JP2996615B2 - ビタビ復号装置及びその方法 - Google Patents

ビタビ復号装置及びその方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畳み込み符号の誤
り訂正復号を行うパストレース方式のビタビ復号装置及
び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビタビ(Viterbi )復号装置は、畳み込
み符号の最尤復号法に使用されるものであり、誤り訂正
能力が高いことから、伝送誤りが生じやすい衛星通信、
衛星放送等の伝送方式における復号器に用いられてい
る。復調回路の高速化及び集積化に伴い、低消費電力で
あり高速動作可能なビタビ復号装置が望まれている。
【0003】図14は、畳み込み符号の符号器の構成例
を示す図である。図14に示す符号器は、3つのシフト
レジスタ13a、13b及び13cを備えており、1ビ
ットのデータYから2ビットの畳み込み符号X1 、X0
を生成する。シフトレジスタ13aは2つ前に入力され
たデータS1 を保持し、シフトレジスタ13bは1つ前
に入力されたデータS0 を保持している。また、シフト
レジスタ13cは入力されたデータYを保持する。符号
X1 は、データS1 及びYから求められ、符号X0 は、
データS1 、S0 及びYから求められる(このことを、
[1+D2 ,1+D+D2 ]と表す)。また、符号器が
備えているシフトレジスタの数(図14では3である)
を符号器の拘束長という。
【0004】図14に示す符号器の状態は、シフトレジ
スタ13a及び13bに保持された2ビットのデータS
1 、S0 によって決定され(以後、状態S1 S0 と表
す)、各状態において出力される畳み込み符号X1 、X
0 は、入力されるデータYに従って一義的に定まる。状
態S1 S0 においてデータYが入力されたときに畳み込
み符号X1 X0 が出力されることを図15(a)のよう
に表すとすると、図14に示す符号器の動作は、図15
(b)に示すような状態遷移図によって表現することが
できる。例えば、状態01においてデータ1が入力され
たとき、畳み込み符号として10が出力されると共に、
シフトレジスタのシフト動作によって符号器の状態が1
1に変化する。また符号器の状態の数は、畳み込み符号
の拘束長をKとすると、2(K-1) になる。
【0005】各状態から出るパスを時間的に横方向に並
べたものがトレリス線図である。図16は、図15
(b)に示した状態遷移図を基に作成されたトレリス線
図である。図16において、各状態から出る実線の矢印
は入力データYが0のときのパス、破線の矢印は入力デ
ータYが1のときのパスを示す。また、各状態に対応す
る点をノードという。
【0006】ビタビ復号とは、図16に示すようなトレ
リス線図上において、送信された符号系列によるパスに
最も近いパス(最尤パスという)を求め、最尤パスをト
レースバックすることによって復号を行うものである。
【0007】例えば、点aに注目すると、符号器の状態
は01であり、この状態01は、状態00にデータ1が
入力されたか又は状態10にデータ1が入力されたかの
いずれかによって生じたものである。図17は、このと
きの符号器の動作を示す図である。図17から分かるよ
うに、状態00にデータ1が入力されたときはシフトレ
ジスタからデータ0がシフトアウトされ、状態10にデ
ータ1が入力されたときはシフトレジスタからデータ1
がシフトアウトされる。このシフトアウトされたデータ
は、パスがどの状態から来たのかを表すパスセレクト信
号(PS信号)となる。すなわち、パスが上から来たと
き(状態00から来たとき)0になり、パスが下から来
たとき(状態10から来たとき)1になる。
【0008】したがって、最尤パスが通過する各ノード
のPS信号自体が、符号器からシフトアウトされた信号
すなわち過去に入力された信号となるので、最尤パスを
トレースバックして各ノードのPS信号を求めることに
よって復号が行われる。
【0009】以下、従来のビタビ復号装置について説明
する。
【0010】従来のビタビ復号装置の例として、マルチ
ポートメモリを4分割して4つのトレースバックメモリ
を構成し、各トレースバックメモリの動作のパイプライ
ン化を行い、動作の高速化且つ低消費電力化を図ったも
のがある('A 45-Mbit/sec.VLSI Viterbi Decorder for
Digital Video Applications' IEEE Natl Telesystems
Conf. Vol. 1993 p.127-130' 93.STANFORD TELECOM
)。
【0011】図18は、従来のビタビ復号装置の構成を
示すブロック図である。図18において、801は入力
された受信符号からパスセレクト信号を生成するACS
(Adder Compare Select)回路、802はマルチポート
メモリからなるトレースバックメモリ、803はトレー
スバック回路、804はアドレス生成回路、805は装
置全体の動作タイミングを制御するタイミング生成回路
である。トレースバックメモリ802は、4つのバンク
(bank0,bank1,bank2及びbank
3)に分割されており、送信側の符号器の拘束長をK、
復号のためのトレースバックを行う単位であるトレース
バック長をmとすると、各バンクのデータビット幅は2
(K-1) でありワード数はmとなる。
【0012】また、ACS回路801は、受信符号を入
力として複数のブランチメトリックを生成するブランチ
メトリック生成手段806、加算器807、比較器80
8、セレクタ809及びパスメトリックを記憶するパス
メトリック記憶手段810を有している。
【0013】ACS回路801によるPS信号の求め方
を、図19(a)を用いて説明する。図19(a)は拘
束長3の符号器のトレリス線図であり、各時刻における
各ノードのPS信号によって示されたパスのみが記され
ている。また、fは受信符号が入力される時間刻みを表
すシンボルレートである。
【0014】例として、時刻(T0 +f)におけるノー
ド2のPS信号を求める場合を説明する。まず、時刻
(T0 +f)において、ノード2に到達する可能性のあ
るパスのパスメトリックを計算する。時刻(T0 +f)
においてノード2に到達する可能性のあるパスは、時刻
T0 においてノード1又はノード3を通るパスである。
ここで、時刻T0 においてノード1を通るパスのパスメ
トリックをPM1 、ノード3を通るパスのパスメトリッ
クをPM3 とする。このパスメトリックは、パスメトリ
ック記憶手段810に記憶されている。
【0015】時刻(T0 +f)において入力された受信
符号に対し、ブランチメトリック生成手段806によっ
て複数のブランチメトリックが生成される。ノード1か
らノード2に分岐するときのブランチメトリックをBM
12、ノード3からノード2に分岐するブランチメトリッ
クをBM32とする。このとき、ノード1を介してノード
2に到達するパスのパスメトリックは(PM1 +BM1
2)となり、ノード3を介してノード2に到達するパス
のパスメトリックは(PM3 +BM32)となる。この加
算は加算器807によって行われる。
【0016】パスメトリックは、そのパスが確からしい
ほど小さな値となる。そこで、2つのパスメトリックが
比較器808によって比較され、比較器808はパスメ
トリックの値が小さい方のパスに対応するPS信号を出
力する。セレクタ809は、比較器808から出力され
たPS信号に従ってパスメトリックを選択し、新たにパ
スメトリック記憶手段810に入力する。
【0017】時刻(T0 +f)におけるノード2ではノ
ード1を介してノード2に到達するパスが選択されたの
で、PS信号は0になっている。ACS回路801は、
受信符号が入力されると各ノードについてPS信号の演
算を行う。このため、ACS回路801から出力された
PS信号のビット数は、ノード数すなわち符号器の状態
数となる。図19では、符号器の拘束長が3であるため
ノード数が4となり、したがって、PS信号のビット数
も4になる。ACS回路801から出力されたPS信号
は、アドレス生成回路804によって生成された書き込
みアドレスに従って、図19(b)に示すようにトレー
スバックメモリ802に書き込まれる。
【0018】次に、トレースバックによって信号を復号
する方法について説明する。前述したように、最尤パス
が通過する各ノードのPS信号が復号信号となるので、
トレリス線図上において最尤パスを求めることができれ
ば信号を復号することができる。図19(a)におい
て、実線で示されたパスが最尤パスであるとすると、最
尤パスは時刻(T0 +5f)においてノード1を通過し
ているので、ノード1からトレースバックを行うことに
より信号を復号することができる。
【0019】ここで、ノードiのPS信号をPSi とし
たとき、最尤パスが1シンボル前に通過するノードの番
号jは、 j=PSi ・2(K-2) +[i/2] ・・・(1) (ただし、[x]はxを越えない最大の整数を意味す
る)で表される。
【0020】まず、時刻(T0 +5f)におけるノード
1のPS信号が“0”であるので、復号信号として
“0”を出力する。次に、式(1)にi=1、PSi =
0を代入するとj=0となるので、時刻(T0 +4f)
において最尤パスが通過するノードの番号は0であるこ
とが分かる。時刻(T0 +4f)におけるノード0のP
S信号は“1”であるので、復号信号として“1”を出
力する。
【0021】次に、式(1)にi=0、PSi=1を代
入するとj=2となるので、時刻(T0 +3f)におい
て最尤パスが通過するノードの番号は2であることが分
かる。時刻(T0 +3f)におけるノード2のPS信号
は“1”であるので、復号信号として“1”を出力す
る。以下、同様に最尤パスをトレースバックしていく
と、復号信号は{0,1,1,0,0,0}となる。こ
の復号信号は送信された順序とは逆の順序で得られるの
で、時間関係を逆転して{0,0,0,1,1,0}と
する。このように、トレースバックを行うことによっ
て、信号を復号することができる。
【0022】ただし、このようなトレースバックを行う
ためには、トレースバックを開始する開始ノード番号を
求める必要がある。
【0023】図19(a)から分かるように、時刻(T
0 +5f)において各ノードに到達しているパスは、時
刻T0 において全てノード0を通過する。また、時刻T
0 よりも過去の最尤パスは、時刻T0 においてノード0
を通過することは明らかである。一般的に、各ノードに
到達しているパスは、拘束長Kの数倍過去の時点で全て
同一のノードを通過する。したがって、時刻T0 におい
て最尤パスが通過したノードの番号は、時刻(T0 +5
f)においてようやく検出することができる。
【0024】図20は、図17に示すビタビ復号装置の
動作を説明するための図である。同図中、(a)は時刻
T0 からT5 までの受信符号から生成される最尤パス、
(b)は時刻T0 からT5 までの、トレースバックメモ
リ802の各バンクの動作状態を示している。
【0025】まず、ステート1において、トレースバッ
クメモリ802の各バンクには、ACS回路801から
出力されたm個のPS信号が書き込まれる。時刻T0 か
らT1 の間はバンク0がステート1であるので、バンク
0にPS信号が書き込まれる。時刻T1 からT2 の間は
バンク1がステート1であるので、バンク1にPS信号
が書き込まれる。同様に、時刻T2 からT3 の間はバン
ク2にPS信号が書き込まれ、時刻T3 からT4 の間は
バンク3にPS信号が書き込まれる。
【0026】時刻T0 からT1 までのPS信号から送信
信号を復号するためには、時刻T1において最尤パスが
通過するノードの番号Aを知る必要がある。ノード番号
Aは、時刻T1 から時刻T2 までのPS信号を任意のノ
ードからトレースバックすることによって求めることが
できる。なぜなら、時刻T2 において各ノードを通過す
る全てのパスは、時刻T1 において最尤パスが通過する
ノードを通過するからである。このような仮のトレース
バックを行うのがステート2である。
【0027】したがって、ノード番号Aが求まるのはバ
ンク1においてステート2が終了したときであり、バン
ク1がステート2のときバンク0はアクセスのないステ
ート3となる。
【0028】最後に、ステート4において、最尤パスの
トレースバックが行われ送信信号が復号される。バンク
0は、時刻T3 からT4 の間はステート4となり、ノー
ドAから最尤パスのトレースバックが行われ、トレース
バックの結果から時刻T0 からT1 の間の送信信号が復
号される。同様に、バンク1は、時刻T4 からT5 の間
はステート4となり、バンク2のステート2において求
められたノードBから最尤パスのトレースバックが行わ
れ、トレースバックの結果から時刻T1 からT2 の間の
送信符号が復号される。
【0029】このように、各バンクの動作状態がステー
ト1からステート4まで巡回的に変化することにより、
復号が行われる。すなわち、図18に示すビタビ復号装
置の動作はパイプライン化されている。なお、トレース
バックによる復号では送信された順序とは逆に復号され
るので、トレースバック回路803には時間関係を逆転
するための何らかの手段が必要となる。
【0030】このようなパイプライン化されたトレース
バックにより、受信符号のシンボルレートと復号のレー
トとが等しくなるので、高速な復号が実現可能である。
また、トレースメモリ802が通常のRAMで実現され
るので、消費電力を低減することができる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ビタビ復号装置には以下のような問題がある。
