JP3002313U - プッシュスイッチ - Google Patents

プッシュスイッチ

Info

Publication number
JP3002313U
JP3002313U JP1994002641U JP264194U JP3002313U JP 3002313 U JP3002313 U JP 3002313U JP 1994002641 U JP1994002641 U JP 1994002641U JP 264194 U JP264194 U JP 264194U JP 3002313 U JP3002313 U JP 3002313U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lock pin
spring
shaped
lower case
continuous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1994002641U
Other languages
English (en)
Inventor
茂 佐藤
Original Assignee
三省電機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三省電機株式会社 filed Critical 三省電機株式会社
Priority to JP1994002641U priority Critical patent/JP3002313U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3002313U publication Critical patent/JP3002313U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Push-Button Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハートカム機構を備えたプッシュスイッチを
改良して、ハートカム機構のロックピン(コの字形の係
止用部材)を押圧するバネ部材の生産性を向上させる。
すなわち、大量生産に適し、製造コストの安いバネ部
材、および、その支持構造を創作した。 【構成】 連続コの字形ワイヤスプリング30を構成す
る。この部材は、内側のコの字状部30cの両側に外側
平行部30a,30bを配置して一連のワイヤスプリン
グで成形したものであり、「凹」の字の底辺(図に仮想
線で示した)30dを取り除いた形状である。上記1対
の外側平行部30a,30bのそれぞれを、下部ケース
1aに設けたスプリング差込穴31a,31bに挿入し
て装着する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、最初の押動操作によって導通状態が切り換えられるとともに、再度 の押動操作によって導通状態が復元し、以後、この作動を繰り返すタイプのプッ シュスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のプッシュスイッチは従来一般に、1回の押動操作ごとに移動部材を係 止したり係止解除したりする手段としてハートカム機構が用いられている。この ハートカム機構は、図5および図6について後に説明するように、角張ったハー ト形の案内溝に沿わせて係止用の部材を移動させ、2回の押動操作によって上記 案内面を1週させるとともに、該1週の途中で1回、係止部材を案内溝の段付部 材に引っ懸からせるようになっている公知の構成である。2回の押動で1回りし 、1回りの間に1度引っ懸かるから、2回の押動ごとに1度引っ懸かることにな り、1回押動すると引っ懸かって戻らなくなり、再度押動すると復元するという 機能を発揮する。その結果、奇数回押動した後は導通状態が切り換えられ、偶数 回の押動後は導通状態が復元する。
