JP2988084B2 - レーザビーム走査光学系 - Google Patents

レーザビーム走査光学系

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JP2988084B2
JP2988084B2 JP3330949A JP33094991A JP2988084B2 JP 2988084 B2 JP2988084 B2 JP 2988084B2 JP 3330949 A JP3330949 A JP 3330949A JP 33094991 A JP33094991 A JP 33094991A JP 2988084 B2 JP2988084 B2 JP 2988084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザビーム走査光学
系、特に電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミ
リ等の画像形成装置の画像書き込みヘッドとして使用さ
れるレーザビーム走査光学系に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、電子写真方式によるレーザプリン
タでは、感光体上へ画像を書き込むためのレーザビーム
走査光学系として、レーザダイオードを光源としたもの
が広く使用されている。レーザダイオードから放射され
たレーザビームは偏向器(ポリゴンミラー)で一平面上
に等角速度で偏向走査され、fθレンズあるいはfθミ
ラー等の光学素子で走査速度を補正したうえで走査ライ
ン(感光体)上に結像される。そして、レーザダイオー
ドから放射されるレーザビームは一定の広がり角を有す
る拡散光であるため、レーザダイオードの正面に集光レ
ンズ(コリメータレンズ)を設けて略平行光に集光し、
さらに光学素子によって偏向器の反射面付近に偏向方向
に線状に集光している。
【0003】近年では、製作の容易性、コスト低減のた
めに光学素子の素材としてガラスに代えて樹脂が用いら
れる傾向にある。しかし、樹脂製の光学素子(レンズ)
では環境温度の変化に応じて形状(厚さ、曲率半径)、
屈折率が変化し、走査ライン上でデフォーカスが発生
し、ビームのスポット径が変動する問題点を有してい
る。
【0004】一方、レーザダイオードと集光レンズとそ
れらの保持部材を含む光源部も環境温度の変化に応じて
ビームの集光状態が変化し、この変化は後段の結像光学
素子を通して拡大され、走査ライン上でのデフォーカス
を引き起こす。
【0005】
【発明の目的、構成、作用】そこで、本発明の目的は、
光源部での温度変化による集光状態の変化と樹脂製光学
素子の温度変化による結像光学系の集光状態の変化とを
最適な状態で相殺させ、走査ライン上での温度変化によ
るデフォーカスを実用上問題とならない程度に小さくで
きるレーザービーム走査光学系を提供することにある。
【0006】以上の目的を達成するため、本発明に係る
レーザビーム走査光学系は、レーザ光源から放射された
ビームを略平行光に集光する集光レンズと、この集光レ
ンズから出射されたビームを偏向器の反射面付近に偏向
面と平行に線状に集光する第1の結像光学手段と、偏向
器によって偏向走査されたビームを走査ライン上に集光
する第2の結像光学手段とを備え、前記第1及び第2の
結像光学手段には、偏向面と平行方向にパワーが小さ
く、偏向面と垂直な方向にパワーの大きい少なくとも一
つの樹脂製レンズが含まれ、前記樹脂製レンズが以下の
式を満足し、 |f i /f f |>1.8 i :偏向方向についての樹脂製レンズの焦点距離 f :偏向方向についての第2の結像手段の焦点距離 レーザ光源と集光レンズとそれらの保持部材の温度変化
に基づく集光状態の変化と、前記樹脂製レンズの温度変
化に基づく集光状態の変化とが、走査ライン上での集光
状態の変化をほぼ相殺することを特徴とする。
【0007】以上の構成において、光源部に着目する
と、温度が上昇すると、レーザ光源と集光レンズとの間
に介在する保持部材の熱膨張によって両者の間隔が大き
くなり、集光レンズから出射されるビームは収束度合が
大きくなり、走査ライン上では手前側に結像し、負のデ
フォーカスを生じる。一方、第1及び第2の結像光学手
段に着目すると、温度上昇によって樹脂製レンズが変形
し、その焦点距離は長くなり、走査ライン上では後方に
結像し、正のデフォーカスを生じる。そして、正負のデ
フォーカスが互いに相殺される。即ち、像面がほぼ元の
焦点位置に戻され、最終的に走査光学系のデフォーカス
(ビームのスポット径)が実用上問題とならない程度に
抑えられる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係るレーザビーム走査光学系
の実施例につき、添付図面に従って説明する。なお、以
下に説明する各実施例において、同じ部材については共
通の符号が付されている。 [第1実施例、図1〜図6参照] 図1は本発明の第1実施例であるレーザビーム走査光学
系100を組み込んだレーザプリンタを示す。
【0009】このレーザプリンタは、本体1の略中央部
分に感光体ドラム2が矢印a方向に回転駆動可能に設置
され、その周囲に帯電チャージャ3、現像器4、転写チ
ャージャ5、残留トナーのクリーナ6を配置したもので
ある。レーザビーム走査光学系100は感光体ドラム2
の上方に設置され、帯電チャージャ3によって所定の電
位に均一に帯電された感光体ドラム2の表面にレーザビ
ームを照射し、所定の画像を潜像として形成する。この
潜像は現像器4で現像され、トナー画像とされる。
【0010】一方、記録用シートは本体1の下段に設置
した給紙カセット10から1枚ずつ自動的に給紙され、
タイミングローラ11を経て転写部へ搬送される。シー
トはここでトナー画像を転写され、定着器12でトナー
の定着を施された後、排出ローラ13から本体1の上面
に排出される。図2はレーザビーム走査光学系100を
示す。
【0011】この光学系100は、レーザダイオード2
3とコリメータレンズ24とからなる光源ユニット2
1、シリンドリカルレンズ30、ポリゴンミラー31、
fθレンズ32、平面ミラー33をハウジングに取り付
けたものである。レーザダイオード23から放射された
レーザビーム(拡散光)はコリメータレンズ24で略平
行光に集光され、シリンドリカルレンズ30を通過する
ことによりポリゴンミラー31の反射面付近に偏向方向
に一致する直線状に一旦結像される。ポリゴンミラー3
1は矢印b方向に一定速度で回転駆動され、レーザビー
ムを連続的に等角速度で偏向走査する。走査されたレー
ザビームはfθレンズ32を通過した後、平面ミラー3
3で反射され、ハウジングのスリットを通じて感光体ド
ラム2上で結像する。このとき、レーザビームは感光体
ドラム2の軸方向に等速で走査され、これを主走査と称
する。また、感光体ドラム2の矢印a方向への回転に基
づく走査を副走査と称する。
【0012】以上の構成において、レーザダイオード2
3からのレーザビームのオン、オフと、前記主走査、副
走査とによって感光体ドラム2上に画像(静電潜像)が
形成される。fθレンズ32は主走査方向に対するレー
ザビームの走査速度を走査域の中心部から両端部にわた
って均等となるように(歪曲収差を)補正する。シリン
ドリカルレンズ30は、fθレンズ32と共働してポリ
ゴンミラー31の面倒れ誤差を補正する。
【0013】ここで、光源ユニット21について説明す
る。図3に示すように、光源ユニット21は、ホルダ2
2にレーザダイオード23を取り付け、コリメータレン
ズ24を固定したホルダ25をホルダ22の開口部に固
着したもので、ホルダ25の外周面はハウジング40に
固着されている。また、ホルダ25はビーム形状を整え
るためのスリット板26が取り付けられている。レーザ
ダイオード23は所定の電流を供給することにより接合
面から拡散光を放射する。この拡散光は前述の如くコリ
メータレンズ24で略平行光に集光され、光源ユニット
21から前記シリンドリカルレンズ30へ向かって出射
される。
【0014】次に、温度変化の影響について説明する。
図4はビームの収束状態を示し、標準的な温度(20
℃)でのビームは実線で示され、温度上昇時のビームは
点線で示されている。温度上昇によって、主にホルダ2
2の熱膨張によって、レーザダイオード23とコリメー
タレンズ24との間隔が長くなる。副走査方向の断面に
着目すると、温度上昇に伴ってコリメータレンズ24か
らの出射光は収束光となり、シリンドリカルレンズ30
を通過後ポリゴンミラー31の反射面(通常の中間結像
位置Pa)よりも手前の位置Pbで結像する。この光束
はポリゴンミラー31で偏向面上に等角速度で偏向走査
され、fθレンズ32を通過し、感光体ドラム2の表面
(通常の最終結像位置Qa)よりも手前の位置Qbで結
像する。
【0015】即ち、温度上昇に伴って走査光学系100
としての結像位置が光軸方向にQaからQbに移動し、
デフォーカスが発生することとなる。デフォーカスが発
生すると、ビーム径が太り、感光体上でのエネルギ密度
の低下を招き、電子写真プロセスを経た最終画像ではラ
インの細り、画像濃度の低下となる。なお、温度下降が
生じたときは変化方向が逆になる。
【0016】また、シリンドリカルレンズ30は副走査
