JP2991478B2 - 軟磁性薄膜材料 - Google Patents
軟磁性薄膜材料Info
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- JP2991478B2 JP2991478B2 JP2309978A JP30997890A JP2991478B2 JP 2991478 B2 JP2991478 B2 JP 2991478B2 JP 2309978 A JP2309978 A JP 2309978A JP 30997890 A JP30997890 A JP 30997890A JP 2991478 B2 JP2991478 B2 JP 2991478B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 薄膜磁気ヘッド、MIG(メタルインギャップ)ヘッ
ド、インダクタンス素子等に有用とされる軟磁性薄膜材
料に関する。
ド、インダクタンス素子等に有用とされる軟磁性薄膜材
料に関する。
(従来の技術) 軟磁性薄膜として主に実用化されているものはAl−Si
−Fe(センダスト)合金薄膜や、Co−Zr系のアモルファ
ス薄膜がある。Al−Si−Fe合金の場合には飽和磁束密度
が高々12,000ガウス程度と保磁力が1,500エルステドを
越える記録媒体に対して不十分である。Co−Zr系のアモ
ルファス薄膜は高飽和磁束密度であるが、結晶化温度が
500〜600℃程度にあり、ガラスボンディングなどの熱的
プロセスにおいて結晶化温度以下での加熱処理が必要と
なり、耐湿性、耐アルカリ性に優れている高軟化温度ガ
ラスを使用出来ないことに起因する製造歩留まりの低
下、信頼性および寿命の低下等が問題となっている。
−Fe(センダスト)合金薄膜や、Co−Zr系のアモルファ
ス薄膜がある。Al−Si−Fe合金の場合には飽和磁束密度
が高々12,000ガウス程度と保磁力が1,500エルステドを
越える記録媒体に対して不十分である。Co−Zr系のアモ
ルファス薄膜は高飽和磁束密度であるが、結晶化温度が
500〜600℃程度にあり、ガラスボンディングなどの熱的
プロセスにおいて結晶化温度以下での加熱処理が必要と
なり、耐湿性、耐アルカリ性に優れている高軟化温度ガ
ラスを使用出来ないことに起因する製造歩留まりの低
下、信頼性および寿命の低下等が問題となっている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は上述したような不利、欠点を解決した
磁気特性の高い、成膜が容易な結晶質軟磁性薄膜材料を
提供することにある。
磁気特性の高い、成膜が容易な結晶質軟磁性薄膜材料を
提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、このような不利、欠点を解決するため
の手段として、軟磁性薄膜材料として有効な材料の探索
に努め、金属間化合物Fe23C3B3が極めて優れた磁気特性
を有し、成膜条件も容易であることを見出し、この金属
間化合物の組成範囲を見極め、成膜条件を詳細に検討し
て本発明を完成させた。
の手段として、軟磁性薄膜材料として有効な材料の探索
に努め、金属間化合物Fe23C3B3が極めて優れた磁気特性
を有し、成膜条件も容易であることを見出し、この金属
間化合物の組成範囲を見極め、成膜条件を詳細に検討し
て本発明を完成させた。
本発明の要旨は、 重量百分率で1〜5%の炭素(C)、1〜7%の硼素
(B)を含有し、残部が鉄(Fc)および混入不可避な不
純物からなるFe23C3B3型の結晶構造を有する軟磁性薄膜
材料にある。
(B)を含有し、残部が鉄(Fc)および混入不可避な不
純物からなるFe23C3B3型の結晶構造を有する軟磁性薄膜
材料にある。
以下、本発明を詳細に説明する。
高飽和磁束密度をもつ軟磁性薄膜材料としてはFeをベ
ースにした合金もしくは金属間化合物が考えられ、熱的
安定性を確保するためには、結晶構造をもつものが良
く、軟磁気特性を確保するためには立方晶を基本構造と
するものが良い。これらの条件を満足させるためにCr23
C6型の立方晶系の結晶構造を有する金属間化合物Fe23C3
B3に着目し、この組成周辺で薄膜化を試みた結果、飽和
磁束密度15,800ガウス、保磁力1エルステッド以下の軟
磁気特性を持つ軟磁性薄膜を得た。
ースにした合金もしくは金属間化合物が考えられ、熱的
安定性を確保するためには、結晶構造をもつものが良
く、軟磁気特性を確保するためには立方晶を基本構造と
するものが良い。これらの条件を満足させるためにCr23
C6型の立方晶系の結晶構造を有する金属間化合物Fe23C3
B3に着目し、この組成周辺で薄膜化を試みた結果、飽和
磁束密度15,800ガウス、保磁力1エルステッド以下の軟
磁気特性を持つ軟磁性薄膜を得た。
この組成は、FeをベースにCが1〜5重量%(以下、
%は全て重量%を表わす。)、Bが1〜7重量%が良
く、好ましくは、夫々1〜2.5%、1〜2.5%が良い。C
が1%未満ではFe3Bなどの相が析出し、5%を超えると
Fe3Cが析出する。また、Bが1%未満では炭素鋼組織と
なり、7%を越えるとFe3B相の析出が顕著となる。
%は全て重量%を表わす。)、Bが1〜7重量%が良
く、好ましくは、夫々1〜2.5%、1〜2.5%が良い。C
が1%未満ではFe3Bなどの相が析出し、5%を超えると
Fe3Cが析出する。また、Bが1%未満では炭素鋼組織と
なり、7%を越えるとFe3B相の析出が顕著となる。
薄膜の製造方法としては、公知の技術であるスパッタ
ー法によって優れた薄膜を得ることができる。
ー法によって優れた薄膜を得ることができる。
