JP2991353B2 - 常時噛合式変速機 - Google Patents

常時噛合式変速機

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JP2991353B2
JP2991353B2 JP3259735A JP25973591A JP2991353B2 JP 2991353 B2 JP2991353 B2 JP 2991353B2 JP 3259735 A JP3259735 A JP 3259735A JP 25973591 A JP25973591 A JP 25973591A JP 2991353 B2 JP2991353 B2 JP 2991353B2
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治雄 岩野
誠 小嶋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に用いられるいわ
ゆる常時噛合式変速機に関し、特に、自動変速制御が行
われるものに関する。
【0002】
【従来の技術】常時噛合式変速機には、メインシャフト
(クラッチにより入力軸に対して接続・遮断される)お
よびカウンタシャフト(出力側につながる)間に配設さ
れた複数の常時噛合式の変速用ギヤ列が備えられてい
る。また、メインシャフトまたはカウンタシャフト上に
は、隣接する変速用ギヤ列に(実際には、メインシャフ
ト側のギヤおよびカウンタシャフト側のギヤのいずれか
に)取り付けられたドグ歯に係脱自在なスリーブを有し
てなる複数のドグ歯クラッチも備えられている。なお、
スリーブがドグ歯に係合することにより、メインシャフ
トの回転は、そのドク歯が取り付けられている変速用ギ
ヤ列を介してカウンタシャフトに伝達される。
【0003】そして、このような常時噛合式変速機は、
コンピュータ等からの変速指令に基づいて作動し、複数
のドグ歯クラッチにおけるスリーブのいずれかを選択的
に移動させる変速用シフタを備えることにより自動変速
機として用いられることが多い。
【0004】さらに、このような変速機には、例えば、
特公昭54−28894号公報に開示されているような
同期装置を備えたものがある。このものでは、メインシ
ャフトおよびカウンタシャフトの端部に上記変速用ギヤ
列とは別に同期用ギヤ列を取り付けている。そして、各
変速段への変速時にその同期用ギヤ列の回転をカウンタ
シャフト側において加速または制動することによって、
メインシャフトの回転を増減速し、そのメインシャフト
上に取り付けられたドグ歯クラッチ(スリーブ)の回転
をそれが係合すべきドグ歯の回転に同期させるようにし
ている。
【0005】一方、高変速段から低変速段への変速時に
は最低変速段側のシンクロメッシュ機構が作用してメイ
ンシャフトを増速させる。これにより、変速用ギヤ列以
外にギヤ列を設けることなく、全変速段への変速時にお
ける回転同期を行うことができる。こうして回転同期を
行った後、変速用シフタにより、目標変速段用のスリー
ブをドグ歯に係合させて変速を完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな最低・最高段同期式変速機では、中間変速段への変
速時における変速用シフタの作動制御が複雑になるとい
う問題がある。また、中間変速段への変速時における回
転同期の際に、変速用シフタが過度に作動(変速用シフ
タを駆動する電動アクチュエータの制御誤差等により生
ずると考えられる)すると、シンクロ付ドグ歯クラッチ
のスリーブは、上記同期位置を超えてそのシンクロ付ド
グ歯クラッチのドグ歯に係合する位置(係合位置)の方
向に移動してしまうおそれがあるという問題もある。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、中間変速段への変速時における変速用シ
フタの作動制御を簡単にし、さらには中間変速段への変
速過程における回転同期の際、シンクロ付ドグ歯クラッ
チのスリーブがそのシンクロ付ドグ歯クラッチにおける
ドグ歯に係合するのを確実に阻止できるようにした常時
噛合式変速機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するめ
たに本発明の常時噛合式変速機では、変速用シフタとは
別に同期用シフタを設けている。その同期用シフタは、
最低変速段および最高変速段用のドグ歯クラッチにおけ
るスリーブを、そのドグ歯クラッチ内に取り付けられた
同期手段を作用させてメインシャフトの回転を増減速さ
せる同期位置とそのドグ歯クラッチのドグ歯から離脱す
る離脱位置との間でのみ移動させる。なお、同期用シフ
タに当接して、その同期用シフタによってスリーブが同
期位置を超えて係合位置の方向に移動されるのを阻止す
るストッパを設けても良い。
【0009】
【作用】このような変速機では、同期用シフタによりシ
ンクロ付ドグ歯クラッチのスリーブが同期位置に移動さ
れることにより、中間変速段への変速時における回転同
期が行われる。このため、変速用シフタの作動制御を簡
単化することができる。また、ストッパを設ければ、同
期用シフタによってシンクロ付ドグ歯クラッチのスリー
ブが同期位置に移動されたにもかかわらず、まだその同
