JP3483133B2 - 光走査装置・光走査装置における線像結像光学系・光走査装置における結像調整方法・画像形成装置 - Google Patents

光走査装置・光走査装置における線像結像光学系・光走査装置における結像調整方法・画像形成装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光走査装置・光
走査装置における線像結像光学系・光走査装置における
結像調整方法・画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光走査装置は、デジタル複写機やレーザ
プリンタ等に関連して広く知られている。これら光走査
装置は「光源からのビーム(この明細書において「光ビ
ーム」を意味する)をカップリング光学系により所定の
ビーム形態のビームとし、このビームを線像結像光学系
により主走査方向に長い線像として結像させ、線像の結
像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向さ
せ、偏向ビームを走査結像光学系により被走査面に向け
て集光し、被走査面上に光スポットを形成して被走査面
の光走査を行う」という構成を取るのが一般的である。
このように、光源側からのビームを線像結像光学系によ
り「光偏向器の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線
像として結像させる」ことにより、光偏向器における所
謂「面倒れ」の補正を行うことができる。近年、デジタ
ル複写機やレーザプリンタにおける画像密度の高密度化
が求められ、被走査面上に形成される光スポットのスポ
ット径は、ますます小径化する傾向にある。また、コス
トの低減や、小径化の実現に必要な「特殊な面形状」を
実現するため、光走査光学系を構成する光学素子の樹脂
化が進んでいる。光スポットは、光偏向器により偏向さ
れた偏向ビームが走査結像光学系により被走査面に向け
て集光されて形成するものであり、理想的には集束する
偏向ビームのビームウエストにより形成されるものであ
る。上記構成の光走査装置では走査結像光学系は「主走
査方向と副走査方向とでパワーの異なるアナモルフィッ
クな光学系」であり、このため、偏向ビームにおける主
走査方向でのビームウエスト位置と副走査方向でのビー
ムウエスト位置とは、一般に完全には合致しない。上記
主走査・副走査方向のビームウエスト位置を、各々連ね
たのが主走査方向および副走査方向の像面であり、これ
らは光学系の像面湾曲に従って湾曲する。「主走査・副
走査方向ともに小径の光スポット」で、良好な光走査を
行うことができるためには、主走査・副走査方向のビー
ムウエスト位置が、光スポットの「主走査方向の位置
(像高)に拘わらず」被走査面と実質的に合致するこ
と、即ち、主走査方向および副走査方向の像面が実質的
に被走査面と合致することが必要であり、このような条
件を満たすべく主走査・副走査方向の像面湾曲を良好に
補正するように光学設計が行われるのである。
【0003】しかし、設計上でいくら良好な結果が得ら
れたとしても、実際的に設計上の光学特性が実現される
わけではない。例えば、走査結像光学系として一般的な
fθレンズに加工誤差や組み付け誤差があると、実際の
偏向ビームの像面位置は被走査面位置に対してずれるの
で、光スポットのスポット径は設計上の値よりも「大径
化」してしまう。fθレンズ等を「実質的に設計通り」
に作成し、高精度に組み付ければ、被走査面上に、実質
的に設計通りのスポット径を持った光スポットを形成で
きるが、fθレンズに「樹脂製レンズ」が含まれている
と、光走査装置内の温度が変化した場合「樹脂レンズの
屈折率変化や形状変化」が生じ、像面が被走査面に対し
てずれる「像面変動」を招来し、スポット径が大径化す
る。また、上記温度変化により、カップリング光学系を
保持する金属保持具が膨張あるいは収縮すると、カップ
リング光学系と光源との距離が微小距離変化してカップ
リング作用が変化し、やはりスポット径増大の原因とな
る。樹脂レンズの「温度変化」に起因する像面変動の向
き(像面が移動する向き)は、樹脂製レンズのパワーが
正の場合と負の場合とで互いに逆の向きに発生するの
で、光源から光偏向器に至る光路上に「fθレンズの樹
脂製レンズと逆のパワーを持つ樹脂製レンズ」を配備
し、各々のパワーを調整することにより、温度変化に伴
なう像面の変動を相殺することが可能である(特開平8
−292388号公報、特許第2804647号公
報)。特開平8−292388号公報記載の方法では、
光源と光偏向器との間に配備される樹脂製レンズは「主
走査方向に関してはパワーを持たない」ので、温度変化
に伴う主走査方向の像面変動に関しては補正機能がな
く、主走査方向のスポット径の大径化を防止できない。
また、特開平8−292388公報記載の全実施例と
も、補正用の「負のパワーを持つ樹脂製レンズ」を平凹
シリンドリカルレンズで構成しているが、実施例にも記
載されたように、曲率半径が約5mm〜8mmとかなり
小さく、加工精度や組み付け精度が厳しくなる。これ
は、温度変化に対する補正機能を「1面のみに持たせて
いる」ためである。
【0004】特許第2804647号公報は、走査結像
光学系に含まれる樹脂製レンズのパワーと「絶対値が等
しく、符号が逆」のパワーをもつ樹脂製レンズを用いて
主走査方向の像面変動を補正し、走査結像光学系の位置
を制限することにより、副走査方向の像面変動を「問題
ないレベルに抑える」ことが開示されている。この方法
によれば、主走査と副走査の両方向において「温度変化
に起因する像面変動」を有効に軽減させることができる
が、走査結像光学系の配置に制限が課せられるので、光
走査装置の光学設計の自由度が大きく制限されていま
う。特開平10−20225号公報や特許第27617
23号公報等は、コリメートレンズ等を光軸方向に機械
的に移動して、像面変動の補正を行う方法を開示してい
るが、機械部品や「結像位置がずれたことを検知する検
知部品」等が必要となり、コストが高くなる上に消費電
力も増大する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、加工誤差
や組み付け誤差に起因する像面位置のずれを、主走査方
向と副走査方向において独立に調整できるようにするこ
とを課題とする。この発明はまた、温度変化に起因する
像面変動を、機械的な構成を用いず、加工や組み付けの
容易な樹脂製光学素子を用い、設計の自由度を狭めるこ
となく、主走査方向・副走査方向につき有効に軽減する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の「光走査装置
における結像調整方法」は「光源側からの所定のビーム
形態のビームを線像結像光学系により主走査方向に長い
線像として結像させ、線像の結像位置近傍に偏向反射面
を持つ光偏向器により偏向させ、偏向ビームを走査結像
光学系により被走査面に向けて集光し、被走査面上に光
スポットを形成して被走査面の光走査を行う光走査装置
において、偏向ビームの結像調整を行う方法」であっ
て、以下の点を特徴とする(請求項1)。即ち、線像結
像光学系を2以上の光学素子により構成し、これら光学
素子に、副走査方向に負のパワーを持つ面を2面以上
と、主走査方向に負のパワーを持つ面とを含める。主走
査方向に負のパワーを持つ面を有する光学素子、および
副走査方向に負のパワーを持つ面を有する他の光学素子
と、光源側光学系(光源・カップリング光学系)および
/または走査結像光学系との相対的な位置関係を、上記
光学素子および他の光学素子につき独立に調整すること