スパッター法による製造方法を説明すると、先ずター
ゲットは本発明の組成をもつ母合金を作製し、円板を切
り出す。基板は目的とする製品により異なるが、ガラ
ス、非磁性ステンレス、非磁性フェライト、シリコンウ
ェハー等が用いられる。スパッターの条件としては、ガ
スはArを用い、基板の温度は室温〜500℃、印加電力は
6〜13W/cm2、圧力は3〜10ミリTorrの範囲から選ばれ
る。最後に得られた軟磁性薄膜を回転磁界中で熱処理し
特性を出現させる。
ゲットは本発明の組成をもつ母合金を作製し、円板を切
り出す。基板は目的とする製品により異なるが、ガラ
ス、非磁性ステンレス、非磁性フェライト、シリコンウ
ェハー等が用いられる。スパッターの条件としては、ガ
スはArを用い、基板の温度は室温〜500℃、印加電力は
6〜13W/cm2、圧力は3〜10ミリTorrの範囲から選ばれ
る。最後に得られた軟磁性薄膜を回転磁界中で熱処理し
特性を出現させる。
この金属間化合物Fe23C3B3からなる薄膜の用途として
は、1)薄膜磁気ヘッドの磁気コアー部材、2)MIGヘ
ッド用金属膜材料、3)インダクタンス素子等が挙げら
る。
は、1)薄膜磁気ヘッドの磁気コアー部材、2)MIGヘ
ッド用金属膜材料、3)インダクタンス素子等が挙げら
る。
(実施例1〜5) Cとして純度99%の黒鉛、Bとして純度99.6%をメタ
ルボロン、Feとして純度99.9%の電解鉄を各原料として
Fe23C3B3の組成になる様に配合し、高周波溶解炉で溶解
して母合金(組成を第1表に示す。)を作製した。得ら
れた母合金から100mmφ×3mmt円板を切出しストッパー
用ターゲットを作製した。8×10-3torrのArガス雰囲気
中でスパッターし、磁性薄膜を作成した。基板にはシリ
コンポリッシュドウエハーを用いた。スパッター速度は
10μm/Hrで、得られた薄膜の厚さは10μmであった。次
いで10-5Torrの真空中、500℃で10分間、500Gの回転磁
界中で熱処理した後、磁気特性を測定した。透磁率μは
巻線をしインダクタンスを測定して求めた。飽和磁束密
度Bs、保持力HcはVSM(振動試料磁力計)を用いて測定
した。これらの結果を第1表に示す。
ルボロン、Feとして純度99.9%の電解鉄を各原料として
Fe23C3B3の組成になる様に配合し、高周波溶解炉で溶解
して母合金(組成を第1表に示す。)を作製した。得ら
れた母合金から100mmφ×3mmt円板を切出しストッパー
用ターゲットを作製した。8×10-3torrのArガス雰囲気
中でスパッターし、磁性薄膜を作成した。基板にはシリ
コンポリッシュドウエハーを用いた。スパッター速度は
10μm/Hrで、得られた薄膜の厚さは10μmであった。次
いで10-5Torrの真空中、500℃で10分間、500Gの回転磁
界中で熱処理した後、磁気特性を測定した。透磁率μは
巻線をしインダクタンスを測定して求めた。飽和磁束密
度Bs、保持力HcはVSM(振動試料磁力計)を用いて測定
した。これらの結果を第1表に示す。
(発明の効果) 本発明によれば、飽和磁束密度Bs1,500G以上を有し、
熱的安定性に優れた軟磁性薄膜となり、高性能書込み特
性の薄膜磁気ヘッド、MIGヘッド、高性能インダクタン
ス素子の作製が可能となり 、産業上その利用価値は極めて高い。
熱的安定性に優れた軟磁性薄膜となり、高性能書込み特
性の薄膜磁気ヘッド、MIGヘッド、高性能インダクタン
ス素子の作製が可能となり 、産業上その利用価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 10/14,1/14
Claims (1)
- 【請求項1】重量百分率で1〜5%の炭素(C)、1〜
7%の硼素(B)を含有し、残部が鉄(Fe)および混入
不可避な不純物からなるFe23C3B3型の結晶構造を有する
軟磁性薄膜材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2309978A JP2991478B2 (ja) | 1990-11-15 | 1990-11-15 | 軟磁性薄膜材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2309978A JP2991478B2 (ja) | 1990-11-15 | 1990-11-15 | 軟磁性薄膜材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04180607A JPH04180607A (ja) | 1992-06-26 |
JP2991478B2 true JP2991478B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=17999665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2309978A Expired - Fee Related JP2991478B2 (ja) | 1990-11-15 | 1990-11-15 | 軟磁性薄膜材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2991478B2 (ja) |
-
1990
- 1990-11-15 JP JP2309978A patent/JP2991478B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04180607A (ja) | 1992-06-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |