JP2995066B2 - 感熱転写記録用インクリボン - Google Patents

感熱転写記録用インクリボン

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JP2995066B2 JP1240076A JP24007689A JP2995066B2 JP 2995066 B2 JP2995066 B2 JP 2995066B2 JP 1240076 A JP1240076 A JP 1240076A JP 24007689 A JP24007689 A JP 24007689A JP 2995066 B2 JP2995066 B2 JP 2995066B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、サーマルヘッドやレーザー光等を熱源とし
て画像情報に応じた加熱を行い被転写体に画像を形成す
るための感熱転写記録用インクリボンに関し、特にイン
ク層に含有される結合剤樹脂の改良に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、基材上に結合剤樹脂および加熱により被転
写体に移行する染料よりなるインク層が形成されてなる
感熱転写記録用インクリボンにおいて、上記結合剤樹脂
として塩素含有量が35〜55重量%である塩化ビニル系共
重合体を主体とする材料を使用することにより、優れた
保存安定性と高感度とを同時に達成しようとするもので
ある。
さらに本発明は、上記結合剤樹脂の5〜40重量%をポ
リビニルアセトアセタールとすることにより、上述の効
果に加えてブロッキング(インク層が被転写体に融着す
ること)の防止を可能とするものである。
〔従来の技術〕
インク層を有するインクリボンにサーマルヘッドやレ
ーザー光等により熱エネルギーを印加し、少なくともイ
ンク層に含有される染料を記録紙等の被転写体に転写す
る技術は、感熱転写記録方式として知られている。この
感熱転写記録方式は、さらに溶融転写方式と昇華転写方
式とに大別される。溶融転写方式は、ワックスと染料と
が混合されてなるインク層が加熱により溶融し、染料が
ワックスと共に被転写体に転写される方式である。また
昇華転写方式は、染料と結合剤樹脂からなるインク層が
加熱されると染料のみが被転写体に転写される方式であ
る。これらの方式のうち後者は、階調性に優れるフルカ
ラー画像を得やすいこと、および特に近年ではビデオカ
メラによる撮像画像やテレビジョン画像等の電気信号を
直接変換してハードコピーを得る目的に適していること
から、開発が進められているものである。
たとえば、本願出願人は先に特開昭59−45184号公報
において、上述のようなハードコピーを得ることを可能
とする感熱転写記録インクリボンを提案している。これ
は、基材となる長尺状のコンデンサペーパー上に、イエ
ロー,マゼンタ,シアン,および必要に応じて使用され
るブラックの各昇華性染料をセルロース系樹脂中に分散
させてなる各インク層が帯状に順次配列されてなるもの
である。この感熱転写記録用インクリボンのインク層形
成面を印画紙と接触保持させた状態で、インクリボンの
背面からサーマルヘッド等により画像信号に対応した加
熱を行うと、加熱部において昇華性染料が印画紙に移行
して画像が形成される。このとき、適当な走行手段によ
りインクリボンの各色のインク層を印画紙と順次接触さ
せ、そのたびに各色の画像信号にもとづいて加熱を行え
ば、フルカラー画像が形成できるわけである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、昇華転写方式に適用される従来の感熱転写
記録用インクリボンにおいては、保存性と記録感度(印
加される熱エネルギーと記録濃度の比)を同時に良好に
達成することが困難である。たとえば、昇華性染料を結
晶粒の状態で結合剤樹脂中に分散させてインク層を形成
した場合、該昇華性染料を加熱により被転写体に移行さ
せるためには結晶内の分子間相互作用と結合剤樹脂との
相互作用を断つに足る熱エネルギーを印加する必要があ
る。しかしこの場合、熱エネルギーを多く必要とするた
め感度が低く、高速記録が不可能となること、また低感
度を補うために昇華性染料の含有量を高めようとすると
インク層の物性が劣化したり価格が高くなる等の不都合
が生ずる。一方、分子レベルで昇華性染料を結合剤樹脂
中に分散させてインク層を形成した場合には、上述のよ
うな結晶内の分子間相互作用が存在しない分だけ移行に
必要な熱エネルギーが少なくなり、高感度を達成する観
点からは有利であると考えられる。しかしながら、通常