方向(偏向面と垂直な方向)にパワーを持ち、主走査方
向(偏向面と平行な方向)にはパワーを持たないため、
主走査方向に関してはデフォーカスが発生しない(図4
(B)参照)。以上の点に鑑み、本第1実施例ではシリ
ンドリカルレンズ30の素材を樹脂とすることにより、
前述の温度変化による光源ユニット21でのデフォーカ
スをいわば相殺する。樹脂製レンズは、温度上昇により
体積が膨張すると共にその屈折率が低下する。体積の膨
張によってその曲率半径が大きくなり、焦点距離が長く
なる。さらに、その屈折率の低下によっても焦点距離が
長くなる。ガラス製レンズにあってはこれらの変化が無
視できる程小さい。
【0017】図5は以上の点を加味した走査光学系10
0におけるビームの収束状態を示す。温度上昇に伴って
シリンドリカルレンズ30の焦点距離が長くなると、ポ
リゴンミラー付近での結像位置がPbからPcへ後退
し、元の結像位置Paに近づく。さらに、fθレンズ3
2を通過した後感光体付近での結像位置もQbからQc
へと後退し、元の結像位置Qaに近づく。
【0018】即ち、温度変化に伴う光源ユニット21で
のデフォーカスをシリンドリカルレンズ30を樹脂化す
ることによって補正でき、変化要因に関する設計値を適
切に処理することによって、温度変化の影響を実用上問
題とならない程度に小さくできる。以下、温度変化の影
響を数式によって解析する。
【0019】まず、レーザダイオード23とコリメータ
レンズ24の間隔の変動とそれによって生じるポリゴン
ミラー付近での結像位置の変動について図6を参照して
説明する。温度変化量ΔTによる両者の間隔Sの変化量
ΔSは、以下の式(1)で求められる。
【0020】 ΔS≒SkSΔT ……(1) kS:ホルダの線膨張係数 シリンドリカルレンズ30がガラス製である場合、その
結像位置の変化量ΔSC'は、ガラス製レンズは温度変化
によってその特性が殆ど変化しないため、物点が−ΔS
だけ変化したときの像点の変化にほぼ一致する。従っ
て、変化量ΔSC'は以下の式(2)で求められる。
【0021】 ΔSC'≒ΔS(fCY/fCL2 ……(2) fCY:シリンドリカルレンズの焦点距離 fCL:コリメータレンズの焦点距離 一方、シリンドリカルレンズ30が樹脂製である場合、
その結像位置の変動は、次の二つの変化(熱膨張による
形状変化と屈折率変化)に分けて考察しなければならな
い。
【0022】まず、レンズの形状変化による影響である
が、シリンドリカルレンズの焦点距離fCYは次式(3)
で求められる。 fCY=rCY/(nCY−1) ……(3) rCY:シリンドリカルレンズの曲率半径 nCY:シリンドリカルレンズの屈折率 曲率半径rCYがΔrCYだけ変化すると、その焦点距離の
変化量ΔfCYは次式(4)で求められる。
【0023】 ΔfCY=ΔrCY/(nCY−1) ……(4) 式(4)に前式(3)を代入すると、次式(5)が得ら
れる。 ΔfCY=fCYΔrCY/rCY ……(5) 次に、レンズの屈折率変化による影響であるが、シリン
ドリカルレンズの屈折率nCYがΔnCYだけ変化すると
き、その焦点距離の変化量ΔfCYは前式(3)に基づい
て次式(6)で求められる。
【0024】 ΔfCY=−rCYΔnCY/(nCY−1)2 ……(6) 式(6)に前式(3)を代入すると、次式(7)が得ら
れる。 ΔfCY=−fCYΔnCY/(nCY−1) ……(7) 以上の考察に基づいて樹脂製のシリンドリカルレンズ3
0の温度変化に伴う焦点距離の変化量ΔfCYは前式
(5),(7)から次式(8)で表わされる。
【0025】 ΔfCY=fCY[ΔrCY/rCY−ΔnCY/(nCY−1)] ……(8) そして、シリンドリカルレンズ30に略平行光を入射さ
せる系では、シリンドリカルレンズ30を透過後の結像
位置変化量ΔSCは次式(9)で表わされる。 ΔSC=ΔfCY ……(9) ここで、各部品の仕様が以下の場合、シリンドリカルレ
ンズ30の結像位置の変化について具体的に検討する。
【0026】 コリメータレンズの焦点距離fCL:10mm レーザダイオードとコリメータレンズの間隔S:9mm ホルダの材質:アルミニウム ホルダの線膨張係数S:23×10-6/℃ シリンドリカルレンズの焦点距離fCY:150mm シリンドリカルレンズの材質:アクリル樹脂 シリンドリカルレンズの線膨張係数kCY:70×10-6/℃ シリンドリカルレンズの屈折率nCY:1.483 シリンドリカルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ まず、間隔Sについて温度変化量ΔTが+30℃の場合
を計算すると、前式(1)により変化量ΔSは0.00
62mmとなる。そして、中間結像位置の変化量ΔSC'
は前式(2)により−1.40mmとなる。
【0027】一方、同様に温度変化量ΔTが+30℃の
場合、シリンドリカルレンズ30が熱膨張で相似変形す
るとして、その曲率半径変化量ΔrCYは次式(10)で
求められる。 ΔrCY=rCYCYΔT ……(10) ゆえに、式(10)に前記値を代入すると、ΔrCY/r
CYは0.0021となる。
【0028】また、温度上昇に伴う屈折率変化量ΔnCY
は次式(11)で求められ、その値は−0.0033で
ある。 ΔnCY=kNΔT ……(11) 前式(8),(9)に基づくと、シリンドリカルレンズ
30の温度変化(ΔT=+30℃)によるポリゴンミラ
ー付近での結像位置の変化量ΔSCは、これまでの計算
値やΔrCY/rCY,ΔnCYを代入すると、1.38mm
となる。
【0029】以上の如く算出したΔSC',ΔSCは互い
に相殺され、30℃の温度上昇時における実際の中間結
像位置変化量ΔSCY(ΔSC'+ΔSC)は−0.02m
m(−1.40+1.38)となる。即ち、前述した設
計値で光学系100を製作すれば、温度変化によるポリ
ゴンミラー付近でのデフォーカスを極めて小さい値に抑
えることができ、ひいては感光体ドラム2上でのデフォ
ーカスも小さくなる。
【0030】この第1実施例において、fθレンズ32
の数値例を付け加えると、主走査方向の焦点距離は27
0mm、副走査方向の倍率は−1.5である。そして、
主走査方向についてのシリンドリカルレンズの焦点距離
CYMとfθレンズの焦点距離ffの比は、 fCYM /ff=∞ ……(12) であり、副走査方向に関しては、CYとコリメータメン
ズの焦点距離fCLとの比は、 fCY/fCL=15 ……(13) である。
【0031】なお、主走査方向においては、シリンドリ
カルレンズ30による補正(相殺)効果はない。つま
り、シリンドリカルレンズ30の主走査方向のパワーは
温度変化の影響を受けないほど小さいので、主走査方向
のビームスポット径はほとんど変動しない。しかし、温
度変化に伴うレーザダイオード23とコリメータレンズ
24の距離の変化は主走査には影響を与えないので、主
走査方向の補正は必要としない。次に、温度変化による
影響を小さくする条件について説明する。前記数値例か
ら明らかなように、光源ユニット21によるデフォーカ
スとシリンドリカルレンズ30によるデフォーカスとを
同程度にすれば、温度変化による実際上の中間結像位置
変化量ΔSCYは極めて小さくなる。また、例えば、ΔS
C'(光源ユニット21の変化による中間結像位置の変化
量)に対してΔSC (樹脂製シリンドリカルレンズ30
の変化による中間結像位置の変化量)を−0.5〜−
1.5倍に設定すれば、樹脂製シリンドリカルレンズを
用いない場合に比べてその影響を1/2にできる。
【0032】簡易な条件としては、ΔS C とΔS C 'との
比Kは、前式(2),(8),(9)から次式(21)
で表わされる。
【0033】
【数1】
【0034】実際上、シリンドリカルレンズ30の熱膨
は小さいのでΔrCY≒0と置いて次式(22)が得ら
れる。
【0035】
【数2】
【0036】さらに、式(22)に前式(1),(1
1)を代入して整理すると、次式(23)となる。
【0037】
【数3】
【0038】そして、S≒fCL なので、次式(24)と
なる。
【0039】
【数4】
【0040】ところで、前述した数値例では温度変化に
よる結像位置変動への影響が非常に小さくなっている。
そこで、前記数値例を基にして補正条件を考察する。前
記数値例を前式(24)に代入すると、K≒0.6とな
る。シリンドリカルレンズ30の樹脂材の屈折率変化係
数kNと屈折率nCYが数値例通りであれば、次式(2
5)で示される条件を考慮すればよい。
【0041】 1 ≒f CL /(k S CY )=2900 ……(25) さらに、ホルダ22の線膨張係数kSも数値例通りとす
れば、次式(26)で示される条件を考慮すればよい。 2 ≒f CL /f CY =1/15 ……(26) 即ち、前式(24),(25),(26)を満足するよ
うに走査光学系100を作製すれば、温度変化による結
像位置のデフォーカスを良好に補正できる。そして、
K,K 1 ,K 2 をそれぞれ前記数値の0.5〜1.5倍程
度に設定すれば、光源ユニット21の変形による影響を
半分以下に補正できる。特に式(26)に関して、7≦
CY/fCL≦23を満足させればよい。本第1実施例で
は、fCY/fCL=15とした。 CY /f CL を15の0.
