイ素基が、入手容易の点からは好まし
い。
【0013】
【化3】
【0014】〔式中、R2 、X,aは前記と同じ。〕ま
た、上記一般式(1)におけるR1 及びR2 の具体例と
しては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニ
ル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル
基、R3 がメチル基やフェニル基などである(R3)3
iO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げら
れる。R1 、R2 、R3 としてはメチル基が特に好まし
い。
【0015】加水分解性ケイ素基はオキシアルキレン重
合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5
個存在するのがよい。重合体1分子中に含まれる加水分
解性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不十分
になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。加水
分解性ケイ素基はオキシアルキレン重合体分子鎖の末端
に存在してもよく、内部に存在してもよい。加水分解性
ケイ素基が分子鎖の末端に存在すると、最終的に形成さ
れる硬化物に含まれるオキシアルキレン重合体成分の有
効網目鎖量が多くなるため、高強度、高伸びで、低弾性
率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
【0016】本発明の重合体における重合鎖を構成する
オキシアルキレン重合体は、下記一般式(3)で表され
るものが使用できる。 一般式(3) −(R−O)n − :(Rは炭素数1〜4の2価のアル
キレン基) しかしながら、入手の容易さの点からは下記一般式
(4)で表される繰り返し単位を有するオキシアルキレ
ン重合体が好ましい。
【0017】一般式(4) −CH(CH3 )CH2 O− 上記オキシアルキレン重合体は、直鎖状であっても分枝
状であってもよく、或いは、これらの混合物であっても
よい。また、他の単量体等が含まれていてもよいが、上
記一般式(4)で表される単量体単位が重合体中に50
重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが
好ましい。
【0018】本発明の加水分解性ケイ素基を有するオキ
シアルキレン重合体は、官能基を有するオキシアルキレ
ン重合体に加水分解性ケイ素基を導入することによって
得るのが好ましい。加水分解性ケイ素基の導入は公知の
方法で行えばよい。すなわち、例えば以下の方法が挙げ
られる。
【0019】(1)末端に水酸基等の官能基を有するオ
キシアルキレン重合体に、この官能基に対して反応性を
示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応さ
せ、若しくは不飽和基含有エポキシ化合物との共重合に
より得られる不飽和基含有オキシアルキレン重合体を得
る。次いで、得られた反応生成物に加水分解性ケイ素基
を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化す
る。
【0020】(2)(1)法と同様にして得られた不飽
和基含有オキシアルキレン重合体にメルカプト基及び加
水分解性ケイ素基を有する化合物を反応させる。 (3)上記末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート
基等の官能基(以下、Y1 官能基という)を有するオキ
シプロピレン重合体に、このY1 官能基に対して反応性
を示す官能基(以下、Y2 官能基という)及び加水分解
性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0021】このY2 官能基を有するケイ素化合物とし
ては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカ
プト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシ
ラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのような
ビニル型不飽和基含有シラン基;γ−クロロプロピルト
リメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランなどの
ようなイソシアネート含有シラン類;メチルジエトキシ
シランなどのようなハイドロシラン類などが具体的に例
示され得るが、これらに限定されるものではない。
【0022】以上の方法の中で、(1)の方法、または
(3)のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシアネ
ート基及び加水分解性ケイ素基を有する化合物を反応さ
せる方法が好ましい。上記加水分解性ケイ素基の導入方
法は例えば、特開昭50−156599号、同54−6
096号、同57−126823号、同59−7822
3号、同55−82123号、同55−131022
号、同55−137129号、同62−230822
号、同63−83131号、特開平3−47825号、
同3−72527号、同3−122152号、米国特許
第3,632,557号、同4,345,053号、同
4,366、307号、同4,960,844号等に開
示されている。
【0023】本発明は組成物中の加水分解性ケイ素基含
有有機重合体中の加水分解性ケイ素基含量が少なくな
る、分子量が10,000以上で、分子量分布をしめす
パラメータ(Mw /Mn )が1.5以下、特には1.3
以下の該重合体に対し、特に有効である。ここで、上記
分子量及び分子量分布をしめすパラメータ(Mw
n )はゲル浸透クロマトグラフィーで測定される。
【0024】このような重合体の例は、特開平3−47
825号、同3−72527号、同3−122152号
等に開示されている。本発明においては、該有機重合体
よりもH2 Oに対して反応性の高いケイ素原子に結合し
た加水分解性基を含有する低分子量シリコン化合物を用
いる。本発明におけるオキシアルキレン重合体、低分子
量シリコン化合物とも、ケイ素原子に結合した加水分解
性基を有しているが、組成物において低分子量シリコン
化合物の加水分解がオキシアルキレン重合体の加水分解
より速いことが必要である。重合体の加水分解が実質的
に進行しないことが望ましい。
【0025】低分子量化合物はオキシアルキレン重合体
の種類、特に加水分解性基の種類、1つのケイ素原子に
結合している加水分解性基の個数によって定まるが、例
えば、Si(OC2 5 4 、CH2 =CHSi(OA
c)3 、HSCH2 CH2 CH2 Si(OCH3 3
及び下記〔化4〕及び〔化5〕に示された加水分解性シ
