JP2004317790A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学素子の取り付けや製造誤差等で生じる走査線湾曲を低減すると共に、像面湾曲やスポット径の変動等の光学特性も良好に補正することのできる光走査装置を得ること。
【解決手段】光源手段1と、該光源手段から出射した光束を偏向手段5に導光する第1の光学系23と、該偏向手段からの光束を被走査面7上に導光する第2の光学系6と、を具備する光走査装置において、該第2の光学系は、第1、第2の光学素子6a,6bを含む複数の光学素子を有し、副走査断面内における該第1、第2の光学素子の屈折力をPp、Psとするとき、|Pp/Ps|≦0.4なる条件を満足すること。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置に関し、特に光源手段から出射した光束を光偏向器としてのポリゴンミラーにより反射偏向させ、走査レンズ系を介して被走査面上を光走査して画像情報を記録するようにした、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタやデジタル複写機、マルチファンクションプリンタ(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりレーザービームプリンタ等の光走査装置においては光源手段から画像信号に応じて光変調され出射した光束を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成る光偏向器により周期的に偏向させ、fθ特性を有するfθレンズ系によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に収束させ、該記録媒体面上を光走査して画像記録を行なっている。
【0003】
図17は従来の光走査装置の要部概略図である。
【0004】
同図において、91は光源手段であり、例えば半導体レーザより成っている。92は開口絞りであり、光源手段91から射出した光束を所望の最適なビーム形状に整形している。93はコリメーターレンズであり、開口絞り92を通過した光束を略平行光束に変換している。94はシリンドリカルレンズであり、副走査方向のみに所定の屈折力を有している。尚、開口絞り92、コリメーターレンズ93、そしてシリンドリカルレンズ94等の各要素は入射光学系102の一要素を構成している。
【0005】
95は偏向手段としての光偏向器であり、例えば回転多面鏡より成り、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。101はfθ特性を有する走査レンズ系(fθレンズ系)であり、2枚の走査レンズ(fθレンズ)101a,101bより成り、副走査断面内において光偏向器95の偏向面95a近傍と被走査面としての感光ドラム面99近傍との間を共役関係にすることにより倒れ補正機能を有している。
【0006】
96は同期検出用の結像レンズ(BDレンズ)であり、感光ドラム面99上の走査開始位置のタイミングを調整するための同期信号検知用の光束(BD光束)を主走査断面内において同期検出用のスリット(BDスリット)97面上に結像させている。また副走査断面内において偏向器の偏向面倒れを補正する所謂、面倒れ補正機能を備えている。98は同期検出素子としての光センサー(BDセンサー)であり、同図においては該BDセンサー98からの出力信号を検知して得られた同期信号(BD信号)を用いて感光ドラム面99上への画像記録の走査開始位置のタイミングを調整している。
【0007】
同図において光源手段91から出射した発散光束は開口絞り92によって該光束(光量)を整形され、コリメーターレンズ93によって略平行光束(もしくは略発散光束もしくは略収束光束)とされ、副走査方向のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ94に入射している。シリンドリカルレンズ94に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で出射し、副走査断面内においては収束して光偏向器95の偏向面95a近傍にほぼ線像として結像している。
【0008】
そして光偏向器95の偏向面95aで反射偏向された光束は走査レンズ系101を介して感光ドラム面99上へ導光され、該光偏向器95を矢印A方向に回転させることによって該感光ドラム面99上を矢印B方向(主走査方向)に光走査して画像情報の記録を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記走査レンズ系101を構成する2枚の走査レンズ101a,101bは、それぞれが副走査断面内において屈折力(パワー)を有しているため、該走査レンズ101a,101bを光学箱に取り付ける際に、該走査レンズ101a,101bが基準位置に対してシフト又は/及びチルトしたときに感光ドラム面99上で走査線が副走査方向に湾曲し、画像を劣化させるという問題点がある。
【0010】
また感光ドラム面99上の走査線照射位置や走査線傾きや走査線の伸び等を走査レンズ101a,101bを用いてシフト又は/及びチルトさせて補正したときには走査線が副走査方向に湾曲し、画像を劣化させるという問題点もある。
【0011】
特に複数の感光ドラム面上に画像を重ね合わせ、多色画像を形成するカラー画像形成装置の場合には色ずれが発生するという問題点がある。
【0012】
本発明は光学素子の取り付けや製造誤差等で生じる走査線湾曲を低減すると共に、像面湾曲やスポット径の変動等の光学特性をも良好に補正することのできる光走査装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の光走査装置は、
光源手段と、該光源手段から出射した光束を偏向手段に導光する第1の光学系と、該偏向手段からの光束を被走査面上に導光する第2の光学系と、を具備する光走査装置において、