8〜1.2倍程度に設定すれば、デフォーカスを80%
程度軽減できる。
【0042】[第2実施例、図7〜図9参照] この光学系110は、fθレンズとして球面凹レンズ3
4、トーリック面を有するトロイダルレンズ35、球面
凸レンズ36及び平面ミラー33と感光体ドラム2との
間に介在した第2シリンドリカルレンズ37によって構
成したもので、その他の構成は前記第1実施例(図2参
照)と同様である。そして、トロイダルレンズ35と第
2シリンドリカルレンズ37を樹脂製とすることによ
り、光源ユニット21で発生するデフォーカスを相殺す
るようにした。第1シリンドリカルレンズ30はガラス
製である。
【0043】前記第1実施例で定性的に説明したのと同
様に、温度上昇に伴ってトロイダルレンズ35、第2シ
リンドリカルレンズ37の焦点距離が長くなり、最終
像位置が光源ユニット21のデフォーカスのみによるQ
bからQcへと戻され、元の位置Qaに近づく。以下、
数式を用いて解析すると、光源ユニット21の温度変化
によるΔS,ΔSC'は前式(1),(2)で求められ、
全てのレンズがガラス製である場合、最終結像位置の変
化量ΔSP'は次式(2')で求められる。
【0044】 ΔSP'≒ΔSCf 2 ……(2') βf:fθレンズの副走査方向の倍率本第2実施例ではトロイダルレンズ35は樹脂製であ
り、故に温度によりその焦点距離が変化する。 樹脂製ト
ロイダルレンズ35の焦点距離の変化はその形状変化と
屈折率変化に分けて考察しなければならない。トロイダ
ルレンズ35の焦点距離fTは次式(33)で求められ
る。
【0045】 fT=rT/(nT−1) ……(33) rT:トロイダルレンズの曲率半径 nT:トロイダルレンズの屈折率 曲率半径rTがΔrTだけ変化すると、その焦点距離の変
化量ΔfTは数式(34)で求められる。
【0046】 ΔfT=ΔrT/(nT−1) ……(34) 式(34)に前式(33)を代入すると、トロイダルレ
ンズ35の曲率半径の変化量Δr T に伴う焦点距離の変
化量Δf T を求めるための式(35)が得られる。 ΔfT=fTΔrT/rT ……(35) 次に、レンズの屈折率変化による影響であるが、トロイ
ダルレンズ35の屈折率nTがΔnTだけ変化するとき、
その焦点距離の変化量ΔfTは前式(33)に基づいて
次式(36)で求められる。
【0047】 ΔfT=−rTΔnT/(nT−1)2 ……(36) 式(36)に前式(33)を代入すると、屈折率変化量
Δn T に伴う焦点距離の変化量Δf T を求めるための式
(37)が得られる。 ΔfT=−fTΔnT/(nT−1) ……(37) 以上の考察に基づいて樹脂製のトロイダルレンズ35の
温度変化に伴う焦点距離の変化量ΔfTは前式(3
5),(37)から次式(38)で表わされる。
【0048】 ΔfT=fT[ΔrT/rT−ΔnT/(nT−1)] ……(38) 本第2実施例において、fθレンズはガラス製の球面凹
レンズ34と樹脂製のトロイダルレンズ35とガラス製
の球面凸レンズ36と樹脂製の第2シリンドリカルレン
ズ37とで構成されている。いずれの樹脂製レンズ3
5,37も副走査方向にパワーを持ち、主走査方向のパ
ワーは小さい。従って、このようなfθレンズにおいて
は副走査方向の結像関係についてのみ説明する。
【0049】ところで、トロイダルレンズ35の焦点距
離fTがΔfTだけ変化すると、最終結像位置の変化量Δ
T'は次式(41)で求められる。
【0050】 ΔST'=ΔfT(ST'/fT2 ……(41) ST':トロイダルレンズから感光体までの距離 前記ST'をトロイダルレンズ35に対する物点の変化量
ΔSTに換算すると、次式(42)が得られる。 ΔST=ΔST'/βT 2 ……(42) βT:トロイダルレンズの結像倍率 前記βTは次式(43)で求められる。
【0051】 βT=ST'/ST ……(43) ST:トロイダルレンズからポリゴンミラーまでの距離 前式(42)に前式(41),(43)を代入するとΔ
Tは次式(44)として表される。 ΔST=ΔfT(ST/fT2 ……(44) 前記ΔSTを球面凹レンズ34を間に設置した場合の
点位置の変化量ΔS1に換算すると、次式(45)で表
わされる。
【0052】 ΔS1=ΔST/β1 2 ……(45) β1:球面凹レンズの結像倍率 そして、この変化量ΔS1による感光体付近での結像位
置の変化量ΔST1'は、次式(46)で求められる。 ΔST1'=ΔS1βf 2 ……(46) 前式(46)に前式(44),(45)を代入すると、
次式(47)が得られる。
【0053】 ΔST1'=ΔfT(STβf/fTβ12 ……(47)なお、球面凹レンズ34による結像関係への影響は小さ
い。その理由は、球面凹レンズ34はポリゴンミラー3
1に近い位置に置かれていること、その焦点距離が長い
ことによる。一例を挙げれば、fθレンズの焦点距離が
300mmのとき、凹レンズ34の焦点距離は−700
mm程度である。 ここで、球面レンズ34の影響が小さ
い、即ち、β1≒1とすると、結像位置変化量ΔST1'は
次式(48)で求められる。 ΔST1'≒ΔfT(STβf/fT2 ……(48) 次に、第2シリンドリカルレンズ37の影響について考
察する。
【0054】温度変化による第2シリンドリカルレンズ
37の焦点距離の変化ΔfCY2はトロイダルレンズ35
と同様にして求めることができる。トロイダルレンズ3
5においてその形状変化、屈折率変化の影響を解析した
のと同様に、ΔfCY2は前式(38)から次式(49)
で求められる。 ΔfCY2=fCY2[ΔrCY2/rCY2−ΔnCY2/(nCY2−1)] ……(49) fCY2:第2シリンドリカルレンズの焦点距離 rCY2:第2シリンドリカルレンズの曲率半径 ΔrCY2:第2シリンドリカルレンズの曲率半径変化量 nCY2:第2シリンドリカルレンズの屈折率 ΔnCY2:第2シリンドリカルレンズの屈折率変化量 そして、第2シリンドリカルレンズ37を通過後の結像
位置変化量ΔSPは、次式(50)で表わされる。
【0055】 ΔSP≒ΔfCY2(SP/fCY22 ……(50) SP:第2シリンドリカルレンズから感光体までの距離 ここで、各部品の仕様が以下の場合、最終結像位置の変
化について具体的に検討する。 コリメータレンズの焦点距離fCL:10mm レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S:8mm ホルダの材質:アルミニウム ホルダの線膨張係数kS:23×10-6/℃ 第1シリンドリカルレンズの焦点距離fCY:150mm トロイダルレンズの焦点距離fT:75mm トロイダルレンズの材質:アクリル樹脂 トロイダルレンズの線膨張係数kT:70×10-6/℃ トロイダルレンズの屈折率nT:1.483 トロイダルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ 第2シリンドリカルレンズの焦点距離fCY2:100mm 第2シリンドリカルレンズの材質:アクリル樹脂 第2シリンドリカルレンズの線膨張係数kCY2:70×10-6/℃ 第2シリンドリカルレンズの屈折率nCY2:1.483 第2シリンドリカルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ トロイダルレンズからポリゴンミラーまでの距離ST:−65mm 第2シリンドリカルレンズから感光体までの距離 P :90mm fθレンズの副走査方向の倍率βf:−1.5 まず、間隔Sについて温度変化量ΔTが+30℃の場合
を計算すると、前式(1)により変化量ΔSは0.00
55mmとなる。そして、感光体付近での結像位置の変
化量ΔSP'は前式(2')により−2.79mmとな
る。
【0056】一方、同様に温度変化量ΔTが+30℃の
場合、トロイダルレンズ35が熱膨張で相似変形すると
して、その曲率半径変化量ΔrTは次式(51)で求め
られる。 Δr T =r T T ΔT ……(51) ゆえに、式(51)に前記値を代入すると、ΔrT/rT
は0.0021となる。
【0057】また、温度上昇に伴う屈折率変化量ΔnT
は次式(52)で求められ、その値は−0.0033で
ある。 ΔnT=kNΔT ……(52) 前式(38),(48)に基づくと、トロイダルレンズ
35の温度変化(ΔT=+30℃)による結像位置変化
量ΔST1'は、これまでの計算値やΔrT/rT,ΔnT
代入すると、1.13mmとなる。
【0058】次に、第2シリンドリカルレンズ37の温
度変化(ΔT=+30℃)による結像位置変化量ΔSP
は、トロイダルレンズ35の場合と同様に求められる。
まず、前式(51)と同様にして、Δr CY2 /r CY2
0.0021と計算される。また、その屈折率変化量Δ
CY2は前式(52)と同様の式から求められ、−0.