【0003】 図5および図6は従来のプッシュスイッチを示したもので、図中1は合成樹脂 製のスイッチケースであり、このスイッチケース1は図7に示すような下部ケー ス1aと上部ケース1bとを組合わせて構成されている。なお、前記下部ケース 1aと上部ケース1bとは、上部ケース1bの両側に形成した下方に延出する係 止片2を下部ケース1aに形成した掛止突起3に掛止することにより結合される ようになっている。 また、図6および図7において、4,5,6は前記下部ケース1aの両側内面 に上下に配列させて設けられた3個の接点であり、その中間の接点5はコモン接 点とされ、またこの3個の接点4,5,6の各端子部4a,5a,6aはそれぞ れ下部ケース1aの下面に突出されている。 一方、図5および図6において、7は前記スイッチケース1内に上下動可能に 設けられた合成樹脂製の移動部材であり、この移動部材7は、前記スイッチケー ス1上に突出する操作部7aの押圧操作によって押し下げられ、復帰バネ(コイ ルスプリング)8の押圧力によって元位置に復帰させられるようになっている。 また、9,9は前記移動部材7の両側面に取付けられたブラシであり、このブラ シ9,9は、前記移動部材7と共に上下動されて、移動部材7が押し下げ状態に あるときは図6のように中間のコモン接点5と下側の接点6とを短絡させ、移動 部材7が復帰状態にあるときは前記コモン接点6と上側の接点4とを短絡させる ようになっている。
【0004】 また、図5および図6において、10は前記移動部材7を押し下げ状態で係止 するロックピン、11及び12は前記移動部材7の一側面に形成されたロックピ ン係止部及びロックピン案内面、(いわゆるハートカム)である。13は前記ロ ックピン10の先端を前記移動部材7のハートカムを形成しているロックピン案 内面12に接触させるバネ部材であり、前記ロックピン10は金属線材を折曲し てなる縦長コ字状のものとされている。 そして、前記コ字形ロックピン10は、その基端の折曲部を前記下部ケース1 aの底板上に形成したロックピン支持部14に穿設されていテーパー付横穴15 に挿入して、基端部を中心として前後左右に揺動できるように前記ロックピン支 持部14に支持されている。 また、前記バネ部材13は、図8に示すように、金属板の先端部を上方に折曲 してこの折曲部をバネ部13aとした形状のもので、このバネ部材13は、その 平板状部13bを前記下部ケース1aの底板上に支持させて、前記バネ部13a によりロックピン10のほぼ中央部を背後から押圧するように設けられている。 なお、このバネ部材13は、その平板部13bに設けた貫通孔13c,13dを 前記下部ケース1aの底板上に突設した復帰バネ嵌装軸8aと前記ロックピン支 持部14に嵌合すると共に前記復帰バネ8によって下部ケース底面に押圧固定さ れている。 一方、ハートカムを形成している前記のロックピン係止部11は、前記移動部 材7の一側面に形成した垂直壁面に突設されており、その上面は前記ロックピン 10の先端の折曲部を受入れるように凹入されている。また、前記ロックピン案 内面12は、移動部材7の前記垂直壁面に前記ロックピン係止部11を囲むよう に形成されており、さらにこのロックピン案内面12はロックピン先端部の移動 経路に沿って段階状に形成されている。すなわち、前記ロックピン案内面12は 、図6に示したa,b,c,d,e,f,gの7つの面からなるものである。 本図6について、紙面の手前側を高いと呼び、紙面の奥行方向を低いと呼ぶと 、c面が最も高く、以下d面、e面、f面、g面の順で低くなっており、a面は 最も低くなっている。また、b面はa面からc面に向かって高くなる傾斜面とな っている。 ハートカムのロックピン案内面12に前記バネ部材13の弾力で常時ロックピ ン案内面12に接触されるロックピン10の先端部は、移動部材7の押し下げに ともなって図6に示す矢印Aのような軌跡で変位し、押し下げ力開放後復帰バネ 8のバネ力で移動部材7がある程度上昇したときに、前記ロックピン係止部11 と図示のように当接して移動部材7をそれ以上上昇しないように係止するように なっており、またこの状態で再び移動部材7を押し下げると、ロックピン10の の先端部がe面からf面に変位して移動部材7の係止を解除すると共に、前記復 帰バネ8による移動部材7の復帰にともなって図6に示した矢印Bのような軌跡 で変位しながらa面に帰るようになっている。
