JP2990950B2 - 渦流ブロワの羽根車 - Google Patents

渦流ブロワの羽根車

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JP2990950B2
JP2990950B2 JP4138329A JP13832992A JP2990950B2 JP 2990950 B2 JP2990950 B2 JP 2990950B2 JP 4138329 A JP4138329 A JP 4138329A JP 13832992 A JP13832992 A JP 13832992A JP 2990950 B2 JP2990950 B2 JP 2990950B2
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正行 藤生
倫夫 高橋
隆 渡部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、渦流ブロワの羽根車に
係わり、特に3次元形状のブレードを備えた渦流ブロワ
に使用して好適な渦流ブロワの羽根車に関する。
【0002】
【従来の技術】近年渦流ブロワに対する小形軽量化、高
吐出圧力化、および低騒音化などに対する要求の高まり
に応じ、その羽根車の形状や構造について種々の検討が
成されている。その中の一つとして、羽根車のブレード
の形状を3次元化したものがある。
【0003】そして、このような3次元形状のブレード
を備えた渦流ブロワの実用化に伴って、その製造方法が
大きな課題となってきている。つまり、従来の2次元形
状のブレードを有する渦流ブロワの羽根車は、比較的簡
単な形状であるため、主としてダイキャストなど、鋳造
により製造可能であったが、3次元形状のブレードを有
する羽根車は、そのブレードの3次元形状により、鋳造
による製造が困難になるからである。
【0004】そこで、これらの課題の解決策として、特
開昭51−57011号公報では、このような羽根車を
鋳造で製造する際、羽根車をその回転軸方向に2分割構
成とし、各部を鋳造後、これらを結合して羽根車を完成
させることにより、鋳型の中子を不要とした方法につい
て提案している。
【0005】また、特開平3−253796号公報に
は、ブレードケーシングとブレードとを別体に構成し、
その後、ブレードをブレードケーシングに組み付けるよ
うにしたものが開示されている。具体的には、ブレード
に突起部を設け、ブレードケーシングにこの突起部を挿
通する貫通孔を設ける。そして、ブレードに設けた突起
部をブレードケーシングの貫通孔に挿通し、この突起部
のブレードケーシングから突出した先端部を塑性変形し
て、ブレードをブレードケーシングに組み付けるように
したものが開示されている。塑性変形工法としては、か
しめ工法、曲げ工法が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の技術の
うち、前者のものは、羽根車ブレードの高度な3次元形
状についての充分な配慮がなされておらず、より一層複
雑な形状になって行く羽根車については対応が困難とな
ってしまうという問題点があった。つまり、複雑な形状
を有する羽根車の製造には、一般にダイカストや金属鋳
造が用いられるが、このとき、ブレードが3次元形状を
呈していると、鋳造型から製品が外れなくなってしまう
ので、対応できなくなってしまうのである。
【0007】これに対し、後者のものは、より複雑な形
状のものにも対応できという利点を有する。しかしなが
ら、この後者のものは、ブレードに設けた突起を前記ブ
レードケーシングの貫通孔に挿通し、これを前記ブレー
ドケーシングの外壁面に沿って折曲して組み付ける構成
のものであった。したがって、折曲げられた突起部分と
ブレードケーシングの外壁面である裏面との間には、例
えば0.2mm程度のギャップが生ずることがある。そ
のため、このギャップ量分だけブレードがブレードケー
シングから浮き上がる恐れが生じてしまう。
【0008】本発明はブレードとブレードケーシングと
を別体に構成し、曲げ工法を利用して両者を締結するよ
うにしたものを対象としたものであり、その目的とする
ところは、その性能の向上、及び信頼性を高めることの
できる渦流ブロワの羽根車を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の特徴とするところは、断面が略半円形の環
状溝を有するブレードケーシングと、当該環状溝を横切
って配設した多数のブレードとを備え、前記ブレードケ
ーシングと前記ブレードとを別体に構成し、前記各ブレ
