JP2994772B2 - シートベルトリトラクタ - Google Patents

シートベルトリトラクタ

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JP2994772B2
JP2994772B2 JP3045014A JP4501491A JP2994772B2 JP 2994772 B2 JP2994772 B2 JP 2994772B2 JP 3045014 A JP3045014 A JP 3045014A JP 4501491 A JP4501491 A JP 4501491A JP 2994772 B2 JP2994772 B2 JP 2994772B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に装備
され、乗員を保護するためのシートベルト装置に関し、
特に、緊急時にシートベルトを巻き取るリールシャフト
に設けられた係止部材が、このリールシャフトを支持す
るフレームに係合することにより、リールシャフトの回
転がロックされてシートベルトの伸び出しが防止される
シートベルトリトラクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に装備されるシートベル
トリトラクタにおいては、車両に大きな減速度が作用し
た場合のような緊急時に、乗員の慣性移動によるシート
ベルトの伸び出しを防止するために、従来のシートベル
トリトラクタにはシートベルトを巻き取るリールシャフ
トの回転をロックするロック手段が設けられている。
【0003】このようなリールシャフトのロック手段の
一つとして、例えば米国特許第4,796,918号明細
書および図面に開示されているような、リールシャフト
およびこのリールシャフトを支持しているフレームにそ
れぞれ歯を形成するとともに、車両に所定値以上の減速
度が作用したとき、リールシャフトが移動せしめられて
その歯がフレームの歯に係合することにより、リールシ
ャフトの回転を阻止するタイプのロック手段がある。
【0004】また、例えば米国特許第4,277,036
号明細書および図面に開示されているような、リールシ
ャフトの両端に係止爪を設け、これに対向するフレーム
に歯を形成し、車両に所定以上の減速度が作用したと
き、係止爪がフレームの歯に係合することにより、リー
ルシャフトの回転を阻止するタイプのロック手段があ
る。これらのロック手段は、歯がフレームに形成される
ことからこのような歯を有する特別の部材を設けること
が不要となるので、比較的軽量に形成することができ
る。したがって、このロック手段によれば、現在自動車
等の車両に求められている軽量化に対応することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ロック手段を備えたリトラクタにおいては、リールシャ
フトに設けられた係止部材がフレームの歯に噛み合い、
リールシャフトの回転がロックされるとき、フレームの
歯には比較的大きな力が加えられる。このため、フレー
ムの歯の幅を大きく形成して、フレームの歯に生じる応
力を緩和する必要がある。従来、フレームの歯に生じる
応力を緩和する対策として、フレームの板厚を厚くして
歯の噛み合い幅を大きくするか、またはフレームとは別
体に形成した歯をフレームに取り付けて補強するかして
いた。
【0006】しかしながら、前者の対策では重量が増大
するという問題があり、また後者の対策では補強材が必
要となるので部品点数が多くなるばかりでなく、補強材
の取付工程が必要となって作業工数が増大し、コストが
高くなるという問題がある。本発明は、このような事情
に鑑みてなされたものであって、その目的は、軽量でか
つ安価なシートベルトリトラクタを提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明は、車両に所定値以上の減速度が加えられ
たとき、シートベルトを巻き取るリールシャフトに設け
られた係止部材が、該リールシャフトを支持するフレー
ムに形成された歯に係合することにより、前記リールシ
ャフトの回転を阻止するロック手段を備えているシート
ベルトリトラクタにおいて、前記フレームに形成された
