JP2986847B2 - 新規な積層体 - Google Patents

新規な積層体

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JP2986847B2 JP2144556A JP14455690A JP2986847B2 JP 2986847 B2 JP2986847 B2 JP 2986847B2 JP 2144556 A JP2144556 A JP 2144556A JP 14455690 A JP14455690 A JP 14455690A JP 2986847 B2 JP2986847 B2 JP 2986847B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラスシート層とポリビニルブチラールシ
ート層及びポリカーボネート樹脂シート層の3層から基
本的に成る積層体に係る。
特に、軽量化、安全性向上等を目的とした公共施設、
運動施設等の安全グレージング材、あるいは車輛の安全
クレージング材等に良好に使用できる積層体に係る。
〔従来の技術〕
ガラスシートはグレージング材として広く使用されて
いる。ガラスは剛性、硬さ、耐候性、耐化学薬品性等に
優れるが、一方重量が大きく、衝突あるいは地震等によ
り割れた時の安全性に劣り紫外線の遮断加工、赤外線の
遮断加工等も実施しにくい欠点を有する。
一方、ポリカーボネート樹脂(以後PCと略称)シート
はガラスシートに比較して軽く、耐衝撃性に優れ、更に
種々の添加物の配合による紫外線遮断加工、赤外線遮断
加工の実施しやすさに優れる。
現在、ガラスの安全性、特に耐衝撃性能及び耐貫通性
能を向上させるために、ポリビニルブチラール樹脂(以
後PVBと略称)のシートを中間に挟んだ合わせガラス
が、安全グレージング材として公共施設、運動施設、自
動車等の各方面で使用されているが、更により安全性、
軽量化等の改良が求められている。
特に近年、公共施設、運動施設等の建築物においてグ
レージング材の大量使用及び大面積化が進んでおり、そ
の結果人間に対する耐擦傷性の向上が求められている。
又、自動車用のグレージング材に於いても衝突時の搭乗
者に対する耐擦傷性の向上が求められており、SAE Tech
nical Paper Series 840391には、Anti−Lacerative Wi
nd−shield Materialsとして、ガラス(2.29mm)/PVB
(0.95mm)/ガラス(2.29mm)/ポリウレタン(0.51m
m)の4層構成のもの及び、ガラス(2.29mm)/PVB(0.9
5mm)/ガラス(2.29mm)/PVB(0.38mm)/ポリエステ
ル(0.13mm)/ハードコートの6層構成のものが発表さ
れている。
〔発明の解決しようとする課題〕
しかしながら、これらは従来の合わせガラスにポリウ
レタン、ポリエステル等を付加したものとなっておりコ
ストが高く、もっと簡単な構造で人間に対する耐擦傷性
を改良したものが求められている。
PVBは著しく強靭であり、安全グレージング材の中間
膜としてこれより優れたものは現状では無い。PVBには
多量の可塑剤が含まれており、PVBを中間膜として使用
する場合、これに接する透明材質には耐溶剤性が要求さ
れる。ガラスシート層、PVB層、PC層から成る積層体は
安全グレージングとして非常に好ましい組合せである
が、PCがPVBの可塑剤によりおかされ、長期間使用する
と白化が起り問題であった。本発明は以上の問題を解決
することを目的とする。
〔課題解決の手段および作用〕
本発明は、 (1) 中間層のポリビニルブチラールシート層を介し
て、ガラスシート層と粘度平均分子量が3万以上の芳香
族ポリカーボネート樹脂シート層とを有する積層体、 (2) 中間層のポリビニルブチラールシート層を介し
て、ガラスシート層と粘度平均分子量が1.5万以上であ
り、かつ、面積比で2倍以上に2軸延伸された芳香族ポ
リカーボネート樹脂シート層とを有する積層体、 (3) ガラスシート層の厚みが1〜10mm、ポリビニル
ブチラールシート層の厚みが0.1〜1.5mm、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂シート層の厚みが0.1〜1.5mmであり、か
つ、(ガラスシート層の厚み)/(芳香族ポリカーボネ
ート樹脂シート層の厚み)の比が1以上である前記第1
項又は第2項記載の積層体、 (4) 芳香族ポリカーボネート樹脂シート層が、分岐
を有するポリカーボネート樹脂からなる前記第1項、第
2項又は第3項記載の積層体 である。
本発明に述べるガラスとは、珪酸塩ガラスを主体とし
たガラスであり、重合珪酸基の網目構造の中にナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