期用シフタを駆動する電動アクチュエータ等が作動し続
けていても、その同期用シフタがストッパに当接するこ
とにより、それ以上のスリーブの係合位置に向かう方向
への移動は確実に阻止される。なお、最低変速段または
最高変速段への変速時においては、変速用シフタにより
シンクロ付ドグ歯クラッチのスリーブは同期位置を超え
て係合位置にまで移動される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら説明する。なお、本発明に係る常時噛合
式変速機は、図1に示すような全体輪郭を有するのであ
るが、ここでは、この図1に示した変速機10を3つの
部分に分割して拡大した図2〜図4を用いて説明するも
のとする。
【0011】変速機10は、図2に示すように、ケース
11の左端に入力軸12を回転自在に支持してなる。こ
の入力軸12は、図1に示したエンジンEの出力軸に連
結されている。入力軸12の右方にはメインクラッチ2
0が構成されている。このメインクラッチ20は、入力
軸12の右端に一体に取り付けられたフライホール21
と、このフライホール21の右端面に対向する位置に配
置されたプレッシャプレート22とを有してなる。フラ
イホール21とプレッシャプレート22の間には、クラ
ッチプレート23が挟まれるように配置されている。こ
のクラッチプレート23は、入力軸12の右方に回転自
在(ただし、入力軸12とは独立に回転自在である)に
支持されたメインシャフト13の左端部に取り付けられ
ている。なお、クラッチプレート23の左右両端面に
は、フェーシング(摩擦板)23a,23aが貼り付け
られている。
【0012】また、プレッシャプレート22の右方には
ダイヤフラムスプリング25が配置されている。このダ
イヤフラムスプリング25は、フライホール21の右端
からプレッシャプレート22を覆うように延びるクラッ
チカバー26により支持されている。また、ダイヤフラ
ムスプリング25の中央部右方には、メインシャフト1
3を囲むようにレリーズベアリング27が配置されてい
る。このレリーズベアリング27は、その右方から上方
に延びるレリーズフォーク28の左右揺動(レリーズフ
ォーク28の上下方向中間部に配置された揺動支点29
を中心として行われる)により、左右方向に移動され
る。
【0013】なお、レリーズフォーク28の左右揺動
は、ケース11の上部に取り付けられたクラッチ用モー
タ31の作動と、ケース11の左端上部およびレリーズ
フォーク28の上部間に取り付けられたレリーズ解除バ
ネ35の引張力とを利用して行われる。即ち、クラッチ
用モータ31の回転軸にはボールネジシャフト32が連
結されている。そして、モータ31の作動により回転さ
れるボールネジシャフト32上を右方に移動するボール
ネジハウジング33がレリーズフォーク28の上端部を
右方に押すことによって、レリーズフォーク28の下端
部は左方に移動される。また、こうして揺動されたレリ
ーズフォーク28の上部がレリーズ解除バネ35に引っ
張られて左方に戻る(このときボールネジハウジング3
3はボールネジシャフト32を回転させながら左方に戻
される)ことによって、レリーズフォーク28の下端部
が右方に移動されるのである。
【0014】このように構成されたメインクラッチ20
では、クラッチ用モータ31が非作動のときは、プレッ
シャプレート22がダイヤフラムスプリング25により
左方に押圧されて、フライホール21との間にクラッチ
プレート23を挟みつける。これにより、フライホール
21とクラッチプレート23は、フェーシング23aの
表面に生じた強い摩擦力により結合され、フライホール
21の回転(つまりは入力軸12の回転)が,クラッチ
プレート23(つまりはメインシャフト13)に伝達さ
れる。一方、クラッチ用モータ31が作動すると、レリ
ーズフォーク28によってレリーズベアリング27が左
方に移動される。レリーズベアリング27はダイヤフラ
ムスプリング25の中央部付近に当接してここを左方に
押し込み、そのダイヤフラムスプリング25によるプレ
ッシャプレート22の左方押圧を解除させる。これによ
り、フライホール21とクラッチプレート23の結合が
切り離され、フライホール21の回転はクラッチプレー
ト23に伝達されなくなる。
【0015】図3に示すように、メインシャフト13上
には、左から第1速駆動ギヤ51、第2速駆動ギヤ5
2、第3速駆動ギヤ53、第4速駆動ギヤ54、第5速
駆動ギヤ55および第6速駆動ギヤ56が配設されてい
る。ただし、第1速駆動ギヤ51および第2速駆動ギヤ
52はメインシャフト13に一体に形成されており、そ
の一方、第3速駆動ギヤ53〜第6速駆動ギヤ56はメ
インシャフト13に対して回転自在に取り付けられてい
る。また、第1速駆動ギヤ51と第2速駆動ギヤ5との
間には、リバース駆動ギヤ57がメインシャフト13に
一体に形成されている。
【0016】また、メインシャフト13の下方には、そ
れに平行に延びるカウンタシャフト14が回転自在に支
持されている。このカウンタシャフト14上には、左か
ら第1速被動ギヤ61、第2速被動ギヤ62、第3速被
動ギヤ63、第4速被動ギヤ64、第5速被動ギヤ65
および第6速被動ギヤ66が配設されている。ただし、