0033である。
【0059】前式(49),(50)に基づくと、第2
シリンドリカルレンズ37の温度変化(ΔT=+30
℃)による結像位置変化量ΔSPは、これまでの計算値
やΔrCY2/rCY2,ΔnCY2を代入すると、0.72m
mとなる。以上の如く算出したΔSP',ΔST1',ΔSP
は互いに相殺され、30℃の温度上昇時の実際上の最終
結像位置変化量ΔSPC(ΔSP'+ΔST1'+ΔSP)は−
0.94mm(−2.79+1.13+0.72)とな
る。
【0060】即ち、前述した設計値で光学系110を製
作すれば、温度変化による感光体付近でのデフォーカス
を極めて小さい値に抑えることができる。なお、主走査
方向においては、fθレンズによる補正(相殺)効果は
ない。つまり、fθレンズの主走査方向のパワーは温度
変化による影響を受けないほど小さいので、主走査方向
のビームスポット径はほとんど変動しない。しかし、温
度変化に伴うレーザダイオード23とコリメータレンズ
24の距離の変化は主走査には影響を与えないので、主
走査方向の補正は必要としない。
【0061】次に、第2実施例の構成例を以下の表1に
示す。この場合、fθレンズの焦点距離ffは300m
m、トロイダルレンズ35の主走査方向の焦点距離fTM
は1202mm、第2シリンドリカルレンズ37の主走
査方向の焦点距離fCY2Mは無限大である。即ち、fTM
fの比、fCY2Mとffの比は、 fTM/ff=4.0 ……(61) fCY2M/ff=∞ ……(62) となる。
【0062】
【表1】
【0063】[第3実施例] 第3実施例は基本的には図7に示した光学系110と同
じ構成を有する。異なるのは第2シリンドリカルレンズ
37のみを樹脂製とした点であり、トロイダルレンズ3
5はガラス製である。従って、図7を参照して第3実施
例を説明する。この第3実施例ではトロイダルレンズ3
5はガラス製であるため、その温度変化による影響は無
視できる。従って、温度変化による像面デフォーカスへ
の影響は、光源ユニット21、第2シリンドリカルレン
ズ37に関して考慮すればよく、前記第2実施例で説明
した各種関係式はトロイダルレンズ35に関するもの以
外は全て本第3実施例にも妥当する。
【0064】そこで、本第3実施例における感光体付近
での結像位置の変化について具体的に検討する。各部品
の仕様、即ち、fCL、S、ホルダの材質、特性、第2シ
リンドリカルレンズ37の材質、特性、βf等に関して
は前記第2実施例での仕様と同じである。但し、第1シ
リンドリカルレンズ30の焦点距離fCYのみ100mm
とした。また、温度変化量ΔTは+30℃として計算し
ている点も同様である。
【0065】まず、光源ユニット21での間隔Sについ
て、その変化量ΔSは0.0055mmで、感光体付近
での変化量ΔSP'は前式(2')により−1.24mm
となる。第2シリンドリカルレンズ37の温度上昇に伴
う結像位置変化量ΔS P は前記第2実施例での計算結果
と同様に0.72mmである。
【0066】従って、以上のΔSP',ΔSPは互いに相
殺され、感光体付近での結像位置変化量ΔSPC(ΔSP'
+ΔSP)は−0.52(−1.24+0.72)mm
となる。次に、第3実施例の構成例を以下の表2に示
す。この場合、fθレンズの焦点距離ffは300m
m、第2シリンドリカルレンズ37の主走査方向の焦点
距離fCY2Mは無限大であり、fCY2M/ff=∞である。
【0067】
【表2】
【0068】[第2シリンドリカルレンズの位置] ここで、前記第2実施例、第3実施例における第2シリ
ンドリカルレンズ37の位置について説明する。第2シ
リンドリカルレンズ37は、走査光学系として良好な性
能が得られる範囲で、感光体ドラム2から離して配置す
ることが好ましい。その理由は、(1)感光体の近くに
配置すると、トナー等で汚れやすい、(2)シリンドリ
カルレンズ37の長さ(主走査方向)を短くできる、
(3)感光体の近くに配置すると、副走査方向における
第2結像光学手段(fθレンズ)の倍率が小さくなり過
ぎ、像面デフォーカスの補正効果が小さくなる。理由
(3)につき、付言すれば、感光体上で所望のビームス
ポット径を得るには、ポリゴンミラー31の手前に配置
される第1シリンドリカルレンズ30の焦点距離を長く
する必要があり、それでは配置が困難となるばかりか、
光学系の大型化等の問題が生じる。
【0069】以上の点に鑑みれば、第2シリンドリカル
レンズ37と感光体ドラム2との距離は、ポリゴンミラ
ー31と感光体ドラム2との距離の1/7以上にするこ
とが望ましい。例えば、後者の距離が420mmのと
き、前者は60mm以上とする。[画像サイズの変化] 前記各実施例において、主走査方向に強いパワーを持つ
光学素子は樹脂製としていない。仮に、主走査方向に強
いパワーを持つ光学素子を樹脂製とすると、温度変化に
よって感光体上における画像サイズが変化する。これは
主にfθ光学系の主走査方向の焦点距離の変動によって
生じる。
【0070】即ち、fθ光学系が二つの光学素子で構成
されているとすれば、これらの焦点距離の関係は次式
(71)で表される。 Ψf=Ψ1+Ψ2−eΨ1Ψ2 ……(71) Ψf:fθ光学系のパワー Ψ1,Ψ2:第1、第2の光学素子のパワー e:第1、第2の光学素子間の(換算)間隔 温度変化によってΨ2がΔΨ2だけ変化したときのΨf
変化量ΔΨfは次式(72)で求めることができる。
【0071】 ΔΨf=ΔΨ2−eΨ1ΔΨ2 ……(72) ここで、式(72)での第2項の影響は小さいので、式
(73)が得られる。 ΔΨf≒ΔΨ2 ……(73) ところで、光学素子がさらに増えた場合も、前記と同様
に考えることができる。そして、光学素子iの焦点距離
の逆数(パワー)ΨiがΔΨiだけ変化したときのΨf
変化量ΔΨfは次式(74)で求めることができる。
【0072】 ΔΨf≒ΔΨi ……(74) これを焦点距離で表わせば、(Ψ=1/f、ゆえにΔΨ
=−Δf/f2から)次式(75)が得られる。 Δff/ff 2≒Δfi/fi 2 ……(75) ff:fθ光学系の焦点距離 fi:光学素子iの焦点距離 次に、感光体上での画像サイズの変化について検討す
る。
【0073】画像サイズIはfθレンズの焦点距離ff
に比例する。従って、画像サイズIの変化量ΔIは次式
(76)で表わされる。 ΔI/I=Δff/ff ……(76) 画像サイズ変化量ΔIを小さくする条件としては、ま
ず、前式(75)を次のように変形する。
【0074】 fi≒(ff 2/Δff)(Δfi/fi) ……(77) 前式(77)を前式(76)に代入すると、次式(7
8)が得られる。 fi≒ff(I/ΔI)(Δfi/fi) ……(78) 画像サイズ変化量ΔIの許容値をΔI'とすると、ΔI
を|ΔI|<|ΔI'|とするための条件は次式(7
9)となる。
【0075】 |fi|>|ff(I/ΔI')(Δfi/fi)| ……(79) ここで、第2実施例で示した設計値を用いて計算する。
許容値に関してはΔI'/I=0.005とする。焦点
距離の変化量は前式(8)から求まる。ΔTが+30℃
の場合、光学素子iでの焦点距離fiの変化量Δfi/f
i=0.009となる。但し、光学素子iが表面反射の
曲面ミラーである場合、温度上昇に伴う屈折率変化の影
響は無視できるため、Δfi/fi=0.002となる。
【0076】また、前記数値0.005,0.009を
前式(79)に代入すれば、次の条件式(80)が成立
する。 |fi/ff|>9/5=1.8 ……(80) 光学素子iがミラーであれば、次の条件式(81)が成
立する。 |fi/ff|>2/5=0.4 ……(81) 即ち、前式(80),(81)を満足する光学素子iを
樹脂製とすればよい。
【0077】前述の各実施例の値をまとめて記載する
と、以下の表3のようになり、前式(80)を満たして
いる。
【0078】
【表3】
【0079】[第4実施例、図10〜図12参照] この光学系120は、トーリック面を有するトロイダル
レンズ38と3枚のレンズG1,G2,G3からなる球
面fθレンズ39と平面ミラー33によって構成したも
ので、その他の構成は前記第1実施例(図2参照)と同
様である。そして、トロイダルレンズ38を樹脂製とす
ることにより、光源ユニット21で発生するデフォーカ
スを相殺するようにした。但し、シリンドリカルレンズ
30と球面fθレンズ39はガラス製である。
【0080】前記第1実施例、第2実施例で定性的に説
明したのと同様に、温度上昇に伴ってトロイダルレンズ
38の焦点距離が長くなり、感光体付近での結像位置が
光源ユニット21のデフォーカスのみによるQbからQ
cへと戻され、元の位置Qaに近づく。以下、数式を用
いて解析すると、光源ユニット21の温度変化によるΔ
S,ΔSC'は前式(1),(2)で求められ、感光体付
近での結像位置の変化量ΔSP'は前記式(2')あるい
は次式(2'')で求められる。なお、ここでは前式
(2')中βfは[トロイダルレンズ+fθレンズ]の副
走査方向の倍率とする。
【0081】 ΔS P '≒ΔS C '(f f /f T 2 ……(2'') ff:fθレンズの焦点距離 fT:トロイダルレンズの焦点距離 一方、樹脂製トロイダルレンズ38の温度上昇に伴う結
像位置の変動を、形状変化と屈折率変化に分けて考察す
ると、トロイダルレンズの焦点距離fTは前式(33)
で求められ、同様に前式(34),(35)から、曲率
半径rTがΔrTだけ変化した場合の焦点距離の変化量Δ
Tが求められる。
【0082】次に、レンズの屈折率変化による影響であ
るが、トロイダルレンズの屈折率nTがΔnTだけ変化す
るとき、その焦点距離の変化量ΔfTは前式(33)に
基づいて前式(36),(37)で求められ、最終的に
樹脂製のトロイダルレンズ38の温度変化に伴う焦点距
離の変化量ΔfTは前式(38)で表わされる。仮に、
ポリゴンミラー付近の集光位置がトロイダルレンズ38
の焦点(物点)に一致する限り、最終結像位置は通常位
置Qaにとどまる。即ち、トロイダルレンズ38の焦点
距離が変化すると、物点が移動するのでその変化量だけ
中間結像位置が変化したことに相当する。ゆえに、トロ
イダルレンズ38の焦点距離の変化に伴う最終結像位置
変化量ΔSP'は次式(91)で求められる。
【0083】 ΔSP'=ΔfT(ff/fT2 ……(91) ここで、各部品の仕様が以下の場合、最終結像位置の変
