JP2996305B2 - 高熱抵抗型熱電発電装置 - Google Patents

高熱抵抗型熱電発電装置

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JP2996305B2
JP2996305B2 JP1201166A JP20116689A JP2996305B2 JP 2996305 B2 JP2996305 B2 JP 2996305B2 JP 1201166 A JP1201166 A JP 1201166A JP 20116689 A JP20116689 A JP 20116689A JP 2996305 B2 JP2996305 B2 JP 2996305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高熱抵抗型熱電発電装置に関するもので、
詳しくは、タービンや発電機を介さないで、熱エネルギ
ーを直接電気エネルギーに変換する熱電発電装置の、熱
電素子を薄膜型にし、かつ、熱流が集束してその熱電素
子を通るようにした熱電発電装置に関するものである。
〔従来の技術〕
熱エネルギーを電気エネルギーに変換する従来の原子
力発電設備は、たとえば、第20図に示すような構成から
なつている。
第20図において、61は原子炉格納容器、62は原子炉、
63は1次系高温溶融ナトリウムライン、64は中間熱交換
器、65は2次系高温溶融ナトリウムライン、66は高温高
圧の蒸気発生器、67は蒸気ライン、68は蒸気タービン、
69は交流発電機、70は電力送電ラインである。
すなわち、原子炉62で加熱された1次系高温溶融ナト
リウムは中間熱交換器64で2次系高温溶融ナトリウムと
熱交換し、この熱交換した2次系高温溶融ナトリムは蒸
気発生器66で水を加熱して蒸気を発生させる。この蒸気
は蒸気タービン68に供給され、該タービン68は回転して
交流発電機69を回転駆動し、該発電機69で交流電力が発
生されて電力送電ライン70から需用先に供給される。
しかしながら、前述の熱エネルギーを電気エネルギー
に変換する従来の技術においては、中間熱交換器64、蒸
気発生器66、蒸気タービン68、発電機69などを必要とす
るので、設備としては、多数の機器およびそれに伴なう
多くの配管などを必要とし、かつ、それらの保守や点検
などに多くの費用がかかるという問題点がある。また可
動部分による機械的損失および騒音などにも問題点があ
る。
そこで、本発明者は、上記の問題点を解決するものと
して、熱電発電装置を発明し、とくに、薄膜画の熱電素
子を有する熱電発電装置を発明し、平成1年特許願第53
918号として出願している。
まず、その出願の熱電発電装置の概略を説明する。
第17図は、その熱電発電装置を用いた発電設備の説明
図で、1は原子炉格納容器、2は原子炉、3は後述する
熱電発電装置、4は溶融ナトリウム供給ライン、5は溶
融ナトリウム排出ライン、6は電磁ポンプ、7は冷却水
供給ライン、8は冷却水排出ライン、9は直流を交流に
変換する変換器、10は電力送電ラインである。
すなわち、原子炉2で約550℃に加熱された高温溶融
ナトリウムは、熱電発電装置3に連続的に供給され、熱
電発電装置3の後述する高温側を加熱して約450℃に低
下し、電磁ポンプ6によつて溶融ナトリウム排出ライン
5から原子炉2に戻される。一方、約25℃の冷却水は、
冷却水供給ライン7から流入し、熱電発電装置3の後述
する低温側を冷却して約32℃となつて冷却水排出ライン
8から排出される。
これによつて、熱電発電装置3の熱電素子に起電力が
発生し、その直流電力は変換器9によつて交流電力に変
換されて送電ライン10から需用先へ送電される。
第18図は前記熱電発電装置3の半導体による熱電発電
の原理の説明図で、11はP型アモルフアス半導体熱電素
材、12はN型アモルフアス半導体熱電素材、13は電気絶
縁物、14は正孔(+)、15は電子(−)、16は導線、17
は高温側電気導体、18,19は低温側電気導体、20は電球
である。
この熱電発電の原理は、公知の温度測定用の熱電対と
同様に、前記両熱電素材11,12の高温側と低温側の温度
差によつて、前記両熱電素材11,12の間に起電力が発生
し、これに電球20を接続すれば点灯する。
第19図は第17図の熱電発電装置3の熱電発電器の一部
を拡大した一部切欠正面図である。
