JP3000239B2 - 凝集原理による均一イムノアッセイ実施法 - Google Patents

凝集原理による均一イムノアッセイ実施法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はFab’−フラグメント
成分Kとからなる複合体を使用して凝集原理により均
一イムノアッセイを実施するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】体液及び組織中には、特異的結合パート
ナーと結合性であり、かつ人体の病気又は健康状態のパ
ラメーターとして働く非常に多くの物質が存在する。こ
れには、一方では例えば腫瘍マーカー、ホルモン又はビ
ールス蛋白質のような表面に結合位を有する免疫活性蛋
白質を、他方ではDNA−フラグメントを挙げることが
できる。これらの物質はしばしば非常に僅かな量で出現
するので、その検出のために、この物質を非常に特異的
にかつ正確に測定することのできる、イムノアッセイの
原理による方法を使用する。これには多くの変法があ
る。種々の免疫学的測定法は均一及び不均一法に分ける
ことができる。不均一法においては、検出すべき物質及
び標識成分を含有する複合体を固定し、これにより結合
していない成分から分離するために固層反応が常に関与
する。均一法においては結合した標識及び結合していな
い標識の分離は行なわれないので、結合した及び結合し
ていない標識の差を他の方法で行なわなければならな
い。
【0003】このためには種々の可能性がある。
【0004】西独特許公開第2749956号公報から
は凝集反応の評価に基づく蛋白質を検出するための方法
が公知である。この際、測定すべき物質に対する抗体を
直接凝集性粒子に結合させる。しかしながら、この結合
により抗体の反応性は妨げられる。更に、この種の測定
法はリウマトイド因子による妨害に敏感である。
【0005】ヨーロッパ特許公開第0356964号公
報中にはそれまで公知の方法の欠点をすでに克服した均
一検出法が記載されている。この際、試料溶液を相互に
結合性であり、かつそのうちの1つは検出すべき物質と
結合することのできる、少なくとも2種のレセプターと
共に恒温保持する。この際、凝集は試験すべき物質と両
方のレセプターとが結合した時のみ行なわれるが、レセ
プターが相互に結合するか、又は試験すべき物質が両方
のレセプターの1方とのみ結合する時は生じない。
【0006】検出すべき物質と結合性のレセプターとし
て、特異的に相互に結合性のペアの1方のパートナーと
測定すべき物質と特異的に結合性の成分Kとからなる複
合体を使用する。ここに記載された原理を多くの同じエ
ピトープを有する蛋白質の検出のために使用する場合、
検出すべき物質と結合性のレセプターとして、非特異的
凝集を締め出すために検出すべき物質に関して唯一の結
合位のみを有する複合体を使用すべきである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非特
異的凝集をできるかぎり回避し、こうして正確で再現性
のある結果が得られる、均一イムノアッセイを実施する
ための方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題は免疫グロブリ
ンクラスGの抗体のF(ab’)2 −フラグメントを還
元性条件に置き、かつ引き続き結合に好適な官能基を有
するか、または好適な方法で官能基を導入することによ
り誘導体化された成分Kと反応させて、成分Kを還元の
際に生じたFab’−フラグメントの遊離SH−基に官
能基を介して結合させることにより得られた複合体を使
用し、かつ成分Kと結合性の物質を有する凝集性粒子を
使用することを特徴とするFab’−フラグメントと
成分Kとからなる複合体を使用し、凝集原理により均一
イムノアッセイを実施する方法により解決する
【0009】意外なことに、この複合体を使用する際に
非特異的凝集が高度に回避されうることが見出された。
一価の結合パートナーの使用により、凝集イムノアッセ
イの原理による方法をその正確さ及び再現性において更
に改良することができた。
【0010】本発明方法に関しては検出すべき物質と特
異的に結合性であるIgG−抗体のFab’−フラグメ
ントと成分Kとからなる複合体を使用する。この種の複
合体はそれぞれ使用すべき抗体を自体公知法でペプシン
で処理することにより製造することができる。この際2
つのパラトープを有し、かつ2つの重鎖がジスルフィド
結合により一緒になっている、F(ab’)2 と呼ばれ
るフラグメントが生じる。次いで、このF(ab’)2
−フラグメントを、優先的に分子内ジスルフィドをヒン
ジ域で分離するが、軽鎖重鎖との間のジスルフィド橋
は分離しないような緩和な還元性条件に置く。従って、
