JP2991615B2 - 防風性を有する衣服 - Google Patents

防風性を有する衣服

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JP2991615B2
JP2991615B2 JP6145346A JP14534694A JP2991615B2 JP 2991615 B2 JP2991615 B2 JP 2991615B2 JP 6145346 A JP6145346 A JP 6145346A JP 14534694 A JP14534694 A JP 14534694A JP 2991615 B2 JP2991615 B2 JP 2991615B2
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stretchable fabric
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tights
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健 松崎
健次朗 森
博義 海部
禄郎 森下
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Mizuno Corp
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  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人間が身につける衣服
に係り、特にスポーツ選手等が着用する陸上競技用、球
技用、スピードスケート用、自転車競技用等のタイツ、
ハーフタイツ、シャツ、ワンピース、ウォームアップス
ーツ、ユニフォームや水着、ウィンドブレーカー、ヤッ
ケ、アノラック、サウナスーツ、その他の衣服であっ
て、伸縮性が良好で、且つ防風性に優れた特性を有する
ように改善された衣服に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、衣服の内、特にスポーツ選手
等が着用する陸上競技用タイツやハーフタイツ等におい
ては、伸縮可能な布地を用いて選手自身の皮膚と密着す
るように着用されるものであり、足の曲げ伸ばし等を行
ってもこれらの動作を妨げないだけの伸縮性が要求され
るため、一般には、天然繊維や合成繊維よりなる糸と伸
縮性の大きいスパンデックス糸(ポリウレタン弾性繊維
糸)とを使用し、編み組織が形成されていた。又、陸上
競技用タイツやハーフタイツ等においては、寒さから身
を守るため、基布の表面或は裏面乃至は、表面と裏面の
両面に合成樹脂等からなるフィルムやシートをラミネー
トして通気性を抑制し、体温の喪失を予防する手段がと
られていた。その他、ネオプレンやポリウレタン等から
なる発泡体の芯地の両面にツーウェイトリコットやパイ
ル地の生地を接着した防風性衣服も公知であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来か
ら公知の衣服は、以下のような問題点を有していた。即
ち、前者のように天然繊維や合成繊維よりなる糸と伸縮
性の大きいスパンデックス糸(ポリウレタン系弾性糸)
とを使用した編み組織のタイツでは、通気性が高く、風
が透過しやすいため、寒冷時には体感温度が著しく低く
感じられると共に、発汗時には、皮膚表面を覆う汗が蒸
発する際の蒸発潜熱により、身体から熱が奪われて冷や
されるが、特に寒冷時、足が冷やされた場合には、筋肉
の痙攣を引き起こす結果となり、非常に苦痛を伴い、又
競技そのものを放棄せざるを得ないと言ったことが、日
常茶飯事であった。そのため、その自衛策として、ウォ
ームアップスーツ等を重ね着して、防風性と保温性を確
保していたが、着ぶくれにより嵩張り過ぎて、競技の成
績を阻害する一因にもなり兼ねない欠点を有していた。
【0004】一方、後者の場合には、通気性を抑制する
ために、基布に合成樹脂等からなるフィルムやシートを
ラミネートした布地が使用されているため、防風性が高
く通気性が抑制されるため、寒冷時においても体感温度
をより低く感じると言うこともなく、保温性も維持され
る効果があった。しかし、これらフィルムやシートをラ
ミネートした布地は、滑り摩擦抵抗が大きく、且つ伸長
