JP2528329Y2 - 力検出装置 - Google Patents

力検出装置

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JP2528329Y2
JP2528329Y2 JP4320591U JP4320591U JP2528329Y2 JP 2528329 Y2 JP2528329 Y2 JP 2528329Y2 JP 4320591 U JP4320591 U JP 4320591U JP 4320591 U JP4320591 U JP 4320591U JP 2528329 Y2 JP2528329 Y2 JP 2528329Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は力検出装置、特に一対の
電極間の静電容量の変化に基づいて、作用した力を検出
する力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車産業や機械産業などでは、作用し
た力を正確に検出できる力検出装置の需要が高まってい
る。特に、三次元の各成分ごとに作用した力を検出しう
る小型の装置が望まれている。
【0003】このような需要に応えるため、シリコンな
どの半導体基板にゲージ抵抗を形成し、外部から加わる
力に基づいて基板に生じる機械的な歪みを、ピエゾ抵抗
効果を利用して電気信号に変換する力検出装置が提案さ
れている。ただ、このようなゲージ抵抗を用いた検出装
置は、製造コストが高く、温度補償が必要であるという
問題がある。そこで、特願平2−274299号明細書
において、静電容量の変化を利用した新規な力検出装置
が提案されている。この新規な力検出装置では、固定基
板上に形成された固定電極と、力の作用により変位を生
じる変位電極と、によって容量素子が構成され、この容
量素子の静電容量の変化に基づいて、作用した力の三次
元成分のそれぞれが検出できる。また、特願平2−41
6188号明細書には、この新規な力検出装置の製造方
法が開示され、特許協力条約に基づく国際出願に係るP
CT/JP91/00428号明細書には、この新規な
力検出装置の検査方法が開示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た静電容量の変化を利用した新規な力検出装置には、三
次元の各軸方向に関する検出感度にばらつきが生じると
いう問題がある。より具体的には、固定基板および変位
基板の基板面に平行なXY平面をもつ三次元座標系を定
義し、固定基板上に形成された固定電極と、変位基板上
に形成された変位電極と、によって構成される容量素子
の静電容量の変化に基づいて、作用した力のXYZ各軸
方向成分を検出すると、X軸方向の検出感度とY軸方向
の検出感度とは同じになるが、これらとZ軸方向の検出
感度との間には相違が生じる。このように、検出感度に
差が生じると、電気信号として取り出した各軸方向成分
の検出値に対して、感度補正を行う必要がある。したが
って、検出信号を処理する電気回路が複雑になるという
弊害が生じる。
【0005】そこで本考案は、各方向成分についての検
出感度ができるだけ均一になる力検出装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 本願第1の考案
は、装置筐体に固定される固定部と、外部からの力が伝
達される作用部と、固定部と作用部との間に形成され可
撓性をもった可撓部と、を有する可撓基板と、作用部に
一部分が固着された変位基板と、この変位基板に対向す
るように、装置筐体に固定された固定基板と、を備え、
固定基板上に形成された固定電極と、変位基板上に形成
された変位電極と、を対向させてなる電極対の電極間距
離の変化に基づいて、外部からの力を検出する力検出装
置において、可撓基板の基板面に対してほぼ垂直な方向
を軸とする円筒の形状をした肉薄の筒状部と、基板面に
対してほぼ平行な面に沿って延びた肉薄の環状平板部
と、によって可撓部を構成したものである。
【0007】(2) 本願第2の考案は、装置筐体に固定
される固定部と、外部からの力が伝達される作用部と、
固定部と作用部との間に形成され可撓性をもった可撓部
と、を有する可撓基板と、作用部に一部分が固着された
変位基板と、この変位基板に対向するように、装置筐体
に固定された固定基板と、を備え、固定基板上に形成さ
れた固定電極と、変位基板上に形成された変位電極と、
を対向させてなる電極対の電極間距離の変化に基づい
て、外部からの力を検出する力検出装置において、固定
部が作用部の周囲を所定の間隔をおいて取り囲むように
構成し、固定部と作用部との間に架けられた可撓性をも
った複数の架橋部によって可撓部を構成したものであ
