JP3766271B2 - 光走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラスタスキャン方式の画像形成装置に係り、特に、レーザビームプリンタなどに使用されるレーザビームを走査する光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスが利用されているレーザビームプリンタ装置では、画像データに基づいて画像が形成される感光体ドラム、感光体ドラムに画像データに基づく画像を露光する光走査装置、感光体ドラムに形成された画像を現像する現像装置、及び、感光体ドラム上で現像された画像を用紙に転写して出力する用紙搬送装置などを含んでいる。
【0003】
感光体ドラムは、例えば、反転現像方式のレーザビームプリンタ装置では、概ね−500ないし−700ボルトに帯電される。この帯電された感光体ドラムに光走査装置を介して画像データに基づくレーザビームが照射されることで、レーザビームが照射された領域に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置から供給されるトナーによって現像される。
【0004】
光走査装置は、光源としての半導体レーザ、半導体レーザからのレーザビームのビーム径を所定の大きさに絞り込む光源側(偏向前)光学系、所定の大きさに絞り込まれたレーザビームを感光体ドラムの軸線に沿って偏向させる偏向装置、及び、偏向装置を介して偏向されたレーザビームを感光体ドラムの軸線方向の距離に拘りなく概ね一定のビーム径に整えるとともに感光体ドラム上に概ね直線に結像させる結像(偏向後)光学系などを有している。
【0005】
偏向前光学系は、ガラス或いはプラスチックによって形成されたコリメートレンズ(或いは有限レンズ)などを含み、レーザからの発散性のレーザビームに集束性を与え、平行レーザビーム、或いは、僅かに集束性を有する集束レーザビームを提供する。
【0006】
偏向装置は、回転可能に形成された反射面を有し、偏向前光学系を通過されたレーザビームを感光体ドラムの軸線と平行な方向即ち主走査方向に偏向させる。
【0007】
偏向後光学系は、プラスチック(希にガラス)によって形成されたfθレンズ(トロイダルレンズの一種)を含み、偏向装置の反射面の回転角に応じて連続的に変化される反射面の反射点と感光体ドラム上の結像位置との間の距離に拘りなく、概ね一定のビーム径に整えるとともに感光体ドラム上に概ね直線に結像させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
レーザビームプリンタ装置に組み込まれる光走査装置では、感光体ドラムに到達されたレーザビームのビーム径及びレーザビームが到達される位置が温度及び湿度の変化によって変動しないことが好ましい。従って、光走査装置に利用されるレンズの多くは、光学ガラスによって形成される。その一方で、ガラスレンズは、重量及び複雑な形状の加工が困難であることなどからプラスチックレンズに比較して製造コストが高くなることが知られている。
【0009】
ところで、プラスチックレンズが利用された場合には、温度或いは湿度の変化によって感光体ドラムに到達されるレーザビームのビーム径が大きく変化することが知られている。
【0010】
このことから、例えば、特開平第4−110818号には、偏向前光学系にコリメータレンズを、及び、偏向後光学系にプラスチックレンズを、利用した例が開示されている。この方法は、コリメータレンズと半導体レーザとの距離を、鏡筒の熱膨張などを利用して補正するものである。しかしながら、この方法では、温度変化に起因する主走査方向及び副走査方向のレーザビームの到達位置の変動を同時に抑止することができない問題がある。また、この方法では、吸湿による膨張或いは屈折率の変化などについては考慮されていない。
【0011】
これとは別に、プラスチックレンズは、多くの場合、非球面レンズ或いは非対称レンズに形成される。また、非球面レンズを光軸に対して偏位させる方法も提案されている。
【0012】
しかしながら、非球面レンズ或いは非対称レンズを利用することは、レンズが固定される場合の位置精度、入射面及び出射面の単体としての加工精度、及び、入射面と出射面との位置の偏位などに高い精度が要求される問題がある。また、温度或いは湿度が変化した場合に主走査方向の結像位置が変動しないよう、有限レンズが利用された場合には、回転多面鏡の回転にともなう偏向点の移動により像面湾曲の非対称性が増大される。
【0013】
例えば、上記特開平第4−110818号では、球面ミラーが利用された偏向装置と入射面と出射面が主走査方向に偏心したトーリック面を含むレンズが組み込まれた偏向後光学系とが利用されている。この例では、温度変化による結像面の変動が考慮されていないことからコリメートレンズが利用されているが、有限レンズが利用される場合には、主走査方向の偏心のみで像面湾曲を補正することは困難である。また。特開平第4−110819号には、球面ミラーと、球面とトーリック面からなるレンズが組み込まれた光学系において、球面ミラーが副走査方向に、レンズの球面がトーリック面に対して副走査方向に、それぞれ偏心して配置された例が開示されている。しかしながら、この方法は、球面ミラーからの反射光とレンズへ向かうレーザビームとを分離することを目的としており、プラスチックレンズを使用して軸対称の非球面レンズの中心をレーザビームが通らないようにしつつ、直線性を保つためには、偏心のみでの補正は補正力不足となる。
【0014】
一方、プラスチックレンズでは、線膨脹係数が大きいため、コーティング材との温度による膨脹の度合いの差が大きく、反射防止コーティングが難しいこと、レンズ面が軸対称に形成される場合に、型を製作するための旋盤の切削速度の影響により、軸中心付近で表面粗さが増大するとともに中心部に突起生じることなどが知られている。この場合、反射防止コーティングに際しては、特別な塗布技巧が必要であることからコストが増大される問題がある。また、レンズ面をポリシングなどにより研磨することは、複雑な形状によって提供される光学特性が変化されることで、感光体ドラムに結像されるレーザビームのビーム径、ビーム形状、或いは直線性などを、新たに劣化させる問題がある。
【0015】
尚、偏向装置は、反射鏡を回転させるモータの回転数が限界に達した場合であっても、反射面の数を増やすことにより印字スピードを向上可能であるが、反射面の数が増大されることは、レーザビームを偏向できる角度(偏向角)を制限することから、結果として光路長が増大され、光走査装置の大きさを増大させるという新たな問題がある。
【0016】
この発明の目的は、加工精度が高く、しかも、温度或いは湿度によりビームが到達される位置及びビーム径変動が少なく、また、軸対象の中心部に突起を残した状態かつ各面における反射防止コーティングを必要としない低コストのレンズが利用可能な光走査装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、光を発生する光源と、上記光源からの光を被走査面に向かって偏向する偏向手段と、この偏向手段と上記光源との間に配置され、上記光源からの光の断面形状を所定の形状に変換する偏向前光学手段と、上記偏向手段と上記被走査面との間に配置され、プラスチックレンズを含み、上記偏向手段を介して偏向された光を上記被走査面近傍に結像させる偏向後光学手段と、を有し、
上記偏向前光学手段は、ガラスシリンダレンズとプラスチックレンズを含み、上記ガラスシリンダレンズと上記プラスチックレンズと樹脂接着剤を介して接着し、または相互に密着させてばね部材により一体的に固定したものであることを特徴とする電子写真プロセスを用いて画像を形成するための光走査装置を提供するものである。
【0018】