率の比較的低いフィルムやシートが使用されているた
め、このようなフィルムやシートが直接皮膚と密着する
ため、運動中の種々な動作を取る際にも、皮膚との摩擦
抵抗が大きくなり動きが妨げられる要因となっていた。
これらの内、特に基布の両面にラミネートされたもので
は、着用時に内股と内股とが、擦りあわされるため、摩
擦抵抗がより大きくなり、スムーズな動きが妨げられる
大きな要因になっていた。
【0005】更に、動作時の皮膚との繰り返し摩擦や繰
り返し洗濯することにより、ラミネートしたフィルムや
シートが基布から剥離すると言った欠点を有していた。
そのため、これら剥離したものや剥離しかけのものを着
用すれば皺になり易く、フィット性が阻害されて、商品
価値が著しく低下すると言った欠点を有していた。又、
クロロプレンやポリウレタンの発泡体の芯地の両面にツ
ーウェイトリコットやパイル地の生地をラミネートした
ものでは、生地自体の厚みが厚く伸長度が低く、かつ加
工工程上非常に手間がかかる欠点を有していた。これら
のことから、特に防風性に優れ、且つ伸縮性や保温性が
良好で、耐久性のあるスポーツ用衣服の供給が望まれて
いた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記目的を
達成するために、発明された衣服であって、縦方向及び
横方向に伸縮性を有する伸縮性生地よりなる衣服におい
て、前記伸縮性生地は合成樹脂がダイレクトコーティン
グ加工されて防風性皮膜が形成された防風伸縮性生地に
より構成されており、該防風伸縮性生地の縦方向の伸長
率(JIS−L−1096 A法)が、0.5Kgf〜
1.8Kgfの荷重で、50%〜230%であり、横方
向の伸長率が、0.5Kgf〜1.8Kgfの荷重で、
40%〜130%であり、且つ通気性(JIS−L−1
018 フラジール形)が、0.1cc/cm 2 ・se
c〜10cc/cm 2 ・secであり、且つ透湿度(J
IS−L−1099 A−1法)が、 3000g/m 2
・24hr〜6000g/m 2 ・24hrであり、且
つ撥水度(JIS−L−1092 スプレー法)が、8
0〜100であることを特徴とする防風性を有する衣服
である。
【0007】 なお、本願発明に係る防風伸縮性生地とし
ては、ニットの経編(トリコット編、その他)や緯編
(横編、丸編、その他)等の編組織で構成することが望
ましい。又、伸縮性生地の伸長性を増すために、スパン
デックス糸(ポリウレタン弾性繊維糸)との交編、挿入
等を使用することが望ましく、編組織としてツーウェイ
トリコットやパワーネット等が使用できる。又、本願発
明に係る伸縮性生地に合成樹脂をダイレクトコーティン
グする際には、例えば伸縮性生地としてニットで見た場
合、ニードルループとシンカループにより構成されるウ
エールとコースにおいて、ウエールの部分は、凸状部と
なっており、且つウエールの凸状部とウエールの凸状部
との間には凹状部が形成されており、更にコースの部分
は、凸状部となっており、コースの凸状部とコースの凸
状部との間には凹状部が形成されている。本願発明にお
いては、合成樹脂をダイレクトコーティングした場合
に、これら凹状部は、合成樹脂で十分に充填され防風性
皮膜が形成され、更に凸状部の内部にも合成樹脂が含浸
充填されるが、これら凸状部の合成樹脂は、ローラー等
によりしごかれて、前記凹状部に流入し充填されるた
め、結果的に凸状部は合成樹脂が比較的薄くコーティン
グされた状態の外観を呈することになる。
【0008】
【作用】本願発明の防風伸縮性生地の衣服における一実
施例として、陸上競技用タイツをもとに説明すれば、縦
方向及び横方向に伸縮性を有する伸縮性生地にダイレク
トコーティング加工することにより防風性皮膜が形成さ
れ防風性を有する衣服であり、前記合成樹脂でダイレク
トコーティング加工した場合に、ウエールの凸状部とウ
エールの凸状部との間に形成された凹状部やコースの凸
状部とコースの凸状部との間に形成された凹状部には、
合成樹脂の充填によりコーティングされて防風性皮膜が
形成されており、且つウエールやコースの部分に相当す
る凸状部の内部にも合成樹脂が充填されているが、該凸
状部は、ローラー等によりしごかれるため、前記凹状部
に流入して充填されるため、結果的に凸状部は合成樹脂
が比較的薄くコーティングされた状態の外観を呈すた
め、これら陸上競技用タイツを着用した場合、従来のよ
