JP2990738B2 - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

過酸化水素の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は反応媒体中で酸素と水素を触媒の存在下で直
接反応させて過酸化水素を製造する方法の改良された方
法に関する。更に詳しくは前記反応においてPd触媒の反
応媒体中への溶出を効果的に抑制する方法に関する。
(従来の技術) 現在、工業的に行われている過酸化水素の主な製造方
法は、アルキルアンスラキノンを媒体とする自動酸化法
である。
この方法の問題点として、還元、酸化、水抽出分離、
精製、濃縮等のプロセスが複雑であり、装置費、運転費
が大きいという事が挙げられる。更には、アルキルアン
スラキノンの劣化による損失、水素添加触媒の劣化等の
問題もある。
これらの問題点を改善するために、上記製造法以外の
方法が試みられているが、その一つに、反応媒体中で酸
素と水素を触媒の存在下で直接反応させて過酸化水素を
製造する方法がある。既に、白金族金属を触媒として用
い、酸素と水素から過酸化水素を製造する方法が提案さ
れており、かなりの濃度の過酸化水素が生成する事が示
されている(特公昭56−47121、特公昭55−18646、特公
平1−23401、特開昭63−156005)。これらでは、いず
れも反応媒体として水溶液を用いている。しかも、水溶
液である反応媒体中に酸や無機塩を溶存させている。特
に反応媒体中にハロゲンイオンを含むことにより、触媒
活性が制御され、生成した過酸化水素の分解が大きく抑
制されている。特開昭63−156005号公報には、白金族触
媒を用い、酸性水溶液中で加圧下酸素及び水素から過酸
化水素を製造する方法に於いて、水溶液中に臭化物イオ
ン等のハロゲンイオンを共存させる事によって、選択的
に高濃度の過酸化水素を製造できる事が開示されてい
る。
(本発明が解決しようとする問題点) 反応媒体中で酸素と水素を触媒の存在下で直接反応さ
せて過酸化水素を製造する方法において、運転を連続的
に行う場合には、活性の低下した触媒の一部を抜き出
し、新規触媒もしくは賦活された触媒を供給しなければ
ならない。運転を連続的に行わない場合でも、反応開始
前に触媒を添加する必要があり、更に反応終了後の反応
媒体については触媒を新たに充填又は分離回収しなけれ
ばならない。このように反応中はむろん、反応前後の操
作においても触媒は反応媒体である水溶液に懸濁された
状態で取り扱われるのが一般的である。この場合、触媒
である金属の反応媒体中への溶出が問題となる。特に上
記のごときハロゲンイオンが存在する場合には、その溶
出量はハロゲンイオンの濃度に対して比例的に増加する
(第1図)。触媒金属の溶出は触媒量を減少させること
になり、その結果、触媒の活性の低下、及び触媒寿命の
低減をもたらす。更に、水溶液中に溶出した金属は、製
品過酸化水素の品位を低下させると共に、低濃度の金属
の回収が極めて困難であることから、高価な触媒金属の
溶出がもたらす経済的な損失も大きな問題となる。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者らは、金属イオンの溶出を促進するハロゲン
イオンが存在する反応媒体中においても、触媒として用
いた金属を反応媒体中に溶出させず、容易に操作ができ
る方法について検討を続けた結果、反応媒体中の触媒表
面を還元雰囲気に保つ事でこの目的を達成出来る事を見
いだした。即ち、本発明は、反応媒体中において、酸素
及び水素を触媒の存在下で直接反応させて過酸化水素を
製造する方法において、反応媒体中に含まれる触媒表面
を常に還元雰囲気に保ちながら取り扱うことによりPd触
媒からのPdの溶出を抑制することを特徴とする、過酸化
水素の製造方法である。
本発明で触媒表面を還元雰囲気に保つとは、反応媒体
中の触媒金属の表面に水素ガスまたは水素ガスを含む混
合ガスを常圧または加圧下に存在せしめることで、具体
的には水素ガス分圧が0.001Kg/cm2G以上、好ましくは0.