熱電発電器21は、内面に高温溶融ナトリウムが接触し
て流れるようにして該高温溶融ナトリウムの流路を形成
している熱良導体の円管23と、この円管23の管壁24の外
面に密着された薄膜型の熱電素子集合体25とを有し、こ
の熱電素子集合体25の外面に接触して低温冷却水が流れ
るようになつている。なお22は管板である。
そして、熱電素子集合体25は、第1薄膜層26、第2薄
膜層27、第3薄膜層28、第4薄膜層29、第5薄膜層30な
どからなつている。
前記第1薄膜層26は、管壁24の外周面に密着された酸
化ベリリウム薄膜またはダイヤモンド薄膜などの電気的
には不良導体で熱的には良導体である薄膜からなつてい
る。
前記第2薄膜層27は、第1薄膜層26の外周面に密着さ
れた銅薄膜などの電気的にも熱的にも良導体である電極
として作用する薄膜からなつている。
前記第3薄膜層28は、第2薄膜層27の外周面に密着さ
れていて、電気的にも熱的にも不良導体である絶縁物31
を介してP型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材32とN
型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材33が対をなしてい
る薄膜の熱電素子34の多数からなつている。
前記第4薄膜層29は、第3薄膜層28の外周面に密着さ
れた銅薄膜などの電気的にも熱的にも良導体である電極
として作用する薄膜からなつている。
前記第5薄膜層30は、第4薄膜層29の外周面に密着さ
れた酸化ベリリウムまたはダイヤモンド薄膜などの電気
的には不良導体で熱的には良導体である薄膜からなつて
いる。
しかも、前記第3薄膜層28の各P型アモルフアスFeSi
2半導体熱電素材32と各N型アモルフアスFeSi2半導体熱
電素材33が第2薄膜層27と第4薄膜層29によつて高温側
と低温側とで交互に順に電気的に接続されて全体として
直列に接続されている。
第19図に示すように構成された熱電発電器21において
は、高温溶融ナトリウムが円管23を流下することによつ
て、熱電素子集合体25の各熱電素子34の高温側が加熱さ
れ、同時に各熱電素子34の低温側が冷却水によつて冷却
されるので、第18図で説明したように、各熱電素子34に
は起電力が発生し、しかも、各熱電素子34は電気的に直
列に接続されているので、その起電力の総和の直流電力
が得られる。
第19図に示した薄膜型の熱電素子34を有する熱電発電
器21においては、熱電素子34が薄膜型であるため、熱電
発電装置の小型化が容易であり、また必要な材料の量を
低減することができるとともに、その熱電素子34の内部
電気抵抗が小さく、それだけ大きな直流電力を取り出す
ことができ、熱電発電のための熱利用効率も向上するな
どの利点を有する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、第19図に示した薄膜型の熱電素子34を
有する熱電発電器21においては、前述の利点を有する反
面高温流体として、燃焼ガス、排ガス、火炎および高温
ガス炉によつて加熱された高温ガス等の熱伝達特性の悪
い熱媒体に適用するには、薄膜でありながら、膜厚さを
比較的厚くしなければならなかつた。
しかし、熱電素子の厚さを厚くすると、材料の必要量
が多くなることと、熱電発電器のサイズが大きくなるこ
とと、さらに、製造工程が増えること、熱電素子と電極
等の密着を機械的な方法で行なわなければならないの
で、熱のロスがあることなど、物理的および技術的な面
で制約があり、またコスト増につながる等の問題点があ
る。
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであ
る。すなわち、本発明は、溶融金属のような比較的熱伝
達特性のよい高温流体の場合は、もちろんのこと、気体
等の熱伝達特性の悪い高温流体からの熱を利用する場合
にも、薄膜型の熱電素子に、大きな温度差を発生させる
ことができて、高効率が得られる高熱抵抗型熱電発電装
置を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、P型半導体熱
電素材(32)とN型導体熱電素材(33)とが対をなして
電気的にも熱的にも不良導体である絶縁物(31)を介し
て形成されていて、その一方の側が高温側となるととも