またこの発明は、光を発生する光源と、上記光源からの光を被走査面に向かって偏向する偏向手段と、この偏向手段と上記光源との間に配置され、上記光源からの光の断面形状を所定の形状に変換する偏向前光学手段と、上記偏向手段と上記被走査面との間に配置され、プラスチックレンズを含み、上記偏向手段を介して偏向された光を上記被走査面近傍に結像させる偏向後光学手段と、を有し、
上記偏向前光学手段は、ガラスシリンダレンズと、上記偏向手段を介して光が偏向される方向およびそれに直交する方向にそれぞれ異なるパワーを持つプラスチックレンズを含み、上記ガラスシリンダレンズと上記プラスチックレンズと樹脂接着剤を介して接着し、または相互に密着させてばね部材により一体的に固定したものであることを特徴とする電子写真プロセスを用いて画像を形成するための光走査装置を提供するものである。
【0019】
またさらにこの発明は、光を発生する光源と、上記光源からの光を被走査面に向かって偏向する偏向手段と、この偏向手段と上記光源との間に配置され、上記光源からの光の断面形状を所定の形状に変換する偏向前光学手段と、上記偏向手段と上記被走査面との間に配置され、プラスチックレンズを含み、上記偏向手段を介して偏向された光を上記被走査面近傍に結像させる偏向後光学手段と、を有し、
上記偏向前光学手段は、ガラスシリンダレンズとプラスチックレンズを含み、上記ガラスシリンダレンズと上記プラスチックレンズと樹脂接着剤を介して接着し、または相互に密着させてばね部材により一体的に固定するとともに、一体的に変位可能としたことを特徴とする電子写真プロセスを用いて画像を形成するための光走査装置を提供するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明する。
【0027】
図1には、この発明の実施例が組み込まれる画像形成装置即ちレーザビームプリンタの概略が示されている。
【0028】
レーザビームプリンタ2は、画像データに基づいて画像を形成するプロセスユニット(画像形成手段)10、プロセスユニット10の後述する感光体ドラムに画像データを露光する光走査装置30、プロセスユニット10に向かって記録用紙(被転写材)を給送し、プロセスユニット10を介して形成された画像を印字出力(ハードコピー)として出力するプリンタ本体50を有している。
【0029】
プロセスユニット10は、矢印の方向に回転可能であって、光走査装置30を介して画像データが露光される感光体ドラム(像担持体)12を、概ね中心に含んでいる。感光体ドラム12の周囲には、感光体ドラム12が回転される方向に沿って、感光体ドラム12に所定の電位を提供する帯電装置14、光走査装置30によって感光体ドラム12に露光された画像データを現像する現像装置16、現像装置16を介して現像された画像が後述する転写装置を介して用紙に転写された後の感光体ドラム12の表面を清掃するクリーニング装置18、及び、(現像装置16を介して現像された画像が転写されたのち)感光体ドラム12に残っている電位を消去する除電装置20が、順に、配置されている。尚、プロセスユニット10は、プリンタ本体50に、着脱可能に形成されている。
【0030】
光走査装置30は、光源としての半導体レーザ、半導体レーザのレーザビームに所定のビーム形状を与える光源側(偏向前)光学系、光源側光学系を介して所定のビーム形状に整えられたレーザビームをプロセスユニット10の感光体ドラム12の軸線に沿って規定される主走査方向に偏向させる偏向装置、及び、偏向装置を介して偏向されたレーザビームを感光体ドラム12に順に結像させる結像面側(偏向後)光学系などを含んでいる。尚、光走査装置30については、後段にて、詳細に説明する。
【0031】
プリンタ本体50には、感光体ドラム12を介して形成された画像が転写されるための用紙を収容するとともに、プリンタ本体50に着脱可能に形成された第1及び第2の用紙カセット52a及び52b、それぞれのカセット52a及び52bに対応して配置され、カセット52a及び52bから用紙を引き出す第1及び第2の給紙ローラ54a及び54b、それぞれの給紙ローラ54a及び54bを介して引出された用紙をプロセスユニット10に向かって搬送する第1及び第2の搬送ローラ56a及び56b、プロセスユニット10に向かって搬送される用紙をガイドする用紙ガイド58a,58b及び58c、及び、用紙の傾きを補正するとともに、感光体ドラム12上に形成された画像の先端と用紙の先端とを整合させるアライニングローラ60などが配置されている。
【0032】
プリンタ本体50は、また、プロセスユニット10の感光体ドラム12の近傍であって、感光体ドラム12が回転される方向に沿って現像装置16の下流に配置され、アライニングローラ60が回転することにより搬送される用紙を感光体ドラム12へ向かわせる転写前ローラ62、さらに、下流に配置され、感光体ドラム12に形成された画像を用紙に転写させる転写装置64、転写装置64を介して画像が転写された用紙を加熱及び加圧することで、用紙に画像を定着させる定着装置66、及び、定着装置66を介して画像が定着された用紙を装置外部の所定の位置に排出する排出装置68などを含んでいる。
【0033】
プリンタ本体50は、さらに、プロセスユニット10、光走査装置30、及び、プリンタ本体50を制御する制御部70、画像形成開始を指示する図示しない制御信号入力部(操作パネル)、画像データが入力される図示しない外部入力接続装置(データ入力端)、及び、図示しない電源装置などを含んでいる。
【0034】
次に、この発明のレーザプリンタ装置2の動作を説明する。
【0035】
図示しないメインスイッチがオンされることで、所定のプログラムに沿ってイニシャライズされ、画像データに基づいて画像を形成可能な待機状態が規定される。外部装置例えばワードプロセッサ或いはホストコンピュータから供給された画像データは、図示しない画像メモリに、順次記憶される。
【0036】
画像メモリに入力された画像データは、パラレルデータに変換され、さらに、シリアルデータに変換されたのち、制御部70を介してタイミングが整合されて、光走査装置30へ供給される。
【0037】
一方、画像データが入力されることで、感光体ドラム12が所望の回転速度で回転され、帯電装置20を介して所望の電位が与えられる。同時に、画像データに基づく画像がプリント出力されるサイズの用紙Pが収容されている用紙カセットが選択され、選択されたカセットに収容されている用紙Pが、それぞれのカセットに対応された給紙ローラを介して取出され、搬送ローラ及び用紙ガイドを介してアライニングローラ60まで搬送される。
【0038】
シリアルデータに変換された画像データは、図示しない垂直同期制御回路からの垂直同期信号に応じて光走査装置装置30に供給され、レーザから発生されるレーザビームの強度を、データに応じて連続的に変化させる。画像データに応じて強度が連続的に変化されたレーザビームは、次々と感光体ドラム12に伝達されて静電潜像に変換される。感光体ドラム12上で潜像に変換された画像は、感光体ドラム12の移動とともに、現像装置16と対向された現像領域へ導かれ、現像装置16を介して潜像に選択的にトナーが供給されて現像され、感光体ドラム12の回転にともなって搬送されて、転写装置64と対向された転写領域へ搬送される。
【0039】
アライニングローラ60で一時的に停止されている用紙Pは、図示しない垂直同期回路からの垂直同期信号に応じて画像の先端と用紙Pの先端が整合され、感光体ドラム12へ向かって給送される。従って、感光体ドラム12上のトナー像と用紙Pは、所定のタイミングで感光体ドラム12に残っている電荷によって感光体ドラム12へ吸着(密着)される。この後、感光体ドラム12及び用紙Pに対して、既に(潜像形成のために)感光体ドラム12へ与えられている電荷と同極性の電荷が転写装置64から感光体ドラム12へ供給され、感光体ドラム12上のトナー像は、用紙Pへ転写される。
【0040】
トナー像を載せた用紙Pは、定着装置66へ導かれ、熱溶融性であるトナーが溶融されて、トナー像が用紙Pに定着(固着)される。
【0041】