ストロンチウム等のイオンが入って安定化したものであ
る。ソーダ石灰ガラスは代表的ガラスである。珪酸塩と
共重合した網目を持つ、リン珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラ
ス等も使用できる。鉛アルカリガラス、アルミナ珪酸ガ
ラス、SiO2だけから成る石英ガラスも使用できる。
ガラスは強化ガラス、半強化ガラス、部分強化ガラ
ス、未強化ガラス等が必要に応じて使用できる。
本発明に述べるPC樹脂は、透明性、耐候性、硬さ、曲
げ強さ、曲げ剛性等に於いて、合成樹脂の中にはグレー
ジング材として最も優れた樹脂の一つである。PCとして
は、芳香族PCが本発明において良好に使用でき、特にビ
スフエノールAより合成された下記のPCが更に良好に使
用できる。
更に、PCの透明性を低下させない範囲で前記PCを主体
とするポリマーブレンドも含む。この場合、上述のPCが
70重量%以上、好ましくは90重量%以上含まれる。ポリ
マーブレンドとしての粘度平均分子量は3万以上あるこ
とが必要である。また、2軸延伸されたものは1.5万以
上が必要である。
本発明に述べる粘度平均分子量が1.5万あるいは3万
以上の重合度のPCとは、次式で測定した粘度平均分子量
が1.5万あるいは3万以上の重合度PCである。
〔η〕=KMa K×105(dl/g)=39.9 a=0.70 〔η〕:極限粘度 ηの測定:テトラヒドロフラン溶液25℃で測定 M:粘度平均分子量 本発明においてはPCの分子量が大きいほど好ましい。
粘度平均分子量が1.5万未満では2軸延伸しても配向効
果が現れず、したがって2軸延伸しても耐溶剤性の向上
はほとんど無く、得られる積層体においてPCがPVBにお
かされ白化が起こったり、耐衝撃性が不足したりする。
2軸延伸PCシートには粘度平均分子量2万以上が好まし
く2.5万以上が更に好ましい。無延伸PCシートを本発明
の積層体に用いる場合には、PCの粘度平均分子量3万以
上、好ましくは4万以上、更に好ましくは5万以上ある
いは6万以上である。また50万以下が好ましい。無延伸
PCシートの粘度平均分子量3万未満では積層体に使用し
た場合、耐溶剤性が不足であり、使用中に白化が起る。
分子量が大きなPCは、例えば特開平1−158033号公報
に記載の下記の方法などでつくることができる。
すなわち、一般式 HO−Ar1−Y−Ar2−OH (式中のAr1及びAr2は、それぞれアリーレン基、Yはア
ルキレン又は置換アルキレン基である) で表わされるジヒドロキシジアリールアルカン85モル%
以上及び該ジヒドロキシジアリールアルカン以外のジヒ
ドロキシジアリール化合物15モル%以下から成るジヒド
ロキシジアリール化合物とジアリールカーボネートとを
反応させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当り、 (a) 該ジヒドロキシジアリール化合物と、該ジアリ
ールカーボネートとを加熱下に予備重合させて、重量平
均分子量(Mw)が2,000〜20,000の範囲にあり、かつ、
全未端基中に占めるアリールカーボネート基末端の割合
が50モル%より多いプレポリマーを調製する予備重合工
程、 (b) 該プレポリマーを結晶化させて、結晶化度が5
〜55%の範囲にある結晶化プレポリマーを調製する結晶
化工程、及び (c) 該結晶化プレポリマーを、製造すべき芳香族ポ
リカーボネートのガラス転移温度以上で、かつ、該結晶
化ブレポリマーが固相状態を保持しうる範囲の温度に加
熱することによって、さらに重合度を上げるための固相
重合体工程 を順次行うことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの
製造方法等でる。
本発明には、微小の架橋が存在するPCも含まれる。
また、本発明には適度な分岐を有する高分子量PCも良
好に使用できる。粘度平均分子量が8万以上になると、
加熱溶融してシートを成形することが困難になるが、こ
の場合には溶融に溶解してシートをつくる、いわゆるソ
ルベントキャスティング法でシートをつくることができ
る。本発明は溶融押出成形が困難な超高分子量PCも良好
に使用できる。
PCには、その透明性を著しく低下させない範囲で各種
添加物を配合させることができる。例えば紫外線吸収
剤、染顔料、安定剤等が配合できる。
ここでいう紫外線吸収剤とは、2,2′−ジヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフエノン、2,2′−ジヒドロキシ
−4,4′−ジメトキシベンゾフエノンで代表されるベン
ゾフエノン系、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
フエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′−第三ブチル−5′−メチルフエノール)5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−
3′,5−ジ第三ブチルフエノール)5−クロロベンゾト
リアゾールで代表されるベンゾトリアゾール系、および
置換アクリロニトリル系をいう。中でも、特にトリアゾ
ール系が有効で、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5′
−メチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′−第三ブチル−5′−メチルフエノー
ル)5−クロロベンゾトリアゾールの効果が大きい。
PCの2軸延伸は各種方法で行われるが、公知の比張延
伸成形法、圧縮延伸成形法、ロール圧延成形法、インフ
レーション成形法、ダイ内押出延伸成形法等が有効であ
る。
この中で、特開昭60−149420号公報に示した圧縮延伸
成形法、特開昭60−168624号公報に示したダイ内押出延
伸成形法等は有効に使用できる。
本発明では面積比延伸倍率2倍以上、好ましくは3倍
以上、更に好ましくは4倍以上が有効である。本発明に
は一般に2軸延伸と称される、若干不均一な2軸延伸シ
ートも含まれる。
本発明に述べるPVBは合わせガラス用中間膜として一
般に使用されているPVBフイルムが使用でき、PVB中の水
酸基、アセチル基、ブチラール基のモル比が25〜50:1〜
5:40〜70程度の下記のPVBが最も良好に使用できる。
PVBの性能は、PVBの重合度、水酸基/アセチル基/ブ
チラール基のモル比、可塑剤等により異なり、上記の自
動車用合せガラスに使用されるPVBが最も良好に使用で
きる。
本発明において、ガラスシート層の厚みは、1〜10mm
が好ましく、2〜6mmが更に好ましい。また、3〜5mmが
特に好ましい。1mm未満では割れ易く、10mmを超えるも
のは軽量化の効果がない。PVBシート層は、その衝撃吸
収性能より本発明の積層体の耐衝撃性向上を達成するこ
と及び前述の温度変化に伴なう該積層体の内部応力の発
生を和らげることを狙いとして、その厚みは、0.1〜1.5
mmである。0.1mm未満では、衝撃吸収性能が小さく、1.5
mmを超えることは不要である。
0.3〜1.2mmが好ましく0.3〜0.8mmであることが更に好
ましい。
PCシート層の厚みは、0.01〜5mmである。0.01mm未満
では、本発明の積層体の目的が達成できず、5mmを超え
ると、温度変化に伴なう該積層体の内部応力の発生が大
きくなり、低温下で割れ易くなる。0.05mm〜2mmが好ま
しく、0.1〜1mmであることが更に好ましい。また、ガラ
スシート層と、PCシート層を比較すると、破断伸びの小
さいガラスシート層が割れ易い。従って(ガラスシート
層)/PCシート層)の比が好ましくは1以上、更に好ま
しくは3以上であると、内部応力発生時に割れにくくな
る。
本発明はガラスシート層、中間層のPVBシート層、PC
シート層の3層から基本的になるが、必要に応じて更に
多層とすることができる。特にPCシート層の表面にリジ
ッドコート層をつけることは好ましい。リジッドコート
層とは一般に、透明合成樹脂の表面にコーティングして
合成樹脂表面を硬くし、耐擦傷性を向上させる1〜50μ
m厚の薄い透明硬化層であり、多官能アクリレート系リ
ジッドコート層、ポリオルガノシロキンサン系リジッド
コート層が一般に広く使用されており、本発明に於ても
良好に使用できる。リジッドコート層は鉛筆硬度では4H
以上、が好ましく、更に好ましくは5H以上である。
ここに述べる多官能アクリレート系リジッドコート層
は、多官能アクリレート系化合物を主成分とした多官能
アクリレート系リジッドコート塗料を合成樹脂基材表面
にデイッピング法、スピン性、スプレー法、カーテンフ
ロー法等の方法でコーティングした後、主に紫外線照射
により硬化させて形成させたものである。
多官能アクリレート系化合物は分子の末端又は側鎖に
複数個のアクリロイルオキシ又はメタクロィルオキシ基
(CH2=CR−COO−,RはH又はCH3)を有する化合物であ
り、一般にオリゴアクリレートとも呼ばれるものであ
る。多官能アクリレート化合物の例を次表に示す。
これ等の多官能アクリレート化合物のうち、ペンタエ
リスリトール系アクリレート等の空気中での紫外線硬化
性に優れた化合物が特に良好に使用できる。
紫外線硬化の為に多官能アクリレート系ハードコート
塗料には、ベンゾフエノン系あるいはアセトフエノン系
物質で代表される光重合開始剤又は光増感剤が添加され
る。また、必要に応じて各種添加剤例えば酸化防止剤、