に、他方の側が低温側となる薄膜型熱電素子(34)の多
数を備え、かつ、前記薄膜型熱電素子(34)の高温側と
低温側のそれぞれに設けられた電極(27,29)を備え、
しかも、高温流体と低温流体を各別に流す流路を有し
て、該高温流体により前記薄膜型熱電素子(34)の高温
型に熱を与えるとともに、該低温流体により前記薄膜型
熱電素子(34)の低温側から熱を奪うようにした熱電発
電装置であって、前記各熱電素材(32,33)は多数の小
片からなり、その間の隙間が熱電素子(34)内を流れる
熱流に対し熱抵抗を大きくする断熱部(41)になってい
るものとした。
また、本発明は、前記電極(27,29)と前記各熱電素
材(32,33)との界面に熱電素子(34)内を流れる熱流
に対する熱抵抗を大きくする断熱部(41)を備えている
ものとした。
〔作用〕
本発明によれば、a.各熱電素材(32,33)が多数の小
片からなり、その間の隙間が断熱部(41)になっている
こと、或いはb.電極(27,29)と各熱電素材(32,33)と
の界面に断熱部(41)を備えていることにより、各熱電
素材を熱が通過する面積が実質的に小さくなるので、熱
電素子は高熱抵抗型となり、大きな温度差がつく。従つ
て、熱電発電装置の起電力はその熱電素子にかかる温度
差に依存するので、大きな起電力が得られる。
つぎに、熱電素子を高熱抵抗型にすると、温度差が大
きくなることの原理について、第13図により説明する。
第13図において、51は高温側の電極、52は熱電素子、
53は低温側の電極である。
そして、T0は高温流体のバルク温度、T1は高温流体と
電極51の接触面の温度、T2は電極51と熱電素子52の境界
面の温度、T3は熱電素子52と電極53の境界面の温度、T4
は低温流体と電極53の接触面の温度、T5は低温流体のバ
ルク温度であり、Qは単位時間に流れる熱量である。
ここで、電極51と熱電素子52と電極53の、熱流が通過
する断面積をそれぞれA,B,C、厚さをそれぞれt1,t2,t3
熱伝導度をそれぞれk1,k2,k3、高温流体と電極51の熱伝
達係数をh1、低温流体と電極53の熱伝達係数をh2とし、
定常状態では、以下のように表わされる。
上記(1)式〜(5)式を温度差について解くと、次
のようになる。ただし、電極51と熱電素子52と電極53の
各間の熱ギャツプは、密着構造であるため、充分に小さ
く、無視できるものとする。
上記(1′)式と(2′)式と(3′)式と(4′)
式と(5′)式を、左辺および右辺について、それぞれ
加えると、左辺はT0−T5になるので、これをΔTとす
る。すなわち、 ここで、電極51,53は、ともによく熱を通す物質である
から、k1とk3は実質的に無限大とみなしてよく、上記
(6)式は簡単化される。つまり、 したがつて、 上記(7)式と(3′)式から、 上記(7)式と(1′)式から、 上記(7)式と(5′)式から、 ここで、それぞれの熱抵抗を簡略化のため、 とすると、上記(8)式、(9)式、(10)式は、それ
ぞれ、以下のように表わされる。
したがつて、熱電発電装置の発電効率を上げようとす
れば、熱電素子52にかかる温度差(T2−T3)を大きくす
る必要がある。
このためには、上記(8′)式からわかるとおり、Y
を大きく、Xを小さく、Zを小さくする必要がある すなわち、第1に、Yを大きくするには、上記(11)
式から、k2を小さくする(熱電素子52の熱伝導度を小さ
くする)、Bを小さくする(熱電素子52の熱流が通過す
る断面積を小さくする)、t2を大きくする(熱電素子52
の厚さを増やす)ことになる。また第2に、XとZを小
さくするには、h1とh2が一定であれば、AとCを大きく
することになる。したがつて、熱電素子52の熱伝導度k2
および厚さt2が既に決まつている場合には、面積BをA
とCに比べて小さくすることにより、T2−T3を大きくす
ることができる。
なお以上の原理は、次のように適用できる。
(1)熱電素子の熱伝導度が大きく(熱を通しやす
い)、薄膜では充分な温度差が熱電素子の高温側と低温
側の間に発生しなくて、効率が低下する場合には、熱電
素子の熱流が通過する断面積BをAとCに比べて小さく
して熱抵抗を大きくする。
(2)熱電素子の厚さを材料の量の低減や製造上等の問
題から薄くしたい場合に、熱電発電装置の発電効率を低