ードには折曲用の突起部を設けると共に、前記ブレード
ケーシングには当該突起部を挿通する貫通孔を設け、前
記ブレードに設けた前記突起部を前記ブレードケーシン
グの貫通孔に挿通し、これを前記ブレードケーシングの
外壁面に沿って折曲して組み付ける構成の渦流ブロワの
羽根車において、前記突起部の折曲部と対向する前記ブ
レードケーシングの外壁面に、当該折曲部を折曲案内す
る折曲案内部と、当該折曲部の先端部と対向し当該折曲
部の端部を前記ブレード側に曲げ戻し案内する戻し案内
部とを具備し、前記折曲部の先端部と前記戻し案内部の
底壁との間に隙間を有することを特徴としたことにあ
る。
【0010】このような構造を採用することにより、ブ
レードに取り付けた突起部は、ブレードケーシングに設
けた貫通孔を通り、折曲案内部で曲げられ、更にその先
端は、戻し案内部によってブレード側に曲げられる。し
たがって、ブレードは特に戻し案内部の作用によって、
より緊密にブレードケーシングに締結される。
【0011】なお、折曲案内部、戻し案内部を構成する
に当たっては、折曲案内部をブレードケーシングの外壁
面とし、戻し案内部はブレードケーシングの外壁面に切
欠を設けることにより構成するとうにしてもよい。
【0012】また、突起部の折曲部と対向するブレード
ケーシングの外壁面に膨出部を設け、この膨出部の、ブ
レードケーシングに設けた貫通孔側を折曲案内部とし、
その反対側を戻し案内部としてもよい。
【0013】更に、折曲案内部と戻し案内部との、少な
くとも一方の、折曲部と対向する面には、凹凸を設け、
一層の締結強度をもたせるようにしてもよい。
【0014】
【0015】
【作用】上記のように構成すれば、戻し案内部、あるい
はねじり曲げ部の作用により、ブレードはブレードケー
シングに緊密に締結され、ブレードとブレードケーシン
グとのギャップを減少することができる。更に、ブレー
ドの抜け方向に対しての強度を向上することができる。
【0016】したがって、性能、及び信頼性を高めるこ
とのできる渦流ブロワの羽根車を得ることができるもの
である。
【0017】
【実施例】以下、本発明による渦流ブロワの羽根車につ
いて、図示の実施例により詳細に説明する。
【0018】図1は本発明による羽根車を用いた渦流ブ
ロワの一実施例の部分断面図であり、1は羽根車、2は
昇圧路3を形成するケーシング、4は羽根車1を駆動す
る電動機である。この昇圧路3は羽根車1の回転中心、
つまり電動機4の回転軸4sの軸心5を中心として環状
に形成されており、羽根車1と対向する側が開口し、図
示のように半円形状の溝として形成されている。6はブ
レードケーシング、7はこのブレードケーシング6に設
けた断面半円形状の環状溝である。この環状溝7は回転
軸4sの軸心5を中心とする同心円からなる環状溝とし
て形成され、昇圧路3と対向する側が開口する。ケーシ
ング2に設けた昇圧路3とブレードケーシング6に設け
た環状溝7とは、互いのその対向する側が開口し、これ
により昇圧路3と環状溝7とは円環状の通風路を形成す
る。8はブレードケーシング6の環状溝7に設けたブレ
ードである。羽根車1を構成するブレードケーシング6
とブレード8とは別部材として製作された後、ブレード
8はブレードケーシング6に設けた環状溝7に所定の間
隔で、この溝を横切る方向に、多数配置固定されて図2
に示すような羽根車1を構成する。この図2において、
矢印Fは羽根車1の回転方向を示す。
【0019】ブレード8をブレードケーシング6に取り
付けるには、塑性変形工法の一つであるかしめ工法と折
曲げ工法を利用することができる。この一例を図3を参
照して説明する。まず、図3に示すように、ブレード8
の底部にこれと一体に突起部9aを設け、上方両端に突
起部9bを設けてブレード8を構成する。更に、図3に
示すようにブレードケーシング6には、ブレード8の突
起部9aと対応する位置に貫通孔10aを設け、ブレー
ド8の突起部9bと対応する位置には挿入溝部10bを
設ける。そして、図4(a)、(b)に示すようにブレ
ード8の突起部9aを貫通孔10aに、また突起部9b
を挿入溝部10bにそれぞれ挿入してブレードケーシン
グ6にブレード8を組み付ける。次に、図4(c)に示
すように、ワーク押え12でブレード8を押え、突起部
9bを電極11により通電加圧し、図4(d)に示すよ
うこの突起部9bをブレードケーシング6にかしめて両
者を締結する。続いて、図4(e)に示すように突起部
9aの仮曲げを行い、ブレード8の突起部9aを図4
(f)に示すように若干折れ曲がった状態とする。最後
に、図4(g)に示すように回転ロール13によって突
起部9aを加圧し、曲げ加工を行い、図4(h)に示す
