JP2999291B2 - 多次元方向に関する力・加速度・磁気の検出装置 - Google Patents

多次元方向に関する力・加速度・磁気の検出装置

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JP2999291B2 JP3138191A JP13819191A JP2999291B2 JP 2999291 B2 JP2999291 B2 JP 2999291B2 JP 3138191 A JP3138191 A JP 3138191A JP 13819191 A JP13819191 A JP 13819191A JP 2999291 B2 JP2999291 B2 JP 2999291B2
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    • G01P2015/0822Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
    • G01P2015/084Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass the mass being suspended at more than one of its sides, e.g. membrane-type suspension, so as to permit multi-axis movement of the mass

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  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は力・加速度・磁気の検出
装置、特に三次元の各成分ごとに検出値を得ることがで
きる検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車産業や機械産業などでは、力、加
速度、磁気といった物理量を正確に検出できる検出装置
の需要が高まっている。特に、三次元の各成分ごとにこ
れらの物理量を検出しうる小型の装置が望まれている。
【0003】このような需要に応えるため、シリコンな
どの半導体基板にゲージ抵抗を形成し、外部から加わる
力に基づいて基板に生じる機械的な歪みを、ピエゾ抵抗
効果を利用して電気信号に変換する力・加速度・磁気の
検出装置が提案されている。ただ、このようなゲージ抵
抗を用いた検出装置は、製造コストが高く、温度補償が
必要であるという問題がある。そこで、特願平2−27
4299号明細書において、静電容量の変化を利用した
新規な検出装置が提案されている。この新規な検出装置
では、固定基板上に形成された固定電極と、力の作用に
より変位を生じる変位電極と、によって容量素子が構成
され、この容量素子の静電容量の変化に基づいて、作用
した力の三次元成分のそれぞれが検出できる。また、特
願平2−416188号明細書には、この新規な検出装
置の製造方法が開示され、特許協力条約に基づく国際出
願に係るPCT/JP91/00428号明細書には、
この新規な検出装置の検査方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た静電容量の変化を利用した新規な力・加速度・磁気の
検出装置には、三次元の各軸方向に関する検出感度にば
らつきが生じるという問題がある。より具体的には、固
定基板および変位基板の基板面に平行なXY平面をもつ
三次元座標系を定義し、固定基板上に形成された固定電
極と、変位基板上に形成された変位電極と、によって構
成される容量素子の静電容量の変化に基づいて、作用し
た力のXYZ各軸方向成分を検出すると、X軸方向の検
出感度とY軸方向の検出感度とは同じになるが、これら
とZ軸方向の検出感度との間には相違が生じる。このよ
うに、検出感度に差が生じると、電気信号として取り出
した各軸方向成分の検出値に対して、感度補正を行う必
要がある。したがって、検出信号を処理する電気回路が
複雑になるという弊害が生じる。
【0005】そこで本発明は、三次元の各軸方向に関す
る検出感度を所望の値に調整した多次元方向に関する力
・加速度・磁気の検出装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 本願第1の発明
は、XYZ三次元座標系における力の少なくとも二軸方
向成分を検出する装置において、 ほぼXY平面に沿って
延びる固定面を有する固定基板と、 この固定面に対向
