JP3000328B2 - 紙幣処理装置 - Google Patents

紙幣処理装置

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JP3000328B2
JP3000328B2 JP5304267A JP30426793A JP3000328B2 JP 3000328 B2 JP3000328 B2 JP 3000328B2 JP 5304267 A JP5304267 A JP 5304267A JP 30426793 A JP30426793 A JP 30426793A JP 3000328 B2 JP3000328 B2 JP 3000328B2
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武 石田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動販売等の各種自動
サ―ビス機器に用いられる紙幣処理装置に関し、特に紙
幣を搬送する搬送ベルトと紙幣との間に滑りが生じても
紙幣識別処理を確実に行なうことができるようにした紙
幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動販売等の各種自動サ―ビス機器に用
いられる紙幣処理装置は、紙幣挿入口から挿入された紙
幣を搬送モータにより駆動される搬送ベルトを用いて装
置内を搬送して紙幣識別センサの配設位置を通過させ、
紙幣識別センサの出力に基づき真券とは判定された紙幣
は一時保留(エスクロ)し、その後返金指令が発生した
場合は、該一時保留した紙幣(以下エスクロ紙幣とい
う)を上記搬送モータを逆転することにより紙幣挿入口
に返却し、スタック指令が発生した場合は、該エスクロ
紙幣をスタッカに蓄積するように構成されている。
【0003】ここで、従来の紙幣処理装置においては、
上記エスクロ紙幣に対する不正行為を防止するために、
紙幣搬送路にレバー形状のシャッタを設ける構成が知ら
れている。
【0004】すなわち、このシャッタは、紙幣が紙幣挿
入口に挿入された場合に開き、紙幣識別センサにより真
券と判断される前に紙幣搬送路を塞ぎ、その後一時保留
(エスクロ)されるエスクロ紙幣に対して紙幣挿入口か
ら操作できないように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置の
シャッタは、レバー形状であり、このシャッタはソレノ
イドで駆動され、しかも、紙幣搬送路を塞ぐ場合は、シ
ャッタの自重により動作するように構成されているた
め、例えば、紙幣にテープ等を取り付けて紙幣挿入口に
挿入し、この紙幣が一時保留(エスクロ)状態になった
段階で、このテープを引けば、簡単にシャッタを開くこ
とができ、その後このエスクロ状態になったエスクロ紙
幣を紙幣挿入口から取り出す等の不正行為が可能にな
る。
【0006】そこで、この発明は、エスクロ紙幣に対す
る不正行為を確実に防止するようにした紙幣処理装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、この発明は、紙幣挿入口に挿入された紙幣を装置
内に引き込んで、識別部で識別するとともに、該識別部
で真券と識別された紙幣を一時保留部に一時保留し、返
金指令により該一時保留部に保留した紙幣を紙幣挿入口
に返却し、収金指令により、該一時保留部に保留した紙
幣をスタック部に導いてスタックする紙幣処理装置にお
いて、前記紙幣挿入口に、シャッタモータにより駆動さ
れるシャッタを設け、前記一時保留部に紙幣が保留され
た状態において、前記シャッタモータを作動して前記紙
幣挿入口を前記シャッタにより強制的に閉じることを特
徴とする。
【0008】
【作用】この発明では、紙幣挿入口に、シャッタモータ
により駆動されるシャッタを設け、一時保留部に紙幣が
保留された状態において、シャッタモータの作動により
紙幣挿入口を前記シャッタにより強制的に閉じる。
【0009】また、上記構成に加えて、シャッタが開い
たことを検出するシャッタ位置検出手段を更に設け、一
時保留部に紙幣が保留された状態において、シャッタ位
置検出手段によりシャッタが開いたことが検出された場
合は、 1)シャッタモータを再作動させてシャッタを閉じる方
向に再駆動する 2)一時保留部に保留された紙幣を強制的にスタック部
に導いてスタックする 3)一時保留部に保留された紙幣の相当額を投入金額か
