JP2994098B2

JP2994098B2 - 光ディスク記録再生消去方法

Info

Publication number: JP2994098B2
Application number: JP3180658A
Authority: JP
Inventors: 満哉岡田
Original assignee: NEC Corp
Current assignee: NEC Corp
Priority date: 1991-07-22
Filing date: 1991-07-22
Publication date: 1999-12-27
Anticipated expiration: 2014-12-27
Also published as: JPH0528497A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を用いて情報
の記録再生消去を行う光ディスクの記録再生消去方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】レーザ光を用いた光ディスク記録方式は
大容量記録が可能であり、非接触で高速アクセスできる
ことから、大容量メモリとして実用化が始まっている。
光ディスクはコンパクトディスクやレーザディスクとし
て知られている再生専用型、ユーザで記録ができる追記
型、及びユーザで繰り返し記録ができる書き替え型に分
類される。追記型・書き替え型の光ディスクはコンピュ
ータの外部メモリ、あるいは文書・画像ファイルとして
使用されはじめた。

【０００３】現在用いられている光ディスク装置では、
光ディスクで変調を受けて反射されたレーザ光から再生
信号が検出されている。たとえば、再生専用型では、デ
ィスク上に形成された凹凸のピットからの反射光量変化
を利用して再生信号を取り出している。追記型では、レ
ーザ照射によって形成された微小ピットあるいは相変化
に伴う反射光量変化を再生に利用している。また、書き
替え型の一つである光磁気ディスクでは、記録膜が持つ
磁気光学効果を利用して記録膜の磁化状態が偏向面の変
化として読み出される。もう一つの書き替え型である相
変化光ディスクでは追記型と同様、相変化に起因した反
射光量変化を再生に用いる。

【０００４】一般に、光ディスクを含めたファイルデバ
イスには、大容量性と共にデータ転送速度の高速性が要
求される。光ディスクにおいて高データ転送速度を実現
するには、（１）ディスクを高速で回転させる、（２）
４本以上の複数本の集光レーザ光を持つマルチビーム光
ヘッドを使う、（３）２〜４台の複数ヘッドを搭載した
マルチヘッドドライブを用いる、などの手法が提案され
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高デー
タ転送速度をめざした前述のいずれの方法にも欠点があ
る。すなわち、ディスクの高速回転では、ディスクに剛
性の高いものが求められるのでディスクそのものが高価
となり、さらには、ディスクの偏心や面振れに集光レー
ザ光が追従できるように高性能のサーボ回路が必要とな
るという欠点がある。また、マルチビームヘッド，マル
チヘッドドライブいずれも装置構成が複雑になり、装置
が高額になるという欠点があった。

【０００６】本発明の目的は上記の欠点を解決し、１本
の記録再生消去用レーザ光とサーボ用のレーザ光を用い
るだけの簡易な構成の光ヘッドを使い、光ディスクに高
剛性を要求することなく、高データ転送速度を実現する
光ディスク記録再生消去方法を提供することにある。

【０００７】本発明の他の目的は、本発明の光ディスク
記録再生消去方法の実施に使用される光ディスクを提供
することにある。

【０００８】本発明の他の目的は、本発明の光ディスク
記録再生消去方法の実施に使用される光ヘッドを提供す
ることにある。

【０００９】本発明の他の目的は、本発明の光ディスク
記録再生消去方法の実施に使用される光ディスク装置を
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、光ディスク回
転方向に対し、一定の角度方向に偏向して走査されるレ
ーザ光を光ディスクに照射することを特徴とする光ディ
スク記録再生消去方法であって、光ディスクとして、レ
ーザビームのトラッキング用案内溝とこの案内溝に隣接
した情報記録用平坦部を有し、前記平坦部の幅が前記案
内溝幅にくらべて広く、前記平坦部と案内溝が同心円状
もしくは渦巻状に形成されたことを特徴とする光ディス
クを用い、記録再生消去を行う光ヘッドには、少なくと
も２つのレーザ光源と、光偏向素子と、集光レンズと、
再生信号検出光学系と、フォーカス及びトラッキング誤
差信号検出光学系を有し、前記一つのレーザ光源からの
レーザ光は前記光偏向素子に入射した後、前記集光レン
ズに入射して光ディスクから反射し、前記再生信号検出
光学系に導かれ、他のレーザ光は集光レンズに入射して
光ディスクから反射し、前記フォーカス及びトラッキン
グ誤差信号検出光学系に導かれることを特徴とする光デ
ィスク用光ヘッドを用いる。また、本発明に係る光ディ
スク装置は、前記光ディスクと、前記光ヘッドと、光デ
ィスク回転手段と、前記光ヘッドのレーザ光源駆動用回
路と、前記光ヘッド内に設けられた光偏向素子駆動用回
路と、フォーカス及びトラッキング用サーボ回路と、再
生信号検出回路とを具備したことを特徴とする。