有利に緩和な試薬での還元を実施する。このために好適
であるのは、例えばシステアミン、システィン、メルカ
プトエタノール又は水素化硼素である。こうして遊離S
H−基1〜3個を有するFab’−フラグメントが得ら
れる。すべての遊離SH−基は成との結合のために
提供される。しかしながら、立体障害により1つの成分
のみ結合するか、又は2つ又はそれ以上の結合した
成分のうちの1つだけがその活性を保持することが明
らかになった。
【0011】特異的に結合するペアのパートナーである
成分KがこのFab′−フラグメントに結合する。成分
Kはすでに存在しているか又は導入され、かつ場合によ
り活性化される官能基を介してFab′−フラグメント
に今や結合することができる。この結合はFab′−フ
ラグメントのSH−基と成分Kの官能基との間で直接行
なわれるか、又はスペーサーを介して行なわれる。
【0012】Fab′−フラグメントと成分Kとの結合
は直接それぞれ存在する官能基を介して行なうことがで
きる。この実施形においては非特異的結合は特に僅かで
ある。結合のためにスペーサーを使用することは、同様
に可能である。この際、スペーサーの長さは遊離SH−
基の位置に依り決まり、更にこの位置は使用したIgG
−抗体のサブクラスに依存する。成分分子3個までは結
合されうるが、立体障害により1個だけが特異的結合ペ
アのパートナーと結合性であるということが見い出され
た。
【0013】スペーサーとしては、SH基と結合性であ
る官能基と、これと同一又は異なっていてよい、成分と
共有結合することのできる第2の官能基とを有する二官
能性化合物が好適である。スペーサーの長さはSH−結
合の位置により決まる、すなわちこのフラグメントが由
来する抗体のサブクラスにより決まる。スペーサーが長
すぎる場合、スペーサーは多くのSH−基が比較的近く
に相互に存在しているとしても、立体障害が克服されて
いるのですべての成分に1つの結合が可能であるように
する。従って、スペーサーの長さはSH−結合の位置に
より、かつこうして使用すべきFab′−フラグメント
により決まり、IgG−サブクラスIのFab′−フラ
グメントに関しては4〜16個の原子、有利に4〜8個
の原子、サブクラスIgGIIの抗体のFab′−フラ
グメントに関しては4〜10個の原子、有利に4〜6個
の原子である。成分KとサブクラスIのIgG−抗体の
Fab′−フラグメントとからなる複合体の製造のため
にはスペーサーとしてマレイミドブチルリジンを、Ig
G−サブクラスIIのFab′−フラグメントを含有す
る複合体のためにはマレイミドエチルアミンを使用する
のが有利である。
【0014】Fab′−フラグメントと成分Kとからな
る複合体を均一イムノアッセイの実施の際にレセプター
として自体公知で使用する。もう1つのレセプターとし
て本発明方法においては成分Kと結合性の物質を有する
凝集性粒子を使用する。有利な実施形においては、成分
Kと結合性の物質が二官能性光反応性スペーサーを介し
て共有結合している、凝集性粒子を使用する。この種の
凝集性粒子は、まず成分Kと結合性の物質をヘテロ二官
能性試薬と反応させることにより製造することができる
が、このヘテロ二官能性試薬は一方ではアリールアチド
基を、他方では結合パートナーのアミノ基と反応する官
能基を有する。この際、アミノ基と反応性の基が結合性
物質と反応する。未反応の試薬を除去した後、生物学的
材料をあらかじめ決めた時間の間、例えば粒径100n
mを下まわるポリスチロールラテックスであってよい、
不活性担体材料と一緒にし、次いで光を作用させること
により光反応を惹起するが、この際アリールアチド基か
らの反応性ニトレンの形成を介して不活性担体への結合
が行なわれる。引き続き、共有結合していない材料を洗
浄剤洗浄により効果的に分離し、遠心分離又は膜での透
析を介して除去する。この種の粒子の表面特性を、例え
ば免疫学的に不活性な蛋白質、例えばRSAを前処理、
同時処理又は後処理により粒子の上に担持させることに
より所定の変性を行なうことができる。これにより試薬
の安定性をも高める。粒子あたりの特異的に結合性の物
質の量は使用した蛋白質量並びに負荷の際のラテックス
濃度を介して限定され、かつ再現性に調節することがで
きる。更に、限定された特異的結合性を有する表面をヘ
テロ二官能性試薬もしくはその鎖長の選択により調節す
ることができる。この方法の利点は特異的に結合性の物
質がすべての種類の固相に結合することができるという
ことである、すなわち官能基を有する固相粒子を指定し
ないということである。固相として特にスチロール及び
メチルスチロールのホモ及びコポリマー、アクリル酸及
びそのエステルのホモ及びコポリマー、メタクリル酸及
びその誘導体、例えばアクリロニトリル又はアクリルア
ミドのホモ及びコポリマー及びブタジエン、クロロプレ