下させないためには、厚さt2を小さくし、それに伴な
い、面積Bも小さくする。
(3)熱電素子の熱伝導度も厚さも妥当な範囲にある
が、高温側の加熱媒体が気体等で、前記h1が小さく、X
が大きくなつて、高温流体壁面での温度降下T0−T1が大
きくなり、熱電素子の高温側と低温側にかかる温度差T2
−T3が小さくなつてしまう場合がある。この場合は、面
積BをAに加べて小さくして熱抵抗Yを大きくし、つま
り、Y>>Xとなるようにする。
(4)熱電素子の熱伝導度も厚さも妥当な範囲にある
が、低温側の冷却媒体が気体で、前記h2が小さく、Zが
大きくなつて、低温流体壁体での温度上昇T4−T5が大き
くなり、T2−T3が小さくなつてしまう場合がある。この
場合は、面積BをCに比べて小さくして熱抵抗Yを大き
くし、つまり、Y>>Zとなるようにする。
〔実施例〕
第1図は本発明の第1実施例を示した断面正面図であ
り、第2図は第1図のIIの部分の拡大図である。
この第1実施例も、第18図に示した第1薄膜層26、第
2薄膜層(高温側電極)27、第3薄膜層28、第4薄膜層
(低温側電極)29、第5薄膜層30を有し、また第3薄膜
層28は、P型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材32とN
型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材33が対をなしてい
る薄膜の熱電素子34の多数からなつている。そして、寸
法的には、たとえば、第2図に示すように、第3薄膜層
28(熱電素材32,33)の厚さaが0.3mm、第2薄膜層(高
温側電極)27と第4薄膜層(低温側電極)29の厚さb,c
がともに0.8mm、第1薄膜層26と第5薄膜層30の厚さd,e
がともに0.4mm程度であることが望ましい。
また熱電素子34である第3薄膜層28には、多数の断熱
部41が設けられていて、熱流の通過する断面積(第12図
で説明した熱電素子52の面積Bに相当する)を小さくし
ている。すなわち、熱電素子34は高熱抵抗型になつてい
る。またこの断熱部41はP型アモルフアスFeSi2半導体
熱電素材32とN型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材33
との間の電気的絶縁物の働きもしている。
前記断熱部41は、真空にしたり、空気またはアルゴン
等の気体を密封したり、あるいは石綿、グラスウール等
の断熱材を充てんしたものとする。
このように、断熱部41を設けることによつて、熱電素
子34が高熱抵抗型となるため、上記(8′)式で説明し
たように、T2−T3(熱電素子34の熱電発電に有効な温度
差)が大きくなり、それだけ大きな起電力を得ることが
できる。
第3図は本発明の第2実施例を示している。この第2
実施例では、前記第1実施例と同様な断熱部41を第4薄
膜層29に、つまり、低温側電極に設けている。このよう
にしても、熱電素子34を流れる熱流が集束して流れ、実
質的に熱電素子34の面積が小さくなつたことになり、し
たがつて、熱電素子34は高熱抵抗型となる。
第4図は本発明の第3実施例を示している。この第3
実施例では、前記第1実施例と同様な断熱部41を第2薄
膜層27に、つまり、高温側電極に設けている。この第3
実施例においても、前記第2実施例と同じように、熱電
素子34が高熱抵抗型となる。
なお断熱部41を第2薄膜層27と第4薄膜層29の両方に
設けてもよい。
第5図は本発明の第4実施例を示した断面正面図であ
り、第6図は第5図VIの部分の拡大図である。
この第4実施例では、前述した断熱部41を熱電素子34
と第4薄膜層29(低温側電極)とに設けている。
すなわち、この第4実施例では、ちようど、前記第1
実施例と第2実施例を組み合わせたものに相当する。こ
のようにすることにより、熱電素子34は、より確実な高
熱抵抗型となる。
なお断熱部41を第2薄膜層27と熱電素子34と第4薄膜
層29の3者に設けてもよい。
第7図ないし第9図は本発明の第5実施例を示してい
る。
そして、第7図は第1薄膜層26と第5薄膜層30の図示
を省略し、一部を切欠して示した側面図であり、第8図
は第7図の第2薄膜層27(高温側電極)と第3薄膜層28
(熱電素子34)と第4薄膜層29(低温側電極)を分解
(実際は積層密着されている)した状態で示した断面正