ように突起部9aをブレードケーシング6の裏面外壁に
沿って折り曲げる。
【0020】図5には上記したかしめ工法および折り曲
げ工法の詳細を示す。通電かしめ工法は図5(a)に示
すように、ブレードケーシング6の環状溝7に配置した
ブレード8を、ワーク押え12で押さえながら電極11
で突起部9bに通電すると共に加圧し、突起部9bの先
端部にかしめ加工を施す。また、折り曲げ加工は図5
(b)に示す様に、ブレード押え14でブレード8の上
部、及びブレードケーシング6を押さえ、ブレードケー
シング6の貫通孔10aよりその裏側に突き出したブレ
ード8の突起部9aを回転ロール13により加圧すると
共に、この回転ロール13を矢印イの方向に転動し、全
てのブレード8の突起部9aの曲げ加工を行う。
【0021】図6(a)は本発明における実施例の主要
部を成す羽根車1の裏面図であり、ブレードケーシング
6の貫通孔10aの近傍で、ブレード8の突起部9aの
折曲部と対向する位置に戻し案内部としての溝15を設
けた場合について示してある。図6(b)、(c)は図
6(a)においてE−E’線で切断して示す断面図であ
り、ブレードケーシング6の貫通孔10aの近傍に溝1
5を設けることによって、貫通孔10aから溝15に至
る間には折曲案内部15aが構成され、溝15によって
戻し案内部15bが形成される。
【0022】このような構成により、ロール折曲げ装置
の回転ロール13によってブレード8の突起部9aを折
曲げ、ブレードケーシング6とブレード8とを締結す
る。これによれば、図6(b)、(c)に示すように、
回転ロール13によって折曲げられたブレード8の突起
部9aの折曲部9cが、回転ロール13によって更に圧
縮を受けるとき、折曲案内部15aの幅Lの範囲では、
ブレードケーシング6の底面である折曲案内部15aと
回転ロール13との隙間Hにより圧縮を受けるが、溝1
5上に位置する折曲部9cの先端部はブレードケーシン
グ6の底面との接触がないために、この部分は加圧力を
受けず、圧縮されることはない。回転ロール13は回転
方向イの力と折曲部9cとの摩擦力によって、この折曲
部9cを絞りながらながら折曲部9cを変形加工する。
しかし、溝15上ではこの折曲部9cは加圧力を受けな
いので、この部分において折曲部9cの板厚は逆に厚く
なる。したがって、加圧力の程度によって、ブレード8
の折曲部9cはブレードケーシング2と溝15の段差部
分でせん断変形、または屈曲して段差部分と密着するこ
ととなる。この変形によって、ブレード8はブレードケ
ーシング6にに緊密に締結され、その引張り強度を増加
することができる。この引張り強度の増加は、ブレード
8の突起部9aが折曲げられてブレードケーシング2の
底面との接触面積が減少するために、面圧の高い部分が
減少し、突起部9aの折曲に伴うスプリングバックで折
曲部9cが跳ね上がることによるギャップが減少したこ
とにも起因する。なお、この溝15を形成する上で、ブ
レード8の突起部9aを折曲げた時に、溝15上の突起
部9aが溝15の底壁に接触しないようその溝15の深
さDを決定することはいうまでもない。
【0023】図7はブレードケーシング6に形成する溝
15の他の実施例である。図7(a)は断面形状が矩形
の単純な溝を付けた場合の例である。この場合、図7
(b)に示すように、ブレード8の板厚によって決まる
最小曲げ半径を確保するため、折り曲げ部分の根元に曲
率Rを設けたものと組み合わせてもよい。また、スプリ
ングバックの発生の可能性をより低くするためには、貫
通孔10aの縁部によって形成される折曲げ支点10c
から溝15までの距離をできるだけ小さく、すなわち圧
縮力を受ける面積をできるだけ小さくすることが望まし
い。図7(c)は最小曲げ半径Rminを確保しつつ、
面圧の高い部分を可能なかぎり小さくした例である。た
だし、ブレード8の板厚が薄く、最小曲げ半径が小さく
なり、ダイカストで製造されるブレードケーシング6で
は、この挿入孔10aから溝15までの幅Lの部分を形
成することが困難とな場合がある。そこで、このような
場合には、図7(d)のように溝部に角度Aを付けるこ
とにより、ダイカストによる形成を可能とすることがで
きる。ただし、この角度Aが小さいほうが有利であるこ
とはいうまでもない。また、図7(e)の様に、急激な
段差をつけるのではなく、緩やかなスロープを付けて面
圧を下げるようにしてもよい。また、図7(f)に示す
ように、溝15には一つ、あるいは複数の凹凸を設ける
ようにすれば、より引張強度を増加することができる。
【0024】図8は本発明の他の実施例を示したもので
あり、図8(a)は羽根車1の裏面図、図8(b)は図