該第2の光学系は、第1、第2の光学素子を含む複数の光学素子を有し、副走査断面内における該第1、第2の光学素子の屈折力をPp、Psとするとき、
|Pp/Ps|≦0.4 ‥‥(1)
なる条件を満足することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は本発明の光走査装置の実施形態1の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図2は図1の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。
【0015】
ここで、主走査方向とは偏向手段の回転軸及び走査レンズ系の光軸に垂直な方向(偏向手段で光束が反射偏向(偏向走査)される方向)を示し、副走査方向とは偏向手段の回転軸と平行な方向を示す。また主走査断面とは主走査方向に平行で走査レンズ系の光軸を含む平面を示す。また副走査断面とは主走査断面と垂直な断面を示す。
【0016】
同図において1は光源手段であり、例えば半導体レーザ等より成っている。23は第1の光学系であり、コリメーターレンズより成る光学素子(光束変換素子)2とシリンドリカルレンズより成る光学素子(レンズ系)3とを有している。コリメーターレンズ2は光源手段1から放射された光束を略平行光束に変換している。シリンドリカルレンズ3は副走査方向にのみ所定のパワーを有しており、コリメーターレンズ2を通過した光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏向面(反射面)5aにほぼ線像として結像させている。4は開口絞りであり、通過光束を制限してビーム形状を整形している。尚、コリメーターレンズ2、シリンドリカルレンズ3、開口絞り4等の各要素は入射光学系の一要素を構成している。
【0017】
5は偏向手段としての光偏向器であり、例えば4面構成のポリゴンミラー(回転多面鏡)より成っており、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
【0018】
6は集光機能とfθ特性とを有する第2の光学系としての走査レンズ系(fθレンズ系)であり、光偏向器5側から順にプラスチック材料より成る第1、第2の2枚の光学素子(走査レンズ)6a,6bを有し、共に主走査断面内で非円弧形状のアナモフィックレンズより成り、光偏向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面としての感光ドラム面7上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。
【0019】
7は被走査面としての感光ドラム面である。
【0020】
本実施形態において画像情報に応じて光源手段1から光変調され出射した光束はコリメータレンズ2により略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ3に入射する。シリンドリカルレンズ3に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で出射して開口絞り4を通過する(一部遮光される)。また副走査断面内においては収束して開口絞り4を通過し(一部遮光される)光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像する。そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光束は走査レンズ系6により感光ドラム面7上にスポット状に結像され、該光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム面7上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。これにより記録媒体である感光ドラム面7上に画像記録を行っている
本実施形態において走査レンズ系6を構成する第1、第2の走査レンズ6a,6bの形状は次式の関数で表わされる。
【0021】
例えば第1、第2の走査レンズ6a,6bと光軸との交点を原点とし、図1に示すように光軸に対して走査開始側7aと走査終了側7bでの主走査断面内の面形状は、光軸をX軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をY軸、副走査断面内で光軸と直交する方向をZ軸としたとき、
走査開始側7aの面形状は
【0022】
【数1】
Figure 2004317790
【0023】
走査終了側7bの面形状は
【0024】
【数2】
Figure 2004317790
【0025】
で表される。
【0026】
但し,Rは曲率半径、K,B、B、B、B10は非球面係数である。
【0027】
本実施形態では第1、第2の走査レンズ6a,6bの主走査断面内の形状を光軸に対して略対称に形成している、即ち、走査開始側7aと走査終了側7bの非球面係数を一致させている。
【0028】
また副走査断面内は光軸に対して走査開始側7aと走査終了側7bで第1、第2の走査レンズ6a,6bのうち、第2の走査レンズ6bの出射面(最も被走査面側のレンズ面)r4の曲率を、該走査レンズ6bの有効部内において連続的に変化させている。
【0029】
この出射面r4は走査レンズ系を構成する複数のレンズの複数のレンズ面のうち最も屈折力(パワー、焦点距離の逆数)が強く成るように構成されている。また第1の走査レンズ6aは主走査断面内において非円弧な面を含んでいる。
【0030】
第1、第2の走査レンズ6a,6bの副走査断面内の形状は図2に示すように光軸に対して走査開始側と走査終了側で、光軸をX軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をY軸、副走査断面内で光軸と直交する方向をZ軸としたとき、以下の連続関数で表せる。
【0031】