ら強制的に減額する 4)一定時間の間紙幣の受付けを強制的に禁止する ように構成される。
【0010】また、一時保留部に保留された紙幣が逆流
したことを検出する検出手段を更に設け、返金指令が生
じていないにもかかわらず、検出手段により紙幣の逆流
が検出された場合は、 1)シャッタモータを再作動させてシャッタを閉じる方
向に再駆動する 2)一時保留部に保留された紙幣を強制的にスタック部
に導いてスタックする 3)一時保留部に保留された紙幣の相当額を投入金額か
ら強制的に減額する 4)一定時間の間紙幣の受付けを強制的に禁止する ように構成される。
【0011】
【実施例】以下、この発明に係わる紙幣処理装置の一実
施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】図1はこの発明に係わる紙幣処理装置の概
略構成を側面図で示したものである。図1において、こ
の紙幣処理装置500は、紙幣挿入口11の近傍に紙幣
挿入口11から挿入され紙幣300を検出する入口セン
サ10が配設される。この入口センサ10の検出出力に
基づき図示しない紙幣搬送モータを駆動し、これによ
り、紙幣挿入口11から挿入され紙幣300を紙幣搬送
路400に沿って搬送する。
【0013】ここで、プーリ53とプーリ54との間に
懸架された紙幣搬送ベルト52は、全体を図示しない紙
幣搬送機構の一部を構成するもので、この紙幣搬送ベル
ト52の配設位置に達した紙幣300はこの紙幣搬送ベ
ルト52により紙幣搬送路400に沿って搬送される。
【0014】紙幣搬送路400には、入口シャッタ71
が設けられる。この入口シャッタ71は、シャッタモー
タ70により上下に移動して紙幣搬送路400を開閉す
るもので、このシャッタ71にはそのシャッタ71が開
いたことを検出するシャッタセンサ72が設けられてい
る。
【0015】ここで、シャッタモータ70によるシャッ
タ71の駆動機構の詳細を示すと図2のようになる。
【0016】すなわち、シャッタ71にはラック75が
設けられ、このラック75にはピニオン74が噛み合
い、このピニオン74にはシャッタモータ70の回転軸
に設けられたギア73が噛み合っている。この構成にお
いてシャッタモータ70が矢印A方向に回動(正転)す
ると、ピニオン74およびラック75の作用によりシャ
ッタ71は下方に移動し、紙幣搬送路400を強制的に
閉じる。また、シャッタモータ70が矢印A方向と反対
の方向に回動(逆転)すると、ピニオン74およびラッ
ク75の作用によりシャッタ71は上方に移動し、紙幣
搬送路400を開く。
【0017】ここで、このシャッタ71の動作はシャッ
タセンサ72により検出される。このシャッタセンサ7
2は、光センサまたは適当な近接スイッチから構成さ
れ、シャッタ71が下方に移動して紙幣搬送路400を
閉じるとオフになるが、シャッタ71がこの紙幣搬送路
400を閉じる位置から僅かでも上方に移動するとオン
になるように構成されている。
【0018】また、この紙幣搬送路400には、紙幣識
別するための光センサ20および磁気センサ30が設け
られる。
【0019】紙幣搬送路400に沿って搬送される紙幣
300は、この光センサ20および磁気センサ30によ
り必要なデータが読み取られ、紙幣300が真券である
か偽券であるかが判別され、偽券であると判別された場
合は、その時点で紙幣挿入口11に返却される。
【0020】また、この紙幣搬送路400には、光セン
サ20および磁気センサ30の配設位置を通過した紙幣
300の通過を検出する紙幣通過センサ40が設けられ
ている。この紙幣通過センサ40を通過した紙幣は一時
保留(エスクロ)され、エスクロ紙幣となる。
【0021】また、紙幣搬送路400の終点部分には、
紙幣搬送路400を搬送された紙幣300を蓄積するス
タッカ90が設けられている。
【0022】紙幣300がエスクロ紙幣となった状態に
おいて、収金指令が発生されると、このエスクロ紙幣は
紙幣搬送路400の終点部分まで搬送され、図示しない
スタック機構によりスタッカ90に蓄積される。
【0023】次に、図1および図3から図5を参照して
この実施例の紙幣処理装置の概略動作を説明する。
【0024】図1に示すように、紙幣挿入口11から紙
幣300が挿入されると、この紙幣300は、まず、入
口センサ10により検出される。入口センサ10により
紙幣300の挿入が検出されると、入口センサ10の検
出出力により、シャッタモータ70が逆転され、これに
