JP2987948B2 - 塩化ビニルに混在する酢酸ビニルの除去方法 - Google Patents

塩化ビニルに混在する酢酸ビニルの除去方法

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JP2987948B2 JP3006796A JP679691A JP2987948B2 JP 2987948 B2 JP2987948 B2 JP 2987948B2 JP 3006796 A JP3006796 A JP 3006796A JP 679691 A JP679691 A JP 679691A JP 2987948 B2 JP2987948 B2 JP 2987948B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル中に混在す
る酢酸ビニルを除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル中に混在する酢酸ビニルを除
去することの例として、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共
重合反応中もしくは反応終了後の未反応の塩化ビニルを
回収する際行われる操作がある。
【0003】特公昭59-12090号公報には塩化ビニルと酢
酸ビニルを含有する廃ガスを苛性アルカリ水溶液で処理
した後、塩化ビニルガスを活性炭吸着法によって回収す
る方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭59-12090号
公報のごとき方法において、酢酸ビニルを含有する未反
応塩化ビニルを苛性ソーダ水溶液で処理しただけでは、
酢酸ビニルに由来する分解生成物が回収塩化ビニル中に
混入する。さらに活性炭で吸着した塩化ビニルを回収す
るのに、脱着の操作を要し、しかもその脱着には、多量
の過熱蒸気を使用するなど、回収した塩化ビニルを再使
用するのには、煩雑な操作を要し経済的にも適していな
い。
【0005】そこで、活性炭等の吸着剤を用いず酢酸ビ
ニルやその分解生成物を除去し、塩化ビニルを再使用可
能な様に回収する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、酢酸ビニルが
混在する塩化ビニルを、アルカリ水溶液に接触させ、続
いてヒドラジンの水溶液に接触させて酢酸ビニルを除去
する方法、あるいは、酢酸ビニルが混在する塩化ビニル
を、アルカリとヒドラジンの混合水溶液に接触させて酢
酸ビニルを除去する方法を提供するものである。
【0007】本発明の方法を適用する酢酸ビニルが混在
する塩化ビニルとしては、液状、気状いずれでもよく、
これらの物質の他に例えば空気、窒素、オレフィン、パ
ラフィン、ハロゲン化アルキル等発生源に由来する種々
の物を含有していてもよい。
【0008】本発明の方法に用いられるアルカリとして
は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が
該当する。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム等である。なかでもアルカリ金属の水酸化物が
好ましい。これらのアルカリは、水溶液の形で用いる
が、その濃度は、約0.5〜10重量%程度である。こ
の濃度が低過ぎると酢酸ビニルの除去効率が低くなり、
また、高過ぎても除去効率が高くならないばかりでな
く、アルカリの損失量が多くなるため経済的でない。
【0009】アルカリ水溶液と接触させると、酢酸ビニ
ルは加水分解されて酢酸とアルデヒド類となる。生成し
た酢酸は、アルカリと反応して酢酸塩となる。このた
め、除去する酢酸ビニル当り、使用するアルカリの量と
しては、等モル〜30倍モル程度である。30倍モル以
上多く用いても、多い割に効果が大きくない。
【0010】酢酸ビニルに由来する分解生成物であるア
ルデヒド類は、アルカリ水溶液と接触時にその一部は高
沸点物となるがこのアルカリ水溶液の処理だけでは、充
分除去出来ない。そこで亜硫酸塩又はヒドラジンの水溶
液と接触させて除去する。
【0011】未発明で用いる亜硫酸塩は、水に溶解する
ものであれば使用可能であるが、なかでもアルカリ金属
の塩例えばナトリウム、カリウムの塩が適している。具
体的には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、
亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム等である。この亜
硫酸塩は、水溶液の形で用いるが、その濃度は、約0.
1重量%以上、好ましくは約0.3重量%以上であり、
上限は、溶解度までである。除去する酢酸ビニル当り使
用する亜硫酸塩の量は、酢酸ビニル1モル当り、0.2
〜2モル程度である。
【0012】ヒドラジンも同様に水溶液の形で用いる
が、その濃度は、約0.1重量%以上、好ましくは約
0.3重量%以上であり、上限は溶解度までである。ま
た、除去する酢酸ビニル当り使用するヒドラジンの量
は、酢酸ビニル1モル当り、0.2〜2モル程度であ
る。
【0013】なお、アルカリと亜硫酸塩の混合水溶液ま
たはアルカリとヒドラジンの混合水溶液野各混合水溶液
の濃度は、前述の各成分の濃度を含んでいればよい。
【0014】上記各種水溶液と酢酸ビニルが混在する塩
化ビニルを接触させる方法としては、充分混合して接触
する方法であればいかなる方法でもよい。
【0015】該塩化ビニルを液状で処理するには、周知
の液−液混合方法や、液−液抽出方法を用いればよい。
簡単なものとしては、攪拌機付きの混合槽と分離槽の組
合せで、該混合槽で該水溶液と該塩化ビニルを充分混ぜ
合わせ、分離槽で静置して、比重差で両者を分離する方
法。上記の方法で攪拌機付きの混合槽に代えて、スタテ
ックミキサーやパイプラインミキサー等で連続的に混合
する方法。多孔板塔のごとき多段式抽出塔を用いる方法
等もある。これらは、いずれも該塩化ビニルが液状を保
つ圧力であればよく、温度は常温でもよいし特定されな