化について具体的に検討する。 コリメータレンズの焦点距離fCL:8mm レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S:8mm ホルダの材質:アルミニウム ホルダの線膨張係数kS:23×10-6/℃ シリンドリカルレンズの焦点距離fCY:72mm トロイダルレンズの焦点距離fT:50mm トロイダルレンズの材質:アクリル樹脂 トロイダルレンズの線膨張係数kT:70×10-6/℃ トロイダルレンズの屈折率nT:1.483 トロイダルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ fθレンズの焦点距離ff:200mm [トロイダルレンズ+fθレンズ]の副走査方向の倍率βf:−4 まず、間隔Sについて温度変化量ΔTが+30℃の場合
を計算すると、前式(1)により変化量ΔSは0.00
55mmとなる。そして、感光体付近での結像位置変化
量ΔSP'は前式(2'')により−7.15mmとなる。
【0084】一方、同様に温度変化量ΔTが+30℃の
場合、トロイダルレンズ38が熱膨張で相似変形すると
して、その曲率半径変化量ΔrTは前式(51)で求め
られ、ΔrT/rTは0.0021となる。また、温度上
昇に伴う屈折率変化量ΔnTは前式(52)で求めら
れ、その値は−0.0033である。
【0085】前式(38),(48)に基づくと、トロ
イダルレンズ38の温度変化(ΔT=+30℃)による
結像位置変化量ΔST1'は、これまでの計算値やΔrT
T,ΔnTを代入すると、7.14mmとなる。以上の
如く算出したΔSP',ΔST1'は互いに相殺され、30
℃の温度上昇時の実際上の最終結像位置変化量ΔS
PC(ΔSP+ΔST1')は−0.01mm(−7.15+
7.14)となる。
【0086】即ち、前述した設計値で光学系120を製
作すれば、温度変化による感光体付近でのデフォーカス
を極めて小さい値に抑えることができる。なお、主走査
方向においては、トロイダルレンズ38による補正(相
殺)効果はない。つまり、トロイダルレンズ38の主走
査方向のパワーは温度変化の影響を受けないほど小さい
ので、主走査方向のビームスポット径はほとんど変動し
ない。しかし、温度変化に伴うレーザダイオード23と
コリメータレンズ24の距離の変化は主走査には影響を
与えないので、主走査方向の補正は必要としない。
に、温度変化による影響を小さくする条件について説明
する。ここでは、温度変化による最終結像位置の変化を
小さくするための条件について説明する。
【0087】前記数値例から明らかなように、光源ユニ
ット21によるデフォーカスとトロイダルレンズ38に
よるデフォーカスとを同程度にすれば、温度変化による
実際上の結像位置変化量ΔSPCは極めて小さくなる。ま
た、例えば、ΔS P 'に対してトロイダルレンズ38によ
るΔST1'を−0.5〜−1.5倍に設定すれば、樹脂
製トロイダルレンズを用いない場合(即ち、ΔSC'のみ
が作用する場合)に比べてその影響を1/2にできる。
【0088】簡易な条件としては、ΔS T1 'とΔS P 'の
比Kは、前式(2''),(8),(9)から次式(9
2)で表わされる。
【0089】
【数5】
【0090】ここで、トロイダルレンズ38の熱膨張に
よる影響は比較的小さいので、次式(93)が得られ
る。
【0091】
【数6】
【0092】さらに、式(93)に前式(1),(1
1)を代入して整理すると、次式(94)となる。
【0093】
【数7】
【0094】そして、S≒fCL なので、次式(95)と
なる。
【0095】
【数8】
【0096】ところで、前述した数値例では温度変化に
よる結像位置変動への影響が非常に小さくなっている。
そこで、前記数値例を基にして補正条件を考察する。前
記数値例を前式(95)に代入すると、K≒0.76と
なる。トロイダルレンズ38の樹脂材の屈折率変化係数
Nと屈折率nTが数値例通りであれば、次式(96)で
示される条件を考慮すればよい。
【0097】 1 ≒f CL T /(k S CY 2 )=3350 ……(96) さらに、ホルダ22の線膨張係数kSも数値例通りとす
れば、次式(97)で示される条件を考慮すればよい。 2 ≒f CL T /f CY 2 =0.077 ……(97) 即ち、前式(95),(96),(97)を満足するよ
うに走査光学系120を作製すれば、温度変化による結
像位置のデフォーカスを良好に補正できる。そして、
K,K 1 ,K 2 をそれぞれ前記数値の0.5〜1.5倍程
度に設定すれば、光源ユニット21の変形による影響を
半分以下に補正できる。これらの数値を0.8〜1.2
倍程度に設定すれば、同様に80%程度デフォーカスを
軽減できる。
【0098】次に、第4実施例の構成例を以下の表4に
示す。この場合、シリンドリカルレンズ30の焦点距離
CYは64mm、ポリゴンミラー31からトロイダルレ
ンズ38までの距離は44mmとした。また、[トロイ
ダルレンズ+fθレンズ]の副走査方向の倍率βfは−
4.5とした。
【0099】
【表4】
【0100】以上の構成例において、光源ユニット21
の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近での結像
位置変化量ΔSP'は−7.2mmであり、トロイダルレ
ンズ38の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近
での結像位置変化量ΔST1'は7.0mmである。従っ
て、30℃の温度上昇時に補正後の感光体付近での結像
位置変化量ΔSPCは−0.2mmとなる。
【0101】[第5実施例、図13,図14参照] この光学系130は、fθレンズ40として球面凹レン
ズ41、トロイダルレンズ42、球面凸レンズ43を使
用し、感光体ドラム2の直前に第2シリンドリカルレン
ズ44を設けたもので、その他の構成は前記第2実施例
(図7参照)と同様であり、光路を折り曲げるための平
面ミラー(図7中平面ミラー33に相当する)も設置さ
れている。そして、第2シリンドリカルレンズ44のみ
を樹脂製とすることにより、光源ユニット21で発生す
るデフォーカスを相殺するようにした。第1シリンドリ
カルレンズ30及びfθレンズ40の各種レンズはガラ
ス製である。
【0102】本第5実施例においては、温度上昇に伴っ
て第2シリンドリカルレンズ44の焦点距離が長くな
り、感光体付近での結像位置が光源ユニット21のデフ
ォーカスのみによるQbからQcへと戻され、元のQa
に近づく。即ち、定性的には前記第3実施例と同様であ
り、第2実施例、第3実施例で説明した数式的解析が妥
当する。
【0103】詳しくは、光源ユニット21の温度変化に
よるΔS,ΔSC'は前式(1),(2)で求められ、
結像位置の変化量ΔSP'も前式(2’)で求められ
る。一方、樹脂製第2シリンドリカルレンズ44の温度
上昇に伴う結像位置の変動を、形状変化と屈折率変化に
分けて考察すると、第2シリンドリカルレンズ44の焦
点距離fCY2は次式(101)で求められる。
【0104】 fCY2=rCY2/(nCY2−1) ……(101) rCY2第2シリンドリカルレンズの曲率半径 nCY2第2シリンドリカルレンズの屈折率 曲率半径rCY2がΔrCY2だけ変化すると、その焦点距離
の変化量ΔfCY2は次式(102)で求められる。
【0105】 ΔfCY2=ΔrCY2/(nCY2−1) ……(102) 式(102)に前式(101)を代入すると、次式(1
03)が得られる。 ΔfCY2=fCY2ΔrCY2/rCY2 ……(103) 次に、レンズの屈折率変化による影響であるが、シリン
ドリカルレンズの屈折率nCY2がΔnCY2だけ変化すると
き、その焦点距離の変化量ΔfCY2は前式(101)に
基づいて次式(104)で求められる。
【0106】 ΔfCY2=−rCY2ΔnCY2/(nCY2−1)2 ……(104) 式(104)に前式(101)を代入すると、次式(1
05)が得られる。 ΔfCY2=−fCY2ΔnCY2/(nCY2−1) ……(105) 以上の考察に基づいて樹脂製の第2シリンドリカルレン
ズ44の温度変化に伴う焦点距離の変化量ΔfCY2は前
式(103),(105)から次式(106)で表され
る。
【0107】 Δf CY2 =f CY2 [Δr CY2 /r CY2 −n CY2 /(n CY2 −1)] ……(106) そして、第2シリンドリカルレンズ44の焦点距離変化
量Δf CY2 による最終結像位置変化量ΔSPは、次式(1
07)で表される。 ΔSP≒ΔfCY2(SP/fCY22 ……(107) P :第2シリンドリカルレンズから感光体までの距離 ここで、各部品の仕様が以下の場合、最終結像位置の変
化について具体的に検討する。
【0108】 コリメータレンズの焦点距離fCL:10mm レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S:8mm ホルダの材質:アルミニウム ホルダの線膨張係数kS:23×10-6/℃ 第1シリンドリカルレンズの焦点距離fCY:150mm 第2シリンドリカルレンズの焦点距離fCY2:100mm 第2シリンドリカルレンズの材質:アクリル樹脂 第2シリンドリカルレンズの線膨張係数kCY2:70×10-6/℃ 第2シリンドリカルレンズの屈折率nCY2:1.483 第2シリンドリカルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ 第2シリンドリカルレンズから感光体までの距離 P :90mm fθレンズの副走査方向の倍率βf:−1.5 まず、間隔Sついて温度変化量ΔTが+30℃の場合を
計算すると、前式(1)により変化量ΔSは0.005
5mmとなる。そして、感光体付近での結像位置の変化
量ΔSP'は前式(2’)により−2.79mmとなる。
【0109】一方、同様に温度変化量ΔTが+30℃の
場合、シリンドリカルレンズ44が熱膨張で相似変形す
るとして、その曲率半径変化量ΔrCY2は次式(10
8)で求められる。 ΔrCY2=rCY2CY2ΔT ……(108) ゆえに、式(108)に前記値を代入すると、ΔrCY2
/rCY2は0.0021となる。
【0110】また、温度上昇に伴う屈折率変化量Δn
CY2は次式(109)で求められ、その値は−0.00
33である。 ΔnCY2=kNΔT ……(109) 前式(106),(107)に基づくと、シリンドリカ
ルレンズ44の温度変化(ΔT=+30℃)による結像
位置変化量ΔSPは、これまでの計算値やΔrCY2/r
CY2,ΔnCY2を代入すると、0.72mmとなる。
【0111】以上の如く算出したΔSP',ΔSPは互い
に相殺され、30℃の温度上昇時に補正後の感光体付近
での結像位置変化量ΔSPC(ΔSP'+ΔSP)は−2.