により、偏向ビームの主走査方向および副走査方向のビ
ームウエスト位置を被走査面位置に対して調整する。上
記の如く、光源側光学系および/または走査結像光学系
との相対的な位置関係を調整する上記「光学素子」は
「主走査方向に負のパワーを持つ面」を持つので、これ
に対し上記の「相対的な位置関係」の調整を行うことに
より、主走査方向の像面位置を被走査面に対して調整で
きる。また上記「他の光学素子」は「副走査方向に負の
パワーを持つ面」を含むので、この「他の光学素子」に
対し上記の「相対的な位置関係」の調整を行うことによ
り、副走査方向の像面位置を被走査面に対して調整でき
る。この結像調整方法は、加工誤差や組み付け誤差に起
因する像面の位置ずれを調整するものであるから、線像
結像光学系や走査結像光学系が「樹脂製の光学素子を含
む含まないに拘わらず」実施することが可能である。な
お、上記光学素子や他の光学素子の「相対的な位置調
整」において、線像結像光学系の「構成光学素子」を変
位させる場合は、その変位に機械的な変位機構を用いる
必要はなく、適当な冶具を用いて変位を行い、調整後は
接着剤等により固定することができる。
【0007】 この発明の「線像結像光学系」は「光源
からのビームをカップリング光学系により所定のビーム
形態のビームとし、このビームを線像結像光学系により
主走査方向に長い線像として結像させ、線像の結像位置
近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向させ、偏向
ビームを走査結像光学系により被走査面に向けて集光
し、被走査面上に光スポットを形成して被走査面の光走
査を行う光走査装置における線像結像光学系」である。
請求項2記載の「線像結像光学系」は以下の如き特徴
を有する。 即ち、この線像結像光学系は、1枚以上の
樹脂製レンズと、1枚以上のガラス製レンズとを有す
る。 1枚以上の樹脂製レンズは「副走査方向に負のパ
ワーを持つ面を少なくとも2面、主走査方向に負のパワ
ーを持つ面を少なくとも1面」含み、且つ、上記副走査
方向に負のパワーを持つ面の少なくとも2面は副走査方
向の負のパワーが略同等である。 上記1枚以上の樹脂
製レンズの各面のパワーは「カップリング光学系および
/または走査結像光学系の、温度変化に起因する像面変
動を有効に軽減する」ように設定される。 請求項3記
載の線像結像光学系は以下の如き特徴を有する。 即
ち、この線像結像光学系は、1面以上の樹脂製結像ミラ
ーと、1枚以上のガラス製レンズとを有する。 1面以
上の樹脂製結像ミラーは「主走査方向に負のパワー、副
走査方向により強い負のパワーを持つ面を少なくとも1
面」含む。 上記1以上の樹脂製結像ミラーの各面のパ
ワーは「カップリング光学系および/または走査結像光
学系の、温度変化に起因する像面変動を有効に軽減す
る」ように設定される。請求項4記載の線像結像光学系
は以下の如き特徴を有する。 即ち、この線像結像光学
系は、1面以上の樹脂製結像ミラーと、1枚以上の樹脂
製レンズと、1枚以上のガラス製レンズとを有する。
上記1面以上の樹脂製結像ミラーは「少なくとも副走査
方向に負のパワーを持つ面」を1面以上有し、上記1枚
以上の樹脂製レンズは「少なくとも副走査方向に負のパ
ワーを持つ面」を1面以上有し、これら樹脂製結像ミラ
ーと樹脂製レンズによる系は「主走査方向に負のパワー
を持つ面」を少なくとも1面含む。 上記1面以上の樹
脂製結像ミラーと1枚以上の樹脂製レンズの各面のパワ
ーは「カップリング光学系及び/または走査結像光学系
の、温度変化に起因する像面変動を有効に軽減する」よ
うに設定される。
【0008】 即ち、請求項2または3または4記載の
線像結像光学系は、カップリング光学系及び/または走
査結像光学系の、温度変化に起因する像面変動を有効に
軽減する。「カップリング光学系の温度変化に起因する
像面変動」は、前述した「カップリング光学系を保持す
る金属保持具が、温度変化に伴なって膨張あるいは収縮
し、カップリング光学系と光源との距離が微小距離変化
してカップリング作用が変化」することや、カップリン
グ光学系が樹脂製光学素子を含む場合に「樹脂製光学素
子における温度変化による光学特性が変化」することに
より生じる像面変動であり、この像面変動は、走査結像
光学系が樹脂材料の光学素子を含んでいなくても発生す
る可能性がある。 走査結像光学系の「温度変化に起因
する像面変動」は、走査結像光学系に樹脂製光学素子が
含まれる場合に、該樹脂製光学素子の光学特性が温度変
化により変化することに起因する像面変動である。 走
査結像光学系に樹脂製光学素子が含まれている場合に
は、線像結像光学系を、2枚の樹脂製レンズと1枚のガ
ラス製レンズとを有するように構成し、2枚の樹脂製レ
ンズに「副走査方向に負のパワーを持つ面を3面、主走
査方向に負のパワーを持つ面を1面」含め、2枚の樹脂
製レンズの各面のパワーを「走査結像光学系に含まれる
樹脂製光学素子の温度変化に起因する像面変動を有効に
軽減する」ように設定することができる(請求項5)。
上記請求項3または4または5記載の線像結像光学系
において、線像結像光学系における樹脂製の光学素子
(樹脂製結像ミラー、樹脂製レンズ)に含まれる「副走
査方向に負のパワーを持つ面」の副走査方向のパワーを
「相互に略等しく設定」することができる(請求項
6)。 上記の如く、請求項2〜6の任意の1に記載の
線像結像光学系は、温度変化に起因する像面変動を「樹
脂製の光学素子の温度変化による特性変化による像面変
動で相殺する」ことにより、主走査・副走査の両方向に
つき有効に軽減させることができる。
【0009】前述したように、副走査方向の像面変動を
補正するには、副走査方向に大きな負のパワーを必要と
するが、請求項2記載の線像結像光学系のように、樹脂
製レンズに「副走査方向に負のパワーを持つ面を2面以
上」含めると、像面変動を補正するための副走査方向の
負のパワーが、2面以上のレンズ面に振り分け配分され
るので、各面の負のパワーを小さくでき、これらの面の
副走査方向の曲率半径の小径化傾向を有効に緩和でき、
樹脂製レンズの製造や組み付けが容易になる。また、請
求項3、4記載の線像結像光学系にように、樹脂製結像
ミラーを用いる場合、樹脂製結像ミラーの負のパワーは
「レンズ面における屈折による場合」に比して「より小
さい曲率で実現できる」ため、樹脂製結像ミラーの曲率
半径は大きくて良く、従って、請求項3記載の場合のよ
うに、1面の樹脂製結像ミラーのみによっても像面変動
補正を実現でき、しかも樹脂製結像ミラーの製造や組み
付けが容易である。この発明の光走査装置は「光源側か
らの所定のビーム形態のビームを線像結像光学系により
主走査方向に長い線像として結像させ、線像の結像位置
近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向させ、偏向
ビームを走査結像光学系により被走査面に向けて集光
し、被走査面上に光スポットを形成して被走査面の光走
査を行う光走査装置」である。請求項7記載の光走査装
置は「請求項1記載の結像調整方法」で結像調整を行っ
たのち、線像結像光学系の各光学素子が固定されている
ことを特徴とする。請求項8記載の光走査装置は、線像
結像光学系として「請求項2〜6の任意の1に記載の線
像結像光学系」を用いたことを特徴とする。この場合に
おいて、光走査装置の走査結像光学系が樹脂製光学素子
を含むときは、線像結像光学系として「請求項5記載の
線像結像光学系」を用いることができ(請求項9)、上
記走査結像光学系として「fθレンズ」を用いることが
できる(請求項10)。なお、上の説明において、光源