走査開始側7aの面形状は
【0032】
【数3】
Figure 2004317790
【0033】
走査終了側7bの面形状は
【0034】
【数4】
Figure 2004317790
【0035】
で表される。
【0036】
但し、r′は副走査方向の曲率半径、D、D、D、D、D10は係数である。
【0037】
係数のサフィックスsは走査開始側、eは走査終了側を表している。尚、副走査方向の曲率半径とは主走査方向の形状(母線)に直交する断面内における曲率半径のことである。
【0038】
本実施形態では副走査断面内のピント補正(像面湾曲補正)と走査レンズ系6における副走査断面内の倍率の一様性(スポット径の像高による変動)を補正するために上記の如く第2の走査レンズ6bの出射面r4の副走査断面内の曲率を、該走査レンズ6bの有効部内において連続的に変化させている。
【0039】
通常の光走査装置においては副走査断面内の曲率を少なくとも2面変化させて像面湾曲とスポット径の変動の両者を補正しているが、本実施形態では主走査断面内の形状で倍率の一様性が補正されるように構成しているため、第2の走査レンズ6bの出射面r4、一面のみ変化させることで像面湾曲とスポット径の変動の両者を補正可能としている。
【0040】
次に本発明の目的を達成するための手段と効果について説明する。
【0041】
本実施形態の第1、第2の2枚の走査レンズ6a,6bは上記の如く共にプラスチックレンズで作製されており、成形上有利なように主走査断面内の形状が走査開始側7aと走査終了側7bで略対称に形成されている。更に上記の如く第2の走査レンズ6bの出射面r4の副走査断面内の曲率を、該走査レンズ6bの有効部内において連続的に変化させており、これにより像面湾曲、波面収差、スポット径の変動を補正している。
【0042】
また本実施形態においては光源手段1より出射した光束が主走査断面内において走査レンズ系6の光軸に対して角度α(≠0)で該走査レンズ系6に入射しているため、光偏向器5の回転に伴う面の出入り(サグ)が走査開始側7aと走査終了側7bで非対称に発生する。
【0043】
一般にこの非対称なサグにより像面湾曲、波面収差、スポット径の変動が光軸に対して非対称性に変化するのを良好に補正するために走査開始側7aと走査終了側7bで光軸上から軸外に向かうに連れて副走査断面内の曲率の変化が異なる面(以下、「副走査曲率半径非対称面」とも称す。)を設けている。本実施形態はこの面の出入り量(サグ量)が小さいため、その非対称性は非常に小さく上記の如く光軸に対して略対称な形状で形成している。
【0044】
また波面収差を良好に補正するためには副走査曲率半径非対称面の曲率の変化を2つ以上の極値を持つことなく変化させることが望ましい。
【0045】
一方、副走査断面内の曲率を少なくとも1面以上変化させないと像面湾曲とスポット径の変動の両者を同時に補正できなくなるので良くない。また副走査曲率半径非対称面がその変化に極値を2つ以上持つと、波面収差を良好に補正することができず、感光ドラム面7上でのスポット形状が悪化するので良くない。
【0046】
本実施形態における第1の走査レンズ6aは副走査断面内の曲率が無限大(平面)で形成され、副走査断面内のパワーをほとんど有していない。よってこの第1の走査レンズ6aが取り付け誤差や製造誤差等で基準位置に対してシフト又は/及びチルトしても走査線湾曲は生じ難い(走査線湾曲敏感度が低い)。また第2の走査レンズ6bも副走査倍率が全像高で一定になるように設定されているのでシフト又は/及びチルトしても走査線湾曲は生じ難い(走査線湾曲敏感度が低い)。
【0047】
本実施形態において走査線湾曲敏感度εを
ε=(走査線湾曲量)/(偏心量)
と定義する。ここである像高位置での走査線湾曲敏感度εは、レンズ(レンズ面)を単位量Δa(mm)だけ光軸と垂直方向に偏心させたときの像面湾曲量をΔb(mm)とするとき、
ε=Δb/Δa
で表わされる。
【0048】
また走査線湾曲敏感度εは、レンズ(レンズ面)を単位量(分)Δβだけチルトさせたときの像面湾曲量をΔγ(mm)とするとき、
ε=Δγ/Δβ(mm/分)
で表わされる。
【0049】
本実施形態において第1、第2の走査レンズ6a,6bをz方向へ単位量偏心させたときの走査線湾曲量を各々Δ1H、Δ2Hとするとき、
|Δ1H|+|Δ2H|<1 ‥‥(2)
なる条件を満足するように設定している。
【0050】
また本実施形態において第1、第2の走査レンズ6a,6bをy軸と平行な軸を中心に単位量チルトさせたときの走査線湾曲量を各々Δ1T、Δ2Tとするとき、
|Δ1T|+|Δ2T|< 20.0×10−3 ‥‥(3)
なる条件を満足するように設定している。
【0051】
また光走査装置をコンパクト化するためには主走査断面内の主点位置をできるだけ光偏向器側に近づけた方がよく、また第1の走査レンズ6aの主走査断面内のパワーを光軸上で正(凸)とし、第2の走査レンズ6bの主走査断面内のパワーを光軸上で負(凹)となるように構成するのが良い。
【0052】
更に走査レンズ系6をできるだけ光偏向器5に近づけた方が光走査装置の小型化が可能になると共に、走査レンズ系6のコストを抑えることができるというメリットも有する。
【0053】
副走査断面内のパワーは第1の走査レンズ6aより第2の走査レンズ6bで構成した方が、副走査倍率を低減できるというメリットを有する。更に副走査断面内のパワーを第2の走査レンズ6bの出射面r4のみに略集中させることで、レンズ取り付け時や製造時に生じる誤差でレンズ面(レンズ)がシフト又は/及びチルトした際の走査線湾曲の劣化も防止できる。
【0054】
表−1に本実施形態の光学パラメータを示す。また図3(A),(B)に本実施形態の光学特性、図4(A),(B),(C)に本実施形態の走査線湾曲敏感度を示す。
【0055】
【表1】
Figure 2004317790
【0056】