【0005】 しかしながら、上記従来のプッシュスイッチは、ロックピン10を移動部材7 のロックピン案内面12に接触させるバネ部材13を、その平板部13bを下部 ケース1aの底面に支持させて復帰バネ8で押圧固定しているために、スイッチ の組立てに際して前記ロックピン10を前記バネ部組立てに際して、前記バネ部 材13を下部ケース1a内に組み込んだ後に前記ロックピンを装着しなければな らず、そのためにスイッチ組立てが非常に面倒であるという問題をもっていた。 すなわち、前記ロックピン10は、その基端の折曲部を下部ケース1aの底面 に形成したロックピン支持部14の横穴15に挿入して装着されるものであるた めに、前記バネ部材13を装着した後にこのロックピン10を組込むには、前記 バネ部材13のバネ部13aをロックピン装着の邪魔にならないように外側に押 しながらロックピンの基端部を前記ロックピン支持部14の横穴15に挿入しな ければならず、この作業は両手にピンセットなどの工具を持って行なわなければ ならないし、また前記バネ部材13のバネ部13aはこれを永久変形させてしま わないように適度の力で細心の注意を払いながら外側に押さなければならないか ら、スイッチが小型になるほどロックピン10の装着作業が非常に難しくなり、 そのためにスイッチの組立てを作業性よく行なうことができなかった。
【0006】 上記のような不具合を解消するため、実開昭60−74429号「プッシュス イッチ」が提案され、実公平4−47867号として公告されている。以下、こ の考案を公知の考案と言う。 上記公知の考案は、スイッチケースの下部ケースを、ロックピンの装着部に対 向する側面にロックピン装着用開口を形成しかつこのロックピン装着用開口の両 側縁部の内側にそれぞれ下部ケースの上端に開放するバネ部材装着用ガイド溝を 設けた構造とすると共に、前記ロックピンをその背後から押圧するバネ部材を、 前記下部ケースの両側のバネ部材装着用ガイド溝に両側部がスライド可能に嵌合 する金属板に前記ロックピンに弾接するバネ片を切り起し形成した形状とし、前 記ロックピン装着用開口から挿入して装着された前記ロックピンの背後に前記バ ネ部材装着用ガイド溝に案内させて下部ケースの上方から挿入された前記バネ部 材を設置すると共に、前記下部ケースのロックピン装着用開口を、前記スイッチ ケースの上部ケースに形成したカバー板で覆った構成のものである。 上記公知の考案の1実施例を、前記公報に記載されたところに従って述べると 次のごとくである。(なお、前掲の図5〜図8を参照して説明した従来例も、前 記公報の記載に基づいて記述したものである)。 この実施例のプッシュスイッチは、図9および図10に示すように、ロックピ ン10の背後に前記ロックピン10を移動部材7側に押圧するバネ部材20を垂 直に配置したもので、スイッチケース1は図11に示すような形状の下部ケース 1aと上部ケース1bとを組合わせて構成されている。
【0007】 前記下部ケース1aは、前記ロックピン10の装着部に対向する側面に下部ケ ース上端に開放する広幅のロックピン装着用開口21aを形成し、反対側の側面 に前記ロックピン装着用開口21aと同形の復帰バネ装着用開口22aを形成し た構造とされており、また前記上部ケース1bは、その両側に前記下部ケース1 aのロックピン装着用開口21a及び復帰バネ装着用開口22aを覆うカバー板 21b,22bを下方に延出させて形成した構造とされている。そして、前記下 部ケース1aと上部ケース1bは、前記カバー板21b,22bの下縁部両側に 突設した掛止片23,23を下部ケース1aに形成した掛止部24,24に掛止 して組合わされるようになっている。 また、前記下部ケース1aには、前記ロックピン装着用開口21a両側縁部の 内側にそれぞれ下部ケース1aの上端に開放する垂直なバネ部材装着用ガイド溝 25,25が形成されている。
【0008】 一方、前記ロックピン10をその背後から移動部材7側に押圧するバネ部材2 0は、図12に示すように、両側縁をほぼ直角に折曲げて両側縁部を補強し、こ の両側縁部において前記下部ケース1aの両側のバネ部材装着用ガイド溝25, 25にスライド可能に嵌合する金属板の中央部に、前記ロックピン10に弾接す るバネ片20aを切り起し形成した形状のものとされており、前記バネ片20a のロックピン10に当接する先端縁は、移動部材7を押し下げてその押圧力を解 除したときにロックピン先端がロックピン案内面12のe面を通り越してf面ま で変位してスイッチが復帰してしまうのを防ぐために、ロックピン先端をe面と d面との間の段部に向けて横方向にも押すように傾斜させてある。 また、この実施例では、下部ケース1aの両側内面に配設される接点4,5, 6を、図11に示すように、2つの選択接点4,6を上下に並べて配置し、コモ ン接点5をその側方に配置して、図13に示すような形状のブラシ26によって 接点の切換えを行なうようにしている。