第1速被動ギヤ61および第2速被動ギヤ62はカウン
タシャフト14に対して回転自在に取り付けられてお
り、その一方、第3速被動ギヤ63〜第6速被動ギヤ6
6はカウンタシャフト14に一体的に取り付けられてい
る。
【0017】なお、第1速駆動ギヤ51と第1速被動ギ
ヤ61とは常に噛合して、第1変速段ギヤ列を形成す
る。また、第2速駆動ギヤ52と第2速被動ギヤ62と
も常に噛合して、第2変速段ギヤ列を構成する。以下、
同様に、第3速駆動ギヤ53〜第6速駆動ギヤ56と、
第3速被動ギヤ63〜第6速被動ギヤ66とがそれぞれ
常に噛合して、第3変速段〜第6変速段ギヤ列を形成し
ている。また、上記リバース駆動ギヤ57には、その上
方に配置されたリバースアイドラギヤ67が係脱自在に
係合してリバスース用ギヤ列(広義の変速用ギヤ列)を
構成する。
【0018】さらに、カウンタシャフト14上における
第1速被動ギヤ61と第2速被動ギヤ62との間には、
1−2段変速用ドグ歯クラッチ71が取り付けられてい
る。この1−2段変速用ドグ歯クラッチ71は、カウン
タシャフト14に一体に取り付けられたクラッチハブ
(以下、単にハブという)71hと、各被動ギヤ61,
62に取り付けられたドグ歯71d,72dと、ハブ7
1hに左右に摺動自在にスプライン結合され、自らの内
歯スプラインを摺動先のドグ歯(71d,72d)に対
して係脱させることができるスリーブ71sとから構成
されている。この1−2段変速用ドグ歯クラッチ71で
は、スリーブ71sが、その外周を挟持する1−2シフ
トフォーク81の移動によりハブ71h上を左右に摺動
されてドグ歯(71dまたは72d)に係合することに
よって、第1速被動ギヤ61または第2速被動ギヤ62
をカウンタシャフト14と一体的に回転させる。このた
め、メインシャフト13の回転は、第1変速段ギヤ列ま
たは第2変速段ギヤ列により減速されながらカウンタシ
ャフト14に伝達される。
【0019】また、メインシャフト13上における第3
速駆動ギヤ53と第4速駆動ギヤ54との間、および第
5速駆動ギヤ55と第6速駆動ギヤ56との間にはそれ
ぞれ、3−4段変速用ドグ歯クラッチ73、5−6段変
速用ドグ歯クラッチ75が取り付けられている。ドグ歯
クラッチ73,75は、メインシャフト13に一体に取
り付けられたハブ73h,75hと、各駆動ギヤ53〜
56に取り付けられたドグ歯73d,74d,75d,
76dと、ハブ73h,75hに左右に摺動自在にスプ
ライン結合され、それぞれ自らの内歯スプラインを摺動
先のドグ歯に対して係脱させることができるスリーブ7
3s,75sとから構成されている。
【0020】3−4段変速用ドグ歯クラッチ73では、
スリーブ73sが、その外周を挟持する3−4シフトフ
ォーク83の移動に伴ってハブ73h上を左右に摺動さ
れてドグ歯(73dまたは74d)に係合することによ
り、第3速駆動ギヤ53または第4速駆動ギヤ54をメ
インシャフト13と一体的に回転させる。メインシャフ
ト13の回転は、第3変速段ギヤ列により減速されなが
ら、または第4変速段ギヤ列によりほぼ等速でカウンタ
シャフト14に伝達される。一方、5−6段変速用ドグ
歯クラッチ75では、スリーブ75sが、その外周を挟
持する5−6シフトフォーク85の移動に伴ってハブ7
5h上を左右に摺動されドグ歯(75dまたは76d)
に係合することにより、第5速駆動ギヤ53または第6
速駆動ギヤ56をメインシャフト13と一体的に回転さ
せる。メインシャフト13の回転は、第5変速段ギヤ列
または第6変速段ギヤ列により増速されながらカウンタ
シャフト14に伝達される。なお、各ドグ歯クラッチ7
1,73,75において、いずれかのドグ歯に対して係
合したスリーブ71s,73s,75sの位置を係合位
置といい、両ドグ歯から離脱したスリーブ71s,73
s,75sの位置を離脱位置という。また、カウンタシ
ャフト14の回転は、図4に示したディファレンシャル
40を介して左右に延びるアクスルシャフト45,45
に伝達される。
【0021】ここで、上記各シフトフォーク81,8
3,85について図5を併せ用いて説明する。図3にお
ける下方(実際には、変速機10の側方)には、メイン
シャフト13およびカウンタシャフト14と平行に延び
るよう第1シフトフォークシャフト91および第2シフ
トフォークシャフト92が配置されている。そして、1
−2シフトフォーク81は第1シフトフォークシャフト
91上に、また3−4シフトフォーク83および5−6
シフトフォーク85は第2シフトフォークシャフト92
上に、それぞれ軸方向に摺動自在に取り付けられてい
る。
【0022】各シフトフォーク81,83,85にはそ
れぞれ、ゲート部(1−2ゲート部101,3−4ゲー
ト部103および5−6ゲート部105)が設けられて
いる。それらゲート部101,103,105は、図5
に示すように、5−6ゲート部105を挟んで下側(図
3でいう奥側)に1−2ゲート部101、上側(図3に
いう手前側)に3−4ゲート部103というように配置
されている。なお、各スリーブ71s,73s,75s
が離脱位置に位置したときの各ゲート部101,10
3,105の位置を中立時ゲート位置Nという。また、
各スリーブ71s,73s,75sが係合位置に位置し
