JP2999157B2 - 銅被覆炭素粉末 - Google Patents

銅被覆炭素粉末

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属銅の被覆を備
えた炭素質粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動機、整流機、あるいは発電機
の給電、整流、または集電用部品であるブラシの適当な
材料として、黒鉛質または金属黒鉛質が用いられてい
る。天然黒鉛質のブラシは、摩擦抵抗が小さいが軟質で
あるため摩耗し易いという問題があった。また人造黒鉛
のものは、摩擦抵抗が小さく、ある程度の硬度も備えて
いるが電気抵抗率がやや高いうえ、黒鉛原料を1600
℃で焼結したうえ、さらに電流加熱により2000℃以
上の高温度に加熱して黒鉛化するという工数のかかる製
造方法によって製造されるため、極めて高価格であっ
て、コストダウンが困難であるという問題があった。
【0003】また、ブラシ用材料に用いられる金属黒鉛
質は、銅粉末と黒鉛を混合して焼結して製作されるもの
であり、その混合比率を変えることによって、電気抵抗
率、摩擦係数などが調節できる利点があるが、銅粉末と
黒鉛は、それぞれが微粉末である場合には、その比重差
が大きいこともあって、均質な混合成形物を得るのが困
難であるという問題があった。
【0004】また、炭素質粉末に銅をメッキすることに
より、炭素質粉末と銅粉末とを実質的に均質な混合状態
にすることも可能と考えられる。この炭素質粉末に銅を
電気メッキする方法としては、電気メッキ法と無電解メ
ッキ法が考えられるが、本発明者らは、設備費が比較的
軽易な後者の無電解メッキ法について、鋭意研究を行っ
た。その過程で、次の点が無電解メッキ法における解決
すべき重要な課題であることが分かった。
【0005】第1に、炭素質粉末に、技術文献等に紹介
されている組成、温度の無電解銅メッキ浴液を反応させ
た場合、金属銅がメッキされる炭素質粉末とメッキされ
ない炭素質粉末とが生じてしまい、一旦そのようになる
と、メッキ時間を相当かけてもメッキされない炭素質粉
末はそのまま変化しないので、最終的にはロスとして排
除しなければならず、銅被覆炭素質粉末の収率が極端に
低下するという問題があった。このロス率は、50%以
上に達する場合があり、無電解メッキ法を実用化の大き
な障害であった。
【0006】第2には、炭素質粉末に金属銅が一応メッ
キされる場合でも、析出した金属銅が互いに結合しあう
傾向があるため、一次粒子であった炭素質粉末そのもの
も凝集して、集合した二次粒子である顆粒状態になった
り、ついには大きく固まった団子状態になってしまうと
いう問題があった。このように、一次粒子状態の炭素質
粉末に金属銅を被覆した粉末状態の銅被覆炭素質粉末を
得ること困難であった。また、このような凝集状態の粗
粒または塊状の銅被覆炭素質を粉砕機で粒度を一次粒子
の状態に復帰させることも試みられたが、この場合に
は、強度の低い炭素質部分が破断することになり、被覆
金属銅層が破壊され炭素質が露出した状態となり、結果
不均質なものしか得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の諸問
題点を解決するためになされたものであり、第1に、銅
金属と炭素質粉末とを実質的に均質に混合することが可
能となる銅被覆炭素質粉末を提供するにあり、第2に
は、炭素質粉末表面に金属銅を析出させて被覆させるに
際して、収率が良好であって、かつ凝集して粒子が粗大
化するのを防止して、当初の1次粒子の状態を維持する
ことができる銅被覆炭素質粉末の製造方法を提供する。
第3には、それら銅被覆炭素質粉末を材料として使用
し、導電性と摺動潤滑性を兼ね備えた導電部材の製造方
