JP2991819B2 - 地中推進装置及び地中推進方法 - Google Patents

地中推進装置及び地中推進方法

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JP2991819B2
JP2991819B2 JP3160910A JP16091091A JP2991819B2 JP 2991819 B2 JP2991819 B2 JP 2991819B2 JP 3160910 A JP3160910 A JP 3160910A JP 16091091 A JP16091091 A JP 16091091A JP 2991819 B2 JP2991819 B2 JP 2991819B2
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修一 石川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地表を開削することな
く地中に埋設管を精度良く推進し、上下水道管またはガ
ス管などの管路を築造する方法と、このような方法に有
用な地中推進装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、埋設管を地中に推進して管路を構
築していく推進工法としては、例えば埋設管の推進に先
立って先導管を推進する2工程からなる工法が知られて
いる。この方法によれば、まず第1工程で発進立坑から
到達立坑へ先導管を推進する。次に第2工程で先導管の
後端に埋設管を接続して両者が連動するようにし、発進
立坑から埋設管を推進して先導管を到達立坑側に押し出
して撤去していく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した方法によれ
ば、第1工程で推進した先導管を到達立坑で回収するた
め、到達立坑を開放しなければならず、交通規制の必要
がある。さらに、埋設管推進中は到達立坑内に人員を配
置しなければならず不経済である。
【0004】本考案は、推進の精度が高く、第1工程で
推進した先導管を発進側から回収・撤去することのでき
る地中推進方法及び装置を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の地中推進
装置は、順次継ぎ足されて目的位置まであらかじめ推進
される先導管と、前記先導管を外挿する圧密ヘッドと、
前記先導管を外挿した状態で前記圧密ヘッドの後端側に
順次継ぎ足されて推進されるケーシングと、前記ケーシ
ングを外挿した状態で前記圧密ヘッドの後方に配置さ
れ、順次継ぎ足されて推進される埋設管とを具備してい
る。
【0006】請求項2記載の地中推進装置は、順次継ぎ
足されてあらかじめ目的位置まで推進される先導管と、
前記先導管を外挿するカッタヘッドと、前記先導管を外
挿した状態で前記カッタヘッドの後端に接続され、順次
継ぎ足されて回転しながら推進されるスクリュと、前記
スクリュを外挿して前記カッタヘッドの後方に配置され
る刃先と、前記スクリュを外挿した状態で前記刃先の後
端に接続され、順次継ぎ足されて推進されるケーシング
と、前記ケーシングを外挿した状態で前記刃先の後方に
配置され、順次継ぎ足されて推進される埋設管とを具備
している。
【0007】
【0008】
【0009】
【作用】先導管をあらかじめ目的位置まで到達させ、後
続の埋設管が支障なく、推進されるであろうことを確認
する。次に、請求項1記載の装置においては、前記先導
管に圧密ヘッド及びケーシングを移動自在に外挿し、さ
らにケーシングに埋設管を移動自在に外挿する。そし
て、ケーシングを継ぎ足しながら先導管に沿って圧密ヘ
ッドを推進し、これにあわせて埋設管も継ぎ足しながら
推進していく。
【0010】次に、請求項2記載の装置においては、前
記先導管にカッタヘッド及び管状のスクリュを摺動自在
に外挿し、さらに該スクリュに刃先及びケーシングを外
挿する。また、このケーシングに埋設管を外挿する。そ
して、スクリュ及びカッタヘッドを回転させ、スクリ
ュ、ケーシング及び埋設管を継ぎ足しながら前記先導管
に沿って推進していく。
【0011】
【0012】そして、前記各装置において、埋設管の推
進が完了した後、埋設管の内部に残された先導管は、発
進側から引き抜いて撤去することができる。
【0013】
【実施例】図1は第1実施例の地中推進装置1の断面図
であり、図2〜図5はその作用を示している。先導管2
は、埋設管3の推進に先立って順次継ぎ足されながら土
中に推進され、あらかじめ目的位置まで到達させておく
比較的小径の管である。図2に示すように、その先導ヘ