たときの各ゲート部101,103,105の位置を係
合時ゲート位置という。さらに、図5に示すように、各
ゲート部101,103,105の中央部には、上下方
向に連なるシフタ受容溝101a,103a,105a
が形成されている。各シフタ受容溝には、図3に示すよ
うに、変速用シフタ111の先端部が受容可能である。
なお、この変速用シフタ111は、図5における上下方
向(以下、セレクト方向という)および左右方向(以
下、シフト方向という)に移動可能となっている。
【0023】このため、変速用シフタ111がセレクト
方向に移動していずれかのゲート部におけるシフタ受容
溝内に受容された状態となり、さらに、シフト方向に移
動しながらそのゲート部を中立時ゲート位置Nから押動
することにより、そのゲート部につながるシフトフォー
クが第1シフトフォークシャフト91または第2シフト
フォークシャフト92上を摺動される。なお、各ゲート
部上に示した数字(I,II,…,VI)は変速段に対
応し、例えば、1−2ゲート部101を中立時ゲート位
置Nに対してI(第1速シフト方向)側に移動させれば
第1変速段に変速されることを表す(ただし、実際に表
示されているわけではない)。
【0024】ところで、上記のような変速用シフタ11
1のセレクト方向およびシフト方向への移動はそれぞ
れ、図3に示すように、ケース11の下部に取り付けら
れたセレクト用モータ115およびシフト用モータ11
6の作動を利用して行われる。まず、セレクト用モータ
115の回転軸には、軸方向に延びるギヤ歯を有するギ
ヤ部117aが形成されてなるギヤシャフト117が連
結されている。ギヤ部117aには、変速用シフタ11
1の下端部(基端部)に設けられたギヤ歯111aが噛
合している。一方、シフト用モータ116の回転軸には
ボールネジシャフト118が連結されている。このボー
ルネジシャフト118上には、ボールネジハウジング1
19が取り付けられている。そして、このボールネジハ
ウジング119には、変速用シフタ111の中間部が取
り付けられている。
【0025】セレクト用モータ115の作動によりギヤ
シャフト117が回転されると、変速用シフタ111の
下端部が、上記ボールネジハウジング119を中心とし
て、図3における手前側および向い側に揺動される。こ
のため、変速用シフタ111の先端部はセレクト方向に
移動される。また、シフト用モータ116の作動により
ボールネジシャフト118が回転されると、そのシャフ
ト118上をボールネジハウジング119が図3におけ
る左右に移動する。このため、ボールネジハウジング1
19に取り付けられた変速用シフタ111はセレクト方
向に移動される。なお、セレクト用モータ115および
シフト用モータ116は、図1に示したコントロールユ
ニットCUからの信号を受けて作動し、本変速機10に
おける自動変速を行う。
【0026】ただし、スムーズな変速を行うためには、
変速先変速段のギヤ(第1・第2被動ギヤ61・62ま
たは第3〜第6駆動ギヤ53〜56)に取り付けられた
ドグ歯と、それに係合すべきスリーブの回転を同期させ
る必要がある。そこで、本変速機10では、図3に示す
ように、1ー2ドグ歯クラッチ71における第1変速段
(最低変速段)側と、5−6ドグ歯クラッチ75におけ
る第6変速段側(最高変速段)側に、シンクロメッシュ
機構(同期手段)121,122が設けられている。
【0027】まず、第1変速段側のシンクロメッシュ機
構(以下、1速側シンクロ機構という)121は、第1
速被動ギヤ61からカウンタシャフト14に沿って右方
に延びる円筒部61aに取り付けられたインナコーン1
21aと、このインナコーン121aの外周テーパ面上
に載置されるインナプレート121bを有してなる。さ
らに、インナプレート121bの外周テーパ面上には、
ハブ71hと第1速被動ギヤ61のドグ歯71d間に突
出する外歯スプラインを有するブロッキングリング(ア
ウタコーン)121cが載置されている。なお、このブ
ロッキングリング121cとハブ71hとの間にはシン
クロナイザスプリング121dが配置されている。
【0028】この1速側シンクロ機構121では、変速
用シフタ111により1−2シフトフォーク81を介し
て図3における左方に移動されるスリーブ71sがシン
クロナイザスプリング121dを介してブロッキングリ
ング121cを押して左動させると、そのブロッキング
リング121cの内周テーパ面とインナプレート121
bの外周テーパ面間、およびインナプレート121bの
内周テーパ面とインナコーン121aの外周テーパ面間
に摩擦が生じる。そして、その摩擦力によって、第1速
への変速時においては、スリーブ71sの回転をドグ歯
71dの回転に同期させる。なお、このように1速側シ
ンクロ機構121を作用させるスリーブ71sの位置を
同期位置という。また、スリーブ71sを同期位置に位
置させたときの1−2ゲート部101の位置を1速側同
期時ゲート位置P1という(図6参照)。こうして同期
が完了すると、シンクロナイザスプリング121dはス
リーブ71sの内歯スプラインに形成された溝71m内
に逃げる。こうして、スリーブ71sの内歯スプライン
は、スムーズにブロッキングリング121cおよびドグ
歯71dに係合する。このときの1−2ゲート部101