より、図3に示すように、シャッタ71は上方に移動
し、紙幣搬送路400を開く。また、入口センサ10の
検出出力により、図示しない紙幣搬送モータが駆動さ
れ、図示しない搬送機構により紙幣挿入口11から挿入
された紙幣300は装置内部に導かれ、搬送ベルト52
により上方に搬送される。そして紙幣300の先端が光
センサ20の配設位置に達すると、光センサ20による
紙幣300の識別動作が開始される。
【0025】ところで、この実施例においては、光セン
サ20の検出出力に基づき紙幣300の随時判定を行
い、その後、光センサ20の検出出力および磁気センサ
30の検出出力に基づき総合判定を行うように構成され
ている。
【0026】すなわち、この実施例では、紙幣300を
紙幣の長さ方向に沿った40のポイントに分け、この4
0のポイントについて光センサ20の検出出力をサンプ
リングし、このサンプリングした値を予め設定した上記
40のポイントに対応する判定基準値(識別データ)と
順次比較し、このサンプリング値が識別データの許容範
囲内にない場合は、この時点で偽券と判定して、図示し
ない紙幣搬送モータを逆転し、これにより、偽券と判定
した紙幣を紙幣挿入口11に返却する、いわゆる随時判
定を行う。
【0027】また、光センサ20の検出データおよび磁
気センサ30の検出データは一旦記憶され、光センサ2
0よる随時判定で真券と判定された紙幣に対してこれら
の記憶データにより総合判定を行う。
【0028】なお、上記説明では光センサ20の出力に
基づき随時判定を行うにしたが、磁気センサ30の出力
も考慮して随時判定を行うように構成してもよい。
【0029】光センサ20および磁気センサ30の検出
出力に基づき真券と判定された紙幣30は、搬送ベルト
52によりより更に搬送されて、図4に示すように紙幣
300の後端が紙幣通過センサ40の配設位置を通過す
ると、図示しない紙幣搬送モータは停止され、この紙幣
300は一時保留(エスクロ)状態となる。
【0030】この状態で、シャッタモータ70は正転さ
れ、これによりシャッタ71は下方に移動して紙幣搬送
路400が閉じる。
【0031】この図5に示す状態において、収金指令が
あると、図示しない紙幣搬送モータは再駆動され、エス
クロ状態にあるエスクロ紙幣を図5に示す位置まで搬送
し、この位置で図示しないスタック機構により矢印Bに
示すように移動してこのエスクロ紙幣をスタッカ90に
蓄積する。
【0032】図6は、この実施例の紙幣処理装置の待機
状態から一時保留(エスクロ)までの動作をフローチャ
ートで示したものである。
【0033】待機状態においては、入口センサ10がオ
ンか否かを調べ(ステップ101)、入口センサ10が
オンになると、シャッタモータ70が逆転され、これに
よりシャッタ71は上方に移動し、紙幣搬送路400を
開く(ステップ102)。また、図示しない紙幣搬送モ
ータが正転され、紙幣挿入口11から挿入された紙幣3
00の搬送が開始される(ステップ103)。
【0034】そして、紙幣300の先端が光センサ20
の配設位置に達すると、光センサ20および磁気センサ
30による紙幣300の識別処理が開始される(ステッ
プ104)。この識別処理により、紙幣300が真券で
ないと判定されると(ステップ105でNO)、紙幣搬
送モータを逆転して、紙幣300を紙幣挿入口11に返
却する返却動作が行われ(ステップ108)、その後待
機状態になる。
【0035】また、この識別処理により、紙幣300が
真券である判定されると(ステップ105でYES)、
シャッタモータ70を正転し、これによりシャッタ71
を下方に移動して紙幣搬送路400を閉じ(ステップ1
06)、その後、この紙幣300を真券としてカウント
アップし(ステップ107)、一時保留(エスクロ)状
態となる。
【0036】ところで、図7に示すように、不正行為の
目的でテープTEを取り付けた紙幣300を紙幣挿入口
11から挿入し、この紙幣300がエスクロ状態となっ
たときに、このテープTEを紙幣挿入口11側で引っ張
ると、シャッタ71にはテープTEにより上方に移動さ
せる力が加わる。
【0037】しかし、この実施例においてシャッタ71
は、図2に示したように、ラック75、ピニオン74、
ギア73を介してシャッタモータ70の回転軸に直接接
続されているので、このテープTEによる力によっては
上方に移動させることは難しい。
【0038】それにもかかわらず、シャッタ71が上方