し、ほぼXY平面に沿って延びる変位面を有する変位基
板と、 を設け、 固定面上に形成された固定電極と、変位
面上に形成された変位電極と、を対向させてなる電極対
を、少なくとも2対構成し、 変位基板を変位させうる所
定の作用点に、X軸方向の力が加わったときには、2対
の電極対のうちの第1の電極対についての電極間距離の
変化に基づいて、加わったX軸方向の力を検出できるよ
うに構成し、 作用点に、Z軸方向の力が加わったときに
は、2対の電極対のうちの第2の電極対についての電極
間距離の変化に基づいて、加わったZ軸方向の力を検出
できるように構成し、 かつ、第2の電極対における平均
電極間距離を、第1の電極対における平均電極間距離と
異ならせるようにしたものである。
【0007】(2) 本願第2の発明は、上述の第1の発
明に係る検出装置において、 第1の電極対を構成する電
極の形成面を、第2の電極対を構成する電極の形成面に
対して傾斜させることにより、平均電極間距離を異なら
せるようにしたものである。 (3) 本願第3の発明は、上述の第1の発明に係る検出
装置において、 第1の電極対を構成する電極の形成面
を、第2の電極対を構成する電極の形成面に対して段差
をもたせることにより、平均電極間距離を異ならせるよ
うにしたものである。
【0008】(4) 本願第4の発明は、XYZ三次元座
標系における力の各軸方向成分を検出する装置におい
て、 ほぼXY平面に沿って延びる固定面を有する固定基
板と、 この固定面に対向し、ほぼXY平面に沿って延び
る変位面を有する変位基板と、を設け、 固定面上に形成
された固定電極と、変位面上に形成された変位電極と、
を対向させてなる電極対を、少なくとも3対構成し、
位基板を変位させうる所定の作用点に、X軸方向の力が
加わったときには、3対の電極対のうちの第1の電極対
についての電極間距離の変化に基づいて、加わったX軸
方向の力を検出できるように構成し、 作用点に、Y軸方
向の力が加わったときには、3対の電極対のうちの第2
の電極対についての電極間距離の変化に基づいて、加わ
ったY軸方向の力を検出できるように構成し、 作用点
に、Z軸方向の力が加わったときには、3対の電極対の
うちの第3の電極対についての電極間距離の変化に基づ
いて、加わったZ軸方向の力を検出できるように構成
し、 かつ、第3の電極対における平均電極間距離を、第
1の電極対あるいは第2の電極対における平均電極間距
離と異ならせるようにしたものである。
【0009】(5) 本願第5の発明は、上述の第4の発
明に係る検出装置において、 第1の電極対を構成する電
極および第2の電極対を構成する電極の形成面を、第3
の電極対を構成する電極の形成面に対して傾斜させるこ
とにより、平均電極間距離を異ならせるようにしたもの
である。 (6) 本願第6の発明は、上述の第4の発明に係る検出
装置において、 第1の電極対を構成する電極および第2
の電極対を構成する電極の形成面を、第3の電極対を構
成する電極の形成面に対して段差をもたせることによ
り、平均電極間距離を異ならせるようにしたものであ
る。
【0010】(7) 本願第7の発明は、上述の第1〜6
の発明に係る検出装置において、 装置筐体に固定される
固定部と、外部からの力が伝達される作用部と、固定部
と作用部との間に形成され可撓性をもった可撓部と、を
有する可撓基板と、 外部からの力を受け、この力を可撓
基板の作用部に伝達する作用体と、 を設け、作用部に生
じる変位に基づいて、変位基板を変位させるように構成
したものである。
【0011】(8) 本願第8の発明は、上述の第1〜7
の発明に係る検出装置において、 加速度に起因して発生
する力により変位基板を変位させ、加速度の検出を行い
得るようにしたものである。 (9) 本願第9の発明は、上述の第1〜7の発明 に係る
検出装置において、磁気に起因して発生する力により変
位基板を変位させ、磁気の検出を行い得るようにしたも
のである。
【0012】
【作 用】本発明によれば、X軸方向の力を検出する電
極対およびY軸方向の力を検出する電極対の平均電極間
距離と、Z軸方向の力を検出する電極対の平均電極間距
離と、が異なるように各電極が形成される。この発明で
は、電極間距離の変化Δdを、静電容量の変化ΔCとし
て検出することになるが、電極対の平均電極間距離が異
なると、同じΔdに対して得られるΔCの値が異なる。
したがって、平均電極間距離を調整することにより、感
度の調整を行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。はじめに、本発明の適用対象となる検出装置の