【0032】ビタビ復号において誤り訂正能力を向上さ
せるためには、トレースバック長mを拘束長kに対して
十分大きくする必要がある。ところが、トレースバック
長mを大きくすると必要となるトレースバックメモリの
容量が増大する。しかも、図18に示すようなビタビ復
号装置によると、トレースバックメモリ802の各バン
クは4つ必要になるので、装置の高集積化に適さなくな
る。
【0033】また、マルチポートのメモリを使用するた
め、メモリサイズの増加に伴い装置の高速化に制約が生
じるといった問題がある。
【0034】前記の問題に鑑み、本発明は、信号の復号
に要するトレースバックメモリの記憶容量が従来よりも
格段に小さくなり、高集積度且つ低消費電力であり而も
高速動作が可能であるビタビ復号装置及び方法を提供す
ることを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、請求項1の発明が講じた解決手段は、畳み込み符号
化された受信符号をパストレース方式によって復号する
ビタビ復号方法として、トレースバック長分のパスセレ
クト信号を記憶可能である記憶部を複数個用い、受信符
号から生成された1トレースバック長分のパスセレクト
信号を一の記憶部に書き込むと共に、この一の記憶部に
書き込むパスセレクト信号から、他の記憶部に書き込ま
れた,前記一の記憶部に書き込むパスセレクト信号の前
の1トレースバック長分のパスセレクト信号における最
尤パスの終端のノード番号を求める第1のステップと、
前記第1のステップにおいて求めたノード番号を開始ノ
ード番号として前記他の記憶部に書き込まれたパスセレ
クト信号に対してトレースバックを行い、信号を復号す
る第2のステップとを備えたものである。
【0036】請求項1の発明によると、第1のステップ
において、受信符号から生成された1トレースバック長
分のパスセレクト信号を一の記憶部に書き込む処理と、
他の記憶部に書き込まれた,前記一の記憶部に書き込ま
れたパスセレクト信号の前の1トレースバック長分のパ
スセレクト信号における最尤パスの終端のノード番号を
求める処理とを合わせて実行する。すなわち、従来の方
法では別の処理として実行していた2つの処理を同時に
実行するので、従来必要であった,最尤パスの終端のノ
ード番号を求めるための仮のトレースバックを行うだけ
の処理を省くことができ、処理時間を削減することがで
きる。したがって、従来よりも信号の復号を高速に行う
ことができる。
【0037】そして請求項2の発明では、前記請求項1
のビタビ復号方法における各記憶部の動作状態を、当該
記憶部を前記一の記憶部として前記第1のステップを実
行する第1のステートと、前記第1のステートにおいて
実行された第1のステップにより当該記憶部に書き込ま
れたパスセレクト信号の後の1トレースバック長分のパ
スセレクト信号を書き込む記憶部に対して、この記憶部
を前記一の記憶部として前記第1のステップが実行され
るのを待つ第2のステートと、当該記憶部を前記他の記
憶部として前記第2のステップを実行する第3のステー
トとに順に巡回的に変化させるものとする。
【0038】請求項2の発明によると、各記憶部の動作
状態を第1ステートから第3ステートまで順に変化させ
ると、1トレースバック長分の信号を復号することがで
きる。すなわち、従来の方法では必要であった,最尤パ
スの終端のノード番号を求めるための仮のトレースバッ
クを行うステートが不要になり、信号復号のために必要
なステート数が4から3に削減される。このため、信号
復号を連続的に行うためには従来は4個の記憶部が必要
であったところを、本発明では3個の記憶部があればよ
いことになるので、パスセレクト信号を記憶するための
記憶容量を削減することができる。
【0039】さらに請求項3の発明では、前記請求項2
のビタビ復号方法における複数の記憶部として3個の記
憶部を用い、各記憶部の動作状態を、1ステートずつず
らして前記第1〜第3のステートの順に巡回的に変化さ
せるものとする。
【0040】また請求項4の発明では、前記請求項1の
ビタビ復号方法における各記憶部は、当該記憶部を前記
一の記憶部とした前記第1のステップと、当該記憶部を
前記他の記憶部とした前記第2のステップとを並列に実
行可能に構成されており、前記各記憶部の動作状態を、
当該記憶部を前記他の記憶部として前記第2のステップ
トレースバックの方向を当該記憶部のアドレスの昇順
の方向として実行すると共に、当該記憶部を前記一の記
憶部として前記第1のステップをパスセレクト信号の書
き込み方向を当該記憶部のアドレスの昇順の方向として
実行する第1のステート、前記第1のステートにおいて
実行された第1のステップにより当該記憶部に書き込ま
れたパスセレクト信号の後のパスセレクト信号が書き込
まれる記憶部に対して、この記憶部を前記一の記憶部と
して前記第1のステップが実行されるのを待つ第2のス
テート、当該記憶部を前記他の記憶部として前記第2の
ステップをトレースバックの方向を当該記憶部のアドレ
スの降順の方向として実行すると共に、当該記憶部を前
記一の記憶部として前記第1のステップをパスセレクト
信号の書き込み方向を当該記憶部のアドレスの降順の方
向として実行する第3のステート、前記第3のステート
において実行された第1のステップにより当該記憶部に
書き込まれたパスセレクト信号の後のパスセレクト信号
が書き込まれる記憶部に対して、この記憶部を前記一の
記憶部として前記第1のステップが実行されるのを待つ
第4のステートの順に巡回的に変化させるものとする。
【0041】さらに請求項5の発明では、前記請求項4
のビタビ復号方法における複数の記憶部として2個の記
憶部を用い、各記憶部の動作状態を、1ステートずつず
らして前記第1,第2、第3および第4のステートの順
に巡回的に変化させるものとする。
【0042】また、請求項6の発明が講じた解決手段
は、入力された受信符号をパストレース方式によって復
号するビタビ復号装置として(送信側の符号器の拘束長
をK(Kは正の整数)、復号のためのトレースバックを
行う単位であるトレースバック長をm(mは正の整数)
とする)、前記受信符号を入力とし、各受信符号に対し
て、前記符号器の状態を示す各ノードに各ビットが対応
する2 (K-1) ビットのパスセレクト信号を生成出力する
ACS(Add Compare Select)回路と、ビット幅が2
(K-1) でありワード数がmである記憶領域を有してお
り、前記ACS回路から出力されたパスセレクト信号を
m個ずつ記憶する第1、第2及び第3の記憶部と、前記
第1〜第3の記憶部に対する書き込みアドレス及び読み
出しアドレスを生成するアドレス生成回路と、前記第1
〜第3の記憶部のいずれか1つを順次選択し、選択した
記憶部に前記ACS回路から出力されたパスセレクト信
号を前記アドレス生成回路によって生成された書き込み
アドレスに従って書き込む信号書き込み回路と、前記第
1〜第3の記憶部のいずれか1つを順次選択し、選択し
た記憶部から前記アドレス生成回路によって生成された
読み出しアドレスに従ってパスセレクト信号を読み出す
信号読み出し回路と、前記ACS回路から生成出力され
たパスセレクト信号をm個ずつ入力し、入力したm個の
パスセレクト信号から、このm個のパスセレクト信号の
1つ前のパスセレクト信号において最尤パスが通過する
ノードの番号である開始ノード番号を決定する開始ノー
ド番号決定回路と、前記信号読み出し回路によって読み
出されたm個のパスセレクト信号を入力とし、このm個
のパスセレクト信号に対して、前記開始ノード番号決定
回路によって決定された開始ノード番号に対応するビッ
トから順にトレースバックを行い、信号を復号するトレ
ースバック回路とを備え、前記ACS回路から生成出力
されたm個のパスセレクト信号が前記信号書き込み回路
によって前記第1〜第3の記憶部のいずれか1つに書き
込まれると共に前記開始ノード番号決定回路によって開
始ノード番号が決定されると、前記m個のパスセレクト
信号の前に生成されたm個のパスセレクト信号が、前記
第1〜第3の記憶部のいずれか1つから書き込みとは逆
の順序で読み出され、読み出されたm個のパスセレクト
信号が前記トレースバック回路によって前記開始ノード
番号に対応するビットから順にト レースバックされる
のである。
【0043】請求項6の発明により、ACS回路から出
力されたパスセレクト信号は、信号書き込み回路によっ
て、第1〜第3の記憶部のいずれか1つにm個ずつ順次
書き込まれる。またこのとき、開始ノード番号決定回路
によって、書き込まれたm個のパスセレクト信号の1つ
前のパスセレクト信号において最尤パスが通過するノー
ドの番号が決定される。このノード番号が、前記m個の
パスセレクト信号の前に生成されたm個のパスセレクト
信号のトレースバックを行う際の開始ノード番号とな
る。開始ノード番号が決定されたm個のパスセレクト信
号は、信号読み出し回路によって、第1〜第3の記憶部
のいずれか1つから書き込みとは逆の順序で読み出さ
れ、トレースバック回路によって、決定された開始ノー
ド番号に対応するビットから順にトレースバックされ、
信号が復号される。
【0044】すなわち、受信符号から生成されたm個の
パスセレクト信号を記憶部に書き込む処理と、このm個
のパスセレクト信号の前のm個のパスセレクト信号につ
いての開始ノード番号を求める処理とを同時に実行する
ことができるので、従来必要であった,開始ノード番号
を求めるために仮のトレースバックを行うための処理時
間を削減することができる。したがって、従来よりも信
号の復号を高速に行うことができる。
【0045】また、従来必要であった,開始ノード番号
を求めるための仮のトレースバックを行うステートが不
要になり、信号復号のために必要なステート数を4から
3に削減することができるので、従来は信号復号を連続
的に行うためには、4m個のパスセレクト信号を記憶可
能であることが必要であったところを、本発明では多く
とも3m個のパスセレクト信号が記憶可能であればよい
ので、パスセレクト信号を記憶するための記憶容量を削
減することができ、大幅な回路の削減が実現できる。
た、1ポートメモリを使用することが可能になり、レイ
アウト面積の大幅な削減も可能になり、さらに高速動作
も可能になる。
【0046】そして、請求項7の発明では、前記請求項
のビタビ復号装置は、前記ACS回路から出力された
パスセレクト信号と前記トレースバック回路から出力さ
れた復号信号とを合成して、前記信号書き込み回路に入
力するビット合成回路と、前記信号書き込み回路により
読み出された信号をパスセレクト信号と復号信号とに分
離して出力するビット分離回路とを備えたものとし、前
記第1〜第3の記憶部はビット幅がでありワード数が
mである記憶領域をさらに有しており、前記信号書き込
み回路は、択した記憶部に前記ビット合成回路から入力
された信号を書き込み、前記信号読み出し回路は選択し
た記憶部から読み出した信号を前記ビット分離回路に入
力するものとする。
【0047】請求項7の発明によると、トレースバック
を行うことによって求められた復号信号を時間的に逆転
して出力することができる。
【0048】また、請求項8の発明では、前記請求項6
のビタビ復号装置におけるアドレス生成回路は、前記受
信符号と同じ周期で生成されるクロック信号のクロック
数を計数し、計数値のmの剰余を出力するカウンタと、
前記カウンタの出力データを入力とし、該出力データの
(m−1)の補数を生成して出力する補数生成回路とを
備え、前記カウンタの出力データ及び前記補数生成回路
の出力データのうち、一方を書き込みアドレスとして前
記信号書き込み回路に入力し、他方を読み出しアドレス
として前記信号読み出し回路に入力するものとする。
【0049】また、請求項9の発明が講じた解決手段
は、入力された受信符号をパストレース方式によって復
号するビタビ復号装置として(送信側の符号器の拘束長
をK(Kは正の整数)、復号のためのトレースバックを
行う単位であるトレースバック長をm(mは正の整数)
とする)、前記受信符号を入力とし、各受信符号に対し
て、前記符号器の状態を示す各ノードに各ビットが対応
する2 (K-1) ビットのパスセレクト信号を生成出力する
ACS(Add Compare Select)回路と、ビット幅が2
(K-1) でありワード数が(m+a)(aは0又は正の整
数)である記憶領域を有しており、前記ACS回路から
出力されたパスセレクト信号をm個ずつ記憶する第1及
び第2の記憶部と、前記第1及び第2の記憶部に対する
書き込みアドレス及び読み出しアドレスを生成するアド
レス生成回路と、前記第1の記憶部及び第2の記憶部の
いずれかを交互に選択し、選択した記憶部に、前記AC
S回路から出力されたパスセレクト信号を前記アドレス
生成回路によって生成された書き込みアドレスに従って
書き込む信号書き込み回路と、前記第1の記憶部及び第
2の記憶部のいずれかを交互に選択し、選択した記憶部
から、前記アドレス生成回路によって生成された読み出
しアドレスに従ってパスセレクト信号を読み出す信号読
み出し回路と、前記ACS回路から生成出力されたパス
セレクト信号をm個ずつ入力し、入力したm個のパスセ
レクト信号から、このm個のパスセレクト信号の1つ前
のパスセレクト信号において最尤パスが通過するノード
の番号である開始ノード番号を決定する開始ノード番号
決定回路と、前記信号読み出し回路によって読み出され
たm個のパスセレクト信号を入力とし、このm個のパス
セレクト信号に対して、前記開始ノード番号決定回路に
よって決定された開始ノード番号に対応するビットから
順にトレースバックを行い、信号を復号するトレースバ
ック回路とを備え、前記ACS回路から生成出力された
m個のパスセレクト信号が前記信号書き込み回路によっ
て前記第1および第2の記憶部のいずれか1つに書き込