に移動されたとすると、このシャッタ71の上方への移
動はシャッタセンサ72により検出される。すなわち、
シャッタセンサ72は、シャッタ71が紙幣搬送路40
0を閉じた状態においてオフとなるが、この状態からシ
ャッタ71が僅かでも上方に移動するとシャッタセンサ
72はオンになる。
【0039】この実施例では、紙幣300がエスクロ状
態においてシャッタセンサ72がオンになると、不正行
為が行われているとして、 1)シャッタモータ70を正転させてシャッタを閉じる
方向に強制的に移動させ、テープTE等を切断するよう
に動作する 2)一時保留部に保留された紙幣を強制的にスタック部
に導いてスタックする 3)一時保留部に保留された紙幣の相当額を強制的に減
額する 4)一定時間の間紙幣の受付けを強制的に禁止する 処理の少なくとも1つの処理を行う。
【0040】次に、これらの処理について図8から図1
1に示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】図8は、紙幣300がエスクロ状態にある
とき、不正行為により、シャッタ71が上方に移動さ
れ、シャッタセンサ72がオンになった場合は、シャッ
タモータ70を正転させてシャッタ71を閉じる方向に
強制的に移動させるようにした処理をフローチャートで
示したものである。
【0042】図8に示すフローチャートにおいては、ま
ず、紙幣300がエスクロ状態にある状態において、シ
ャッタセンサ72がオンになったかを調べる(ステップ
201)。ここで、シャッタセンサ72がオンになって
いないと(ステップ201でNO)、次に返金指令が来
たかを調べ(ステップ202)、返金指令が来た場合
は、紙幣搬送モータを逆転して、紙幣300を紙幣挿入
口11に返却する返却動作が行われ(ステップ20
3)、その後待機状態になる。
【0043】また、ステップ202で返金指令が来てい
ないと判断されると、次に収金指令が来たかを調べる
(ステップ204)。ここで、収金指令が来たと判断さ
れると、図示しない紙幣搬送モータを正転させ、エスク
ロ状態にあるエスクロ紙幣をスタック位置まで導き、こ
の位置で図示しないスタック機構によりこのエスクロ紙
幣をスタッカ90に蓄積する収金動作を行い(ステップ
205)、その後待機状態になる。
【0044】また、ステップ204で、収金指令が来て
いないと判断されると、ステップ201に戻り、返金指
令または収金指令が来るのを待つ。
【0045】ところで、ステップ201において、シャ
ッタセンサ72がオンになったと判断されると(ステッ
プ201でYES)、不正行為が行われているとして、
シャッタモータ70を正転させてシャッタを閉じる方向
に強制的に移動させる(ステップ206)。この動作は
シャッタセンサ72がオフ、すなわちシャッタセンサ7
2が紙幣搬送路400を閉じる正規の位置になる(ステ
ップ207)まで続けられる。
【0046】ステップ207で、シャッタセンサ72が
オフになったことが検出されると、ステップ201に戻
る。
【0047】このような構成によると、図7に示すよう
に、テープTEを取り付けた紙幣300を用いて、シャ
ッタ71を開けようとする不正行為があってもこの不正
行為は確実に防止される。
【0048】図9は、紙幣300がエスクロ状態にある
とき、不正行為により、シャッタ71が上方に移動さ
れ、シャッタセンサ72がオンになった場合は、この紙
幣300を強制的にスタック位置まで導き、この紙幣3
00をスタック90にスタックしてしまうようにした処
理をフローチャートで示したものである。
【0049】図9において、ステップ201でシャッタ
センサ72がオンでないと判断された場合(ステップ2
01でNO)の処理は図8に示したものと同一である。
【0050】しかし、ステップ201でシャッタセンサ
72がオンになったと判断されると(ステップ201で
YES)、強制スタック動作を行う(ステップ20
8)。この強制スタック動作は、図示しない紙幣搬送モ
ータを正転させ、一時保留(エスクロ)されている紙幣
を強制的にスタック位置まで導き、この紙幣300を図
示しないスタック機構により、スタッカ90内に強制ス
タックすることにより行われる。
【0051】このような構成によると、不正行為を行お
うとした紙幣はスタッカ90内に強制スタックされてし
まうことになり、この状態でテープTE等によりこの紙
幣を引き出そうとしても不可能になるので、この不正行