ン又はイソプレンのようなジエン及び塩化ビニルのホモ
及びコポリマーが好適である。このような結合により不
所望なラテックス−ラテックス−結合は実質的に生じ
ず、アチド基の非特異的結合においてラテックスと蛋白
質との共有結合だけが生じ、わずかな量で蛋白質と蛋白
質との結合が生じる。
【0015】凝集性の粒子に結合する物質及び成分Kは
相互に結合性である。相互に特異的に結合するすべての
ペアがここでは好適である。本発明においては成分Kと
して、および結合性物質としてストレプトアビジンもし
くはアビジン及びビオチンを使用するのが有利である。
【0016】この方法の実施の際に、すなわち試料溶液
と複合体及び凝集性粒子との恒温保持の際、一方では検
出すべき物質が複合体のFab′−フラグメントに、か
つ他方では複合体の成分Kが凝集性粒子に結合する。こ
の結合によってのみ凝集は惹起する。この複合体は検出
すべき物質への結合に関し、および凝集性粒子への結合
に関し1価であるので、凝集はレセプターにより生じる
ことはない。検出すべき物質が試料溶液中に多ければ多
い程、より強い凝集が生じる。公知法により検出するこ
とのできる凝集の程度は、従って検出すべき物質の含量
に関する直接の尺度である。
【0017】本発明による方法は、ヨーロッパ特許公開
第349988号公報又は同第356964号公報に記
載されている実施形にとって特に好適である。この実施
形は検出すべき物質を含有する試料溶液を少なくとも2
つのレセプターと恒温保持する均一イムノアッセイを記
載しており、このレセプターの1つは特異的に結合性の
ペアのパートナーと測定すべき物質と特異的に結合する
成分とからなる複合体であり、かつ他のレセプターは特
異的に結合性のパートナーのために少なくとも2つの結
合位を有している。試料溶液を両方のレセプターと恒温
保持することにより、検出すべき物質への及び他のレセ
プターへの複合体の結合が生じ、これにより凝集は生じ
る。検出すべき物質と両方のレセプターとが結合してい
る結合体のみが凝集することができる。正確さを高める
ために、結合に関して1価の部分を有する複合体を使用
することが有利である。
【0018】
【実施例】次に実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0019】例1 ストレプトアビジンラテックスの製造 ストレプトアビジン(ベーリンガー・マンハイム)を5
0mM K2HPO4、pH8.0中に10mg/mlの
濃度まで溶かした。引き続き、暗所でDMSO中のN−
ヒドロキシサクシンイミジル−4−アジドベンゾエート
(HSAB)の溶液を、10:1(HSAB:ストレプ
トアビジン)のモル比が生じるように加えた。光の遮蔽
下に25℃で2時間恒温保持した。引き続き、過剰のH
SABを透析により暗所で分離した。
【0020】ストレプトアビジンでのラテックスの被覆
のためにポリスチロール−粒子(Dow<100nm)
の1%懸濁液を光遮蔽下に活性化ストレプトアビジン
(1mg/ml、製法:前記)と共に1夜恒温保持し
た。引き続き、この粒子にUV−光(340nm)を照
射した。このストレプトアビジン・ラテックスを50m
Mグリシン、pH7.5で2回洗浄し、その後16時
間、後負荷溶液(0.1%RSA)と共に恒温保持し
た。50mMグリシン、pH7.5での更なる後洗浄の
後、ストレプトアビジン・ラテックスをグリシン緩衝液
中4℃で貯蔵した。
【0021】例2 Fab′−ビオチン−複合体の製造 マウスの免疫により常法で得られた免疫グロブリンクラ
スGI及びGIIaのモノクローナル抗体を次に記載し
た方法により変換し、Fab′−ビオチン−複合体にし
た。
【0022】マウス−IgG 50mgを100mMク
エン酸ナトリウム、pH3.6中に10mg/mlの蛋
白質濃度まで溶かした。37℃で加熱した溶液にペプシ
ン溶液(100mMクエン酸ナトリウム、pH3.6中
1mg/ml)を1:1000の比で加えた。37℃
で、2.5時間撹拌した後、反応混合物のpH−値をト
リスを添加することにより、8.3に調節した。引き続
き、20mMトリス/HCl pH7.8に対して透析
した。未消化IgG及びFc−フラグメントのF(a
b′)2からの分離はDEAE−セファロース・ファス
ト・フロー(DEAE−Sepharose fast
flow)及びセファクリルS−200により行なっ
た。F(ab′)2−フラグメントを集めて、凍結乾燥
した。
【0023】F(ab′)10mgを100mM K
PO、1mM EDTA、pH6.3中に溶か
し、濃度10mg/mlにした。引き続き500mM亜
砒酸ナトリウム、1mM EDTA、100mM KH
PO、pH6.8の溶液20μl並びに200mM
メルカプトエチルアミノ、1mM EDTA、100m