まれると共に前記開始ノード番号決定回路によって開始
ノード番号が決定されると、前記m個のパスセレクト信
号の前に生成されたm個のパスセレクト信号が、前記第
1および第2の記憶部のいずれか1つから書き込みとは
逆の順序で読み出され、読み出されたm個のパスセレク
ト信号が前記トレースバック回路によって前記開始ノー
ド番号に対応するビットから順にトレースバックされ、
さらに、前記アドレス生成回路は、書き込みアドレスを
昇順に出力するときは該書き込みアドレスにaを加算し
た値を読み出しアドレスとして前記書き込みアドレスと
共に出力する一方、書き込みアドレスを降順に出力する
ときは該書き込みアドレスからaを減算した値を読み出
しアドレスとして前記書き込みアドレスと共に出力し、
前記アドレス生成回路から出力された書き込みアドレス
に従って一の記憶部にm個のパスセレクト信号が書き込
まれるとき、前記アドレス生成回路から出力された読み
出しアドレスに従って前記一の記憶部からm個のパスセ
レクト信号が読み出されるものである。
【0050】請求項9の発明により、ACS回路から出
力されたパスセレクト信号は、信号書き込み回路によっ
て、第1および第2の記憶部のいずれかにm個ずつ順次
書き込まれる。またこのとき、開始ノード番号決定回路
によって、書き込まれたm個のパスセレクト信号の1つ
前のパスセレクト信号において最尤パスが通過するノー
ドの番号が決定される。このノード番号が、前記m個の
パスセレクト信号の前に生成されたm個のパスセレクト
信号のトレースバックを行う際の開始ノード番号とな
る。開始ノード番号が決定されたm個のパスセレクト信
号は、信号読み出し回路によって、第1および第2の記
憶部のいずれかから書き込みとは逆の順序で読み出さ
れ、トレースバック回路によって、決定された開始ノー
ド番号に対応するビットから順にトレースバックされ、
信号が復号される。
【0051】すなわち、受信符号から生成されたm個の
パスセレクト信号を記憶部に書き込む処理と、このm個
のパスセレクト信号の前のm個のパスセレクト信号につ
いての開始ノード番号を求める処理とを同時に実行する
ことができるので、従来必要であった,開始ノード番号
を求めるために仮のトレースバックを行うための処理時
間を削減することができる。したがって、従来よりも信
号の復号を高速に行うことができる。
【0052】さらに、一の記憶部にm個のパスセレクト
信号が書き込まれるとき、前記一の記憶部からm個のパ
スセレクト信号が読み出される。このとき、前記一の記
憶部に記憶されたパスセレクト信号が読み出される前に
更新されないように、アドレス生成回路から書き込みア
ドレス及び読み出しアドレスが出力される。すなわち、
パスセレクト信号の書き込みとトレースバックとが1つ
の記憶部に対して並行して行われる。しかも、各記憶部
の容量はaワード分増やすだけでよい。したがって、記
憶部の記憶容量を従来の半分近くに減らすことができ、
大幅な回路の削減が実現できる。
【0053】そして、請求項10の発明では、前記請求
項9のビタビ復号装置は、前記ACS回路から出力され
たパスセレクト信号と前記トレースバック回路から出力
された復号信号とを合成して、前記信号書き込み回路
入力するビット合成回路と、前記信号書き込み回路から
読み出された信号をパスセレクト信号と復号信号とに分
離して出力するビット分離回路とを備え、前記第1及び
第2の記憶部はビット幅がでありワード数が(m+
a)である記憶領域をさらに有しており、前記信号書き
込み回路は選択した記憶部に前記ビット合成回路から入
力された信号を書き込み、前記信号読み出し回路は選択
した記憶部から読み出した信号を前記ビット分離回路に
入力するものである。
【0054】請求項10の発明により、トレースバック
を行うことによって求められた復号信号を時間的に逆転
して出力することができる。
【0055】また、請求項11の発明では、前記請求項
のビタビ復号装置におけるアドレス生成回路は、前記
受信符号と同じ周期で生成されるクロック信号のクロッ
ク数を計数し、計数値のmの剰余を出力するカウンタ
と、前記カウンタの出力データを入力とし、該出力デー
タの(m−1)の補数を生成して出力する補数生成回路
と、前記カウンタの出力データを入力とし、該出力デー
タにオフセット値aを加算する第1のオフセット加算手
段と、前記補数生成回路の出力データを入力とし、該出
力データにオフセット値aを加算する第2のオフセット
加算手段と、前記カウンタの出力データ又は前記第2の
オフセット加算手段の出力データのいずれか一方を選択
し、選択したデータを書き込みアドレスとして前記信号
書き込み回路に入力する第1の選択手段と、前記補数生
成回路の出力データ又は前記第1のオフセット加算手段
の出力データのいずれか一方を選択し、選択したデータ
を読み出しアドレスとして前記信号読み出し回路に入力
する第2の選択手段とを備え、前記第1の選択手段によ
って前記カウンタの出力データが選択されたときは前記
第2の選択手段によって前記第1のオフセット加算手段
の出力データが選択される一方、前記第1の選択手段に
よって前記第2のオフセット加算手段の出力データが選
択されたときは前記第2の選択手段によって前記補数生
成回路の出力データが選択されるものとする。
【0056】そして、請求項12の発明では、前記請求
項6または9記載のビタビ復号装置における開始ノード
番号決定回路は、パスセレクト信号の各ビットに対応す
るすなわち前記符号器の各ノードに対応する2(K-1)
個のノード決定回路を備えており、前記ノード決定回路
は、それぞれ、当該開始ノード番号決定回路に入力され
たパスセレクト信号の,当該ノード決定回路に対応する
ビットを入力とし、このビットに対応するノードに達す
るパスが前記パスセレクト信号の1つ前のパスセレクト
信号において通過したノードの番号を計算するノード番
号計算手段と、ノード番号を記憶するノード番号記憶手
段と、各ノード決定回路が有するノード番号記憶手段に
記憶されたノード番号を入力とし、前記ノード番号計算
手段によって計算された番号のノードに対応するノード
決定回路が有するノード番号記憶手段に記憶されている
ノード番号を選択出力する第1の選択手段と、前記ノー
ド番号計算手段によって計算されたノード番号又は前記
第1の選択手段によって選択出力されたノード番号のい
ずれか一方を選択し、前記ノード番号記憶手段に入力す
る第2の選択手段とを備えたものとする。そして、当該
開始ノード番号決定回路にm個のパスセレクト信号が入
力されるとき、前記第2の選択手段は、1番目のパスセ
レクト信号が入力されたときは前記ノード番号計算手段
によって計算されたノード番号を選択する一方、(2〜
m)番目のパスセレクト信号が入力されたときは前記第
1の選択手段によって選択出力されたノード番号を選択
し、m番目のパスセレクト信号が入力された後、前記ノ
ード番号記憶手段に記憶されているノード番号が前記開
始ノード番号になるものとする。
【0057】請求項12の発明により、前記開始ノード
番号決定回路を簡単な構成によって実現することができ
る。
【0058】また、請求項13の発明では、前記請求項
6または9のビタビ復号装置におけるトレースバック回
路は、前記信号読み出し回路によって読み出されたパス
セレクト信号及び前記開始ノード番号決定回路によって
決定された開始ノード番号を入力とし、復号信号を出力
する復号回路と、mビットのデータを保持可能である第
1のLIFO(Last In First Out メモリ)及び第2の
LIFOと、前記第1のLIFO及び第2のLIFOの
いずれか一方を選択し、選択したLIFOに前記復号回
路から出力されたm個の復号信号を入力する第1の選択
手段と、前記第1のLIFO及び第2のLIFOのいず
れか一方を選択し、選択したLIFOからm個の復号信
号を出力する第2の選択手段とを備え、前記第1の選択
手段が前記第1のLIFO及び第2のLIFOのいずれ
か一方を選択して復号信号を入力するとき、前記第2の
選択手段は他方のLIFOを選択して復号信号を出力す
るものとする。
【0059】請求項13の発明により、トレースバック
を行うことによって求められた復号信号を時間的に逆転
して出力することができる。
【0060】また、請求項14の発明が講じた解決手段
は、畳み込み符号化された受信符号をパストレース方式
によって復号するビタビ復号方法として(送信側の符号
器の拘束長をK(Kは正の整数)、復号のためのトレー
スバックを行う単位であるトレースバック長をm(mは
正の整数)、シンボルレートをf(fは正の実数)とす
る)、ビット幅が2(K-1) でありワード数がmである記
憶領域をそれぞれ有する第1のメモリ、第2のメモリ及
び第3のメモリを設け、入力された受信符号に対して、
前記符号器の状態を示す各ノードに各ビットが対応する
(K-1) ビットのパスセレクト信号を生成するパスセレ
クト信号生成処理と、生成されたm個のパスセレクト信
号を前記第1〜第3のメモリのいずれか1つに書き込む
と同時に、前記m個のパスセレクト信号の1つ前のパス
セレクト信号において最尤パスが通過するノードの番号
を求め、該ノードの番号を前記m個のパスセレクト信号
の前のm個のパスセレクト信号に対するトレースバック
の開始ノード番号として決定する開始ノード番号決定処
理と、前記第1〜第3のメモリのいずれか1つから書き
込みとは逆の順序でm個のパスセレクト信号を読み出す
と共に、前記開始ノード番号決定処理によって決定され
た開始ノード番号に対応するビットから順にトレースバ
ックを行い復号するトレースバック処理とを備え、各メ
モリの動作状態を(m×f)の時間間隔でステート1、
ステート2及びステート3の順に巡回的に変化させ、ス
テート1において前記開始ノード番号決定処理を実行
し、ステート2において処理を実行せず、ステート3に
おいて前記トレースバック処理を実行するものである。
【0061】また、請求項15の発明が講じた解決手段
は、畳み込み符号化された受信符号をパストレース方式
によって復号するビタビ復号方法を対象とし(送信側の
符号器の拘束長をK(Kは正の整数)、復号のためのト
レースバックを行う単位であるトレースバック長をm
(mは正の整数)、シンボルレートをf(fは正の実
数)とする)、ビット幅が2(K-1) でありワード数が
(m+a)(aは0又は正の整数)である記憶領域をそ
れぞれ有する第1のメモリ及び第2のメモリを設け、入
力された受信符号に対して、前記符号器の状態を示す各
ノードに各ビットが対応する2(K-1) ビットのパスセレ
クト信号を生成するパスセレクト信号生成処理と、生成
されたm個のパスセレクト信号を前記第1及び第2のメ
モリのいずれかに記憶領域の先頭アドレス0からアドレ
スを昇順にして書き込むと同時に、前記m個のパスセレ
クト信号の1つ前のパスセレクト信号において最尤パス
が通過するノードの番号を求め、該ノードの番号を前記
m個のパスセレクト信号の前のm個のパスセレクト信号
に対するトレースバックの開始ノード番号として決定す
る第1の開始ノード番号決定処理と、生成されたm個の
パスセレクト信号を前記第1及び第2のメモリのいずれ
かに記憶領域の最後尾アドレス(m+a−1)からアド
レスを降順にして書き込むと同時に、前記m個のパスセ
レクト信号の1つ前のパスセレクト信号において最尤パ
スが通過するノードの番号を求め、該ノードの番号を前
記m個のパスセレクト信号の前のm個のパスセレクト信
号に対するトレースバックの開始ノード番号として決定
する第2の開始ノード番号決定処理と、前記第1及び第
2のメモリのいずれかから、記憶領域の最後尾アドレス
(m+a−1)からアドレスを降順にして書き込まれた
m個のパスセレクト信号を書き込みとは逆の順序で読み
出すと共に、決定された開始ノード番号に対応するビッ
トから順にトレースバックを行い復号する第1のトレー
スバック処理と、前記第1及び第2のメモリのいずれか
から、記憶領域の先頭アドレス0からアドレスを昇順に
して書き込まれたm個のパスセレクト信号を書き込みと
は逆の順序で読み出すと共に、決定された開始ノード番
号に対応するビットから順にトレースバックを行い復号
する第2のトレースバック処理とを備え、各メモリの動
作状態を(m×f)の時間間隔でステート1、ステート
2、ステート3及びステート4の順に巡回的に変化さ
せ、ステート1において前記第1の開始ノード番号決定
処理及び第1のトレースバック処理を実行し、ステート
2及びステート4において処理を実行せず、ステート3
において前記第2の開始ノード番号決定処理及び第2の
トレースバック処理を実行するものである。
【0062】請求項16の発明が講じた解決手段は、畳
み込み符号化された受信符号をパストレース方式によっ
て復号するビタビ復号装置として、受信符号から生成さ
れた1トレースバック長分のパスセレクト信号を記憶部
に書き込むとともに、前記記憶部に書き込まれたパスセ
レクト信号から、このパスセレクト信号の前の1トレー
スバック長分のパスセレクト信号における最尤パスの終
端のノード番号を求め、このノード番号を開始ノード番
号として、前記記憶部に書き込まれたパスセレクト信号
の前のパスセレクト信号に対してトレースバックを行
い、信号を復号するものである。
【0063】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 図1は、本発明の第1の実施形態に係るビタビ復号装置
の構成を示すブロック図である。本実施形態では、トレ
ースバック長をm、符号器の拘束長をK、シンボルレー
トをfとする。
【0064】図1において、100は受信符号を入力と
し、パスセレクト信号(PS信号)を出力するACS
(Add Compare Select)回路である。101は第1の記
憶部としての第1のメモリ、102は第2の記憶部とし