面図であり、第9図は第7図の第4薄膜層29(低温側電
極)のみを示した断面底面図である。
この第5実施例では、断熱部41を第3薄膜層28と第4
薄膜層29の両方に設け、すなわち、第4薄膜層29では、
マスキング等の方法により膜面に均等に十字状に凹溝を
つけ、第2薄膜層27との間を真空とし、あるいは空気ま
たはアルゴンなどの気体を封入し、あるいは石綿、グラ
スウール等の断熱材を充てんして断熱部41を形成したも
のである。
この第5実施例の場合、第7図でわかるように、第3
薄膜層28に密着する部分の熱流集束部の面積が、全面積
の1/4となるため、熱抵抗は4倍となり、その結果、第
3薄膜層28の厚さを、断熱部41が全くない場合に比較し
て、1/4に低減しても、同じ起電力と発電効率が得られ
る。
第10図および第11図は本発明の第6実施例を示してい
る。
この第6実施例では、断熱部41は、製造が容易なよう
に、球形の一部を切削したほぼ半球形の断熱材からなつ
ていて、各断熱部41の間に第3薄膜層28が形成されてい
る。すなわち、断熱部41を設けたことにより、第3薄膜
層28(熱電素子)は高熱抵抗型となる。
第12図は本発明の第7実施例を示している。
この第7実施例では、第2薄膜層27(高温側電極)と
第4薄膜層29(低温側電極)の間に、球状のP型アモル
フアスFeSi2半導体熱電素材 上記(2′)式から 上記(3′)式から 上記(4′)式から 上記(5′)式から ここで、熱電素子52の面積Bだけが1/2 Bになつたとす
ると、(3″)式から 32とN型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材33とが一様
に、空間を置いて分散配置され、それら各素材間に真
空、気体、または断熱材からなる断熱部41が設けられて
いて、熱電素子34の熱抵抗が大きなものとなつている。
〔試算例〕
前述した第13図に基づいて、実際上の例として、高熱
抵抗型熱電発電装置の降下は、以下のように試算され
る。
第14図のように、T0=550℃、T1=T2=450℃(k1を無
限大とみなす)、T3=T4=300℃(k3を無限大とみな
す)、T4=100℃、 第13図で説明したA=B=C=1cm2、Q=100W、t2=0.
5mmで、定常状態になつていたとする。またふく射によ
る熱伝達は無視できるものとする。
上記(1′)式から したがつて、上記(8)式、(9)式、(10)式から すなわち、熱電素子52の面積を1/2にすることにより、
熱電素子52にかかる温度差は、上記(3″)式の150℃
から上記(3)式の225℃になるので、つまり、第15
図のように、50%増加する。このため、熱電発電装置の
発電効率が増加する。また前記Bを1/2とすることによ
つて、熱電発電にかかる温度差を変えず、すなわち、起
電力や発電効率を低下させることなく、厚さを1/2とす
ることができる。この状態を第16図に示す。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、熱の通る部分
に断熱部が設けられていて、熱電素子内の熱の通過する
面積が実質的に小さくなるので、熱電素子は、簡単な構
造で高熱抵抗型となり、大きな温度差がつく。したがつ
て、熱伝達特性の悪い熱媒体であつても、薄膜型の熱電
素子の両端に充分な温度差がつき、高い効率の発電がで
きる。このため、材料が少量ですみ、製造工程が簡単
で、各薄膜層の密着も良好であるといつた薄膜型熱電発
電装置を、熱伝達特性の悪い燃焼ガス、排ガス、高温ガ
ス炉によつて加熱された高温のガス、一般の火炎等に、
幅広く適用することが可能となる。また熱伝達特性がよ
い熱媒体に対しても、熱の通過面積を実質的に小さくす
ることにより、熱電発電装置の発電効率を低下させるこ
となく、薄膜型熱電素子の膜厚をより薄くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示した断面正面図、第2
図は第1図のIIの部分の拡大図、第3図は本発明の第2
実施例を示した断面正面図、第4図は本発明の第3実施
例を示した断面正面図、第5図は本発明の第4実施例を
示した断面正面図、第6図は第5図のVIの部分の拡大
図、第7図は本発明の第5実施例を示した一部切欠側面
図、第8図は第7図の分解断面正面図、第9図は第7図