としては各種のガスレーザや固体レーザ、半導体レーザ
やLEDを用いることができる。また、光走査装置は所
謂シングルビーム方式のもののみならず、マルチビーム
方式のものとすることもでき、その場合、光源として半
導体レーザアレイや複数光源からのビームをプリズムに
よりビーム合成するビーム合成式光源装置を用いること
ができる。また「偏向反射面を持つ光偏向器」としては
回転単面鏡、回転2面鏡や回転多面鏡を、あるいはガル
バノミラーを用いることができる。
【0010】この発明の画像形成装置は「感光媒体の感
光面に光走査装置による光走査を行って潜像を形成し、
潜像を可視化して画像を得る画像形成装置」であって、
感光媒体の感光面の光走査を行う光走査装置として、前
記請求項7〜10の任意の1に記載のものを用いたこと
を特徴とする。請求項11記載の画像形成装置におい
て、感光媒体を「光導電性の感光体」とし、感光面の均
一帯電と光走査装置の光走査とにより形成される静電潜
像を「トナー画像」として可視化するように構成するこ
とができる(請求項12)。トナー画像は、シート状の
記録媒体(転写紙や「OHPシート(オーバヘッドプロ
ジェクタ用のプラスチックシート」等)に定着される。
請求項10または11記載の画像形成装置で、感光媒体
として例えば「銀塩写真フィルム」を用いることもでき
る。この場合、光走査装置による光走査により形成され
た潜像は「通常の銀塩写真プロセスの現像手法」で可視
化できる。このような画像形成装置は例えば「光製版装
置」あるいは「光描画装置」として実施できる。請求項
12記載の画像形成装置は、具体的にはレーザプリンタ
やレーザプロッタ、デジタル複写装置、ファクシミリ装
置等として実施できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、光走査装置の発明の実施
の1形態を説明するための図である。(a)は副走査方
向から見た状態を示し、(b)は光源から被走査面に至
る光路を直線的に展開し、上下方向が副走査方向となる
ように描いた図である。符号1で示す光源は「半導体レ
ーザ」である。光源1から放射された発散性のビーム
は、「カップリング光学系」としてのカップリングレン
ズ2により、以後の光学系に適した所定のビーム形態に
変換される。カップリングされたビームのビーム形態は
「発散性ビーム」となることも「集束性ビーム」となる
こともできるが、この実施の形態では「平行ビーム」で
ある。カップリングされたビームは「線像結像光学系」
を構成する2枚のレンズ3,4を順次に透過し、線像結
像光学系の作用により副走査方向に集光され、「光偏向
器」としての回転多面鏡5の偏向反射面近傍に「主走査
方向に長い線像」として結像する。偏向反射面により反
射されたビームは、走査結像光学系を構成するfθレン
ズ60(この実施の形態では2枚のレンズ6a、6bで
構成されている)を透過し、fθレンズ60の作用によ
り被走査面7に向かって集光され、被走査面7上に光ス
ポットを形成する。回転多面鏡5が等速回転すると、反
射ビームは等角速度的に偏向し、光スポットは被走査面
7を光走査する。このとき、fθレンズ60のfθ特性
に従って光スポットによる光走査が等速化される。fθ
レンズ60を構成する2枚のレンズ6a、6bとも樹脂
製レンズである。従って、光走査装置内に温度変化があ
ると、レンズ6a、6bの材質の屈折率や形状が変化す
る。この変化は像面変動(温度変化に起因する像面変
動)を惹起する。この温度変化に起因する像面変動を、
線像結像光学系により補正する。「線像結像光学系」を
構成する2枚のレンズ3,4のうち、レンズ3は「樹脂
製レンズ」、レンズ4は「ガラス製レンズ」である。
【0012】カップリングレンズ2側からの平行ビーム
が最初に入射する「樹脂製レンズ3の入射面3a」は主
走査方向・副走査方向ともに「負のパワー」を持つが、
この負のパワーは主走査方向と副走査方向とで異なり、
副走査方向の負のパワーがより大きい。レンズ3の射出
面3bは「副走査方向にのみ負のパワーを持つシリンド
リカル面」である。樹脂製レンズ3から射出したビーム
は、ガラス製レンズ4に入射する。ガラス製レンズ4は
「トロイダルレンズ」であり、入射ビームを、主走査方
向においては略平行ビームとし、副走査方向には集光さ
せる。ガラス製レンズ4から射出したビームは、副走査
方向に集光しつつ回転多面鏡5の偏向反射面に入射し、
偏向反射面位置に「主走査方向に長い線像」として結像
する。なお、ガラス製レンズ4は、カップリングレンズ
2からの射出ビームのカップリング状態(カップリング
されたビーム形態)を変える(例えば、カップリングさ
れたビーム形態を若干収束性のビームにする)などする
ことにより、トロイダルレンズでなく「シリンドリカル
レンズ」とすることも可能である。fθレンズ60にお
ける樹脂製レンズ6a、6bの温度変化による「主走査
・副走査方向の像面変動」のうち、主走査方向の像面変
動は、樹脂製レンズ3の入射面3aの「主走査方向の負
のパワー」で補正し、副走査方向の像面変動は、樹脂製
レンズ3の入射面3a及び射出面3bの「負のパワー」
で補正する。fθレンズ60は、偏向反射面位置と被走
査面位置とを副走査方向において幾何光学的に略共役関
係とする結像機能を持つアナモルフィックな結像系であ
り、副走査方向の正のパワーが主走査方向の正のパワー
よりも強いので、温度変動に伴なう主走査・副走査方向
における像面変動は、副走査方向において「より大き
く」なる。このため、副走査方向の像面変動補正には
「より大きな負のパワー」が必要となるが、樹脂製レン
ズ3は入射面3a、射出面3b共に副走査方向に負のパ
ワーを持つので、入射面3a、射出面3bの副走査方向
の曲率半径は「単面で補正する場合」に比して大きくて
良く、従って、樹脂製レンズ3の製造・組み付けが容易
である。また、入射面3a、射出面3bの負のパワーを
略同等にすることで、負のパワーを2面に配分する効果
(一方の面の曲率半径が極端に小さくならない)が大き
くなる。
【0013】図2は光走査装置の実施の別態様を、図1
に倣って描いている。図1におけると同一のものについ
ては、図1におけると同一の符号を付した。この実施の
形態においては、「線像結像光学系」が3枚のレンズ1
0,11,12により構成されている。これら3枚のレ
ンズのうち、レンズ10,11は樹脂製レンズ、レンズ
12はガラス製レンズである。樹脂製レンズ10の入射
面10aは、主走査・副走査方向に負のパワーを持つ
が、副走査方向の負のパワーは、主走査方向の負のパワ
ーよりも強い。樹脂製レンズ10の射出面は、副走査方
向にのみ負のパワーを持つ。樹脂製レンズ11の入射面
11aは副走査方向にのみ負のパワーを持ち、射出面1
1bは平面である。ガラス製レンズ12は、入射面12
aが「副走査方向にのみ正のパワーを持つシリンドリカ
ル面」、射出面12bは「正のパワーを持つ球面」であ
る。従って、fθレンズ60における樹脂製レンズ6
a、6bの温度変化による「主走査・副走査方向の像面
変動」のうち、主走査方向の像面変動は、樹脂製レンズ
10の入射面10aの「主走査方向のパワー」で補正
し、副走査方向の像面変動は、樹脂製レンズ10の入射
面10a、射出面10b、樹脂製レンズ11の入射面1
1aの「各副走査方向のパワー」で補正する。補正に必
要な負のパワーを3面10a、10b、11aに分割配
分しているので、図1の実施の形態の場合よりも更に、
各面の曲率半径を小さくでき、これら樹脂製レンズ1
0,11の製造・組み付けを容易ならしめることが可能
である。勿論、これら3面の負のパワーを互いに略等し
くすることにより、負のパワーを3面に配分する効果が
