JP2999313B2 - 火災報知設備における異常電圧保護回路 - Google Patents

火災報知設備における異常電圧保護回路

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JP2999313B2 JP28923391A JP28923391A JP2999313B2 JP 2999313 B2 JP2999313 B2 JP 2999313B2 JP 28923391 A JP28923391 A JP 28923391A JP 28923391 A JP28923391 A JP 28923391A JP 2999313 B2 JP2999313 B2 JP 2999313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火災報知設備における
異常電圧保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の火災報知設備における電
源回路を示す回路図である。
【0003】この従来例は、耐雷トランスではない安価
な通常のトランスTを使用し、雷サージ等の異常電圧か
ら受信回路の破壊を防止する異常電圧保護回路が付加さ
れた回路である。この回路において、AC100V電源
とトランスTの1次側巻線W1との間に電源スイッチS
Wとヒューズf1、f2とが設けられ、1次側巻線W1
の一方の端子t1とキャビネットCBとの間にギャップ
レスアレスタA1が接続され、1次側巻線W1の他方の
端子t2とキャビネットCBとの間にギャップレスアレ
スタA2が接続され、端子t1tとt2との間にギャッ
プレスアレスタA3が接続されている。なお、トランス
Tの鉄心はキャビネットCBに接続されている。
【0004】また、トランスTの耐雷サージ電圧(トラ
ンスTの1次側巻線W1と鉄心との間の放電開始電圧、
またはその2次側巻線W2と鉄心との間の放電開始電
圧、あるいは1次側巻線W1と2次側巻線W2との間の
放電開始電圧)は5kV前後であり、ギャップレスアレ
スタA1、A2の耐雷サージ電圧は2kvである。
【0005】さらに、トランスTの2次側巻線W2に発
生した電圧が整流器10で整流された後に、受信回路2
0に供給され、この受信回路20は、回線のコモン線C
と信号線Lとの間に発生した信号をダイオードDで整流
した後に、受信する。また、回線のコモン線Cと信号線
Lとの間に、ガスチューブアレスタA4が接続され、コ
モン線CとキャビネットCBとの間に、ガスチューブア
レスタA5が接続される。なお、ガスチューブアレスタ
A4の放電開始電圧は80V、ガスチューブアレスタA
5の放電開始電圧が0.9kVであり、火災監視時の端
子L、C間の電圧は24Vである。
【0006】上記従来例において、雷がトランスTの1
次側付近(電柱等)に落ちた場合、またはトランスTの
2次側付近(回線)に落ちた場合、トランスTの1次
側、2次側に雷サージが誘導される。つまり、たとえば
1次側に雷サージが誘導されると、ギャップレスアレス
タA1、A2の放電開始電圧がトランスTの放電開始電
圧よりも低いので、ギャップレスアレスタA1またはA
2を経由して、キャビネットCB、アースに誘導電流が
流れる。もし、キャビネットCBがアースされていなけ
れば、キャビネットCB、ガスチューブアレスタA5を
通り、長尺に渡ってアース等に隣接している回線を経由
して、誘導電流がアースに流れる。
【0007】2次側に雷サージが誘導されると、ガスチ
ューブアレスタA5の放電開始電圧がトランスTの放電
開始電圧よりも低いので、ガスチューブアレスタA5を
経由して、キャビネットCB、アースに誘導電流が流れ
る。もし、キャビネットCBがアースされていなけれ
ば、キャビネットCBを通り、長尺に渡ってアース等に
隣接している回線を経由して、誘導電流がアースに流れ
る。
【0008】このようにして、トランスTの1次側巻線
W1と2次側巻線W2との間で放電が生じないように設
計されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来装置
において、ギャップレスアレスタA1、A2は劣化する
ことによってリーク電流が次第に大きくなり、この結
果、ギャップレスアレスタA1とA2との間でリーク電
流が異なり、2本の電源線の電流バランスが崩れ、1次
側巻線W1に接続してある漏電遮断機(図示せず)が動
作するという問題がある。もし、このようにして漏電が
発生し、その漏電が発見された場合、通常、その原因を
調べることが困難であるという問題がある。
【0010】一方、ギャップレスアレスタA1、A2の
代わりに、ガスチューブアレスタを使用することが考え
られるが、このようにすると、それらが同時に放電する
ことがあり、この場合には、トランスTの1次側巻線W
1でその電源電圧のみで放電が継続され、その放電が停
止しないという問題が生じる。また、ギャップレスアレ
スタA1、A2の代わりにギャップアレスタを使用する
と、このギャップアレスタは空間ギャップを使用し、通
気構造を有するので、その隙間に塵が侵入したり結露し
たりすることによって、絶縁性能が低下するという問題
がある。
【0011】本発明は、アレスタが経年変化しても漏電
遮断機が動作することが無く、トランスの1次側で放電
が継続することも無く、絶縁性能が低下しない異常電圧
保護回路を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、トランスの1
次側巻線の一方の端子とキャビネットとの間に、トラン
スの放電開始電圧よりも低い放電開始電圧を有するギャ
ップレスアレスタとガスチューブアレスタとの直列回路