基本構造およびその基本原理について簡単に述べてお
く。図1は、本発明の適用対象となる加速度検出装置の
基本構造を示す側断面図である。この検出装置の主たる
構成要素は、固定基板10、可撓基板20、作用体3
0、そして装置筐体40である。図2に、固定基板10
の下面図を示す。図2の固定基板10をX軸に沿って切
断した断面が図1に示されている。固定基板10は、図
示のとおり円盤状の基板であり、周囲は装置筐体40に
固定されている。この下面には、扇状の固定電極11〜
14および円盤状の固定電極15が図のように形成され
ている。一方、図3に可撓基板20の上面図を示す。図
3の可撓基板20をX軸に沿って切断した断面が図1に
示されている。可撓基板20も、図示のとおり円盤状の
基板であり、周囲は装置筐体40に固定されている。こ
の上面には、扇状の変位電極21〜24および円盤状の
変位電極25が図のように形成されている。作用体30
は、その上面が図3に破線で示されているように、円柱
状をしており、可撓基板20の下面に、同軸接合されて
いる。装置筐体40は、円筒状をしており、固定基板1
0および可撓基板20の周囲を固着支持している。
【0014】固定基板10および可撓基板20は、互い
に平行な位置に所定間隔をおいて配設されている。いず
れも円盤状の基板であるが、固定基板10は剛性が高く
撓みを生じにくい基板であるのに対し、可撓基板20は
可撓性をもち、力が加わると撓みを生じる基板となって
いる。図1に示す例では、固定基板10は厚みを厚くす
ることにより剛性を高めており、可撓基板20は厚みを
薄くすることにより可撓性をもたせているが、材質を変
えることにより、剛性および可撓性をもたせるようにし
てもかまわない。あるいは、基板に溝を形成したり、貫
通孔を形成したりして可撓性をもたせることもできる。
固定基板10、可撓基板20、作用体30は、本来の機
能を果たすことができるのであれば、どのような材質で
構成してもよい。たとえば、半導体やガラスなどで構成
することもできるし、金属で構成することもできる。た
だし、固定基板10および可撓基板20を金属で構成し
た場合は、各電極が短絡しないように、電極との間に絶
縁層を形成するなどの方法を講じる必要がある。また、
各電極層も導電性をもったものであれば、どのような材
質で構成してもよい。なお、固定基板10、可撓基板2
0、作用体30を半導体基板あるいはガラス基板で構成
した場合、これらの形状は円盤状でなく四角形の板状に
するのが、組み立てを容易にする上で好ましい。
【0015】いま、図1に示すように、作用体30の重
心に作用点Pを定義し、この作用点Pを原点とするXY
Z三次元座標系を図のように定義する。すなわち、図1
の右方向にX軸、上方向にZ軸、紙面に対して垂直に紙
面裏側へ向かう方向にY軸、をそれぞれ定義する。可撓
基板20のうち、作用体30が接合された中心部を作用
部、装置筐体40によって固着された周囲部を固定部、
これらの間の部分を可撓部、と呼ぶことにすれば、作用
体30に加速度が作用すると、可撓部に撓みが生じ、作
用部が固定部に対して変位を生じることになる。ここ
で、この検出装置全体をたとえば自動車に搭載したとす
ると、自動車の走行に基づき作用体30に加速度が加わ
ることになる。この加速度により、作用点Pに外力が作
用する。作用点Pに力が作用していない状態では、図1
に示すように、固定電極11〜15と変位電極21〜2
5とは所定間隔をおいて平行な状態を保っている。い
ま、固定電極11〜15と、このそれぞれに対向する変
位電極21〜25との組み合わせを、それぞれ容量素子
C1〜C5と呼ぶことにする。ここで、たとえば、作用
点PにX軸方向の力Fxが作用すると、この力Fxは可
撓基板20に対してモーメント力を生じさせ、図4に示
すように、可撓基板20に撓みが生じることになる。こ
の撓みにより、変位電極21と固定電極11との間隔は
大きくなるが、変位電極23と固定電極13との間隔は
小さくなる。作用点Pに作用した力が逆向きの−Fxで
あったとすると、これと逆の関係の撓みが生じることに
なる。このように力Fxまたは−Fxが作用したとき、
容量素子C1およびC3の静電容量に変化が表れること
になり、これを検出することにより力Fxまたは−Fx
を検出することができる。このとき、変位電極22,2
4,25のそれぞれと固定電極12,14,15のそれ
ぞれの間隔は、部分的に大きくなったり小さくなったり
するが、全体としては変化しないと考えてよい。一方、