大きくなる。図2の実施の形態において、樹脂製レンズ
11の射出面にも副走査方向の負のパワーを配分し、補
正に必要な副走査方向の負のパワーを4面に配分するこ
とも勿論可能である。
【0014】図3には、光走査装置の実施の他の形態を
図1に倣って示す。図1におけると同じものについて
は、図1におけると同一の符号を付した。この実施の形
態では「線像結像光学系」は、1面の樹脂製結像ミラー
20と、ガラス製レンズ21とにより構成されている。
樹脂製結像ミラー20はアナモルフィックな凸面形状
で、主走査方向に負のパワーを持ち、副走査方向には
「より強い負のパワー」を持つ。従って、カップリング
レンズ2側からの平行ビームは、樹脂製結像ミラー20
に反射されると発散ビームになるが、副走査方向の発散
性は「主走査方向の発散性」よりも大きい。ガラス製レ
ンズ21は主走査・副走査方向とも正のパワーを持つト
ロイダルレンズであり、副走査方向のパワーがより強
く、透過ビームを「主走査方向に平行ビーム、副走査方
向に集束性ビーム」に変換する。fθレンズ60におけ
る樹脂製レンズ6a、6bの温度変化による「主走査・
副走査方向の像面変動」のうち、主走査方向の像面変動
は、樹脂製結像ミラー20の主走査方向のパワーで補正
し、副走査方向の像面変動は、樹脂製結像ミラー20の
副走査方向のパワーで補正する。反射結像系の反射面の
曲率半径は「同じパワーを屈折面で実現する場合の屈折
面の曲率半径」の略4倍に大きくできるので、この実施
の形態のように、樹脂製結像ミラー20の反射面1面の
みで「像面変動の補正」を行う場合にも、反射面の曲率
半径はそれ程小さくならないので、樹脂製結像ミラー2
0の加工精度や組み付け精度を緩くできる。図4には光
走査装置の実施の更に他の形態を図1に倣って示してい
る。図1におけると同じものについては、図1における
と同一の符号を付した。この実施の形態においては「線
像結像光学系」は、樹脂製結像ミラー30と樹脂製レン
ズ31とガラス製レンズ32とにより構成されている。
樹脂製結像ミラー30は「主走査・副走査方向共に負の
パワー」を有し、樹脂製レンズ31は「入射面・射出面
とも副走査方向にのみ負のパワー」を有する。線像結像
光学系は、光源側からのビームを主走査方向に長い線像
として結像させるから、ガラス製レンズ32は当然に
「副走査方向に正のパワー」を持つ。ガラス製レンズ3
2は主走査方向には「副走査方向よりも弱い正のパワ
ー」を持つ。fθレンズ60における樹脂製レンズ6
a、6bの温度変化に起因する「主走査・副走査方向の
像面変動」のうち、主走査方向の像面変動は「樹脂製結
像ミラー30の主走査方向のパワー」で、副走査方向の
像面変動は「樹脂製結像ミラー30と樹脂製レンズ31
の入・射出面の副走査方向のパワー」で補正する。この
ように、副走査方向の像面変動の補正に必要な負のパワ
ーを、樹脂製結像ミラー30の反射面と、樹脂製レンズ
31のレンズ面とに分割して配分することにより各面の
曲率半径を有効に大きくでき、これら光学素子の製造や
組み付けが容易になることは容易に理解されよう。な
お、主走査方向の像面変動の補正に必要な「主走査方向
の負のパワー」は、これを樹脂製結像ミラー30の反射
面のみに与えても良いし、上記反射面以外に樹脂製レン
ズ31のレンズ面に配分しても良く、あるいは、樹脂製
結像ミラー30には主走査方向のパワーを与えることな
く、樹脂製レンズ31のレンズ面に付与した主走査方向
の負のパワーのみで補正を行うようにすることもでき
る。
【0015】
【実施例】ここで、具体的な実施例を挙げる。この実施
例は、図2に示した実施の形態の具体的な1例である。
光源側からのビームはカップリングレンズにより「平行
ビーム」化される。カップリングレンズは焦点距離:2
7mmのもので、これを保持する鏡筒の材質はアルミニ
ウム(線膨張係数:2.31×10-5)である。従って、
温度が25度Cから10度Cに変化すると、物点とカッ
プリングレンズの距離が0.00936mm縮み、カッ
プリングされた光束は発散気味になる。また、温度が2
5度Cから45度Cに変化すると、物点とカップリング
レンズの距離は0.01247mm延び、カップリング
された光束は集束気味になる。光源1は半導体レーザで
発光波長は780nmである。fθレンズ60は、主走
査方向合成焦点距離:225.3mm、副走査方向合成
焦点距離:78mmのものであり、書き込み幅(有効光
走査幅):±161.5mm、画角:±40.6度であ
る。図2(b)に示した、面間隔:d1〜d6は以下の通
りである。
【0016】d1=3mm、d2=5mm、d3=3m
m、d4=5mm、d5=6mm、d6=129.8mm 樹脂製レンズ10,11、ガラス製レンズ12の各入射
面・射出面の曲率半径は以下の通りである。 10aの曲率半径 主−119.52mm 副−16.7mm 10bの曲率半径 主 ∞ 副 16.7mm 11aの曲率半径 主 ∞ 副−16.7mm 11bの曲率半径 主 ∞ 副 ∞ 12aの曲率半径 主 ∞ 副 13.54mm 12bの曲率半径 −179.978mm(球面) 樹脂製レンズ10,11の屈折率は共に1.52397
8(λ=780nm、25度C)であり、ガラス製レン
ズ12屈折率は1.733278(λ=780nm、2
5度C)である。レンズ面10a、10b、11aは、
副走査方向には同じ曲率半径であるので、これらの面の
副走査方向の負のパワーは互いに同一である。
【0017】この実施例は、上記25度Cを「基準温
度」として設計されたものである。基準温度:25度C
における像面湾曲を図5(a)の中央に示す。破線は主
走査方向、実線は副走査方向を示す。線像結像光学系に
「温度変化に起因する像面変動を補正する機能がない」
場合、即ち、線像結像光学系の光学特性が温度変化に影
響されない場合には、環境温度(光走査装置内温度)が
45度Cに上昇した場合には、主走査・副走査方向の各
像面湾曲は図5(a)の右図のように変動し、環境温度
が10度Cに下がった場合には、主走査・副走査方向の
各像面湾曲は図5(a)の左図のように変動する。実施
例の線像結像光学系の場合、レンズ10,11が樹脂製
で、温度変化と共に光学特性が変化するので、環境温度
が45度Cに上昇した場合、主走査・副走査方向の各像
面湾曲は図5(b)の右図のように補正され、環境温度
が10度Cに下がった場合には、主走査・副走査方向の
各像面湾曲は図5(b)の左図のように補正される。こ
の結果から、上記実施例において、線像結像光学系にお
ける樹脂製レンズ10,11の像面変動補正効果が極め
て良好なものであることが理解されるであろう。ところ
で、被走査面上に形成する光スポットのスポット径を小
さくする場合、波面収差が良好でないと、光スポットの
光強度分布が単純な山形形状にならず、良好なスポット
形状を実現できない。上記実施例における、光スポット
の像高:0mmにおける「副走査方向の波面収差」は、
図6(a)に示す如くである。この波面収差は決して悪
くはないが、最大値(ピークバリュー「PV」)で1λ
以上あるため、副走査方向のスポット径が極めて小さく
なった場合には、副走査方向のスポット径を絞り込むこ
とが難しくなる。このような場合、線像結像光学系中に
「副走査方向に非円弧形状である面」を含めて、波面収
差の補正を行うことが可能である。例えば、実施例にお
けるレンズ10の入射面10aの副走査方向の形状を非
円弧にして、波面収差補正に合せて非円弧形状を最適化
した場合、波面収差は図6(b)に示すようになる。こ
の波面収差では最大値が0.11λであり、図6(a)
の場合の、16分の1程度に補正されている。このよう