本実施形態における第1、第2の2枚の走査レンズ6a,6bは主走査断面内において共に被走査面7側に凸面を向けたの正のメニスカス形状であり、前述の如く該第1、第2の走査レンズ6a,6bのうち、第2の走査レンズ6bの出射面r4の副走査断面内の曲率を、該走査レンズの有効部内において、連続的、かつ光軸に対して略対称に変化させることにより、像面湾曲の非対称性とスポット径の変動を同時に補正している。
【0057】
本実施形態では副走査断面内における第1、第2の走査レンズ6a,6bの光軸上のパワーをPp、Psとするとき、パワー比が
|Pp/Ps|≦0.4 ‥‥(1)
なる条件を満足するように設定している。
【0058】
本実施形態では
Pp:Ps=0:1
と設定しており、副走査断面内の全パワーを第2の走査レンズ6bの出射面r4のみに集中させている。
【0059】
また本実施形態では副走査断面内において曲率が像高によって変化する副走査曲率変化面を第2の走査レンズ6bの出射面r4の1面で構成しており、かつその出射面r4を軸外に極値を持つことなく光軸に対して略対称に変化させることによって波面収差を良好に補正している。
【0060】
また本実施形態では第1、第2の走査レンズ6a,6bを成形上有利になるように主走査断面内の形状を前述の如く被走査面7の垂直二等分線(光軸)に対して略対称に形成している。特に第1の走査レンズ6aは副走査断面内の曲率が無限大であり、副走査断面内のパワーをほとんど有していない。本実施形態では副走査断面内の結像性能を第2の走査レンズ6bの出射面r4のみで補正している。
【0061】
本実施形態において走査レンズ系6の副走査断面内の屈折力をφ、該走査レンズ系6のうち最も光偏向器5に近い光学素子(第1の走査レンズ6a)の副走査断面内の屈折力をφAとするとき、
0<|φA/φ|<0.2 ‥‥(4)
なる条件を満足するように設定している。また第1の走査レンズ6aは被走査面上の走査線湾曲量を低減させる面より成っている。
【0062】
本実施形態の光学特性は図3(A),(B)に示すように主走査断面、副走査断面共に良好に補正されている。更に副走査断面内のパワーを一面に略集中させることにより、図4(A),(B),(C)に示すように走査レンズ6a,6bを光学箱に取り付ける際に発生する誤差や、光学箱を製作する際に発生する際の誤差で該走査レンズ6a,6bがシフト又は/及びチルトした際に発生する走査線湾曲敏感度や、走査レンズ成形時に発生する誤差で各走査レンズ6a,6bの各面がシフト又は/及びチルトした際に発生する被走査面7上での走査線湾曲敏感度を低減させている。
【0063】
図4(A),(B),(C)において横軸は像高(走査位置)を示し、G1は第1の走査レンズ6aを示し、G2は第2の走査レンズ6bを示す。またZシフトとは図1、図2のZ方向へ偏芯することを示し、Y−rot(yr)は図1、図2のY軸周りの回転を示している。移動量はシフトが0.05mm、チルト(y−rot)が3分である。いずれも製造誤差等で発生し得る量であり、図4(A),(B),(C)に示すように走査線湾曲量が50μm以下と小さいため、画像はほとんど劣化しない。
【0064】
尚、本実施形態の走査レンズ系6の光軸は主走査方向における被走査面の垂直二等分線と一致させている。また本実施形態では走査レンズ系6を2枚のレンズで構成したが、これに限らず、3枚以上であってもよく、さらに回折素子等の光学素子で構成しても前述の実施形態1と同様の効果を得ることができる。また本実施形態では光源手段1を単一の発光点を有するシングルビームレーザーで構成したが、これに限らず、2以上の複数の発光点を有するマルチビームレーザーで構成しても前述の実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0065】
このように本実施形態では上記の如く第1、第2の走査レンズ6a,6bの副走査断面内の屈折力のパワー比を条件式(1)を満たすように設定することにより、像面湾曲やスポット径の変動を同時に補正することができ、また製造や取り付け等で発生する走査線湾曲敏感度も低減することができ、これにより高性能な光走査装置を得ている。
【0066】
(実施形態2)
図5は本発明の光走査装置の実施形態2の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図6は図5の副走査断面内の要部断面図(副走査断面図)である。図5,図6において、図1、図2に示した要素と同一要素には同一符番を付している。
【0067】
本実施形態において前述の実施形態1と異なる点は走査レンズ系16を構成する第1、第2の走査レンズ16a,16bの副走査断面内の曲率を変更したことである。その他の構成および光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0068】
即ち、同図において16は集光機能とfθ特性とを有する第2の光学系としての走査レンズ系(fθレンズ系)であり、光偏向器5側から順にプラスチック材料より成る第1、第2の2枚の走査レンズ(fθレンズ)16a,16bより成り、共に主走査断面内で非球面形状のアナモフィックレンズより成り、光偏向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面としての感光ドラム面7上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。
【0069】
表−2に本実施形態の光学パラメータを示す。図7(A),(B)に本実施形態の光学特性、図8(A),(B),(C)に本実施形態の走査線湾曲敏感度を示す。
【0070】
【表2】
Figure 2004317790
【0071】
本実施形態においては前述の実施形態1と同様に上記条件式(1)を満たすように第1、第2の走査レンズ16a,16bの副走査断面内の屈折力をPp、Psとするとき、そのパワー比を設定している。
【0072】
即ち、本実施形態では
Pp:Ps=1:9
と設定しており、副走査断面内の全パワーを第2の走査レンズ16bの出射面r4に略集中させている。