一方、用紙P及びトナー像が分離された感光体ドラム12は、さらに回転され、クリーニング装置18及び除電装置20によって、表面の電荷分布が初期状態に戻されて、次の画像形成に用いられる。
【0042】
上述した一連の画像形成プロセスによって画像データが出力された用紙Pは、排出装置68を介して装置2の外部へ排出される。
【0043】
図2には、図1に示されている光走査装置30の折り返しミラー及びカバーガラスなどを取り除いた状態の展開図が示されている。
【0044】
光走査装置30は、例えば、600 [dpi=ドット・パー・インチ] の記録密度を提供できるよう形成され、レーザビームを発生する半導体レーザ 102、レーザ 102から出射されたレーザビームを、感光体ドラム12(レーザビームが結像される位置のみが仮想的にSで示されている)の図示しない軸線と概ね平行な方向即ち主走査方向に偏向する偏向装置 104、半導体レーザ 102と偏向装置 104との間に配置され、レーザ 102から出射されたレーザビームのビーム径を所定の大きさに整える光源側(偏向前)光学系 106、及び、偏向装置 104と感光体ドラムSとの間に配置され、偏向装置 104を介して偏向されたレーザビームを感光体ドラムSに沿ったどの位置にも概ね等しい条件で結像させる像面側(偏向後)光学系 108を含んでいる。
【0045】
偏向装置 104は、複数の反射面を有する多面鏡と、例えば、DCブラシレスモータなどによって構成され、多面鏡が矢印の方向に所定の速度で回転される。
【0046】
光源側(偏向前)光学系 106は、レーザ 102から出射されたレーザビームを、主走査方向及び主走査方向と直交する方向である副走査方向に関し、それぞれ、所定の集束性を与える集光レンズ 110、集光レンズ 110を通過されたレーザビームの放射角度のばらつきの影響を低減する絞り 112、絞り 112を通過されたレーザビームを副走査方向に関して、さらに、集束性を与えるシリンダレンズ 114などから構成される。
【0047】
像面側(偏向後)光学系 108は、偏向装置 104を介して有効偏向角−30°〜30°の間で偏向されたレーザビームを感光体ドラム12上に概ね直線かつ概ね等しいビーム径で結像させ、かつ、多面鏡の個々の面の倒れの差異によるレーザビームの到達位置の変動即ち多面鏡の面倒れを補正するための第1及び第2のfθレンズ 116及び 118から構成される。
【0048】
光走査装置30は、さらに、偏向装置 104を介して偏向されたレーザビームの水平同期を検出するための水平同期検出センサ 120、及び、後述する迷光が感光体ドラム12の画像領域に到達することを阻止する遮光部材 122及び 124を有している。
【0049】
集光レンズ 110は、有限ガラスレンズであって、好ましくは、非球面両凸レンズが利用される。また、集光レンズ 110には、後述する第1及び第2のfθレンズ 116及び 118のレンズ面を平面に置き換えた場合、偏向装置 104によってレーザビームが偏向される点即ち偏向点と感光体ドラムSとの間の最短距離Lよりも、偏向点と主走査方向の結像点との間の距離L(距離Lを半径とした円弧が点線Fで示されている)が、例えば、5〜6mm長く規定される一方で、偏向点と感光体ドラムS上の有効領域の端部までの距離Lよりも短くなるよう規定された焦点距離が与えられている。
【0050】
このように構成することにより、環境による影響を受けやすいプラスチックレンズを含む偏向後光学系に、歪曲収差及び像面湾曲のような収差補正的な役割を持たせ、パワーそのものは、環境依存性を小さくすることのできる偏向前光学系に受け持たせる。環境による補正量の変化(即ち環境ごとの)補正量は、温度に概略比例するため、補正後と補正前の補正量が小さい程、偏向後の環境変化の影響を受けやすいプラスチックレンズの影響が小さくなる。即ち、偏向点と像面端部との間の距離と、偏向点と像面最長距離との間に、環境の変化の少ない偏向前光学系で、偏向点と結像面との間の距離(即ち結像位置)をおいてやることにより、補正量が小さくなり、環境変化の影響が小さくなる。
【0051】
絞り 112は、集光レンズ 110の後側焦点に配置され、感光体ドラムSに結像されるレーザビームのビーム径の半導体レ−ザ 102の放射各のばらつきによる影響を低減するために利用される。
【0052】
シリンダレンズ 114は、絞り 112に面した側即ちレーザビームが入射される入射面側が凸状に形成されたガラスシリンダレンズ 132と入射面に貼合わせられたPMMA(ポリメチルメタクリレート)などのプラスチックシリンダレンズ 130から構成される。プラスチックシリンダレンズ 130は、吸湿或いは熱膨張などによりガラスレンズ 132から剥離されることを防止するために、レーザ 102から出射され、絞り 112を通過されたレーザビームが通過される領域即ち使用領域(レーザ通過領域)にのみ配置される。シリンダレンズ 114は、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118を通過されたのち感光体ドラムSに向かうレーザビームに、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118によって提供される副走査方向のビームウエスト位置(即ちレーザビームが到達される位置)の変動を抑えつつ、副走査方向のビームウエスト位置を最適化するために利用される。
【0053】
第1及び第2のfθレンズ 116及び 118は、それぞれ、ガラスレンズに比較して加工コストの小さい樹脂材料、例えば、PMMAなどによって形成される。それぞれのfθレンズ 116及び 118は、相互に、後述する相補的な光学特性が与えられている。
【0054】
第1のfθレンズ 116は、レーザビームが入射する入射面及びレーザビームが出射される出射面のそれぞれが非球面であって、zがレンズ面光軸とレンズ面の交点を原点としてレンズ面光軸方向を、yがレンズ面の対称面をzy平面で形成される軸を示し、z=g(y); iは面を示す定数、によって、それぞれのレンズの入射面及び出射面の母線が規定されるとき、上記yに対する1次及び2次の微分値のそれぞれの大小関係が光軸以外の位置でもいれ変わるよう形成される。尚、入射面及び出射面の光軸には、それぞれ、偏心及び傾きが与えられるとともに、それぞれの光軸が入射ビームに対して副走査方向の同方向へ変位されて配置される。
【0055】
これに対して、第2のfθレンズ 118は、入射面がトーリック面及び出射面が非球面であって、第1のfθレンズ 116と同様に、zがレンズ面光軸とレンズ面の交点を原点としてレンズ面光軸方向を、yがレンズ面の対称面をzy平面で形成される軸を示し、z=g(y); iは面を示す定数、によって、それぞれのレンズの入射面及び出射面の母線が規定されるとき、上記zの上記yに対する1次及び2次の微分値の大小関係が第1のfθレンズ 116に比較して概ね逆極性に形成される。また、入射面及び出射面の光軸には、(第1のfθレンズ 116と同様に)それぞれ、偏心及び傾きが与えられるとともに、出射面の光軸が入射ビームに対して副走査方向の第1のfθレンズ 116と同方向へ、入射面の光軸が逆方向へ、それぞれ、偏位されて配置される(表3に、それぞれのレンズの形状及び位置が、表4に、それぞれのレンズの光軸を原点とした場合のyの座標が“0”を通る光線の通過するx方向の領域が示されている)。尚、表4には、非球面の光軸を同方向にずらした際の光軸に対するレーザビームの通過xが示されているが、例えば、第2のfθレンズ 118の出射面のレーザビームの通過xが−3.5から−8にされた場合には、直線に対するx方向のズレが、(出射面を)同方向にずらした際の0.03p−pから0.15p−pと悪化してしまう。従って、トーリック面は、偏心及び傾きが与えられ、しかも、上記母線がレンズ面の全ての領域で非対称に形成されることが好ましい。
【0056】