使用される昇華性染料の分子量は150〜400程度であって
結合剤樹脂中で容易に動き得るものであるため、結合剤
樹脂のガラス転移点によっては経時的に凝集・析出して
記録感度や画質を低下させる原因となる。
このような問題点を解決する技術として、たとえば特
開昭60−101087号公報には、分子量が6万〜20万、ガラ
ス転移点Tgが60〜110℃、ビニルアルコール部分の含有
量が10〜40重量%であるポリビニルブチラール樹脂を90
重量%以上含む結合剤樹脂を使用した熱転写シートが開
示されている。このポリビニルブチラール樹脂は、昇華
性染料の凝集・析出を防止し、かつ高感度を達成するた
めには、結合剤樹脂のガラス転移点Tgがある程度高く、
また分子量もある程度大きいことが必要であるという論
点にもとづいて提案されたものである。
しかしながら、本発明者らが実験を行ったところで
は、かかるポリビニルブチラール樹脂をもってしても熱
転写シートの保存性は良好でなく、巻回状態で保存する
うちに長さ1μm程の針状晶が析出し、これが被転写体
にそのまま転写されて画質を著しく劣化させることが明
らかとなった。
そこで本発明は、保存性と記録感度の双方に優れる感
熱転写記録用インクリボンを提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上述の目的を達成するために検討を行っ
た結果、結合剤樹脂として所定量の塩素を含有する塩化
ビニル系共重合体を使用した場合に、良好な保存性と記
録感度が達成され、さらに上記塩化ビニル系共重合体に
所定量のポリビニルアセトアセタールをブレンドした場
合にはブロッキングの防止も可能となることを見出し
た。本発明は上述の知見にもとづいて完成されたもので
ある。
すなわち、本発明の感熱転写記録用インクリボンは、
基材上に結合剤樹脂および加熱により被転写体に移行す
る染料を含むインク層が形成されてなり、上記結合剤樹
脂の5〜40重量%がポリビニルアセトアセタールであり
残部が塩素含有量が35〜55重量%である塩化ビニル共重
合体であることを特徴とするものである。
まず、本発明において使用される結合剤樹脂は、塩素
含有量が35〜55重量%である塩化ビニル系共重合体であ
る。上記の塩素含有量の範囲は実用特性を最適化する観
点から選ばれたものであり、上記範囲未満では染料の結
晶化を十分に抑制することができず、また上記範囲を越
えると感度を低下させる虞れがある。より好ましい範囲
は35〜50重量%である。
上記塩化ビニル系共重合体の塩化ビニル以外の構成ユ
ニットとしては、アクリル酸,メタクリル酸,およびこ
れらの低級エステル類,酢酸ビニル,マレイン酸等があ
る。特に水酸基,カルボキシル基等の極性基を有するユ
ニットは好適であり、中でもアクリル酸,ヒドロキシエ
チルアクリレート,ヒドロキシエチルメタクリレートは
好適である。これらの含有量は、上記塩化ビニル系共重
合体の塩素含有量を上記の値に維持できる範囲内で適宜
設定することができる。
上記塩化ビニル系共重合体の平均分子量はおおよそ1
〜10万とされることが望ましい。低すぎる場合にはイン
ク層の物性が劣化して染料を堅固に保持することができ
ず、大きすぎる場合にはインク層を形成するための塗料
の粘度が高くなりすぎて塗布が困難となる。
さらに、上記塩化ビニル系共重合体のガラス転移点Tg
は55〜95℃程度に選ばれることが望ましい。上記範囲未
満では染料の結晶化を十分に抑制することができず、ま
た上記範囲を越えると感度を低下させる虞れがある。
上記結合剤樹脂は、基本的には上述のような塩化ビニ
ル系共重合体を主体とするものであるが、ブロッキング
の防止を目的として全体の5〜40重量%の割合でポリビ
ニルアセトアセタールを混合したものであっても良い。
ここで、上記ポリビニルアセトアセタールとしては重
合度200〜800、アセタール化度50〜90モル%の材料が好
ましい。さらに、上記ポリビニルアセトアセタールは、
アセタール化されたユニットのうちの10%以下がビニル
ホルマールおよび/またはビニルブチラールであって良
い。
次に、上記結合剤樹脂中に分散される染料としては、
下記の一般式(I),(II),(III)で表されるメチ
ン系染料が使用される。
ただし、(I)式中R1,R2,R3およびR4はそれぞれ水素
原子またはメチル基を表し、(II)式中R5は炭素数1〜
4の直鎖状もしくは分枝状アルキル基、R6は炭素数3〜
8のシクロアルキル基、Aは−CH2−,−CH2CH2−,−C
H2CH2O−,−CH2CH2OCH2−,−CH2CH2OCH2CH2−のいず