【0073】
本実施形態の第1、第2の走査レンズ16a,16bは共にプラスチックレンズで作製されており、成形上有利なように主走査断面内の形状が走査開始側7aと走査終了側7bで略対称に形成されている。更に第2の走査レンズ16bの出射面r4の副走査断面内の曲率を、該走査レンズ16bの有効部内において連続的に変化させており、これにより像面湾曲、波面収差、スポット径の変動を補正している。
【0074】
また本実施形態は実施形態1と同様にサグ量が小さいため、第2の走査レンズ16bの出射面r4の副走査断面内の曲率を光軸に対して略対称に変化させている。その変化は波面収差を良好に補正するために極値を2以上持つことなく変化させている。
【0075】
また本実施形態ではレンズを成形上有利なように第1の走査レンズ16aの両レンズ面r1,r2と、第2の走査レンズ16bの光偏向器5側のレンズ面r3とも副走査断面内の曲率半径rを|r|≧100としている。
【0076】
一般にモールド成型は平面を構成するのが難しく、光学面にくせが発生しやすいため緩い曲率半径(|r|≧100)をつけた方が成型上有利になるというメリットを有している。またレンズの取り付けや、製造誤差当等により発生するシフト又は/及びチルトにより発生する走査線湾曲を低減するためには平面の方が有利であるが、|r|≧100であれば、被走査面7上での走査線湾曲劣化量が小さいので問題ない。|r|≦100になると走査線湾曲が劣化するのでよくない。
【0077】
本実施形態においては前述の実施形態1と同様に副走査断面内の結像性能を第2の走査レンズ16bの出射面r4で補正している。
【0078】
このように本実施形態では上記の如く最も被走査面7側のレンズ面以外の副走査断面内の曲率半径rを|r|≧100で構成することにより、成形上発生する光学面のひけ等の影響を低減し、レンズ作製上の光学性能劣化を防止している。
【0079】
さらに本実施形態では前述の実施形態1と同様に第1、第2の走査レンズ16a,16bの副走査断面内の屈折力のパワー比を条件式(1)を満たすように設定することにより、像面湾曲やスポット径の変動を同時に補正することができ、また製造や取り付け等で発生する走査線湾曲敏感度も低減することができ、これにより高性能な光走査装置を得ている。
【0080】
(実施形態3)
図9は本発明の光走査装置の実施形態3の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図10は図9の副走査断面内の要部断面図(副走査断面図)である。図9,図10において、図1、図2に示した要素と同一要素には同一符番を付している。
【0081】
本実施形態において前述の実施形態1と異なる点は走査レンズ系26を構成する第1、第2の走査レンズ26a,26bの副走査断面内の曲率を変更し、かつ光偏向器5の偏向面5aへ入射する光束を副走査断面内において斜め方向から角度を持たせて入射させたことである。その他の構成および光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0082】
即ち、本実施形態における入射光学系は光偏向器5の偏向面5aへ入射する光束を副走査断面内において斜め方向から所定の角度β(2.2deg)を持たせて入射させる、所謂斜入射光学系より構成されている。
【0083】
同図において26は集光機能とfθ特性とを有する第2の光学系としての走査レンズ系であり、光偏向器5側から順にプラスチック材料より成る第1、第2の2枚の走査レンズ26a,26bを有している。第1、第2の走査レンズ26a,26bは共に主走査断面内で非球面形状のアナモフィックレンズより成り、光偏向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面としての感光ドラム面7上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。
【0084】
8は防塵ガラスであり、平行平板で構成されている。防塵ガラス8は、光走査装置から光束が射出する際の出口を密閉するために用いられ、正反射光が光源手段1に戻るのを防止するために副走査断面内で5deg傾けて配置している。
【0085】
表−3に本実施形態の光学パラメータを示す。図11(A),(B)に本実施形態の光学特性、図12(A),(B),(C)に各々本実施形態の走査線湾曲敏感度を示す。
【0086】
【表3】
Figure 2004317790
【0087】
本実施形態においては前述の実施形態1と同様に上記条件式(1)を満たすように第1、第2の走査レンズ26a,26bの副走査断面内の屈折力をPp、Psとするとき、そのパワー比を設定している。
【0088】
即ち、本実施形態では
Pp:Ps=0:1
と設定しており、副走査断面内の全パワーを第2の走査レンズ26bの出射面r4のみに集中させている。
【0089】
本実施形態では図10に示すように光源手段1からの光束が角度を有して偏向面5aへ入射しているので、例えば後述する図13に示すように複数光束を折り返しミラー8でその光路を分離し、複数の感光ドラム面上に導光することができる。また偏向面5aへ入射する光束を副走査断面内において斜め方向から角度を持たせて入射させているため、軸上光束と軸外光束は走査レンズ系26内を通過する副走査方向の高さ(光軸からの高さ)が互いに異なっている。
【0090】
本実施形態において第1、第2の走査レンズ26a、26bの光軸は共に光偏向器5の偏向面の法線と平行に配置されている。さらに第1、第2の走査レンズ26a、26bの光軸は共に入射光束が偏向面5aと交わる点から各々順に副走査方向にδ1=−0.5mm、δ2=1.456mmだけ高さが異なるようにシフトさせて構成している。これにより本実施形態では斜入射による波面収差の劣化を低減すると共に、被走査面7上での走査線湾曲量を小さくしている。
【0091】
