JP2997680B2 - キャッシュレジスタ用前面表示器の摺動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＰＯＳシステム等
に用いるキャッシュレジスタにおいて、商品価格等をキ
ャッシュレジスタのオペレータに対して表示するための
前面表示器に関し、特に、その前面表示器を摺動させる
ようにした装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＰＯＳシステム等に用いるキャッシュレ
ジスタにおいては、例えば図３に示すように、キー入力
部１、タッチ入力部２等を備えた操作面３を備え、その
前方上部にプリンターのロール紙出口４、その図中右側
には商品価格等を表示するため液晶等のオペレータ用表
示器５が設けられており、レジスタ箱体６の後端部には
商品価格を客に対して表示する客用表示器７を設けてい
る。

【０００３】従来のキャッシュレジスタにおける表示部
としては、通常、上記のようにオペレータ用の表示器５
と客用表示器７とが設けられており、これらの表示器の
うち、客用の表示器は、オペレータの位置と客の位置と
が各店によって千差万別のため、各店の実状に合わせて
任意の方向に向ける必要があり、回転自在とすることが
多く、また、キャッシュレジスタの機台から大きく突出
するので、必要に応じてコンパクトに収納できるように
機台から摺動自在とすることも行われている。それに対
して、オペレータ用の表示器は、キャッシュレジスタに
対するオペレータの位置は決まっているので、キャッシ
ュレジスタの機台に固定されているのが通常である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のキ
ャッシュレジスタにおいて、取扱い金額が大きい店にお
いては大きな桁数を表示できる表示器を備えたレジスタ
が望まれており、また、できる限り多くの店で使用可能
なように汎用性のあるキャッシュレジスタをつくる必要
性からも、金額を表示する表示器は、１０桁程度は表示
できることが望まれることが多くなっている。そのた
め、表示器は大型にならざるをえないが、客用の表示器
は機台からもともと突出しており、必要に応じて収納可
能としておけば問題ないが、オペレータ用の表示器は通
常機台に固定されているので、表示器を大きくするため
には機台自体を大きくするか、表示器のみ機台からはみ
出させるか、あるいは、この表示器に隣接するプリンタ
用のロール紙出口部分の配置を変える等の対策が必要と
なる。また、これらのことができなければ表示器を小さ
くせざるを得ない。

【０００５】しかしながら、例えば、表示器を大きくす
るために機台を大きくすることは店内の有効スペースを
減少させることとなり、キャッシュレジスターの取扱い
性を悪くすることともなる。また、表示器のみ機台から
はみ出させることは、キャッシュレジスタの運搬時や取
扱い時に表示器を破損する危険性が高く好ましくない。
さらに、プリンタ用のロール紙出口部分の配置を変える
ためには、プリンタの機構を変える等内部の大きな変更
を必要とし、設計変更部分が大がかりなものとなる欠点
があり、かつ、プリンタ部分をどのように変えても、こ
の部分はどうしても１５ｃｍ程度は必要とされる。更
に、表示器を小さくするとオペレータの操作時にオペレ
ータが表示器を目視しにくくなり、入力ミス等の操作ミ
スを誘発する原因となる。

【０００６】したがって、本発明は、表示桁数を大きく
する等により表示器を大きくしても機台を大きくする必
要がなく、また、表示器部分が機台からはみ出すことも
なく、プリンター部分の変更を必要とせず、更に、表示
器の大きさを変えずに表示桁数のみを大きくすることに
よる表示部の見にくさ等を解消することができるキャッ
シュレジスタの前面表示器を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、キャッシュレジスタの機台の上面パネル
に開設した溝孔の周縁部分の上面と下面を挟持する挟持
部と、オペレータ用表示器を支持する支持部とを有する
支持部材を備え、該支持部材の挟持部を前記溝孔に沿っ
て移動可能としたキャッシュレジスタの前面表示器の摺
動装置において、前記支持部材の挟持部が表示部の下端
に突出した支持柱に支持されたスプリングにより溝孔の
下面に弾性的に当接する当金を備えたことを特徴とする
キャッシュレジスタの前面表示器の摺動装置を構成する
ものである。