07mm(−2.79+0.72)となる。即ち、前述
した設計値で光学系130を製作すれば、温度変化に伴
う光源ユニット21の変化によるデフォーカスを25%
程度軽減できる。
【0112】なお、主走査方向においては、第2シリン
ドリカルレンズ44による補正(相殺)効果はない。
まり、第2シリンドリカルレンズ44の主走査方向のパ
ワーは温度変化の影響を受けないほど小さいので、主走
査方向のビームスポット径はほとんど変動しない。しか
し、温度変化に伴うレーザダイオード23とコリメータ
レンズ24の距離の変化は主走査には影響を与えないの
で、主走査方向の補正は必要としない。次に、温度変化
による影響を小さくする条件について説明する。ここで
は、温度変化による最終結像位置の変化を小さくするた
めの条件について説明する。
【0113】前記数値例から明らかなように、光源ユニ
ット21によるデフォーカスと第2シリンドリカルレン
ズ44によるデフォーカスとを同程度にすれば、温度変
化による実際上の結像位置変化量ΔSPCは極めて小さく
なる。また、例えば、ΔS P 'に対して第2シリンドリカ
ルレンズ44によるΔSP−0.5〜−1.5倍程度
に設定すれば、樹脂製シリンドリカルレンズを用いない
場合に比べてその影響を1/2にできる。
【0114】簡易な条件としては、ΔS P とΔS P 'との
比Kは、前式(2’),(8),(9)から次式(11
1)で表される。
【0115】
【数9】
【0116】ここで、第2シリンドリカルレンズ44
熱膨張による影響は比較的小さいとすると、ΔrCY2
0と置いて次式(112)が得られる。
【0117】
【数10】
【0118】さらに、式(112)に前式(1),(1
1)を代入して整理すると、次式(113)となる。
【0119】
【数11】
【0120】そして、S≒fCLとすると、次式(11
4)となる。
【0121】
【数12】
【0122】ところで、前述した数値例では温度変化に
よる結像位置変動への影響が非常に小さくなっている。
そこで、前記数値例を基にして補正条件を考察する。前
記数値例を前式(114)に代入すると、K≒0.16
となる。第2シリンドリカルレンズ44の樹脂材の屈折
率変化係数kNと屈折率nCY2が数値例通りであれば、次
式(115)で示される条件を考慮すればよい。
【0123】 1 ≒f CL P /(k S CY 2 CY2 β f 2 )=700 ……(115) さらに、ホルダ22の線膨張係数kSも数値例通りとす
れば、次式(116)で示される条件を考慮すればよ
い。 2 ≒f CL P /(f CY 2 CY2 β f 2 )=0.016 ……(116) 即ち、前式(114),(115),(116)を満足
するように走査光学系130を作製すれば、温度変化に
伴う光源ユニット21の変化によるデフォーカスを1/
4程度補正できる。そして、K,K 1 ,K 2 をそれぞれ前
記数値の4倍程度になるように設定すれば、光源ユニッ
ト21の変形による影響を半分以下に補正できる。しか
し、シリンドリカルレンズ44の部分的な温度変化の違
いや経時変化等の悪影響を考慮すると、シリンドリカル
レンズ44の影響を小さめにすることが好ましい。従っ
て、前式(114)等におけるKの値を4倍以下(上
限)に設定するのが望ましい。一方、Kの値は補正効果
を得るには1/2倍以上の(下限)に設定するのが望ま
しい。
【0124】次に、第5実施例の構成例を以下の表5に
示す。この場合、コリメータレンズの焦点距離fCLは5
mm、レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S
は4mm、fθレンズの副走査方向の倍率βfは−2.
3とした。また、第1シリンドリカルレンズ30の焦点
距離fCYは40mm、第2シリンドリカルレンズ44の
焦点距離fCY2は133mm、第2シリンドリカルレン
ズ44から感光体までの距離 P は114mmとした。
【0125】
【表5】
【0126】以上の構成例において、光源ユニット21
の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近での結像
位置変化量ΔSP'は−1.0mmとなり、第2シリンド
リカルレンズ44の温度変化ΔT(+30℃)による結
像位置変化量ΔSPは0.9mmとなる。従って、これ
らを総合すると、30℃の温度上昇時に補正後の感光体
付近での結像位置変化量ΔSPCは0.1mmとなる。
【0127】[第6実施例、図15〜図17参照] この光学系140は、fθレンズとして球面凹レンズ3
4、トーリック面を有するトロイダルレンズ35、球面
凸レンズ36によって構成したもので、その他の構成
は、第2シリンドリカルレンズ37を除いたこと、第1
シリンドリカルレンズ30はガラス製であること以外前
第2実施例(図7参照)と同様である。そして、トロ
イダルレンズ35を樹脂製とすることにより、光源ユニ
ット21で発生するデフォーカスを相殺するようにし
た。
【0128】前記第1実施例、第2実施例で定性的に説
明したのと同様に、温度上昇に伴ってトロイダルレンズ
35の焦点距離が長くなり、感光対付近での結像位置が
光源ユニット21のデフォーカスのみによるQbからQ
cへと戻され、元の位置Qaに近づく。樹脂製トロイダ
ルレンズ35の温度上昇に伴う結像位置の変動は、形状
変化と屈折率変化に分けて考察することとなるが、その
数式的解析は前記第2実施例での説明がそのまま妥当
し、前述の各式(33)〜(38),(41)〜(4
8)を用いることができる。
【0129】ここで、各部品の仕様が以下の場合、最終
結像位置の変化について具体的に検討する。 コリメータレンズの焦点距離fCL:8mm レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S:8mm ホルダの材質:アルミニウム ホルダの線膨張係数kS:23×10-6/℃ シリンドリカルレンズの焦点距離fCY:58mm トロイダルレンズの焦点距離fT:50mm トロイダルレンズの材質:アクリル樹脂 トロイダルレンズの線膨張係数kT:70×10-6/℃ トロイダルレンズの屈折率nT:1.483 トロイダルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ fθレンズの副走査方向の倍率βf:−4 まず、間隔Sについて温度変化量ΔTが+30℃の場合
を計算すると、前式(1)により変化量ΔSは0.00
55mmとなる。そして、感光体付近での結像位置の変
化量ΔSP'は前式(2’)により−4.64mmとな
る。
【0130】一方、同様に温度変化量ΔTが+30℃の
場合、トロイダルレンズ35が熱膨張で相似変形すると
して、その曲率半径変化量ΔrTは前式(51)で求め
られ、ΔrT/rTは0.0021となる。また、温度上
昇に伴う屈折率変化量ΔnTは前式(52)で求めら
れ、その値は−0.0033である。
【0131】前式(38),(48)に基づくと、トロ
イダルレンズ35の温度変化(ΔT=+30℃)による
結像位置変化量ΔST1'は、これまでの計算値やΔrT
T,ΔnTを代入すると、4.57mmとなる。以上の
如く算出したΔSP',ΔST1'は互いに相殺され、30
℃の温度上昇時に補正後の感光体付近での結像位置変化
量ΔSPC(ΔSP'+ΔST1')は−0.07mm(−
4.64+4.57)となる。
【0132】即ち、前述した設計値で光学系140を製
作すれば、温度変化による感光体付近でのデフォーカス
を極めて小さい値に抑えることができる。なお、主走査
方向においては、トロイダルレンズ35による補正(相
殺)効果はない。つまり、トロイダルレンズ35の主走
査方向のパワーは温度変化の影響を受けないほど小さい
ので、主走査方向のビームスポット径はほとんど変動し
ない。しかし、温度変化に伴うレーザダイオード23と
コリメータレンズ24の距離の変化は主走査には影響を
与えないので、主走査方向の補正は必要としない。
【0133】次に、温度変化による影響を小さくする条
件について説明する。前記数値例から明らかなように、
光源ユニット21によるデフォーカスとトロイダルレン
ズ35によるデフォーカスとを同程度にすれば、温度変
化による実際上の結像位置変化量ΔSPCは極めて小さく
なる。また、例えば、ΔS P 'に対してトロイダルレンズ
35によるΔST1'を−0.5〜−1.5倍に設定すれ
ば、樹脂製トロイダルレンズを用いない場合に比べてそ
の影響を1/2にできる。
【0134】簡易な条件としては、ΔS T1 ’とΔS P
の比Kは、前式(2’),(8),(9)から次式
(121)で表される。
【0135】
【数13】
【0136】ここで、トロイダルレンズ35の熱膨張に
よる影響は比較的小さいので、次式(122)が得られ
る。
【0137】
【数14】
【0138】さらに、式(122)に前式(1),(1
1)を代入して整理すると、次式(123)となる。
【0139】
【数15】
【0140】そして、S≒fCL なので、次式(124)
となる。
【0141】
【数16】
【0142】ところで、前述した数値例では温度変化に
よる結像位置変動への影響が非常に小さくなっている。
そこで、前記数値例を基にして補正条件を考察する。前
記数値例を前式(124)に代入すると、K≒0.75
となる。トロイダルレンズ35の樹脂材の屈折率変化係
数kNと屈折率nTが数値例通りであれば、次式(12
5)で示される条件を考慮すればよい。
【0143】 1 ≒f CL T 2 /k S CY 2 T =3300 ……(125) さらに、ホルダ22の線膨張係数kSも数値例通りとす
れば、次式(126)で示される条件を考慮すればよ
い。 2 ≒f CL T 2 /f CY 2 T =0.076 ……(126) 即ち、前式(124),(125),(126)を満足
するように走査光学系140を作製すれば、温度変化に
よる結像位置のデフォーカスを良好に補正できる。そし
て、K,K 1 ,K 2 をそれぞれ前記数値の0.5〜1.5
倍程度になるように設定すれば、光源ユニット21の変
形による影響を半分以下に補正できる。
【0144】次に、第6実施例の構成例を以下の表6に
示す。この場合、シリンドリカルレンズ30の焦点距離
CYは60mm、トロイダルレンズ35からポリゴンミ
ラー31までの距離STは−45mmとした。また、f
θレンズの副走査方向の倍率Bfは−4.25である。
【0145】
【表6】
【0146】以上の構成例において、光源ユニット21
の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近での結像
位置変化量ΔSP'は−5.6mmであり、トロイダルレ