る。
【0008】(3) 本願第3の考案は、上述の第1また
は第2の考案に係る力検出装置において、可撓基板と変
位基板との間に更に装置筐体に固定された補助基板を設
け、変位基板上に形成された変位電極と補助基板上に形
成された固定電極と、を対向させてなる補助電極対の電
極間距離の変化を考慮して、外部からの力を検出するよ
うにしたものである。
【0009】
【作 用】(1) 本願第1の考案による力検出装置で
は、可撓基板の可撓部が、基板面に沿った放射状方向に
対して十分な可撓性をもった筒状部と、基板面に対して
垂直な方向に対して十分な可撓性をもった環状平板部
と、によって構成される。このため、いずれの方向に関
しても十分な可撓性が得られ、各方向成分についての検
出感度を均一にすることができる。
【0010】(2) 本願第2の考案による力検出装置で
は、可撓基板の可撓部が、複数の架橋部によって構成さ
れる。可撓基板の各架橋部の間には、貫通孔が形成さ
れ、作用部はこの架橋部によってのみ支持されることに
なる。このため、いずれの方向に関しても十分な可撓性
が得られ、各方向成分についての検出感度を均一にする
ことができる。
【0011】(3) 本願第3の考案による力検出装置で
は、上述の第1または第2の考案に係る力検出装置にお
いて、更に補助電極間距離の変化を考慮した検出がなさ
れる。よって、より精度の高い検出が可能になる。
【0012】
【実施例】以下、本考案を図示する実施例に基づいて説
明する。はじめに、本考案の適用対象となる力検出装置
の基本構造およびその基本原理について簡単に述べてお
く。図1は、本考案の適用対象となる力検出装置の基本
構造を示す側断面図である。この力検出装置の主たる構
成要素は、固定基板10、可撓基板20、作用体30、
そして装置筐体40である。図2に、固定基板10の下
面図を示す。図2の固定基板10をX軸に沿って切断し
た断面が図1に示されている。固定基板10は、図示の
とおり円盤状の基板であり、周囲は装置筐体40に固定
されている。この下面には、扇状の固定電極11〜14
および円盤状の固定電極15が図のように形成されてい
る。一方、図3に可撓基板20の上面図を示す。図3の
可撓基板20をX軸に沿って切断した断面が図1に示さ
れている。可撓基板20も、図示のとおり円盤状の基板
であり、周囲は装置筐体40に固定されている。この上
面には、扇状の変位電極21〜24および円盤状の変位
電極25が図のように形成されている。作用体30は、
その上面が図3に破線で示されているように、円柱状を
しており、可撓基板20の下面に、同軸接合されてい
る。装置筐体40は、円筒状をしており、固定基板10
および可撓基板20の周囲を固着支持している。
【0013】固定基板10および可撓基板20は、互い
に平行な位置に所定間隔をおいて配設されている。いず
れも円盤状の基板であるが、固定基板10は剛性が高く
撓みを生じにくい基板であるのに対し、可撓基板20は
可撓性をもち、力が加わると撓みを生じる基板となって
いる。図1に示す例では、固定基板10は厚みを厚くす
ることにより剛性を高めており、可撓基板20は厚みを
薄くすることにより可撓性をもたせているが、材質を変
えることにより、剛性および可撓性をもたせるようにし
てもかまわない。あるいは、基板に溝を形成したり、貫
通孔を形成したりして可撓性をもたせることもできる。
固定基板10、可撓基板20、作用体30は、本来の機
能を果たすことができるのであれば、どのような材質で
構成してもよい。たとえば、半導体やガラスなどで構成
することもできるし、金属で構成することもできる。た
だし、固定基板10および可撓基板20を金属で構成し
た場合は、各電極が短絡しないように、電極との間に絶
縁層を形成するなどの方法を講じる必要がある。また、
各電極層も導電性をもったものであれば、どのような材
質で構成してもよい。
【0014】いま、図1に示すように、作用体30内に
作用点Pを定義し、この作用点Pを原点とするXYZ三
次元座標系を図のように定義する。すなわち、図1の右
方向にX軸、上方向にZ軸、紙面に対して垂直に紙面裏
側へ向かう方向にY軸、をそれぞれ定義する。可撓基板
20のうち、作用体30が接合された中心部を作用部、
装置筐体40によって固着された周囲部を固定部、これ
らの間の部分を可撓部、と呼ぶことにすれば、作用体3
0に外力が作用すると、可撓部に撓みが生じ、作用部が
固定部に対して変位を生じることになる。作用点Pに力
が作用していない状態では、図1に示すように、固定電
極11〜15と変位電極21〜25とは所定間隔をおい
て平行な状態を保っている。いま、固定電極11〜15
と、このそれぞれに対向する変位電極21〜25との組