Y方向の力Fyまたは−Fyが作用した場合は、変位電
極22と固定電極12との間隔、および変位電極24と
固定電極14との間隔、についてのみ同様の変化が生じ
る。また、Z軸方向の力Fzが作用した場合は、図5に
示すように、変位電極25と固定電極15との間隔が小
さくなり、逆向きの力−Fzが作用した場合は、この間
隔は大きくなる。このとき、変位電極21〜24と固定
電極11〜14との間隔も、小さくあるいは大きくなる
が、変位電極25と固定電極15との間隔の変化が最も
顕著である。そこで、この容量素子C5の静電容量の変
化を検出することにより力Fzまたは−Fzを検出する
ことができる。
【0016】一般に、容量素子の静電容量Cは、電極面
積をS、電極間隔をd、誘電率をεとすると、C=εS
/dで定まる。したがって、対向する電極間隔が接近す
ると静電容量Cは大きくなり、遠ざかると静電容量Cは
小さくなる。本検出装置は、この原理を利用し、各電極
間の静電容量の変化を測定し、この測定値に基づいて作
用点Pに作用した外力、別言すれば作用した加速度を検
出するものである。すなわち、X軸方向の加速度は容量
素子C1,C3の間の容量変化に基づき、Y軸方向の加
速度は容量素子C2,C4の容量変化に基づき、Z軸方
向の加速度は容量素子C5の容量変化に基づき、それぞ
れ検出が行われる。
【0017】実際には、図6に示すような検出回路によ
り、各軸方向の加速度成分が検出される。すなわち、容
量素子C1〜C5の静電容量値を、それぞれCV変換回
路51〜55によって電圧値V1〜V5に変換する。そ
して、X軸方向の加速度は、減算器61によって(V1
−V3)なる演算を行った差電圧として端子Txに得ら
れ、Y軸方向の加速度は、減算器62によって(V2−
V4)なる演算を行った差電圧として端子Tyに得ら
れ、Z軸方向の加速度は、そのまま電圧V5として端子
Tzに得られる。
【0018】以上がこの加速度検出装置の基本構造およ
びその動作原理であるが、より実用的な構造の断面を図
7に示す。この図7に示す装置では、装置筐体40に固
定された固定基板10に、固定電極11〜15が形成さ
れている点は前述の基本的な装置と同様であるが、変位
電極21〜25の形成位置が若干異なる。すなわち、可
撓基板20の上面中心部(作用部)に円柱状の接合部材
70の底面が固着されており、この接合部材70の上面
には円盤状の変位基板80の中心部が固着されている。
そして、変位電極21〜25は、この変位基板80の上
面に形成されている。この変位電極21〜25の配置
は、図3に示すものと同じである。この図7に示す構造
は、図1に示した基本構造に比べ、より高感度の動作が
期待できる。すなわち、図1に示す構造では、作用体3
0に作用した力に基づく変位は、可撓基板20の外周部
分(固定部)にまでは十分に伝達されない。この外周部
分は装置筐体40に固定されているため、大きく変位す
ることができないためである。したがって、変位電極2
1〜24の外周部分には効率良く変位が生じない。これ
に対して、図7に示す構造によれば、変位基板80は、
その中心部において接合部材70によって可撓基板20
の中心部(作用部)に接合されているだけであり、装置
筐体40による変位の制限は何ら受けることがない。し
たがって、変位電極21〜25には効率良く変位が生じ
ることになる。
【0019】さて、ここで本願発明の主題に触れること
にする。図7に示す実用的な構造の加速度検出装置にお
いて、X軸方向の加速度、Y軸方向の加速度、そしてZ
軸方向の加速度、についての検出感度を考えてみる。各
電極が図2および図3に示すように配置されていること
を考慮すれば、X軸方向の検出感度とY軸方向の検出感
度とは同じになることが理解できよう。X軸とY軸とは
同一平面内で直交する軸であり、検出に関する幾何学的
な条件は全く同じである。すなわち、電極対11,21
と、電極対13,23とにおける静電容量の変化に基づ
いてX軸方向の加速度検出がなされるのに対して、電極
対12,22と、電極対14,24とにおける静電容量
の変化に基づいてY軸方向の加速度検出がなされるだけ
であり、理論的には両者の検出感度は全く等しくなる。
これに対して、Z軸方向の加速度検出は、電極対15,
25における静電容量の変化に基づいてなされるもので
あり、X軸あるいはY軸方向の加速度検出とは幾何学的
な条件が異なってくる。そのため、一般に、Z軸方向の
検出感度は、X軸あるいはY軸方向の検出感度に比べて
感度が低下する。このように、三次元の各軸方向につい
ての検出感度にばらつきが生じると、感度補正のための