M KHPO、pH6.8からなる溶液25μlを
添加した。37℃で2時間撹拌下に恒温保持した。引き
続き、Fab′−プールをセファデックスG−25−カ
ラムでクロマトグラフィーにかけることにより低分子成
分から分離した。
【0024】ビオチニル化のためにはマレイミドエチル
アミン−ビオチン及びマレイミドブチリルリジン−ビオ
チンをそれぞれDMSO中に1mg/mlまで溶かし
た。分離した配合物中ではFab′−フラグメントの溶
液にマレイミドエチルアミン−ビオチンもしくはマレイ
ミドブチリルリジン−ビオチンを、モル比10:1(ビ
オチン誘導体:Fab′)が生じるように添加した。2
5℃で1時間の恒温保持後、まずシスティンを全1m
M、および更に30分後ヨードアセトアミドを全5mM
添加した。更に、30分間恒温保持した後2mM KH
2PO4、pH7.5に対して透析した。得られたFa
b′−ビオチン−複合体を−20℃で貯蔵した。
【0025】例3 ストレプトアビジンで被覆したラテックス−粒子および
抗−TSH−抗体フラグメントとビオチンとからなる複
合体を使用したテストにおいて、本発明による複合体の
使用により非特異的凝集がどの程度減少するかを試験し
た。
【0026】免疫グロブリンクラスGIのモノクローナ
ル抗−TSH−抗体(ECACC87122202)を
使用した。7:1(ビオチン:IgG)の比でN−ヒド
ロキシサクシンイミド−X−ビオチンとの反応によりJ
ACS.第100巻、1978年、第3585〜359
0による抗体のアミノ基を介して完全抗体のビオチニル
化を比較のために行なった。
【0027】この抗体からの本発明によるFab′−ビ
オチン−複合体を例2に記載されたように、マレイミド
ブチリルリジン−ビオチンの使用下に製造した。
【0028】凝集の測定のために、1%ストレプトアビ
ジン−ラテックス(例1により製造)60μl、100
mMトリス/HCl、pH8.0 800μl及び抗−
TSH−IgG−ビオチン−複合体(比較)20μlも
しくは抗−TSH−Fab′−ビオチン−複合体(本発
明)20μlをパーキン・エルマー測光器のキュベット
中にピペットで入れた。複合体の蛋白質濃度はそれぞれ
10μg/mlであった。
【0029】405nmにおける吸光度上昇をt=1分
及びt=10分の間測定した。この結果を第1表中に示
した。この表は、本発明によるFab′−ビオチン−複
合体の使用下に非特異的凝集を参照値(IgG−ビオチ
ン−複合体)の1/5 より小量に減少することができたこ
とを示した。
【0030】 第1表 抗体−複合体 吸光度上昇(mE) IgG−ビオチン(比較) 663 Fab′−ビオチン(本発明) 119 例4 本発明により製造した複合体の非特異的凝集を例3に記
載したように試験した。
【0031】免疫グロブリンクラスIgGIに属する
が、2種の異なるモノクローナル抗−ミオグロビン−抗
体を例2に記載したようにFab′−ビオチン−複合体
に変換した。非特異的凝集に対するスペーサーの長さの
影響を試験するために、両方のFab′−フラグメント
をスペーサーとしてマレイミドエチルアミン(MEA)
及びマレイミドブチリルリジン(MBL)を使用して、
ビオチンと反応させた。
【0032】結果を第2表にまとめた。より短かいME
A−スペーサーを使用することにより、非特異的凝集は
更に減少させることができることが明らかである。
【0033】 第2表 抗体−複合体 吸光度上昇(mE) (Fab′−ビオチン) MBL MEA 抗−ミオグロビン−AK1 267 88 抗−ミオグロビン−AK2 228 72 例5 一方は免疫グロブリンクラスGI(MabLJ738)
に、他方はクラスGIIa(MabTull、ECAC
C87041002)に属する、2種の異なるモノクロ
ーナル抗−AFP−抗体を例2に記載したようにFa
b′−ビオチン−複合体に変換した。この際、両方のF
ab′−フラグメントをスペーサーとしてMEAもしく
はMBLを使用してビオチニル化した。
【0034】非特異的凝集の測定のために、種々の複合
体(10μg/ml)20μl、100mMトリス/H
Cl、2%PEG40000、2%プルロニック(Pl
uronic)F68、pH7.0 800μl及び1
%ストレプトアビジン−ラテックス(例1により製造)
20μlをそれぞれパーキン・エルマー測光器のキュベ
ット中にピペットで入れた。吸光度上昇をt=1分及び
t=10分の間で405nmで測定した。
【0035】結果を第3表中に示した。免疫グロブリン
クラスIの他のモノクローナル抗体に関してすでに測定
したように(例3及び4を比較)、IgGIからの抗−
AFP−Fab′−ビオチンを用いて低い非特異的凝集
が得られ、これはより短かいMEA−スペーサーの使用
により更に抑さえられる。
【0036】これに対し、IgGIIaからの抗−AF
