JP2987528B2 - キャストコート紙の製造方法 - Google Patents

キャストコート紙の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、包装用紙、包装用カ
ートン、ノートや書籍の表紙、ファイル、カタログ、印
刷用紙などに使用されるキャストコート紙の製造方法に
関するもので、平滑で強光沢のあるキャストコート紙を
リウエット法により効率よく製造する方法である。
【0002】
【従来の技術】 キャストコート紙の製造法には、ウエ
ットキャスト法、ゲル化キャスト法、リウエットキャス
ト法などがある。このうち、リウエットキャスト法は、
紙にコートした塗料を一旦乾燥させた後、乾燥塗料面に
水を主成分とする再湿潤液を塗布して塗料を膨潤可塑化
せしめ、鏡面状に研磨されたキャストドラムに圧接して
乾燥し、平滑で強光沢のキャストコート紙を得る方法で
あり、ウエット法、ゲル化法に比べて生産性が大である
特徴を有している。
【0003】しかしながら、リウエット法は、塗料面を
一度完全に乾燥・固化せしめて後、水などの再湿潤液で
塗料面を膨潤可塑化して、鏡面状に研磨されたキャスト
ドラムに線圧100〜300kg/cmのプレッシャー
ロールで圧着して強光沢面を形成せしめるものである
が、加工速度が高速となると塗料面が再湿潤液にて膨潤
可塑化する以前にキャストドラムに圧着するため塗料層
の面形成が不充分となり、ピンホールやクレーターが発
生するのみでなく、強光沢も発生しがたくなる。このた
め、加工速度を低下してプレッシャーロールおよびキャ
ストドラムとの接触時間を延ばして面を形成せしむる方
法が行なわれている。
【0004】また、塗料層を速やかに膨潤可塑化せしめ
る他の方法としては、乾燥した塗被面にダンピングする
再湿潤液に、塗被層への浸透を促進せしめるような薬
品、例えば界面活性剤を添加する方法も従来より行なわ
れているが、かかる方法は塗面上に水泡を残留させてか
えってピンホールなどのトラブルを助長させることにな
り好ましい方法とは言えない。
【0005】また、再湿潤液を塗被面に充分に浸透させ
る他の方法としては、ダンピングの位置をプレッシャー
ロールとキャストドラムより形成される紙の食い込み部
より出来るだけ距離をおいて位置させ浸透時間を延長す
る方法もあるが、かかる方法は、再湿潤液の水分が塗料
層を通過して原紙の繊維を膨潤せしめてカールの原因と
なるばかりか、場合によっては原紙強度を低下させ、断
紙により生産性を低下せしめる原因ともなるので、位置
の設定には充分注意が必要となる。
【0006】また、更に、使用するバインダーとして用
いるラテックスのグレードを選択して再湿潤液の塗被面
への早期浸透を計る方法もある。即ち、ガラス転移点が
高く、粒子径の大であるスチレンブタジエンラテックス
は、再湿潤液により短時間で膨潤可塑化される特性を有
するため、比較的高速で加工してもピンホールのない光
沢の良好なキャスト面を形成する。しかしながら、かか
るラテックスは、硬いうえに接着強度に劣るため、印刷
時の塗料面強度の指標であるピッキング強度を満足せし
むるには、添加率を増加する必要があり、コスト増とな
るばかりか、ますます硬くなり、後工程の製本などの折
加工の際などに割れ発生の原因となり、さらには、バイ
ンダーが顔料の微細な表面間隙を覆うためにインキセッ
ト性、インキ受理性を低下せしめるのみならず、オフセ
ット印刷時に使用する湿し水の吸収性が不良になり、オ
フセット印刷インキの着肉不良を発生するなど印刷適性
を著しく損なう原因となる。
【0007】顔料粒子を相互に接着し、紙に固着する機
能を担うバインダーには、多数の天然樹脂、合成樹脂が
あり、キャストコート紙のバインダーにも種々の組み合
わせが発表されているが、現在のところ、ラテックスと
しては強度とコストの双方からスチレンブタジエンラテ
ックスが最も一般的に使用されている。また、天然樹脂