処理回路が必要になるため好ましくない。本発明は、こ
のような各軸方向についての検出感度を調整するために
有用な技術を提示するものである。
【0020】図8は、本発明の一実施例に係る加速度検
出装置の側断面図である。図7に示す装置と比較する
と、その構造の特徴が明瞭になる。図7に示す装置で
は、平らな円盤状の変位基板80の上面に変位電極21
〜25を形成していたのに対し、図8に示す装置では、
周面に傾斜がついた皿状の変位基板81の上面に変位電
極21〜25を形成している。変位電極25は中心部の
平坦面に形成されているが、変位電極21〜24はその
周囲の傾斜面に形成されている。前述したように、電極
11〜15のそれぞれと、これに向かい合う電極21〜
25のそれぞれと、によって構成される容量素子をそれ
ぞれC1〜C5と表わすと、図7に示す構造では、各容
量素子C1〜C5の平均電極間距離はすべて等しい。こ
れに対し、図8に示す構造では、容量素子C5の平均電
極間距離に比べて、容量素子C1〜C4の平均電極間距
離が大きくなる。
【0021】ここで、一般に、容量素子の電極間距離d
と静電容量値Cとの関係を考えてみると、図9に示すグ
ラフに示すような関係が知られている。この関係によれ
ば、電極間距離d=d1を中心として幅Δdの変位が生
じた場合には、ΔC1なる大きな容量値変化が得られる
ことがわかる。ところが、電極間距離d=d2を中心と
して幅Δdの変位が生じた場合には、ΔC2なる小さな
容量値変化しか得られない。すなわち、同じ変位Δdを
静電容量の変化として検出する場合であっても、得られ
る容量値変化(すなわち検出感度)は、電極間距離dに
よって異なることになる。より詳しく言えば、電極間距
離dが小さいほど検出感度は高くなる。結局、図8に示
す構造では、容量素子C1〜C4の平均電極間距離を大
きくすることにより、X軸およびY軸方向の検出感度を
低下させ、Z軸方向の検出感度に揃えることができる。
実際には、電極面積によっても感度が異なるので、各電
極の面積および変位基板の傾斜度を総合的に勘案して、
XYZ各軸方向の感度が等しくなるような設計を行うこ
とになる。
【0022】逆に、X軸およびY軸方向の検出感度を高
め、Z軸方向の検出感度との差を顕著にするためには、
図10に示すような構造にすればよい。ここでは、周囲
が上方に傾斜した皿状の変位基板82を用い、容量素子
C1〜C4の平均電極間距離を小さくしている。このた
め、X軸およびY軸方向の検出感度がより向上すること
になる。
【0023】変位基板に傾斜を設ける代わりに、段差を
設けることにより、平均電極間距離を変えることもでき
る。図11に示す構造は、中央部が上に凸となった変位
基板83を用い、中央部に形成された容量素子の電極間
距離を小さくしてZ軸方向の検出感度を向上させた実施
例である。また、図12に示す構造は、中央部が下に凸
となった変位基板84を用い、中央部に形成された容量
素子の電極間距離を大きくしてZ軸方向の検出感度を低
下させた実施例である。
【0024】図13に示す実施例は、図11の実施例を
更に改良し、Z軸方向の検出精度を高めたものである。
可撓基板20と変位基板91とは、接続部材92によっ
て接続されており、この間に更に補助基板93が設けら
れている。この補助基板93の中央には貫通孔が形成さ
れており、この貫通孔に接続部材92が挿通している。
変位基板91の上面に形成された変位電極21〜25
と、固定基板10の下面に形成された固定電極11〜1
5とによって、容量素子C1〜C5が構成される点は上
述の実施例と同様であるが、この実施例では更に、変位
基板91の下面に形成された変位電極26と、補助基板
93の上面に形成された固定電極16とによって、容量
素子C6が構成されている。このような構成をもった検
出装置では、Z軸方向の検出値は図14に示す回路によ
って得られる。すなわち、容量素子C5、C6の容量値
を、CV変換回路55,56によって電圧値V5,V6
に変換し、減算器63によりその差V5−V6を求め、
これをZ軸方向の検出値とする。このようにZ軸方向の
検出に関しても差を用いるようにすれば、誤差要因が相
殺され、より精度良い検出が可能になる。なお、この理
由については、特許協力条約に基づく国際出願PCT/
JP91/00428号明細書の§4に詳述されてい
る。
【0025】以上、本発明を三次元の加速度検出装置に
基づいて説明したが、本発明は加速度検出装置だけに限
定されるものではなく、力検出装置あるいは磁気検出装
置にも適用しうるものである。たとえば、図8に示す加