な良好な波面収差であれば、副走査方向スポット径を極
めて小さく絞り込んで、良好な光スポットを実現でき
る。
【0018】図7に、上記実施例に関する「デフォーカ
ス(ビームウエストと被走査面とのずれ)とスポット径
の関係」を示す。(a)は主走査方向、(b)は副走査
方向に関するものである。実施例は、光走査を行う光ス
ポットのスポット径として、主走査・副走査方向とも
「40μm」を想定し、スポット径変動幅が、40±4
μmに収まるように、デフォーカス:0の状態で「スポ
ット径が主走査・副走査方向とも37μmを実現する」
ように設計されている。すると、深度:W(スポット径
変動幅が40±4μmに収まるデフォーカス範囲)は、
主走査方向で約2.7mm(±1.35mm)、副走査
方向で約3mm(±1.5mm)である。従って、温度
変化による像面のシフト量は、これを主走査方向で±
1.35mm以内、副走査方向で±1.5mm以内に抑
えなければならない。光走査装置の温度保証域は、およ
そ10℃から45℃位であるので、基準温度(室温)を
25度Cとすると、線像結像光学系により補正された後
の像面位置の「残存変動量」を「0.06mm/度C」
以内に補正すればよいから、線像結像光学系を、このよ
うな条件を満足するように設計すれば良い。また、図1
〜図4の実施の形態では、光源からのビームを1ビーム
としたが、複数のLD等の光源を合成したり、発光点を
複数持った半導体レーザアレイ等の光源を用いるマルチ
ビーム走査方式の光走査装置として、この発明の光走査
装置を実施することもできる。先に説明したように「主
走査方向・副走査方向のビームウエスト位置を、各々連
ねたのが主走査方向および副走査方向の像面」であり、
像面変動量は「各像高におけるビームウエスト位置の変
動」として実測できる。そしてこのビームウエスト位置
の変動は像面湾曲の変動と略等価である。
【0019】以上の説明は、光源から被走査面に至る光
路上に配置される光学素子の個々が、設計通りに加工さ
れて適正な位置に配置されたことが前提である。実際に
光走査装置を実施する場合には、各光学素子に加工誤差
や組み付け誤差が不可避的に発生する。これら誤差は確
率に従って発生し、個々の光学素子に応じて異なる。加
工誤差等が最も発生しやすく、影響も大きいのは走査結
像光学系である。走査結像光学系を構成する光学素子に
加工誤差や組み付け誤差があると、偏向ビームのビーム
ウエスト位置は、被走査面に対してずれることになり、
有効光走査領域に付いては主走査方向・副走査方向の像
面ずれとなって現れる。この発明の結像調整は、上記の
如き場合に、主走査・副走査方向のビームウエスト位置
を被走査面に対して調整する方法である。例えば、光走
査装置の光学系構成が前述の図4の如きものである場合
に、fθレンズ60等の加工誤差等により、主走査・副
走査方向のビームウエスト位置が被走査面7に対してず
れた場合、結像調整は以下の如くに行うことができる。
即ち、図8に示すように、線像結像光学系を構成する樹
脂製結像ミラー30、樹脂製レンズ31、ガラス製レン
ズ32のうち、樹脂製レンズ31とガラス製レンズ32
とを光軸方向に変位可能とする。ガラス製レンズ32は
主走査方向にもパワーを持っているので、ガラス製レン
ズ32を光軸方向に移動させることによって、fθレン
ズ60等の加工誤差等によって発生する「主走査方向に
おけるビームウェスト位置のずれ」を補正し、同ビーム
ウエスト位置が被走査面7上に略一致するように調整で
きる、このような調整後、ガラス製レンズ32を固定す
る。樹脂製レンズ31は副走査方向のみにパワーを持っ
ているので、樹脂製レンズ31を光軸方向に移動させる
ことによって、(先に調整した)主走査方向のビームウ
ェスト位置をずらすことなく、fθレンズ60等の加工
誤差等によって発生する「副走査方向におけるビームウ
ェスト位置のずれ」を補正し、同ビームウエスト位置が
被走査面7上に略一致するように調整でき、このような
調整後、樹脂製レンズ31を固定する。このように結像
調整を行うことにより、主走査・副走査方向とも、像面
と被走査面7との良好な一致を実現できる。
【0020】上記樹脂製レンズ31、ガラス製レンズ3
2の「調整後の固定」において、これらレンズのうちの
少なくとも1枚を「紫外線硬化樹脂等で固定する空中接
着」にすることで、従来、レンズホルダを光軸回りに回
転させるために必要だったV溝が不要になる。また、樹
脂製レンズ31の固定を上記空中接着にすると「板バネ
等で負荷を加える必要」がないので不要な変形を抑える
ことができる(請求項6)。図9は、図2に示した光走
査装置の場合において、結像調整方法を実施する場合を
説明するための図である。樹脂製レンズ10は主走査方
向にパワーを持っているので、樹脂製レンズ10を光軸
方向に移動させることによって、fθレンズ60等の加
工誤差等によって発生する「主走査方向におけるビーム
ウェスト位置のずれ」補正し、同ビームウエスト位置を
被走査面7上に略一致するように調整できる。このよう
な調整後、樹脂製レンズ10を固定する。樹脂製レンズ
11は副走査方向にパワーを持っているので、樹脂製レ
ンズ11を光軸方向に移動させることによって、fθレ
ンズ60等の加工誤差等によって発生する「副走査方向
におけるビームウェスト位置のずれ」を補正し、同ビー
ムウエスト位置を被走査面7上に略一致するように調整
できる。このような調整後、樹脂製レンズ11を固定で
きる。主走査・副走査方向に異なった負のパワーを持つ
樹脂製レンズ10を光軸方向に移動させて「主走査方向
におけるビームウェスト位置」を被走査面7上に略一致
するように調整した場合、それによって副走査方向にお
けるビームウェスト位置がずれるが、樹脂製レンズ11
は副走査方向のみにパワーを持っているので、「副走査
方向におけるビームウェスト位置」を被走査面7上に略
一致するように調整することができる。ところで、樹脂
製レンズ10,11はアナモルフィックであるから、こ
れらのレンズに、光軸の回りの回転的な位置誤差や、副
走査方向の光軸ずれがあると、波面収差に劣化を来た
し、小径の光スポットを良好に形成する事が困難にな
る。例えば、前述の実施例の場合において、樹脂製レン
ズ10の「入射側レンズ面10a面の副走査方向の形状
を非円弧形状として最適化を図った場合」の波面収差
は、前述したように図6(b)に示す如くであるが、こ
の場合、樹脂製レンズ10を、正規の位置から副走査方
向に0.1mmシフトすると、波面収差は図10(a)
に示すように最大値で0.44λに劣化する。また、樹
脂製レンズ10を正規の向きから光軸回りに0.05度
回転させると、波面収差は図10(b)に示すように、
最大値で0.53λに劣化する。従って、樹脂製レンズ
10や11を固定するに際しては、光軸回りの回転態位
及び副走査方向の位置を調整するのがよい。図9では、
樹脂製レンズ10と樹脂製レンズ11は、調整後「紫外
線硬化樹脂等で固定する空中接着」により固定される。
ガラス製レンズ12はベース90に接して固定される。
樹脂製レンズ10と樹脂製レンズ11はそれぞれチャッ
キングされ、空中に浮いた状態で、上述の調整を行わ
れ、紫外線硬化樹脂等で接着固定される。このため、樹
脂製レンズ10と樹脂製レンズ11はそれぞれ、接着剤
100、101を介してベース90に固定される。な
お、図8、図9に即して説明した結像調整方法の場合に
おいて、ビームウエスト位置の調整のために「樹脂製結
像ミラー20または30と光源側光学系(光源1とカッ
プリングレンズ2)との相対的な位置関係」を調整する
ことを利用することもできる。
【0021】上に、図1および図2に即して実施の形態
を説明した光走査装置が有する線像結像光学系は、光源