み合わせを、それぞれ容量素子C1〜C5と呼ぶことに
する。ここで、たとえば、作用点PにX軸方向の力Fx
が作用すると、この力Fxは可撓基板20に対してモー
メント力を生じさせ、図4に示すように、可撓基板20
に撓みが生じることになる。この撓みにより、変位電極
21と固定電極11との間隔は大きくなるが、変位電極
23と固定電極13との間隔は小さくなる。作用点Pに
作用した力が逆向きの−Fxであったとすると、これと
逆の関係の撓みが生じることになる。このように力Fx
または−Fxが作用したとき、容量素子C1およびC3
の静電容量に変化が表れることになり、これを検出する
ことにより力Fxまたは−Fxを検出することができ
る。このとき、変位電極22,24,25のそれぞれと
固定電極12,14,15のそれぞれの間隔は、部分的
に大きくなったり小さくなったりするが、全体としては
変化しないと考えてよい。一方、Y方向の力Fyまたは
−Fyが作用した場合は、変位電極22と固定電極12
との間隔、および変位電極24と固定電極14との間
隔、についてのみ同様の変化が生じる。また、Z軸方向
の力Fzが作用した場合は、図5に示すように、変位電
極25と固定電極15との間隔が小さくなり、逆向きの
力−Fzが作用した場合は、この間隔は大きくなる。こ
のとき、変位電極21〜24と固定電極11〜14との
間隔も、小さくあるいは大きくなるが、変位電極25と
固定電極15との間隔の変化が最も顕著である。そこ
で、この容量素子C5の静電容量の変化を検出すること
により力Fzまたは−Fzを検出することができる。
【0015】一般に、容量素子の静電容量Cは、電極面
積をS、電極間隔をd、誘電率をεとすると、 C=εS/d で定まる。したがって、対向する電極間隔が接近すると
静電容量Cは大きくなり、遠ざかると静電容量Cは小さ
くなる。この力検出装置は、この原理を利用し、各電極
間の静電容量の変化を測定し、この測定値に基づいて作
用点Pに作用した外力を検出するものである。すなわ
ち、X軸方向の加速度は容量素子C1,C3の間の容量
変化に基づき、Y軸方向の加速度は容量素子C2,C4
の容量変化に基づき、Z軸方向の加速度は容量素子C5
の容量変化に基づき、それぞれ検出が行われる。
【0016】実際には、図6に示すような検出回路によ
り、各軸方向の力成分が検出される。すなわち、容量素
子C1〜C5の静電容量値を、それぞれCV変換回路5
1〜55によって電圧値V1〜V5に変換する。そし
て、X軸方向の力は、減算器61によって(V1−V
3)なる演算を行った差電圧として端子Txに得られ、
Y軸方向の力は、減算器62によって(V2−V4)な
る演算を行った差電圧として端子Tyに得られ、Z軸方
向の力は、そのまま電圧V5として端子Tzに得られ
る。
【0017】以上、図1に示す基本構造に基づいて、こ
の力検出装置による検出原理を説明したが、このような
基本構造の力検出装置では、X軸方向、Y軸方向、そし
てZ軸方向の検出感度が均一にはならない。すなわち、
各電極が図2および図3に示すように配置されているこ
とを考慮すれば、X軸方向の検出感度とY軸方向の検出
感度とは同じになるが、Z軸方向の検出感度はこれらと
異なるものになる。一般に、Z軸方向の検出感度は、X
軸あるいはY軸方向の検出感度に比べて感度が低下す
る。このように、三次元の各軸方向についての検出感度
にばらつきが生じると、感度補正のための処理回路が必
要になるため好ましくない。本考案は、このような各軸
方向についての検出感度を均一にすることができる実用
的な構造を提示するものである。
【0018】図7に、この実用的な構造をもった力検出
装置の一実施例の側断面図を示す。この力検出装置の大
きな構成要素は、可撓基板100と装置本体200とで
ある。可撓基板100の下面図を図8に示す。図8の可
撓基板100を切断線7−7に沿って切断した断面が図
7に示されていることになる。可撓基板100の全体形
状は円盤状であり、中心部から外周部へ向かって、図示
のように順に、作用部110、環状平板部120、筒状
部130、環状平板部140、筒状部150、環状平板
部160、固定部170と呼ぶことにする。また、環状
平板部120,140,160および筒状部130,1
50を総称して可撓部と呼ぶことにする。環状平板部1
20,140,160は、可撓基板100の全体的な厚
みに比べて肉厚が薄く、いわばワッシャ状をした部分で
ある。このため、可撓基板100の基板面に対して垂直
な方向(図7における上下方向、図8における紙面に垂
直な方向)について十分な可撓性をもつ。また、筒状部
130,150は、肉厚の薄い筒状をした部分であり、
可撓基板100の基板面に沿った放射状方向(図8の紙
面内において中心部から外周部へ向かう放射状の方向)