【0009】 図14はこの実施例のプッシュスイッチの組立て途中の状態を示したもので、 ロックピン10は、下部ケース1aに復帰バネ8及び移動部材7を組込んだ後に 下部ケース1aのロックピン装着用開口21aから下部ケース1a内に挿入され 、その基端部をロックピン支持部14の横穴15に挿入するとともに、先端部を 移動部材7のロックピン係止部11の凹部に係止させて装着される。そして、ロ ックピン10を押圧するバネ部材20は、前記ロックピン10の装着後に、前記 バネ部材装着用ガイド溝25,25に案内させて下部ケース1aの上方から前記 ロックピン10の背後に挿入される。 すなわち、このプッシュスイッチは、下部ケース1a内に復帰バネ8及び移動 部材7を組込んだ後に、この下部ケース1aの側面に形成したロックピン装着用 開口21aからロックピン10を下部ケース1a内に挿入し、このロックピン1 0の装着後に、ロックピン10を押圧するバネ部材20を、下部ケース1aのロ ックピン装着用開口21aの両側縁部の内側に形成したバネ部材装着用ガイド溝 25で案内させて装着し、この後下部ケース1aと上部ケース1bを組合わせて 、下部ケース1aのロックピン装着用開口21aを、上部ケース1bに形成した カバー板21bで覆う方法で組立てられる。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
前記公知の考案に係るプッシュスイッチは、バネ部材(20)が邪魔にならな い状態でロックピン(10)を装着することができるので、組立操作に格別の熟 練を要せず、効能率で作業を遂行することができ、実用的効果の大きい優れた考 案であって、スイッチ技術の向上およびスイッチ産業の発展に貢献するところ多 大であった。 一方、最近における電気製品の技術的進歩に伴って、小形化,高密度化の要請 が一層強くなり、プッシュスイッチのように機械的接点を有する機器に対しても 小形化の要望が有る。 前掲の図9,図10に示された公知考案の実施例について見れば、ケース1の 寸法が7ミリメートル角程度まで縮小されているのが現状である。 このような観点から前記公知の考案について考察すると、この考案は高度の精 密加工技術を前提として構成されていることが分かる。例えば前記実施例におけ るバネ部材20(図12)は、概略寸法が4ミリメートル角であり、この中に窓 孔を穿つとともにバネ片20aを切り起こし、その両側縁をほぼ直角に折り曲げ て補強することは容易でない。 最新の精密加工技術を適用すると、上記バネ部材20の作成は可能であるが、 その高度技術に見合った加工コストを要する。 上記バネ部材のコストを低減するため、板バネ状の構成に代えてワイヤスプリ ングを折り曲げたバネ部材を用いることも考えられるが、折り曲げたワイヤスプ リングでは外周輪郭部分の剛性が不足であるため、バネ部材装着用ガイド溝25 (図11,図14参照)から外れるといったトラブルを招く。
【0011】 本考案は上述の事情に鑑みて為されたものであって、 イ.バネ片を切り起した金属板と、 ロ.バネ部材装着用ガイド溝との組合わせ。
【0012】 といった公知の考案における構成要件と全く異なった構成として、 イ′.ワイヤスプリングを折り曲げてなるバネ部材と、 ロ′.上記バネ部材を支持して、脱落させる虞れの無い案内・支持構造と、の組 み合わせを備えたプッシュスイッチを創作することにより、部品製作における所 要の精度を緩和し、製品コストの低減を図ったものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために創作した本考案の基本的原理について、その実施 例に対応する図1を参照して略述すると、連続コの字形に設計したワイヤスプリ ング(30)を構成する。本考案において連続コの字形とは、「凹」の字から底 部の1画を除いた形をいう。すなわち、いま仮に、図1に示した連続コの字形ワ イヤスプリング(30)の底部に、仮想線で示した辺30dを追加すれば、該連 続コの字形は「凹」の字形となる。