水平同期検出センサ 120は、偏向装置 104を介して偏向されたレーザビームが到達されたことを検出することで、図示しない水平同期回路に基準位置信号を出力する。図示しない水平同期回路では、基準位置信号が入力されることで水平同期信号を発生させ、画像データを書き込みためのタイミングが整合される。
【0057】
遮光部材 122及び 124は、それぞれ、偏向装置 104を介して感光体ドラム12に向かって偏向されたレーザビームが第2のfθレンズ 118の出射面である非球面と入射面即ちトーリック面を介して反射されることで、後述する迷光となって感光体ドラム12の画像領域近傍に回り込むことを阻止するために利用される。
【0058】
図3には、図2に示されている光走査装置の光源側(偏向前)光学系 106の概略光路図が示されている。尚、図3では、半導体レーザ 102は、発光点 102´で代表されている(表1に、シリンダレンズ 114の形状、材質及び位置が示されている)。
【0059】
図2を利用して既に説明したように、集光レンズ 110を通過されたレーザビームは、シリンダレンズ 114に入射される。シリンダレンズ 114は、入射面側が凸状に形成されたガラスシリンダレンズ 132と、入射面に貼合わせられたPMMA(ポリメチルメタクリレート)などのプラスチックレンズ 130によって形成される。尚、プラスチックレンズ 130の入射面即ち絞り 112に面して配置される面は概ね平面に規定される。また、シリンダレンズ 114は、z方向に調整作業(組立時)によって移動される。
【0060】
図4には、図3に示されている偏向前光学系 106が利用された場合の温度変化による像面(被走査面即ち感光体ドラム12の表面を想定した設計上のレーザビームの到達位置)でのビーム径の変化が示されている。以下、この発明の光走査装置を評価するための設計上のレーザビームの到達位置を像面(点)、及び、実際にレーザビームが結像された位置を結像面(点)と示す。
【0061】
図4によれば、横軸にはシリンダレンズ 114のz方向の位置の設計値からのズレ量(調整量)が、及び、縦軸には、像面の中心部における副走査方向のビーム径が、それぞれ、示されている。尚、測定(環境)条件は、それぞれ、n(即ち実線)が、温度30度及び湿度0%、n(即ち破線)が、温度50度及び湿度0%、及び、n(即ち一点鎖線)が、温度10度及び湿度100%で、それぞれの条件における屈折率は、n=1.48325、n=1.4789、及び、n=1.4876である。
【0062】
図21には、図2に示されている光走査装置の光源側(偏向前)光学系を、従来から利用されているレンズ配置に置き換えた比較例としての偏向前光学系 606の概略光線図が示されている。尚、図3と同様に、レーザ 102は、発光点 102´で代表されている。図21から明らかなように、レンズ 614は、一般的な、シリンダレンズである。尚、レンズ 614の形状、材質及び位置は、表2に示されている。
【0063】
図22には、図4と同様の方法によって求められたビーム径の変化及び理論結像面におけるレーザビームの到達位置の変位が示されている。また、n、n及びnは、それぞれ、同一の条件に規定されている。
【0064】
次に、偏向後光学系 108の第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の形状及び位置について詳細に説明する。
【0065】
図5(a)には、偏向装置 104の反射点を第1のfθレンズ 116の光軸から見た状態におけるレーザビームの進行方向と垂直な走査平面内の図示しないy′軸に対する座標yが、図5(b)には、同様の状態におけるレーザビームの進行方向である図示しないz′軸に対する座標zが、それぞれ、示されている。尚、それぞれのグラフは、偏向装置 104の多面鏡に内接する円の半径を1として正規化された状態が示されている。
【0066】
図5(a)及び図5(b)によれば、縦軸には、それぞれ、偏向装置 104の反射鏡の回転角が0°のときの反射光の向きを−z方向とし、主走査方向をyとした座標系における主光線の反射点の座標y及びzが、横軸には偏向装置 104の入射光軸によって規定される偏向後光学系の有効角(即ち、第1のfθレンズ 116の光軸と入射光軸とのなす角の1/2であって、0は正面入射を、π/4は垂直入射を、それぞれ、示す)が、及び、奥行き方向の軸には、偏向装置 104の反射面の法線ベクトルのy成分と第1のfθレンズ 116の光軸の単位ベクトルのy成分とが一致する方向を0として示した偏向装置 104の回転角が示されている。
【0067】
図5(a)及び図5(b)から明らかなように、偏向装置 104の反射点は、偏向装置の反射面の回転角のプラス側とマイナス側とで非対称であることから、偏向装置 104に入射されるレーザビームが集束ビームである場合には、結像面に生じる湾曲が非対称になることを示している。
【0068】
このことから、偏向後光学系、即ち、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の光学特性が合成された系は、偏向装置 104の反射点の非対称性に対して、概ね逆向きの非対称性を有する形状及び非対称性によって生じる収差成分を打消すことのできる位置に配置されなければならないことが容易に理解される。従って、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118のそれぞれの入射面及び出射面には、第1のfθレンズ 116の入射面の光軸に対し、それぞれ、異なる傾き及び偏心が与えられるとともに、第2のfθレンズ 118の入射面即ちトーリック面の母線は対称軸を持たない形状(非対称)に形成される。
【0069】
表3には、偏向後光学系、即ち、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の光学特性が合成された系を構成する要素の光学特性が示されている(座標系は右手系である)。
【0070】
偏向後光学系、即ち、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の光学特性が合成された系の母線の形状は、それぞれ、曲率をc、コーニック係数をcc、レンズ 116の入射面、レンズ 116の出射面、レンズ 118の入射面及びレンズ 118の出射面の非球面係数をそれぞれd,e,f及びgとするとき、
【数5】
Figure 0003766271
で表される。
【0071】
表3において、副走査方向の曲率が「−」となる面は、対応されるレンズ面の形状が、光軸に関して回転された形状であることを示している。また、曲率が示されている面は、対応されるレンズ面の形状が、面の局所座標のz軸方向に、曲率の逆数分だけ離れたz−y平面内の、y軸に平行な軸を中心として回転された形状であることを示している。ここで、レーザビームが進行する方向は、z軸のプラスからマイナスへ向うものとする。また、絶対座標の原点は、偏向装置 104の反射面の回転角が0°のときの偏向装置 104の主光線の偏向点(反射点)であり、−z方向をこのときの反射された主光線の方向、y方向を主走査方向とした絶対の座標系で各レンズ面の局所座標原点を示したものであって、光軸方向は、絶対座標軸とそれ以外の各面の局所座標系の軸とのなす角を示す。尚、第2のfθレンズ 118のトーリック面のcc- ,d- ,e- ,f- 及びg- の添字「−」は局所座標のy座標がマイナスの場合の係数であることを示し、トーリック面の母線が対称軸を持たないことを示している。ここで、係数を変えるy座標位置では、z、1次及び2次の微分係数が等しくなる必要がある。図3に示されている例では、y=0を境界として非球面係数を変えているが、
【数6】
Figure 0003766271