うに、伸縮性生地に合成樹脂をラミネートした構成のも
のと異なり、着用者の皮膚に直接合成樹脂が接触し、密
着すると言ったことがないため、着用感に従来のような
冷たい感触の違和感を生じることもない。又、従来のラ
ミネートコーティングされたものと異なり、本願発明の
防風伸縮性生地では、前述のごとく、ウエールの凸状部
やコースの凸状部は合成樹脂が比較的薄くコーティング
された状態の外観を呈すため、伸縮性生地の表面の摩擦
抵抗も小さくなり、陸上競技用タイツを着用する際にも
スムーズに足入れができるものである。
【0009】 更に、本願発明に係る防風伸縮性生地にお
いては、図3乃至図4に示すように、キックバック性能
(伸長回復性能:縦方向及び横方向)を測定したS−S
カーブ(ストレス−ストレインカーブ)のクリープ特性
からも明らかなように、従来の伸縮性生地(未加工)の
ものに比較して、本願発明の防風伸縮性生地(ダイレク
トコーティング加工済)は、張力を負荷して、伸度が約
200%を過ぎた辺りで、張力の負荷を除去した後の伸
長回復性のカーブが、張力を負荷した場合のストレスカ
ーブに近接した状態で描かれており、クリープ特性が良
好であることがわかる。即ち、負荷した荷重が除去され
れば、本願発明の防風伸縮性生地では、弾性変形を生じ
る度合が少なく、伸縮性を維持しているのに対して、従
来の伸縮性生地(未加工)のものでは、張力の負荷を除
去した後の伸長回復性のカーブが、張力を負荷した場合
のストレスカーブよりも離れた状態で描かれており、弾
性変形を生じる度合が大きく、伸縮性が低下しているこ
とがわかる。
【0010】 これらのことからも、本願発明の防風伸縮
性生地のキックバック性能が非常に良好であることが明
らかである。即ち、キックバック性が良好であれば、陸
上競技用タイツを着用し、運動により種々の動作をとっ
ても、筋肉の動きにうまく連動して、サポートするた
め、身体に対するフィット性が極めて高い。このこと
は、本願発明の防風伸縮性生地の構成が前述のごとく合
成樹脂でダイレクトコーティング加工した場合に、ウエ
ールの凸状部とウエールの凸状部との間の凹状部やコー
スの凸状部とコースの凸状部との間の凹状部に、合成樹
脂が十分に充填されてコーティングされ防風性皮膜を形
成しているため、伸長した際にこれらの箇所に介在する
合成樹脂(シリコン樹脂やポリウレタン樹脂等の柔軟性
や可撓性を有する弾性素材)の防風性皮膜が、エラスト
マー的な挙動を示すことにより、生地自体のキックバッ
ク性能が従来よりも著しく向上したものである。
【0011】 更に、本願発明のダイレクトコーティング
加工した防風伸縮性生地よりなる陸上競技用タイツを着
用した着用テストでは、図5の防風性評価と皮膚温度の
関係を示すグラフより明らかなように、外気温が11℃
の状態において、皮膚温度の変移データをみれば、未着
衣時には、約24℃であった皮膚温度が、本願発明の防
風伸縮性生地よりなる陸上競技用タイツを着用(着衣)
により皮膚温度が約30℃まで上昇し、次に風が当たっ
た状態では、約22℃程度に低下するが、風が当たらな
い状態では、約30〜31℃に回復している。一方未加
工の従来の伸縮性生地では、未着衣時には、約24℃で
あった皮膚温度が、従来の未加工の伸縮性生地よりなる
陸上競技用タイツを着用(着衣)により皮膚温度が約2
7℃まで上昇するが、風が当たった状態では、約13℃
程度に低下しており、外気温の11℃近くまで低下して
いる。
【0012】 以上のことから、本願発明のダイレクトコ
ーティング加工した防風伸縮性生地の方が著しく防風性
や保温性が良好であることがわかる。このように、本願
発明のダイレクトコーティング加工した防風伸縮性生地
の方が、防風性やその他の特性値が良好であるため、陸
上競技用タイツとして寒冷時に着用した場合に、通気性
がほとんどないため、体感温度として外気温を低く感じ
ることもなく、実際にも温度低下を抑制出来るため、ウ
ォームアップまでの時間が、短縮化できるものである。
【0013】 又、本願発明の防風伸縮性生地よりなる陸
上競技用タイツでは、透湿性を有するが、逆に撥水性が
高いため、汗等の水滴は、皮膚と防風伸縮性生地の間に
溜り、一切防風伸縮性生地の表面に滲み出ることがない
ため、皮膚表面を覆う汗が蒸発する際の蒸発潜熱によ
り、身体から熱が奪われて冷やされると言ったことが無
くなる。そのため、従来と異なり、寒冷時でも、特に足