P−Fab′−ビオチン−複合体はMBL−スペーサー
で比較的高い非特異的凝集を示した。しかしながらより
短かいMEA−スペーサーの使用により有利な結果を達
成することができた。
【0037】 第3表 抗体−複合体 吸光度上昇(mE) (Fab′−ビオチン) MBL MEA 抗−AFP−Mab−LJ738(IgG I) 42 3 抗−AFP−Mab−Tull(IgG IIa) 434 212 例6 複合体Mab−Tull−Fab′−MEA−ビオチン
及びMab−LJ738−Fab′−MBL−ビオチン
を用いてストレプトアビジン−ラテックス−ベースの均
一イムノアッセイを実施した:両方の複合体(10μg
/ml、抗体−複合体の比1:1)の溶液50μl、1
00mMトリス/HCl、2%PEG40000、2%
プルロニックF68、pH7.0 800μl及び1%
ストレプトアビジン−ラテックス20μl並びにそれぞ
れAFP−スタンダード(0、50、100、1000
及び2000ng/ml)50μlをキュベット中にピ
ペットで入れた。凝集の増大をパーキン・エルマー測光
器中で405nmでt=1分とt=10分の間で測定し
た。
【0038】このイムノアッセイの結果を第4表中に記
載する。
【0039】 第4表 スタンダード濃度(ng/ml) 0 50 100 500 1000 2000 吸光度 44 51 60 151 299 547 (平均値) VK(%) 17.6 12.8 12.2 8.4 4.5 1.9 Std.0+3s域 67 − − − − −
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランソワ ギヨ フランス国 メイラン リュ シュヌヴ ィエール 21 (72)発明者 ミヒャエル ベルガー ドイツ連邦共和国 ペンツベルク クナ ッペンシュトラーセ 16 (56)参考文献 特開 平2−107966(JP,A) 特開 昭61−13156(JP,A) 特開 平2−76899(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫グロブリンクラスGの抗体F(a
    b’)2 −フラグメントを還元条件下に置き、かつ引
    き続き成分Kと反応させて、該成分Kを還元の際に生じ
    たFab’−フラグメントの遊離SH−基に結合させる
    ことにより得られた複合体を使用し、かつ成分Kと結合
    性の物質を有する凝集性粒子を使用することを特徴とす
    る、凝集原理により均一イムノアッセイを実施する方
    法。
  2. 【請求項2】 成分Kとしてビオチンを使用する請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Fab’−フラグメントと成分Kとをス
    ペーサーを介して結合する請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 IgG−サブクラスIの抗体のFab’
    −フラグメントを使用し、かつ鎖長原子数4〜16のス
    ペーサーを使用する請求項1から3までのいずれか1項
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 IgG−サブクラスIIの抗体のFa
    b’−フラグメントを使用し、かつ鎖長原子数4〜10
    のスペーサーを使用する請求項1から3までのいずれか
    1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 凝集性粒子として、成分Kと結合性の物
    質が二官能性化合物を介して結合しているラテックス粒
    子を使用することを特徴とする請求項1から5までのい
    ずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 凝集性粒子として、成分Kと結合性の物
    質と、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基及びア
    リールアジド基を有する二官能性化合物とを、僅かにア
    ルカリ性の条件下に水溶液中で反応させ、その後過剰の
    二官能性化合物を分離し、この溶液にラテックスを添加
    し、次いで光照射してラテックスへの結合を形成させた
    ものを使用する請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 IgG抗体のFab’−フラグメントと
    ビオチンとを、Fab’−フラグメントの遊離のSH基
    を介して結合させてなる複合体。
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