速度検出装置において、作用体30に接触子を取り付
け、この接触子の先端に作用した力に基づいて、可撓基
板20を変位させれば、三次元の力検出装置として利用
することができる。また、作用体30を磁性体で構成し
ておけば、この検出装置が置かれた空間の磁界に基づい
て、作用体30が磁気力を受けることになるので、磁気
検出装置として利用することができる。
【0026】上述の実施例では、変位基板を傾斜させた
り段差構造にしたりして、電極間距離を調節する例を示
したが、固定基板を傾斜させたり段差構造にしたりする
ことも可能である。また、その他の方法によって、電極
間距離を調節してもかまわない。更に、上述の実施例で
は、固定電極および変位電極をそれぞれ5枚ずつ設けて
いるが、一方の電極を共通の1枚の電極で構成すること
もできるし、より多数の電極を設けることもできる。
【0027】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、多次元
向に関する力・加速度・磁気の検出装置において、X軸
方向の力を検出する電極対およびY軸方向の力を検出す
る電極対の平均電極間距離と、Z軸方向の力を検出する
電極対の平均電極間距離と、がそれぞれ所望の値となる
ように各電極を形成するようにしたため、多次元の各軸
方向に関する検出感度を所望の値に調整した検出装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象となる加速度検出装置の基本
構造を示す側断面図である。
【図2】図1に示す検出装置における固定基板10の下
面図である。
【図3】図1に示す検出装置における可撓基板20の上
面図である。
【図4】図1に示す検出装置に、X軸方向の力Fxが加
わった状態を示す側断面図である。
【図5】図1に示す検出装置に、Z軸方向の力Fzが加
わった状態を示す側断面図である。
【図6】図1に示す検出装置に用いる信号処理回路を示
す回路図である。
【図7】図1に示す検出装置のより実用的な構造を示す
側断面図である。
【図8】傾斜面をもつ変位基板を用いてX軸およびY軸
方向の検出感度を低下させた本発明の一実施例に係る加
速度検出装置の側断面図である。
【図9】容量素子における電極間距離と静電容量値との
関係を示すグラフである。
【図10】傾斜面をもつ変位基板を用いてX軸およびY
軸方向の検出感度を向上させた本発明の一実施例に係る
加速度検出装置の側断面図である。
【図11】段差をもつ変位基板を用いてX軸およびY軸
方向の検出感度を低下させた本発明の一実施例に係る加
速度検出装置の側断面図である。
【図12】段差をもつ変位基板を用いてX軸およびY軸
方向の検出感度を向上させた本発明の一実施例に係る加
速度検出装置の側断面図である。
【図13】図11に示す実施例に、Z軸方向の検出を精
度良く行うための改良を加えた実施例に係る加速度検出
装置の側断面図である。
【図14】図13に示す検出装置に用いる信号処理回路
の回路図である。
【符号の説明】
10…固定基板 11〜16…固定電極 20…可撓基板 21〜26…変位電極 30…作用体 40…装置筐体 51〜56…CV変換回路 61〜63…減算器 70…接合部材 80〜84…変位基板 91…変位基板 92…接合部材 93…補助基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/16 G01L 1/14 G01L 9/12 G01P 15/125 G01R 33/038

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZ三次元座標系における力の少なく
    とも二軸方向成分を検出する装置であって、 ほぼXY平面に沿って延びる固定面を有する固定基板
    と、 この固定面に対向し、ほぼXY平面に沿って延びる変位
    面を有する変位基板と、 を備え、 前記固定面上に形成された固定電極と、前記変位面上に
    形成された変位電極と、を対向させてなる電極対を、少
    なくとも2対構成し、 前記変位基板を変位させうる所定の作用点に、X軸方向
    の力が加わったときには、前記2対の電極対のうちの第
    1の電極対についての電極間距離の変化に基づいて、加
    わったX軸方向の力を検出できるように構成し、 前記作用点に、Z軸方向の力が加わったときには、前記
    2対の電極対のうちの第2の電極対についての電極間距
    離の変化に基づいて、加わったZ軸方向の力を検出でき