を接続し、また、1次側巻線の他方の端子とキャビネッ
トとの間に、上記と同じ直列回路を接続したものであ
る。
【0013】
【作用】本発明は、トランスの1次側巻線の一方の端子
とキャビネットとの間に、トランスの放電開始電圧より
も低い放電開始電圧を有するギャップレスアレスタとガ
スチューブアレスタとの直列回路を接続し、また、1次
側巻線の他方の端子とキャビネットとの間に、上記と同
じ直列回路を接続したので、アレスタが経年変化しても
漏電遮断機が動作することが無く、トランスの1次側で
放電が継続することも無く、絶縁性能が低下しない。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す回路図であ
る。なお、図4に示す部材と同一の部材には同一符号を
付し、その説明を省略する。図2以降の実施例において
も同様である。
【0015】この実施例において、トランスTの1次側
巻線W1の一方の端子t1とキャビネットCBとの間
に、ギャップレスアレスタA11とガスチューブアレス
タA12との直列回路が接続されている。また、トラン
スTの1次側巻線W1の他方の端子t2とキャビネット
CBとの間に、ギャップレスアレスタA13とガスチュ
ーブアレスタA14との直列回路が接続されている。
【0016】なお、ギャップレスアレスタA11、A1
3の放電開始電圧は、トランスTの放電開始電圧よりも
低く設定され、ガスチューブアレスタA12、A14の
放電開始電圧も、トランスTの放電開始電圧よりも低く
設定されている。さらに、ギャップレスアレスタA11
の放電開始電圧とガスチューブアレスタA12の放電開
始電圧とを加えて合成された放電開始電圧も、トランス
Tの放電開始電圧よりも低く設定され、また、ギャップ
レスアレスタA13の放電開始電圧とガスチューブアレ
スタA14の放電開始電圧とを加えた電圧も、トランス
Tの放電開始電圧よりも低く設定されている。
【0017】たとえば、トランスTの放電開始電圧はた
とえば5kVであり、ギャップレスアレスタA11、A
13の放電開始電圧は、ともにたとえば240Vであ
る。また、ガスチューブアレスタA12、A14の放電
開始電圧は、ともにたとえば2kVであり、キャビネッ
トCBはアースに接続されている。
【0018】次に、上記実施例の動作について説明す
る。
【0019】雷がトランスTの1次側付近(電柱等)に
落ちた場合、トランスTの1次側巻線W1の端子t1ま
たはt2に雷サージが誘導される。端子t1に雷サージ
が誘導された場合、ギャップレスアレスタA11の放電
開始電圧240VとガスチューブアレスタA12の放電
開始電圧2kVとの和は、2.24kVであり、この電
圧は、トランスTの放電開始電圧5kVよりも低いの
で、上記誘導された雷サージによる誘導電流は、ギャッ
プレスアレスタA11とガスチューブアレスタA12と
を経由し、キャビネットCBを通って、アースに流れ
る。したがって、トランスTの1次側巻線W1と2次側
巻線W2との間で放電が生じないので、整流器10、受
信回路20、トランスT等が異常電圧から保護される。
【0020】一方、端子t2に雷サージが誘導された場
合、ギャップレスアレスタA13の放電開始電圧240
VとガスチューブアレスタA14の放電開始電圧2kV
との和は、2.24kVであり、この電圧は、トランス
Tの放電開始電圧5kVよりも低いので、上記誘導され
た雷サージによる誘導電流は、ギャップレスアレスタA
13とガスチューブアレスタA14とを経由し、キャビ
ネットCBを通って、アースに流れる。この場合も、ト
ランスTの1次側巻線W1と2次側巻線W2との間で放
電が生じないので、整流器10、受信回路20、トラン
スT等が異常電圧から保護される。
【0021】また、上記実施例において、経年変化等に
よってギャップレスアレスタA11またはA13が劣化
してリーク電流が次第に大きくなることがあるが、それ
らと直列にガスチューブアレスタA12またはA14が
接続され、ガスチューブアレスタA12またはA14は
経年変化してもリーク電流が大きくなることがないの
で、2本の電源線の電流バランスが崩れることがなく、
1次側巻線W1に接続してある漏電遮断機(図示せず)
が動作するという心配がない。
【0022】さらに、上記実施例において、トランスT
の1次側巻線W1の端子t1とt2との間にキャビネッ
トCBを介してガスチューブアレスタA12、A14が
接続されているが、これらと直列に、ギャップレスアレ
スタA11、A13が接続されている。このために、ト
ランスTの1次側巻線W1において、その電源電圧のみ
によっては、放電が継続されることはない。すなわち、
たとえばガスチューブアレスタA12、A14が同時に
放電し、しかもそのアレスタA12、A14がその放電
を継続することによって、アレスタA12、A14の各
両端電圧(放電継続電圧)が低下した(数10V程度に
低下した)場合でも、ギャップレスアレスタA11、A
13の合成された放電開始電圧(480V)とアレスタ
A12、A14の放電継続電圧との合計値を、電源電圧
のピーク電圧が越えることがないので、トランスTの1
次側巻線W1において、その電源電圧のみによっては放
電が継続されることはない。さらに、上記実施例は、ギ
ャップアレスタを使用していないので、隙間に塵が侵入
したり結露したりすることによる絶縁性能の低下が生じ
ない。
【0023】なお、キャビネットCBがアースされてい
なければ、キャビネットCB、ガスチューブアレスタA
5を通り、長尺に渡ってアース等に隣接している回線を
経由して、誘導電流がアースに流れる。また、トランス
Tの2次側に雷サージが誘導された場合の動作は、図4
に示す従来例の動作と同様である。
【0024】上記実施例において、トランスT、ギャッ