【００１１】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１２】図１は本発明に係る光ディスク記録再生消
去方法の原理を示す図である。図１において、光ディス
ク１０に２本の集光レーザ光が照射される。集光レーザ
光１は記録再生消去用であり、集光レーザ光２はフォー
カス及びトラッキング誤差信号検出用である。光ディス
ク１０には、レーザビームのトラッキング用案内溝１１
と記録に用いる平坦部１２が隣接して形成されている。
記録再生消去用集光レーザ光１はディスクの平坦部１２
に照射され、フォーカス及びトラッキング誤差信号検出
用集光レーザ光２は案内溝１１に照射される。フォーカ
ス及びトラッキング誤差信号は、この案内溝１１からの
反射光を用いて、光ディスクでは既知の誤差信号検出方
法により検出される。一方、記録再生消去用集光レーザ
光１はディスク平坦部１２を斜めに走査するように照射
される。光ディスク１０は回転方向５０に移動するのに
対して、レーザ光１は回転方向５０に対して一定の角度
を保ちながら走査方向５１に高速で移動し、記録再生消
去を行う。これが本発明の特徴である。

【００１３】ここで、ディスクに形成される案内溝１１
は集光レーザ光２のスポット径の１／２程度の幅、深さ
は集光レーザ光２の波長の１／８程度に設定されるのに
対して、ディスク平坦部１２の幅は、集光レーザ光１の
スポット径の４倍以上と幅広く設定される。

【００１４】図２は、ディスクに形成される記録ビット
を示す図である。記録時には、レーザ光１はディスク平
坦部１２を斜めに走査するように照射されるので、平坦
部１２に形成される記録ビット列１３は、図２に示した
ように、ディスク回転方向５０に対して一定の角度を持
ち、かつ平坦部１２の幅方向に広がる形となる。ここ
で、レーザ光１は平坦部１２の幅方向に走査されるが、
走査方向は図２（ａ）のように、常に右から左あるいは
左から右のように一定方向でも良いし、図２（ｂ）のよ
うに、１走査毎に走査方向を変える方法でも良い。な
お、案内溝１１にはあらかじめセクタ情報・同期信号を
含めたプリフォーマットビット列１４が形成されてい
る。このプリフォーマット信号を用いることにより、記
録再生消去の同期確保と、レーザ光位置ズレ補正を行う
ことが可能であり、これにより平坦部１２に対してレー
ザ光１を精度良く走査できる。

【００１５】この方法では、記録データの転送速度はデ
ィスクの回転時の線速度ではなく、レーザ光１の走査速
度によって決まる。このレーザ光走査速度は、走査に使
用する光偏向素子の能力に依存するが、線速度として５
０ｍ／ｓ程度は容易に実現できる。この方法は、レーザ
光走査機構のない従来の光ディスクの記録方法に比べて
容易に高線速度記録となるので、高データ転送速度が実
現できる。

【００１６】図３は、本発明に係る光ヘッドの構成を示
した図である。前述したように、本発明では記録再生消
去用のレーザ光とフォーカス及びトラッキング誤差信号
検出用レーザ光の２本のレーザ光が必要であり、これを
実現するために光ヘッドには２つのレーザ光源が具備さ
れている。図３において、レーザ光源３１は記録再生消
去用レーザである。レーザ３１からの出射光はコリメー
トレンズ３２，ビーム整形プリズム３３を経て円形の平
行光となった後、光偏向素子３４に入射する。レーザ光
は集光ビームがディスク平坦部１２で走査するように、
ここで高速に偏向される。ここで用いる代表的な偏向素
子としては音響光学効果を利用したＡＯ偏向器がある。
レーザ光は光偏向素子３４を通ったあと、ビームスプリ
ッタ３５，３６を通り、サーボアクチュエータ機構を持
つ集光レンズ３７に入り、ディスク１０に集光される。
ここで、追記型記録あるいは相変化記録の光ディスクを
用いる場合には、図４に示すように、ビームスプリッタ
３５には偏向ビームスプリッタ３８と１／４波長板３９
を組み合わせたアイソレータが使われる。また、光磁気
記録のディスクを用いる場合は、ビームスプリッタ３５
には、Ｐ偏光とＳ偏光の反射特性が異なるカー回転角増
倍型のビームスプリッタが用いられる。また、ビームス
プリッタ３６はレーザ光１の波長に対しては１００％透
過する特性を持つものが採用される。ディスク１０から
の反射光はビームスプリッタ３５で反射され、再生信号
検出光学系４０に導かれる。