尚、本実施形態では第1、第2の走査レンズ26a、26bの光軸を共にシフトさせたが、これに限らず、例えばチルト(傾ける)させても同様の効果が得られる。さらに第2の走査レンズ26bの出射面r4のみをシフト又は/及びチルトさせても同様の効果が得られる。
【0092】
本実施形態の第1、第2の走査レンズ26a、26bは共にプラスチックレンズで作製されており、成形上有利なように主走査断面内の形状が走査開始側7aと走査終了側7bで略対称に形成されており、また第2の走査レンズ26bの出射面の副走査断面内の曲率を、該走査レンズの有効部内において連続的に変化させている。これにより本実施形態では像面湾曲、波面収差、スポット径の変動を良好に補正している。
【0093】
また本実施形態では実施形態1と同様にサグ量が小さいため、第2の走査レンズ26bの出射面r4の副走査断面内の曲率を光軸に対して略対称に変化させている。その変化は波面収差を良好に補正するために極値を2以上持つことなく変化させている。
【0094】
また本実施形態では前述の実施形態2と同様にレンズを成形上有利なように第1の走査レンズ26aの両レンズ面r1,r2と、第2の走査レンズ26bの光偏向器5側のレンズ面r3とも副走査断面内の曲率半径rを|r|≧100としている。これは平面で構成しても同様の効果を得られることは明らかである。
【0095】
本実施形態においては前述の実施形態1と同様に副走査断面内の結像性能を第2の走査レンズ26bの出射面r4のみで補正している。
【0096】
このように本実施形態では前述の実施形態1と同様に第1、第2の走査レンズ26a,26bの副走査断面内の屈折力のパワー比を条件式(1)を満たすように設定することにより、像面湾曲やスポット径の変動を同時に補正することができ、また製造や取り付け等で発生する走査線湾曲敏感度も低減することができ、これにより高性能な光走査装置を得ている。
【0097】
ここで各実施形態1,2,3において、
A=走査レンズの傾き偏心により発生する走査線湾曲敏感度εの絶対値の和
(図4(A)、図8(A)、図12(A)参照)
B=走査レンズの平行偏心により発生する走査線湾曲敏感度εの絶対値の和
(図4(A)、図8(A)、図12(A)参照)
C=各面の傾き偏心により発生する走査線湾曲敏感度εの絶対値の和
(図4(C)、図8(C)、図12(C)参照)
D=各面の平行偏心により発生する走査線湾曲敏感度εの絶対値の和
(図4(B)、図8(B)、図12(B)参照)
とするとき、
各実施形態では走査領域全てにおいて
Aが20μm/1′以下で問題ない。(望ましくは10μm/1′が良い。)
Bは1mm/1mm以下で問題ない。(望ましくは0.3mm/1mmが良い。)
Cは40μm/1′以下で問題ない。(望ましくは20μm/1′が良い。)
Dは2mm/1mm以下で問題ない。(望ましくは0.6mm/1mmが良い。)
[画像形成装置]
図13は本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査断面内の要部断面図である。
【0098】
同図における画像形成装置は前述の実施形態3で示した斜入射光学系より成るマルチビーム光走査装置を複数用い、1つの光偏向器5に対して両側からそれぞれ複数の光束を入射させ、対応する感光ドラム面7a〜7d上に導光して、カラー画像を高速に印字するものである。
【0099】
即ち、同図においてはマルチビーム光源(不図示)から出射した複数の光束を副走査断面内において角度を成して斜め方向から光偏向器5の偏向面に入射させ、該偏向面で反射された複数の光束を複数の折り返しミラーによりその光路を分離し、該分離された複数の光束を対応する感光ドラム面7a〜7d上にそれぞれ導光し、カラー画像を形成している。
【0100】
[カラー画像形成装置]
図14は、本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査断面内の要部断面図である。図14において、60はカラー画像形成装置、11は図13に示した構成を有するマルチビーム光走査装置、21,22,23,24は各々像担持体としての感光ドラム、31,32,33,34は各々現像器、51は搬送ベルトである。
【0101】
図において、カラー画像形成装置60には、パーソナルコンピュータ等の外部機器52からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ53によって、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。これらの画像データは、それぞれマルチビーム光走査装置11に入力される。そしてマルチビーム光走査装置からは、各画像データに応じて変調された光ビーム41,42,43,44が出射され、これらの光ビームによって感光ドラム21,22,23,24の感光面が主走査方向に走査される。
【0102】
本実施態様におけるカラー画像形成装置は1つのマルチビーム光走査装置11から、各C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応した光線を射出し、感光ドラム21,22,23,24面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
【0103】
本実施態様におけるカラー画像形成装置は上述の如く1つのマルチビーム光走査装置11により各々の画像データに基づいた光ビームを用いて各色の潜像を各々対応する感光ドラム21,22,23,24面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
【0104】
前記外部機器52としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置60とで、カラーデジタル複写機が構成される。
【0105】
[画像形成装置]