為は確実に防止される。
【0052】図10は、紙幣300がエスクロ状態にあ
るとき、不正行為により、シャッタ71が上方に移動さ
れ、シャッタセンサ72がオンになった場合は、カウン
トアップされたこの紙幣の相当額を強制的に減額するよ
うにした処理をフローチャートで示したものである。
【0053】図10において、ステップ201でシャッ
タセンサ72がオンでないと判断された場合(ステップ
201でNO)の処理は図8に示したものと同一であ
る。
【0054】しかし、ステップ201でシャッタセンサ
72がオンになったと判断されると(ステップ201で
YES)、強制減額動作を行う(ステップ209)。こ
の強制減額動作は、図6のステップ107でカウントア
ップしたこの紙幣の相当額を投入金額から強制的に減額
することにより行われる。
【0055】このような構成によると、不正行為を行お
うとした紙幣は実質的にカウントアップされないことに
なり、この不正行為は確実に防止される。
【0056】図11は、紙幣300がエスクロ状態にあ
るとき、不正行為により、シャッタ71が上方に移動さ
れ、シャッタセンサ72がオンになった場合は、以後一
定時間の間は紙幣の受付けを強制的に禁止するようにし
た処理をフローチャートで示したものである。
【0057】図11において、ステップ201でシャッ
タセンサ72がオンでないと判断された場合(ステップ
201でNO)の処理は図8に示したものと同一であ
る。
【0058】しかし、ステップ201でシャッタセンサ
72がオンになったと判断されると(ステップ201で
YES)、強制受付禁止動作を行う(ステップ21
0)。この強制受付禁止動作は、以後の紙幣受付け動作
を予め設定した一定時間強制的に禁止することにより行
われる。すなわち、この種の不正行為はエスクロ紙幣を
何回も操作することにより成立するものであるが、この
ように、一旦不正行為が検出されると、以後の一定期間
の間紙幣の受付け動作を禁止してしまうと、実質的に不
正行為はできなくなり、これにより不正行為が防止され
ることになる。
【0059】なお、上記実施例においては、紙幣300
がエスクロ状態にある状態において、シャッタセンサ7
2がオンになった場合は、不正行為があると判定するよ
うに構成したが、紙幣300がエスクロ状態にある状態
において、返金指令が出されない限り、この紙幣は逆流
することはないことに着目して、返金指令が生じていな
いにもかかわらず、紙幣の逆流が検出された場合は、不
正行為が行われていると判断して、 1)シャッタモータ70を正転させてシャッタを閉じる
方向に強制的に移動させ、テープTE等を切断するよう
に動作する 2)一時保留部に保留された紙幣を強制的にスタック部
に導いてスタックする 3)一時保留部に保留された紙幣の相当額を強制的に減
額する 4)一定時間の間紙幣の受付けを強制的に禁止する 処理の少なくとも1つの処理を実行するように構成して
もよい。
【0060】次に、これらの処理について図12から図
15に示すフローチャートを参照して説明する。
【0061】図12は、紙幣300がエスクロ状態にあ
るとき、不正行為により、紙幣が逆流すると、シャッタ
モータ70を正転させてシャッタ71を閉じる方向に強
制的に移動させるようにした処理をフローチャートで示
したものである。
【0062】図12に示すフローチャートにおいては、
まず、紙幣300がエスクロ状態にある状態において、
紙幣通過センサ40がオンになったかを調べる(ステッ
プ301)。ここで、紙幣通過センサ40がオンになっ
ていないと(ステップ301でNO)、次に返金指令が
来たかを調べ(ステップ302)、返金指令が来た場合
は、紙幣搬送モータを逆転して、紙幣300を紙幣挿入
口11に返却する返却動作が行われ(ステップ30
3)、その後待機状態になる。
【0063】また、ステップ302で返金指令が来てい
ないと判断されると、次に収金指令が来たかを調べる
(ステップ304)。ここで、収金指令が来たと判断さ
れると、図示しない紙幣搬送モータを正転させ、エスク
ロ状態にあるエスクロ紙幣をスタック位置まで導き、こ
の位置で図示しないスタック機構によりこのエスクロ紙
幣をスタッカ90に蓄積する収金動作を行い(ステップ
305)、その後待機状態になる。
【0064】また、ステップ304で、収金指令が来て
いないと判断されると、ステップ301に戻り、返金指
令または収金指令が来るのを待つ。
【0065】ところで、この処理においては、ステップ
301において、紙幣通過センサ40がオンになったと
判断されると(ステップ301でYES)、不正行為が
行われているとして、シャッタモータ70を正転させて
シャッタを閉じる方向に強制的に移動させる(ステップ
306)。この動作はシャッタセンサ72がオフ、すな
わちシャッタセンサ72が紙幣搬送路400を閉じる正
規の位置になる(ステップ307)まで続けられる。
【0066】ステップ307で、シャッタセンサ72が
オフになったことが検出されると、ステップ301に戻
る。
【0067】このような構成によると、図7に示すよう
に、テープTEを取り付けた紙幣300を用いた不正行
為があってもこの不正行為は確実に防止される。
【0068】図13は、紙幣300がエスクロ状態にあ
るとき、不正行為により、紙幣が逆流すると、この紙幣
300を強制的にスタック位置まで導き、この紙幣30
0をスタッカ90にスタックしてしまうようにした処理
をフローチャートで示したものである。
【0069】図13において、ステップ301で紙幣通
過センサ40がオンでないと判断された場合(ステップ
301でNO)の処理は図12に示したものと同一であ
る。しかし、ステップ301でシャッタセンサ72がオ
ンになったと判断されると(ステップ301でYE
S)、強制スタック動作を行う(ステップ308)。こ
の強制スタック動作は、図示しない紙幣搬送モータを正
転させ、一時保留(エスクロ)されている紙幣を強制的
にスタック位置まで導き、この紙幣300を図示しない
スタック機構により、スタッカ90内に強制スタックす
ることにより行われる。
【0070】このような構成によると、不正行為を行お
うとした紙幣はスタッカ90内に強制スタックされてし
まうことになり、この状態でテープTE等によりこの紙
幣を引き出そうとしても不可能になるので、この不正行
為は確実に防止される。また、この場合、不正使用の紙
幣は再度使用不可能になる。
【0071】図14は、紙幣300がエスクロ状態にあ
るとき、不正行為により、紙幣が逆流すると、カウント
アップされたこの紙幣の相当額を強制的に減額するよう
にした処理をフローチャートで示したものである。
【0072】図14において、ステップ301で紙幣通
過センサ40がオンでないと判断された場合(ステップ
301でNO)の処理は図12に示したものと同一であ
る。しかし、ステップ301で紙幣通過センサ40がオ
ンになったと判断されると(ステップ301でYE
S)、強制減額動作を行う(ステップ309)。この強
制減額動作は、図6のステップ107でカウントアップ
したこの紙幣の相当額を投入金額から強制的に減額する
ことにより行われる。
【0073】このような構成によると、不正行為を行お
うとした紙幣は実質的にカウントアップされないことに
なり、この不正行為は確実に防止される。
【0074】図15は、紙幣300がエスクロ状態にあ
るとき、不正行為により、紙幣が逆流すると、以後一定
時間の間は紙幣の受付けを強制的に禁止するようにした
処理をフローチャートで示したものである。
【0075】図15において、ステップ301で紙幣通
過センサ40がオンでないと判断された場合(ステップ
301でNO)の処理は図12に示したものと同一であ
る。しかし、ステップ301で紙幣通過センサ40がオ
ンになったと判断されると(ステップ301でYE
S)、強制受付禁止動作を行う(ステップ310)。こ
の強制受付禁止動作は、以後の紙幣受付け動作を予め設
定した一定時間強制的に禁止することにより行われる。
すなわち、この種の不正行為はエスクロ紙幣を何回も操
作することにより成立するものであるが、このように、
一旦不正行為が検出されると、以後の一定期間の間紙幣
の受付け動作を禁止してしまうと、実質的に不正行為は
できなくなり、これにより不正行為が防止されることに
なる。
【0076】なお、上記実施例においては、返金指令が
生じていないにもかかわらず紙幣通過センサ40がオン
になると、不正行為により、紙幣が逆流したと判断する
ように構成したが、その他のセンサ、例えば、磁気セン
サ30または光センサ20のオンにより紙幣の逆流を検
出するように構成してもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、紙幣挿入口に、シャッタモータにより駆動されるシ
ャッタを設け、一時保留部に紙幣が保留された状態にお
いて、シャッタモータを作動して紙幣挿入口を前記シャ
ッタにより強制的に閉じるように構成し、また、上記構
成に加えて、一時保留部に紙幣が保留された状態におい
てシャッタが開いたことまたは一時保留部に紙幣が保留
された状態において返金指令が生じていないにもかかわ
らず紙幣が逆流したことを検出して、 1)シャッタモータを再作動させてシャッタを閉じる方
向に再駆動する 2)一時保留部に保留された紙幣を強制的にスタック部
に導いてスタックする 3)一時保留部に保留された紙幣の相当額を投入金額か
ら強制的に減額する 4)一定時間の間紙幣の受付けを強制的に禁止する 処理の少なくとも1つの処理を実行するように構成され
したので、エスクロ紙幣に対する不正行為を確実に防止
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる紙幣処理装置の概略構成を示
した側面図。
【図2】図1に示したシャッタモータによるシャッタの
駆動機構の詳細を示した図。
【図3】この実施例の概略動作を説明する図。
【図4】この実施例の概略動作を説明する図。
【図5】この実施例の概略動作を説明する図。
【図6】この実施例の紙幣処理装置の待機状態から一時
保留(エスクロ)までの動作を示すフローチャート。
【図7】テープを取り付けた紙幣を用いた不正行為の一
例を説明する図。
【図8】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為によ
り、シャッタを上方に移動させた場合に、シャッタを閉
じる方向に強制移動させる処理を示すフローチャート。
【図9】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為によ
り、シャッタを上方に移動させた場合に、強制スタック
動作を行う処理を示すフローチャート。
【図10】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為に
より、シャッタを上方に移動させた場合に、強制減額動
作を行う処理を示すフローチャート。
【図11】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為に
より、シャッタを上方に移動させた場合に、強制受付禁
止動作を行う処理を示すフローチャート。
【図12】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為に
より、紙幣が逆流した場合に、シャッタを閉じる方向に
強制移動させる処理を示すフローチャート。
【図13】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為に
より、紙幣が逆流した場合に、強制スタック動作を行う
処理を示すフローチャート。
【図14】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為に
より、紙幣が逆流した場合に、強制減額動作を行う処理
を示すフローチャート。
【図15】紙幣がエスクロ状態にあるとき、不正行為に
より、紙幣が逆流した場合に、強制受付禁止動作を行う
処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 入口センサ 11 紙幣挿入口 20 光センサ 30 磁気センサ 40 紙幣通過センサ 52 紙幣搬送ベルト 70 シャッタモータ 71 シャッタ 72 シャッタセンサ 90 スタッカ 300 紙幣 400 紙幣搬送路 500 紙幣処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−211792(JP,A) 特開 昭53−140099(JP,A) 特開 昭60−254370(JP,A) 特開 昭61−226892(JP,A) 特開 昭63−249290(JP,A) 実開 昭62−32476(JP,U) 実開 昭60−180078(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07D 9/00 403 B65H 7/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙幣挿入口に挿入された紙幣を装置内に
    引き込んで、識別部で識別するとともに、該識別部で真
    券と識別された紙幣を一時保留部に一時保留し、返金指
    令により該一時保留部に保留した紙幣を紙幣挿入口に返