【0014】 以上に述べた原理に基づいて前記目的を達成するため、本考案に係るプッシュ スイッチの構成は、下部ケース(1a)と上部ケース(1b)とを組み合わせて なるスイッチケースと、上記スイッチケースを貫通して上下動可能に配置された 移動部材(7)と、上記移動部材を上方に向けて押圧する復帰バネ(8)と、前 記移動部材の上下動に伴って切り換えられる電気接点と、前記下部ケースの底面 に基端部を枢着されたコ字形ロックピン(10)と、前記移動部材に設けられて 上記コ字形ロックピンの上端部近傍に係合する係止部を有するハートカム形の案 内面(12)とを具備し、前記の移動部材を1度押し下げると加工位置に保持さ れ、再度圧下すると上昇復元する作動を反覆するように構成されたプッシュスイ ッチにおいて、 前記下部ケース(1a)の側壁が前記のコ字形ロックピン(10)に対向する 部分に、ロックピン装着用開口(21a)を設け、 ワイヤスプリングをコの字形に曲げるとともに、両端の平行2辺部分のそれぞ れを更にU字状ないしコ字状に折り返した形状の連続コの字形ワイヤスプリング (30)を構成し、 前記下部ケースに設けられたロックピン装着用開口の縁付近に位置せしめて1 対のスプリング差込穴(31a,31b)を穿ち、 前記連続コの字形ワイヤスプリング(30)の両端をそれぞれ上記1対のスプ リング差込穴に挿入して、該連続コの字形ワイヤスプリングの中央部に形成され ている内側のコの字状部分(30c)の中央の辺を、前記コの字形ロックピン( 10)に接触せしめて、該連続コの字形ワイヤスプリングの弾性復元力に因る押 圧力を与える構造であることを特徴とする。 なお、ワイヤスプリングを折り曲げ加工する際、隅角部に若干の丸味が形成さ れるので、本考案を実施した際「連続コの字形」が「連続U字形」に類似しても 、本考案の技術的範囲から逸脱するものではない。
【0015】
【作用】
上記の手段によると、連続コの字形ワイヤスプリングは「外側に平行な2辺を 有し、内側にコの字状部を有し、全体的には一筆書きにおけるがごとき連続形状 」となり、上記外側の平行2辺はそれぞれワイヤスプリングの切断端を有し、か つ、該2辺の切断端は同じ方向を向いている。 上記2辺の切断端を、1対のスプリング差込穴に挿入すると、該両端の平行2 辺それぞれの全部もしくは大半が該スプリング差込穴に収納され、支持される。 前記の連続コの字形ワイヤスプリングは、全体が1本のワイヤスプリングで構 成されているので、その外側の平行2辺部分の形成に若干の形状誤差があっても スプリング差込穴に挿入できないという虞れは無く、弾性的に変形して挿入可能 である。従って、該連続コの字形ワイヤスプリングの成形作業にミクロンオーダ ーを争う高精度を要せず、従って安価に大量生産することができる。その上、前 記若干の寸法誤差は、スプリング差込穴へ挿入することによって自然に矯正され るので、スイッチの性能に悪影響を及ぼさない。 上述のようにして両端の平行部分を支持された連続コの字形ワイヤスプリング の中央部に形成されているコの字状部分は、弾性的にロックピンに圧接し、該ロ ックピン本来の機能を果たせるようハートカム形案内面に向けて押しつける。上 記連続コの字形ワイヤスプリングは、ロックピンをケースに仮組み付けした後、 容易にスプリング差込穴に挿入して装着することができるので、組立作業性が良 く、該連続コの字形ワイヤスプリングの剛性が不充分であっても使用中に脱落す る虞れが無く、作動信頼性と耐久性とが共に高い。
【0016】
【実施例】
次に、図1ないし図4を順次に参照しつつ、本考案の実施例を説明する。図1 は本考案に係るプッシュスイッチの1実施例を示し、要部を概要的に描いた分解 斜視図である。ただし、原理的な構成の理解に便なるごとく模式化してあるので 、必ずしも構成部材の形状を写実的に表わしてはいない。連続コの字形ワイヤス プリング30は、どのような手順で成形しても良いが、成形後の形状は次のよう に表現される。すなわち、図1に仮想のワイヤスプリング素材30eとして仮想 線で示したように、1本の直線状ワイヤスプリングの中央部を折り返して内側コ の字状部30cを形成し、仮想線で描かれている1対の平行部を更にコの字状に (もしくはU字状に)折り返して1対の外側平行部30a,30bを成形し、結 果として、実線で描いたような連続コの字形ワイヤスプリング30を構成する。 一方、下部ケース1aの側壁にロックピン装着用開口21aが設けられている 。この開口21aを設ける位置については図4を参照して後述する。 上記ロックピン装着用開口21aの両側の縁に、1対のスプリング差込穴31 a,31bが設けられている。 前記連続コの字形ワイヤスプリング30の外側平行部30a,30bは、共に ワイヤ切断端を下方に向けており、これらを付記矢印のごとくスプリング差込穴 31a,31bに挿入する。これにより、連続コの字形ワイヤスプリング30は 、若干の寸法誤差が有っても弾性的に変形して誤差が吸収され、装着される。図 2は上掲の図1に模式化して描かれた下部ケースの外観を詳細に描いた平面図で ある。 本図2のような外観投影図では、凹部,凸部,穴,埋設物の見分けがつかない ので、さらに図3および図4を併せて参照しつつ本実施例の構成を説明する。図 3は上掲の図2に示した面D−Dによる断面矢視図に、連続コの字形ワイヤスプ リングの装着状態を仮想線で付記した図である。図4は上掲の図3に示した面E −Eによる断面矢視図に連続コの字形ワイヤスプリングを仮想線で付記するとと もに、寸法記号、および力の作用線を表わす矢印を記入した図である。