れか1種を表し、(III)式中R7およびR8はそれぞれ炭
素数1〜8の直鎖状もしくは分枝状アルキル基を表す。
本発明では、上述の結合剤樹脂および染料を適当な有
機溶剤に溶解してインク層塗料を調製し、これを基材上
に塗布してインク層を形成する。かかる基材としては、
厚さ3〜20μmの紙,PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルム,ポリエステルフィルム,ポリアミドフィ
ルム,ポリイミドフィルム,トリアセテートフィルム等
が使用可能である。
さらに、本発明の感熱転写記録用インクリボンは、サ
ーマルヘッド等から印加される熱による基材の変形を防
止したり摺接性を改善する目的で、上記基材のインク層
形成面と反対側の面に厚さ0.5〜2μmの耐熱滑性層が
形成されたものであっても良い。このような耐熱滑性層
の材料としては、酢酸セルロース,ニトロセルロース,
塩素化オレフィン,あるいはこれらにシリコーンオイル
を内添した材料、縮合シリコーン樹脂,シリコーン変性
アクリルポリオールのイソシアネート架橋物、シリコー
ン変性アルキド樹脂等を使用することができる。
〔作用〕 本発明においては、インク層中に含まれる結合剤樹脂
として、塩素含有量が35〜55重量%である塩化ビニル系
共重合体を主体とする材料が使用される。この材料の使
用により良好な保存安定性および記録感度が達成される
詳細な理由は不明であるが、塩化ビニル系共重合体の塩
素含有量が上記範囲に限定されることにより結合剤樹脂
全体の極性が適度に制御され、染料との相互作用の強さ
が最適化されるためであると考えられる。
さらに、本発明においては、上記結合剤樹脂の5〜40
重量%がポリビニルアセトアセタールとされる。この材
料の使用により上述の効果に加えてブロッキングの防止
が可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の好適な実施例について実験結果にもと
づいて説明する。
実施例1 本実施例は、第1の発明に対応してポリエステルフィ
ルムからなる基材の一方の面に塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体とメチン系染料からなるインク層が形成されて
なる感熱転写記録用インクリボンの例である。
なお、上記感熱記録用インクリボンには、インク層の
形成に先立ち、その形成面とは反対側の面にシリコーン
変性アルキド樹脂からなる1μm厚の耐熱滑性層を形成
した。
次に、インク層を形成するためのインク層組成物Aを
下記の組成にしたがって調製した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (ユニオンカーバイド社製,VYNS) 8重量部 メチン系染料 4重量部 メチルエチルケトン 44重量部 トルエン 44重量部 ここで、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の塩素
含有量は49.3重量%,分子量は87,500,ガラス転移点Tg
は79℃である。
また、上記メチン系染料としては、下記の構造的で表
される3種類の染料a,b,cをそれぞれ使用した。
上記インク層組成物を、前述のポリエステルフィルム
の耐熱滑製層の形成面とは反対側の面に乾燥塗布厚が1
μmとなるようにグラビアコーターで塗布してインク層
を形成し、感熱転写記録用インクリボンを作成した。
実施例2 本実施例は、第1の発明に対応してポリエステルフィ
ルムからなる基材の一方の面に塩化ビニル−アクリル共
重合体とメチン系染料からなるインク層が形成されてな
る感熱転写記録用インクリボンの例である。
まず、上記実施例1の場合と同様にポリエステルフィ
ルムの一方の面に耐熱滑性層を形成した後、以下の組成
を有するインク層組成物Bを他方の面に塗布し、同様に
感熱転写記録用インクリボンを作成した。
塩化ビニル−アクリル共重合体 (積水化学工業社製,エスレックE−C110) 8重量部 メチン系染料(上記染料a,b,c) 4重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 エチルセロソルブ 8重量部 ここで、上記塩化ビニル−アクリル共重合体の塩素含
有量は39.8重量%,分子量は26,500,ガラス転移点Tgは6
5℃である。
実施例3 本実施例は、第2の発明に対応してポリエステルフィ
ルムからなる基材の一方の面に塩化ビニル−アクリル共
重合体,ポリビニルアセトアセタール,およびメチン系
染料カラなるインク層が形成されてなる感熱転写記録用
インクリボンの例である。