歯が該フレームと単一部材で形成されているとともに、
前記フレームに形成された歯の幅が、前記フレームの板
厚よりも大きく設定されており、更に、前記フレームに
形成された歯は、バーリング加工により形成された歯で
あることを特徴としている。
【0008】
【作用】このような構成をした本発明に係るシートベル
トリトラクタにおいては、フレームに形成された歯は該
フレームと単一部材でバーリング加工により、その歯の
幅がフレームの板厚よりも大きく設定されて形成される
ようになる。したがって、リールシャフトに設けられた
係止部材がフレームの歯に係合したとき、リールシャフ
トから受ける力によってフレームの歯に生じる応力は、
その歯の幅が板厚より大きいことから緩和されてそれほ
ど大きくはならない。すなわち、フレームの歯は、フレ
ームの板厚が比較的薄くても強度が大きいものとなる。
【0009】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明に係るシートベルトリトラクタの一実
施例を示す正面図、図2はこの実施例の側面図、図3は
図2においてフライホイールを取り除いてシートベルト
ロック機構の一部を明瞭に示す図、図4は図2における
IVーIV線に沿う断面図である。
【0010】図1ないし図4に示すように、この実施例
におけるシートベルトリトラクタ1は左右側壁2a,2
bを有するコ字形に形成されたフレーム2を備えてい
る。このフレーム2の左右側壁2a,2b間にシートベ
ルト3を巻き取るリールシャフト4が配設されている。
また左側壁2aには、リールシャフト4にシートベルト
3の巻取り力を付与する付勢力付与手段5が取り付けら
れている。更に、右側壁2bにはシートベルトロック作
動手段6が取り付けられているとともに、車両に所定の
減速度が作用したとき、その減速度を感知してシートベ
ルトロック作動手段6を動作させる減速度感知手段7が
設けられている。
【0011】図5は本実施例のリールシャフト1の分解
斜視図であり、更にこの図5をも含めてリールシャフト
1の構成部材について詳細に説明する。図5に示すよう
に、フレーム2の左右側壁2a,2bには、それぞれ比
較的大径でありかつ互いに同径の円形孔8,9が穿設さ
れており、これらの円形孔8,9は左右側壁2a,2b
の互いに対向する同じ位置に形成されている。また、図
6(a)に明瞭に示すように、円形孔8の内周面の左上
方部分には、それぞれ複数の歯8a,8a,…が形成さ
れているとともに、円形孔8の内周面の左下方には切欠
き溝8bが形成されている。
【0012】図6(c)および(d)に示すように、歯
8aおよび切欠き溝8bを含む円形孔8は、バーリング
加工により左側壁2aの円形孔8の周縁部を外方へ直角
に折曲された折曲部によって形成されている。したがっ
て、歯8aの幅、切欠き溝8bの幅および円形孔8の内
周面の幅は等しく折曲部の幅Tに設定されており、その
幅Tは、フレーム2の板厚tよりも大きく形成されてい
る。また、この円形孔8周縁部の折曲部はリブの機能を
発揮するので、この周縁部が補強されるようになる。
【0013】図6(b)に示すように、右側壁円形孔9
の内周面の右上方部分にも、それぞれ複数の歯9a,9
a,…が形成されている。これらの歯9aは左側壁2a
の歯8aと軸方向に対向する位置に形成されている。そ
して、図6(b)に示すように歯9aを含む円形孔9
も、同様にバーリング加工により右側壁2bの円形孔9
周縁部を外方へ直角に折曲された折曲部によって形成さ
れている。したがって、歯9aの幅および円形孔9の内
周面の幅は等しく折曲部の幅Tに設定されており、その
幅Tはフレーム2の板厚tよりも大きく形成されてい
る。また、同様にこの円形孔9周縁部の折曲部もリブの
機能を発揮するので、この周縁部も補強されるようにな
る。
【0014】更にこれらの複数の歯8a,9aはほぼ三
角形の山形の同形状に形成されており、シートベルトの
引出し方向であるA方向に対して面する面が比較的急な
傾斜面とされ、またシートベルトの巻取り方向であるB
方向に対して面する面が比較的緩やかな傾斜面とされて
いる。更に左側壁2aの図6(a)において右上方部に
は、比較的小径の円形孔10が穿設されている。また、
同様に右側壁2bの図6(b)において左上方部には、