1からのビームをカップリング光学系2により所定のビ
ーム形態のビーム(平行ビーム)とし、このビームを線
像結像光学系3,4(10,11,12)により主走査
方向に長い線像として結像し、線像の結像位置近傍に偏
向反射面を持つ光偏向器5により偏向させ、偏向ビーム
を走査結像光学系60により被走査面7に向けて集光
し、被走査面7上に光スポットを形成して被走査面7の
光走査を行う光走査装置における線像結像光学系であっ
て、1枚以上の樹脂製レンズ3(10,11)と、1枚
以上のガラス製レンズ4(12)とを有し、1枚以上の
樹脂製レンズ4(10,11)は、副走査方向に負のパ
ワーを持つ面3a、3b(10a、10b、11a)を
少なくとも2面、主走査方向に負のパワーを持つ面3a
(10a)を少なくとも1面含み、走査結像光学系60
の、温度変化に起因する像面変動を有効に軽減するよう
に、上記1枚以上の樹脂製レンズの各面のパワーが設定
された線像結像光学系(請求項2)である。また、図3
に即して実施の形態を説明した光走査装置が有する線像
結像光学系は、光源1からのビームをカップリング光学
系2により所定のビーム形態のビームとし、このビーム
を線像結像光学系20,21により主走査方向に長い線
像として結像し、線像の結像位置近傍に偏向反射面を持
つ光偏向器5により偏向させ、偏向ビームを走査結像光
学系60により被走査面7に向けて集光し、被走査面7
上に光スポットを形成して被走査面7の光走査を行う光
走査装置における線像結像光学系であって、樹脂製結像
ミラー20と、ガラス製レンズ21とを有し、樹脂製結
像ミラー20は、主走査方向に負のパワー、副走査方向
により強い負のパワーを持つ面を有し、走査結像光学系
60の、温度変化に起因する像面変動を有効に軽減する
ように、樹脂製結像ミラーの面のパワーが設定された線
像結像光学系(請求項3)である。
【0022】また、図4に即して実施の形態を説明した
光走査装置の有する線像結像光学系は、光源1からのビ
ームをカップリング光学系2により所定のビーム形態の
ビームとし、このビームを線像結像光学系30,31,
32により主走査方向に長い線像として結像し、線像の
結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器5により偏向
させ、偏向ビームを走査結像光学系60により被走査面
7に向けて集光し、被走査面7上に光スポットを形成し
て被走査面7の光走査を行う光走査装置における線像結
像光学系であって、1面以上の樹脂製結像ミラー30
と、1枚以上の樹脂製レンズ31と、1枚以上のガラス
製レンズ32とを有し、樹脂製結像ミラー30は、少な
くとも副走査方向に負のパワーを持つ面を有し、樹脂製
レンズ31は、少なくとも副走査方向に負のパワーを持
つ面を1面以上有し、これら樹脂製結像ミラー30と樹
脂製レンズ31による系は、主走査方向に負のパワーを
持つ面(樹脂製結像ミラーの面)を少なくとも1面含
み、走査結像光学系60の、温度変化に起因する像面変
動を有効に軽減するように、1面以上の樹脂製結像ミラ
ーと1枚以上の樹脂製レンズの各面のパワーが設定され
たもの(請求項4)である。また、上に説明した実施例
の線像結像光学系は、2枚の樹脂製レンズ10,11
と、1枚のガラス製レンズ12とを有し、2枚の樹脂製
レンズ10,11は、副走査方向に負のパワーを持つ面
を3面(10a、10b、11a)、主走査方向に負の
パワーを持つ面を1面(10a)含み、走査結像光学系
60に含まれる樹脂製光学素子6bの温度変化に起因す
る像面変動を有効に軽減するように、2枚の樹脂製レン
ズ10,11の各面のパワーが設定されたもの(請求項
5)であり、樹脂製の結像光学素子10,11に含まれ
る副走査方向に負のパワーを持つ面(10a、10b、
11a)の、副走査方向のパワーを相互に略等しく設定
したもの(請求項6)である。上に図1〜4に即して実
施の形態を説明した光走査装置は、光源1側からの所定
のビーム形態のビームを線像結像光学系3,4(10,
11,12あるいは20,21または30,31,3
2)により主走査方向に長い線像として結像させ、線像
の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器5により偏
向させ、偏向ビームを走査結像光学系60により被走査
面7に向けて集光し、被走査面7上に光スポットを形成
して被走査面7の光走査を行う光走査装置において、上
記請求項2〜6の1つに記載の線像結像光学系を用いた
もの(請求項8)であり、走査結像光学系60が樹脂製
光学素子6bを含み、線像結像光学系として、請求項5
記載の線像結像光学系(実施例記載のもの)を用いるこ
とができる(請求項9)。また、走査結像光学系60は
fθレンズである(請求項10)。上に説明した実施の
各形態では、走査結像光学系60における温度変化に起
因する像面変動を線像結像光学系により補正している
が、勿論、カップリング光学系または「カップリング光
学系および走査結像光学系」の、温度変化に起因する像
面変動を有効に軽減するように線像結像光学系を構成で
きることは明らかである。
【0023】また、図8、図9に即して実施の形態を説
明した結像調整方法は、光源1側からの所定のビーム形
態のビームを線像結像光学系30,31,32(10,
11,12)により主走査方向に長い線像として結像さ
せ、線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器5
により偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系60によ
り被走査面7に向けて集光し、被走査面7上に光スポッ
トを形成して被走査面7の光走査を行う光走査装置にお
いて、偏向ビームの結像調整を行う方法であって、線像
結像光学系を2以上の光学素子30,31,32(1
0,11,12)により構成し、これら光学素子に、副
走査方向に負のパワーを持つ面を2面以上と、主走査方
向に負のパワーを持つ面とを含め、主走査方向に負のパ
ワーを持つ面を有する光学素子、および副走査方向に負
のパワーを持つ面を有する他の光学素子と、走査結像光
学系との相対的な位置関係を、光学素子31(10)お
よび他の光学素子32(12)につき独立に調整するこ
とにより、偏向ビームの主走査方向および副走査方向の
ビームウエスト位置を被走査面位置に対して調整する結
像調整方法(請求項1)であり、上記光走査装置の各実
施の形態において、この結像調整方法で結像調整を行っ
て、線像結像光学系の各光学素子を固定すれば請求項7
記載の光走査装置が実施される。最後に、図11を参照
して画像形成装置の実施の1形態を説明する。この画像
形成装置は「レーザプリンタ」である。レーザプリンタ
100は、感光媒体111として「円筒状に形成された
光導電性の感光体」を有している。感光媒体111の周
囲には、帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置
113、転写ローラ114、クリーニング装置115が
配備されている。帯電手段としては周知の「コロナチャ
ージャ」を用いることもできる。また、レーザビームL
Bによる光走査装置117が設けられ、帯電ローラ11
2と現像装置113との間で「光書き込による露光」を
行うようになっている。図11において、符号116は
定着装置、符号118はカセット、符号119はレジス
トローラ対、符号120は給紙コロ、符号121は搬送
路、符号122は排紙ローラ対、符号123はトレイ、
符号Pは記録媒体としての転写紙を示している。画像形