【００１７】一方、フォーカス及びトラッキング誤差信
号検出用レーザ光２用には、レーザ光源４１が用いられ
る。レーザ４１からの出射光はコリメートレンズ４２，
ビーム整形プリズム４３を経て円形の平行光となった
後、偏光ビームスプリッタ４４，１／４波長板４５，ビ
ームスプリッタ３６，集光レンズ３７を経て、光ディス
ク１０に入射する。このレーザ光２は光ディスクの案内
溝に集光される。反射光は、偏光ビームスプリッタ４４
を経てフォーカス及びトラッキング誤差信号検出光学系
４６に導かれる。ここで、ビームスプリッタ３６はレー
ザ光２の波長に対してほぼ１００％反射する特性を持つ
ものが使われる。

【００１８】図５は本発明に係る光ディスク装置の構成
を示した図である。この光ディスク装置は、光ディスク
１０と、光ヘッド３０と、光ディスク１０の回転手段６
１と、光ヘッド３０のレーザ光源駆動用回路６２と、光
ヘッド内に設けられた光偏光素子３４の駆動用回路６３
と、フォーカス及びトラッキング用サーボ回路６４と、
再生信号検出回路６５が具備されている。

【００１９】次に、本発明に係る光ディスク記録再生消
去方法の有効性を把握するために、図１に示した構成を
基本とする光ディスクと、図３，図４に示した構成を基
本とする光ヘッドを作製した。作製した光ディスクは、
直径１３０ｍｍのガラス基板に相変化記録膜を成膜した
ものである。基板には紫外線硬化樹脂を用いてあらかじ
め案内溝と平坦部を半径３０ｍｍから６０ｍｍまで渦巻
状に形成したものを使った。案内溝の形状は幅０．６μ
ｍ，深さ７５ｎｍとなるように設計された。なお、案内
溝にはあらかじめセクタ情報・同期信号を含めたプリフ
ォーマットビット列を形成した。また、平坦部の幅は、
１５μｍに設定した。この基板上にスパッタ法により、
ＺｎＳ＋ＳｉＯ₂誘電体保護膜，ＧｅＳｂＴｅ記録膜，
ＺｎＳ＋ＳｉＯ₂誘電体保護膜，Ａｌ反射膜を連続成膜
した。さらに、反射膜上に紫外線硬化樹脂を塗布したの
ち、このディスクとガラス基板を貼り合わせた。光ヘッ
ドは、記録用に波長８３０ｎｍ，出力４０ｍＷの半導体
レーザ、サーボ用に波長６７０ｎｍ，出力１０ｍＷの半
導体レーザを搭載したものを用いた。記録用レーザ集光
ビームをディスク平坦部で走査させるための光偏光素子
には、駆動周波数６０〜１００ＭＨｚ，偏向角１１〜１
７ｍｒａｄの特性を持つＡＯ偏向器を用いた。集光レン
ズには、開口数０．５，焦点距離３ｍｍのレンズを用い
た。この時、ディスク上では、１８μｍ幅で集光ビーム
を走査できた。サーボ用レーザのスポット位置を案内溝
に合わせ、記録用レーザのスポット位置をＡＯ偏向器駆
動周波数８０ＭＨｚ時にディスク平坦部の中心（案内溝
から７．５μｍの位置）に合わせた。

【００２０】次に、ディスクを線速度５ｍ／ｓで回転さ
せながら、記録用レーザの走査方向を平坦部の幅方向に
対して３０°傾け、ＡＯ偏向器の駆動周波数を変えるこ
とにより、案内溝と接する平坦部の一端からもう一端ま
での１７．３μｍ長を３４６ｎｓで走査させた。走査終
了後は５４ｎｓのブランクを設け、レーザ光を走査開始
点に戻した。この間、４００ｎｓの時間内にディスクは
回転方向に２μｍ移動するため、次の走査部分とは２μ
ｍ離れる。すなわち、走査ピッチは２μｍとなる。この
一連の操作を繰り返すことにより、ディスク全面にわた
り記録を行う。ここで、ディスクの線速度は５ｍ／ｓで
あるが、走査されているレーザ光の線速度は５０ｍ／ｓ
となっている。