について十分な可撓性をもつ。なお、可撓基板100を
このような構造にするには、円盤状の基板に、同心円状
に環状の溝125,145,165を形成する加工を行
えばよい。この実施例では、可撓基板100の材質とし
て金属を用いている。
【0019】本願第1の考案の特徴は、このように可撓
基板100の可撓部を、環状平板部120,140,1
60と筒状部130,150とによって構成した点にあ
り、これによりいずれの方向についても十分な可撓性が
得られる。作用部110には、ねじ穴111が設けられ
ており、ここに作用体としてのスタイラスなどを取り付
ければ、このスタイラス先端に加わった外力が作用部1
10に伝達される。固定部170を固定しておけば、可
撓部の撓みにより、作用部110に変位が生じることに
なり、この変位が装置本体200において検出される。
【0020】装置本体200の中枢となる構成要素は、
固定電極211〜215および変位基板220である。
固定電極211〜215は、図1に示す装置における固
定電極11〜15に対応するものであり、図2に示す固
定電極11〜15と同様の位置に配置されている。一
方、変位基板220は、図1に示す装置における変位電
極21〜25に対応するものである。変位基板220の
上面に5枚の変位電極を形成するようにしてもかまわな
いが、この実施例では、変位基板220を金属によって
構成し、この変位基板220自身が電極として機能する
ようにしている。図1に示す装置では、5枚の固定電極
11〜15と、5枚の変位電極21〜25とを、互いに
対向させて5組の容量素子C1〜C5を構成したが、一
方の電極を1枚の共通電極で構成しても何ら支障はな
い。図7に示す実施例は、変位電極側を1枚の共通電極
で構成したものである。変位基板220上にこのような
1枚の共通電極を形成してもよいが、この実施例では、
変位基板220として金属を用いているため、変位基板
220自身を共通電極として用いている。このような構
成にすれば、装置の構造を非常に単純化することができ
好ましい。図7に示すように、変位基板220の下面中
央部には、円柱状の接合部材225の上面が固着されて
おり、この接合部材225の下面は、可撓基板100の
作用部110の上面に固着されている。
【0021】変位基板220は、装置筐体240によっ
て覆われている。装置筐体240は、内部に変位基板2
20を収容する空間を有し、その周囲において、可撓基
板100の固定部170の上面に接合されている。この
装置筐体240の内部底面には、絶縁層230を介し
て、固定電極211〜215が形成されている。すなわ
ち、この実施例では、装置筐体240の内部底面が、図
1に示す装置における固定基板10に対応する。なお、
ここで、絶縁層230を設けているのは、装置筐体24
0を金属としたためであり、装置筐体240が絶縁体の
場合には、絶縁層230は必要ない。また、装置筐体2
40には、配線孔が形成されており、ここを挿通するワ
イヤWによって、各電極への配線がなされている。
【0022】この装置の動作は次のとおりである。作用
部110に外力が作用すると、前述のように、環状平板
部120,140,160と筒状部130,150とが
撓みを生じ、作用部110に変位が生じる。この変位
は、接合部材225を介して変位基板220に伝達さ
れ、固定電極211〜215と変位電極(変位基板22
0の上面)との距離が変化する。この電極間距離の変化
が静電容量の変化として検出できることは、前述したと
おりである。図7に示すように、図の右方向にX軸を、
図の上方向にZ軸を、図の紙面に垂直な方向にY軸を、
それぞれ定義すれば、環状平板部120,140,16
0によってZ軸方向に対する十分な撓みが得られ、筒状
部130,150によってX軸およびY軸方向に対する
十分な撓みが得られることになる。実際には、環状平板
部120,140,160と筒状部130,150とが
組み合わされることにより、X,Y,Z軸のすべての方
向について可撓性が得られる。したがって、図7に示す
構造の力検出装置によれば、各軸方向に関する検出感度
を均一にすることができ、かつ、検出感度を全体的に高
めることができる。
【0023】図9は、本願第2の考案に係る力検出装置
に用いる可撓基板300の下面図である。この可撓基板
300は、図8に示す可撓基板100の4か所に四分円
状の貫通孔H1〜H4を形成したものである。すなわ
ち、図8に示す可撓基板100に対して、4か所をくり
ぬく加工を行うことによって得られる。このような貫通
孔H1〜H4を形成することにより、4つの架橋部B1
〜B4が得られる。図9に示す可撓基板300を切断線
7−7で切断した断面は、図7に示す可撓基板100の
断面と同じ構造となる。結局、中央の作用部310は、