法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題は、内部が一
次粒子の炭素質粉末からなり、その表面に無電解メッキ
により得た金属銅の被覆層を備えた銅被覆炭素質粉末
あって、炭素質粉末に対する金属銅の被覆量が、25重
量%〜40重量%である、本発明の銅被覆炭素質粉末
より解決することができる。そして、この銅被覆炭素質
粉末の発明は、炭素質粉末に対する金属銅の被覆量が
2重量%〜38重量%である形態に具体化することが
できる。
【0009】また、前記第2の問題は、無電解メッキに
より浴液中の炭素質粉末の表面に金属銅の被覆層を析出
させるにあたり、金属銅の析出によって前記炭素質粉末
が凝集しないよう機械的に運動させるとともに、前記炭
素質粉末に対して金属銅換算で0.8%〜3.0%の銅
成分を含む銅塩を配合したメッキ浴によって下地メッキ
処理を予め行うことを特徴とする銅被覆炭素質粉末の製
造方法、によって解決することができる。
【0010】なお、この銅被覆炭素質粉末の製造方法
は、前記下地メッキ処理を行った後に、所定のメッキ用
薬剤を浴液に逐次注入して、その注入量に対応して金属
銅を析出するメッキ反応を制御するとともに、所定量の
金属銅の被覆層を析出させる形態に好ましく具体化する
ことができる。
【0011】また、この銅被覆炭素質粉末の製造方法
は、無電解メッキにより炭素質粉末の表面に金属銅の被
覆層を析出させるにあたり、酒石酸カリソーダ水溶液に
炭素質粉末を混合する第1ステップ、この浴液を攪拌し
ながら、前記炭素質粉末に対して金属銅換算で0.8%
〜3.0%の銅成分を含む硫酸銅、この硫酸銅1グラム
に対して、0.5〜1.2グラムの割合の苛性ソーダ、
および同じく3〜8ccの割合の濃度37%換算のホル
マリンを注入して混合し、前記炭素質粉末が浮遊性から
沈降性に変化するまで金属銅の析出反応を行わせる第2
ステップ、さらに、この浴液を攪拌しながら、前記炭素
質粉末に対して金属銅換算で25%〜40%の銅成分を
含む硫酸銅水溶液、この硫酸銅1グラムに対して、0.
5〜1.2グラムの割合の苛性ソーダを含む水溶液、お
よび同じく0.5〜2.0ccの割合の濃度37%換算
のホルマリンとを定量ポンプにより継続的に送入して、
金属銅の析出反応を完了させる第3ステップを含み、少
なくとも前記第2ステップ、第3ステップを浴温度40
〜60℃の範囲内で行うことを特徴とする形態に具体化
することもできる。
【0012】さらに、第3の問題は、炭素質粉末の表面
に無電解メッキにより得た、金属銅の被覆層を25重量
%〜40重量%、より好ましくは32重量%〜38重量
%備え、かつその平均粒径が0.2〜5.0μmの範囲
内にある銅被覆炭素質粉末を加圧成形し、焼結すること
を特徴とする導電部材の製造方法、によって解決するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を、先
ず、銅被覆炭素質粉末の製造方法に基づいて説明する。
本発明の銅被覆炭素質粉末の製造方法の特徴は、第1に
無電解メッキにより炭素質粉末の表面に金属銅の被覆層
を形成させるにあたり、金属銅の析出反応の進行中に
は、前記炭素質粉末相互間に析出した金属銅によるブリ
ッジが生じないように、炭素質粉末を含む浴液を充分に
攪拌、振動、流動などの機械的運動を与えて、前記炭素
質粉末が凝集による粗粒化を防止するところにある。
【0014】また、第2には、所定量のメッキを行う前
段階として、あらかじめ、前記炭素質粉末に対して銅成
分として金属銅換算で0.8%〜3.0%含む銅塩、例
えば硫酸銅を含むメッキ浴によって下地メッキ処理を行
うこと点に特徴がある。この下地メッキ処理を行うこと
により、前述したような、メッキ処理されるべき炭素質
粉末のうち、かなりの割合でメッキが付着しない炭素質
粉末が生じるというロスを効果的に防止することができ
