JP2987973B2 - 建築板の接合装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として浴室や台所等
の壁材、天井材等として使用する建築板の接合装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来からこの種の建築板の接合装置とし
ては、図３及び図４に示すように、浴室（イ）の上部開
口に一定の間隔で平行に架設した複数本の下地材
（ロ），（ロ），・・・と直交させて、複数枚の建築板
本体（ハ），（ハ），・・・を並設して、天井材として
使用するものが汎く知られていた。

【０００３】建築板本体（ハ）は、アルミニウム材を押
し出し成形して作成したものである。尚、建築板本体
（ハ）は長尺な平板の両側に立ち上がり片（ニ），
（ニ）を全長に亘って形成したものであって、一方の立
ち上がり片（ニ）が他方の立ち上がり片（ニ）より高く
なっている。又、高さが高いほうの立ち上がり片（ニ）
の上端には、支持片（ホ）が外方に向かって突出してお
り、該支持片（ホ）の下方には、挿入凹部（ヘ）が同支
持片（ホ）と隣接して形成されている。更に、該挿入凹
部（ヘ）の下方の立ち上がり片（ニ）には、当接片
（ト）が支持片（ホ）と略略平行に、支持片（ホ）より
短い突出寸法でもって外方に突出している。又、高さが
低いほうの立ち上がり片（ニ）の上端には、当板（チ）
が内方に向かって突出しており、該立ち上がり片（ニ）
の中程には、係止片（リ）が外方に向かって突出してい
る。更に、建築板本体（ハ）の両立ち上がり片（ニ），
（ニ）間には、発泡ウレタン樹脂製の断熱材（ヌ）が充
填されている。

【０００４】このような建築板本体（ハ），（ハ），・
・・を並設する場合には、予め取着した建築板本体
（ハ）の挿入凹部（ヘ）に、隣接する建築板本体（ハ）
の高さが低いほうの立ち上がり片（ニ）の係止片（リ）
を挿入した後、該建築板本体（ハ）の支持片（ホ）をそ
れぞれの下地材（ロ），（ロ），・・・に釘（ル），
（ル），・・・で打ちつけて同建築板本体（ハ）を固定
する。この固定した建築板本体（ハ）の挿入凹部（ヘ）
へ、更に隣接する建築板本体（ハ）の係止片（リ）を挿
入した後、該建築板本体（ハ）の支持片（ホ）を釘
（ル），（ル），・・・で下地材（ロ），（ロ），・・
・に固定して並設し、これを繰り返して行い浴室の上部
開口に並設するのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の技術にあっては、建築板本体（ハ）の支持
片（ホ）を下地材（ロ），（ロ），・・・に釘（ル），
（ル），・・・で打ちつけてを固定するため、釘打ちに
よって建築板本体（ハ）が破損したり、各建築板本体
（ハ），（ハ），・・・をそれぞれの下地材（ロ），
（ロ），・・・に釘打ちしなければならず煩わしいとい
う問題があった。

【０００６】本発明は、従来に係る上記の問題を解決す
るために発明されたものである。すなわち、その課題
は、施工が容易な建築板の接合装置を提供することであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の建築板の接合装
置は、上述した問題を解決するものであり、長尺な取付
け部材に一定間隔をあけて上下逆略Ｔ字状をした引っ掛
け片を垂設し、該引っ掛け片の上下逆略Ｔ字の横辺部分
の両側上縁に引っ掛け凹部を形成し、同取付け部材を下
地材の下側に適宜間隔をおいて平行に並設し、他方、建
築板本体の長手方向の上面両側端に前記取付け部材の対
向する引っ掛け片の引っ掛け凹部に係着なし得る係着片
を略水平方向で外側方に向けて突設し、同建築板本体の
長手方向の下面一側端に突片を略水平方向で外側方に向
けて突設し、該突片と上下方向で重なり得る重合片を同
建築板本体の長手方向の下面他側端に略水平方向で外側
方に向けて突設し、同建築板本体を前記取付け部材と直
交させて該取付け部材の下側に複数枚並設し、各建築板
本体の両係着片を取付け部材の対向する引っ掛け凹部に
係着するとともに隣接する各建築板本体の近接している
突片と重合片とを重ねて成るものである。