成を行うときは、光導電性の感光体である感光媒体11
1が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ1
12により均一帯電され、光走査装置117のレーザビ
ームLBの光書き込による露光を受けて静電潜像が形成
される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であっ
て画像部が露光されている。この静電潜像は、現像装置
113により反転現像され、像担持体111上にトナー
画像が形成される。転写紙Pを収納したカセット118
は、画像形成装置100本体に着脱可能であり、図のご
とく装着された状態において、収納された転写紙Pの最
上位の1枚が給紙コロ120により給紙される。給紙さ
れた転写紙Pは先端部をレジストローラ対119に銜え
られる。レジストローラ対119は、像担持体111上
のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングをあ
わせて、転写紙Pを転写部へ送りこむ。送りこまれた転
写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせら
れ、転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転
写される。トナー画像を転写された転写紙Pは定着装置
116へ送られ、定着装置116においてトナー画像を
定着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122に
よりトレイ123上に排出される。トナー画像が転写さ
れた後の像担持体111の表面は、クリーニング装置1
15によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除
去される。なお、転写紙に代えて前述のOHPシート等
を用いることもでき、トナー画像の転写は、中間転写ベ
ルト等の「中間転写媒体」を介して行うようにすること
もできる。光走査装置117として、上に説明した実施
の各形態のものを用いることにより良好な画像形成を実
行することができる。従って、この画像形成装置は、感
光媒体111の感光面に光走査装置117による光走査
を行って潜像を形成し、潜像を可視化して画像を得る画
像形成装置であって、感光媒体の感光面の光走査を行う
光走査装置117として、前述の請求項7〜10の任意
の1に記載のものを用いることができ(請求項11)、
感光媒体111が光導電性の感光体であり、感光面の均
一帯電と光走査装置の光走査とにより形成される静電潜
像が、トナー画像として可視化される(請求項12)。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、新規な光走査装置・光走査装置における線像結像光
学系・光走査装置における結像調整方法・画像形成装置
を実現できる。この発明の線像結像光学系によれば、光
走査装置内に含まれる樹脂材料の光学素子の温度変化に
起因する像面変動を、機械的な構成を用いず、設計の自
由度を狭めることなく、「加工や組み付けの容易な樹脂
製光学素子」を用いて主走査方向・副走査方向につき有
効に軽減できる。従って、このような線像結像光学系を
用いる光走査装置は、温度変化の実用的な許容範囲内に
おいて、温度変化に関わらず、スポット径の大径化を有
効に防止もしくは軽減して良好な光走査を実現できる。
また、この発明の結像調整方法によれば、fθレンズ等
の光学素子の加工誤差等に起因する、偏向ビームの主走
査・副走査方向のビームウエスト位置を、互いに独立し
て被走査面に対して調整でき、このような調整を行った
後に線像結像光学系の光学素子を固定すれば、主走査・
副走査方向のビームウエスト位置が被走査面とよく合致
するので、良好な光走査が可能である。また、この発明
の画像形成装置は、上記の如き光走査装置を用いること
により、温度変化に関わらず常に良好な画像形成を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光走査装置の実施の1形態を説明す
るための図である。
【図2】この発明の光走査装置の実施の別形態を説明す
るための図である。
【図3】この発明の光走査装置の実施の他の形態を説明
するための図である。
【図4】この発明の光走査装置の実施のさらに他の形態
を説明するための図である。
【図5】実施例における、温度変化に起因する像面変動
と、その補正を説明するための図である。
【図6】実施例における波面収差(a)と、実施例にお
けるレンズ面の1つの副走査方向の形状を非円弧化した
ときの波面収差(b)を示す図である。
【図7】実施例に関する、デフォーカスとスポット径の
関係を示す図である。
【図8】請求項1記載の結像調整方法を、図3の実施の
形態において実施する場合を説明するための図である。
【図9】請求項1記載の結像調整方法を、図2の実施の
形態において実施する場合を説明するための図である。
【図10】実施例の場合において、樹脂製レンズ10
が、光軸回りに方位誤差を持つ場合および副走査方向に
ずれた場合における波面収差の劣化を説明するための図
である。
【図11】画像形成装置の実施の1形態を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 光源(半導体レーザ) 2 カップリング光学系(カップリングレンズ) 3 線像結像光学系を構成する樹脂製レンズ 4 線像結像光学系を構成するガラス製レンズ 5 光偏向器(回転多面鏡) 60 走査結像光学系(fθレンズ) 7 被走査面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02B 17/08 B41J 3/00 D H04N 1/113 H04N 1/04 104A

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源側からの所定のビーム形態のビームを
    線像結像光学系により主走査方向に長い線像として結像
    させ、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏
    向器により偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系によ
    り被走査面に向けて集光し、上記被走査面上に光スポッ
    トを形成して被走査面の光走査を行う光走査装置におい
    て、偏向ビームの結像調整を行う方法であって、 線像結像光学系を2以上の光学素子により構成し、これ
    ら光学素子に、副走査方向に負のパワーを持つ面を2面
    以上と、主走査方向に負のパワーを持つ面とを含め、 主走査方向に負のパワーを持つ面を有する光学素子、お
    よび副走査方向に負のパワーを持つ面を有する他の光学
    素子と、光源側光学系および/または走査結像光学系と
    の相対的な位置関係を、上記光学素子および他の光学素
    子につき独立に調整することにより、偏向ビームの主走
    査方向および副走査方向のビームウエスト位置を被走査
    面位置に対して調整することを特徴とする、光走査装置
    における結像調整方法。
  2. 【請求項2】光源からのビームをカップリング光学系に
    より所定のビーム形態のビームとし、このビームを線像
    結像光学系により主走査方向に長い線像として結像し、
    上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器に
