JP2991972B2 - コンクリート改善改修液注入装置 - Google Patents

コンクリート改善改修液注入装置

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JP2991972B2 JP8146545A JP14654596A JP2991972B2 JP 2991972 B2 JP2991972 B2 JP 2991972B2 JP 8146545 A JP8146545 A JP 8146545A JP 14654596 A JP14654596 A JP 14654596A JP 2991972 B2 JP2991972 B2 JP 2991972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート改善
改修液を注入することによりダム、橋脚、トンネル、ビ
ルディングなどのコンクリート構造物に生じたひび割れ
等の損傷を改修したり、コンクリートの強度を高めるよ
うに改善したりするコンクリート構造物の改善改修工事
において、コンクリート改善改修液をコンクリート構造
物の内部に注入する注入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来行なわれているコンクリート構造物
の改善改修方法としては、大別すると、有機質系改善材
の注入または塗布と、無機質系改善材の注入または塗布
とがある。
【0003】有機質系、例えば代表的なエポキシ樹脂系
を使用した場合、コンクリートが無機質なので異質の物
質によって処理するものであり、したがって化学的な処
理ではなく、物理的に接着して強度を維持したり、フィ
ルム被覆することで空気、二酸化炭素、水等を遮断する
ものである。
【0004】一方、従来の無機質系の場合、その殆どが
浸透性塗布防水材として使用されるものであり、したが
ってコンクリート構造物の表層部だけの改善に留まって
いた。
【0005】また、コンクリート改善改修液を注入する
従来の装置は、コンクリート壁面に穿孔した孔開口部に
注入管のノズルを差し込み、孔の開口部とノズルの隙間
をシール材で塞いた状態で注入する構成を採る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
注入装置は、穿孔した孔の開口部にノズルを差し込んで
この部分だけシールした状態で注入するので、表層部分
にはある程度注入することができるが、深層部分にまで
十分な量を確実に注入することは事実上困難であった。
すなわち、孔内に注入材を充満させると、この注入材は
孔の内周面から水分を吸収するので粘土が上昇して流動
性が低下してしまい、注入圧力を高めようとしても孔の
開口部のシールでは高圧に耐えられずに外れてしまう。
【0007】このため、従来は補修改善工事を施工した
としても、表面に表れた亀裂、浮き、空隙など表層部分
は処理することができるが、深層部分は注入材の流動性
の低下などによって処理することができず、二重浮きや
平行亀裂などを解消することができなかった。
【0008】そこで本発明は、コンクリート改善改修液
を深層部分まで確実に注入することができ、コンクリー
ト構造物の強度を長期間に亙って高く維持することがで
きる改善改修液注入装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたもので、請求項1に記載のもの
は、後端の入口から先端の吐出口に連通した流路を有す
る内管と、内管の外周に形成した雄ネジ部と螺合する雌
ネジ部を内周に有し、内管の外側に重合する外管と、吐
出口の手前の内管外周面に形成した段部と外管の先端と
の間に形成される外周凹部内に嵌合され、弾性材から構
成された短尺筒状シール部材と、により注入管を構成
し、上記短尺筒状シール部材の先端部分と後端部分に拡
径規制リングを嵌め、内管と外管との螺合位置を変更し
て上記外周凹部の前後幅を増減することにより上記両拡
径規制リングの間のシール部材の外径を拡縮可能とし、
上記内管の入口に、ホースを介してポンプを接続して、
ポンプから圧送されるコンクリート改善改修液を注入管
の吐出口から注入するようにしたことを特徴とするコン
クリート改善改修液注入装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1はコンクリート改善改修液注
入装置1の構成を示す概略構成図であり、このコンクリ
ート改善改修液注入装置1は、コンクリート構造物2の