系を主体とする水溶性接着剤としては、ミルクカゼイ
ン、大豆蛋白のレシチン、澱粉、PVAなどがあるが、
ドラム剥離性と耐水強度の点からカゼインをラテックス
と併用する配合が一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 本願出願人は、リウ
エット法によるキャストコート紙の製造を、高い生産性
を維持しながらピンホールのない強光沢のキャストコー
ト紙を得るため、塗料を塗布した後にドライヤーにおい
て塗料を完全乾燥することなく、いわゆる生乾きの状態
に水分を保持せしめた状態で再湿潤液にてダンピングを
行ない、プレッシャーロールで強圧してキャストドラム
に圧着してキャスト面の形成を行なう方法により、塗料
面の可塑化は直ちに行なわれて面形成が容易であり、こ
のためピンホールのない強光沢のキャストコート紙を高
速で加工することが出来た。
【0009】然し乍ら、ドライヤーにおける塗料の意図
的な不充分な乾燥のため、バインダーとしてカゼイン、
ラテックスを使用するとキュアリングが未完成であるこ
ともあって、ダンピングにより水溶性のバインダーが再
溶出してキャストドラム面に塗料が付着するいわゆる塗
料取られを防止するため、塗料を水不溶性にするための
処置を講ずる必要があることが判った。
【0010】また、耐水化剤としてはユリアまたはメラ
ミンホルマリン樹脂に代表されるようなホルマリン含有
樹脂、グリオキザールなどの架橋性樹脂による方法、硫
酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸アルミニウム、蟻酸カルシウ
ム、炭酸ジルコニウムアンモンなどの金属塩による架橋
反応により耐水化する方法などが知られているが、これ
らの耐水化剤の塗料添加はラテックスにショックを与え
てゲル化し塗料を増粘させるという問題点がある。本発
明は、かかる問題点を解決しキャストコート紙の特徴で
ある高度の光沢と平滑性を併せ持ち印刷適性もよく製本
などの折工程において割れトラブルのないキャストコー
ト紙を生産性よく製造する方法を提供するを目的とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を回避し、
しかも良好な耐水性を発揮するものとして、本発明は一
般には商品名であるサチンホワイトとして知られている
スルホアルミン酸カルシウムを少量添加して塗料中のカ
ゼインを耐水化し、更に、再湿潤液中に硫酸亜鉛または
蟻酸カルシウムを使用することによりカゼインをますま
す不溶化せしめ、100℃以上に加熱されたドラムに圧
接しても塗料のドラム取られを起こさないことを見出し
解決せるものである。
【0012】スチレンブタジエンラテックスはガラス転
移点が低くゲル化率が高く粒子径の適度なもの、即ち、
柔軟で強度の大であるグレード中から選択でき、先に述
べた如き硬さによる塗料層の割れを防止し、バインダー
の添加率を低下せしめて塗料層表面のミクロポーラス性
を維持して印刷時のトラブルを回避できる。
【0013】キャストドラムの汚れを少なくし研磨周期
を長くするために、離型剤を再湿潤液に添加するとよ
い。この場合、硫酸亜鉛または蟻酸カルシウムによりゲ
ル化しないものを選択し使用すればよい。
【0014】本発明は塗料層の水分を10〜20%、よ
り好ましくは12〜18%程度に保持するように乾燥す
ることが重要であり、かかる程度のいわゆる生乾き状態
にするには、ドライヤーの温度を50〜70℃に抑制し
て風量でコントロールする必要がある。
【0015】上述したごとく、高度の光沢と平滑性を有
するキャストコート紙を印刷適性と加工適性を損なうこ
となく効率よく生産するためには、塗料を可塑化しやす
くし、キャストドラムに塗料取られを起こさない状態に
してキャストドラムに圧着することが必要である。この
ためには、バインダーに使用されているカゼインを耐水