図15は、本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査方向の要部断面図である。図において、符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、実施形態1〜3のいずれかに示した構成を有する光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
【0106】
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、前記光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
【0107】
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
【0108】
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図15において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
【0109】
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図15において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されており、転写部から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せしめる。
【0110】
図15においては図示していないが、プリントコントローラ111は、先に説明したデータの変換だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、後述する光走査ユニット内のポリゴンモータなどの制御を行う。
【0111】
[カラー画像形成装置]
図16は本発明の実施態様のカラー画像形成装置の要部概略図である。本実施形態は、光走査装置を4個並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図16において、260はカラー画像形成装置、211,212,213,214は各々実施形態1〜3に示したいずれかの構成を有する光走査装置、211,212,213,214は各々像担持体としての感光ドラム、231,232,233,234は各々現像器、51は搬送ベルトである。
【0112】
図16において、カラー画像形成装置260には、パーソナルコンピュータ等の外部機器252からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ253によって、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。これらの画像データは、それぞれ光走査装置211,212,213,214に入力される。そして、これらの光走査装置からは、各画像データに応じて変調された光ビーム241,242,243,244が出射され、これらの光ビームによって感光ドラム221,222,223,224の感光面が主走査方向に走査される。
【0113】
本実施態様におけるカラー画像形成装置は光走査装置(211,212,213,214)を4個並べ、各々がC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々平行して感光ドラム221,222,223,224面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
【0114】
本実施態様におけるカラー画像形成装置は上述の如く4つの光走査装置211,212,213,214により各々の画像データに基づいた光ビームを用いて各色の潜像を各々対応する感光ドラム221,222,223,224面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
【0115】
前記外部機器252としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置260とで、カラーデジタル複写機が構成される。
【0116】
[本発明の実施態様]
本発明の様々な例と実施形態が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0117】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0118】
[実施態様1]
光源手段と、該光源手段から出射した光束を偏向手段に導光する第1の光学系と、該偏向手段からの光束を被走査面上に導光する第2の光学系と、を具備する光走査装置において、
該第2の光学系は、第1、第2の光学素子を含む複数の光学素子を有し、副走査断面内における該第1、第2の光学素子の屈折力をPp、Psとするとき、
|Pp/Ps|≦0.4
なる条件を満足することを特徴とする光走査装置。
【0119】
[実施態様2]
前記第1の光学系は前記光源手段から出射した光束を略平行光束に変換する光学素子aと、該光学素子aからの光束を主走査断面内で長い線像として結像させる光学素子bとを有し、
該光学素子bから射出された光束は、副走査断面内で前記偏向手段の偏向面に斜め方向から入射していることを特徴とする実施態様1記載の光走査装置。
【0120】
[実施態様3]
主走査断面内において、前記第2の光学系を構成する複数の光学素子のうち、最も前記偏向手段側の光学素子は光軸上の屈折力が正であり、他の1つの光学素子は光軸上の屈折力が負であることを特徴する実施態様1又は2記載の光走査装置。
【0121】
[実施態様4]
前記第2の光学系を構成する複数の光学素子のうち、最も前記偏向手段側の光学素子は、主走査断面内において非円弧の面を含むことを特徴する実施態様1、2又は3記載の光走査装置。
【0122】
[実施態様5]
副走査断面内において、前記第2の光学系を構成する複数の光学素子の複数のレンズ面のうち、最も被走査面側にあるレンズ面が最も屈折力が強いことを特徴する実施態様1乃至4の何れか1項に記載の光走査装置。