るのである。その理由は詳らかではないが、前記所定量
の銅塩を用いたときには、金属銅の被覆層の成長が急激
に助長されるだけの濃度にならないためと思われる。
【0015】なお、この目的に適する銅塩の所定量は、
炭素質粉末に対して銅成分として金属銅換算で3.0%
以下であるが、これをさらに2.0%以下とするのがロ
ス防止上特に好ましいが、この段階で少なくとも下地メ
ッキとしての効果を発現させるためには、0.8%以上
とする必要がある。
【0016】さらには、前記の下地メッキ処理を行った
後で、無電解銅メッキ用薬剤、例えば、硫酸銅、苛性ソ
ーダおよびホルマリンの各溶液を、前記浴液に逐次継続
的に注入しつつ、金属銅の析出するメッキ反応をその注
入量に対応して逐次継続的に行わせるのが好ましい形態
である。このようにすることにより、適度な速度でメッ
キ反応を行わせながら、析出銅がブリッジを生じること
のないように、急激な反応を抑止して粗粒化を防止する
利点が得られるのである。
【0017】さらにこのような銅被覆炭素質粉末の製造
方法をより具体的に説明する。先ず、第1ステップの操
作は、無電解メッキを行う前処理段階として、酒石酸カ
リソーダ水溶液に原料の炭素質粉末を混合する。この操
作の目的は、次の第2ステップ以降において炭素質粉末
に集中的にメッキ処理が行われるようにするためのもの
であり、炭素質粉末1kg当たり、酒石酸カリソーダ濃
度約20%水溶液を4リットルを準備すればよく、また
浴の適温は40℃〜50℃である。
【0018】次に第2ステップとして、下地メッキ処理
を行う。この場合、前記炭素質粉末に対して金属銅換算
で0.8%〜3.0%の銅成分を含む硫酸銅を添加する
が、同時に、さらにこの硫酸銅1グラムに対して、0.
5〜1.2グラムの苛性ソーダ、および濃度37%換算
のホルマリン3〜8ccを第1ステップで準備した浴液
に投入して混合し、ごく微量の金属銅の析出反応を行わ
せるようにするのである。なお、この場合の硫酸銅の添
加量は、金属銅換算で0.8%〜3.0%が好ましい
が、前述のようにメッキ不良をより確実に減少させるに
はさらに2.0%以下とするのがよい。
【0019】そして、この第2ステップの下地メッキ処
理では、浴温度40〜50℃、好ましくは45から50
℃の範囲内に維持しながら、充分に攪拌して、炭素質粉
末を動きの少ない浮遊状態にすることなく、常時内方に
巻き込むような流動状態に維持する。この操作では、前
記炭素質粉末が浮遊性から沈降性に変化するまで行う
が、その場合、当初のpHは8〜8.5であったものが
メッキ反応が進むに従い、徐々に上昇して10を超える
ようになる。この間の反応所要時間は、ほぼ10分から
15分で充分である。
【0020】第3ステップとして、仕上げメッキ処理を
行う。ここでは、先ず、硫酸銅、苛性ソーダおよびホル
マリンの各溶液をあらかじめ準備しておく。ここで硫酸
銅の分量は、炭素質粉末にメッキすべき金属銅の目標値
を基準にするのであるが、50%を超える値に設定する
のは好ましくない。また、同時に併用される苛性ソーダ
およびホルマリンの分量は、この硫酸銅1グラムに対し
て、0.5〜1.2グラムの苛性ソーダを含む水溶液、
および濃度37%換算のホルマリン0.5〜2.0cc
であり、このような比率で準備した硫酸銅、苛性ソーダ
およびホルマリンを、先の第2のステップを終了した浴
液に、その比率を維持しながら定量ポンプで継続的に3
0分〜60分かけて送入して、金属銅の析出反応を徐々
に進行させるのである。この場合、硫酸銅、苛性ソー
ダ、ホルマリンのうち、ホルマリンだけは最初に全量を
一時に添加してもメッキ処理は可能であるが、硫酸銅と
苛性ソーダは、このように徐々に送入する必要がある。
【0021】この場合、前記薬剤の送入速度は、金属銅
の析出状態に応じて調節して、炭素質粉末相互間に金属
銅のブリッジが生じない速度をあらかじめ定めておいて