比較的小径の円形孔11が穿設されている。これらの円
形孔10,11も、左右側壁2a,2bの互いに対向す
る同じ位置に形成されている。
【0015】図4および図5に示すようにシートベルト
3を巻取るリールシャフト4の左右両端にはフランジ1
2a,13a付ラチェット12,13が設けられてお
り、これらのラチェット12,13の歯12b,13b
はそれぞれ前述の円形孔8,9の歯8a,9aの形状と
は逆の三角形の山形形状、すなわちA方向に対して面す
る面が比較的緩やかな傾斜面とされ、またシートベルト
巻取り方向であるB方向に対して面する面が比較的急な
傾斜面とされている。その場合、歯12b,13bが歯
8a,9aとほぼ同じピッチで形成されているので、図
6に示すようにリールシャフト4が移動した際、歯12
b,13bは歯8a,9aにほぼぴったりと噛み合うよ
うになっている。更に、図4に示すようにリールシャフ
ト4の左右端のラチェット12,13には、それぞれ第
1および第2突出軸4b,4cが巻取り部4aと同軸に
突設されている。
【0016】そして、リールシャフト4はその巻取り部
4aがフレーム2の左右側壁2a,2b内に位置すると
ともに、左右側壁2a,2bの円形孔8,9を貫通する
ようにして配設されている。その場合、左右端のラチェ
ット12,13の歯12b,13bが円形孔8,9の歯
8a,9aにそれぞれ対向するようにされている。
【0017】付勢力付与手段5は取付台板14を介して
左側壁2aに取り付けられている。この付勢力付与手段
5はスプリング15を備えており、このスプリング15
によりリールシャフト4はシートベルト3の巻取り方向
に常時付勢されている。そしてスプリング15は、ケー
ス本体16とこのケース本体16に固定されるカバー2
3とからなるケース17内に収容されている。この付勢
力付与手段5は従来の一般的なものであり、したがって
その詳細な説明は省略する。
【0018】また、ケース本体16にはピボットピン2
4とシェアピン25が形成されている。ピボットピン2
4はフレーム2の円形孔10に嵌合され、これによりケ
ース17は左側壁2aにピボットピン24を中心に揺動
可能に支持される。一方、シェアピン25は切欠き溝8
bに嵌合され、したがって通常時にはケース17は揺動
不能とされている。このシェアピン25は所定値以上の
せんだん力が加えられたとき破断するようになってお
り、シェアピン25が破断したときには、付勢力付与手
段5はピボットピン24を中心に揺動可能となる。
【0019】ところで本実施例においては、図4に示す
ように出力軸20の端に形成された凹部20aに、リー
ルシャフト4の第1突出軸4bが所定の間隙を置いて遊
嵌されている。その場合、出力軸20とリールシャフト
4とは軸方向には相対移動可能であるが、回転方向には
相対回転不能に遊嵌されており、したがって付勢力付与
手段5の付勢力は出力軸20を介してリールシャフト4
に伝達可能となっている。また、図10に二点鎖線で示
すようにリールシャフト4はその遊嵌部である第1突出
軸4bの端を中心に回動できるようになり、このように
リールシャフト4が回動したときは右側のラチェット1
3の歯13bが右側壁2bの歯9aに係合するようにな
る。
【0020】一方右側壁2bには台板26がビス等(不
図示)により固定されており、この台板26には比較的
大きな円形孔26aが円形孔8,9と同軸上に穿設され
ていると共に、円形孔10,11と同軸上に円形孔26
bが穿設されている。この台板26に隣接してロックプ
レート27が配設されている。その場合、ロックプレー
ト27のフレーム2側の面にピボットピン28が突設さ
れているとともに、このピボットピン28が台板26の
円形孔26bを貫通して右側壁2bの円形孔11に嵌合
されていて、ロックプレート27はピボットピン28を
中心として揺動可能となっている。
【0021】また、ロックプレート27の中央部には円
形孔27aが孔8,9,26aと同軸上に穿設されてい
るとともに、この円形孔27aの内周面にはほぼ三角形
の山形の歯27bが形成されている。この歯27bは、
シートベルト3の引出し方向であるA方向に対して面す
る面が比較的急な傾斜面とされ、またシートベルト3の
巻取り方向であるB方向に対して面する面が比較的緩や
かな傾斜面とされている。更に、ピボットピン28と反