【０００８】

【作用】本発明の建築板の接合装置は、上記した構成を
しており、下地材へ適宜間隔をおいて平行に並設する長
尺な取付け部材と直交して建築板本体を取付け部材の対
向する引っ掛け片の引っ掛け凹部に該建築板本体の係着
片を係着させ隣接する各建築板本体の近接している突片
と重合片とを重ねて、複数枚の建築板本体を並設させ
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例に基づい
て詳細に説明する。

【００１０】図１及び図２に示す建築板の接合装置は、
本発明の一実施例であり、長尺な取付け部材１に一定間
隔をあけて上下逆略Ｔ字状をした引っ掛け片１ａ，１
ａ，・・・を垂設し、該引っ掛け片１ａの上下逆略Ｔ字
の横辺部分の両側上縁に引っ掛け凹部１ｂ，１ｂを形成
し、同取付け部材１を棒状の下地材２，２，・・・の下
側に適宜間隔をおいて平行に並設し、他方、建築板本体
３の長手方向の上面両側端に前記取付け部材１の対向す
る引っ掛け片１ａ，１ａの引っ掛け凹部１ｂ，１ｂに係
着なし得る係着片３ａ，３ａを略水平方向で外側方に向
けて突設し、同建築板本体３の長手方向の下面一側端に
突片３ｂを略水平方向で外側方に向けて突設し、該突片
３ｂと上下方向で重なり得る重合片３ｃを同建築板本体
３の長手方向の下面他側端に略水平方向で外側方に向け
て突設し、同建築板本体３を前記取付け部材１と直交さ
せて該取付け部材１の下側に複数枚並設し、各建築板本
体３，３，・・・の両係着片３ａ，３ａを取付け部材
１，１，・・・の対向する引っ掛け凹部１ｂ，１ｂに係
着するとともに隣接する各建築板本体３，３，・・・の
近接している突片３ｂと重合片３ｃとを重ねて成るもの
である。

【００１１】建築板本体３，３，・・・は、天井材とし
て浴室の天面開口を塞ぐように並設されたものであっ
て、棒状の下地材２，２，・・・を天面開口に一定間隔
をおいて平行に架設し、該下地材２，２，・・・の下方
から同下地材２，２，・・・と直交して、複数本の取付
け部材１，１，・・・を該下地材２，２，・・・にねじ
４，４，・・・でもって固定し、更に、該取付け部材
１，１，・・・と直交して、複数枚の建築板本体３，
３，・・・を並設し、各建築板本体３，３，・・・の係
着片３ａ，３ａを取付け部材１，１，・・・の対向する
引っ掛け片１ａ，１ａの引っ掛け凹部１ｂ，１ｂに引っ
掛けて、各建築板本体３，３，・・・を取付け部材１，
１，・・・に係着するとともに、各建築板本体３，３，
・・・の隣接する建築板本体３，３の近接している突片
３ｂと重合片３ｃとを上下に重ねて建築板本体３，３，
・・・が並設される。

【００１２】取付け部材１は、細長い平板状をした板体
の一側端の全長に亘って垂下片を一体に形成した断面略
Ｌ字状の長尺な金属製のものであって、該取付け部材１
の垂下片の下端には、長さ方向に一定間隔をあけて複数
の引っ掛け片１ａ，１ａ，・・・が下方に向かって突設
されている。尚、該引っ掛け片１ａは、略Ｔ字状をして
おり、該引っ掛け片１ａの一方の突起片１ｃは、他方の
突起片１ｄよりも長い寸法で突出している。尚、突起片
１ｃの上縁の中程には、引っ掛け凹部１ｂが形成されて
おり、突起片１ｄの上縁の奥端にも引っ掛け凹部１ｂが
形成されている。又、隣合って対向する引っ掛け片１
ａ，１ａの両突起片１ｃ，１ｄの引っ掛け凹部１ｂ，１
ｂには、建築板本体３の係着片３ａ，３ａの先端に設け
てある下方に向かって突出する引っ掛かり突部３ｄ，３
ｄが挿入係着されるようになっている。