01Kg/cm2G以上となるような水素ガスまたは水素ガスを
含む混合ガスを触媒を含む反応媒体の上部の気相部分を
覆う様に存在せしめることである。反応の際に使用され
る反応ガスのように所定量の水素ガスを含有している限
り、ガス中に酸化性の酸素ガスが含有されていても何等
問題はない。従って、反応媒体中で、触媒の存在下酸素
及び水素から直接過酸化水素を製造する方法において、
反応中の容器の中では、本発明による条件が満たされて
おり、触媒金属の反応媒体中への溶出は抑制されてい
る。
一般に、酸化性の雰囲気においては、触媒金属は反応
媒体である水溶液中に溶出する。反応媒体は、溶出した
金属イオンにより着色する。本発明の著しい有効性を明
らかにするために、この着色した反応媒体に常温・常圧
で水素ガスを通すと、直ちに着色が消失し、金属が析出
する事が確認される。
本発明の方法による触媒を含む反応媒体の取扱いは、
圧力や温度に係わりなく用いることができる。
反応媒体中で、酸素及び水素を触媒の存在下で直接反
応させて過酸化水素を製造する方法においては、一般
に、反応操作以外に、次に示す操作が行われる。即ち、
反応液の調整・触媒の系内への添加・反応停止後の反応
媒体からの触媒の分離回収のごとき操作である。反応操
作以外のこれらの操作を行う場合には、一般には水素ガ
スを含まない不活性ガスを用いて操作するのが通例であ
る。即ち、反応液の調整操作においては、水素ガスを含
む反応ガスを通気する前に、所定の組成の反応媒体と触
媒を反応容器内に入れ、窒素ガスのごとき不活性ガスに
て系内を置換した後、はじめて所定圧力にて、水素ガス
を含む反応ガスを導入する。即ち、通常一般的に行われ
る操作では、触媒表面が還元雰囲気に保たれる前に、Pd
触媒が反応媒体中に存在することになり、Pdの溶出は避
けられない。本発明の方法を用いれば、反応容器内に所
定の組成の反応媒体のみを入れ、不活性ガスにて系内を
置換した後、水素ガスを含む反応ガスを導入する。しか
る後に、以下に述べる本発明を用いた方法で触媒を添加
する事により、触媒の表面を常に還元雰囲気に保つこと
ができ、Pdの溶出を阻止し得る。
触媒を反応系内へ供給する操作において、通常一般的
に行われる操作としては、触媒仕込槽内に反応媒体を入
れ、そこに所定量のPd触媒を懸濁させ、窒素ガスのごと
き不活性ガスにて仕込槽を置換後、Pd触媒を含む反応媒
体を、不活性ガスにて反応容器に圧入する。この方法で
は、触媒仕込槽の中でPdの溶出が起こる。本発明の方法
を用いれば、触媒仕込槽内に反応媒体を入れ、不活性ガ
スにて仕込槽を置換後、水素ガスまたは水素ガスを含む
ガスを導入する。しかる後に、仕込槽内にPd触媒を入
れ、不活性ガスまたは水素ガスを含むガスにて、触媒ス
ラリーを反応容器内に圧入する事により、Pd触媒の表面
を常に還元雰囲気に保つことができ、Pdの溶出を阻止し
得る。また反応停止後の反応媒体からの触媒分離操作に
おいては、反応器の圧力を所定圧力まで下げた後、水素
ガスの系外への同伴を避けるために、先ず反応容器内の
空間部分を窒素ガスのごとき不活性ガスにて置換する。
ついで一般に用いられる適当な操作にて触媒の濾別を行
う。この場合、空間部分の水素ガスが不活性ガスに置換
されると同時に、触媒表面上の還元雰囲気は次第に失わ
れ、Pdの溶出が進行する。本発明の方法を用いれば、反
応器内部のガス組成を反応停止の状態のまま保ち、所定
圧力に調整しながら、反応容器から、還元雰囲気に保っ
た触媒濾過槽に触媒スラリーを抜き出し、触媒を濾別す
る事により、Pd触媒の表面を常に還元雰囲気下に保つこ
とができ、Pdの溶出を阻止し得る。濾別により、反応媒
体から分離されたPd触媒の取扱については、還元雰囲気
下で行う必要はない。
本発明の方法において使用される反応媒体は通常硫酸
等の鉱酸の水溶液もしくはハロゲン化物を含む酸性水溶
液が使用され、鉱酸の濃度は0.01〜2.0Nである。またハ
ロゲンイオンは10-5mol/l〜0.2mol/lの範囲で用いられ
る。
本反応の反応温度は通常0℃〜50℃であり、また反応
圧力は3Kg/cm2・G〜150Kg/cm2・Gで実施される。
尚、本発明の方法において使用されるPd触媒は各種担
体に担持された担持Pd触媒や、Pd黒等の公知のPd触媒が
使用し得る。
また臭素酸ナトリウム等の助触媒を併用することもで
きる。