【0017】 前掲の図1においては連続コの字形ワイヤスプリング30が分解された状態( 未組付の状態)が描かれていたが、これをスプリング差込穴31a,31bに挿 入して下部ケース1aに装着すると図3に示したようになる。 前掲の図2においては、スプリング差込穴31a,31bの周囲の段差が外形 線で表わされているので読図が容易でなかったが、その実形は図4に描かれてい るごとくである。 図2に示した1a1は下部ケース1aの底面である。1a1は、ロックピン差込 用横孔15を設けるため上記底面に形成した凸部であり、1a3はロックピン1 0の動きを拘束しないよう底面に形成した凹部である。 図3および図4に断面が現われている4、および、図4に断面が現われている 5は、下部ケース1a内に半ば埋設された接点である。 図4に示されているように、スプリング差込穴31aの幅寸法W1は、スプリ ング差込穴31bの幅寸法W2に比して大きく、連続コの字形ワイヤスプリング 30の外側平行部30aに対して隙間を生じる。このため、該連続コの字形ワイ ヤスプリング30はロックピン10の反力を受けて図示のように若干傾いた姿勢 に装着される。 上記連続コの字形ワイヤスプリング30は、上記のように傾斜しているため、 ロックピン10を押圧する力の方向が矢印iのように図の左方に向かわず、矢印 jのように図の上方に傾く。その結果、図の上方に向かう分力(矢印)kを生じ 、ロックピン10を斜め側方に押しつける作用をする。このように側方に向かう 力を生じることは、前述したハートカムに沿わせてロックピンを周回させつつ、 その途中で係止したり係止解除したりするために必要な機能である。前述した公 知の考案においては、図12に示したバネ部材20のバネ片20aの先端に傾斜 を付して側圧を得るようになっていたので、このバネ部材20の製作に高度の精 密加工技術を要していたが、本実施例(図4)のようにして矢印kの側方分圧を 得る構造とすると、連続コの字形ワイヤスプリング30の製作が著しく容易にな る。その上、断面が円形の連続コの字形ワイヤスプリング30と断面円形のロッ クピン10とが相互にほぼ直角な姿勢で接触し、微小寸法だけ摺動するという形 態で作動するので、作動が円滑に行なわれる。 以上に述べたように本実施例(図1〜図4)においては、公知の考案に比して 高精密加工の技術を要せず、しかも公知の考案と同等の作用効果(組立作業性の 向上)が得られる。
【0018】
【考案の効果】
本考案を適用すると、連続コの字形ワイヤスプリングは「外側に平行な2辺を 有し、内側にコの字状部を有し、全体的には一筆書きにおけるがごとき連続形状 」となり、上記外側の平行2辺はそれぞれワイヤスプリングの切断端を有し、か つ、該2辺の切断端は同じ方向を向いている。 上記2辺の切断端を、1対のスプリング差込穴に挿入すると、該両側の平行2 辺それぞれの全部もしくは大半が該スプリング差込穴に収納され、支持される。 前記の連続コの字形ワイヤスプリングは、全体が1本のワイヤスプリングで構 成されているので、その外側の平行2辺部分の形成に若干の形状誤差が有っても スプリング差込穴に挿入できないという虞れは無く、弾性的に変形して挿入可能 である。従って、該連続コの字形ワイヤスプリングの成形作業にミクロンオーダ ーを争う高精度を要せず、従って安価に大量生産することができる。その上、前 記若干の寸法誤差は、スプリング差込穴へ挿入することによって自然に矯正され るので、スイッチの性能に悪影響を及ぼさない。 上述のようにして両端の平行部分を支持された連続コの字形ワイヤスプリング の中央部に形成されているコの字状部分は、弾性的にロックピンに圧接し、該ロ ックピン本来の機能を果たせるようハートカム形案内面に向けて押しつける。上 記連続コの字形ワイヤスプリングは、ロックピンをケースに仮組み付けした後、 容易にスプリング差込穴に挿入して装着することができるので、組付作業性が良 く、該連続コの字形ワイヤスプリングの剛性が不充分であっても使用中に脱落す る虞れが無く、作動信頼性と耐久性とが共に高いという優れた実用的効果を奏す る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るプッシュスイッチの1実施例を示