の一部のみを示した断面底面図、第10図は本発明の第6
実施例を示した一部切欠側面図、第11図は第10図の切断
線XI−XIに沿う断面正面図、第12図は本発明の第7実施
例を示した断面正面図、第13図は高熱抵抗型の熱電素子
の原理の説明図、第14図は第13図に基づいた試算例の1
つの説明図、第15図は同じくもう1つの説明図、第16図
は同じくさらにもう1つの説明図、第17図は熱電発電設
備の一例を示した説明図、第18図は熱電発電の原理の説
明図、第19図は薄膜型の熱電素子を用いた熱電発電器の
一例を示した一部切欠断面正面図、第20図は従来の技術
の一例を示した説明図である。 3……熱電発電装置、21……熱電発電器、 26……第1薄膜層、27……第2薄膜層、 28……第3薄膜層、29……第4薄膜層、 30……第5薄膜層、31……絶縁物、 32……P型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材、 33……N型アモルフアスFeSi2半導体熱電素材、 34……熱電素子、41……断熱部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和智 信隆 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 日本原子力発電株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−145783(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】P型半導体熱電素材(32)とN型半導体熱
    電素材(33)とが対をなして電気的にも熱的にも不良導
    体である絶縁物(31)を介して形成されていて、その一
    方の側が高温側となるとともに、他方の側が低温側とな
    る薄膜型熱電素子(34)の多数を備え、かつ、前記薄膜
    型熱電素子(34)の高温側と低温側のそれぞれに設けら
    れた電極(27,29)を備え、しかも、高温流体と低温流
    体を各別に流す流路を有して、該高温流体により前記薄
    膜型熱電素子(34)の高温側に熱を与えるとともに、該
    低温流体により前記薄膜型熱電素子(34)の低温側から
    熱を奪うようにした熱電発電装置であって、前記各熱電
    素材(32,33)は多少の小片からなり、その間の隙間が
    熱電素子(34)内を流れる熱流に対し熱抵抗を大きくす
    る断熱部(41)になっていることを特徴とする、高熱抵
    抗型熱電発電装置。
  2. 【請求項2】断熱部が断熱材からなっている請求項1記
    載の高熱抵抗型熱電発電装置。
  3. 【請求項3】断熱部が真空からなっている請求項1記載
    の高熱抵抗型熱電発電装置。
  4. 【請求項4】断熱部が気体からなっている請求項1記載
    の高熱抵抗型熱電発電装置。
  5. 【請求項5】P型半導体熱電素材(32)とN型半導体熱
    電素材(33)とが対をなして電気的にも熱的にも不良導
    体である絶縁物(31)を介して形成されていて、その一
    方の側が高温側となるとともに、他方の側が低温側とな
    る薄膜型熱電素子(34)の多数を備え、かつ、前記薄膜
    型熱電素子(34)の高温側と低温側のそれぞれに設けら
    れた電極(27,29)を備え、しかも、高温流体と低温流
    体を各別に流す流路を有して、該高温流体により前記薄
    膜型熱電素子(34)の高温側に熱を与えるとともに、該
    低温流体により前記薄膜型熱電素子(34)の低温側から
    熱を奪うようにした熱電発電装置であって、前記電極
    (27,29)と前記各熱電素材(32,33)との界面に熱電素
    子(34)内を流れる熱流に対する熱抵抗を大きくする断
    熱部(41)を備えていることを特徴とする、高熱抵抗型
    熱電発電装置。
  6. 【請求項6】前記断熱部が電極に設けられている請求項
    5記載の高熱抵抗型熱電発電装置。
  7. 【請求項7】前記断熱部が薄膜型熱電素子と電極とに設
    けられている請求項5記載の高熱抵抗型熱電発電装置。
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