壁面3に穿孔した孔4内に挿入する注入管5と、コンク
リート改善改修液を貯留するタンク6と、このタンク6
内のコンクリート改善改修液を圧送するポンプ7と、ポ
ンプ7から圧送されるコンクリート改善改修液を上記注
入管5に送るホース8とが主要な構成である。
【0011】まず、注入管5について説明すると、この
注入管5は、内管11と外管12との二重構造であり、
外径を拡大縮小できるシール部材13を先端部分に設け
てある。
【0012】内管11は、後端の入口14から先端の吐
出口15に連通した流路16を有し、先端部分を他の部
分よりも太くしてノズル部17とし、ノズル部17から
後端までの外周に雄ネジ部20を形成したステンレス製
の管である。そして、この内管11は、ノズル部17を
形成した最先管11aに、ノズル部17を形成すること
なく全長に亙って同じ太さで雄ネジ部20を形成した延
長管11bを適宜な本数接続することにより、孔4の深
さに応じた長さに調整できるように構成されている。ま
た、各管11a,11bの接続部分には、共回り防止手
段を形成してある。図2に示す実施形態においては、一
方の管11bの先端外径を少し細くするとともに、この
細い径の外周面に軸方向の係止突条21を数本形成して
共回り防止手段としている。また、他方の管11aの後
端には、上記した細い径の部分が嵌合する内径に設定す
ると共に、内周面に上記係止突条21が嵌合する係合溝
22を軸方向に形成してある。したがって、一方の管1
1aの先端細径部を他方の管11bの後端開口部内に嵌
合して接続すると、両管11a,11bの流路16が一
連に連通するとともに、係止突条21が係合溝22内に
係合し、これにより両管11a,11bの共回りが防止
される。すなわち、係止突条21と係合溝22とがスプ
ラインとして機能し、両管11a,11bが一体的に回
転する。なお、本実施例における延長管11bの長さ
は、1本が60cmに設定してある。また、接続部分から
の漏れを防止するために、Oリング等の漏れ防止手段も
施しておくことが望ましい。
【0013】外管12は、内管11の外周に形成した雄
ネジ部20と螺合する雌ネジ部25を内周に有し、内管
11の外側に重合する同一外径(本実施形態では直径1
3mm)の管であり、外径は、内管11のノズル部17の
外径と同じ寸法に設定してある。そして、この外管12
は、内管11の長さに応じて、50cm,1m,1.5
m,2mのものと交換して使用するようにしてあるが、
孔4の深さに応じて対応できるように、内管11と同様
に、共回り防止手段を設けて接続可能に構成してもよ
い。また、この外管12は、内管11に重合させた状態
で、内管11を止めたままスパナ等の工具を使用して容
易に回転できるように、外周面の断面形状を、例えば六
角形に成形してある。なお、工具が引っ掛かって回転で
きればよいので、他の断面形状でもよいし、工具の爪が
引っ掛かる溝を形成してもよい。
【0014】上記した構成から成る内管11に外管12
を後端から重合すると、図1に示すように、吐出口15
の手前のノズル部17である太い部分から細い部分に変
化する位置(内管11外周面)に形成した段部26と外
管12の先端との間に外周凹部27が形成される。そし
て、この外周凹部27の軸方向の長さは、内管11と外
管12との螺合位置を変化させることにより増減するの
で、この外周凹部27内にシール部材13を嵌合する。
【0015】シール部材13は、図3に示すように、合
成ゴムなどの弾性材から構成された短尺筒状の部材であ
り、先端部分と後端部分に拡径規制リング30,30を
嵌めて、両拡径規制リング30,30の間の部分の外径
が拡縮しても先端部分と後端部分の外径は拡径しないよ
うにしてある。したがって、このシール部材13を外周
凹部27内に嵌合すると、図1及び図4に示すように、
ノズル部17の後端段部26と外管12の先端との間の
寸法がシール部材13の長さと等しいか少しでも大きい
と、シール部材13は自然状態である直線円筒形を維持
して、外径は外管12と同様になり、ノズル部17とシ
ール部材13と外管12との外周面がほぼ一連に連続す
る。
【0016】そして、内管11に対して外管12の螺合
位置を前方に変更、すなわち外管12を一方に回転(例
えば右回転)してねじ込むと、外周凹部27の前後幅が
減少するので、シール部材13は、ノズル部17の段部
26と外管12の先端とにより軸方向に圧縮される。し
たがって、シール部材13は、図5に示すように、先端
部分と後端部分はほぼそのままであるが、両拡径規制リ
ング30,30の間の部分が外方に膨らんで外径を増大
(拡径)する。そして、外管12のねじ込み量を調整す
ると、シール部材13の拡径量を調整することができ
る。即ち、シール部材13の自然状態における外径より
も少し大きな孔4内でシール部材13を拡径すると、図
5に示すように、シール部材13の外周が孔4の内周面
に密着してシール機能を発揮することができ、この密着
力が注入管5を固定する力として作用することとなり、
この固定力は上記したように外管12のねじ込み量を調
整することにより増減することができる。
【0017】なお、シール部材13は、ノズル部17の
段部26と外管12の先端とにより強く圧縮されても、
先端部分と後端部分の径は両拡径規制リング30,30
に押えられて拡径しないので、外れることはない。
【0018】シール部材13が拡径した状態で外管12
を他方(例えば左)に回転して螺合位置を後方に変更す
ると、外周凹部27の前後幅が増大して、シール部材1
3に対する前記圧縮力を減少させることができる。した
がって、シール部材13は、自らの弾性により外径を減
少(縮径)し、外周凹部27の前後幅を十分に増大する
と、外管12の外径とほぼ同じ初期状態に復元する(図
4)。
【0019】次に、上記した構成から成るコンクリート
改善改修液注入装置1を使用して注入するコンクリート
改善改修液について説明する。コンクリート改善改修液
は、セメントミルクに、水溶性シリケートとマグネシウ
ムフッ化化合物を主成分とする無機質系結晶増殖材を約
1割乃至1割弱の割合で添加したものである。
【0020】無機質系結晶増殖材は、その成分を示す
と、例えば、SiO2が20重量%,CaOが30重量
%,NaOが5重量%,不溶成分が2〜3重量%であ
る。この無機質系結晶増殖材の反応は、水溶性シリケ
ート+Ca(OH)2→C−S−H系結晶となり、マ
グネシアを含むフッ化化合物+Ca(OH)2→CaF2
+MgSiO2+αH2Oとなる。の反応で水溶性シリ
ケートを再生産し、の反応で余分にH2Oを生成し、
反応に利用し、即ち、,の反応が連鎖反応として継
続する。そして、C−S−H系結晶(針状)とCaF
2,MgO・nSiO2(等軸、斜方)が絡みあって強固
になる。したがって、コンクリートの強度は、4週養生
後測定して無塗布のものと比較して約10〜15%圧縮
強度が向上する。そして、さらなる時間経過に伴い反応
が進行して28〜30%の強度アップを図ることができ
る。
【0021】さらに、この無機質形結晶増殖材は極く微
細なので、毛細管現象や浸透圧作用によりコンクリート
内部に30cm以上浸透することができ、またコンクリー
トの毛細孔や空隙等の小さな隙間に入り込んで密封する
ことにより緻密組織化を図ることができる。したがっ
て、高水圧にも耐えることができ、防水性(止水性)を
発揮して地下水等の水の浸透を防止することができる。
また、この緻密組織化が前記強度向上に寄与する。ま
た、その他の特性としては、放射性核種浸透抑止性を向
上し、放射線照射劣化抵抗性を高め、凍害抑止性,塩害
抑止性,中性化抑止性,アルカリ骨材反応抑止性,硬化
収縮抑止性,化学抵抗性がある。
【0022】次に、コンクリート構造物2の改善改修を
行なう作業手順について説明する。まず、コンクリート
構造物2の壁面3を観察調査して壁面3に開口した亀裂
の幅や深さなどを調査し、必要と判断した壁面3から無
振動ドリル等の穿孔装置を使用して孔4を穿孔する(穿
孔工程)。なお、穿孔する位置や深さは、損傷の程度や
強化の度合や改善改修する範囲にもよるが、改善改修液
の浸透範囲を考慮して複数箇所適宜な間隔および深さで
穿孔する。本実施形態では約30〜40cm間隔で約1m
20cmの深さ穿孔する。
【0023】次に、上記孔4内にファイバースコープ等
の内視鏡を差し込んで空隙の幅、位置、深さなどの内部
状況を調査する(調査工程)。
【0024】調査工程により判明した内部状況に応じ
て、例えば亀裂や空隙に塵やセメント粉等が多く付着し
ている場合には、孔4の開口部4′から水を孔4内に加
圧供給して高圧洗浄し、塵埃やセメント粉等を排除して
コンクリート地肌の清浄化を図る(洗浄工程)。
【0025】洗浄工程が終了したならば、あるいは洗浄
が不要であると判断したならば、次は、コンクリート改
善改修液注入装置1を設置する。
【0026】設置の具体的な作業手順は、孔4の深さに
応じて注入管5を組み立てる。すなわち、孔4の深さ1
m20cmに応じて内管11を接続して1m80cmの長さ
にするとともに、シール部材13を嵌合してから1m5