ッド4の先端面は斜面になっているので、回転しながら
推進すれば直進でき、斜面を必要な方向に向けて回転を
停止して推進すれば、斜面に加わる反力によって推進方
向を修正できる。
【0014】前記先導管2には、略円錐筒形のヘッド部
である圧密ヘッド5が摺動自在に外挿されている。この
圧密ヘッド5の後端には、内筒6及び接続筒7を介して
ケーシング8が固定されている。ケーシング8は前記先
導管2を外挿しており、推進の進捗に応じて継ぎ足して
いける。
【0015】前記圧密ヘッド5の後端には、前記内筒6
と所定の間隔をおいて外筒9が固設されており、内筒6
と外筒9の間に埋設管3の先端を挿入できるようになっ
ている。また、接続筒7の外周面にはシール部材10が
設けられ、前記ケーシング8を外挿する埋設管3との間
で水密性を保持できるようになっている。そして、前記
接続筒7に形成された供給孔11には、ケーシング8に
沿って延設された供給管12が接続連通されており、前
記内筒6と外筒9の間に滑材を注入できるようになって
いる。
【0016】前記ケーシング8は、埋設管3によって外
挿されている。埋設管3の先端は、前記接続筒7のシー
ル部材10に当接して前記内筒6と外筒9の間に挿入さ
れ、圧密ヘッド5の後方に位置している。この埋設管3
は、推進の進捗に伴って順次継ぎ足していける。
【0017】次に、以上の構成における作用を図2〜図
5により説明する。本実施例には、到達立坑を長時間開
放することができない場合に、先導管2を埋設管3内に
回収して発進立坑側から撤去するようにし、到達立坑内
での作業を簡素化したものである。また本実施例は、土
砂を取り込まずに推進することができるから、軟弱な地
盤に適用することができる。
【0018】図2に示すように、発進立坑13内に回転
装置14、および摺動装置15を有する推進機16を設
置し、修正能力を有する先導ヘッド4を先頭として先導
管2を順次継ぎ足し、到達立坑17の直前あるいは到達
立坑17内に到達させる。
【0019】図3に示すように、発進立坑13から、図
2で推進した先導管2を摺動自在に外挿するように圧密
ヘッド5を設け、圧密ヘッド5の後端にケーシング8を
接続する。埋設管3は、ケーシング8を外挿して推進機
16の摺動装置15により推進する。推進する埋設管3
が鋼管、鉄筋コンクリート管など高耐荷力の場合、ある
いは推進距離が短く、土質がごく軟弱な場合には、ケー
シング8を省略し、埋設管3で圧密ヘッド5を直接押圧
して推進することもできる。
【0020】図4に示すように、さらに、埋設管3およ
びケーシング8を順次継ぎ足しながら推進する。先導管
2はケーシング8内に回収されていく。また、ケーシン
グ8を必要としない場合は埋設管3内に回収されてい
く。
【0021】図5に示すように、推進終了後、到達立坑
17において圧密ヘッド5および先導ヘッド4を回収
し、発進立坑13では推進機16を撤去した後、ケーシ
ング8および先導管2を埋設管3から引き抜いて回収す
る。なお、圧密ヘッド5以外の先導ヘッド4、先導管
2、ケーシング8は、発進立坑13、到達立坑17のど
ちらから回収してもよい。
【0022】次に、第2実施例を説明する。図6は第2
実施例の地中推進装置20の断面図であり、図7及び図
8はその作用を示している。
【0023】本実施例は、前述した第1実施例の場合よ
りも硬質な地盤を推進する場合を示したもので、土砂を
掘削することが必要なためカッタヘッドおよびスクリュ
を配したものである。先導管2をスクリュ内に回収して
発進立坑側から撤去できるようにし、到達立坑内での作
業を簡素化したものである。
【0024】図6において、先導管2の構成は第1実施
例と同じである。この先導管2には、カッタビット21
を有するヘッド部としてのカッタヘッド22が摺動自在
に外挿されている。カッタヘッド22の後端にはスクリ
ュ23が固設されている。スクリュ23は中空筒状であ
り、前記先導管2を摺動自在に外挿している。このスク
リュ23は、推進の進捗に合せて継ぎ足していくことが
できる。
【0025】前記カッタヘッド22の後方には、前記ス
クリュ23を外挿して略円筒形の刃先24が配設されて
いる。刃先24の前端面は先方に拡径した開口部24a
になっており、カッタヘッド22が掘削した土砂等はこ
の開口部24aから前記スクリュ23に導かれるように
なっている。
【0026】前記刃先24の後端には、ケーシング8が
固設されており、該ケーシング8は前記スクリュ23を
摺動自在に外挿している。このケーシング8は、必要に
応じて継ぎ足していくことができる。このケーシング8
には埋設管3が外挿されており、この埋設管3も必要に
応じて継ぎ足していくことができる。前記刃先24の後
端に固設された内筒6、外筒9、接続筒7、シール部材
10及び供給管12等の構成は前述した第1実施例と同
じであり、図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】次に、以上の構成における作用を図7及び
図8を用いて説明する。図7に示すように、発進立坑1
3内に回転装置14、および摺動装置15を有する推進
機16を設置し、修正能力を有する先導ヘッド4を先頭
として先導管2を順次継ぎ足し、到達立坑17の直前あ
るいは到達立坑17内に到達させる。
【0028】図8に示すように、前工程で推進した先導
管2の後端にカッタヘッド22を接続し、スクリュ23
を接続する。カッタヘッド22を覆うように刃先24を
カッタヘッド22の後方に設け、スクリュ23を覆うよ
うにケーシング8を設ける。ケーシング8と刃先24は
ボルト、溶接、接着等で固定する。埋設管3はケーシン
グ8を被覆する。埋設管3の先端は、刃先24に接続し
てもよいし、間隔をおいてもよいし、接触していてもよ
い。ケーシング8は推進機16の摺動装置15に接続あ
るいは接し、スクリュ23は推進機16の回転装置14
に接続される。推進機16によりスクリュ23を回転し
ケーシング8および埋設管3を推進する。推進の進捗に
伴い、先導管2はスクリュ23内に回収されていく。土
砂はカッタヘッド22により切り崩されてスクリュ23
によって発進立坑13へ搬送される。
【0029】次に、第3実施例を説明する。図9及び図
10は第3実施例の地中推進装置30の断面図であり、
図11〜図14はその作用を示している。
【0030】本実施例は、あらかじめ推進させておいた
先導管2に沿い、鋼管等の埋設管3を推進させて既設管
路やマンホール等の地下構造物に到達させる例を示して
いる。
【0031】図9及び図10において、先導管2の構成
は第1実施例と同じである。この先導管2には、ヘッド
部として円筒形の鋼管ヘッド31が外挿されている。鋼
管ヘッド31の開口した先端部にはカッタビット32が
設けられ、地山を掘削して掘削した土砂等を鋼管ヘッド
31内に取り込めるようになっている。また、この鋼管
ヘッド31の内周面には、ガイドスペーサ33が設けら
れて前記先導管2を摺動自在に案内している。このガイ
ドスペーサ33は、円筒状のガイド部34と、ガイド部
34を鋼管ヘッド31の内周面に固定する4枚の板状の
スペーサ35とから構成される。また、この鋼管ヘッド
31の周壁には排出口36が形成されており、推進時に
発進側から鋼管ヘッド31内に水を供給することによ
り、鋼管ヘッド31内に取り込んだ掘削土砂をこの排出
口36から外へ排出し、鋼管ヘッド31及び埋設管3の
回転力を低減させられるようになっている。
【0032】前記鋼管ヘッド31の後端には、鋼管であ
る埋設管3が接続されている。埋設管3は前記先導管2
を外挿し、回転しながら推進される。この埋設管3は、
推進の進捗に応じて継ぎ足していくことができる。
【0033】次に、以上の構成における作用を図11〜
図14を用いて説明する。図11に示すように、発進立
坑あるいは地表37に回転装置および摺動装置を有する
推進機38を設置し、修正能力を有する先導ヘッド4を
先頭として先導管2を順次継ぎ足し、既設管39に到達
させて先導管2が正確に到達したことを確認する。
【0034】図12に示すように、あらかじめ推進した
先導管2の後端側に鋼管ヘッド31を外挿するように配
置し、鋼管ヘッド31に埋設管3となる鋼管を溶接、ね
じ、接着あるいはボルト等で固定し、推進機38で回転
しながら推進する。この時、矢印にて示すように、送水
ポンプ40より埋設管3内に水あるいは泥水を送水し、
鋼管ヘッド31内に取り込んだ掘削土砂を埋設管3の外
周から排出口36を介して排出する。これにより埋設管
3の回転力を低減することができる。
【0035】図13に示すように、鋼管ヘッド31の回
転により既設管39を切削する。鋼管ヘッド31を既設
管39内に回収し、埋設管3内にある先導管2および先
導ヘッド4を発進立坑側から回収する。
【0036】図14は鋼管ヘッド31付近の拡大図で、
先導管2を被覆している鋼管ヘッド31およびそれに接
続される埋設管3を示しており、矢印で埋設管3の回転
と水流を表わしている。鋼管ヘッド31のカッタビット
32により土砂あるいは既設管など地下構造物を切削す
る。ガイドスペーサ33により先導管2と接し、先導管
2を中心として鋼管ヘッド31が回転する。埋設管3の
外径よりも僅かに突出したカッタビット32によって切
削された土砂は、ガイドスペーサ33により攪拌され、
発進立坑側から供給される水流によって排出口36から
管外周に排出される。
【0037】本実施例では、掘削土砂を水流によって排
出する方法を説明したが、土砂の搬送方法はこれに限ら
ず、他の実施例で示したようにスクリュの回転によって
もよいし、また真空ポンプ等を用いることもできる。ま
た、本実施例では、斜めの先端面を有する先導ヘッド4
で先導管の推進方向の修正を行っていたが、先導管の方
向修正の手段はこれに限定されるものではない。例え
ば、先導ヘッドを油圧ジャッキで所望の方向に駆動して
推進方向を修正する構造でもよい。また、先端に設けた
スコップ状の部分に土砂を充満させ、斜めの先端面を有
する先導ヘッドと同様の効果を得るようにしてもよい。
また短距離の場合は方向修正用の先導ヘッドを設けなく
てもよい。その場合は先導管が所望の位置に到達するま
で何度も推進すればよい。また、前記第1実施例では滑
材注入設備を設けたが、土質や推進距離によっては必ず
しも必要ではない。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、目標位置まで先導管を
推進しておき、この先導管を外挿するように設けられた
ヘッド部及び埋設管を先導管をガイドにして推進してい
くようになっている。
【0039】従って、先導管を押し出していく場合に比
べて推進力が小さくて済むと同時に、高い精度で埋設管
を推進することができる。また、先導管は埋設管内に残
るので、発進側からでも到達側からでも都合のよい方か
らこれを撤去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る装置の部分断面図である。
【図2】第1実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図3】第1実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図4】第1実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図5】第1実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図6】第2実施例に係る装置の部分断面図である。
【図7】第2実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図8】第2実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図9】第3実施例に係る装置の部分断面図である。
【図10】図9のA−A切断線における断面図である。
【図11】第3実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図12】第3実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図13】第3実施例に係る方法の一工程を示す図であ
る。
【図14】第3実施例に係る方法の一工程を示す要部拡
大断面図である。
【符号の説明】
1,20,30…地中推進装置、2…先導管、3…埋設
管、5…ヘッド部としての圧密ヘッド、8…ケーシン
グ、22…ヘッド部としてのカッタヘッド、23…スク
リュ、24…刃先、31…ヘッド部としての鋼管ヘッ
ド。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順次継ぎ足されて目的位置まであらかじ
    め推進される先導管と、 前記先導管を外挿する圧密ヘッドと、 前記先導管を外挿した状態で前記圧密ヘッドの後端側に
    順次継ぎ足されて推進されるケーシングと、 前記ケーシングを外挿した状態で前記圧密ヘッドの後方
    に配置され、順次継ぎ足されて推進される埋設管とを具
    備する地中推進装置。
  2. 【請求項2】 順次継ぎ足されてあらかじめ目的位置ま
    で推進される先導管と、 前記先導管を外挿するカッタヘッドと、 前記先導管を外挿した状態で前記カッタヘッドの後端に
    接続され、順次継ぎ足されて回転しながら推進されるス
    クリュと、 前記スクリュを外挿して前記カッタヘッドの後方に配置
    される刃先と、 前記スクリュを外挿した状態で前記刃先の後端に接続さ
    れ、順次継ぎ足されて推進されるケーシングと、 前記ケーシングを外挿した状態で前記刃先の後方に配置
    され、順次継ぎ足されて推進される埋設管とを具備する
    地中推進装置。
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