であることから、全てのレンズ面で、1次及び2次の微分値を連続にするためには、トーリック面の母線は、曲率cのみを共通にすればよい。尚、レンズデータとしては、y座標がプラス側とマイナス側のトーリック面のコーニック係数cc及びcc- 、及び、それぞれの面の非球面係数d,e,f,g,d- ,e- ,f- 及びg- がそろって1セットのデータとなる。
【0072】
これとは別に、表3から明らかなように、それぞれのレンズ面には、x軸方向にも傾き及び偏心が与えられている。ここで、y=0を通過されたレーザビームは、非球面部で光軸以外を通過されることで、像面におけるx軸方向のビーム位置の直線性が確保される。
【0073】
ところで、プラスチックレンズが利用される場合、コーティング材とプラスチックとの温度による線膨脹係数の差が大きくなることから、反射防止コーティングが困難なことが知られている。また、レンズ面が軸対称に形成される場合に、型を製作するための旋盤の切削速度の影響により、軸中心付近で表面粗さが増大するとともに中心部に突起生じることなどが知られている。
【0074】
このため、多くの光走査装置では、偏向後光学系の全てのレンズ面を傾けたり中心位置を偏位させる技巧が利用されている。しかしながら、いづれの例であっても、像面でのビーム径が小さくなるに従って、結像特性が劣化されることが知られている。
【0075】
これに対して、表4から明らかなように、この発明の光走査装置では、第2のfθレンズ 118のトーリック面についてのみ、副走査方向においてレーザビームが光軸を通過するよう構成している。即ち、既に説明したように、第2のfθレンズ 118の入射面及び出射面の光軸には、第1のfθレンズ 116と同様に、それぞれ、偏心及び傾きが与えられるとともに、出射面の光軸が入射ビームに対して副走査方向の第1のfθレンズ 116と同方向へ、入射面の光軸が逆方向へ、それぞれ、偏位されて配置されることから、これまでの多くの光走査装置に認められた結像特性の劣化が低減される。
【0076】
図6ないし図9には、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の入射面及び出射面の形状、及び、それぞれの面の形状に関する1次微分値、2次微分値、3次微分値、及び、3次微分値の最大許容値が、それぞれ示されている。尚、1次微分値、2次微分値、3次微分値、及び、3次微分値の最大許容値は、それぞれ、主光線の方向を変える力、レンズパワー、面が偏心した場合のパワーの変動量にそれぞれ比例する量、及び、偏心量の公差が50μmである場合に、結像面でのビーム径の変動が10%になる3次微分値を示している。
【0077】
図6(a)及び図8(a)によれば、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の入射面及び出射面の主走査方向の長さyとレーザビームが進行する方向の長さ(厚さ)zの関係、即ち、局所座標系におけるyの変化に対するzの値が、それぞれ示されている。尚、長さyは、像面における長さとは異なり、それぞれのレンズ 116及び 118の光軸とレンズ面の交点を頂点とし、光軸方向をz、主走査方向をyとした局所座標系に対する位置を示している。
【0078】
図6(b)及び図6(c)によれば、第1のfθレンズ 116の入射面及び出射面の1次及び2次の微分値は、光軸以外の位置a及びbで大小関係が逆転されている。また、図8(b)及び(c)によれば、第2のfθレンズ 118の入射面及び出射面の1次及び2次の微分値は、同様に、光軸以外の位置c及びdで大小関係が逆転されている。また、第1のfθレンズ 116のそれぞれの面の1次及び2次の微分値と、第2のfθレンズ 118のそれぞれの面の1次及び2次の微分値とは、同一の光線が通過されるそれぞれに相対応するyの値に対して、概ね逆の関係に規定されている。
【0079】
即ち、第1のfθレンズ 116では、光軸中心に近い位置で、出射面での1次及び2次の微分値が、入射面の1次及び2次の微分値よりもそれぞれ増大される一方で、周辺部で、入射面の1次及び2次の微分値が、出射面の1次及び2次の微分値よりもそれぞれ増大される。これに対して、第2のfθレンズ 118では、光軸中心に近い位置で、入射面での1次及び2次の微分値が、出射面の1次及び2次の微分値よりもそれぞれ増大される一方で、周辺部で、出射面の1次及び2次の微分値が、入射面の1次及び2次の微分値よりもそれぞれ増大される。
【0080】
ここで、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の1次及び2次の微分値が逆の関係に規定される理由を説明する。尚、1次微分値は、後述するように、fθ特性を最適化するために利用される。また、2次微分値は、後述するように、像面湾曲を最適化するために利用される。
【0081】
図10(a)によれば、空気層から、傾き角αを有する屈折率nの層へ角度θで入射した光は、sinθ=θ、並びに、sinα=α、とそれぞれ近似することにより、(θ−α)/n+αで出射される。一方、図10(b)から明らかなように、屈折率nの層から、傾き角βを有する空気層へ角度θ′で入射した光は、同様の近似から、n(θ′−β)+βで出射される。即ち、傾き角αを有する屈折率nの層に入射角θで入射されたレーザビームは、θ+(n−1)×(α−β)の角度で出射される。尚、図10(a)及び図10(b)では、α及びβは、それぞれ、y軸からの傾きを示し、z方向に対して「−」の値を持つ。
【0082】
ここで、傾き角αが小さいときは、tanα=αと近似できることから、それぞれの傾き角α及びβを1次の微分値と置き換えることで、空気層から傾き角αを有する屈折率nの層を通過され、さらに、屈折率nの層から傾き角βを有する空気層を通過されたレーザビームは、入射角に対し、(n−1)×(α−β)だけ角度が増大される。この場合、(n−1)×(α−β)の値が大きいほど、fθ特性に関し、fの値を大きくするよう作用することから、(n−1)が変化された場合には、fの値を大きくできる機能は(α−β)に、概ね、比例される。尚、α−β<0の場合、fの値を小さくするよう機能する。
【0083】
このことから、第1のfθレンズ 116及び第2のfθレンズ 118を通過されるレーザビームが実質的に同一の振り角で通過される位置で、それぞれのレンズの(α−β)を逆符号にすることで、屈折率の変化に対するfθ特性への影響を、打ち消すことができる。
【0084】
このように、1次の微分値の大小関係が、光軸以外の位置でもいれ代わることは、fθ特性のf値を大きくするために、有益である。fθ特性のf値が増大されることは、偏向装置 104を介して偏向されるレーザビームの偏向角が小さくとも、主走査面での走査領域を大きくとることを可能とすることを示している。このことから、偏向装置 104と理論結像面との間の距離が低減可能となり、光走査装置の大きさが低減される。
【0085】
一方、2次の微分値は、レンズの焦点距離をf、入射面曲率をc、及び、出射面曲率をcとし、薄肉レンズの公式
−1/f = (n−1)×(c−c
を適用することで説明される(左辺の「−」は、レーザビームがz方向「+」から「−」進むことを示す)。
【0086】
既に説明したように、(2)式より曲率は、2次の微分値に置き換えられることから、c及びcは、それぞれ、入射面及び出射面の2次の微分値と書き換えられる。従って、(n−1)×(c−c)の値が小さいほど結像点を偏向装置 104側へ移動させるよう作用することが認められる。
【0087】
このとき、(n−1)の変化に対し、結像点を偏向装置 104側へ移動させる作用は、(c−c)に概ね、比例する。即ち、c−c > 0のときは、偏向装置 104と反対方向へ、c−c < 0のときは、偏向装置 104側へ結像点が移動される。
【0088】
このことから、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118を通過されるレーザビームが実質的に同一の振り角で通過される位置で、それぞれのレンズの(c−c)を逆符号にすることで、屈折率の変化に対する結像点への影響(デフォーカスへの影響)を、打ち消すことができる。