の位置を1速側係合時ゲート位置P1′という(図7参
照)。
【0029】一方、第6変速段側のシンクロメッシュ機
構(以下、6速側シンクロ機構という)122は、第6
速駆動ギヤ56と一体に設けられてメインシャフト13
に沿って左方に延びるコーン部122aを有してなる。
コーン部122aの外周テーパ面上には、ハブ75hと
第6速駆動ギヤ56のドグ歯76d間に突出する外歯ス
プラインを有するブロッキングリング122bが載置さ
れている。なお、このブロッキングリング122bとハ
ブ75hとの間にはシンクロナイザスプリング122c
が取り付けられている。
【0030】この6速側シンクロ機構122では、変速
用シフタ111により5−6シフトフォーク85を介し
て右方に移動されるスリーブ75sがシンクロナイザス
プリング122cを介してブロッキングリング122b
を押して左動させると、そのブロッキングリング122
bの内周テーパ面とコーン部122aの外周テーパ面間
に摩擦が生じる。そして、その摩擦力によって、第6速
への変速時においては、スリーブ75sの回転とドグ歯
76dの回転が同期される。なお、このように6速側シ
ンクロ機構122を作用させるスリーブ75sの位置を
同期位置といい、スリーブ75sを同期位置に位置させ
たときの5−6ゲート部105の位置を6速側同期時ゲ
ート位置P6という(図8参照)。こうして同期が完了
すると、シンクロナイザスプリング122cはスリーブ
75sの内歯スプラインに形成された溝75m内に逃げ
る。こうして、スリーブ75sの内歯スプラインは、ス
ムーズにブロッキングリング122bおよびドグ歯76
dに係合する。このときの5−6ゲート部105の位置
を6速側係合時ゲート位置P6′という(図9参照)。
【0031】このように第1速および第6速に変速する
場合には、それぞれ1速側シンクロ機構121または6
速側シンクロ機構122によって上記のような回転同期
が行われるが、本変速機10では、第1速および第6速
以外の変速段に変速する場合にも、上記シンクロ機構1
21,122を作用させるようにしている。即ち、1−
2ゲート部101および5−6ゲート部105を、変速
用シフタ111とは別に設けられた同期用シフタ131
によって駆動するのである。同期用シフタ131は、1
−2ゲート部101の右方に配置されている。この同期
用シフタ131は、ケース11内の下部に取り付けられ
た同期用モータ132の作動を利用(変速用シフタ11
1のシフト用モータ116によるシフト方向への駆動と
同様に)して、同期中立位置nを中心に左右方向に移動
される(図6および図8参照)。
【0032】さらに、図5に詳しく示すように、同期用
シフタ131の左方および右方にはそれぞれ、第1ゲー
ト駆動レバー141および第2ゲート駆動レバー142
が延びている。第1ゲート駆動レバー141は、その左
端部が1−2ゲート部101のII(第2速シフト方
向)側の端面に取り付けられている。そして、その右端
部は、1−2ゲート部101が中立時ゲート位置Nにあ
るときは、同期用シフタ131の同期中立位置nから左
方に2速用クリアランス距離(第2速に変速すべく1−
2ゲート部101が第2速シフト方向の係合時ゲート位
置に移動されたときに同期用シフタ131に干渉しない
距離)Lだけ離れた位置まで延びている。また、第2ゲ
ート駆動レバー142は、左端部が5−6ゲート部10
5のVI(第6速シフト方向)側の端面に取り付けられ
ている。そして、その右端部は、5−6ゲート部105
が中立時ゲート位置Nにあるときは、同期中立位置nか
ら右方に5速用クリアランス距離(第5速に変速すべく
5−6ゲート部105がV、即ち第5速シフト方向の係
合時ゲート位置に移動したときに同期用シフタ131に
干渉しない距離)L′だけ離れた位置まで延びている。
【0033】このため、同期用シフタ131が左方(以
下、1速シンクロ方向という)に移動して第1ゲート駆
動レバー141の右端部に当接し、さらにその第1ゲー
ト駆動レバー141を左方に押し込むことにより、図6
に示すように1−2ゲート部101は1速側同期時ゲー
ト位置P1に向かって移動される。また、同期用シフタ
131が右方(以下、6速シンクロ方向という)に移動
して第2ゲート駆動レバー142の右端部に当接し、さ
らにその第2ゲート駆動レバー142を右方に引っ張る
ことにより、図8に示すように5−6ゲート部105は
6速側同期時ゲート位置P6に向かって移動される。
【0034】ここで、第1速および第6速以外の変速段
(中間変速段)に変速する場合における同期用モータ1
32、クラッチ用モータ31,セレクト用モータ115
およびシフト用モータ116の作動制御は、前述のコン
トロールユニットCUにおいて、図6に示すフローチャ
ートに従って行われる。ステップS1では、現行変速段
のギヤ列の減速比のほか、図1に示すように、エンジン
回転数Ne、アクセルACの開度θac、スロットルT
Hの開度θth等を読み込み、これらの条件(走行状
態)に基づいて目標変速段を設定する。
【0035】ステップS2では、メインクラッチ20を
オフにするために、図1に示すように、クラッチ用モー
タ31にクラッチ作動指令Cm(Cl)を送出してこれ
を作動させる。ステップS3では、メインクラッチ20