ての第2のメモリ、103は第3の記憶部としての第3
のメモリであり、それぞれ、データビット幅が
(K-1)、ワード数がmである1ポートRAM(ランダ
ムアクセスメモリ)からなる。104は、第1のメモリ
101、第2のメモリ102及び第3のメモリ103の
うち1つを選択し、選択したメモリにACS回路100
から出力されるPS信号を書き込む信号書き込み回路、
105は、第1のメモリ101、第2のメモリ102及
び第3のメモリ103のうち1つを選択し、選択したメ
モリからPS信号を読み出す信号読み出し回路である。
【0065】また、106はACS回路100から出力
されるPS信号を入力とし、最尤パスの開始ノード番号
を決定する開始ノード番号決定回路であり、その内部構
成は符号器の拘束長Kによって異なる。開始ノード番号
決定回路106の内部構成及び動作については後述す
る。
【0066】111は、開始ノード番号決定回路106
から出力される最尤パスの開始ノード番号及び信号読み
出し回路105から出力されるPS信号を入力とし、ト
レースバックを行って信号を復号するトレースバック回
路である。トレースバック回路111において、112
はノード番号記憶手段、113はノード番号記憶手段1
12の出力データを入力とし、信号読み出し回路105
から出力されるPS信号の特定のビットを選択出力する
ビット選択回路、114はビット選択回路113の出力
ビット及びノード番号記憶手段112の記憶データを入
力とし、1シンボル前のノード番号を計算するノード番
号計算手段、115は開始ノード番号決定回路106の
出力データ及びノード番号計算手段114の出力データ
を入力とし、いずれか一方のデータを前記ノード番号記
憶手段112に選択出力する選択手段である。ノード番
号記憶手段112、ビット選択回路113、ノード番号
計算手段114、及び選択手段115によって復号回路
が構成されている。
【0067】また、116は第1のLIFO(Last In
First Out メモリ)、117は第2のLIFO、118
はビット選択回路113の出力ビットを、第1のLIF
O116又は第2のLIFO117のいずれか一方に入
力する第1の選択手段、119は第1のLIFO116
又は第2のLIFO117のうち、第1の選択手段11
8が選択していない方のLIFOの出力データを選択出
力する第2の選択手段である。
【0068】120は、第1〜第3のメモリ101、1
02、103の書き込みアドレス及び読み出しアドレス
を生成し、信号書き込み回路104又は信号読み出し回
路105に出力するアドレス生成回路である。123
は、装置全体の動作タイミングを制御するタイミング生
成回路である。アドレス生成回路120において、12
1はタイミング生成回路123から出力されるクロック
信号(受信符号が入力されるタイミングに同期してい
る)を周期mで計数するカウンタ、122はカウンタ1
21の計数データに対して(m−1)の補数を生成する
する補数生成回路である。
【0069】図2は開始ノード番号決定回路106の内
部構成を示すブロック図である。開始ノード番号決定回
路106内には、ACS回路100から出力されるPS
信号の各ビットに対して、ノード番号計算手段、ノード
番号記憶手段、第1の選択手段及び第2の選択手段から
なるノード決定回路がそれぞれ構成される。PS信号の
ビット数は2(K-1) であるので、2(K-1) 個のノード決
定回路が開始ノード番号決定回路106内に構成される
ことになる。図2は符号器の拘束長Kが3である場合を
示しており、4(=22 )個のノード番号計算手段10
7a〜107d、4個のノード番号記憶手段108a〜
108d、4個の第1の選択手段109a〜109d及
び4個の第2の選択手段110a〜110dが構成され
ている。
【0070】以上のように構成されたビタビ復号装置に
ついて、その動作を説明する。
【0071】まず、開始ノード番号決定回路106の動
作について説明する。図3は、図2に示す開始ノード番
号決定回路106の動作を説明するための図である。同
図中、(a)は各時刻におけるPS信号及び最尤パスを
示すトレリス線図であり、各時刻の各ノードの肩に示し
た数字がPS信号であり、実線が最尤パスを示してい
る。また(b)は、各時刻におけるノード番号記憶手段
108a〜108dの記憶内容を表す図である。
【0072】従来技術の項で説明したように、ノードi
のPS信号をPSi としたとき、最尤パスが1シンボル
前に通過するノードの番号jは、 j=PSi ・2(K-2) +[i/2] ・・・(1) (ただし、[x]はxを越えない最大の整数を意味す
る)で表される。各ノード番号計算手段107a〜10
7dは、式(1)の計算を、対応するノードに対してそ
れぞれ行う。
【0073】まず、時刻T1 において、各ノードに対応
するPS信号は{0,1,0,1}なので、各ノード番
号計算手段108a〜108dの出力データは{0,
2,1,3}となる。このデータは、時刻T1 において
各ノードに到達するパスが、時刻(T1 −f)において
通過するノードの番号を示している。このとき、選択手
段109a〜109dは、各ノード番号計算手段107
a〜107dの出力データを各ノード番号記憶手段10
8a〜108dにそれぞれ入力する。
【0074】次に、時刻(T1 +f)において、各ノー
ドに対応するPS信号は{0,0,0,1}なので、各
ノード番号計算手段107a〜107dの出力データは
{0,0,1,3}となる。このデータは、時刻(T1
+f)において各ノードに到達するパスが、時刻T1 に
おいて通過するノードの番号を示している。このとき、
第1の選択手段109a〜109dは、各ノード番号計
算手段107a〜107dの出力データに従ってノード
番号記憶手段108a〜108dの中の1つを選択し、
選択したノード番号記憶手段の記憶データを出力する。
第2の選択手段110a〜110dは、各ノード番号計
算手段107a〜107dの出力データを選択せず、第
1の選択手段109a〜109dの出力データを選択し
て、ノード番号記憶手段108a〜108dにそれぞれ
入力する。
【0075】ここで、第1の選択手段109a〜109
dは、各ノード番号計算手段107a〜107dの出力
データが示す番号のノードに対応するノード番号記憶手
段を選択する。例えば、ノード番号計算手段107aの
出力データは“0”なので、第1の選択手段109a
は、ノード0に対応するノード番号記憶手段108aの
記憶データを選択出力する。時刻T1 におけるノード番
号記憶手段108aの記憶データは“0”であったの
で、ノード番号記憶手段108aには“0”が入力され
る。
【0076】また、ノード番号計算手段107cの出力
データは“1”なので、第1の選択手段109cは、ノ
ード1に対応するノード番号記憶手段108bの記憶デ
ータを選択出力する。時刻T1 におけるノード番号記憶
手段108bの記憶データは“2”であったので、ノー
ド番号記憶手段108cには“2”が入力される。
【0077】このようにして、各ノード番号記憶手段1
08a〜108dの記憶データは{0,2,1,3}か
ら{0,0,2,3}に更新される。このデータは、時
刻(T1 +f)において各ノードに到達するパスが、時
刻(T1 −f)において通過するノードの番号を示して
いる。
【0078】同様に、時間fが経過する毎に、各ノード
番号記憶手段108a〜108dの記憶データは更新さ
れる。時刻(T1 +5f)において、全てのノード番号
記憶手段108a〜108dの記憶データは“0”にな
り一致する。これは、最尤パスが時刻(T1 −f)にお
いてノード0を通過したことが、時刻(T1 +5f)に
おいて検出できたことを意味している。トレースバック
長mを十分大きくとることによって、PS信号の読み込
みと共に、最尤パスが時間(m−1)f前に通過したノ
ードの番号を求めることができる。
【0079】すなわち、本実施形態は、PS信号の読み
込みと同時に、開始ノード番号決定回路106によって
最尤パスが通過したノードの番号を検出することができ
ることを特徴とする。
【0080】図4は、図1に示すビタビ復号装置の動作
を説明するための図である。本実施形態に係るACS回
路100の動作は従来例と同様であり、図4(a)に実
線で示すような最尤パスを構成するPS信号が、時刻T
0 からT5 にかけてACS回路100から出力されたと
する。
【0081】図4(b)に示すように、第1〜第3のメ
モリはそれぞれ、ステート1〜3の3つの状態を巡回的
に繰り返していく。例えば、第1のメモリ101は、時
刻T0 からT1 までがステート1、時刻T1 からT2 ま
でがステート2、時刻T2 からT3 までがステート3と
なる。また、第2のメモリ102は、時刻T1 から順に
ステート1、2、3と変化していき、第3のメモリ10
3は、時刻T2 から順にステート1、2、3と変化して
いく。各ステートの時間間隔は、m×f(トレースバッ
ク長×シンボルレート)である。
【0082】また、アドレス生成回路120におけるカ
ウンタ121は、タイミング生成回路123からシンボ
ルレートf毎に出力されるクロックを周期mで計数す
る。時刻T0 において、カウンタ121の計数値は0で
あるとする。
【0083】まず、時刻T0 からT1 において、第1の
メモリ101がステート1となり、ACS回路100か
ら出力されるPS信号が信号書き込み回路104によっ
て第1のメモリ101に書き込まれる。カウンタ121
の計数値を書き込みアドレスとすることにより、第1の
メモリ101には、アドレス0からアドレス(m−1)
まで、順次PS信号が書き込まれる。
【0084】時刻T1 からT2 において、第1のメモリ
101はステート2となり、休止状態となる。このとき
第1のメモリに書き込まれたPS信号をトレースバック
できないのは、時間T0 からT1 までの最尤パスの終端
ノードの番号である開始ノード番号Aがまだ決定できな
いからである。
【0085】代わって、第2のメモリ102がステート
1となり、アドレス0からアドレス(m−1)まで、順
次PS信号が書き込まれる。このとき、PS信号は開始
ノード番号決定回路106にも順次入力され、すでに説
明したように、時刻(T2 −f)において、最尤パスが
時刻(T1 −f)において通過するノードの番号がノー
ド番号記憶手段108a〜108dに記憶されている。
この番号は、第1のメモリ101に書き込まれたPS信
号が示す最尤パスの開始ノード番号Aを意味している。
したがって、ステート1の動作では、PS信号をメモリ
に書き込むと同時に、その前に別のメモリに書き込まれ
たPS信号が示す最尤パスの開始ノード番号Aを検出す
ることが可能となる。
【0086】時刻T2 からT3 において、第2のメモリ
102はステート2となり、休止状態となる。代わって
第3のメモリ103がステート1となり、アドレス0か
らアドレス(m−1)まで、順次PS信号が書き込まれ
る。また、第1のメモリ101はステート3となり、開
始ノード番号Aからトレースバックが行われる。
【0087】ステート3において行われるトレースバッ
ク動作について説明する。ここで、拘束長Kを3、トレ
ースバック長mを6とし、第1のメモリ101には、図
3(a)に示すような時刻T0 から時刻(T0 +5f)
までのPS信号が6シンボル分書き込まれているものと
する。
【0088】また、読み出しアドレスとして補数生成回
路122から出力されるデータが用いられる。時刻T2
において、カウンタ121の計数値は0であるので、補
数生成回路122の出力は5である。
【0089】時刻T2 において、開始ノード番号決定回
路106内のノード番号記憶手段108a〜108dに
記憶されているノード番号が、トレースバック回路11
1内の選択手段115を介してノード番号記憶手段11
2に入力される。このノード番号は、時刻T0 からT1
の間の最尤パスの終端ノードの番号すなわち開始ノード
番号Aであり、図3(a)に示す最尤パスでは1とな
る。ビット選択回路113は、第1のメモリ101のア
ドレス5から信号読み出し回路105によって読み出さ
れたデータ{0011}(このデータは時刻(T0 +5
f)におけるPS信号である)から、ノード番号記憶手
段112に記憶されたノード番号に対応するビットデー
タを選択出力する。この場合、ノード番号記憶手段11
2に記憶されたノード番号は1であるので、データ{0
011}のうち第2ビットの“0”がビット選択回路1
13から出力される。ビタビ復号の原理では、このビッ
トデータ(時刻(T0 +5f)のノード1におけるPS
信号)が時刻(T0 +5f)における復号信号となる。
【0090】次に、ノード番号計算手段114は、ノー
ド番号記憶手段112に記憶されているノード番号及び
ビット選択回路113から出力される復号信号から、1
シンボル前のノード番号を計算する。この計算は式
(1)に基づいて行われ、計算結果は、時刻(T2 +
f)において、選択手段115を介してノード番号記憶
手段112に入力される。この場合のノード番号は0と
なる。
【0091】時刻(T2 +f)において、ビット選択回
路113は、第1のメモリ101のアドレス4から信号
読み出し回路105によって読み出されたデータ{10
01}(このデータは時刻(T0 +4f)におけるPS
信号である)から、ノード番号記憶手段112に記憶さ
れたノード番号に対応するビットデータを選択出力す
る。この場合、ノード番号記憶手段112に記憶された
ノード番号は0であるので、データ{1001}のうち
第1ビットの“1”がビット選択回路113から復号信
号として出力される。以下、同様の手順によって最尤パ
スの復号が実行され、復号信号は{0,1,1,0,
0,0}となる。
【0092】ところが、復号は時刻(T0 +5f)から