対側のロックプレート27には、支軸29が突設されて
おり、この支軸29には第1係止爪30が揺動自在に支
持されている。リールシャフト4の第2突出軸4cに
は、円板状の係止爪取付板31が第2突出軸4cに対し
て相対回転不能に嵌合固定されている。図3に示すよう
にこの係止爪取付板31は、その外周の大きさがロック
プレート27の円形孔27aの大きさよりもほんのわず
か小さく設定されているとともに、組付状態では円形孔
27a内に位置するようにされている。また係止爪取付
板31には支軸31aが突設されており、この支軸31
aに第2係止爪32がその孔32aを嵌合することによ
り揺動自在に支持されている。そして第2係止爪32の
先端がロックプレート27の歯27bに対向するように
されているとともに、第2係止爪32が巻取方向Bに回
動したとき、その先端が歯27bに係合してロックプレ
ート27と係止爪取付板31とは相対回転が不能となる
ようにされている。この第2係止爪32には凹溝32b
が形成されている。
【0022】更に係止爪取付板31には、第2係止爪3
2が歯27bに係合したとき、この第2係止爪32が受
けるロックプレート27からの反力を支持する部材33
及び第2係止爪32のA方向への回転を所定量に制限す
るストッパ34がそれぞれ設けられている。更に係止爪
取付板31には、コイルばね35の一端を支持するばね
受け部材36が設けられており、このばね受け部材36
にはコイルばね35をガイドするガイド部36aが設け
られている。
【0023】ロックプレート27および係止爪取付板3
1に隣接して、フライホイール37が配設されており、
このフライホイール37はねじ38によりリールシャフ
ト4の第2突出軸4cに回転可能に支持されている。フ
ライホイール37の係止爪取付板31側の面には、円形
の凹部37aが形成されており、この凹部37a内にロ
ックプレート27の歯27bおよび係止爪取付板31が
位置するようになっている。
【0024】またフライホイール37の凹部37a内に
は係合ピン39が突設されており、この係合ピン39が
第2係止爪32の凹溝32bに嵌合されている。そし
て、フライホイール37が係止爪取付板31に対してB
方向に相対回転したときには、係合ピン39により第2
係止爪32がB方向に回動しロックプレート27の歯2
7bに係合可能な位置にされるとともに、フライホイー
ル37が係止爪取付板31に対してA方向に相対回転し
たときには、係合ピン39により第2係止爪32がA方
向に回動しロックプレート27の歯27bに係合不能な
位置にされる。
【0025】更にフライホイール37の凹部37a内に
は、コイルばね35の他端を支持するばね受け部材40
が設けられており、このばね受け部材40にはコイルば
ね35をガイドするガイド部40aが設けられている。
そして、コイルばね35は圧縮された状態で設置されて
おり、したがってフライホイール37はA方向に常時付
勢されている。その場合、第2係止爪32も係合ピン3
9を介してA方向に付勢されており、通常状態では第2
係止爪32はストッパ34に当接した状態にされてい
る。
【0026】この第2係止爪32がストッパ34に当接
した状態では、フライホイール37は係止爪取付板31
に対するA方向へのそれ以上の相対回転が阻止されるよ
うになる。またフライホイール37は、第2係止爪32
がB方向へ回転して歯27bに当接することにより、係
止爪取付板31に対するB方向への相対回転が阻止され
るようになる。
【0027】更に、フライホイール37の外周面にはラ
チェット41が設けられており、このラチェット41の
歯41aはシートベルト引き出しであるA方向に対して
面する面が比較的緩やかな傾斜面とされ、またシートベ
ルト巻取り方向であるB方向に対して面する面が比較的
急な傾斜面とされている。
【0028】減速度感知手段7は、図2に示すように右
側壁2bに取り付けられて支持台42に揺動自在に載置
された慣性体43と、支持台42に回動可能に取り付け
られた操作子44とを備えている。そして、車両に所定
の大きさの減速度が作用したとき慣性体43が前方に傾
斜し、この慣性体43の前方傾斜により操作子44がB
方向に回動して第1係止爪30を同B方向に回動させ
る。この第1係止爪30のB方向の回動により、第1係