8(a)をF−F’線に沿って切断して示す断面図であ
る。この実施例は、折曲案内部15a、戻し案内部15
bを形成するに当たり、前記したようにブレードケーシ
ング2に溝15を形成するのではなく、貫通孔10aの
開放端の側部の形状を盛り上げて膨出部16を形成し、
これにより折曲案内部15aと戻し案内部15bとを形
成したものであり、これによっても前記と同様な効果を
得ることができる。
【0025】図9は図8における膨出部16の形状の他
の例を示したものであり、この図において、図9
(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の折
曲案内部15aと戻し案内部15bとの構成は、それぞ
れ図7(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、
(f)のものと対応する。特に、図9の実施例の場合、
折曲案内部15aと戻し案内部15bとの目的は前記し
た図7の場合と同様であるが、図9の方がダイカストの
型改造を考慮した場合に有利となる。すなわち、図7の
ように溝15を形成するためには型の肉盛りと加工を行
わなくてはならない。これは溶接等により形成すること
となるが、この溶接部は高温強度の点で寿命が短いため
にクラック等が発生しやすく、このため型の寿命が短く
なってしまう。そこで、この型寿命を左右する溶接作業
をなくすために、ブレードケーシング6を盛り上げる、
すなわち型を掘り込む方向で改造可能なように膨出部1
6を形成したものである。なお、図9はブレードケーシ
ング6に膨出部16を設ける場合の例であるが、この
際、図8(b)に詳細に示すように、折曲部9cの高さ
H’が折曲げを行ったときにブレードケーシング2の底
部に接触しない高さ、すなわち高さD’以上に決定する
ことはいうまでもない。
【0026】図10は本発明の更に他の実施例を示す図
であり、図10(a)に示すように、ブレード8の下部
の突起部9aに切欠き17を設ける。そして、これをブ
レードケーシング2の貫通孔10aに挿入後、ブレード
ケーシング6からの突出部を、すなわち切欠き17から
更にその先端を、図11に示すように角度A’だけ、例
えば2度から178度程度ねじり回転させることによ
り、ブレード8をブレードケーシング6に締結するもの
である。切欠き17は突起部9aの内周側、外周側の何
れの方向に設けてもよく、またねじり回転方向は時計回
りでも反時計回りでも良い。この際、切欠き17よりも
ブレード8側の部分H1に突起部9aの突起方向にテン
ションを加えて締結させるようにすることにより、ブレ
ード8とブレードケーシング6の締結力を一層強化で
き、同時にギャップをなくすことが可能である。そのた
め、図10に示すように、ブレードケーシング6の環状
溝7の底部からブレードケーシング6の裏面までの高さ
H2よりも、ブレード8の突起部9aの切欠き部までの
高さH1をいくぶん低くすることが重要である。すなわ
ち、高さH1と高さH2との関係をH1<H2とするこ
とが重要である。
【0027】図12は図10の更に他の実施例を示す図
である。目的は図10と同様であるが、その形状に更に
工夫を加えたものである。すなわち、図12(a)は突
起部9aに「コ」の字形の切欠き17を設けた例であ
り、図12(b)はねじり回転を加えたときの切欠き1
7への応力集中を防ぐために、鋭角な部分を無くした例
であり、切欠き17の奥側の形状を半円形r’としたも
のである。また、図12(c)は切欠き17の開口部に
この開口部に向かって傾斜する傾斜部A’’を設け、開
口部の開口端を前記した高さH2より広くしたものであ
る。これによって、突起部9aの先端にねじり回転を加
えたときに、この先端がブレードケーシング6の貫通孔
10aからブレードケーシング6の裏面外壁へ乗り上げ
やすくしたものである。図12(d)は切欠き部17を
ブレード8の突起部9aの両側に設けたものである。ま
た、図12(e)は、ブレード8の低部からより広い幅
の切欠き17を設けたものであり、突起部9aの回転を
受ける部分の幅の1倍から10倍程度の広さMの切り欠
き部17を設けることによって、ねじり回転に伴う応力
の集中を避けるようにしたものである。図12(f)は
更に切欠き部17の広さMを広げるために、ブレード8
内部まで切り欠き17を入れたものである。
【0028】図14は本発明によるブレードケーシング
6とブレード8との締結強度を確認するための実験結果
を示した図表である。この実験結果を説明するに当た
り、使用した実験装置を図13(a)、(b)に示す。
この実験装置は、図13(a)に示すように、羽根車1