時刻T0 まで過去に遡って行われたことになるので、得
られた復号信号を時間的に逆転する必要がある。このた
め、トレースバック回路111は第1のLIFO116
及び第2のLIFO117を備えている。
【0093】まず、時刻T2 からT3 の間は、ビット選
択回路113から出力される復号信号は、選択手段11
8を介して第1のLIFO116に入力される。次に、
時刻T3 からT4 の間は、ビット選択回路113から出
力される復号信号は選択手段118を介して第2のLI
FO117に入力されると共に、第1のLIFO116
から選択手段119を介して復号信号が出力される。こ
の復号信号は、ビット選択回路113から出力される復
号信号とは時間関係が逆転しており、{0,0,0,
1,1,0}となる。この信号列が、真の復号信号とな
る。
【0094】以上説明したように、本実施形態による
と、トレースバックメモリの容量を大幅に削減すること
が可能である。また、トレースバックメモリとして汎用
のRAMを用いることが可能であるので、低消費電力化
が可能である。さらに、トレースバックメモリを独立し
た3つの1ポートメモリで構成することによって、ステ
ート2のような休止状態においてメモリへのクロック等
の入力を全て遮断することが可能になるので、さらなる
低消費電力化が可能になる。さらに、完全にパイプライ
ン化することが可能であるため、高速動作が可能にな
る。
【0095】なお、本実施形態では、1ポートのメモリ
を3面用いて行ったが、3面の合計容量と等しいマルチ
ポートメモリを分割してトレースバックメモリを実現し
ても構わない。
【0096】(第2の実施形態) 図5は、本発明の第2の実施形態に係るビタビ復号装置
の構成を示すブロック図である。第1の実施形態と同様
に、トレースバック長をm、符号器の拘束長をK、シン
ボルレートをfとする。
【0097】図5において、図1に示したビタビ復号装
置と同じ構成を持つ要素には図1と同一の符号を付して
おり、ここでは説明を省略する。201は第1の記憶部
としての第1のメモリ、202は第2の記憶部としての
第2のメモリ、203は第3の記憶部としての第3のメ
モリであり、それぞれ、データビット幅が(2(K-1)
1)(第1の実施形態に係るビタビ復号装置の各メモリ
より1ビット多い点が特徴)、ワード数がmである1ポ
ートRAMからなる。
【0098】また、204は、ACS回路100から出
力されるPS信号に後述するトレースバック回路203
の出力信号を合成して出力するビット合成回路である。
205は、信号読み出し回路105の出力信号から復号
信号に当たるビットを分離して出力すると共に、復号信
号以外のビットをトレースバック回路206に出力する
ビット分離回路である。信号書き込み回路104及びビ
ット合成回路204は、選択したメモリに、ACS回路
100から出力されたPS信号とトレースバック回路2
03から出力された復号信号とを合成して書き込む。信
号読み出し回路105及びビット分離回路205は、選
択したメモリから読み出した信号をPS信号と復号信号
とに分離して出力する。
【0099】206は、開始ノード番号決定回路106
から出力される最尤パスの開始ノード番号及びビット分
離回路205の出力信号を入力とし、トレースバックを
行って信号を復号するトレースバック回路である。トレ
ースバック回路206は、ノード番号記憶手段112、
ビット選択回路113、ノード番号計算手段114及び
選択手段115によって構成されている。図1に示され
たトレースバック回路111と比較すると、第1のLI
FO116、第2のLIFO117、選択手段118及
び選択手段119が省かれており、ビット選択回路11
3の出力信号がビット合成回路204に入力されてい
る。
【0100】以上のように構成されたビタビ復号装置に
ついて、その動作を説明する。
【0101】図6は、図5に示すビタビ復号装置の動作
を説明するための図である。同図中、(a)は入力され
る受信符号による最尤パスを示す図であり、(b)は各
時刻における第1〜第3のメモリ201,202,20
3の動作状態を示す図である。
【0102】時刻T0 からT5 にかけて、図6(a)に
示すような最尤パスを構成するPS信号が、ACS回路
100から出力されたとする。図6(b)に示すよう
に、第1〜第3のメモリ201、202及び203はそ
れぞれ、第1の実施形態と同様に、ステート1〜3の3
つの状態を巡回的に繰り返していく。
【0103】第1の実施形態と異なるのは、ステート3
においてトレースバックによって得られた復号信号を、
ステート1の状態にあるトレースバックメモリの空き領
域に格納する点である。格納された復号信号は、ステー
ト3において、時間的に逆転されて出力される。
【0104】復号信号が時間的に逆転される仕組みを、
図7を用いてさらに詳細に説明する。図7において、第
1のメモリ201は、時刻T0 からのステート1におい
て、PS信号がすでに書き込まれているものとする。
【0105】時刻T2 から第1のメモリ201はステー
ト3となり、第1の実施形態と同様にトレースバックが
行われる。実線で示されているのが最尤パスであるとす
ると、まず時刻T2 において、開始ノード番号決定回路
106から出力される開始ノード番号に従って、アドレ
ス#5からトレースバック回路206によってPS信号
が復号信号として選択出力される。ここでは開始ノード
番号が1であり、復号信号として“0”が出力される。
【0106】トレースバック回路206は第1の実施形
態のようにLIFOを備えておらず、ビット選択回路1
13の出力信号を直接出力する。この信号はビット合成
回路204に入力され、ACS回路100から出力され
るPS信号と合成されて、ステート1の状態にある第3
のメモリ203のアドレス#0に書き込まれる。このと
きのPS信号は{0,0,0,1}であり復号信号は
“0”であるので、第3のメモリ203のアドレス#0
には{0,0,0,1,0}が書き込まれる。
【0107】次に、時刻(T2 +f)において、第1の
メモリ201のアドレス#4から復号信号が読み出され
て、第3のメモリ203のアドレス#1に書き込まれ
る。このような動作が時刻(T2 +5f)まで順次繰り
返され、第3のメモリ203の特定ビット(図7では最
下段のビット)に、トレースバック回路206の出力
(すなわち、第1のメモリ201をトレースバックした
ことによって得られた復号信号)が書き込まれる。ここ
では、復号信号は{0,1,1,0,0,0}となる。
【0108】この後、時刻T4 から第3のメモリ203
がステート3となり、トレースバックが行われる。この
とき、信号読み出し回路105によってアドレス#5か
ら順に読み出されたデータのうち、ステート1において
復号信号が書き込まれた特定ビットがビット分離回路2
05によって分離され、復号信号として出力される。こ
の結果、復号信号は、第3のメモリ203に書き込まれ
た順序とは逆の順序で読み出され、{0,0,0,1,
1,0}となる。この信号列が、真の復号信号となる。
【0109】以上説明したように、本実施形態による
と、復号信号の時間関係を補正するためのLIFO等の
回路がトレースバック回路内に不要になり、しかも、ト
レースバックメモリの通常動作によって復号信号の時間
関係が補正できるので、特殊な制御回路も不要であるこ
とから、回路規模の大幅な削減が可能になる。
【0110】なお、第1の実施形態と同様に、1ポート
のメモリを3面用いて行ったが、3面の合計容量と等し
いマルチポートメモリを分割してトレースバックメモリ
を実現しても構わない。
【0111】(第3の実施形態) 図8は、本発明の第3の実施形態に係るビタビ復号装置
の構成を示すブロック図である。第1及び第2の実施形
態と同様に、トレースバック長をm、符号器の拘束長を
K、シンボルレートをfとする。
【0112】図8において、図1に示したビタビ復号装
置と同じ構成を持つ要素には図1と同一の符号を付して
おり、ここでは説明を省略する。301は第1の記憶部
としての第1のメモリ、302は第2の記憶部としての
第2のメモリであり、それぞれ、データビット幅が2
(K-1) 、ワード数が(m+1)(第1及び第2の実施形
態の各メモリより1ワード多い点が特徴)であるマルチ
ポートRAMからなる。303は、第1のメモリ301
及び第2のメモリ302のいずれかを選択し、選択した
メモリにACS回路100から出力されるPS信号を書
き込む信号書き込み回路、304は、第1のメモリ30
1及び第2のメモリ302のいずれかを選択し、選択し
たメモリからPS信号を読み出す信号読み出し回路であ
る。
【0113】305は、第1のメモリ301及び第2の
メモリ302の書き込みアドレス及び読み出しアドレス
を生成し、信号書き込み回路303又は信号読み出し回
路304に出力するアドレス生成回路である。アドレス
生成回路305は、周期mのカウンタ121及び補数生
成回路122に加えて、カウンタ121の計数値に1を
加算する第1のオフセット加算手段306と、補数生成
回路122の出力データに1を加算する第2のオフセッ
ト加算手段307と、カウンタ121の計数値及び第2
のオフセット加算手段307の出力データのいずれか一
方を選択して信号書き込み回路303に出力する第1の
選択手段308と、第1のオフセット加算手段306の
出力データ及び補数生成回路122の出力データのいず
れか一方を選択して信号読み出し回路304に出力する
第2の選択手段309とを備えている。第1の選択手段
308及び第2の選択手段309の動作は、装置全体の
動作タイミングを制御するタイミング生成回路123に
よって制御される。
【0114】以上のように構成されたビタビ復号装置に
ついて、その動作を説明する。本実施形態は、トレース
バック動作とPS信号の書き込みとが並行して行われる
ことを特徴とする。
【0115】図9は、図8に示すビタビ復号装置の動作
を説明するための図である。同図中、(a)は入力され
る受信信号による最尤パスを示すトレリス線図、(b)
は各時刻における第1及び第2のメモリ301、302
の動作状態を示す図である。
【0116】時刻T0 からT5 にかけて、図9(a)に
示すような最尤パスを構成するPS信号が、ACS回路
100から出力されたとする。このとき、第1及び第2
のメモリ301、302は、図9(b)に示すように、
それぞれステート1〜4の4つの状態を巡回的に繰り返
していく。図9(b)において、斜線の入った矢印は各
メモリがアクセスされる方向を示している。
【0117】また、図10は、各ステートにおける読み
出しアドレス及び書き込みアドレスを示す図である。図
10に示すように、メモリがステート1のとき、書き込
みアドレスとしてカウンタ121の計数データが第1の
選択手段308によって選択されると共に、読み出しア
ドレスとして第1のオフセット加算手段306の出力デ
ータ(図10ではオフセット値を1としている)が第2
の選択手段309によって選択される。また、メモリが
ステート3のとき、読み出しアドレスとして補数生成回
路122の出力データが第2の選択手段309によって
選択されると共に、書き込みアドレスとして第2のオフ
セット加算手段307の出力データ(図10ではオフセ
ット値を1としている)が第1の選択手段308によっ
て選択される。
【0118】まず、時刻T0 〜T1 において、第1のメ
モリ301がステート1となり、ACS回路100から
出力されるPS信号が書き込まれる。このとき、第1の
選択手段308によってカウンタ121の計数値データ
が書き込みアドレスとして選択され、第1のメモリ30
1のアドレス0からアドレス(m−1)に、PS信号が
順次書き込まれる。
【0119】次に、時刻T1 〜T2 において、第1のメ
モリ301はステート2となり、休止状態となる。代わ
って第2のメモリ302がステート1となり、第1のメ
モリ301のステート1と同様に、第1の選択手段30
8によって選択されたカウンタ121の計数値データを
書き込みアドレスとして、アドレス0からアドレス(m
−1)にACS回路100から出力されるPS信号が順
次書き込まれる。このとき、第1の実施形態と同様に、
開始ノード番号決定回路106の動作によって、時刻
(T2 −f)において、第1のメモリ301に書き込ま
れたPS信号が構成する最尤パスの終端ノード番号が検
出される。この終端ノードのPS信号は、第1のメモリ
301のアドレス(m−1)に記憶されている。
【0120】次に、時刻T2 〜T3 において、第1のメ
モリ301がステート3となり、第1の実施形態と同様
にトレースバックが行われる。このとき、第2の選択手
段309によって補数生成回路122の出力データが読
み出しアドレスとして選択され、第1のメモリ301の
アドレス(m−1)からアドレス0までPS信号が順次
読み出され、トレースバック回路111の動作によって
トレースバックが行われ、復号信号が出力される。
【0121】またこのとき、ACS回路100から出力
されるPS信号は、第1の選択手段308によって選択
された第2のオフセット加算手段307の出力データを
書き込みアドレスとして、第1メモリ301に書き込ま
れる。すなわち、本実施形態のステート3では、トレー
スバックとPS信号の書き込みとが並行して行われる。
第2のオフセット加算手段307は補数生成回路122
の出力データにオフセット値(ここでは1とする)を加
算して出力するので、書き込みアドレスは読み出しアド
レスより常に1大きくなる。このため、新たなPS信号
は第1のメモリ301のアドレスmからアドレス1に順
次書き込まれるので、アドレス(m−1)から行われる
トレースバック動作の妨げにはならない。
【0122】次に、時刻T3 〜T4 において、第1のメ
モリ301はステート4となり、休止状態となる。代わ