0cmの外管12を重合する。そして、シール部材13が
縮径した状態で注入管5を壁面3の開口部4′から孔4
内に挿入する(注入管挿入工程)。
【0027】この場合、本発明においては、1つの孔4
について、孔4の奥から順次壁面3側に移動して複数回
に分けて注入するので、先ず、図6に示すように、孔4
の奥深くまで注入管5を挿入する。なお、シール部材1
3を装填した内管11を孔4内に挿入してから外管12
を重合させてもよい。
【0028】次に、外管12をスパナ等の工具を使用し
て回転し、外管12のねじ込みによりシール部材13を
拡径し、この拡径によりシール部材13の外周を孔4の
内周面に密着させてシールするとともに、シール部材1
3の拡径力により注入管5を孔4の内周面に対して固定
する(注入管セット工程)。
【0029】注入管5のセットが終了したならば、孔4
の開口部4′から突出している内管11の入口14にホ
ース8を接続する。そして、ポンプ7を作動して、ポン
プ7からホース8を介して圧送されるコンクリート改善
改修液を注入管5の吐出口15から孔4内に加圧注入す
る(液加圧注入工程)。
【0030】シール部材13によりも先端側に開口した
吐出口15から孔4内に加圧注入すると、シール部材1
3よりも前方(奥)において孔4と連通している空隙4
0内にコンクリート改善改修液が流れ込んでいく。すな
わち、本発明では、深層部分に位置する空隙40aから
注入する。そして、シール部材13が孔4の内周面に密
着してシールしているので、改善改修液が孔4を通って
逆流することを防止できることは勿論のこと、シール部
材13の拡径力により注入管5を固定しているので、従
来よりも高い圧力で注入することができ、本実施例では
約10kg/cm2という高圧で注入できる。したがって、
コンクリート改善改修液の粒子が極く微細であることと
相俟って、ヘアークラックなどの微細な隙間内にも確実
に充填することができる。そして、この状態における注
入量が十分なったことは、圧力計31を観察することに
より把握できる。すなわち、コンクリート改善改修液が
隙間40a等に十分に流入、浸透して満杯になると、圧
力計31の示す液圧が少し高まることにより検知するこ
とができるので、この段階でコック32を閉じて注入を
一時停止する。
【0031】孔4の奥深く挿入した注入管5による注入
が終了したならば、外管12を反対側に回転してシール
部材13を縮径させて注入管5の移動を可能な状態にす
る(リリース工程)。
【0032】そして、上記注入管セット工程と液加圧注
入工程とリリース工程を1サイクルとし、注入管5の吐
出口15の位置を孔4の奥から順次壁面3側に移動して
上記サイクルを複数回行う。
【0033】例えば、前記したように、注入管5を最も
奥に挿入して注入する作業を1サイクル目とし、この1
サイクル目の注入作業(注入管セット工程と液加圧注入
工程とリリース工程)が終了したならば、吐出口15が
孔4の深さのほぼ中央に位置する中層部分まで注入管5
を後退させ、ここで2サイクル目の注入作業(注入管セ
ット工程と液加圧注入工程とリリース工程)を行う。こ
の2サイクル目の注入作業を行うと、孔4の奥の隙間4
0a等には既にコンクリート改善改修液が十分に充填さ
れているので、1サイクル目でセットしたシール部材1
3の固定位置から後方であって2サイクル目におけるシ
ール部材13の固定位置までの間において孔4と連通し
ている空隙40b内にコンクリート改善改修液が集中的
に流れ込んでいく。したがって、1サイクル目と同様
に、この範囲内でヘアークラックなどの微細な隙間内に
も確実に充填することができる。
【0034】2サイクル目の注入作業が終了したなら
ば、吐出口15が孔4の開口部4′に近い位置(表層部
分)まで注入管5を後退させ、ここで3サイクル目の注
入作業(注入管セット工程と液加圧注入工程とリリース
工程)を行う。この3サイクル目の注入作業を行うと、
孔4の奥の深層部分および中層部分の隙間40a,40
b等には既にコンクリート改善改修液が十分に充填され
ているので、2サイクル目でセットしたシール部材13
の固定位置から後方であって3サイクル目におけるシー
ル部材13の固定位置までの間において孔4と連通して
いる空隙40c内にコンクリート改善改修液が集中的に
流れ込んでいく。したがって、1,2サイクル目と同様
に、この範囲内でヘアークラックなどの微細な隙間内に
も確実に充填することができる。
【0035】この様にして、1つの孔4についての注入
作業が終了したならば、次の孔4の注入作業を行う。