4つの架橋部B1〜B4によって、周囲の固定部370
に接続された状態となっている。作用部310にはねじ
穴311が設けられており、ここにスタイラスなどの作
用体が接続される。このような構造をもった可撓基板3
00では、4つの架橋部B1〜B4が可撓部として機能
することになる。可撓基板100の代わりに、可撓基板
300を用いれば、より感度の高い力検出装置を実現す
ることができる。
【0024】以上、本考案を図示する実施例に基づいて
説明したが、本考案はこれらの実施例に限定されるもの
ではなく、この他にも種々の態様で実施できる。たとえ
ば、図7に示す実施例では、3つの環状平板部120,
140,160と、2つの筒状部130,150を形成
しているが、環状平板部や筒状部の数は任意でかまわな
い。図10に示す実施例における可撓基板400は、ね
じ穴411を有する作用部410と、固定部450との
間に、2つの環状平板部420,440と1つの筒状部
430とを設けた例である。このような構造の可撓基板
400を得るには、同心円状に2つの環状溝425,4
45を形成する加工を行うだけでよい。また、電極の枚
数および配置も、上述の実施例に限定されるものではな
い。三次元方向の力を検出するためには、図7に示す実
施例のように、一方を5枚、他方を共通の1枚の電極で
構成するのが最も実用的であるが、一方を4枚、他方を
共通の1枚の電極で構成してもかまわない。また、二次
元や一次元の力を検出するだけであれば、電極の枚数は
更に減らすことができる。また、変位基板220の変位
状態を検出するための方法は、容量素子による静電容量
の変化を検出する方法に限定されるものではない。たと
えば、図7に示す装置において、固定電極211〜21
5と変位基板220との間に、圧電素子を挿入するよう
にすれば、この圧電素子の起電力によって電極間距離の
検出を行うことも可能である。
【0025】最後にもう1つ別な実施例をあげておく。
図11に示す実施例は、図7の実施例を更に改良し、Z
軸方向の検出精度を高めたものである。可撓基板100
と変位基板220とは、接続部材225によって接続さ
れており、この間に更に補助基板235が設けられてい
る。この補助基板235の中央には貫通孔が形成されて
おり、この貫通孔に接続部材225が挿通している。変
位基板220と固定電極211〜215とによって、容
量素子C1〜C5が構成される点は上述の実施例と同様
であるが、この実施例では更に、変位基板220と補助
基板235の上面に形成された固定電極216とによっ
て、容量素子C6が構成されている。このような構成を
もった検出装置では、Z軸方向の検出値は図12に示す
回路によって得られる。すなわち、容量素子C5,C6
の容量値を、CV変換回路55,56によって電圧値V
5,V6に変換し、減算器63によりその差V5−V6
を求め、これをZ軸方向の検出値とする。このようにZ
軸方向の検出に関しても差を用いるようにすれば、誤差
要因が相殺され、より精度良い検出が可能になる。な
お、この理由については、特許協力条約に基づく国際出
願PCT/JP91/00428号明細書の§4に詳述
されている。また、このZ軸方向の検出精度を高めるた
めの構造は、図9や図10に示す実施例についても適用
できる。
【0026】
【考案の効果】以上のとおり、本願第1の考案による力
検出装置では、可撓基板の可撓部を、基板面に沿った放
射状方向に対して十分な可撓性をもった筒状部と、基板
面に対して垂直な方向に対して十分な可撓性をもった環
状平板部と、によって構成するようにしたため、いずれ
の方向に関しても十分な可撓性が得られ、各方向成分に
ついての検出感度を均一にすることができる。
【0027】また、本願第2の考案による力検出装置で
は、可撓基板の可撓部を、複数の架橋部によって構成す
るようにしたため、いずれの方向に関しても十分な可撓
性が得られ、各方向成分についての検出感度を均一にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の適用対象となる力検出装置の基本構造
を示す側断面図である。
【図2】図1に示す力検出装置における固定基板10の
下面図である。
【図3】図1に示す力検出装置における可撓基板20の
上面図である。
【図4】図1に示す力検出装置に、X軸方向の力Fxが
加わった状態を示す側断面図である。
【図5】図1に示す力検出装置に、Z軸方向の力Fzが
加わった状態を示す側断面図である。
【図6】図1に示す力検出装置に用いる信号処理回路を
示す回路図である。
【図7】本願第1の考案の一実施例に係る力検出装置の
構造を示す側断面図である。
【図8】図7に示す力検出装置における可撓基板100
の下面図である。