って第2のメモリ302がステート3となり、第1のメ
モリ301のステート3と同様に、トレースバック動作
と並行して新たなPS信号の書き込みが行われる。第2
の選択手段309によって選択された補数生成回路12
2の出力データを読み出しアドレスとして、アドレス
(m−1)からアドレス0までPS信号が順次読み出さ
れ、トレースバックが行われる。これと並行して、第1
の選択手段308によって選択された第2のオフセット
加算手段307の出力データを書き込みアドレスとし
て、アドレスmからアドレス1まで新たなPS信号が順
次書き込まれる。
【0123】次に、時刻T4 〜T5 において、第1のメ
モリ301が再びステート1となり、アドレス0からア
ドレス(m−1)にPS信号が順次書き込まれる。とこ
ろが、ステート3でアドレスmからアドレス1までPS
信号が書き込まれているので、このPS信号を、新たな
PS信号の書き込みと並行してトレースバックする。す
でに書き込まれているPS信号が構成する最尤パスの終
端ノード番号は、時刻(T4 −f)において検出されて
おり、この終端ノードのPS信号は、第1のメモリ30
1のアドレス1に記憶されている。したがって、トレー
スバックはアドレス1からアドレスmまで、順次行われ
る。
【0124】以下、同様の動作を繰り返しながら復号を
行っていく。
【0125】以上のような構成により、読み出しアドレ
スと書き込みアドレスにオフセット値を設け、常に読み
出しを完了したアドレスに新しいPS信号を書き込んで
いくため、トレースバックメモリの効率的な使用が可能
である。このためメモリ容量の大幅な削減が可能にな
る。
【0126】なお、この実施形態ではマルチポートメモ
リを別々に持つ構成としたが、2つメモリの合計容量に
等しい1つのマルチポートメモリを分割して用いても構
わない。
【0127】(第4の実施形態) 図11は、本発明の第4の実施形態に係るビタビ復号装
置の構成を示すブロック図である。第1〜第3の実施形
態と同様に、トレースバック長をm、符号器の拘束長を
K、シンボルレートをfとする。
【0128】図11において、図1に示したビタビ復号
装置と同じ構成を持つ要素には図1と同一の符号を付し
ており、ここでは説明を省略する。また、図5に示した
ビタビ復号装置と同じ構成を持つ要素には図5と同一の
符号を付し、図8に示したビタビ復号装置と同じ構成を
持つ要素には図8と同一の符号を付し、ここでは説明を
省略する。
【0129】401は第1の記憶部としての第1のメモ
リ、402は第2の記憶部としての第2のメモリであ
り、それぞれデータビット幅が2(K-1) +1、ワード数
が(m+1)であるマルチポートRAMからなる。信号
書き込み回路303及びビット合成回路204は、選択
したメモリに、ACS回路100から出力されたPS信
号とトレースバック回路206から出力された復号信号
とを合成して書き込む。また、信号読み出し回路304
及びビット分離回路205は、選択したメモリから読み
出した信号をPS信号と復号信号とに分離して出力す
る。
【0130】以上のように構成されたビタビ復号装置に
ついて、その動作を説明する。本実施形態は、第2及び
第3の実施形態の特徴を合せ持つものである。
【0131】図12は、図11に示すビタビ復号装置の
動作を説明するための図である。同図中、(a)は入力
される受信信号による最尤パスを示すトレリス線図、
(b)は各時刻における第1及び第2のメモリ401、
402の動作状態を示す図である。
【0132】時刻T0 からT5 にかけて、図12(a)
に示すような最尤パスを構成するPS信号がACS回路
100から出力されたとする。このとき第1のメモリ4
01及び第2のメモリ402は、図12(a)に示すよ
うに、第3の実施形態とほぼ同様に、それぞれステート
1〜4の4つの状態を巡回的に繰り返していく。図12
(b)において、斜線の入った矢印は各メモリがアクセ
スされる順序を示している。
【0133】まず、時刻T0 〜T1 において、第1のメ
モリ401がステート1となり、アドレス0からアドレ
ス(m−1)にビット合成回路204の出力信号が順次
書き込まれる。ビット合成回路204の出力信号は、A
CS回路100から出力されるPS信号とトレースバッ
ク回路206から出力される復号信号との合成ビットで
あるが、ここではまだ復号信号は得られないので、第1
のメモリ401にはPS信号のみが書き込まれる。
【0134】次に、時刻T1 〜T2 において、第2のメ
モリ402がステート1となり、第1のメモリ401の
ステート1と同様に、アドレス0からアドレス(m−
1)にビット合成回路204の出力信号が順次書き込ま
れる。このとき、第1の実施形態と同様に、開始ノード
番号決定回路106の動作によって、時刻(T2 −f)
の時点で、第1のメモリ401に書き込まれたPS信号
が構成する最尤パスの終端ノード番号が検出される。こ
の終端ノードのPS信号は、第1のメモリ401のアド
レス(m−1)に記憶されている。
【0135】次に、時刻T2 〜T3 において、第1のメ
モリ401がステート3となり、第3の実施形態と同様
に、トレースバックとPS信号の書き込みとが並行して
行われる。まず、アドレス(m−1)からアドレス0ま
でデータが順次読み出され、読み出されたデータからビ
ット分離回路205によってPS信号が分離され、トレ
ースバック回路206の動作によってトレースバックが
行われる。このトレースバック動作は、第2の実施形態
と同様である。また、トレースバック回路206から出
力される復号信号は、ビット合成回路204によってA
CS回路100から出力されるPS信号と合成され、第
1のメモリ401のアドレスmからアドレス1まで、順
次書き込まれる。
【0136】例えば、第1のメモリ401のアドレス
(m−1)に記憶されているPS信号から得られた復号
信号は、第1のメモリ401のアドレスmの特定ビット
(図12では最上段のビット)に一旦記憶される。この
結果、時刻T1 〜T2 の復号信号は、第1のメモリ40
1のアドレス1からアドレスmまでの特定ビットに、時
間的に正しい順序に記憶される。
【0137】次に、時刻T3 〜T4 において、第2のメ
モリ402がステート3となり、第1のメモリ401の
ステート3と同様に、アドレス(m−1)からアドレス
0までトレースバックが行われるのに並行して、アドレ
スmからアドレス1までPS信号及び復号信号が書き込
まれる。
【0138】次に、時刻T4 〜T5 において、第1のメ
モリ401が再びステート1となり、アドレス0からア
ドレス(m−1)にビット合成回路204の出力信号が
順次書き込まれると共に、アドレス1からアドレスmま
でトレースバックが行われる。トレースバックのとき読
み出されたデータは、ビット分離回路205によってP
S信号と復号信号とに分離される。この復号信号は時間
的に正しい復号信号となる。
【0139】また、トレースバックによって得られた復
号信号はビット合成回路204によって新たなPS信号
と合成され、アドレス0からアドレス(m−1)までの
特定ビットに、時間的に逆転した順序で記憶される。こ
の復号信号は、次のステート3のトレースバック動作と
共に、アドレス(m−1)からアドレス0まで順に読み
出されるので、時間的に正しい復号信号となる。
【0140】以下、同様の動作を繰り返しながら復号を
行っていく。
【0141】この構成により、読みだしアドレスと書き
込みアドレスにオフセット値を設け、常に読み出しを完
了したアドレスに新しいPS信号を書き込んでいくた
め、メモリの効率的な使用が可能である。このためメモ
リ容量の大幅な削減が可能になる。さらにトレースバッ
ク手段に必要であった時間関係を補正するためのLIF
Oのような回路が不要となりさらに、回路規模の削減が
可能である。
【0142】なお、この実施形態ではマルチポートメモ
リを別々に持つ構成としたが、2つの合計容量に等しい
マルチポートメモリ一つで実現することも容易である。
【0143】(第5の実施形態) 図13は、本発明の第5の実施形態に係るビタビ復号装
置の構成を示すブロック図である。図13において、5
01はCPU、502はビタビ復号のプログラムを記憶
するプログラムROM、503はデータメモリ、504
a、504b及び504cは第1,第2及び第3の記憶
部としてのトレースバックメモリ、505は受信符号を
入力すると共に復号信号を出力する外部インターフェー
ス(I/F)である。
【0144】トレースバック長をm、符号器の拘束長を
Kとするとき、トレースバックメモリ504a、504
b及び504cのデータビット幅を2(K-1) 、ワード数
をmとする。また、シンボルレートをfとする。
【0145】図13に示す装置を用いたビタビ復号方法
について説明する。
【0146】まず最初に、CPU501はプログラムR
OM502からビタビ復号のプログラムをロードする。
以下の動作は、このプログラムに従って行われる。
【0147】次に、受信符号を外部インターフェース5
05を介してデータメモリ503に格納する。データメ
モリ503に格納された受信符号からPS信号を求め
(パスセレクト信号生成処理)、トレースバックメモリ
504a、504b及び504cのいずれか1つに順次
格納する。1つのトレースバックメモリにm個のPS信
号が格納されると、続いて別のトレースバックメモリに
PS信号を順次格納する。また、m個のPS信号をトレ
ースバックメモリに格納すると共に該m個のPS信号の
1つ前のPS信号において最尤パスが通過するノードの
番号を求め、開始ノード番号としてデータメモリ503
に格納する(開始ノード番号決定処理)。
【0148】次に、求められた開始ノード番号を最尤パ
スの終端ノード番号とするm個のPS信号を対象にし
て、トレースバックを行う。該当するm個のPS信号が
格納されたトレースバックメモリから、格納されたとき
と逆の順序でPS信号を順次読み出し、トレースバック
を行い復号する(トレースバック処理)。
【0149】3つのトレースバックメモリ504a,5
04b及び504cの動作状態は、第1の実施形態と同
様に、ステート1,ステート2及びステート3の順に時
間間隔(m×f)で巡回的に変化する。各トレースバッ
クメモリに対し、ステート1において前記開始ノード番
号決定処理を実行し、ステート2において処理を実行せ
ず、ステート3において前記トレースバック処理を実行
する。
【0150】最後に、復号された信号を一旦データメモ
リ503に格納し、時間関係を逆転した上で外部インタ
ーフェース505を介して出力する。
【0151】このような方法により、トレースバックメ
モリの容量を大幅に削減することが可能になる。さら
に、トレースバックメモリに通常のRAMを使用するこ
とが可能であり、低消費電力化を図ることが可能であ
る。さらに、PS信号の書き込みサイクルと復号サイク
ルが等しいため、高速復号が可能なる。
【0152】なお、PS信号の生成又は開始ノード番号
の決定をCPU以外の機能ブロックによって実行させる
ことにより、CPUの負荷を軽減することができるの
で、さらなる高速動作が可能になる。さらに、各データ
をデータメモリ503に格納する代わりにCPUの内部
レジスタに格納することによって、ハードウェアを削減
することが可能である。
【0153】また、トレースバックメモリ504a,5
04b及び504cの代わりに、ビット幅が2(K-1) 、
ワード数が(m+1)である2つのマルチポートメモリ
を用いてもよい。この第1及び第2の記憶部としての2
つのトレースバックメモリの動作状態は、第3の実施形
態と同様に、ステート1,ステート2,ステート3及び
ステート4の順に時間間隔(m×f)で巡回的に変化す
る。各トレースバックメモリに対し、ステート1におい
て、先頭アドレスからPS信号を書き込む開始ノード番
号決定処理及び最後尾アドレスから書き込まれたPS信
号をトレースバックするトレースバック処理を実行し、
ステート3において、最後尾アドレスからPS信号を書
き込む開始ノード番号決定処理及び先頭アドレスから書
き込まれたPS信号をトレースバックするトレースバッ
ク処理を実行し、ステート2及びステート4において処
理を実行しない。
【0154】このような方法により、トレースバックメ
モリの効率的な使用が可能となるため、そのメモリ容量
をさらに大幅に削減することができる。
【0155】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、パスセ
レクト信号をトレースバックメモリに書き込むと共に開
始ノード番号を決定することができるので、開始ノード
番号を求めるための仮のトレースバックが不要になり、
トレースバックメモリの容量を削減でき大幅な回路の削
減が実現できる。また、1ポートメモリを使用すること
が可能になり、レイアウト面積の大幅な削減も実現でき
る。さらに高速動作も可能になる。
【0156】また、パスセレクト信号の書き込みとトレ
ースバック動作とを1つのメモリに対して並行して行う
ことができるので、トレースバックメモリの容量をさら
に削減でき大幅な回路の削減が実現できる。
【0157】また、開始ノード番号の決定及び復号信号
の時間的補正を簡単な回路構成によって実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るビタビ復号装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すビタビ復号装置が備えている開始ノ
ード番号決定回路の構成を示すブロック図である。
【図3】開始ノード番号決定回路の動作を説明するため
の図であり、(a)は最尤パス及びPS信号を示すトレ
リス線図、(b)は(a)のトレリス線図におけるノー
ド番号記憶手段のデータの変化を示す図である。
【図4】図1に示すビタビ復号装置の動作を説明するた