い。
【0016】該塩化ビニルが気体の場合は、周知の気−
液接触装置を用いた方法である。装置の具体例として
は、ラシヒリング、ポールリングやベルルサドル等を充
填した充填塔、多孔板塔のごとき棚段塔、ベンチュリー
スクラバー等である。これらの装置の条件とすれば、温
度はことさらに特定されず、常温でもよい。気−液の各
々の流速等は、それぞれの装置の設計計算から勘案し、
数回の試行により定める周知の方法で定めればよい。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、塩化ビニルに混
在する酢酸ビニルを選択的に高効率で除去し、処理後の
塩化ビニルは、酢酸及びアルデヒド類のごとき副生物の
混入が非常に少なく、他の夾雑物の混入もなく、塩化ビ
ニルの重合に使用が容易なものとして回収できる。
【0018】
【実施例】以下本発明の方法を実施例によって、更に具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0019】実施例1 攪拌機と内底部近くまで連通した4mmのバブリング用ガ
ラス管を備えた500ccの円筒状セパラブルフラスコを
2個準備し、第1のフラスコに2重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液255gを仕込み、第2のフラスコに0.6重
量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液252gを仕込んだ。
第1のフラスコの気相部と第2のフラスコのバブリング
用ガラス管とを連結した。
【0020】次に第1及び第2のフラスコ内を攪拌しな
がら第1のフラスコに連続的に5重量%の酢酸ビニルを
含む塩化ビニルガスを0.6g/分の流量で135分間
導入し、順次第2フラスコを経由させて処理した。10
5分経過した時点より30分間第2のフラスコの気相部
出口ガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで
分析したところ、酢酸ビニルは、40ppm であり、酢酸
及びアセトアルデヒドは検出されなかった。また、処理
終了後の第1及び第2のフラスコの水溶液をそれぞれガ
スクロマトグラフィーで分析したところ、酢酸ビニル及
びアセトアルデヒドは検出されなかった。
【0021】酢酸ビニルの除去率は、第1フラスコに導
入した酢酸ビニル全量に対し、99.9%であった。な
お、第1フラスコに導入した酢酸ビニル全量に対し、使
用した水酸化ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムのモル
比は、それぞれ2.7、0.31である。
【0022】実施例2〜4 第1のフラスコに仕込む水酸化ナトリウム水溶液を表1
に示す濃度とした以外は、実施例1と同様に行った。そ
の結果を表1に示す。
【0023】
【0024】実施例5、6 第2のフラスコに仕込む亜硫酸水素ナトリウム水溶液を
表2に示す濃度とした以外は、実施例1と同様に行っ
た。その結果を下記の表2に示す。
【0025】
【0026】比較例1 第2のフラスコに水のみを仕込んだ以外は実施例1と同
様に行い、第2のフラスコの気相部出口ガスを分析した
ところ、酢酸ビニル40ppm であり、酢酸は検出されな
かったがアセトアルデヒドは3600ppm 検出された。
【0027】実施例7 第2のフラスコに亜硫酸水素ナトリウムの代わりに1.
2重量%のヒドラジンを仕込んだ以外は、実施例1と同
様に行った。第2のフラスコの気相部出口ガス中の酢酸
ビニル濃度は、25ppm であり、酢酸及びアセトアルデ
ヒドは、検出されなかった。酢酸ビニルの除去率は9
9.9%であった。なお、第1フラスコに導入した酢酸
ビニル全量に対し使用したヒドラジンのモル比は2であ
る。
【0028】実施例8 円筒状セパラブルフラスコ1個に5重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液255gと亜硫酸水素ナトリウム2gを仕込
んだ以外は、実施例1と同様に行った。フラスコの出口
ガスの成分は、酢酸ビニル600ppm 、アセトアルデヒ
ド1ppm であり、酢酸は検出されなかった。酢酸ビニル
の除去率は導入した酢酸ビニル全量に対し98.8%で
あった。
【0029】実施例9 内径40cm,充填高さ30cmで、直径5mmの磁製ラシヒ
リングを充填した充填塔を準備した。次に内容積500
ccのフラスコに5重量%水酸化ナトリウム水溶液255
部と亜硫酸水素ナトリウム2部を仕込んだ。この溶液を
循環ポンプを用いて、該充填塔塔頂から80cc/分の量
を循環させた。そして、充填塔下部より、実施例1と同
じ組成と量の塩化ビニルガスを連続で135分間導入し
た。105分経過した時点より30分間充填塔出口ガス
を分析したところ、酢酸ビニル20ppm であり、酢酸及
びアセトアルデヒドは検出されなかった。酢酸ビニルの
除去率は、99.9%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−63235(JP,A) 欧州特許出願公開400735(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 21/06 C07C 17/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸ビニルが混在する塩化ビニルを、アル
    カリ水溶液に接触させ、続いてヒドラジンの水溶液に接
    触させて酢酸ビニルを除去する方法。
  2. 【請求項2】酢酸ビニルが混在する塩化ビニルを、アル
    カリとヒドラジンの混合水溶液に接触させて酢酸ビニル
    を除去する方法。
JP3006796A 1991-01-24 1991-01-24 塩化ビニルに混在する酢酸ビニルの除去方法 Expired - Fee Related JP2987948B2 (ja)

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