が確実にオフになったか否かを判断する。その判断は、
図2に示すように、メインクラッチ20の近くに取り付
けられたクラッチセンサ38からのクラッチ位置検出信
号Clpに基づいて行われる。クラッチセンサ38はレ
リーズフォーク28の上部右端に向かって延びるスイッ
チロッド38aを有してなる。クラッチ用モータ31の
作動によりレリーズフォーク28の上部が右方に移動し
てメインクラッチ20がオフになると、レリーズフォー
ク28の上部がスイッチロッド38aの先端に当接しな
がらそれを右方に押し込む。これにより、クラッチセン
サ38から上記検出信号Clpが出力されるのである。
なお、メインクラッチ20がオフになったと判断したと
きはステップS4に進み、まだオフになっていないと判
断したときは、一旦フローを終了してステップS1に戻
る。
【0036】ステップS4では、現行変速段に対応する
ゲート部を中立時ゲート位置Nに戻すため、変速用シフ
タ111を作動させるようシフト用モータ116を作動
させる。その作動は、図1に示したシフト作動指令Cm
(Sf)による。ここで、変速用シフタ111が3−4
ゲート部103上にない場合には、変速用シフタ111
を3−4ゲート部103上にセレクト方向移動させるよ
うセレクト用モータ115を作動させる。その作動は、
図1に示したセレクト作動指令Cm(Sl)による。こ
れにより、変速用シフタ111は完全中立状態(ここで
は、中立時ゲート位置Nに位置する3−4ゲート部10
3上に位置した状態をいう)におかれる(図6および図
8参照)。ステップS5では、変速用シフタ111が確
実に完全中立状態にあるか否かを判断する。その判断
は、セレクト用モータ115およびシフト用モータ11
6にそれぞれ取り付けられ、それらモータ115,11
6の回転角を検出するエンコーダ(図示せず)からのセ
レクト位置検出信号Slpおよびシフト位置検出信号S
fpに基づいて行う。なお、完全中立状態にあると判断
したときはステップS6に進み、完全中立状態にないと
判断したときはステップS1に戻る。
【0037】ステップS6では、設定された目標変速段
が、現行変速段に対して高変速段か否(低変速段)かを
両変速段の減速比の大小より判断する。高変速段である
とき、即ち、シフトアップを行うべきときはステップS
71に進み、低変速段であるとき、即ち、シフトダウン
を行うべきときはステップS72に進む。ステップS7
1では、6速側シンクロ機構122を作用させるため、
同期用シフタ131を6速シンクロ方向に移動させるよ
う同期用モータ132に同期作動指令Cm(Sy)を送
出し、これを作動させる。なお、このときの同期用モー
タ132の作動量は、5−6ゲート部105を6速側同
期時ゲート位置P6に停止させるように予め設定されて
いる。ステップS72では、1速側シンクロ機構121
を作用させるため、同期用シフタ131を1速シンクロ
方向に移動させるよう同期用モータ132を作動させ
る。なお、このときの同期用モータ132の作動量は、
1−2ゲート部101を1速側同期時ゲート位置P1に
停止させるように予め設定されている。
【0038】ステップS8では、メインシャフト13の
回転数Nmと、カウンタシャフト14の回転数Ncとを
検出する。ここで、メインシャフト13の回転数Nm
は、図1に示すように、ケース11の上部左側に取り付
けられたメイン回転センサ17により検出される。一
方、カウンタシャフト14の回転数Ncは、図1および
図3に示すように、ケース11の上部右側に取り付けら
れたカウンタ回転センサ18により検出される。そし
て、メインシャフト13の回転数Nmが、カウンタシャ
フト14の回転数Ncに目標変速段のギヤ列の減速比を
乗じた値に一致したか否かを判断する。なお、一致した
と判断したときはステップS9に進み、不一致であると
判断したときはステップS1に戻る。
【0039】ステップS9では、同期用シフタ131を
同期中立位置nに戻すよう同期用モータ132を作動さ
せる。これにより、5−6ゲート部105または1−2
ゲート部101は、中立時ゲート位置Nに戻される。ス
テップS10では、同期用シフタ131が確実に同期中
立位置nに戻ったか否かを判断する。その判断は、同期
用モータ132に取り付けられたエンコーダ(図示せ
ず)からの同期位置検出信号Sypに基づいて行われ
る。なお、同期中立位置nに戻ったと判断したときはス
テップS11に進み、まだ戻っていないと判断したとき
はステップS1に戻る。
【0040】ステップS11では、変速用シフタ111
を目標変速段に係るゲート部(以下、目標ゲート部とい
う)上にセレクト方向移動させるようセレクト用モータ
115を作動させる。そして、ステップS12では、変
速用シフタ111が目標ゲート部上に確実に位置したか
否かを判断する。目標ゲート部上に位置したと判断した
ときはステップS13に進み、まだ位置していないと判
断したときはステップS1に戻る。
【0041】ステップS13では、変速用シフタ111
を目標変速段Sdに対応するシフト方向(以下、目標シ
フト方向という)にシフト移動させるようシフト用モー
タ116を作動させる。そして、ステップS14では、
変速用シフタ111が目標シフト方向に確実に移動した
か否かを判断する。目標シフト方向に移動し終わったと