をワーク固定治具18で強固に固定する。19は図示し
ない引張試験機に取り付けたブレード引張フックであ
り、20はその検出端をブレード8の先端に接触させた
変位量検出器である。図13(b)に詳細に示すよう
に、ブレード8の中央部にフック引掛け孔21を明け、
これにブレード引張フック19を引っ掛ける。この状態
で、引張り試験機にて引張荷重Ftをブレード引張フッ
ク19を介してブレード8に加え、その時点におけるブ
レード8の変位量を変位量検出器20で検出し、こによ
りブレード8の変位に対する荷重を調べる。図14は以
上により実験した結果を示したものであり、図14
(a)はブレード8の変位量lを0.5mmまで変化さ
せた時の引張り荷重Ftを示したものである。なお、こ
の実験は、ブレード8の突起部9aによる強度の確認を
行ったものであり、実験したブレード8は突起部9bの
かしめ締結は施していない。この図表において、Pで示
す「○」印は従来例の特性、すなわちブレード8の突起
部9aを単にブレードケーシング2の裏面外壁に沿っ
て、回転ローラ13で折り曲げたものである。これに対
し、TD1で示す「△」は図7(c)の構成を採用した
羽根車1の特性であり、更にTD2で示す「□」は図7
(d)の構成を採用した羽根車1の特性である。この結
果によっても明らかなように、突起部9aによる変形に
よって、折曲部9cの締結強度は、ブレード8が回転軸
5と同方向に引張り荷重を受けたとき、例えばこの変形
量が0.1mm程度であっても、通常の従来の折曲げの
5倍程度の引張り強度を得ることができ、また0.5m
m程度の変形量であれば、通常の従来の折曲げの1.4
倍程度の引張り強度を得ることができることが明らかで
ある。
【0029】なお、図14(a)において、従来例Pの
ものはその測定結果の全体の傾向からみて、破線で示す
ように引張り荷重0Kgで、その軸方向変位量が0.0
5mmとなることが推定される。これはすなわち、突起
部9aの折曲部と、これに対向するブレードケーシング
6との間が密着せず、ここに隙間が生じていることを意
味する。これに対し、本実施例のものは、破線で示すよ
うに引張り荷重0Kgで、その軸方向変位量がほぼ0m
mとなることが推定され、突起部9aの折曲部9cと、
これに対向するブレードケーシング6との間が密着して
いるということが伺える。
【0030】また、図14(b)はブレード8の折曲げ
による締結部が破断、あるいは引張り荷重Ftが一定に
なるまでブレード8を変位させたものである。この実験
結果からも明らかなように、実施例TD1、TD2はと
もに従来例Pのものよりも引張強度が増大していること
が理解できる。
【0031】以上、実験結果からも明らかなように、上
記のようにすれば、突起部9aの折曲部と、これに対向
するブレードケーシング6との間を密着することができ
るためブレード8のがたつきを防止でき、締結強度を向
上することができる。
【0032】以上、実施例においては、3次元形状のブ
レードを例に取って説明したが、本発明はブレードの形
状に限定されるものではない。また、ブレードの折曲げ
による締結箇所は1箇所のものについて説明したが、こ
れは複数箇所であってもよい。更に、ブレードの両端に
突起部9bを設け、ここをブレードケーシング6にかし
め締結する場合について説明したが、本発明はこの部分
をかしめ締結するか否かに限定されるものではない。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ブレードケーシングに対しブレードを密着し
て締結でき、しかもブレードの締結強度を向上すること
ができるため、性能の向上、及び信頼性を高めることの
できる渦流ブロワの羽根車を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における羽根車を備えた渦流
ブロワの部分断面図である。
【図2】本実施例における羽根車を示す斜視図である。
【図3】本実施例におけるブレードケーシング、及びブ
レードを示す切断側面図である。
【図4】本実施例の羽根車の製造工程を示す工程図で、
(a)、(c)、(e)、(g)は各工程における羽根
車を示し、(b)、(d)、(f)、(h)は各工程に
おけるブレードの加工状態をそれぞれ示す斜視図であ
る。
【図5】羽根車のブレードの固定方法を示し、(a)は
かしめ工程を、(b)は折り曲げ工程をそれぞれ示す断
面図である。
【図6】本実施例における羽根車、及び折曲げ部の構造
を示した図であり、(a)は折曲げ部に溝を付けた羽根
車の裏面図、(b)、(c)は折曲げ部の断面図であ
る。