ンズ35の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近
での結像位置変化量ΔST1'は5.4mmである。従っ
て、30℃の温度上昇時に補正後の感光体付近での結像
位置変化量ΔSPCは−0.2mmとなる。
【0147】[第7実施例、図18、図19参照] この光学系150は、前記6実施例の構成に第2シリン
ドリカルレンズ37を加えたもので、トロイダルレンズ
35のみを樹脂製とすることにより、光源ユニット21
で発生するデフォーカスを相殺するようにした。第1シ
リンドリカルレンズ30及び第2シリンドリカルレンズ
37はガラス製である。
【0148】前記第1実施例、第2実施例で定性的に説
明したのと同様に、温度上昇に伴ってトロイダルレンズ
35の焦点距離が長くなり、感光体付近での結像位置が
光源ユニット21のデフォーカスのみによるQbからQ
cへと戻され、元の位置Qaに近づく。以下、数式的解
析は前記第2実施例、第6実施例での説明がそのまま妥
当する。
【0149】ここで、各部品の仕様が以下の場合、最終
結像位置の変化について具体的に検討する。 コリメータレンズの焦点距離fCL:10mm レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S:8mm ホルダの材質:アルミニウム ホルダの線膨張係数kS:23×10-6/℃ シリンドリカルレンズの焦点距離fCY:150mm トロイダルレンズの焦点距離fT:75mm トロイダルレンズの材質:アクリル樹脂 トロイダルレンズの線膨張係数kT:70×10-6/℃ トロイダルレンズの屈折率nT:1.483 トロイダルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ fθレンズの副走査方向の倍率βf:−1.5 まず、間隔Sについて温度変化量ΔTが+30℃の場合
を計算すると、前式(1)により変化量ΔSは0.00
55mmとなる。そして、感光体付近での結像位置の変
化量ΔSP'は前式(2’)により−2.79mmとな
る。
【0150】一方、同様に温度変化量ΔTが+30℃の
場合、トロイダルレンズ35が熱膨張で相似変形すると
して、その曲率半径変化量ΔrTは前式(51)で求め
られ、ΔrT/rTは0.0021となる。また、温度上
昇に伴う屈折率変化量ΔnTは前式(52)で求めら
れ、その値は−0.0033である。
【0151】前式(38),(48)に基づくと、トロ
イダルレンズ35の温度変化(ΔT=+30℃)による
結像位置変化量ΔST1'は、これまでの計算値やΔrT
T,ΔnTを代入すると、1.13mmとなる。以上の
如く、算出したΔSP',ΔST1'は互いに相殺され、3
0℃の温度上昇時に補正後の感光体付近での結像位置変
化量ΔS PC (ΔS P '+ΔS T1 ')は−1.66mm(−
2.79+1.13)となる。
【0152】即ち、前述した設計値で光学系150を製
作すれば、温度変化による感光体付近でのデフォーカス
を60%程度に抑えることができる。なお、主走査方向
においては、トロイダルレンズ35による補正(相殺)
効果はない。つまり、トロイダルレンズ35の主走査方
向のパワーは温度変化の影響を受けないほど小さいの
で、主走査方向のビームスポット径はほとんど変動しな
い。しかし、温度変化に伴うレーザダイオード23とコ
リメータレンズ24の距離の変化は主走査には影響を与
えないので、主走査方向の補正は必要としない。
【0153】次に、温度変化による影響を小さくする条
件について説明する。ここでは、前記第6実施例で説明
した式(121),(122),(123),(12
4)がそのまま妥当する。そこで、前記数値例を基にし
て補正条件を考察する。前記数値例を前式(124)に
代入すると、K≒0.61となる。トロイダルレンズ3
5の樹脂材の屈折率変化係数kNと屈折率nTが数値例通
りであれば、前式(125)で示されるK1に関する条
件を考慮すればよく、K1は2690となる。
【0154】さらに、ホルダ22の線膨張係数kSも数
値例通りとすれば、前式(126)で示されるK2に関
する条件を考慮すればよく、K2は0.062となる。
即ち、K≒0.61、K 1 ≒2690、K 2 ≒0.062
を満足するように、走査光学系150を製作すれば、温
度変化による結像位置のデフォーカスを良好に補正でき
る。そして、K,K 1 ,K 2 をそれぞれ前記数値の0.2
〜1.8倍程度になるように設定すれば、光源ユニット
21の変形による影響を約80%以下に補正できる。
にK 2 に関しては、0.012<K2<0.11を満足さ
せればよい。
【0155】次に、第7実施例の構成例を以下の表7に
示す。この場合、コリメータレンズの焦点距離fCLは5
mm、レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S
は4mm、fθレンズの副走査方向の倍率βfは−3.
1とした。また、第1シリンドリカルレンズ30の焦点
距離fCYは50mm、トロイダルレンズ35の焦点距離
Tは74.5mm、トロイダルレンズ35からポリゴ
ンミラー31までの距離STは−48mmとした。
【0156】
【表7】
【0157】以上の構成例において、光源ユニット21
の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近での結像
位置変化量ΔSP'は−2.7mmであり、トロイダルレ
ンズ35の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近
での結像位置変化量ΔST1'は2.8mmである。従っ
て、30℃の温度上昇時に補正後の感光体付近での結像
位置変化量ΔSPCは0.1mmである。
【0158】[第8実施例、図20、図21参照] この光学系160は、fθレンズとして球面凹レンズ3
4、トーリック面を有するトロイダルレンズ35、球面
凸レンズ36及び平面ミラー33と感光体ドラム2との
間に介在した第2シリンドリカルレンズ37によって構
成したもので、トロイダルレンズ35と第2シリンドリ
カルレンズ37を樹脂製とすることにより、光源ユニッ
ト21で発生するデフォーカスを相殺するようにした。
これらの点において、第8実施例は前記第2実施例と同
様である。
【0159】前記第1実施例、第2実施例で定性的に説
明したのと同様に、温度上昇に伴ってトロイダルレンズ
35、第2シリンドリカルレンズ37の焦点距離が長く
なり、感光体付近での結像位置が光源ユニット21のデ
フォーカスのみによるQbからQcへと戻され、元の位
置Qaに近づく。以下、数式的解析は前記第2実施例で
の説明がそのまま妥当する。
【0160】ここで、各部品の仕様が以下の場合、最終
結像位置の変化について具体的に検討する。 コリメータレンズの焦点距離fCL:10mm レーザダイオードとコリメータレンズとの間隔S:8mm ホルダの材質:アルミニウム ホルダの線膨張係数kS:23×10-6/℃ 第1シリンドリカルレンズの焦点距離fCY:150mm トロイダルレンズの焦点距離fT:75mm トロイダルレンズの材質:アクリル樹脂 トロイダルレンズの線膨張係数kT:70×10-6/℃ トロイダルレンズの屈折率nT:1.483 トロイダルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ 第2シリンドリカルレンズの焦点距離fCY2:100mm 第2シリンドリカルレンズの材質:アクリル樹脂 第2シリンドリカルレンズの線膨張係数kCY2:70×10-6/℃ 第2シリンドリカルレンズの屈折率nCY2:1.483 第2シリンドリカルレンズの屈折率変化係数kN:−11×10-5/℃ トロイダルレンズからポリゴンミラーまでの距離ST:−65mm 第2シリンドリカルレンズから感光体までの距離 P :90mm fθレンズの副走査方向の倍率βf:−1.5 まず、間隔Sについて温度変化量ΔTが+30℃の場合
を計算すると、前式(1)により変化量ΔSは0.00
55mmとなる。そして、感光体付近での結像位置の変
化量ΔSP’は前式(2')により−2.79mmとな
る。
【0161】一方、同様に温度変化量ΔTが+30℃の
場合、トロイダルレンズ35が熱膨張で相似変形すると
して、その曲率半径変化量ΔrTは前式(51)で求め
られ、ΔrT/rTは0.0021となる。また、温度上
昇に伴う屈折率変化量ΔnTは前式(52)で求めら
れ、その値は−0.0033である。
【0162】前式(38),(48)に基づくと、トロ
イダルレンズ35の温度変化(ΔT=+30℃)による
結像位置変化量ΔST1'は、これまでの計算値やΔrT
T,ΔnTを代入すると、1.13mmとなる。次に、
第2シリンドリカルレンズ37の温度変化(ΔT=+3
0℃)による結像位置変化量ΔSPは、トロイダルレン
ズ35の場合と同様に求められる。即ち、その曲率半径
CY2とその変化量ΔrCY2は前式(53)で求められ、
ΔrCY2/rCY2=0.0021となる。また、その屈折
率変化量Δn CY2 は前式(52)で求められ、−0.0
033である。
【0163】前式(49),(50)に基づくと、第2
シリンドリカルレンズ37の温度変化(ΔT=+30
℃)による結像位置変化量ΔSPは、これまでの計算値
やΔrCY2/rCY2,ΔnCY2を代入すると、0.72m
mとなる。以上の如く算出したΔSP',ΔST1',ΔSP
は互いに相殺され、30℃の温度上昇時に補正後の感光
体付近での結像位置変化量ΔSPC(ΔSP'+ΔST1'+
ΔSP)は−0.94mm(−2.79+1.13+
0.72)となる。
【0164】即ち、前述した設計値で光学系160を製
作すれば、温度変化による感光体付近でのデフォーカス
を極めて小さい値(1/3程度)に抑えることができ
る。なお、主走査方向においては、fθレンズによる補
正(相殺)効果はない。つまり、fθレンズ系の主走査
方向のパワーは温度変化の影響を受けないほど小さいの
で、主走査方向のビームスポット径はほとんど変動しな
い。しかし、温度変化に伴うレーザダイオード23とコ
リメータレンズ24の距離の変化は主走査には影響を与
えないので、主走査方向の補正は必要としない。
【0165】次に、温度変化による影響を小さくする条
件について説明する。前記数値例から明らかなように、
光源ユニット21によるデフォーカスとトロイダルレン
ズ35及び第2シリンドリカルレンズ37によるデフォ
ーカスとを同程度にすれば、温度変化による実際上の結
像位置変化量ΔSPCは極めて小さくなる。また、例え
ば、ΔS P 'に対してトロイダルレンズ35と第2シリン
ドリカルレンズ37による(ΔST1'+ΔSP)を−0.