が冷やされて、苦痛を伴う痙攣を引き起こすということ
も無くなり、競技そのものを放棄せざるを得ないと言っ
たことを防止できるものである。その他、本願発明の防
風伸縮性生地よりなるサウナスーツを着用すれば、発汗
作用を促し、ダイエット用として使用することができる
ものである。
【0014】
【実施例】本願発明の一実施例として図1に示す陸上競
技用タイツ1aに使用した防風伸縮性生地を表1をもと
に説明すれば、以下のようになる。
【表1】縦方向及び横方向に伸縮性を有する伸縮性生地
よりなる衣服において、前記伸縮性生地2は合成樹脂3
がダイレクトコーティング加工されて防風性皮膜4が形
成された防風伸縮性生地5により構成されており、該防
風伸縮性生地5の縦方向の伸長率(JIS−L−109
6 A法)が、0.5Kgf〜1.8Kgfの荷重で、
50%〜230%であり、横方向の伸長率が、0.5K
gf〜1.8Kgfの荷重で、40%〜130%であ
り、且つ通気性(JIS−L−1018 フラジール
形)が、0.1cc/cm 2 ・sec〜10cc/cm
2 ・secであり、且つ透湿度(JIS−L−1099
A−1法)が、 3000g/m 2 ・24hr〜60
00g/m 2 ・24hrであり、且つ撥水度(JIS−
L−1092 スプレー法)が、80〜100であるこ
とを特徴とする防風性を有する衣服1である。
【0015】 なお、本願発明に使用する伸縮性生地2と
しては、ニットの経編(トリコット編、その他)や緯編
(横編、丸編、その他)等の編組織で構成することが望
ましい。又、伸縮性生地2の伸長性を増すためには、ナ
イロン糸やその他普通糸とスパンデックス糸(ポリウレ
タン弾性繊維糸)等の伸縮性に富む糸との交編、挿入等
の構成で使用することが望ましく、編組織としてツーウ
ェイトリコットやパワーネット等が使用できる。又、本
願発明に係る伸縮性生地2に合成樹脂3をダイレクトコ
ーティングする際に使用する合成樹脂としては、シリコ
ン系合成樹脂やポリウレタン系合成樹脂やその他の柔軟
性や可撓性を有する合成樹脂や弾性素材で、エラストマ
ー的な特性や挙動を示すものが好ましく、且つ皮膜形成
し易いものが望ましい。
【0016】 即ち、こられ好ましいダイレクトコーティ
ング剤の一実施例として、シリコン樹脂を使用した場合
について述べると、以下のような配合が可能である。 (実施例1) シリコン樹脂・ポロンコートE(信越化学株式会社製) :100部 シリコン樹脂架橋剤・Cat PG(信越化学株式会社製): 2部 スズ系触媒・Cat PD(信越化学株式会社製) : 2部 を配合し、更にトルエン等の有機溶剤で希釈して粘度調
整(12000cps、25℃・B型粘度計)し、シリ
コン樹脂製のダイレクトコーティング剤とする。次に、
ダイレクトコーティング加工の方法としては、以下のよ
うになる。即ち、伸縮性生地をガイドロールを経てバッ
クアップロールで張力を負荷しながら巻き上げバックア
ップロールの上部で、ダイレクトコーティング剤を塗布
し、この塗布されたダイレクトコーティング剤をナイフ
エッジにより、出来るだけ扱き落す所謂ナイフコート法
が、塗布量や加工張力の点で優れているが、特にその中
でも、ナイフオーバーロールコータ法が、加工張力を少
なく出来る点で最適である。
【0017】 なお、本願発明の防風伸縮性生地を製造す
る場合には、伸縮性生地にダイレクトコーティング剤を
約80〜120g/m2 の塗布量を目安にコーティング
し、約80℃〜100℃前後の温度で1〜2分間予備乾
燥後、約120℃〜180℃前後の温度で1〜2分間で
硬化する方法が一般的である。なお、トルエン等の有機
溶剤は回収して再利用することが可能である。又、本願
発明に使用する伸縮性生地として、例えばツーウエイト
リコットを使用する場合、ダイレクトコーティングの前
加工としては、生成の生地である生機を約90℃前後の
温度で40秒〜1分程度プレウェット処理して、次に約
190℃前後の温度で30秒〜1分程度プレセット処理
し、更に約100℃前後の温度で30分程度酸性染料に
より染色処理をし、次に約50℃前後の温水で10分〜
20分程度ソーピングして乾燥後、フッ素樹脂による撥
水乃至撥油加工し、約180℃前後の温度で30秒〜1
分程度ファイナルセットをした後、ダイレクトコーティ
ング加工することが好ましい。