化するためにサチンホワイトを塗料に0.5〜5部添加
し、ラテックスとしてはピッキング強度の優れたスチレ
ンブタジエンラテックスを出来るだけ低添加率で使用
し、ドライヤーにおいてバインダーマイグレーションが
起こらない低温度領域、例えば50〜70℃の温度範囲
で塗料層の水分が10〜20%、より好ましくは12〜
18%程度になるように乾燥し、再湿潤液に硫酸亜鉛ま
たは蟻酸カルシウム水溶液を使用してバインダーの耐水
性を更にアップして生乾きの状態でキャストドラムに強
圧で圧着してもドラムに塗料取られが起きないようにす
ることにより高速でキャストコートすることができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。実施
例に示す部および%は重量部、重量%である。表1に実
施例と比較例を示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示す塗料は顔料を100とし、補助
剤およびバインダーは顔料に対する重量部数である。塗
料は常法により固形分濃度42%に調整した。坪量10
0g/mの上質紙の表面に上記塗料を固形分で25g
/mとなるようにエアーナイフコーターによりコート
し、蒸気で加熱されたエロフィン式熱風ドライヤーで乾
燥する。実施例1〜4は熱風の温度が50〜70℃で塗
料面水分が12〜18%となるように乾燥した。線圧1
50kg/cm、直径500mmのプレッシャーロール
と110℃に加熱された直径1500mmのキャストド
ラムからなる装置により、硫酸亜鉛または蟻酸カルシウ
ム3〜5%液よりなる再湿潤液を使用してリウエットキ
ャスト法によりキャストコート紙を作成した。この時の
加工速度は70〜85m/分であった。ここで得られた
キャストコート紙は表1に示すごとき光沢度で印刷適性
もよくピンホールもなく、折加工の際、割れのない後加
工適性良好なものであった。なお、塗料面水分は電気式
水分計により塗料面より測定した。
【0019】
【比較例】比較例1、2を表1に示す。ドライヤーで塗
料水分を5〜7%に乾燥し、再湿潤液は実施例1、4と
同様のものを使用した。塗料は完全に乾燥しているた
め、再湿潤液の塗料面吸収が遅く、実施例と同様の光沢
度と平滑性を得るためには40m/分の低速操業を必要
とした。比較例3、4は塗料にサチンホワイトを添加せ
ず再湿潤液も水のみであったため、乾燥の程度いかんを
問わずドラムで塗料取られが発生してキャストコート紙
の製造は不能であった。
【0020】
【発明の効果】塗料にサチンホワイトを5部以下の少量
添加し、塗料層を生乾きの状態に乾燥して、再湿潤液に
硫酸亜鉛または蟻酸カルシウム水溶液を使用してキャス
トドラムに圧着してキャストコート紙を製造することに
より、キャストドラムに汚れが付着することなく高度の
生産性を維持し、強光沢でピンホールがなく印刷適性に
優れたキャストコート紙を得ることが出来るものであ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の表面に塗料を塗被し、乾燥後再湿潤
    液により塗面を膨潤可塑化せしめて鏡面状に研磨された
    キャストドラムに圧接して強光沢のキャスト紙を製造す
    るリウエット法キャストコート紙の製造において、塗料
    のバインダーとしてカゼイン、スチレンブタジエンラテ
    ックスを用いると共に塗料にスルホアルミン酸カルシウ
    ムを0.5〜5部添加し、該塗料を塗被後、塗被層の水
    分を10%以上20%以下になるよう乾燥し、再湿潤液
    に硫酸亜鉛または蟻酸カルシウム水溶液を用いてダンピ
    ングし、キャストドラムに圧接して、乾燥・固化するこ
    とを特徴とするキャストコート紙の製造方法。
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