本実施例において結合剤樹脂の一部を構成する上記ポ
リビニルアセトアセタールは、以下のようにして合成し
た。
まず、3容のフラスコに純水1200gを入れ、ポリビ
ニルアルコール(重合度300,重量平均分子量約170,000,
ケン化度97%)100gを溶解した。続いて酸触媒として35
%塩酸を300g添加し、反応液を12℃まで冷却してアセト
アルデヒド75gを添加し、アセタール化生成物を析出さ
せた。次に、反応液の温度を30℃まで上げて3.5時間保
持した後、アルカリ水溶液による水洗中和を行って酸触
媒を中和すると共に未反応アセトアルデヒドを除去し、
ポリビニルアセトアセタールを得た。得られたポリビニ
ルアセトアセタールの分析値は、ポリビニルアルコール
含量12モル%,酢酸ビニル含量3モル%,アセタール化
度85モル%,重合度300であった。
次に、上述のようにして合成されたポリビニルアセト
アセタールを使用して、以下の組成にしたがってインク
層組成物Cを調製した。
塩化ビニル−アクリル共重合体 (積水化学工業社製,エスレックE−C110) 5.6重量部 ポリビニルアセトアセタール 2.4重量部 メチン系染料(上記染料a,b,c) 4重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 エチルセロソルブ 8重量部 上記インク層組成物Cを、予め一方の面に耐熱滑性層
の形成されたポリエステルフィルムの他方の面に塗布
し、同様に感熱転写記録用インクリボンを作成した。
比較例1 本比較例は、結合剤樹脂を構成する樹脂として本発明
で規定する材料ではなく、セルロースアセテートブチレ
ートを使用した例である。
まず、以下の以下の組成にしたがってインク層組成物
Dを調製した。
セルロースアセテートブチレート (コダック社製,381−20) 8重量部 メチン系染料(上記染料a,b,c) 4重量部 メチルエチルケトン 53重量部 トルエン 26.5重量部 ジアセトンアルコール 8.5重量部 上記インク層組成物Dを、予め一方の面に耐熱滑性層
の形成されたポリエステルフィルムの他方の面に塗布
し、同様に感熱転写記録用インクリボンを作成した。
比較例2 本比較例は、結合剤樹脂を構成する樹脂として本発明
で規定する材料ではなく、ポリビニルブチラールを使用
した例である。
まず、以下の組成にしたがってインク層組成物Eを調
製した。
ポリビニルブチラール (電気化学工業社製,4000−2) 8重量部 メチン系染料(上記染料a,b,c) 4重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 エチルセロソルブ 8重量部 ここで、上記ポリビニルブチラールの分子量は70,00
0,ガラス転移点Tgは72℃である。
上記インク層組成物Eを、予め一方の面に耐熱滑性層
の形成されたポリエステルフィルムの他方の面に塗布
し、同様に感熱転写記録用インクリボンを作成した。
比較例3 本比較例は、結合剤樹脂を構成する樹脂として塩素含
有量が本発明で規定される範囲の下限よりも低く、また
ガラス転移点Tgが本発明で推奨される範囲よりも低い塩
化ビニル系共重合体を使用した例である。
まず、以下の組成にしたがってインク層組成物Fを調
製した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (ユニオンカーバイド社製,VYES) 8重量部 メチン系染料(上記染料a,b,c) 4重量部 メチルエチルケトン 44重量部 トルエン 44重量部 ここで、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の塩素
含有量は33.6重量%,分子量は10,000,ガラス転移点Tg
は51℃である。
上記インク層組成物Fを、予め一方の面に耐熱滑性層
の形成されたポリエステルフィルムの他方の面に塗布
し、同様に感熱転写記録用インクリボンを作成した。
比較例4 本比較例は、結合剤樹脂を構成する樹脂として、塩化
ビニルのホモポリマーであり塩素含有量が本発明で規定
される範囲の上限よりも多い塩素化塩化ビニルを使用し
た例である。
まず、以下の組成にしたがってインク層組成物Gを調
製した。
塩素化塩化ビニル (積水化学工業社製,ES−941F) 8重量部 メチン系染料(上記染料a,b,c) 4重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 ジアセトンアルコール 8重量部 ここで、上記塩素化塩化ビニルの塩素含有量は63.6重
量%である。
上記インク層組成物Gを、予め一方の面に耐熱滑性層