し、要部を概要的に描いた分解斜視図である。ただし、
原理的な構成の理解に便なるごとく模式化してあるの
で、必ずしも構成部材の形状を写実的に表わしてはいな
い。
【図2】上掲の図1に模式化して描かれた下部ケースの
外観を詳細に描いた平面図である。
【図3】上掲の図2に示した面D−Dによる断面矢視図
に、連続コの字形ワイヤスプリングの装着状態を仮想線
で付記した図である。
【図4】上掲の図3に示した面E−Eによる断面矢視図
に、連続コの字形ワイヤスプリングを仮想線で付記する
とともに、寸法記号、および力の作用線を表わす矢印を
記入した図である。
【図5】ハートカム機構を備えたプッシュスイッチの従
来例を示し、切断して描いた側面図である。
【図6】上記従来例のプッシュスイッチにおけるハート
カム機構の構造と作用とを説明するための断面正面図で
ある。
【図7】上記従来例のプッシュスイッチにおけるケース
を抽出して描いた分解斜視図である。
【図8】上記従来例のプッシュスイッチにおけるハート
カム機構のロックピン押圧用のバネ部材を示す単品斜視
図である。
【図9】ハートカム機構を備えたプッシュスイッチに係
る公知の考案の1実施例における側面断面図である。
【図10】上記公知の考案の1実施例を切断してハート
カム溝側から見たところを描いた図である。
【図11】上記公知の考案の1実施例におけるケースを
抽出して上部ケースと下部ケースとに分解して描いた斜
視図である。
【図12】上記公知の考案の1実施例におけるハートカ
ム機構のロックピン押圧用バネ部材の単品斜視図であ
る。
【図13】上記公知の考案の1実施例における移動体に
取り付けられているブラシの単品斜視図である。
【図14】上記公知の考案の1実施例に係るプッシュス
イッチの組立途中の状態を示し、部分的に破断して描い
た分解斜視図である。
【符号の説明】
1…スイッチケース、1a…下部ケース、1a1…下部
ケース底面、1a2…底面の凸部、1a3…底面の凹部、
1b…上部ケース、4,5,6…接点、7…移動部材、
8…復帰バネ、10…ロックピン、11…ロックピン係
止部、12…ロックピン案内面、20…バネ部材、20
a…バネ片、21a…ロックピン装着用開口、22a…
復帰バネ装着用開口、21b,22b…カバー板、25
…バネ部材装着用ガイド溝、26…ブラシ、30…連続
コの字形ワイヤスプリング、30a,30b…外側平行
部、30c…内側コの字状部、30d…形状を説明する
ための仮想の辺、30e…形状を説明するための仮想の
ワイヤスプリング素材。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部ケース(1a)と上部ケース(1
    b)とを組み合わせてなるスイッチケースと、上記スイ
    ッチケースを貫通して上下動可能に配置された移動部材
    (7)と、上記移動部材を上方に向けて押圧する復帰バ
    ネ(8)と、前記移動部材の上下動に伴って切り換えら
    れる電気接点と、前記下部ケースの底面に基端部を枢着
    されたコ字形ロックピン(10)と、前記移動部材に設
    けられて上記コ字形ロックピンの上端部近傍に係合する
    係止部を有するハートカム形の案内面(12)とを具備
    し、前記の移動部材を1度押し下げると下降位置に保持
    され、再度圧下すると上昇復元する作動を反覆するよう
    に構成されたプッシュスイッチにおいて、 前記下部ケース(1a)の側壁が前記のコ字形ロックピ
    ン(10)に対向する部分に、ロックピン装着用開口
    (21a)を設け、 ワイヤスプリングをコの字形に曲げるとともに、両端の
    平行2辺部分のそれぞれを更にU字状ないしコ字状に折
    り返した形状の連続コの字形ワイヤスプリング(30)
    を構成し、 前記下部ケースに設けられたロックピン装着用開口の縁
    付近に位置せしめて1対のスプリング差込穴(31a,
    31b)を穿ち、 前記連続コの字形ワイヤスプリング(30)の両端をそ
    れぞれ上記1対のスプリング差込穴に挿入して、該連続
    コの字形ワイヤスプリングの中央部に形成されている内