【０００８】本発明は上記のように構成したので、オペ
レータ用表示器はキャッシュレジスタの機台の上側フレ
ームに開設した溝孔の周縁を挟持しつつ、キャッシュレ
ジスタの横方向に移動可能となり、表示器に隣接してプ
リンタのロール紙用開閉蓋等がある場合でも、通常使用
持にはその開閉蓋の前面を覆う位置に表示器を配置して
使用し、開閉蓋を解放するとき等にはその開閉蓋の前面
を覆うことのない位置に移動させ、自由に開閉蓋を開閉
させることができる。

【０００９】

【発明の実施の態様】本発明の実施例を図面に沿って説
明する。本発明に表示器を適用するＰＯＳシステム等に
用いるキャッシュレジスタは、上記図３に示すものと同
様のものが用いられ、前記のように、キー入力部１、タ
ッチ入力部２等を備えた操作面３を備え、その前方上部
にプリンターのロール紙出口４、その右側には商品価格
等を表示するため液晶等のオペレータ用表示器５が設け
られており、この部分はキー入力部１等の面より垂直方
向に傾斜している。キャッシュレジスタ箱体６の後端部
には商品価格を客に対して表示する客用表示器７を設け
ている。

【００１０】 図１、図２に示すように、オペレータ用
表示器５は、ケース１０内に支柱１１により支持された
液晶パネル１２を有し、この液晶パネル１２は周知のよ
うに、キャッシュレジスタの制御回路からの金額表示出
力等により金額等が表示される。ケース１０の前面には
透明パネル１３が設けられ、液晶パネル１２の表示をオ
ペレータが目視することができるようになっている。ケ
ース１０の下部にはブラケット１４が突出しており、ブ
ラケット１４は支持体１５に対して図１に示すようにね
じ１６を中心に回動自在に支持されている。

【００１１】支持体１５は、表示器５のブラケット１４
と結合される立設部１７と、キャッシュレジスタ箱体６
の上面パネル１８に開設した溝孔２０の上面に当接する
ガイド部２１とを備えており、立設部１７にはナット挿
通孔２２を有し、その片面にはナット２３を嵌合するナ
ット受け部２４を形成している。ガイド部２１は溝孔２
０の横幅方向に延びる横ガイド部２５と、溝孔２０の前
後幅方向において、前方に延びる前方ガイド部２６及び
後方に延びる後方ガイド部２７とから構成され、前方ガ
イド部２６はキー入力用の面と一致し、後方ガイド部２
７はキー入力用の面より垂直方向に傾斜した表示器設置
用の面と一致させている。また、支持体１５のガイド部
２１の下面には、下方に突出したストッパ部２８を備え
ている。

【００１２】支持体１５には左右２本の支持柱３０が下
方に突出しており、支持柱３０の下端はキャッシュレジ
スタのケース１０の溝孔２０より下方に延出し、その下
端にはねじ穴３１を設けている。支持柱３０の外周下端
部近傍にはガイド部３２を形成しており、このガイド部
３２は当て金３３の通孔３４に貫通している。支持柱３
０の下端にはねじ３５により筒状リテーナ３６を固定し
ており、リテーナ３６と当て金３３との間にスプリング
３７を縮設している。

【００１３】 このスプリング３７の押圧力により、当
て金３３を溝孔２０の周縁下面に押圧するとともに、そ
の反力によりリテーナ３６、ねじ３５、支持柱３０、及
び支持体１５を下方に押圧し、それにより支持体１５の
ガイド部２１を溝孔２０の周縁上面に押圧し、その結
果、スプリング３７によって溝孔２０の上面と下面は、
ガイド部２１と当て金３３により挟持され、表示器５
は、上記部分によって溝孔２０の周縁を挟持しつつこの
溝孔２０に沿って左右方向に摺動可能となっている。

【００１４】上記のように、溝孔２０に沿って表示器５
が移動するに際して、図１において、ストッパ部２８の
左端が溝孔２０の左端に当接する状態が、表示器が最も
左端の状態となり、逆にストッパ部２８の右端が溝孔２
０の右端に当接する状態が、表示器が最も右端と状態と
なる。そして、レジスタを通常使用するときは表示器が
最も左端の状態に置かれ、このときの表示器５の左端は
キャッシュレジスタのプリンタ部におけるロール紙の収
納カバー８を覆う状態となり、右端はキャッシュレジス
タの機台の右端と略一致する位置とされている。また、
キャッシュレジスタのプリンタのロール紙を取り替える
際等において、表示器を最も右端に移動したときは、表
示器の左端はロール紙の収納カバー８の前面からはず
れ、収納カバーが自由に開閉できる状態となり、その時
の表示器の右端は、キャッシュレジスタの機台の右端か
ら一時的に突出する状態となる。