もよい。また、合計送入量は、金属銅のメッキ目標値に
応じて定められるが、硫酸銅の送入量として、炭素質粉
末に対する金属銅換算50重量%以下とするのが、メッ
キ処理中の炭素質粉末粒子の凝集、粗大化を抑制する点
から好ましい。また、後記のように給電部材用原料の用
途には、25〜40重量%が適当であり、さらには32
〜38重量%に相当する分量が好ましい
【0022】この第3のステップにおいては、このよう
に所定量のメッキ反応薬剤の全量を同時に反応に供する
のではなく、反応浴液に所定の時間をかけて逐次送入し
ながらメッキ反応を行わせるところに本発明の重要な特
徴が存在するのである。また、このステップにおいて
も、浴温度40〜60℃、好ましくは45から55℃の
範囲内に冷却手段により維持しながら、炭素質粉末を静
止状態にすることなく、常時流動状態に維持することが
必要である。
【0023】以上のメッキ操作が終了した後、脱液処理
を行う。ここでは、メッキ反応が終了した銅被覆炭素質
粉末を沈降させ、上澄み液を除去してから2、3回水洗
と脱水を繰り返して、メッキ用薬剤を除去する。次い
で、変色防止剤,例えば,リン酸ソーダ水溶液に浸漬混
合してから,前記と同様に脱液、水洗、脱水を行う。最
後にアセトンで湿らせた後、脱水機で充分に水分を取
り、弱温風の乾燥機で充分に乾燥すれば、銅金属色の銅
被覆炭素質粉末を得ることができる。
【0024】以上説明した本発明の実施形態によれば、
無電解メッキにより浴液中の炭素質粉末の表面に金属銅
の被覆層を形成させるにあたり、第2ステップである下
地メッキ処理によって、先ず原料の炭素質粉末に微弱な
メッキ処理を行い、その後の仕上げメッキ処理において
金属銅が付着しないというロスが防止できる。
【0025】その後第3ステップとして、メッキ用薬剤
の注入量に応じて、メッキ反応が緩やかに継続的に行わ
れるから、金属銅が急激に析出するような激しい反応が
起きない。さらに、このメッキ操作中は、浴液を充分に
攪拌して、炭素質粉末を沈降状態にすることなく、常時
流動状態に維持するから、析出した金属銅が炭素質粉末
相互を結び付けるような余裕がないので、炭素質粉末が
凝集して一次粒子が集合して顆粒状態になることがな
い。従って、一次粒子状態の個々の炭素質粉末粒子に金
属銅が被覆した銅被覆炭素質粉末を得ることができるの
である。
【0026】かくして得られる銅被覆炭素質粉末の金属
銅の被覆量については、例えば、反応に供する銅塩の重
量をなどを調節することにより、適宜に増減させること
が可能であるが、メッキ時の粒子の粗大化を抑制するに
は、50重量%以下とするのが適当であり、また、電動
機の給電用の導電部材を焼結法により製作するための粉
末としては、焼結体の電気伝導性、潤滑性をバランスさ
せる観点からは、重量比で25〜40重量%が好ましい
範囲であり、さらには重量比で32〜38重量%が特に
好適な被覆量である。
【0027】また、このような金属銅の被覆層を備え、
かつその平均粒径が0.2〜5.0μmの範囲内にある
銅被覆炭素質粉末に適宜な結合材を添加し、これを所定
形状の金型に充填して、加圧成形し、これを還元雰囲気
炉中で、最高温度750℃〜850℃で加熱することに
より焼結すれば、十分な強度を持つ導電部材を得ること
ができる。なお、必要に応じて、さらに切削加工などを
施し、所望の形状に加工することもできる。なお、本発
明のおいて炭素質粉末として適用される炭素質材料に
は、コークスのような無定形炭素、および黒鉛のような
天然黒鉛、人造黒鉛などの結晶質炭素のいずれでも適用
できるものである。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例を本発明の範囲外の比
較例を参照しながら説明する。この実施例におけるメッ
キ条件を、表1に整理して示す。ここに示す以外の条件