止爪30はフライホイール37におけるラチェット41
の歯41aに係合可能な位置に設定される。
【0029】次に、このように構成された本実施例の作
用について説明する。 [車両に所定値以上の減速度が作用しない通常状態]こ
の状態では減速度感知手段7が動作しなく、第1係止爪
30がラチェット41の歯41aに係合しない位置に設
定され、シートベルトリトラクタ1は図1ないし図4に
示す状態にある。また、この状態ではコイルばね35の
付勢力により、フライホイール37は係止爪取付板31
に対して常時A方向へ付勢されているので、第2係止爪
32はストッパ34に当接した、歯27bに対する非係
合位置に保持されている。
【0030】したがって、この状態ではシートベルトリ
トラクタ1はおもに付勢力付与手段5の作用が行われる
が、この付勢力付与手段5の作用は前述の特開平1ー1
41147号公報に記載されているので、ここでは、付
勢力付与手段5の作用についてはその概略を説明する。
【0031】(シートベルトの非装着状態)この状態で
は、シートベルト3に取り付けられているタング(不図
示)とバックル部材(不図示)とが離れている。したが
って、スプリング15の付勢力が出力軸20を介してリ
ールシャフト4に常時伝達されているので、リールシャ
フト4はこのスプリング15の付勢力によりシートベル
ト3を巻き取っている状態となる。
【0032】(シートベルトを引き出すときの状態)シ
ートベルト3を装着するために乗員がシートベルト3を
引き出すと、これにともないリールシャフト4および出
力軸20がシートベルト引出し方向Aへ回転する。この
ため、スプリング15が巻き締められていく。乗員が引
き出されたシートベルト3のタングをバックル部材に結
合することにより、シートベルト3が装着される。ま
た、シートベルト3の引出し時には、リールシャフト4
の回転にともないシートベルトロック作動手段6の係止
爪取付板31とフライホイール37も同方向に回転する
が、これらの係止爪取付板31とフライホイール37と
は単に空回りをするだけに過ぎない。
【0033】(タングとバックル部材との結合後、シー
トベルトから手を離したときの状態)乗員がタングとバ
ックル部材とを結合した時点では、シートベルト3は正
規の装着状態のときの引出し長さよりも余分に引き出さ
れた状態となっているので、乗員が結合操作後にシート
ベルト3を離すと、スプリング15の付勢力によってシ
ートベルト3は乗員の体にフィットするまで巻き取られ
る。そして車両走行中は、車両に所定値以上の減速度が
作用しない限り、シートベルトリトラクタ1はこの状態
を保持している。
【0034】(タングとバックル部材との結合を解除後
のシートベルトの非装着状態)降車のため乗員がタング
とバックル部材との結合を解除すると、スプリング15
の付勢力によりリールシャフト4はシートベルト3を巻
き取るようになる。なお、同様にシートベルト3の巻取
り時にも、リールシャフト4の回転にともないシートベ
ルトロック作動手段5の係止爪取付板31とフライホイ
ール37も同方向に回転するが、これらの係止爪取付板
31とフライホイール37とは単に空回りをするだけに
過ぎない。
【0035】[車両に所定値以上の減速度が作用したと
きの状態]車両走行中急ブレーキ等により車両に所定値
以上の減速度が作用すると、シートベルトロック作動手
段6が動作する。まず第1段階として減速度感知手段7
の慣性体が43がこの減速度により前方に傾斜するの
で、操作子44がB方向に回動する。このため、図8に
示すように第1係止爪30が同B方向に回動してラチェ
ット41の歯41aに係合する位置に設定される。一
方、この所定値以上の減速度により乗員が前方へ移動し
ようとするため、シートベルト3が引き出されるが、こ
のシートベルト3の引出しにより、リールシャフト4、
係止爪取付板31およびフライホイール37が引き出し
方向Aへ回動する。
【0036】しかし、ラチェット41の歯41aがすぐ
に第1係止爪30に係合するので、フライホイール37
はすぐに引き出し方向Aへの回動が停止する。この結
果、リールシャフト4および係止爪取付板31のみが引
き出し方向Aへ引続き回動するようになるため、係止爪
取付板31とフライホイール37との間には相対回動が