【００１５】上記構成からなるキャッシュレジスタの通
常の使用時には、表示器５を手によって左側に移動さ
せ、溝孔２０内においてストッパ部２８を左端に当接さ
せることにより、表示器５を最も左端に移動させる。こ
の状態においては、表示器５の左端はロール紙の収納カ
バー８を覆い、右端はキャッシュレジスタの機台の右端
と略同一とされ、ロール紙の出力には干渉せず、かつキ
ャッシュレジスタの機体からは突出することのない状態
となる。使用に際して、オペレータの目の高さや光の反
射等により表示器が見にくいときには、表示器をねじ１
６を中心に傾動させて最も良い状態で使用することがで
きる。

【００１６】ロール紙を新しいものと交換する際等、ロ
ール紙の収納カバー８を解放する際には、表示器を手に
よって右側に移動し、溝孔２０内においてストッパ部２
９を右端に当接させることにより、表示器５を最も右端
に移動させる。この状態においては、表示器５の左端は
ロール紙の収納カバー８の前面からはずれ、右端はキャ
ッシュレジスタの機台の右端から突出した状態となる。
このように、表示器５はロール紙の収納カバー８の前面
からはずれるので、収納カバーを自由に開閉することが
できる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、上記のように構成したので、
表示桁数を大きくする等により表示器を大きくしても機
台を大きくする必要がなく、また、通常使用時には表示
器部分が機台からはみ出すこともない。更に、プリンタ
ー部分の変更を必要とせず、かつ、表示器の大きさを変
えずに表示桁数のみを大きくすることによる表示部の見
にくさ等を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の断面図である。

【図２】同表示器部分の一部断面を示す正面図である。

【図３】本発明を適用するキャッシュレジスタの斜視図
である。

【符号の説明】

１ キー入力部 ２ タッチ入力部 ３ 操作面 ４ ロール紙出口 ５ オペレータ用表示器 ６ キャッシュレジスタ箱体 ７ 客用表示器 ８ 収納カバー １０ ケース １１ 支柱 １２ 液晶パネル １３ 透明パネル １４ ブラケット １５ 支持体 １６ ねじ １７ 立設部 １８ 上面パネル ２０ 溝孔 ２１ ガイド部 ２２ ナット挿通孔 ２３ ナット ２４ ナット受け部 ２５ 横ガイド部 ２６ 前方ガイド部 ２７ 後方ガイド部 ２８ ストッパ部 ３０ 支持柱 ３１ ねじ穴 ３２ ガイド部 ３３ 当て金 ３４ 通孔 ３５ ねじ ３６ リテーナ ３７ スプリング

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャッシュレジスタの機台の上面パネル
   に開設した溝孔の周縁部分の上面と下面を挟持する挟持
   部と、オペレータ用表示器を支持する支持部とを有する
   支持部材を備え、該支持部材の挟持部を前記溝孔に沿っ
   て移動可能としたキャッシュレジスタの前面表示器の摺
   動装置において、前記支持部材の挟持部が表示部の下端
   に突出した支持柱に支持されたスプリングにより溝孔の
   下面に弾性的に当接する当金を備えたことを特徴とする
   キャッシュレジスタの前面表示器の摺動装置。
2. 【請求項２】 前記支持部材は支持体と支持柱とからな
   る請求項１記載のキャッシュレジスタの前面表示器の摺
   動装置。
3. 【請求項３】 前記挟持部は前記支持体のガイド部と当
   金とからなる請求項１又は請求項２記載のキャッシュレ
   ジスタの前面表示器の摺動装置。
4. 【請求項４】 前記支持柱はリテーナを備え、該リテー
   ナと前記当金との間に前記スプリングを縮設してなる請
   求項１ないし請求項３のいずれかに記載のキャッシュレ
   ジスタの前面表示器の摺動装置。