の形成されたポリエステルフィルムの他方の面に塗布
し、同様に感熱転写記録用インクリボンを作成した。
以上の各実施例および各比較例において作成された感
熱転写記録用インクリボンについて、保存安定性と記録
感度を調べた。
保存安定性は、各感熱転写記録用インクリボンを温度
65℃,相対湿度80%の雰囲気中に放置し、随時倍率400
倍にて顕微鏡観察を行い、結晶化の有無を調べることに
より評価した。ここで、長さ1μm以上の染料の結晶粒
が成長している場合を「結晶化」、そうでない場合を
「結晶化せず」と表現した。
また記録感度は、上記感熱転写記録用インクリボンの
インク層と記録紙の染料受容層とを密着させた状態で、
インクリボンの背面からサーマルヘッドにより1ドット
当たり4.5mJの熱エネルギーを印加した場合の記録画像
の濃度をマクベス反射濃度計を用いて測定することによ
り評価した。ここで、測定値が2以上であれば実用上十
分な濃度が達成されていると判断される。なお、ここで
使用した記録紙の染料受容層は、150μm厚のポリプロ
ピレン合成紙(王子油化社製,ユポFPG150)に以下の組
成を有する染料受容層組成物を乾燥塗布厚が1μmとな
るように塗布することにより形成した。
飽和ポリエステル樹脂 (東洋紡社製,バイロン#200) 25重量部 シリコーン樹脂 (東レ・シリコン社製,SF8427) 3重量部 メチルエチルケトン 36重量部 トルエン 36重量部 以上の結果を第1表に示す。
第1表より、実施例1ないし実施例3で作成された感
熱転写記録用インクリボンは、高温高湿下に7日間放置
された場合にも染料が結晶化を起こさず、また反射濃度
も概して高い値が達成されていることから、実用上十分
な記録感度が達成されていることがわかる。特に実施例
3で作成された感熱転写記録用インクリボンにおいて
は、ブロッキングも効果的に防止されていた。
これに対し、比較例1ないし比較例3では記録感度に
優れたものは散見されるものの、染料がいずれも1〜3
日で結晶化を起こし、記録感度と保存安定性が両立され
ていなかった。特に、比較例2で使用されているポリビ
ニルブチラールは、ある程度大きいガラス転移点Tgと分
子量を有する結合剤樹脂として従来提案されているもの
であるが、これらの条件が満足されるだけでは十分な保
存安定性を達成できないことが明らかである。また、比
較例3で使用されている結合剤樹脂は、組成上は実施例
1で使用されているものと同様であるが、塩素含有量と
分子量が本発明で規定もしくは推奨される範囲外にある
ために、十分な保存安定性を達成するには至っていな
い。さらに、本発明で規定される範囲より高い塩素含有
量を有する結合剤樹脂を使用した比較例4では、7日後
に結晶化が見られなかったものの反射濃度が著しく低下
しており、やはり実用特性が満足されているとは言えな
かった。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の感熱転写
記録用インクリボンは、結合剤樹脂として塩素含有量が
35〜55重量%である塩化ビニル系共重合体を主体とする
材料、及び上記結合剤樹脂の5〜40重量%をポリビニル
アセトアセタールとした材料が使用されていることによ
り、優れた保存安定性と高感度、ひいては耐ブロッキン
グ性が達成されたものである。かかる熱転写記録用イン
クリボンを使用すれば、一定の熱エネルギーをサーマル
ヘッド等から印加した場合には、常に安定した濃度で高
品位な画像が形成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 悟 東京都中央区日本橋室町1丁目6番3号 ソニーケミカル株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−56491(JP,A) 特開 平2−233293(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に結合剤樹脂および加熱により被転
    写体に移行する染料を含むインク層が形成されてなり、 上記結合剤樹脂の5〜40重量%がポリビニルアセトアセ
    タールであり残部が塩素含有量が35〜55重量%である塩
    化ビニル共重合体であることを特徴とする感熱転写記録
    用インクリボン。
JP1240076A 1989-09-18 1989-09-18 感熱転写記録用インクリボン Expired - Lifetime JP2995066B2 (ja)

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