    却し、収金指令により、該一時保留部に保留した紙幣を
    スタック部に導いてスタックする紙幣処理装置におい
    て、 前記紙幣挿入口に、シャッタモータにより駆動されるシ
    ャッタを設け、 前記一時保留部に紙幣が保留された状態において、前記
    シャッタモータを作動により前記紙幣挿入口を前記シャ
    ッタにより強制的に閉じることを特徴とする紙幣処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記シャッタが開いたことを検出するシ
    ャッタ位置検出手段と、 前記一時保留部に紙幣が保留された状態において、前記
    シャッタ位置検出手段により前記シャッタが開いたこと
    が検出された場合は、前記シャッタモータを再作動させ
    て前記シャッタを閉じる方向に再駆動する強制シャッタ
    再駆動手段とを更に具備したことを特徴とする請求項1
    記載の紙幣処理装置。
  3. 【請求項3】 前記シャッタが開いたことを検出するシ
    ャッタ位置検出手段と、 前記一時保留部に紙幣が保留された状態において、前記
    シャッタ位置検出手段により前記シャッタが開いたこと
    が検出された場合は、前記一時保留部に保留された紙幣
    を強制的にスタック部に導いてスタックする強制スタッ
    ク手段とを更に具備したことを特徴とする請求項1記載
    の紙幣処理装置。
  4. 【請求項4】 前記シャッタが開いたことを検出するシ
    ャッタ位置検出手段と、 前記一時保留部に紙幣が保留された状態において、前記
    シャッタ位置検出手段により前記シャッタが開いたこと
    が検出された場合は、前記一時保留部に保留された紙幣
    の相当額を投入金額から強制的に減額する強制減額手段
    とを更に具備したことを特徴とする請求項1記載の紙幣
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記シャッタが開いたことを検出するシ
    ャッタ位置検出手段と、 前記一時保留部に紙幣が保留された状態において、前記
    シャッタ位置検出手段により前記シャッタが開いたこと
    が検出された場合は、一定時間の間紙幣の受付けを強制
    的に禁止する強制受付禁止手段とを更に具備したことを
    特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
  6. 【請求項6】 前記一時保留部に保留された紙幣が逆流
    したことを検出する検出手段と、 前記返金指令が生じていないにもかかわらず、前記検出
    手段により紙幣の逆流が検出された場合は、前記シャッ
    タモータを再作動させて前記シャッタを閉じる方向に再
    駆動する強制シャッタ再駆動手段とを更に具備すること
    を特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
  7. 【請求項7】 前記一時保留部に保留された紙幣が逆流
    したことを検出する検出手段と、 前記返金指令が生じていないにもかかわらず、前記検出
    手段により紙幣の逆流が検出された場合は、前記一時保
    留部に保留された紙幣を強制的にスタック部に導いてス
    タックする強制スタック手段とを更に具備したことを特
    徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
  8. 【請求項8】 前記一時保留部に保留された紙幣が逆流
    したことを検出する検出手段と、 前記返金指令が生じていないにもかかわらず、前記検出
    手段により紙幣の逆流が検出された場合は、前記一時保
    留部に保留された紙幣の相当額を投入金額から強制的に
    減額する強制減額手段とを更に具備したことを特徴とす
    る請求項1記載の紙幣処理装置。
  9. 【請求項9】 前記一時保留部に保留された紙幣が逆流
    したことを検出する検出手段と、 前記返金指令が生じていないにもかかわらず、前記検出
    手段により紙幣の逆流が検出された場合は、一定時間の
    間紙幣の受付けを強制的に禁止する強制受付禁止手段と
    を更に具備したことを特徴とする請求項1記載の紙幣処
    理装置。
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