判断したときはステップS15に進み、まだ移動し終え
ていないと判断したときはステップS1に戻る。ステッ
プS15では、メインクラッチ20をオンにするため、
クラッチ用モータ31に送出されていたクラッチ作動指
令Cm(Cl)を解除し、これを停止させる。
【0042】このようなフローチャートに従って行われ
る、第2速(低変速段)から第3速(高変速段)への変
速作動について説明する。まず、変速制御コントローラ
において変速指令が出されるとともに目標変速段(第3
速)が設定されると(ステップS1)、メインクラッチ
20がオフにされ、メインシャフト13に対する入力軸
12からの回転入力がなくなる(ステップS2)。この
ため、メインシャフト13は、1−2ドグ歯クラッチ7
1と係合状態にある第2変速段ギヤ列(52,62)を
介して、メインシャフト13よりも低速で回転するカウ
ンタシャフト14により回転駆動されることになる。な
お、カウンタシャフト14と一体回転する第6速被動ギ
ヤ66に駆動されることとなる第6速駆動ギヤ56の回
転は、メインシャフト13の回転よりも遅い。また、カ
ウンタシャフト14と一体回転する第3速被動ギヤ63
に駆動されることとなる第3速駆動ギヤ53の回転は、
メインシャフト13の回転よりも遅く、第6速駆動ギヤ
56の回転よりは速い。
【0043】次に、変速用シフタ111が中立状態に戻
される(ステップS4)ため、1−2ドグ歯クラッチ7
1のスリーブ71sと第2速被動ギヤ62側のドグ歯7
2dとの係合が解かれる。そして、6速シンクロ方向に
移動する同期用シフタ131により第2ゲート駆動用レ
バー142を介して5−6ゲート部105が6速同期時
ゲート位置P6に移動される(ステップS71)。この
ため、6速側シンクロ機構122が作用して、第6速駆
動ギヤ56によるメインシャフト13の回転の減速が行
われる。これにより、メインシャフト13ひいてはこの
メインシャフト13と一体回転する3−4ドグ歯クラッ
チ73(スリーブ73s)の回転と、第3速駆動ギヤ5
3側のドグ歯73dの回転とが等速となる(ステップS
8)。以下、同期用シフタ131が同期中立位置nに戻
されるとともに、変速用シフタ111によって3−4ゲ
ート部103が第3速側の係合時ゲート位置に移動さ
れ、スリーブ73sがドグ歯73dに係合する(ステッ
プS9〜ステップS14)。その後、メインクラッチ2
0がオンにされて(ステップS15)、この変速が完了
する。
【0044】さらに、この変速機10における第4速
(高変速段)から第3速(低変速段)への変速作動につ
いて説明する。まず、目標変速段(第3速)が設定され
ると(ステップS1)、メインクラッチ20がオフにさ
れる(ステップS2)。このため、メインシャフト13
は、3−4ドグ歯クラッチ73と係合状態にある第4変
速段ギヤ列(54,64)を介して、メインシャフト1
3とほぼ等速で回転するカウンタシャフト14により回
転駆動されることになる。なお、メインシャフト13と
一体回転する第1速駆動ギヤ51に駆動されることとな
る第1速被動ギヤ61の回転は、カウンタシャフト14
の回転よりも遅い。また、カウンタシャフト14と一体
回転する第3速被動ギヤ63に駆動されることとなる第
3速駆動ギヤ53の回転は、メインシャフト13の回転
よりも速い。
【0045】次に、変速用シフタ111が中立状態に戻
される(ステップS4)とともに、1速シンクロ方向に
移動される同期用シフタ131により第1ゲート駆動用
レバー141を介して1−2ゲート部101が1速側同
期時ゲート位置P1に移動される(ステップS72)。
このため、1速側シンクロ機構121が作用して、カウ
ンタシャフト14の回転による第1速被動ギヤ61の回
転の増速、ひいては第1速駆動ギヤ51およびメインシ
ャフト13の増速が行われる。これにより、メインシャ
フト13と一体に回転する1−2ドグ歯クラッチ71の
回転と第3速駆動ギヤ53に取り付けられたドグ歯73
dの回転とが等速となる(ステップ8)。以下、同期用
シフタ131が同期中立位置nに戻されるとともに、変
速用シフタ111によって3−4シフトフォーク83が
第3速側の係合時ゲート位置に移動され(ステップS9
〜ステップS15)、この変速が完了する。
【0046】このように、本変速機10では、変速用シ
フタ111が中立状態にある間に、同期用モータ132
の作動量制御を通じて同期用シフタ131が同期中立位
置nから移動されることにより、低変速段への変速時に
は1速側シンクロ機構121が作用し、高変速段への変
速時には6速側シンクロ機構122が作用する。しか
し、同期用モータ132の作動量には、前述のエンコー
ダの検出誤差等によってばらつきが生じる可能性があ
る。そして、同期用モータ132の作動量が大きすぎた
場合には、1ー2ゲート部101または5ー6ゲート部
105がそれぞれの同期時ゲート位置P1,P6を超え
て係合時ゲート位置P1′,P6′の方向に移動してし
まうおそれがある。即ち、1ー2ドグ歯クラッチ71ま
たは5ー6ドグ歯クラッチ75が、各シンクロ機構12
1、122が作用する状態を超えて第1速被動ギヤ61
または第6速駆動ギヤ56に対して係合してしまうこと
になり、適正な変速が行われなくなる。