上述のごとく、本発明の方法によれば、Pdの損失なく
効率よく過酸化水素を製造することができる。
(実施例) 以下、実施例および比較例によって本発明を説明す
る。実施例中で用いられているガス組成の分析値は、ガ
スクロマトグラフによる分析値である。また溶液中の金
属イオン濃度の測定は、誘導結合型プラズマ発光分析法
〔セイコー電子工業(株)製1200VR型分析計使用。〕に
より行った。
実施例 1 内容積50mlのガラス容器に、反応媒体として硫酸0.1m
ol/l及び臭素酸ナトリウム8mmol/lとなるように調製し
た水溶液20gを入れた。この水溶液に、水素ガスが4容
積%、酸素ガスが40容積%、窒素ガスが56容積%の組成
からなる混合ガスを15分間通気した。ついで、この水溶
液に市販のPd黒触媒100mgを加え、ガラス容器を素早く1
00mlの容積のオートクレーブに入れ、通気ガスと同じ組
成のガスで100kg/cm2・G迄加圧した。温度を10℃に保
ちながら2,000rpmで3時間撹拌した。撹拌終了後、反応
ガス雰囲気下で触媒を濾別した。水溶液中の過酸化水素
濃度は2.9%、水素選択率は84%であり、この時のパラ
ジウム溶出濃度は、0.9ppmであった。
水素選択率(%)=〔(反応により生成した過酸化水素
の量 mol)÷(消費された水素量から算出した過酸化
水素の理論生成量 mol)〕×100 実施例 2 使用するガス組成が、水素ガスが1容積%、酸素ガス
が10容積%、窒素ガスが89容積%であることを除き、実
施例1と同様の操作を行った。3時間後の水溶液中の過
酸化水素濃度は0.6%、水素選択率は80%であり、この
時のパラジウムの溶出濃度は、1.0ppmであった。
実施例 3、4 加圧圧力が10kg/cm2・G及び1kg/cm2・Gであること
を除き、実施例1と同様の操作を行った。3時間後の水
溶液中のパラジウムの溶出濃度は、それぞれ1.2ppm、1.
0ppmであった。
実施例 5 触媒が5%Pd/C(市販品)300mgであることを除き、
実施例1と同様の操作を行った。3時間後の水溶液中の
過酸化水素濃度は2.6%、水素選択率は71%であり、こ
の時のパラジウムの溶出濃度は、0.6ppmであった。
比較例 1〜5 撹拌終了後の処置を除き、実施例1〜5と同様の操作
を行った。撹拌終了後、圧を大気に開放し、オートクレ
ーブからガラス容器を取り出し、大気中に30分放置し
た。触媒を濾別した後の水溶液中のパラジウム濃度は、
以下の通りであった。
比較例 1 21.3ppm 2 20.4ppm 3 19.8ppm 4 21.2ppm 5 15.8ppm (発明の効果) 比較例に対して、触媒表面を還元状態に保って処理し
た実施例では、パラジウムの溶出が著しく抑制されてい
る。
本発明の方法によると、臭素酸ナトリウムの濃度が比
較的高い場合においても、パラジウムの溶出が効率よく
抑制されている。
以上より、本発明を用いることにより、触媒のパラジ
ウム金属の水溶液中への溶出を抑制し、効率よく過酸化
水素を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、臭素酸ナトリウム濃度とパラジウム溶出量の
関係を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−145394(JP,A) 特開 昭52−71000(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 15/029

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素と水素を反応媒体中でPd触媒と接触的
    に反応させて過酸化水素を製造する方法において、反応
    停止後の触媒濾別時に触媒表面を還元雰囲気に保ちなが
    ら、還元雰囲気に保った触媒濾過槽に触媒スラリーを抜
    き出すことを特徴とする過酸化水素の製造方法。
  2. 【請求項2】水素によって還元雰囲気に保つ請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】反応媒体が酸性水溶液または無機塩を溶存
    させた酸性水溶液である請求項1記載の製造方法。
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