【図9】本願第2の考案の一実施例に係る力検出装置に
用いる可撓基板300の下面図である。
【図10】本願第1の考案の別な一実施例に係る力検出
装置の構造を示す側断面図である。
【図11】本願第1の考案の更に別な実施例に係る力検
出装置の構造を示す側断面図である。
【図12】図11に示す検出装置に用いる信号処理回路
の回路図である。
【符号の説明】
10…固定基板 11〜15…固定電極 20…可撓基板 21〜25…変位電極 30…作用体 40…装置筐体 51〜56…CV変換回路 61〜63…減算器 100…可撓基板 110…作用部 111…ねじ穴 120…環状平板部 125…環状溝 130…筒状部 140…環状平板部 145…環状溝 150…筒状部 160…環状平板部 165…環状溝 170…固定部 200…装置本体 211〜216…固定電極 220…変位基板 225…接合部材 230…絶縁層 235…補助基板 240…装置筐体 300…可撓基板 310…作用部 311…ねじ穴 370…固定部 400…可撓基板 410…作用部 411…ねじ穴 420…環状平板部 425…環状溝 430…筒状部 440…環状平板部 445…環状溝 450…固定部 B1〜B4…架橋部 H1〜H4…貫通孔 W…ワイヤ

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置筐体に固定される固定部と、外部か
    らの力が伝達される作用部と、前記固定部と前記作用部
    との間に形成され可撓性をもった可撓部と、を有する可
    撓基板と、前記作用部に一部分が固着された変位基板
    と、前記変位基板に対向するように、装置筐体に固定さ
    れた固定基板と、を備え、前記固定基板上に形成された
    固定電極と、前記変位基板上に形成された変位電極と、
    を対向させてなる電極対の電極間距離の変化に基づい
    て、外部からの力を検出する力検出装置において、前記
    可撓基板の基板面に対してほぼ垂直な方向を軸とする円
    筒の形状をした肉薄の筒状部と、前記基板面に対してほ
    ぼ平行な面に沿って延びた肉薄の環状平板部と、によっ
    て前記可撓部を構成したことを特徴とする力検出装置。
  2. 【請求項2】 装置筐体に固定される固定部と、外部か
    らの力が伝達される作用部と、前記固定部と前記作用部
    との間に形成され可撓性をもった可撓部と、を有する可
    撓基板と、前記作用部に一部分が固着された変位基板
    と、前記変位基板に対向するように、装置筐体に固定さ
    れた固定基板と、を備え、前記固定基板上に形成された
    固定電極と、前記変位基板上に形成された変位電極と、
    を対向させてなる電極対の電極間距離の変化に基づい
    て、外部からの力を検出する力検出装置において、前記
    固定部が前記作用部の周囲を所定の間隔をおいて取り囲
    むように構成し、前記固定部と前記作用部との間に架け
    られた可撓性をもった複数の架橋部によって前記可撓部
    を構成したことを特徴とする力検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の力検出装置に
    おいて、可撓基板と変位基板との間に更に装置筐体に固
    定された補助基板を設け、前記変位基板上に形成された
    変位電極と前記補助基板上に形成された固定電極と、を
    対向させてなる補助電極対の電極間距離の変化を考慮し
    て、外部からの力を検出するようにしたことを特徴とす
    る力検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190865A (ja) * 2007-01-31 2008-08-21 Honda Motor Co Ltd 力覚センサ
JP2008292510A (ja) * 2008-09-11 2008-12-04 Honda Motor Co Ltd 力覚センサ
JP2008292509A (ja) * 2008-09-11 2008-12-04 Honda Motor Co Ltd 力覚センサ

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JP2008190865A (ja) * 2007-01-31 2008-08-21 Honda Motor Co Ltd 力覚センサ
JP2008292510A (ja) * 2008-09-11 2008-12-04 Honda Motor Co Ltd 力覚センサ
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