【0018】 なお、本願発明に係る防風伸縮性生地の一
実施例について図2をもとに説明すれば、縦方向及び横
方向に伸縮性を有する伸縮性生地2に、合成樹脂3をダ
イレクトコーティング加工することにより、防風性を向
上せしめたことを防風性を有する衣服1であり、前記合
成樹脂3でダイレクトコーティング加工した場合に、ウ
エールの凸状部6とウエールの凸状部6との間に形成さ
れた凹状部7やコースの凸状部8とコースの凸状部8と
の間に形成された凹状部7に、合成樹脂3が十分に充填
されてコーティングされて防風性皮膜4を形成してお
り、且つウエールやコースの部分に相当する凸状部6、
8の内部にも合成樹脂3が充填されているが、該凸状部
6、8は、ローラー等によりしごかれて、前記凹状部7
に流入し充填されるため、結果的に該凸状部6、8は合
成樹脂3が比較的薄くコーティングされた状態の外観を
呈すものである。
【0019】 更に、本願発明に係るダイレクトコーティ
ング加工された防風伸縮性生地と従来のラミネート加工
された防風伸縮性生地との揉み特性の差異について説明
すれば、以下のようになる。 (比較例1) まず、1液型ポリウレタン:クリスボン3314(大日
本インキ化学工業株式会社製造)をポリプロピレンコー
ト紙上にコンマコーターを用いて固形分が10g/m2
になるように塗工し、100℃で2分間加熱乾燥して表
被膜をつくった。次に、平均分子量1500のポリエチ
レングリコール20部と平均分子量2000のポリブチ
レンアジペートジオール80部とトリレンジイソシアネ
ート15部をトルエン105部、ジメチルホルムアミド
68部の混合溶媒173部中で反応させ40%濃度の2
液型ポリエーテルポリオール変性ポリウレタン樹脂液を
えた。これを接着剤として先に得た表被膜に固形分が2
0g/m2 になるように塗工し、60℃で30分間乾燥
した。
【0020】 次に、実施例1で使用した伸縮性生地2に
前記樹脂被膜とを120℃の加熱ロールで貼合せ2日間
エージングした後、ポリプロピレンフィルムを剥離し、
ラミネート加工した防風伸縮性生地を用意した。そし
て、本願発明のダイレクトコーティング加工した防風伸
縮性生地と比較例としてラミネート加工した防風伸縮性
生地との揉み特性の差異について、表2に示した。
【表2】表2に示すように、本願発明のダイレクトコー
ティング加工した防風伸縮性生地が、従来のラミネート
加工したものに比較して、揉みテストで優れた揉み耐久
性を有することを示すものである。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の防風伸
縮性生地を使用した陸上競技用タイツ1aにおいては、
縦方向及び横方向に伸縮性を有する伸縮性生地にダイレ
クトコーティング加工することにより、防風伸縮性を特
徴とする防風性を有する衣服であり、前記合成樹脂でダ
イレクトコーティング加工されているため、比較的薄く
コーティングされた状態の外観を呈すため、本願発明に
係る陸上競技用タイツを着用した場合、従来のように、
伸縮性生地に合成樹脂をラミネートした構成のものと異
なり、着用者の皮膚に直接合成樹脂が接触し、密着する
と言ったことがないため、着用感に従来のような冷たい
感触の違和感を生じることもなく、揉み耐久性が著しく
向上するため、従来のラミネートのように、剥離が生じ
フィット性を阻害することもなくフィット性が著しく向
上する。更に、本願発明の防風伸縮性生地を使用した陸
上競技用タイツ1aでは、従来の伸縮性生地の片面乃至
は両面にラミネートした構成のものと比較して、合成樹
脂が比較的薄くコーティングされた状態の外観を呈すた
め、伸縮性生地の表面の摩擦抵抗も小さくなるため、本
願発明の陸上競技用タイツ1aを着用する場合には、足
入れがスムーズにできるほか、脱ぐ際にも足をスムーズ
に抜くことができるものである。
【0022】 更に、本願発明の防風伸縮性生地を使用し
た陸上競技用タイツ1aでは、前述のごとくキックバッ
ク性能が、従来の伸縮性生地単独のものに比較して明ら
かに良好であることから、本願発明の陸上競技用タイツ
1aを着用して、運動時に種々の動作をとっても、筋肉
の動きにうまく連動してサポートするため、従来のラミ
ネートタイプの防風伸縮性生地を使用した陸上競技用タ
イツと異なり、身体に対するフィット性が極めて高く、
且つ運動による種々の動作を阻害することなく良好な着