【００２１】そこで、本発明の特徴である高線速記録を
確認するために、記録用レーザ光パワを２０ＭＨｚ（デ
ューティ比５０％）で変調し、レーザビーム走査方向に
記録を試みた。記録ビームを透過電子顕微鏡により、確
認した結果、ビット長２．５μｍのアモルファス記録ビ
ットが良好に走査方向に沿って、連続して形成されてい
ることが確認された。また、案内溝に形成されたプリフ
ォーマットビットからの同期信号を用いて再生を行った
ところ、良好な再生信号が得られた。同様に、ＤＣ消去
も可能であった。また、相変化記録の特徴の一つである
１ビームオーバライトも確認された。

【００２２】なお、本発明の実施例では、相変化記録膜
を持つディスクでの例を示したが、他の記録膜、すなわ
ち光磁気記録膜や追記型記録膜を持つディスクにおいて
も有効であることは言うまでもない。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ディ
スクそのものは低線速度で回転させているにもかかわら
ず、高線速記録が可能であり、剛性の低いプラスチック
基板であっても高線速記録ができるという効果がある。
また、ヘッド構成もマルチビームヘッドやマルチヘッド
ドライブに比べて簡素であり、低価格のドライブ構成が
可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光ディスク記録再生消去方法の原
理を示す図である。

【図２】本発明に係る光ディスク記録再生消去方法の原
理を示す図である。

【図３】本発明に係る光ディスク用光ヘッドの構成を示
す図である。

【図４】本発明に係る光ディスク用光ヘッドの他の構成
を示す図である。

【図５】本発明に係る光ディスク装置の構成を示す図で
ある。

【符号の説明】

１，２レーザ光１０光ディスク１１トラッキング用案内溝１２平坦部１３記録ビット列１４プリフォーマットビット列３０光ヘッド３１，４１レーザ光源３２，４２コリメートレンズ３３，４３ビーム整形プリズム３４光偏向素子３５，３６ビームスプリッタ３７集光レンズ３８，４４偏光ビームスプリッタ３９，４５１／４波長板４０再生信号検出光学系４６フォーカス及びトラッキング誤差信号検出光学系５０光ディスク回転方向５１レーザ光走査方向６１光ディスクの回転手段６２レーザ光源駆動用回路６３光偏向素子駆動用回路６４フォーカス及びトラッキング用サーボ回路６５再生信号検出回路

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】レーザ光を用いて情報の記録再生消去を
おこなう光ディスクの記録再生消去方法において、記録再生消去時に、２つのレーザ光源を用い、光ディス
ク回転方向に対して一定の角度方向に偏向して走査され
る一つのレーザ光を光ディスクに照射し記録再生消去
し、他のレーザ光によりトラッキングを行うことを特徴
とする光ディスク記録再生消去方法。
【請求項２】請求項１記載の光ディスク記録再生消去
方法の実施に使用される光ディスクであって、レーザ光のトラッキング用案内溝と、前記案内溝に隣接
した情報記録用平坦部を有し、前記平坦部の幅が前記案
内溝幅にくらべて広く、前記平坦部と案内溝が同心円状
もしくは渦巻状に形成され、前記平坦部にはトラックが
光ディスク回転方向に対して一定の角度を持ち、かつ平
坦部の幅方向に広がる形で形成されたことを特徴とする
光ディスク。
【請求項３】請求項１記載の光ディスク記録再生消去
方法の実施に使用される光ディスク用光ヘッドであっ
て、少なくとも２つのレーザ光源と、光偏向素子と、集
光レンズと、再生信号検出光学系と、フォーカスおよび
トラッキング誤差信号検出光学系を有し、前記一つのレ
ーザ光源からのレーザ光は前記光偏向素子と前記集光レ
ンズを経て光ディスクに入射し、光ディスクからの反射
光が前記再生信号検出光学系に導かれ、他のレーザ光は
集光レンズに入射して光ディスクから反射した後、前記
フォーカス及びトラッキング誤差信号検出光学系に導か
れることを特徴とする光ディスク用光ヘッド。
【請求項４】請求項１記載の光ディスク記録再生消去
方法の実施に使用される光ディスク装置であって、請求項２記載の光ディスクと、請求項３記載の光ヘッド
と、前記光ディスクを回転する光ディスク回転手段と、
前記レーザ光源を駆動するレーザ光源駆動用回路と、前
記光偏向素子を駆動する光偏向素子駆動用回路と、フォ
ーカス及びトラッキング用サーボ回路と、再生信号検出
回路とを具備したことを特徴とする光ディスク装置。