    るように構成し、 かつ、前記第2の電極対における平均電極間距離を、前
    記第1の電極対における平均電極間距離と異ならせるよ
    うにしたことを特徴とする多次元方向に関する力検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の力検出装置において、 第1の電極対を構成する電極の形成面を、第2の電極対
    を構成する電極の形成面に対して傾斜させることによ
    り、平均電極間距離を異ならせるようにしたことを特徴
    とする多次元方向に関する力検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の力検出装置において、 第1の電極対を構成する電極の形成面を、第2の電極対
    を構成する電極の形成面に対して段差をもたせることに
    より、平均電極間距離を異ならせるようにしたことを特
    徴とする多次元方向に関する力検出装置。
  4. 【請求項4】 XYZ三次元座標系における力の各軸方
    向成分を検出する装置であって、 ほぼXY平面に沿って延びる固定面を有する固定基板
    と、 この固定面に対向し、ほぼXY平面に沿って延びる変位
    面を有する変位基板と、 を備え、 前記固定面上に形成された固定電極と、前記変位面上に
    形成された変位電極と、を対向させてなる電極対を、少
    なくとも3対構成し、 前記変位基板を変位させうる所定の作用点に、X軸方向
    の力が加わったときには、前記3対の電極対のうちの第
    1の電極対についての電極間距離の変化に基づいて、加
    わったX軸方向の力を検出できるように構成し、 前記作用点に、Y軸方向の力が加わったときには、前記
    3対の電極対のうちの第2の電極対についての電極間距
    離の変化に基づいて、加わったY軸方向の力を検出でき
    るように構成し、 前記作用点に、Z軸方向の力が加わったときには、前記
    3対の電極対のうちの第3の電極対についての電極間距
    離の変化に基づいて、加わったZ軸方向の力を検出でき
    るように構成し、 かつ、前記第3の電極対における平均電極間距離を、前
    記第1の電極対あるいは前記第2の電極対における平均
    電極間距離と異ならせるようにしたことを特徴とする
    次元方向に関する力検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の力検出装置において、 第1の電極対を構成する電極および第2の電極対を構成
    する電極の形成面を、第3の電極対を構成する電極の形
    成面に対して傾斜させることにより、平均電極間距離を
    異ならせるようにしたことを特徴とする多次元方向に関
    する力検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の力検出装置において、 第1の電極対を構成する電極および第2の電極対を構成
    する電極の形成面を、第3の電極対を構成する電極の形
    成面に対して段差をもたせることにより、平均電極間距
    離を異ならせるようにしたことを特徴とする多次元方向
    に関する力検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の力検出
    装置において、 装置筐体に固定される固定部と、外部からの力が伝達さ
    れる作用部と、前記固定部と前記作用部との間に形成さ
    れ可撓性をもった可撓部と、を有する可撓基板と、 外部からの力を受け、この力を前記可撓基板の前記作用
    部に伝達する作用体と、 を設け、前記作用部に生じる変位に基づいて、変位基板
    を変位させるように構成したことを特徴とする多次元
    向に関する力検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の検出装
    置において、 加速度に起因して発生する力により変位基板を変位さ
    せ、加速度の検出を行い得るようにしたことを特徴とす
    る加速度検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の検出装
    置において、 磁気に起因して発生する力により変位基板を変位させ、
    磁気の検出を行い得るようにしたことを特徴とする磁気
    検出装置。
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