【００１３】又、建築板本体３は、アルミニウム材を断
面略コ字状の薄肉に押し出し成形したものを所定の長さ
寸法に切断して作成したものであり、内面には発泡ウレ
タン樹脂や発泡フェノール樹脂等でできた断熱材１ｅが
充填されている。尚、建築板本体３の上面両側端には、
取付け部材１の対向する引っ掛け片１ａ，１ａの両突起
片１ｃ，１ｄの引っ掛け凹部１ｂ，１ｂに係着なし得る
係着片３ａ，３ａが、外方に向かって突出している。更
に、取付け部材１の引っ掛け片１ａの長さ寸法が長い突
起片１ｃに係着される係着片３ａの突出長さは、長さ寸
法が長い突起片１ｃと略同一寸法となっており、取付け
部材１の引っ掛け片１ａの長さ寸法が短い突起片１ｄに
係着される係着片３ａの突出長さは、長さ寸法が短い突
起片１ｄと略同一寸法となっている。又、建築板本体３
の突出長さの短い係着片３ａ側の下面側端には、突片３
ｂが外方に向けて突設しており、突出長さの長い係着片
３ａ側の下面側端には、突片３ｂと重なり得る重合片３
ｃが外方に向けて突設されており、突片３ｂの先端から
重合片３ｃの先端までの幅寸法は２００ｍｍ程度となっ
ている。又、建築板本体３の下面全面には、波状をした
複数の凹凸が長さ方向と平行に全長に亘って形成されて
いる。

【００１４】そして、建築板本体３，３，・・・の係着
片３ａ，３ａを取付け部材１，１，・・・の対向する引
っ掛け片１ａ，１ａの引っ掛け凹部１ｂ，１ｂに引っ掛
けて、建築板本体３，３，・・・を並設した状態では、
取付け部材１の引っ掛け片１ａの引っ掛け凹部１ｂ，１
ｂに引っ掛けられている隣接する建築板本体３，３の近
接している突片３ｂと重合片３ｃとが先端部で重なり当
接するようになっている。尚、建築板本体３の突出長さ
の短い係着片３ａ側の突片３ｂの下面の先端部には、上
方に位置する平面を形成する段部３ｆが設けられてお
り、該段部３ｆの先端側の下面に、隣接する建築板本体
３の突出長さの長い係着片３ａ側の重合片３ｃの上面の
先端部が重なって接触して気密性を有し、建築板本体
３，３の接続部分の表面が波状をした複数の凹凸を連続
したように接続され目立たないようになっている。

【００１５】建築板本体３の係着片３ａ，３ａの両先端
には、下方に向かって突出する引っ掛かり突部３ｄ，３
ｄが形成されており、該引っ掛かり突部３ｄ，３ｄは、
取付け部材１の対向する引っ掛け片１ａ，１ａの引っ掛
け凹部１ｂ，１ｂ内に遊嵌するような大きさとなってい
る。又、建築板本体３の内側には、断熱材３ｅが両係着
片３ａ，３ａの上縁部まで充填されている。

【００１６】このような建築板の接合装置を施工する場
合には、先ず天面開口の対向する両側に一定の間隔で複
数本の下地材２，２，・・・を平行に架設する。次い
で、該下地材２，２，・・・と直交させて、複数本の取
付け部材１，１，・・・を一定の間隔で並設する。尚、
このとき取付け部材１，１，・・・の引っ掛け片１ａ，
１ａ，・・・を下方に向けて、しかも各取付け部材１，
１，・・・のそれぞれの引っ掛け片１ａ，１ａ，・・・
が一直線上になるように配設して、該取付け部材１，
１，・・・をねじ４，４，・・・でもって下地材２，
２，・・・に固定する。次に、天面開口の一端側から建
築板本体３，３，・・・を取付け部材１，１，・・・の
長さ方向と直交して天面開口の他端側に向かって各取付
け部材１，１，・・・の引っ掛け片１ａ，１ａ，・・・
に係着する。尚、建築板本体３を取付け部材１に係着す
る際には、先ず、建築板本体３の長さ寸法の長い係着片
３ａの先端を、取付け部材１の長さ寸法の長い突起片１
ｃの上方の隙間に奥側いっぱいまで差し込む。次いで、
該建築板本体３の長さ寸法の短い係着片３ａの先端を、
建築板本体３の長さ寸法の長い係着片３ａを差し込んで
いる取付け部材１の突起片１ｃと対向して隣合う突起片
１ｄの上方の隙間の前方に位置させる。そして、該建築
板本体３の長さ寸法の短い係着片３ａを取付け部材１の
突起片１ｄの上方の隙間内にずらしながら、該建築板本
体３の長さ寸法の長い係着片３ａの先端の引っ掛かり突
部３ｄを取付け部材１の引っ掛け凹部１ｂに挿入すると
ともに、該建築板本体３の長さ寸法の短い係着片３ａの
先端の引っ掛かり突部３ｄを取付け部材１の突起片１ｄ
の引っ掛け凹部１ｂに挿入して、取付け部材１に建築板
本体３を係着する。同様にして隣接する建築板本体３の
係着片３ａ，３ａの引っ掛かり突部３ｄ，３ｄを取付け
部材１の引っ掛け凹部１ｂ，１ｂに引っ掛けていくので
ある。尚、このとき、先に係着してある建築板本体３の
突片３ｂの下方に隣接する建築板本体３の重合片３ｃを
位置させた後、長さ寸法の長い係着片３ａの先端を、取
付け部材１の長さ寸法の長い突起片１ｃの上方の隙間に
差し込んでから行うのである。