    側コの字状部分(30c)の中央の辺を、前記コの字形
    ロックピン(10)に接触せしめて、該連続コの字形ワ
    イヤスプリングの弾性復元力に因る押圧力を与える構造
    であることを特徴とするプッシュスイッチ。
JP1994002641U 1994-03-24 1994-03-24 プッシュスイッチ Expired - Lifetime JP3002313U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1994002641U JP3002313U (ja) 1994-03-24 1994-03-24 プッシュスイッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1994002641U JP3002313U (ja) 1994-03-24 1994-03-24 プッシュスイッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3002313U true JP3002313U (ja) 1994-09-20

Family

ID=43138279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1994002641U Expired - Lifetime JP3002313U (ja) 1994-03-24 1994-03-24 プッシュスイッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3002313U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013102027A (ja) * 2011-11-08 2013-05-23 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池モジュール

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5851530B2 (ja) * 1976-04-10 1983-11-17 東レ株式会社 ノントルク糸の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5851530B2 (ja) * 1976-04-10 1983-11-17 東レ株式会社 ノントルク糸の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013102027A (ja) * 2011-11-08 2013-05-23 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池モジュール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5463195A (en) Key switch
JP4469878B2 (ja) 押釦スイッチ
JPH08329779A (ja) レバースイッチ
US9514901B2 (en) Push switch using a heart shaped cam
JPH08279568A (ja) Icキャリア
JP3002313U (ja) プッシュスイッチ
KR100381573B1 (ko) 캠부재를가지는전기커넥터
JPH113630A (ja) プッシュスイッチ及びその組立て方法
JPH0633370U (ja) キーボードのキートップ組込み機構
JP2003138830A (ja) オルタネート式ロック装置
JPS5936811Y2 (ja) サ−キツトブレ−カ−
JPH0334808Y2 (ja)
JP2519907Y2 (ja) 押釦スイッチ
JPS6128348Y2 (ja)
JPH0125363Y2 (ja)
JP2005340061A (ja) スライドスイッチ
JPS6114287Y2 (ja)
JP2587687Y2 (ja) キースイッチ
JP2004327115A (ja) スイッチ
JPS6348191Y2 (ja)
JP2567068Y2 (ja) 配線器具スイッチの取付枠への取付構造
JPS6026775Y2 (ja) 電気かみそり
JPH01235109A (ja) 押釦スイツチ
JPH0351867Y2 (ja)
JP3038604U (ja) マイクロスイッチ