【0123】
[実施態様6]
前記第2の光学系を構成する複数の光学素子は副走査断面内において、曲率が像高によって変化する副走査曲率変化面を一面以上有することを特徴とする実施態様1乃至5の何れか1項に記載の光走査装置。
【0124】
[実施態様7]
前記第2の光学系の屈折力をφ、該第2の光学系のうち、最も前記偏向手段に近い光学素子の屈折力をφAとするとき、
0<|φA/φ|<0.2
であることを特徴する実施態様1又は2記載の光走査装置。
【0125】
[実施態様8]
前記第2の光学系のうち、前記偏向手段に最も近い面は前記被走査面上の走査線湾曲量を低減させる面であることを特徴とする実施態様7記載の光走査装置。
【0126】
[実施態様9]
前記第1、第2の光学素子を単位量偏心させたときの走査線湾曲量を各々Δ1H、Δ2Hとするとき、
|Δ1H|+|Δ2H|<1
であることを特徴する実施態様1記載の光走査装置。
【0127】
[実施態様10]
前記第1、第2の光学素子を単位量チルトさせたときの走査線湾曲量を各々Δ1T、Δ2Tとするとき、
|Δ1T|+|Δ2T|<20.0×10−3
であることを特徴する実施態様1記載の光走査装置。
【0128】
[実施態様11]
実施態様1乃至10の何れか1項に記載の光走査装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記光走査装置で走査された光ビームによって前記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。
【0129】
[実施態様12]
実施態様1乃至10の何れか1項に記載の光走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴とする画像形成装置。
【0130】
[実施態様13]
各々が実施態様1乃至10のいずれか1項に記載の光走査装置の被走査面に配置され、互いに異なった色の画像を形成する複数の像担持体とを有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0131】
[実施態様14]
外部機器から入力した色信号を異なった色の画像データに変換して各々の光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴とする実施態様13記載のカラー画像形成装置。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば前述の如く副走査断面内における第1、第2の光学素子の屈折力のパワー比を適切に設定することにより、像面湾曲、スポット径の変動を同時に補正し、かつ製造、取り付け等で発生する走査線湾曲敏感度を低減し、高性能な光走査装置を得ることができる光走査装置を達成することができる。
【0133】
また本発明によれば前述の如く複数の異なる感光ドラム面上の画像を重ね合わせる画像形成装置で発生する色むらや、色ずれを低減することができる画像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の主走査断面図
【図2】本発明の実施形態1の副走査断面図
【図3】本発明の実施形態1の光学特性を示す図
【図4】本発明の実施形態1の走査線湾曲敏感度を示す図
【図5】本発明の実施形態2の主走査断面図
【図6】本発明の実施形態2の副走査断面図
【図7】本発明の実施形態2の光学特性を示す図
【図8】本発明の実施形態2の走査線湾曲敏感度を示す図
【図9】本発明の実施形態3の主走査断面図
【図10】本発明の実施形態3の副走査断面図
【図11】本発明の実施形態3の光学特性を示す図
【図12】本発明の実施形態3の走査線湾曲敏感度を示す図
【図13】本発明の実施形態3の光走査装置を示す図
【図14】本発明の画像形成装置を示す要部断面図
【図15】本発明の画像形成装置の要部断面図
【図16】本発明のカラー画像形成装置の要部断面図
【図17】従来の光走査装置を示す要部概略図
【符号の説明】
1 光源手段
2 第1の光学系
3 第2の光学系
4 開口絞り
5 偏向手段(光偏向器)
6、16,26 第3の光学系(走査レンズ系)
7 被走査面(感光ドラム面)
11、12、13、14 光走査装置
21、22、23、24 像担持体(感光ドラム)
31、32、33、34 現像器
41 搬送ベルト
51 マルチビームレーザー
52 外部機器
53 プリンタコントローラ
60 カラー画像形成装置
100 光走査装置
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
104 画像形成装置
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
111 プリンタコントローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
115 モータ
116 排紙ローラ
117 外部機器
211、212、213、214 走査光学系
221、222、223、224 像担持体(感光ドラム)
231、232、233、234 現像器
241 搬送ベルト
251 マルチビームレーザー
252 外部機器
253 プリンタコントローラ
260 カラー画像形成装置

Claims (1)

  1. 光源手段と、該光源手段から出射した光束を偏向手段に導光する第1の光学系と、該偏向手段からの光束を被走査面上に導光する第2の光学系と、を具備する光走査装置において、
    該第2の光学系は、第1、第2の光学素子を含む複数の光学素子を有し、副走査断面内における該第1、第2の光学素子の屈折力をPp、Psとするとき、
    |Pp/Ps|≦0.4
    なる条件を満足することを特徴とする光走査装置。
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