リコン化合物及びH2 NCH2 CH2 NHCH2 CH2
CH2 Si(OCH33 、H2 NCH2 CH2 NHC
2 CH2 CH2 Si(CH3 )(OCH3 2 、(C
2 5 O)3 SiCH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2
NHCH2 CH2 CH2 Si(OC2 5 3 などのア
ミノ基置換アルコキシシラン、更に上記アミノ基置換ア
ルコキシシランと〔化5〕に示されたエポキシシラン化
合物との反応物、またはCH2 =C(CH3 )C(O)
OCH2 CH2 CH2 Si(OCH3 3 、CH2 =C
(CH3 )C(O)OCH2 CH2 CH2 Si(OCH
2CH2 OCH2 3 のようなメタクリルオキシシラン
化合物との反応物のようなアミノシラン化合物が例示で
きる。加水分解基としてはアルコキシ基が好ましく、特
にオキシアルキレン重合体の反応性ケイ素基の加水分解
性基がアルコキシ基のとき好ましい。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】本組成物中には、上記シリコン化合物以外
に更に、必要に応じて、他の硬化触媒(例えば、ラウリ
ルアミン、オクチル酸鉛など)、接着性改良剤、物性調
整剤、保存安定性改良剤、紫外線吸収剤、金属不活性化
剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、アミン系ラジカル連
鎖禁止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤
などの各種添加剤を適宜添加することが可能である。
【0029】発明を一層効果的にするための必須要件
は、組成物に残存するシリコン化合物中の加水分解性基
のモル数が、該重合体中の加水分解性基のモル数以下で
あることである。ここで、加水分解性基のモル数とは、
加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体あるい
は低分子量シリコン化合物中の、反応性ケイ素基に結合
した加水分解性基のモル数を示す。これ以上残存する
と、硬化速度の低下が著しい。発明を効果的にするため
には、組成物中のH2 O量は500ppm以下、好まし
くは300ppm以下であることが望ましい。500p
pmより多いと貯蔵安定性が低下する。組成物中のH2
O量を500ppm以下にするためには、減圧下加熱す
ることにより物理的にH2 Oを除去してもよいし、該重
合体中の反応性ケイ素基よりH2 Oに対して反応性の高
い反応性ケイ素基を有するシリコン化合物により化学的
にH2 Oを除去してもよい。
【0030】
【実施例】
(実施例1〜3)(比較例1及び2) 全末端の85%に(CH3 O)2 Si(CH3 )CH2
CH2 CH2 −基を含有し、ゲル浸透クロマトグラフィ
ーで測定された数平均分子量が10,000のポリオキ
シプロピレン重合体(重合体A)を硬化性組成物の製造
に用いた。
【0031】なお、分子量の測定は東ソー製高速GPC
装置HLC−8020を使用し、カラムとしてTSKゲ
ルG3000HとG4000Hを直列に接続したもの、
溶媒としてTHF、測定温度として40.0℃、溶媒流
量として1.0ml/min、試料溶液として0.05
gの試料を10ccのTHFに溶解したものを使用して
測定した。
【0032】重合体Aの100重量部に対して、脂肪酸
処理炭酸カルシウム(平均粒径:0.08μm)を12
0部、ジオクチルフタレート:50重量部、酸化チタ
ン:20重量部、水添ひまし油:6重量部、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤(チヌビン327:1重量部、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(NS−6):1重
量部、ヒンダードアミン系光安定剤(サノールLS−7
70):1重量部を添加して、5リットルのプラネタリ
ーミキサー中で減圧下加熱脱水処理を行った。
【0033】続いて、ビニルトリメトキシシランを残存
シラン量として表1に示した如く変量して添加し、硬化
触媒としてジブチル錫ジアセチルアセトナートを1重量
部添加して、充分攪拌、分散後カートリッジに充填し、
残存シラン量の異なるシーリング材を得た。それぞれの
試料の残存水分量(カールフィッシャー法)、残存CH
2 =CHSi(OCH3 3 (ガスクロマトグラフィー
法)及び硬化性(23℃/50%RH雰囲気下に押し出
し、指で表面を軽く触れ、炭酸カルシウム等の粉体成分
が指に付着しなくなるまでの時間)を測定すると共に、
50℃×1ヶ月貯蔵後の粘度も測定した。測定結果を表
1にまとめた。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例4〜6)(比較例3及び4) 全末端の85%に(CH3 O)2 Si(CH3 )CH2
CH2 CH2 −基を含有し、ゲル浸透クロマトグラフィ
ーで測定された数平均分子量が17,000、分子量分
布(Mw /Mn )が1.3のポリオキシプロピレン重合
体(重合体B)を用いて、硬化触媒として、ジブチル錫
ジアセチルアセトナート1重量部の代わりにジブチル錫
オキサイドをジオクチルフタレートの等モル反応生成物
を2重量部使用する以外は、(実施例1〜3)と同様に
して残存シラン量の異なるシーリング材を得、それぞれ
の試料の残存水分量、残存CH2 =CHSi(OC
3 3 及び硬化性を測定すると共に、50℃×1ヶ月
貯蔵後の粘度も測定した。結果を表2にまとめて示し
た。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明により、貯蔵安定性と即硬化性と
のバランスのとれた硬化性組成物を得ることができる。
【化6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−89861(JP,A) 特開 昭55−123648(JP,A) 特開 昭53−129247(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 71/00 - 71/14 C08G 65/00 - 65/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレ
    ン重合体を必須成分とする1成分形硬化性組成物におい
    て、上記重合体よりもH2 Oとの反応性の高いケイ素原
    子に結合した加水分解性基を有する低分子量シリコン化
    合物を含有し、かつ低分子量シリコン化合物中の加水分
    解性基のモル数が、上記重合体中の加水分解性基のモル
    数を越えず、かつ上記重合体の分子量が10,000以
    上で、分子量分布を示すパラメーター(Mw/Mn)が
    1.5以下である硬化性組成物。
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