    より偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系により被走
    査面に向けて集光し、上記被走査面上に光スポットを形
    成して被走査面の光走査を行う光走査装置における線像
    結像光学系であって、 1枚以上の樹脂製レンズと、1枚以上のガラス製レンズ
    とを有し、 上記1枚以上の樹脂製レンズは、副走査方向に負のパワ
    ーを持つ面を少なくとも2面、主走査方向に負のパワー
    を持つ面を少なくとも1面含み、且つ、上記副走査方向
    に負のパワーを持つ面の少なくとも2面は副走査方向の
    負のパワーが略同等であり、 カップリング光学系および/または走査結像光学系の、
    温度変化に起因する像面変動を有効に軽減するように、
    上記1枚以上の樹脂製レンズの各面のパワーが設定され
    たことを特徴とする線像結像光学系。
  3. 【請求項3】光源からのビームをカップリング光学系に
    より所定のビーム形態のビームとし、このビームを線像
    結像光学系により主走査方向に長い線像として結像し、
    上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器に
    より偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系により被走
    査面に向けて集光し、上記被走査面上に光スポットを形
    成して被走査面の光走査を行う光走査装置における線像
    結像光学系であって、 1面以上の樹脂製結像ミラーと、1枚以上のガラス製レ
    ンズとを有し、 上記1面以上の樹脂製結像ミラーは、主走査方向に負の
    パワー、副走査方向により強い負のパワーを持つ面を少
    なくとも1面含み、 カップリング光学系および/または走査結像光学系の、
    温度変化に起因する像面変動を有効に軽減するように、
    上記1以上の樹脂製結像ミラーの各面のパワーが設定さ
    れたことを特徴とする線像結像光学系。
  4. 【請求項4】光源からのビームをカップリング光学系に
    より所定のビーム形態のビームとし、このビームを線像
    結像光学系により主走査方向に長い線像として結像し、
    上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器に
    より偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系により被走
    査面に向けて集光し、上記被走査面上に光スポットを形
    成して被走査面の光走査を行う光走査装置における線像
    結像光学系であって、 1面以上の樹脂製結像ミラーと、1枚以上の樹脂製レン
    ズと、1枚以上のガラス製レンズとを有し、 上記1面以上の樹脂製結像ミラーは、少なくとも副走査
    方向に負のパワーを持つ面を1面以上有し、上記1枚以
    上の樹脂製レンズは、少なくとも副走査方向に負のパワ
    ーを持つ面を1面以上有し、これら樹脂製結像ミラーと
    樹脂製レンズによる系は、主走査方向に負のパワーを持
    つ面を少なくとも1面含み、 カップリング光学系及び/または走査結像光学系の、温
    度変化に起因する像面変動を有効に軽減するように、上
    記1面以上の樹脂製結像ミラーと1枚以上の樹脂製レン
    ズの各面のパワーが設定されたことを特徴とする線像結
    像光学系。
  5. 【請求項5】光源からのビームをカップリング光学系に
    より所定のビーム形態のビームとし、このビームを線像
    結像光学系により主走査方向に長い線像として結像し、
    上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器に
    より偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系により被走
    査面に向けて集光し、上記被走査面上に光スポットを形
    成して被走査面の光走査を行う光走査装置における線像
    結像光学系であって、 2枚の樹脂製レンズと、1枚のガラス製レンズとを有
    し、 上記2枚の樹脂製レンズは、副走査方向に負のパワーを
    持つ面を3面、主走査方向に負のパワーを持つ面を1面
    含み、 走査結像光学系に含まれる樹脂製光学素子の温度変化に
    起因する像面変動を有効に軽減するように、上記2枚の
    樹脂製レンズの各面のパワーが設定されたことを特徴と
    する線像結像光学系。
  6. 【請求項6】請求項3または4または5記載の線像結像
    光学系において、 線像結像光学系における樹脂製の光学素子に含まれる副
    走査方向に負のパワーを持つ面の、副走査方向のパワー
    を、相互に略等しく設定したことを特徴とする線像結像
    光学系。
  7. 【請求項7】光源側からの所定のビーム形態のビームを
    線像結像光学系により主走査方向に長い線像として結像
    させ、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏
    向器により偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系によ
    り被走査面に向けて集光し、上記被走査面上に光スポッ
    トを形成して被走査面の光走査を行う光走査装置におい
    て、 請求項1記載の結像調整方法で結像調整を行って、線像
    結像光学系の各光学素子が固定されていることを特徴と
    する光走査装置。
  8. 【請求項8】光源側からの所定のビーム形態のビームを
    線像結像光学系により主走査方向に長い線像として結像
    させ、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏
    向器により偏向させ、偏向ビームを走査結像光学系によ
    り被走査面に向けて集光し、 上記被走査面上に光スポットを形成して被走査面の光走
    査を行う光走査装置において、 請求項2〜6の任意の1に記載の線像結像光学系を用い
    たことを特徴とする光走査装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の光走査装置において、 走査結像光学系が樹脂製光学素子を含み、 請求項5記載の線像結像光学系を用いたことを特徴とす
    る光走査装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の光走査装置において、 走査結像光学系がfθレンズであることを特徴とする光
    走査装置。
  11. 【請求項11】感光媒体の感光面に光走査装置による光
    走査を行って潜像を形成し、上記潜像を可視化して画像
    を得る画像形成装置であって、 感光媒体の感光面の光走査を行う光走査装置として、請
    求項7〜10の任意の1に記載のものを用いたことを特
    徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載の画像形成装置におい
    て、 感光媒体が光導電性の感光体であり、感光面の均一帯電
    と光走査装置の光走査とにより形成される静電潜像が、
    トナー画像として可視化されることを特徴とする画像形
    成装置。
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