【００１７】尚、上記実施例においては、建築板本体３
をアルミニウム材を押し出し成形して作ったが、銅材や
鉄材等の他の金属を板状にして曲げて作っても良いし、
硬質な合成樹脂材のもので作っても良い。

【００１８】又、上記実施例においては、取付け部材１
を金属製のものとしたが、取付け部材１を合成樹脂や木
材等で作成したものであっても良い。

【００１９】尚、上記実施例においては、建築板本体３
の突片３ｂの先端側の下面と、隣接する建築板本体３の
重合片３ｃの上面の先端部が重なって接触し気密性を有
するようにしたが、建築板本体３の突片３ｂと、隣接す
る建築板本体３の重合片３ｃとの間に隙間を設けても良
い。又、上記実施例は天井に施工される建築板の接合装
置であるが、本発明の建築板の接合装置は壁に施工され
ても良く、その場合には、上下方向や水平方向等の方向
を読み換えて施工すれば良いものである。

【００２０】

【発明の効果】本発明の建築板の接合装置は、上記した
ような構成をしており、長尺な取付け部材に一定間隔を
あけて上下逆略Ｔ字状をした引っ掛け片を垂設し、該引
っ掛け片の上下逆略Ｔ字の横辺部分の両側上縁に引っ掛
け凹部を形成し、同取付け部材を下地材の下側に適宜間
隔をおいて平行に並設し、他方、建築板本体の長手方向
の上面両側端に前記取付け部材の対向する引っ掛け片の
引っ掛け凹部に係着なし得る係着片を略水平方向で外側
方に向けて突設し、同建築板本体の長手方向の下面一側
端に突片を略水平方向で外側方に向けて突設し、該突片
と上下方向で重なり得る重合片を同建築板本体の長手方
向の下面他側端に略水平方向で外側方に向けて突設し、
同建築板本体を前記取付け部材と直交させて該取付け部
材の下側に複数枚並設し、各建築板本体の両係着片を取
付け部材の対向する引っ掛け凹部に係着するとともに隣
接する各建築板本体の近接している突片と重合片とを重
ねたので、容易に施工することが出来、それぞれの建築
板本体を一定間隔で並設することが出来るので美観が良
く、しかも建築板本体が外れにくく、建築板本体が長さ
方向と直交する方向にずれても隙間が発生せず美観を損
なうことがないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の建築板の接合装置を斜め上方から見た
斜視図である。

【図２】本発明の建築板の接合装置の要部断面図であ
る。

【図３】従来例の建築板の接合装置の全体斜視図であ
る。

【図４】従来例の建築板の接合装置の要部断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 取付け部材 １ａ 引っ掛け片 １ｂ 引っ掛け凹部 ２ 下地材 ３ 建築板本体 ３ａ 係着片 ３ｂ 突片 ３ｃ 重合片

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺な取付け部材に一定間隔をあけて上
   下逆略Ｔ字状をした引っ掛け片を垂設し、該引っ掛け片
   の上下逆略Ｔ字の横辺部分の両側上縁に引っ掛け凹部を
   形成し、同取付け部材を下地材の下側に適宜間隔をおい
   て平行に並設し、他方、建築板本体の長手方向の上面両
   側端に前記取付け部材の対向する引っ掛け片の引っ掛け
   凹部に係着なし得る係着片を略水平方向で外側方に向け
   て突設し、同建築板本体の長手方向の下面一側端に突片
   を略水平方向で外側方に向けて突設し、該突片と上下方
   向で重なり得る重合片を同建築板本体の長手方向の下面
   他側端に略水平方向で外側方に向けて突設し、同建築板
   本体を前記取付け部材と直交させて該取付け部材の下側
   に複数枚並設し、各建築板本体の両係着片を取付け部材
   の対向する引っ掛け凹部に係着するとともに隣接する各
   建築板本体の近接している突片と重合片とを重ねて成る
   建築板の接合装置。