5〜−1.5倍に設定すれば、樹脂製トロイダルレンズ
及び樹脂製シリンドリカルレンズを用いない場合に比べ
てその影響を1/2にできる。
【0166】簡易な条件としては、ΔS T1 ’+ΔS P
ΔS P 'との比Kは、前式(2),(8),(9)から次
式(131)で表わされる。
【0167】
【数17】
【0168】ここで、トロイダルレンズ35と第2シリ
ンドリカルレンズ37の熱膨張による影響は比較的小さ
い。さらに前式(1),(52)とnCY2=nTを代入し
て整理すると、次式(132)となる。
【0169】
【数18】
【0170】そして、S≒fCL なので、次式(133)
となる。
【0171】
【数19】
【0172】ところで、前述した数値例では温度変化に
よる結像位置変動への影響が非常に小さくなっている。
そこで、前記数値例を基にして補正条件を考察する。前
記数値例を前式(133)に代入すると、K≒0.62
となる。トロイダルレンズ35の樹脂材の屈折率変化係
数kNと屈折率nTが数値例通りであれば、次式(13
4)で示される条件を考慮すればよい。
【0173】
【数20】
【0174】さらに、ホルダ22の線膨張係数kSも数
値例通りとすれば、次式(135)で示される条件を考
慮すればよい。
【0175】
【数21】
【0176】即ち、前式(133),(134),(1
35)を満足するように走査光学系160を製作すれ
ば、温度変化による結像位置のデフォーカスを良好に補
正できる。そして、K,K 1 ,K 2 をそれぞれ前記数値の
0.3〜1.7倍程度になるように設定すれば、光源ユ
ニット21の変形による影響を少なくとも30%軽減
きる。 2 に関しては、0.02<K2<0.11を満足
させればよい。
【0177】次に、第8実施例の構成例を以下の表8に
示す。この場合、第1シリンドリカルレンズ30の焦点
距離fCYは130mm、トロイダルレンズ35の焦点距
離fTは124mmとした。また、トロイダルレンズ3
5からポリゴンミラー31までの距離STは−72m
m、第2シリンドリカルレンズ37から感光体までの距
P は95mmとした。さらに、fθレンズの副走査
方向の倍率βfは−1.2である。
【0178】
【表8】
【0179】以上の構成例において、光源ユニット21
の温度変化ΔT(+30℃)による感光体付近での結像
位置変化量ΔSP'は−1.3mmであり、トロイダルレ
ンズ35と第2シリンドリカルレンズ37の温度変化Δ
T(+30℃)による感光体付近での結像位置変化量
(ΔST1'+ΔSP)は1.3mmである。従って、30
℃の温度上昇時に補正後の感光体付近での結像位置変化
量ΔSPCは0mmとなる。
【0180】[他の実施例] なお、本発明に係るレーザビーム走査光学系は前記実施
例に限定するものではなく、その要旨の範囲で種々に変
更することができる。例えば、前記各実施例において、
主走査方向に強いパワーを持つレンズはガラス製とし、
温度変化を無視できるように構成したが、レンズではな
くミラーとして構成してもよい。この場合、ミラーは樹
脂製としてもよい。樹脂製ミラーは温度変化による性能
の変化が無視できる程小さいからである。
【0181】また、光源ユニット21にあっては、コリ
メータレンズ24の位置を固定する形態を採用したが、
レーザダイオード22の位置を固定する形態にしてもよ
い。また、偏向器としてはポリゴンミラー以外にガルバ
ノミラーを用いてもよい。さらに、レーザダイオードか
ら放射される拡散光は、コリメータレンズによって平行
光に変えられる必要はなく、集光レンズによって、収束
光や発散光に変えられてもよい。
【0182】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、結像光学手段に少なくとも一つの樹脂製レンズ
を用いたため、レーザ光源部での温度変化による集光状
態の変化と樹脂製レンズの温度変化に基づく結像光学系
の集光状態の変化とを最適な状態で相殺することがで
き、最終的には走査光学系の像面上でのデフォーカスを
実用上問題とならない程度に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザビーム走査光学系を備えた
プリンタの概略構成図。
【図2】本発明に係るレーザビーム走査光学系の第1実
施例を示す斜視図。
【図3】レーザ光源ユニットの断面図。
【図4】補正が行われないときのビームの収束状態を示
す説明図、(A)は副走査方向、(B)は主走査方向を
示す。
【図5】第1実施例において、温度上昇時に補正が行わ
れた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図6】第1実施例において、ポリゴンミラーまでのビ
ームの収束状態を示す説明図。
【図7】本発明に係るレーザビーム走査光学系の第2実
施例を示す斜視図。
【図8】第2実施例において、温度上昇時に補正が行わ
れた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図9】第2実施例において、温度上昇時に補正が行わ
れた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図10】本発明に係るレーザビーム走査光学系の第4
実施例を示す斜視図。
【図11】第4実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図12】第4実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図13】第5実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図14】第5実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図15】本発明に係るレーザビーム走査光学系の第6
実施例を示す斜視図。
【図16】第6実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図17】第6実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図18】第7実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図19】第7実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図20】第8実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【図21】第8実施例において、温度上昇時に補正が行
われた場合、ビームの収束状態を示す説明図。
【符号の説明】
100,110,120,130,140,150,1
60…レーザビーム走査光学系 21…レーザ光源ユニット 22…ホルダ 23…レーザダイオード 24…コリメータレンズ 30…第1シリンドリカルレンズ 31…ポリゴンミラー 32,39,40…fθレンズ 35,38…トロイダルレンズ 37,44…第2シリンドリカルレンズ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報に基づいてレーザ光源から放射
    されたレーザビームで偏向器、光学素子を介して走査ラ
    イン上を走査するレーザビーム走査光学系において、 レーザ光源から放射されたビームを略平行光に集光する
    集光レンズと、この集光レンズから出射されたビームを
    偏向器の反射面付近に偏向面と平行に線状に集光する第
    1の結像光学手段と、偏向器によって偏向走査されたビ
    ームを走査ライン上に集光する第2の結像光学手段とを
    備え、 前記第1及び第2の結像光学手段には、偏向面と平行方
    向にパワーが小さく、偏向面と垂直な方向にパワーの大
    きい少なくとも一つの樹脂製レンズが含まれ、前記樹脂
    製レンズが以下の式を満足し、 |f i /f f |>1.8 i :偏向方向についての樹脂製レンズの焦点距離 f :偏向方向についての第2の結像手段の焦点距離 レーザ光源と集光レンズとそれらの保持部材の温度変化
    に基づく集光状態の変化と、前記樹脂製レンズの温度変
    化に基づく集光状態の変化とが、走査ライン上での集光
    状態の変化をほぼ相殺すること、 を特徴とするレーザビーム走査光学系。
  2. 【請求項2】 第1の結像光学手段としてのシリンドリ
    カルレンズが樹脂製であることを特徴とする請求項1記
    載のレーザビーム走査光学系。
  3. 【請求項3】 第2の結像光学手段としてのfθレンズ
    が少なくともトーリック面を有するレンズと走査ライン
    側に配置したシリンドリカルレンズで構成され、前記ト
    ーリック面を有するレンズと前記シリンドリカルレンズ
    が樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のレーザ
    ビーム走査光学系。
  4. 【請求項4】 第2の結像光学手段としてのfθレンズ
    が少なくともトーリック面を有するレンズと走査ライン
    側に配置したシリンドリカルレンズで構成され、前記シ
    リンドリカルレンズが樹脂製であることを特徴とする請
    求項1記載のレーザビーム走査光学系。
  5. 【請求項5】 第2の結像光学手段がfθレンズとその
    前段に配置したトーリック面を有するレンズとで構成さ
    れ、前記トーリック面を有するレンズが樹脂製であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のレーザービーム走査光学
    系。
  6. 【請求項6】 第2の結像光学手段がfθレンズと走査
    ライン側に配置したシリンドリカルレンズとで構成さ
    れ、前記シリンドリカルレンズが樹脂製であることを特
    徴とする請求項1記載のレーザビーム走査光学系。
  7. 【請求項7】 第2の結像光学手段としてfθレンズを
    構成するトーリック面を有するレンズが樹脂製であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のレーザビーム走査光学
    系。
  8. 【請求項8】 第2の結像光学手段がfθレンズと走査
    ライン側に配置したシリンドリカルレンズとで構成さ
    れ、fθレンズを構成するトーリック面を有するレンズ
    が樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のレーザ
    ビーム走査光学系。
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