プレスアレスタA11、A13、ガスチューブアレスタ
A12、A14の放電開始電圧は、上記値以外の値に設
定してもよいが、ギャップレスアレスタA11の放電開
始電圧とガスチューブアレスタA12の放電開始電圧と
の和を、トランスTの放電開始電圧よりも低くする必要
があり、また、ギャップレスアレスタA13の放電開始
電圧とガスチューブアレスタA14の放電開始電圧との
和を、トランスTの放電開始電圧よりも低くする必要が
ある。
【0025】図2は、本発明の他の実施例を示す回路図
である。
【0026】この実施例は、トランスTの1次側巻線W
1の一方の端子t1と他方の端子t2との間に、2つの
ギャップレスアレスタA11、A13を直列に接続した
回路を接続し、2つのギャップレスアレスタA11、A
13同士の接続点とキャビネットCBとの間に、ガスチ
ューブアレスタA15を接続したものである。なお、ガ
スチューブアレスタA15の放電開始電圧はたとえば2
kVである。
【0027】なお、図2において、通常の入力電圧がた
とえば100V(実効値)であるとすると、ギャップレ
スアレスタA11、A13の直列回路の放電開始電圧
は、上記入力電圧のピーク値(約141V)よりも高い
電圧に設定され、ギャップレスアレスタA11、A13
の放電開始電圧はそれぞれ、たとえば240Vに選ばれ
ている。なお、ギャップレスアレスタA11、A13の
放電開始電圧は、入力電圧に応じて設定すればよく、上
記以外の値を設定してもよい。
【0028】この実施例においても、アレスタが経年変
化しても漏電遮断機が動作することが無く、トランスT
の1次側で放電が継続することも無く、絶縁性能が低下
しないという利点がある。
【0029】図3は、本発明のさらに他の実施例を示す
回路図である。
【0030】この実施例は、トランスTの1次側巻線W
1の一方の端子t1と他方の端子t2との間に、トラン
スTの放電開始電圧よりも低い放電開始電圧を有するギ
ャップレスアレスタA16が接続され、他方の端子t2
とトランスTの2次側巻線W2の一方の端子との間にガ
スチューブアレスタA17を接続したものである。な
お、ギャップレスアレスタA16の放電開始電圧は、た
とえば240Vであり、ガスチューブアレスタA17の
放電開始電圧は、たとえば2kVである。この実施例に
おいても、上記各実施例の利点と同様の利点がある。
【0031】なお、トランスT、ギャップレスアレスタ
A11、A13、A16、ガスチューブアレスタA1
2、A14、A15、A17の放電開始電圧を上記以外
の値に設定してもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、アレスタが経年変化し
ても漏電遮断機が動作することが無く、トランスの1次
側で放電が継続することも無く、絶縁性能が低下しない
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す回路図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例を示す回路図であ
る。
【図4】従来の火災報知設備における電源回路を示す回
路図である。
【符号の説明】
T…トランス、 A11、A13、A16…ギャップレスアレスタ、 A12、A14、A15、A17…ガスチューブアレス
タ、 CB…キャビネット。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの1次側巻線の一方の端子とキ
    ャビネットとの間に、上記トランスの放電開始電圧より
    も低い放電開始電圧を有するギャップレスアレスタとガ
    スチューブアレスタとの直列回路を接続し、しかも、上
    記トランスの1次側巻線の他方の端子と上記キャビネッ
    トとの間に、上記トランスの放電開始電圧よりも低い放
    電開始電圧を有するギャップレスアレスタとガスチュー
    ブアレスタとの直列回路を接続したことを特徴とする火
    災報知設備における異常電圧保護回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記トランスの1次側巻線の一方の端子と上記他方の端
    子との間に、2つのギャップレスアレスタを直列に接続
    した回路を接続し、上記2つのギャップレスアレスタ同
    士の接続点と上記キャビネットとの間に、ガスチューブ
    アレスタを接続したことを特徴とする火災報知設備にお
    ける異常電圧保護回路。
  3. 【請求項3】 トランスの1次側巻線の一方の端子と他
    方の端子との間に、上記トランスの放電開始電圧よりも
    低い放電開始電圧を有するギャップレスアレスタが接続
    され、上記1次側巻線の一方の端子と上記トランスの2
    次側巻線の一方の端子との間にガスチューブアレスタを
    接続したことを特徴とする火災報知設備における異常電
    圧保護回路。
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IL253887B (en) * 2017-08-07 2018-03-29 Hadshani Yehoshua A deterministic transformer regulated by means of plasma gas for the transduction and conversion of electric fields at high voltage with polarity - automatic

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