については、先に説明した実施形態の内容に準じて行っ
た。また、この実施例と比較例の条件の異なる点を表2
にまとめて示す。比較例1、2は、いずれも本発明の下
地メッキ処理を欠く方法であり、特に比較例2は、実施
例のメッキ用薬剤を所定時間かけて継続的に浴液に注入
するのに対して、同量のメッキ用薬剤を一時に浴液に注
入してメッキを行わせるものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】この実施例によれば、仕上げメッキ処理に
おいてメッキが付着しないで浴液に浮遊するような炭素
質粉末のロスは殆ど認められなかったのに対して、比較
例1の場合にロス率は約35%に、また比較例2の場合
には約55%のも達するという顕著な相違が見られた。
【0032】また、仕上げメッキ処理後の銅被覆炭素粉
末の状態を比較すると、顕微鏡観察の結果、実施例の場
合は、顆粒状の二次粒子に凝集した部分が観察されない
とともに、粒表面に炭素分が露出しているような不完全
な被覆層も観察されなかった。一方、比較例1の場合
は、約80%以上の粒子が顆粒状の二次粒子に凝集した
形態を呈していた。比較例3の場合は、メッキ処理の途
中から、炭素粉末が塊状に固まる状況が肉眼で観察さ
れ、その終期には全体が一つの団子状態の固まりとな
り、個々の粒子に分離することが不可能であった。
【0033】また、上記の実施例において、仕上げメッ
キ処理に使用する硫酸銅の重量を調節することにより、
炭素質粉末原料に対する金属銅の被覆量、すなわち金属
化率を±2重量%以内の精度で制御することができた。
そして、金属化率が35±2重量%の被覆層を備え、か
つその平均粒径が0.5、1.5、および3.5μmの
3種類の銅被覆炭素質粉末をこの実施例に準じて製作
し、これを所定形状に加圧成形し、還元雰囲下、最高温
度800℃で焼結して、電動機の給電ブラシを製作し
た。これらはいずれも、人造黒鉛のように製造コストが
高いということがなく、充分な摩耗強度を備え、電気抵
抗率が低く、かつ摩擦抵抗も充分に低いので、給電ブラ
シのような導電部材として、黒鉛材料の欠点を補う好ま
しい物性を備えていることが分かった。
【0034】
【発明の効果】本発明の銅被覆炭素粉末、その製造方
法、および導電部材の製造方法は、以上に説明したよう
に構成されているので、第1に、銅金属と炭素質粉末と
を実質的に均質状態に混合することが可能となる銅被覆
炭素質粉末が提供でき、また第2に炭素質粉末表面に金
属銅を析出させて被覆させるに際して、メッキ不良のロ
スを極力少なくし、さらに粒子が凝集して粒子が粗大化
するのを防止して、当初の1次粒子の状態を維持するこ
とができる銅被覆炭素質粉末の製造方法を提供する。さ
らに、第3に、導電性と摺動潤滑性を兼ね備えた導電部
材の製造方法を提供することが可能となる。よって本発
明は従来の問題点を解消した新規は発明として、その工
業的価値は極めて大なるものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−17404(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/00 - 18/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が一次粒子の炭素質粉末からなり、
    その表面に炭素質粉末に対する金属銅の被覆量が25重
    量%〜40重量%である、無電解メッキにより得た金属
    銅の被覆層を備えたことを特徴とする銅被覆炭素質粉
    末。
  2. 【請求項2】 炭素質粉末に対する金属銅の被覆量が、
    32重量%〜38重量%重量比である請求項1に記載の
    銅被覆炭素質粉末。
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