【0089】
このように、2次の微分値の大小関係が、光軸以外の位置でもいれ代わることは、レンズの肉厚(厚さ)を薄くできることを示している。このことは、レンズの肉厚の変化も低減できることから、第1及び第2のfθレンズを成形加工するために必要な成形時間も短縮される。また、同時に、加工精度が向上される。
【0090】
ところで、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の入射面及び出射面のそれぞれに、非球面及び非対称トーリック面が配置されることは、レンズが固定される場合の位置精度、入射面及び出射面の単体としての加工精度、及び、入射面と出射面との位置の偏位などに高い精度が要求されることは、既に説明した通りである。尚、いづれかのレンズ面の位置が設計値から大きく偏位した場合には、例えば、ビーム径或いはrms opd (rms opdは、root mean square optical path differenceの略であって、光路差の2乗平均と解釈される)が大きく変動することが知られている。
【0091】
ビーム径が変動した場合には、画素の大きさが変化し、中間調画像では、画像濃度が変化されることから、特に、レーザビームプリンタ装置では、ビーム径の変動は、概ね±10%以下に抑えられなければならないことが、実験的に、確認されている。
【0092】
rms opd は、組み立て公差の累積量に応じて所定の比率で変化することから、組み立て精度を評価するために利用される。また、rms opd の変化に対する変化率は、波長をλ、シリンダレンズ 614が光軸の回りを回転される量(組み立て誤差、即ち、回転角)をφ(図21参照)とすると、
【数7】
Figure 0003766271
によって求められ、rms opd ≦ 0.07λを満足するような範囲に、回転角φを収めること好ましい。
【0093】
以下に、ビーム径がガウシアンビーム(レーザビームのビーム断面のエネルギ分布は、一般に、ガウス分布であるとされていることから、このように呼称される)であると仮定して、ビーム径の変動が10%以下になる場合を考察する。
【0094】
ガウシアンビームの伝搬式は、ビームウエスト半径がω、波長がλ、及び、k=2π/λである場合に、
【数8】
Figure 0003766271
と示される。
【0095】
従って、ビーム径の比がω/ωとなるデフォーカス量dzは、
【数9】
Figure 0003766271
で表される。
【0096】
これに対して、レンズ面上で光線が通過される位置の局所曲率が、cからc+δcへ移行した場合の結像面の移動量は、
【数10】
Figure 0003766271
となる。
【0097】
ここで、(6)式の値が、(5)式においてビーム径が1.1倍になる量よりも小さくなる条件は、Δが偏心の公差又は傾き公差を相当する偏心公差に変換した公差、nがレンズ材質の屈折率、fが対象レンズ以降のレンズの合成焦点距離、zが対象レンズと対象レンズ以降の合成レンズの入射面側主平面との間の距離、zが対象レンズ以降の合成レンズの出射面側主平面と理論結像面との間の距離、と、それぞれ規定されるとき、
【数11】
Figure 0003766271
から求められる。
【0098】
尚、(7)式の左辺は、(2)式、及び、図7(d)及び図9(d)に示されているfθレンズの形状の3次の微分値に一致される。また、図7(e)及び図9(e)には、(7)式に、Δ=0.05及びω=0.025を代入することによって得られる3次の微分値の許容値が示されている。即ち、図7(d)及び図9(d)に示されているそれぞれのレンズの3次の微分値の絶対値が、主走査方向における同一位置で、図7(e)及び図9(e)に示されている3次の微分値の許容値以下である場合には、ビーム径の変動が概ね±10%以下になることが示されている。
【0099】
図11及び図12には、表1に示されている偏向前光学系と表3に示されている偏向後光学系とが組み合わせられることで得られる、主走査方向の結像面位置のズレ、温度或いは湿度の変化により屈折率が変化された状態でのfθ特性、及び、副走査方向の直線性などが示されている。尚、それぞれのグラフにおける環境条件は、図6(a)及び図8(a)と同様に、それぞれ、n(即ち実線)が、温度30度及び湿度0%、n(即ち破線)が、温度50度及び湿度0%、及び、n(即ち一点鎖線)が、温度10度及び湿度100%である。
【0100】
図11(a)には、fθ特性の変化が、図11(b)には、主走査方向の結像面位置の変化が、及び、図11(c)には、面倒れによるx軸方向の結像面位置の変化が、それぞれ、示されている。また、図12(d)には、x軸方向のずれ、即ち、像面湾曲が、及び、図12(e)には、副走査方向の直線性に対するx軸方向のずれが、それぞれ、示されている。
【0101】
図11及び図12から明らかなように、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118の双方に、プラスチックレンズが利用された場合であっても、それぞれのfθレンズが、図6ないし図9に示めされているような特性に形成されることで、温度或いは湿度の変化により屈折率が変化された場合であっても、その影響が概ねキャンセルされることが認められる。
【0102】
図13には、第2のfθレンズ 118を通過されるレーザビームがレンズ 118の出射面で反射されたのち、入射面即ちトーリック面で再び反射されて出射されることで迷光が生じる原理が示されている。
【0103】
図13によれば、第2のfθレンズ 118は、入射面がトーリック面に形成されていることから、入射面と出射面との間を往復されるレーザビームの一部が、結像面即ち感光体ドラムの画像形成領域に向かう虞れのあることが示されている。
【0104】
図14には、図13に示されているようにして生じた迷光が到達される位置が示されている。それぞれの線は、図3で示す有限レンズ 110のf=0.121013は、光線上限を、また、f=−0.121013は、光線下限を通る光線の上記位置を、それぞれ、示す。
【0105】
図14(a)によれば、第1及び第2のfθレンズ 116及び 118のそれぞれの入射面及び出射面との間を往復された迷光は、露光ビーム(レーザビーム)が到達される位置に比較してx軸方向に比較的離れた、状態で幅を持って存在する。
【0106】
これに対して、図14(b)から明らかなように、第2のfθレンズ 118の入射面によって発生される迷光は、入射面の形状と偏向装置 104の回転角との影響によって、一時的に停滞することが知られている。即ち、露光ビームの位置を横軸に、迷光の位置を縦軸にとった場合に、迷光が到達される位置を示す曲線には、極大値及び極小値が現れる。この場合、図14(b)において迷光の曲線が極大値及び極小値を示す露光ビームによって印字される際には、迷光のエネルギが露光ビームの0.2%程度であるにも拘らず、停滞によってエネルギが蓄積されることで、比較的濃度の低い画像、例えば、ハーフトーン画像などに対して、濃度変化をもたらす虞れがある。
【0107】
このことから、図2に示されているように、結像位置(感光体ドラム)Sの両端部付近の画像領域に影を落とすことのない位置には、遮光部材 122及び 124が配置されるとともに、第2のfθレンズ 118の入射面の一次の微分値の分布が、図6ないし図9で既に説明したように、迷光が停滞される領域が遮光部材 122及び 124を介して遮られるよう最適化されている。尚、遮光部材 122及び 124は、感光体ドラムに露光ビームが照射される際に利用される図示しない露光スリットの形状が変形されてもよいことは、いうまでもない。
【0108】