【図7】本発明の他の実施例を示す要部断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施例における羽根車、及び
折曲げ部の構造を示した図であり、(a)は折曲げ部に
膨出部を設けた羽根車の裏面図、(b)は折り曲げ部の
断面図である。
【図9】本発明の更に他の実施例を示す要部断面図であ
る。
【図10】本発明の更に他の実施例におけるブレード、
及びその組み込み状態を示す図であり、(a)はブレー
ドの側面図、(b)はブレードとブレードケーシングと
の組み合わせ状態を示す切断側面図である。
【図11】本発明の更に他の実施例におけるブレード下
部締結部の要部斜視図である。
【図12】本発明の更に他の実施例を示すブレードの要
部側面図である。
【図13】ブレードの締結強度を計測するための装置を
示す図である。
【図14】従来例と本発明の実施例におけるブレード変
位量に対する引張り荷重の特性を示す図である。
【符号の説明】
1……羽根車、2……ケーシング、3……昇圧路、4…
…電動機、4s……電動機の回転軸、5……回転軸の軸
心、6……ブレードケーシング、7……環状溝、8……
ブレード、9a、9b……突起部、9c……折曲部、1
0a……貫通孔、10b……挿入溝部、11……電極、
12……通電かしめワーク押え、13……回転ロール、
14……ロール回転折り曲げワーク押さえ、15……折
曲げ溝、15a……折曲案内部、15b……戻り案内
部、16……膨出部、17……切欠き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 隆 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社 日立製作所 習志野工場内 (72)発明者 朝吹 弘 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社 日立製作所 習志野工場内 (56)参考文献 特開 平3−253796(JP,A) 実開 昭53−153184(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 23/00 F04D 29/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面が略半円形の環状溝を有するブレード
    ケーシングと、当該環状溝を横切って配設した多数のブ
    レードとを備え、前記ブレードケーシングと前記ブレー
    ドとを別体に構成し、前記各ブレードには折曲用の突起
    部を設けると共に、前記ブレードケーシングには前記環
    状溝側から裏側の外壁側に当該突起部を挿通する貫通孔
    を設け、前記ブレードに設けた前記突起部を前記ブレー
    ドケーシングの貫通孔に挿通し、これをブレードケーシ
    ング裏側の前記外壁面に沿って折曲して組み付ける構成
    の渦流ブロワの羽根車において、前記突起部の折曲部と
    対向するブレードケーシング裏側の前記外壁面に、当該
    折曲部を折曲案内する折曲案内部と、該折曲案内部より
    前記ブレード側に後退し且つ段差をもって設けられ当該
    折曲部の先端部と対向し当該折曲部の端部を前記ブレー
    ド側に曲げ戻し案内する戻し案内部とを具備し、前記突
    起部の折曲部は前記前記折曲案内部に対向する部分の板
    厚が前記戻し案内部に対向する部分の板厚より薄く圧縮
    変形加工され、且つ前記折曲部の先端部と前記戻し案内
    部の底壁との間に隙間を有するように構成し、前記折曲
    部が前記折曲案内部と前記戻し案内部に形成された前記
    段差の部分でせん断変形または屈曲して前記段差部分と
    密着するようにしたことを特徴とする渦流ブロワの羽根
    車。
  2. 【請求項2】前記折曲案内部は前記ブレードケーシング
    の外壁面であり、前記戻し案内部は前記ブレードケーシ
    ングの外壁面に設けた切欠き部であることを特徴とする
    請求項1記載の渦流ブロワの羽根車。
  3. 【請求項3】前記折曲案内部は前記ブレードケーシング
    の外壁面に設けた膨出部であることを特徴とする請求項
    1記載の渦流ブロワの羽根車。
  4. 【請求項4】前記折曲案内部と前記戻し案内部との少な
    くとも一方の前記折曲部と対向する面には、凹凸を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の渦流ブロワの羽根
    車。
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