生じる。すなわち、フライホイール37は係止爪取付板
31に対してB方向へ相対回動するようになる。
【0037】この相対回動により、第2段階として第2
係止爪32がB方向へ回動してロックプレート27の歯
27bとの係合位置に移動せしめられ、更に図9に示す
ように係止爪取付板31のA方向への回動により第2係
止爪32が歯27bに係合するようになる。この第2係
止爪32の歯27bへの係合により、リールシャフト4
および係止爪取付板31が回動不能となる。
【0038】リールシャフト4および係止爪取付板31
が回動不能となる。更にシートベルト3が引き出されよ
うとすると、リールシャフト4には引き出し方向への力
が作用する。この力はリールシャフト4から出力軸20
を介して付勢力付与手段5に作用し、この付勢力付与手
段5をピボットピン24を中心に回動させようとする。
このため、付勢力付与手段5からシェアピン25にせん
だん力を作用するようになるが、このせんだん力がシェ
アピン25を破断する力以下の場合には、シェアピン2
5により付勢力付与手段5はピボットピン24を中心と
する回動を阻止される。
【0039】したがって、リールシャフト4は付勢力付
与手段5側が移動不能となるので、第3段階として図1
0に二点鎖線で示すようにリールシャフト4は出力軸2
0との遊嵌部である第1突出軸4bの端を中心に回動す
る。すなわち、リールシャフト4のシートベルトロック
作動手段6側の他端が移動する。この回動により、図1
1に示すようにシートベルトロック作動手段6がピボッ
トピン28を中心にA方向に回動するとともに、ラチェ
ット13が円形孔9の歯9aの方へ移動し、図7に破線
で示すようにラチェット13の歯13bが円形孔9の歯
9aに噛み合い係合する。その場合、ラチェット13は
ピボットピン28を中心に回動するシートベルトロック
作動手段6に案内されて同様にピボットピン28を中心
に回動するようになるので、歯13bは歯9aに確実に
噛み合うようになる。
【0040】この結果、リールシャフト4のシートベル
ト引出し方向Aの回転が阻止されるようになり、慣性に
より乗員が前方へ移動しようとすることによって生じる
シートベルト3の引出しが確実に阻止される。これによ
り、乗員は確実に拘束されて保護されるようになる。
【0041】ラチェット13の歯13bが右側壁2bの
歯9aに係合したとき、ラチェット13から歯9aが受
ける力によって生じる応力は、歯9aの幅Tがバーリン
グ加工により大きくなっているので緩和されてそれほど
大きくはならない。すなわち、右側壁2bの歯9aは、
右側壁2bの板厚tが比較的薄くても強度が大きいもの
となる。しかも、折曲部がリブの機能を発揮することに
より歯9aの強度が更に一層大きくなっている。
【0042】[シートベルトにきわめて大きな引出し力
が作用したときの状態]車両衝突等により車両にきわめ
て大きな減速度が作用すると、前述の所定値以上の減速
度が車両に作用した場合と同様に、減速度感知手段7お
よびシートベルトロック作動手段6が作動し、ラチェッ
ト13の歯13bが円形孔9の歯9aに噛み合い係合す
る。また、このときには乗員の前方への慣性力がきわめ
て大きくなり、したがってシートベルト3にはきわめて
大きな引出し力が加えられる。この大きな引き出し力に
よりシェアピン25に作用されるせんだん力がシェアピ
ン25の破断力より大きくなり、シェアピン25が破断
し、付勢力付与手段5がピボットピン24を中心にA方
向に回動する。このため、リールシャフト4の左端のラ
チェット12もピボットピン24を中心にA方向に回動
するようになるので、その歯12bが左側壁2aの歯8
aに係合する。したがって、図12に二点鎖線で示すよ
うにリールシャフト4は平行移動してその両端のラチェ
ット12,13の歯12b,13bがそれぞれ左右側壁
2a,2bの歯8a,9aに係合するようになる。
【0043】この両ラチェット12,13の歯12b,
13bがそれぞれ左右側壁2a,2bの歯8a,9aに
係合した状態では、リールシャフト4の引出し方向Aの
回転が強固に阻止されるようになるので、シートベルト
3にきわめて大きな引出し力が加えられても、シートベ
ルト3の引出しは確実に阻止され、乗員を確実に保護す
るようになる。
【0044】この場合にも、ラチェット12,13の歯