図15には、図3に示されている偏向前光学系の別の実施例が示されている。図15では、図3の構成と同一の部材には、同一の符号を譜して詳細な説明を省略する。尚、表5に、シリンダレンズ 214の形状、材質及び位置が示されている。また、図3と同様に、レーザ 102は、発光点 102´で代表されている。
【0109】
図15によれば、偏光前光学系 206は、光源 102´に近い側から順に配置された集光レンズ 110、絞り 112、及び、シリンダレンズ 214を含んでいる。
【0110】
シリンダレンズ 214は、例えば、BK7などの光学ガラスによって形成された第1のシリンダレンズ 240とPMMAによって形成された第2のシリンダレンズ 242が、シリンダレンズ 240のみが独立に調整可能に、図示しないハウジングに固定されている。また、偏向装置 104もシリンダレンズ 214と同一のハウジングに固定されている。尚、第1のシリンダレンズ 240と第2のシリンダレンズ 242のいづれか一方もしくは両方に、光軸を中心として回転する方向への調節機構が配置されている。しかしながら、いづれのシリンダレンズに関しても、光軸を中心として回転される量(即ち回転角)φが所定値、例えば、1°を越えて回転される場合には、既に説明したrms opd が劣化することから、組み立て精度及びレンズ面の加工精度が要求される。
【0111】
図16には、図15に示されている偏光前光学系 306の第1のシリンダレンズ 240が偏位したと仮定した状態で、図4と同様の方法によって求められたビーム径の変化及び像面におけるレーザビームの到達位置の変位が示されている。尚、屈折率の変化を示す、n、n及びnは、それぞれ、図4と同一の条件に規定されている。
【0112】
図16と図22から明らかなように、図15に示されている実施例が利用された場合には、図3に示されている第1の実施例に比較してレンズ単体の加工が簡単なレンズが組み合わせられることで、図4に示されている第1の実施例のビーム径の変化に比較して遜色のない偏光前光学系が提供される。尚、図15で既に説明したように、rms opd が劣化することのないよう、それぞれのレンズの光軸を中心とした回転φを小さくするように調整することが好ましい。
【0113】
図17には、図3に示されている偏向前光学系のさらに別の変形例が示されている。図17では、図3の構成と同一の部材には、同一の符号を譜して詳細な説明を省略する。尚、表6に、シリンダレンズ 314の形状、材質及び位置が示されている。また、図3と同様に、レーザ 102は、発光点 102´で代表されている。
【0114】
図17によれば、偏光前光学系 306は、光源 102´に近い側から順に配置された集光レンズ 110、絞り 112、及び、シリンダレンズ 314を含んでいる。
【0115】
シリンダレンズ 314は、例えば、SF12などの光学ガラスによって形成された第1のシリンダレンズ 350と、PMMAによって形成され、第1のシリンダレンズ 350と絶対値が等しい曲率が与えられた第2のシリンダレンズ 352とが、板ばね 354などを介して相互に密着されて形成される。尚、それぞれのシリンダレンズ 350及び 352は、別々に形成される。また、それぞれのシリンダレンズ 350及び 352は、相互に、等しい絶対値の曲率を有することから、板ばね 354による圧接力によって、それぞれのレンズ面の母線が平行に調整されて固定される。一方、板ばね 354の光軸中心付近には、発光点 102´からのレーザビームを通過させるための開口が形成されることはいうまでもない。
【0116】
図18には、図17に示されている偏向前光学系の変形例が示されている。
【0117】
図18によれば、偏光前光学系 406は、光源 102´に近い側から順に配置された集光レンズ 110、絞り 112、及び、シリンダレンズ 414を含んでいる。
【0118】
シリンダレンズ 414は、例えば、SF12などの光学ガラスによって形成された第1のシリンダレンズ 460(実質的に、図17のシリンダレンズ 350に等しい)と、PMMAによって形成され、第1のシリンダレンズ 460と絶対値が等しい曲率が与えられた第2のシリンダレンズ 462(実質的に、図17の第2のシリンダレンズ 352に等しい)とが、n=1,68325の樹脂接着剤 464を介して接着されている。
【0119】
図19には、図17に示されている偏光前光学系 306の第1及び第2のシリンダレンズ 350及び 352が一体的に偏位したと仮定した状態で、図4と同様の方法によって求められたビーム径の変化及び像面におけるレーザビームの到達位置の変位が示されている。尚、屈折率の変化を示す、n、n及びnは、それぞれ、図4と同一の条件に規定されている。
【0120】
図19と図22から明らかなように、図17に示されている実施例が利用された場合には、図3に示されている第1の実施例に比較してレンズ単体の加工が簡単なレンズが組み合わせられることで、図4に示されている第1の実施例のビーム径の変化に比較して遜色のない偏光前光学系が提供される。尚、図18に示されている例でも、概ね同一の結果が得られている。この場合、評価に際して、第2のシリンダレンズ 462の厚さは、シリンダレンズ 414の厚さから第1のシリンダレンズ 460の厚さと接着剤 464の厚さを引いた値として計算される。
【0121】
図20には、図2に示されている光走査装置とは、異なる光走査装置が示されている。
【0122】
光走査装置 530は、レーザビームを発生する半導体レーザ 502(発光点 502´で示されている)、発光点 502´から出射されたレーザビームを、感光体ドラム12(レーザビームが結像される位置のみが仮想的にSで示されている)の図示しない軸線と概ね平行な方向即ち主走査方向に偏向する偏向装置 504、レーザ 502(発光点 502´)と偏向装置 504との間に配置され、偏向装置 504に向かうレーザビームのビーム径を所定の大きさに整える光源側(偏向前)光学系 506、偏向装置 504と感光体ドラムS(12)との間に配置され、偏向装置 504を介して偏向されたレーザビームを感光体ドラムSに向かって折返す平面鏡 520、及び、偏向装置 504を介して偏向され、平面鏡 520を介して折返されたレーザビームを感光体ドラムSの図示しない軸線に沿ったどの位置にも概ね等しい条件で結像させる像面側(偏向後)光学系 508を含んでいる。尚、それぞれの要素(部材)は、図2に示されている光走査装置30と実質的に同一であるから、詳細な説明は、省略する。
【0123】
図20に示されている光走査装置 530によれば、平面鏡 520は、偏向装置 504の近傍のビーム走査領域の幅が狭い領域に配置されることから、図2に示されている光走査装置30に比較して、偏向装置 504と感光体ドラムS(12)との間の距離を大幅に短縮できる。従って、よりコンパクト光走査装置が提供される。
【0124】
【表1】
Figure 0003766271
表1は、図3に示されている偏向前光学系のレンズデータ。
【0125】
【表2】
Figure 0003766271
表2は、図21に示されている従来からの偏向前光学系のレンズデータ。
【0126】
【表3】
Figure 0003766271
表3は、偏向後光学系のレンズデータ。
【0127】
【表4】
Figure 0003766271
表4は、y=0を通過される際のレーザビームのx座標デ−タ。
【0128】
【表5】
Figure 0003766271
表5は、図15に示されている偏向前光学系のレンズデータ。
【0129】
【表6】
Figure 0003766271
【0130】
表6は、図17に示されている偏向前光学系のレンズデータ。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光走査装置によれば、第1及び第2のfθレンズは、相互に協働し、相補的に作用して、感光体ドラムに到達されるレーザビームの湾曲、fθ特性、面倒れ補正特性、或いは、直線性などの多くの特性を向上させることができる。尚、第1及び第2のfθレンズの合成焦点距離を所定の範囲内に規定することで、温度或いは湿度など(環境)の変化によって焦点距離が変動されるプラスチックレンズを含む偏向後光学系は、主として、歪曲収差或いは像面湾曲などの補正に利用される収差補正的な役割に分担される。