めの図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るビタビ復号装置
の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示すビタビ復号装置の動作を説明するた
めの図である。
【図7】図5に示すビタビ復号装置の動作を説明するた
めの図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るビタビ復号装置
の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示すビタビ復号装置の動作を説明するた
めの図である。
【図10】図8に示すビタビ復号装置の動作を説明する
ための図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るビタビ復号装
置の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示すビタビ復号装置の動作を説明す
るための図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係るビタビ復号装
置の構成を示すブロック図である。
【図14】畳み込み符号の符号器の構成図である。
【図15】畳み込み符号の符号器の動作を表す状態遷図
である。
【図16】畳み込み符号の符号器の動作を表すトレリス
線図である。
【図17】畳み込み符号の符号器の動作を説明するため
の図である。
【図18】従来のビタビ復号装置の構成を示すブロック
図である。
【図19】図18のビタビ復号装置の動作を説明するた
めの図である。
【図20】図18のビタビ復号装置の動作を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
100 ACS回路 101 第1のメモリ(第1の記憶部) 102 第2のメモリ(第2の記憶部) 103 第3のメモリ(第3の記憶部) 104 信号書き込み回路 105 信号読み出し回路 106 開始ノード番号決定回路 107a,107b,107c,107d ノード番号
計算手段 108a,108b,108c,108d ノード番号
記憶手段 109a,109b,109c,109d 第1の選択
手段 110a,110b,110c,110d 第2の選択
手段 111 トレースバック回路 112 ノード番号記憶手段 113 ビット選択回路 114 ノード番号計算手段 115 選択手段 116 第1のLIFO 117 第2のLIFO 118 第1の選択手段 119 第2の選択手段 120 アドレス生成回路 121 カウンタ 122 補数生成回路 123 タイミング生成回路 201 第1のメモリ(第1の記憶部) 202 第2のメモリ(第2の記憶部) 203 第3のメモリ(第3の記憶部) 204 ビット合成回路 205 ビット分離回路 206 トレースバック回路 301 第1のメモリ(第1の記憶部) 302 第2のメモリ(第2の記憶部) 303 信号書き込み回路 304 信号読み出し回路 305 アドレス生成回路 306 第1のオフセット加算手段 307 第2のオフセット加算手段 308 第1の選択手段 309 第2の選択手段 401 第1のメモリ(第1の記憶部) 402 第2のメモリ(第2の記憶部) 504a,504b,504c トレースバックメモリ
(第1〜第3の記憶部)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 13/00 - 13/22

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畳み込み符号化された受信符号をパスト
    レース方式によって復号するビタビ復号方法であって、 トレースバック長分のパスセレクト信号を記憶可能であ
    る記憶部を複数個用い、 受信符号から生成された1トレースバック長分のパスセ
    レクト信号を一の記憶部に書き込むと共に、この一の記
    憶部に書き込むパスセレクト信号から、他の記憶部に書
    き込まれた,前記一の記憶部に書き込むパスセレクト信
    号の前の1トレースバック長分のパスセレクト信号にお
    ける最尤パスの終端のノード番号を求める第1のステッ
    プと、 前記第1のステップにおいて求めたノード番号を開始ノ
    ード番号として前記他の記憶部に書き込まれたパスセレ
    クト信号に対してトレースバックを行い、信号を復号す
    る第2のステップとを備えたことを特徴とするビタビ復
    号方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のビタビ復号方法におい
    て, 前記各記憶部の動作状態を、 当該記憶部を前記一の記憶部として、前記第1のステッ
    プを実行する第1のステートと、 前記第1のステートにおいて実行された第1のステップ
    により当該記憶部に書き込まれたパスセレクト信号の後
    の1トレースバック長分のパスセレクト信号を書き込む
    記憶部に対して、この記憶部を前記一の記憶部として前
    記第1のステップが実行されるのを待つ第2のステート
    と、 当該記憶部を前記他の記憶部として、前記第2のステッ
    プを実行する第3のステートとに順に巡回的に変化させ
    ることを特徴とするビタビ復号方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のビタビ復号方法におい
    て、 前記複数の記憶部として3個の記憶部を用い、 各記憶部の動作状態を、1ステートずつずらして前記第
    1〜第3のステートの順に巡回的に変化させることを特
    徴とするビタビ復号方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のビタビ復号方法におい
    て、 前記各記憶部は、当該記憶部を前記一の記憶部とした前
    記第1のステップと、当該記憶部を前記他の記憶部とし
    た前記第2のステップとを並列に実行可能に構成されて
    おり、 前記各記憶部の動作状態を、 当該記憶部を前記他の記憶部として前記第2のステップ
    、トレースバックの方向を当該記憶部のアドレスの昇
    順の方向として、実行すると共に、当該記憶部を前記一
    の記憶部として前記第1のステップを、パスセレクト信
    号の書き込み方向を当該記憶部のアドレスの昇順の方向
    として、実行する第1のステート、 前記第1のステートにおいて実行された第1のステップ
    により当該記憶部に書き込まれたパスセレクト信号の後
    のパスセレクト信号が書き込まれる記憶部に対して、こ
    の記憶部を前記一の記憶部として前記第1のステップが
    実行されるのを待つ第2のステート、当該記憶部を前記他の記憶部として前記第2のステップ
    を、トレースバックの方向を当該記憶部のアドレスの降
    順の方向として、実行すると共に、当該記憶部を前記一
    の記憶部として前記第1のステップを、パスセレクト信
    号の書き込み方向を当該記憶部のアドレスの降順の方向
    として、実行する第3のステート、 前記第3のステートにおいて実行された第1のステップ
    により当該記憶部に書き込まれたパスセレクト信号の後
    のパスセレクト信号が書き込まれる記憶部に対して、こ
    の記憶部を前記一の記憶部として前記第1のステップが
    実行されるのを待つ第4のステート の順に巡回的に変化
    させることを特徴とするビタビ復号方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のビタビ復号方法におい
    て、 前記複数の記憶部として2個の記憶部を用いて、 各記憶部の動作を、1ステートずつずらして前記第1,
    第2、第3および第4のステートの順に巡回的に変化さ
    せることを特徴とするビタビ復号方法。
  6. 【請求項6】 入力された受信符号をパストレース方式
    によって復号するビタビ復号装置であって(送信側の符
    号器の拘束長をK(Kは正の整数)、復号のためのトレ
    ースバックを行う単位であるトレースバック長をm(m
    は正の整数)とする)、 前記受信符号を入力とし、各受信符号に対して、前記符
    号器の状態を示す各ノードに各ビットが対応する2
    (K-1) ビットのパスセレクト信号を生成出力するACS
    (Add Compare Select)回路と、 ビット幅が2(K-1) でありワード数がmである記憶領域
    を有しており、前記ACS回路から出力されたパスセレ
    クト信号をm個ずつ記憶する第1、第2及び第3の記憶
    部と、 前記第1〜第3の記憶部に対する書き込みアドレス及び
    読み出しアドレスを生成するアドレス生成回路と、 前記第1〜第3の記憶部のいずれか1つを順次選択し、
    選択した記憶部に、前記ACS回路から出力されたパス
    セレクト信号を前記アドレス生成回路によって生成され
    た書き込みアドレスに従って書き込む信号書き込み回路
    と、 前記第1〜第3の記憶部のいずれか1つを順次選択し、
    選択した記憶部から、前記アドレス生成回路によって生
    成された読み出しアドレスに従ってパスセレクト信号を
    読み出す信号読み出し回路と 前記ACS回路から生成出力されたパスセレクト信号を
    m個ずつ入力し、入力したm個のパスセレクト信号か
    ら、このm個のパスセレクト信号の1つ前のパスセレク
    ト信号において最尤パスが通過するノードの番号である
    開始ノード番号を決定する開始ノード番号決定回路と、 前記信号読み出し回路によって読み出されたm個のパス
    セレクト信号を入力とし、このm個のパスセレクト信号
    に対して、前記開始ノード番号決定回路によって決定さ
    れた開始ノード番号に対応するビットから順にトレース
    バックを行い、信号を復号するトレースバック回路とを
    備え、 前記ACS回路から生成出力されたm個のパスセレクト
    信号が前記信号書き込み回路によって前記第1〜第3の
    記憶部のいずれか1つに書き込まれると共に前 記開始ノ
    ード番号決定回路によって開始ノード番号が決定される
    と、前記m個のパスセレクト信号の前に生成されたm個
    のパスセレクト信号が、前記第1〜第3の記憶部のいず
    れか1つから書き込みとは逆の順序で読み出され、読み
    出されたm個のパスセレクト信号が前記トレースバック
    回路によって前記開始ノード番号に対応するビットから
    順にトレースバックされる ことを特徴とするビタビ復号
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のビタビ復号装置におい
    て、 前記ACS回路から出力されたパスセレクト信号と前記
    トレースバック回路から出力された復号信号とを合成し
    て、前記信号書き込み回路に入力するビット合成回路
    と、前記信号書き込み回路により 読み出された信号をパスセ
    レクト信号と復号信号とに分離して出力するビット分離
    回路とを備え、 前記第1〜第3の記憶部は、ビット幅がでありワード
    数がmである記憶領域をさらに有しており、 前記信号書き込み回路は、選択した記憶部に前記ビット
    合成回路から入力された信号を書き込み、 前記信号読み出し回路は、選択した記憶部から読み出し
    た信号を前記ビット分離回路に入力することを特徴とす
    るビタビ復号装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のビタビ復号装置におい
    て、 前記アドレス生成回路は、 前記受信符号と同じ周期で生成されるクロック信号のク
    ロック数を計数し、計数値のmの剰余を出力するカウン
    タと、 前記カウンタの出力データを入力とし、該出力データの
    (m−1)の補数を生成して出力する補数生成回路とを
    備え、 前記カウンタの出力データ及び前記補数生成回路の出力
    データのうち、一方を書き込みアドレスとして前記信号
    書き込み回路に入力し、他方を読み出しアドレスとして
    前記信号読み出し回路に入力することを特徴とするビタ
    ビ復号装置。
  9. 【請求項9】 入力された受信符号をパストレース方式
    によって復号するビタビ復号装置であって(送信側の符
    号器の拘束長をK(Kは正の整数)、復号のためのトレ
    ースバックを行う単位であるトレースバック長をm(m
    は正の整数)とする)、 前記受信符号を入力とし、各受信符号に対して、前記符
    号器の状態を示す各ノードに各ビットが対応する2
    (K-1) ビットのパスセレクト信号を生成出力するACS
    (Add Compare Select)回路と、 ビット幅が2(K-1) でありワード数が(m+a)(aは
    0又は正の整数)である記憶領域を有しており、前記A
    CS回路から出力されたパスセレクト信号をm個ずつ記
    憶する第1及び第2の記憶部と、 前記第1及び第2の記憶部に対する書き込みアドレス及
    び読み出しアドレスを生成するアドレス生成回路と、 前記第1の記憶部及び第2の記憶部のいずれかを交互に
    選択し、選択した記憶部に、前記ACS回路から出力さ
    れたパスセレクト信号を前記アドレス生成回路によって
    生成された書き込みアドレスに従って書き込む信号書き