12b,13bが左右側壁2a,2bの歯8a,9aに
係合したとき、ラチェット12,13から歯8a,9a
が受ける力によって生じる応力は、歯8a,9aの幅T
がバーリング加工により大きくなっているので緩和され
てそれほど大きくはならない。すなわち、歯9aと同様
に歯8aの強度も大きいものとなっている。
【0045】なお前述の実施例では、本発明を付勢力付
与手段でシートベルト3にテンションを付与するように
なっているシートベルトリトラクタに適用した場合につ
いて説明しているが、本発明はテンションレスのシート
ベルトリトラクタにも適用できることは言うまでもな
い。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るシートベルトリトラクタによれば、フレームに形
成された歯を該フレームと単一部材でバーリング加工に
より、その歯の幅がフレームの板厚よりも大きくなるよ
うに形成しているので、フレームに形成された歯の強度
を大きくすることができる。したがって、フレームの板
厚を厚くする必要性をなくすことができ、リトラクタを
軽量にすることができる。しかも、従来のような特別の
補強部材が不要となるので、部品点数および作業工数を
削減できるとともに、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシールリトラクタの一実施例を示
す正面図である。
【図2】この実施例の側面図である。
【図3】図2においてフライホイールを取り除いてシー
トベルトロック機構の一部を明瞭に示す図である。
【図4】図4は図2におけるIVーIV線に沿う断面図であ
る。
【図5】この実施例のシートベルトリトラクタの分解斜
視図である。
【図6】フレームの左右の側壁を示し、(a)は左側面
図、(b)は右側面図、(c)は(a)におけるVICーV
IC線に沿う断面図、(d)は(a)におけるVIDーVID線
に沿う断面図、(e)は(b)におけるVIEーVIE線に沿
う断面図である。
【図7】リールシャフトの歯とフレームの歯との係合を
説明する図である。
【図8】車両に所定値以上の減速度が作用したとき、フ
ライホイールにおけるラチェットの歯に第1係止爪が係
合することを説明する図である。
【図9】車両に所定値以上の減速度が作用したとき、ロ
ックプレートの歯に第2係止爪が係合することを説明す
る図である。
【図10】通常のシートベルト引き出しロックの動作の
説明図である。
【図11】車両に所定値以上の減速度が作用したとき、
シートベルトロック作動手段がピボットピンを中心に回
動することを説明する図である。
【図12】所定値以上の大きさの引き出し力がシートベ
ルトに加えられた場合におけるシートベルト引き出しロ
ックの動作の説明図である。
【符号の説明】
1…シートベルトリトラクタ、2…フレーム、2a…左
側壁、2b…右側壁、3…シートベルト、4…リールシ
ャフト、5…付勢力付与手段、6…シートベルトロック
作動手段、7…減速度感知手段、8,9,10,11…
円形孔、8a,9a…歯、12,13…ラチェット、1
2b,13b…歯、24,28…ピボットピン、25…
シェアピン、27…ロックプレート、30…第1係止
爪、31…係止爪取付板、32…第2係止爪、35…コ
イルばね、37…フライホイール、39…係合ピン、4
1…ラチェット、43…慣性体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に所定値以上の減速度が加えられた
    とき、シートベルトを巻き取るリールシャフトに設けら
    れた係止部材が該リールシャフトを支持するフレームに
    形成された歯に係合することにより、前記リールシャフ
    トの回転を阻止するシートベルトリトラクタにおいて、 前記フレームに形成された歯が該フレームと単一部材で
    形成されているとともに、前記フレームに形成された歯
    の幅が、前記フレームの板厚よりも大きく設定されて
    り、 更に、前記フレームに形成された歯は、バーリング加工
    により形成された歯である ことを特徴とするシートベル
    トリトラクタ。
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