【0132】
このように、レーザビームプリンタ装置に利用される光走査装置の一部のレンズを、温度或いは湿度の変化に対する屈折率の変化を最適化したプラスチックレンズに置き換えることで、装置が軽量化されるとともに小形化される。また、レンズの枚数が低減されることで、コストが低下される。
【0133】
また、偏向装置が高速化のために反射面の数が増大された場合であっても、偏向角が低減可能であることから、偏向装置と結像面との間の距離が低減され、コンパクトな光走査装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施例である光走査装置が組み込まれる画像形成装置を示す概略断面図。
【図2】図2は、図1に示されている画像形成装置に組み込まれる光走査装置の一例を示す概略光路展開図。
【図3】図3は、図2に示されている光走査装置の偏向前光学系の副走査方向のレンズ配置を示す概略光路図。
【図4】図4は、図2に示されている光走査装置が利用された際の、温度或いは湿度の変化により屈折率が変動した際の像面(被走査面)の中心部での副走査方向のビーム径を示すグラフ。
【図5】図5は、偏向装置の反射面の内接円半径を1と正規化した際の偏向装置における反射点位置を示すグラフ。
【図6】図6は、第1のfθレンズのレンズ面の形状、レンズ面の1次及び2次の微分値を示すグラフ。
【図7】図7は、第1のfθレンズのレンズ面の3次の微分値、及び、3次の微分値の許容値を示すグラフ。
【図8】図8は、第2のfθレンズのレンズ面の形状、レンズ面の1次及び2次の微分値を示すグラフ。
【図9】図9は、第2のfθレンズのレンズ面の3次の微分値、及び、3次の微分値の許容値を示すグラフ。
【図10】図10は、レンズ面の1次の微分値とレンズを通過されるレーザビームとの関係を示す概略光路図。
【図11】図11は、表1に示されている偏向前光学系と表3に示されている偏向後光学系とが組み合わせられることで得られる、この発明の光走査装置の光学特性を示すグラフ。
【図12】図12は、表1に示されている偏向前光学系と表3に示されている偏向後光学系とが組み合わせられることで得られる、この発明の光走査装置の光学特性を示すグラフ。
【図13】図13は、図2に示されている光走査装置によって迷光が発生される原理を示す概略光路図。
【図14】図14は、図2に示されている光走査装置によって迷光が発生される位置を示す座標分布図。
【図15】図15は、図3に示されている偏向前光学系の別の実施例を示す光路図。
【図16】図16は、図2に示されている光走査装置の偏向前光学系を図15に示されている光学系に置き換えた状態での温度或いは湿度の変化によるシリンダレンズの位置ずれと屈折率が変動した際の理論結像面の中心部での副走査方向のビーム径を示すグラフ。
【図17】図17は、図3に示されている偏向前光学系のさらに別の実施例を示す光路図。
【図18】図18は、図17に示されている偏向前光学系の変形例を示す光路図。
【図19】図19は、図2に示されている光走査装置の偏向前光学系を図17に示されている光学系に置き換えた状態での温度或いは湿度の変化により屈折率が変動した際の理論結像面の中心部での副走査方向のビーム径を示すグラフ。
【図20】図20は、図2に示されている光走査装置の別の実施例を示す概略光路展開図。
【図21】図21は、従来から利用されている偏向前光学系を図3と同様の方法で示した概略光路図。
【図22】図22は、図21に示されている従来の光走査装置が利用された際の、温度或いは湿度の変化によるシリンダレンズの位置ずれと屈折率が変動した際の理論結像面の中心部での副走査方向のビーム径を示すグラフ。
【符号の説明】
2…プリンタ装置、10…プロセスユニット、12…感光体ドラム、14…帯電装置、16…現像装置、18…クリーニング装置、20…除電ランプ、30…露光装置、50…プリンタ本体、52a,52b…カセット、54a,54b…給紙ローラ、56a,56b…搬送ローラ、58a,58b,58c…用紙ガイド、60…アライニングローラ、62…転写前ローラ、64…転写装置、66…定着装置、68…排出装置、70…制御部、 102…半導体レーザ、 102´…発光点、 104…偏向装置、 106…偏向前光学系、 108…偏光後光学系、 110…有限レンズ、 112…絞り、 114…シリンダレンズ、 116…第1のfθレンズ、 118…第2のfθレンズ、 120…水平同期検出器、 122, 124…遮光部材、 206…偏向前光学系、 214…シリンダレンズ、 240…ガラスシリンダレンズ、 242…PMMAシリンダレンズ、 306…偏向前光学系、 314…シリンダレンズ、 350…ガラスシリンダレンズ、 352…PMMAシリンダレンズ、 354…板ばね、 406…偏向前光学系、 414…シリンダレンズ、 460…ガラスシリンダレンズ、 462…PMMAシリンダレンズ、 464…樹脂接着剤、 502´…発光点、 504…偏向装置、 506…偏向前光学系、 508…偏光後光学系、 510…有限レンズ、 512…絞り、 514…シリンダレンズ、 516…第1のfθレンズ、 518…第2のfθレンズ、 520…平面鏡、 530…光走査装置。

Claims (3)

  1. 光を発生する光源と、上記光源からの光を被走査面に向かって偏向する偏向手段と、この偏向手段と上記光源との間に配置され、上記光源からの光の断面形状を所定の形状に変換する偏向前光学手段と、上記偏向手段と上記被走査面との間に配置され、プラスチックレンズを含み、上記偏向手段を介して偏向された光を上記被走査面近傍に結像させる偏向後光学手段と、を有し、
    上記偏向前光学手段は、ガラスシリンダレンズとプラスチックレンズを含み、上記ガラスシリンダレンズと上記プラスチックレンズと樹脂接着剤を介して接着し、または相互に密着させてばね部材により一体的に固定したものであることを特徴とする電子写真プロセスを用いて画像を形成するための光走査装置。
  2. 光を発生する光源と、上記光源からの光を被走査面に向かって偏向する偏向手段と、この偏向手段と上記光源との間に配置され、上記光源からの光の断面形状を所定の形状に変換する偏向前光学手段と、上記偏向手段と上記被走査面との間に配置され、プラスチックレンズを含み、上記偏向手段を介して偏向された光を上記被走査面近傍に結像させる偏向後光学手段と、を有し、
    上記偏向前光学手段は、ガラスシリンダレンズと、上記偏向手段を介して光が偏向される方向およびそれに直交する方向にそれぞれ異なるパワーを持つプラスチックレンズを含み、上記ガラスシリンダレンズと上記プラスチックレンズと樹脂接着剤を介して接着し、または相互に密着させてばね部材により一体的に固定したものであることを特徴とする電子写真プロセスを用いて画像を形成するための光走査装置。
  3. 光を発生する光源と、上記光源からの光を被走査面に向かって偏向する偏向手段と、この偏向手段と上記光源との間に配置され、上記光源からの光の断面形状を所定の形状に変換する偏向前光学手段と、上記偏向手段と上記被走査面との間に配置され、プラスチックレンズを含み、上記偏向手段を介して偏向された光を上記被走査面近傍に結像させる偏向後光学手段と、を有し、
    上記偏向前光学手段は、ガラスシリンダレンズとプラスチックレンズを含み、上記ガラスシリンダレンズと上記プラスチックレンズと樹脂接着剤を介して接着し、または相互に密着させてばね部材により一体的に固定するとともに、一体的に変位可能としたことを特徴とする電子写真プロセスを用いて画像を形成するための光走査装置。
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