【0036】なお、上記説明では3サイクルに分けて注
入したが、孔4の深さや損傷の程度など状況に応じてサ
イクル数を増やしたり、或は減らしたりすることができ
る。また、内管11と外管12を螺合する雄ネジ部20
並びに雌ネジ部25は、全長に形成するのではなく、一
部に形成してもよい。
【0037】上記したように孔4の奥からコンクリート
改善改修液を段階的に注入することによりコンクリート
構造物2の欠陥を内部から補修したり、或は強化したな
らば、孔4内に無機質系強化補修材を充填して埋め戻
す。また、壁面3に開口しているひび割れについて
は、、開口部の周囲のコンクリートを除去してから、同
様に、無機質系強化補修材を充填して埋める。そして、
壁面3には必要に応じて表面処理材を塗布する。
【0038】なお、本発明は、コンクリート構造物2で
あれば、地下室、屋上、トンネル、ダム、サイロ、プー
ル、ピット、橋脚、橋梁等などどのようなものにでも使
用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
端部分に設けたシール部材の外径が拡縮可能なので、穿
孔した孔の任意の位置に先端吐出口を位置させて当該位
置でシールすることができるし、その位置で孔内周面に
強固に固定することができる。したがって、吐出したコ
ンクリート改善改修液が孔内周面と注入管との間を逆流
することを防止することができるし、シールの耐圧を高
くすることができるので、高い圧力で注入することがで
きる。このため、穿孔した孔の開口部にノズルを差し込
んでこの部分だけシールした状態で注入する従来の注入
装置に比較して、深層部分にまで十分な量を確実に注入
することができる。しかも、シール部材の先端部分と後
端部分に拡径規制リングを嵌めて、両拡径規制リングの
間のシール部材の外径を拡縮可能としたので、コンクリ
ート改善改修液を高い圧力で注入する際にシール部材を
強い力で拡径して作業を行っても、先端部分と後端部分
の径は両拡径規制リングに押えられて拡径しない。した
がって、シール部材が外れるというトラブルを防止でき
る。また、内管と外管とネジとによってシール部材を拡
縮させることができるので、構造が簡単であり、注入管
というスペース、太さの制限があるものに容易に組み込
むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート改善改修液注入装置の概略構成図
である。
【図2】内管の接続部分を示す斜視図である。
【図3】シール部材の斜視図である。
【図4】シール部材を縮径した状態における注入管の先
端部分の断面図である。
【図5】シール部材を拡径した状態における注入管の先
端部分の断面図である。
【図6】注入管を挿入した状態におけるコンクリート構
造物の断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート改善改修液注入装置 2 コンクリート構造物 3 壁面 4 孔 5 注入管 6 タンク 7 ポンプ 8 ホース 11 内管 12 外管 13 シール部材 14 流路の入口 15 吐出口 16 流路 17 ノズル部 20 雄ネジ部 21 係止突条 22 係合溝 25 雌ネジ部 26 段部 27 外周凹部 30 拡径規制リング 31 圧力計 32 コック 40 空隙

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端の入口から先端の吐出口に連通した
    流路を有する内管と、 内管の外周に形成した雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を内
    周に有し、内管の外側に重合する外管と、 吐出口の手前の内管外周面に形成した段部と外管の先端
    との間に形成される外周凹部内に嵌合され、弾性材から
    構成された短尺筒状シール部材と、により注入管を構成
    し、上記短尺筒状シール部材の先端部分と後端部分に拡径規
    制リングを嵌め、 内管と外管との螺合位置を変更して上記外周凹部の前後
    幅を増減することにより上記両拡径規制リングの間の
    ール部材の外径を拡縮可能とし、 上記内管の入口に、ホースを介してポンプを接続して、
    ポンプから圧送されるコンクリート改善改修液を注入管
    の吐出口から注入するようにしたことを特徴とするコン
    クリート改善改修液注入装置。
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