    込み回路と、 前記第1の記憶部及び第2の記憶部のいずれかを交互に
    選択し、選択した記憶部から、前記アドレス生成回路に
    よって生成された読み出しアドレスに従ってパスセレク
    ト信号を読み出す信号読み出し回路と 前記ACS回路から生成出力されたパスセレクト信号を
    m個ずつ入力し、入力したm個のパスセレクト信号か
    ら、このm個のパスセレクト信号の1つ前のパスセレク
    ト信号において最尤パスが通過するノードの番号である
    開始ノード番号を決定する開始ノード番号決定回路と、 前記信号読み出し回路によって読み出されたm個のパス
    セレクト信号を入力とし、このm個のパスセレクト信号
    に対して、前記開始ノード番号決定回路によって決定さ
    れた開始ノード番号に対応するビットから順にトレース
    バックを行い、信号を復号するトレースバック回路と
    備え、前記ACS回路から生成出力されたm個のパスセレクト
    信号が前記信号書き込み回路によって前記第1および第
    2の記憶部のいずれか1つに書き込まれると共に前記開
    始ノード番号決定回路によって開始ノード番号が決定さ
    れると、前記m 個のパスセレクト信号の前に生成された
    m個のパスセレクト信号が、前記第1および第2の記憶
    部のいずれか1つから書き込みとは逆の順序で読み出さ
    れ、読み出されたm個のパスセレクト信号が前記トレー
    スバック回路によって前記開始ノード番号に対応するビ
    ットから順にトレースバックされ、さらに、 前記アドレス生成回路は、書き込みアドレスを昇順に出
    力するときは該書き込みアドレスにaを加算した値を読
    み出しアドレスとして前記書き込みアドレスと共に出力
    する一方、書き込みアドレスを降順に出力するときは該
    書き込みアドレスからaを減算した値を読み出しアドレ
    スとして前記書き込みアドレスと共に出力し、 前記アドレス生成回路から出力された書き込みアドレス
    に従って一の記憶部にm個のパスセレクト信号が書き込
    まれるとき、前記アドレス生成回路から出力された読み
    出しアドレスに従って前記一の記憶部からm個のパスセ
    レクト信号が読み出されることを特徴とするビタビ復号
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のビタビ復号装置におい
    て、 前記ACS回路から出力されたパスセレクト信号と前記
    トレースバック回路から出力された復号信号とを合成し
    て、前記信号書き込み回路に入力するビット合成回路
    と、 前記信号書き込み回路から読み出された信号をパスセレ
    クト信号と復号信号とに分離して出力するビット分離回
    路とを備え、 前記第1及び第2の記憶部は、ビット幅がでありワー
    ド数が(m+a)である記憶領域をさらに有しており、 前記信号書き込み回路は、選択した記憶部に前記ビット
    合成回路から入力された信号を書き込み、 前記信号読み出し回路は、選択した記憶部から読み出し
    た信号を前記ビット分離回路に入力することを特徴とす
    るビタビ復号装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のビタビ復号装置におい
    て、 前記アドレス生成回路は、 前記受信符号と同じ周期で生成されるクロック信号のク
    ロック数を計数し、計数値のmの剰余を出力するカウン
    タと、 前記カウンタの出力データを入力とし、該出力データの
    (m−1)の補数を生成して出力する補数生成回路と、 前記カウンタの出力データを入力とし、該出力データに
    オフセット値aを加算する第1のオフセット加算手段
    と、 前記補数生成回路の出力データを入力とし、該出力デー
    タにオフセット値aを加算する第2のオフセット加算手
    段と、 前記カウンタの出力データ又は前記第2のオフセット加
    算手段の出力データのいずれか一方を選択し、選択した
    データを書き込みアドレスとして前記信号書き込み回路
    に入力する第1の選択手段と、 前記補数生成回路の出力データ又は前記第1のオフセッ
    ト加算手段の出力データのいずれか一方を選択し、選択
    したデータを読み出しアドレスとして前記信号読み出し
    回路に入力する第2の選択手段とを備え、 前記第1の選択手段によって前記カウンタの出力データ
    が選択されたときは前記第2の選択手段によって前記第
    1のオフセット加算手段の出力データが選択される一
    方、前記第1の選択手段によって前記第2のオフセット
    加算手段の出力データが選択されたときは前記第2の選
    択手段によって前記補数生成回路の出力データが選択さ
    れることを特徴とするビタビ復号装置。
  12. 【請求項12】 請求項6または9記載のビタビ復号装
    置において、 前記開始ノード番号決定回路は、パスセレクト信号の各
    ビットに対応するすなわち前記符号器の各ノードに対応
    する2(K-1) 個のノード決定回路を備えており、 前記ノード決定回路は、それぞれ、 当該開始ノード番号決定回路に入力されたパスセレクト
    信号の,当該ノード決定回路に対応するビットを入力と
    し、このビットに対応するノードに達するパスが前記パ
    スセレクト信号の1つ前のパスセレクト信号において通
    過したノードの番号を計算するノード番号計算手段と、 ノード番号を記憶するノード番号記憶手段と、 各ノード決定回路が有するノード番号記憶手段に記憶さ
    れたノード番号を入力とし、前記ノード番号計算手段に
    よって計算された番号のノードに対応するノード決定回
    路が有するノード番号記憶手段に記憶されているノード
    番号を選択出力する第1の選択手段と、 前記ノード番号計算手段によって計算されたノード番号
    又は前記第1の選択手段によって選択出力されたノード
    番号のいずれか一方を選択し、前記ノード番号記憶手段
    に入力する第2の選択手段とを備えたものであり、 当該開始ノード番号決定回路にm個のパスセレクト信号
    が入力されるとき、前記第2の選択手段は、1番目のパ
    スセレクト信号が入力されたときは前記ノード番号計算
    手段によって計算されたノード番号を選択する一方、
    (2〜m)番目のパスセレクト信号が入力されたときは
    前記第1の選択手段によって選択出力されたノード番号
    を選択し、m番目のパスセレクト信号が入力された後、
    前記ノード番号記憶手段に記憶されているノード番号が
    前記開始ノード番号になることを特徴とするビタビ復号
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項6または9記載のビタビ復号装
    置において、 前記トレースバック回路は、 前記信号読み出し回路によって読み出されたパスセレク
    ト信号及び前記開始ノード番号決定回路によって決定さ
    れた開始ノード番号を入力とし、復号信号を出力する復
    号回路と、 mビットのデータを保持可能である第1のLIFO(La
    st In First Out メモリ)及び第2のLIFOと、 前記第1のLIFO及び第2のLIFOのいずれか一方
    を選択し、選択したLIFOに前記復号回路から出力さ
    れたm個の復号信号を入力する第1の選択手段と、 前記第1のLIFO及び第2のLIFOのいずれか一方
    を選択し、選択したLIFOからm個の復号信号を出力
    する第2の選択手段とを備え、 前記第1の選択手段が前記第1のLIFO及び第2のL
    IFOのいずれか一方を選択して復号信号を入力すると
    き、前記第2の選択手段は他方のLIFOを選択して復
    号信号を出力することを特徴とするビタビ復号装置。
  14. 【請求項14】 畳み込み符号化された受信符号をパス
    トレース方式によって復号するビタビ復号方法であって
    (送信側の符号器の拘束長をK(Kは正の整数)、復号
    のためのトレースバックを行う単位であるトレースバッ
    ク長をm(mは正の整数)、シンボルレートをf(fは
    正の実数)とする)、 ビット幅が2(K-1) でありワード数がmである記憶領域
    をそれぞれ有する第1の記憶部、第2の記憶部及び第3
    の記憶部を設け、 入力された受信符号に対して、前記符号器の状態を示す
    各ノードに各ビットが対応する2(K-1) ビットのパスセ
    レクト信号を生成するパスセレクト信号生成処理と、 生成されたm個のパスセレクト信号を前記第1〜第3の
    記憶部のいずれか1つに書き込むと同時に、前記m個の
    パスセレクト信号の1つ前のパスセレクト信号において
    最尤パスが通過するノードの番号を求め、該ノードの番
    号を前記m個のパスセレクト信号の前のm個のパスセレ
    クト信号に対するトレースバックの開始ノード番号とし
    て決定する開始ノード番号決定処理と、 前記第1〜第3の記憶部のいずれか1つから書き込みと
    は逆の順序でm個のパスセレクト信号を読み出すと共
    に、前記開始ノード番号決定処理によって決定された開
    始ノード番号に対応するビットから順にトレースバック
    を行い復号するトレースバック処理とを備え、 各記憶部の動作状態を(m×f)の時間間隔でステート
    1、ステート2及びステート3の順に巡回的に変化さ
    せ、 ステート1において前記開始ノード番号決定処理を実行
    し、ステート2において処理を実行せず、ステート3に
    おいて前記トレースバック処理を実行することを特徴と
    するビタビ復号方法。
  15. 【請求項15】 畳み込み符号化された受信符号をパス
    トレース方式によって復号するビタビ復号方法であって
    (送信側の符号器の拘束長をK(Kは正の整数)、復号
    のためのトレースバックを行う単位であるトレースバッ
    ク長をm(mは正の整数)、シンボルレートをf(fは
    正の実数)とする)、 ビット幅が2(K-1) でありワード数が(m+a)(aは
    0又は正の整数)である記憶領域をそれぞれ有する第1
    の記憶部及び第2の記憶部を設け、 入力された受信符号に対して、前記符号器の状態を示す
    各ノードに各ビットが対応する2(K-1) ビットのパスセ
    レクト信号を生成するパスセレクト信号生成処理と、 生成されたm個のパスセレクト信号を前記第1及び第2
    の記憶部のいずれかに記憶領域の先頭アドレス0からア
    ドレスを昇順にして書き込むと同時に、前記m個のパス
    セレクト信号の1つ前のパスセレクト信号において最尤
    パスが通過するノードの番号を求め、該ノードの番号を
    前記m個のパスセレクト信号の前のm個のパスセレクト
    信号に対するトレースバックの開始ノード番号として決
    定する第1の開始ノード番号決定処理と、 生成されたm個のパスセレクト信号を前記第1及び第2
    の記憶部のいずれかに記憶領域の最後尾アドレス(m+
    a−1)からアドレスを降順にして書き込むと同時に、
    前記m個のパスセレクト信号の1つ前のパスセレクト信
    号において最尤パスが通過するノードの番号を求め、該
    ノードの番号を前記m個のパスセレクト信号の前のm個
    のパスセレクト信号に対するトレースバックの開始ノー
    ド番号として決定する第2の開始ノード番号決定処理
    と、 前記第1及び第2の記憶部のいずれかから、記憶領域の
    最後尾アドレス(m+a−1)からアドレスを降順にし
    て書き込まれたm個のパスセレクト信号を書き込みとは
    逆の順序で読み出すと共に、決定された開始ノード番号
    に対応するビットから順にトレースバックを行い復号す
    る第1のトレースバック処理と、 前記第1及び第2の記憶部のいずれかから、記憶領域の
    先頭アドレス0からアドレスを昇順にして書き込まれた
    m個のパスセレクト信号を書き込みとは逆の順序で読み
    出すと共に、決定された開始ノード番号に対応するビッ
    トから順にトレースバックを行い復号する第2のトレー
    スバック処理とを備え、 各記憶部の動作状態を(m×f)の時間間隔でステート
    1、ステート2、ステート3及びステート4の順に巡回
    的に変化させ、 ステート1において前記第1の開始ノード番号決定処理
    及び第1のトレースバック処理を実行し、ステート2及
    びステート4において処理を実行せず、ステート3にお
    いて前記第2の開始ノード番号決定処理及び第2のトレ
    ースバック処理を実行することを特徴とするビタビ復号
    方法。
  16. 【請求項16】 畳み込み符号化された受信符号をパス
    トレース方式によって復号するビタビ復号装置であっ
    て、 受信符号から生成された1トレースバック長分のパスセ
    レクト信号を記憶部に書き込むとともに、前記記憶部に
    書き込まれたパスセレクト信号から、このパスセレクト
    信号の前の1トレースバック長分のパスセレクト信号に
    おける最尤パスの終端のノード番号を求め、このノード
    番号を開始ノード番号として、前記記憶部に書き込まれ
    たパスセレクト信号の前のパスセレクト信号に対してト
    レースバックを行い、信号を復号することを特徴とする
    ビタビ復号装置。
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