【0047】そこで、図3,図5,図6,図8および図
11に示したように、同期中立位置nから、1−2ゲー
ト部101および5−6ゲート部105を同期位置P
1,P6まで移動させるのに必要な同期用シフタ131
の移動距離M,M′だけ離れた位置にストッパ1,1を
設けている。同期用シフタ131がその側面においてこ
れらストッパ1,1に当接することにより、たとえ同期
用モータ132が作動し続けても、上記距離M,M′以
上の同期用シフタ131の移動は阻止される。このた
め、第1変速段または第6変速段への変速時以外には、
1ー2ゲート部101および5ー6ゲート部105が同
期位置P1,P6を超えて係合時ゲート位置P1′,P
6′の方向に移動することはない。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る常時噛合式
変速機には、最低変速段および最高変速段に係合するド
グ歯クラッチ内に同期手段が設けられている。そして、
最低・最高変速段以外の変速段(中間変速段)への変速
時において、変速用シフタとは別に設けられた同期用シ
フタによって、その同期手段が設けられているドグ歯ク
ラッチのスリーブを移動させることによりその同期手段
を作用させることができる。このため、変速用シフタの
作動を複雑に制御することなく中間変速段への変速時に
おけるメインシャフトの増減速を行わせることができ
る。さらに、ストッパを設けることにより、同期手段が
設けられているドグ歯クラッチのスリーブを、同期位置
を超えて係合位置に移動させるのを確実に阻止すること
ができる。したがって、中間変速段への変速時において
は、同期手段による同期作用のみが実行され、適正かつ
スムーズな変速が約束される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る常時噛合式変速機のシステム図で
ある。
【図2】上記変速機の一部の断面図である。
【図3】上記変速機の一部の断面図である。
【図4】上記変速機の一部の断面図である。
【図5】上記変速機のシフトフォーク周辺を示した図3
におけるA方向矢視図である。
【図6】図5におけるゲート部周辺を示した拡大図であ
る。
【図7】図5におけるゲート部周辺を示した拡大図であ
る。
【図8】図5におけるゲート部周辺を示した拡大図であ
る。
【図9】図5におけるゲート部周辺を示した拡大図であ
る。
【図10】上記変速機の変速制御を行うためのフローチ
ャート図である。
【図11】図3におけるゲート部周辺を示した拡大図で
ある。
【符号の説明】
1 ストッパ 12 入力軸 13 メインシャフト 14 カウンタシャフト 20 メインクラッチ 31 クラッチ用モータ 51〜56 各速駆動ギヤ 61〜66 各速被動ギヤ 71,73,75 ドグ歯クラッチ 81,83,85 シフトフォーク 101,103,105 ゲート部 111 変速用シフタ 115 セレクト用モータ 116 シフト用モータ 121,122 シンクロメッシュ機構 131 同期用シフタ 132 同期用モータ 141,142 ゲート部駆動レバー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−15861(JP,A) 特開 昭61−96247(JP,A) 特開 昭62−52242(JP,A) 特開 平2−180379(JP,A) 実開 昭63−9541(JP,U) 実開 平3−53631(JP,U) 実開 平3−69750(JP,U) 特公 昭54−28894(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 3/00 - 3/42 F16D 23/06 F16H 63/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインシャフトおよびカウンタシャフト
    間に配設された複数の常時噛合式の変速用ギヤ列と、前
    記メインシャフトまたは前記カウンタシャフト上に取り
    付けられ、それぞれ隣接する前記変速用ギヤ列に取り付
    けられたドグ歯に対して係脱自在なスリーブを有してな
    る複数のドグ歯クラッチと、これら複数のドグ歯クラッ
    チのうち最低変速段用および最高変速段用のドグ歯クラ
    ッチ内に設けられた2つの同期手段と、前記複数のドグ
    歯クラッチにおける前記スリーブのうちのいずれかを、
    前記ドグ歯に対する係合位置と離脱位置との間で移動さ
    せる変速用シフタと、前記最低変速段および最高変速段
    用の前記ドグ歯クラッチにおける前記スリーブを、前記
    同期手段を作用させて前記メインシャフトの回転を増減
    速させる同期位置と前記離脱位置との間でのみ移動させ
    る同期用シフタとからなることを特徴とする常時噛合式
    変速機。
  2. 【請求項2】 前記同期用シフタによって前記スリーブ
    が前記同期位置を超えて前記係合位置の方向に移動され
    るのを阻止するため前記同期用シフタに当接するストッ
    パを設けたことを特徴とする請求項1に記載の常時噛合
    式変速機。
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