用感と着用効果を発揮するものである。特に、本願発明
の防風伸縮性生地を使用した陸上競技用タイツ1aで
は、従来のクロロプレンやポリウレタンの発泡体の芯地
の両面にツーウェイトリコットやパイル生地を接着した
防風性衣服のように、厚くて重くて伸長度が低いものと
異なり、薄くて軽くて伸長度が良好であるため、身体に
対するフィット性が極めて高く、且つ運動による種々の
動作を阻害することなく良好な着用感と着用効果を発揮
し、更に、加工工程上も簡略化でき、製造コストも低減
できるものである。
【0023】 更に、本願発明の防風伸縮性生地を使用し
た陸上競技用タイツ1aでは、防風性が非常に高いた
め、寒冷時に着用した場合に、通気性がほとんどなく、
そのため、体感温度として外気温を低く感じることもな
く、又、透湿性(3000g/m2 ・24hr〜600
0g/m2 ・24hrである点)を有するが、撥水性
(80〜100である点)が高いため、汗等の水滴は、
皮膚と防風伸縮性生地の間に溜り、一切防風伸縮性生地
の表面に滲み出ることがないため、皮膚表面を覆う汗が
蒸発する際の蒸発潜熱により、身体から熱が奪われて冷
やされると言ったことも無く、寒冷時でも、特に足が冷
やされて、苦痛を伴う痙攣を引き起こすということも無
くなり、競技そのものを途中で放棄せざるを得ないと言
ったことを防止できる効果を有するものである。なお、
本発明の防風伸縮性生地を使用した防風性を有する衣服
は、前述の陸上競技用タイツ以外に、スポーツ選手等が
着用する球技用、スピードスケート用、自転車競技用等
のタイツ、ハーフタイツ、シャツ、ワンピース、ウォー
ムアップスーツ、ユニフォームや水着、ウィンドブレー
カー、ヤッケ、アノラック、サウナスーツ、その他の防
風性に優れた特性を有する衣服に使用できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る防風伸縮性生地を使用した陸上
競技用タイツを示す斜視図。
【図2】本願発明に係る防風伸縮性生地を示す要部拡大
図。
【図3】本願発明に係る防風伸縮性生地のキックバック
性能(縦方向)を示すグラフ。
【図4】本願発明に係る防風伸縮性生地のキックバック
性能(横方向)を示すグラフ。
【図5】本願発明に係る防風伸縮性生地の防風性評価と
皮膚温度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 衣服 1a 陸上競技用タイツ 2 伸縮性生地 3 合成樹脂 4 防風性皮膜 5 防風伸縮性生地 6 ウエールの凸状部 7 凹状部 8 コースの凸状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森下 禄郎 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 審査官 西川 恵雄 (56)参考文献 特開 平4−214468(JP,A) 特開 昭61−167088(JP,A) 特公 昭45−32799(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A41D 13/00 D06M 15/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦方向及び横方向に伸縮性を有する伸縮
    性生地よりなる衣服において、前記伸縮性生地は合成樹
    脂がダイレクトコーティング加工されて防風性皮膜が形
    成された防風伸縮性生地により構成されており、該防風
    伸縮性生地の縦方向の伸長率(JIS−L−1096
    A法)が、0.5Kgf〜1.8Kgfの荷重で、50
    %〜230%であり、横方向の伸長率が、0.5Kgf
    〜1.8Kgfの荷重で、40%〜130%であり、且
    つ通気性(JIS−L−1018 フラジール形)が、
    0.1cc/cm 2 ・sec〜10cc/cm 2 ・se
    cであり、且つ透湿度(JIS−L−1099 A−1
    法)が、 3000g/m 2 ・24hr〜6000g/
    2 ・24hrであり、且つ撥水度(JIS−L−10
    92 スプレー法)が、80〜100であることを特徴
    とする防風性を有する衣服。
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