光安定剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、着
色剤、塗膜の平滑性付与の為のフッ素系あるいはシリコ
ン系等の界面活性剤等が少量添加される。
ポリオルガノシロキサン系リジッドコート層として
は、メチルトリアルコキシシランとフエニルトリアルコ
キシシランとを出発原料とするもの、これにテトラアル
コキシシランを組合せたもの、あるいは他の樹脂塗料と
の混合物等、例えばメチルトリエトキシシラン/フエニ
ルトリエトキシシラン反応混合物(USP 3451838号)、
メチルトリエトキシシランの部分加水分解物/酢酸/ナ
フテン酸ソーダ(特開昭50−143822号)、メチルトリメ
トキシシラン/テトラエトキシシラン/両末端水酸基性
ジメチルポリシロキサン/酸性触媒反応混合物(特開昭
50−116600号)、テトラアルコキシシラン加水分解物/
アルキルトリアルコキシシラン加水分解物/有機カルボ
ン酸のアルカリ金属塩混合物(特開昭48−56230号)等
があり、又、ビニル基、エポキシ基、アミノ基等の官能
基を有するポリオルガノシロキサンを出発原料とするも
の、例えば、ビニルアルコキシシランと酢酸ビニルとの
共重合体の加水分解物/アルキルシリケートの加水分解
物/酢酸ビニル又はアクリル酸、メタクリル酸、そのエ
ステル類/三フッ化ホウ素モノエチルアミンコンプレッ
クス(特開昭48−26221号)、γ−グリシドキシアルキ
ルトリアルコキシシラン開環重合物(特開昭50−40674
号)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
キシシラン、ビニルトリメトキシシランの1種又は2種
以上の反応混合物(特開昭50−69174号)、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシランの1種又は2種以上とエポキシプ
リポリマー、ジアリルフタレート、グリシジルメタクリ
レートなどとの反応混合物(特開昭50−69184号)、
(2,3−エポキシプロポキシ)メチルトリメトキシシラ
ン/グリシジルメタクリレート反応混合物(特開昭50−
78639号)、アミノアルキルアルコキシシラン/エポキ
シアルキルアルコキシシラン部分加水分解反応混合物
(特開昭48−84878号)、等が使用される。
本発明の積層体のPCシート層を必要に応じて2層以上
にすることもできる。一例として第7図でこれを説明す
れば、PVB層2と接する側に例えば無延伸の粘度平均分
子量3万以上のPC層3、更にその外側に粘度平均分子量
3万未満のPC層5の2層にすることができる。例えば、
PVBシートと接する側に粘度平均分子量6万の0.05mm厚P
Cシート層、更にその外側に粘度平均分子量2万の0.3mm
厚PCシートをラミネートしたPC層等は良好に使用でき
る。2軸延伸されたPCシートも同様の技術思想によりPV
Bシートと接する側に用い、かつ、他のPC層もその外側
に用い得る。すなわち、本発明の特許請求の範囲に特定
されたPCシートがPVBシートと接する側に使用される必
要がある。2層以上のPCシートからなるPC層の全厚みは
0.01mmを超え5mm以内であり、その2層以上の層のう
ち、本発明の特許請求の範囲に特定するPCシートの厚み
も0.01mmないし5mm未満の範囲内で選択する。
PVBシート層はガラスシート層とPCシート層を接着さ
せる働きと、ガラスシート層とPCシート層の熱膨張係数
の差により発生する冷熱サイクルテスト時のバイメタル
効果による割れの防止と及び本発明の積層体の耐衝撃性
を向上させる働きを有する。
PVBシート層を介して、ガラスシート層とPCシート層
とを良好に接着させる方法として、ガラスシート層とPV
Bシート層とPCシート層を重ね合わせた後、該積層体を
減圧下におき、層間の空気を十分に除去した後、加熱加
圧条件下で接着させる方法がある。
この加熱加圧接着工程に於いて、PVBシートが80℃以
上の温度範囲に於いて接着性能を発現するため、上記工
程において得られる積層体は、80℃以上の温度範囲で固
定されたものであり、接着工程終了後室温下に戻した場
合その温度変化から、ガラスシート層及びPCシート層の
熱膨張係数の差によって収縮量に差が生じ、その結果バ
イメタル効果によって該積層体に内部応力が発生する。
更に低温にした場合内部応力の発生が大きくなり、ガラ
スシートに割れが生じる。
本発明が、建築物、自動車等の安全グレージング材と
して使用される場合、外気の温度変化、又直射日光の影
響等を考えると、−40〜100℃の温度範囲におかれるこ
とが考えられる。該温度範囲に於いて積層体の内部応力
の発生を最小限に押え、特にガラスシートに発生する内
部応力を低く押える必要があり、ガラスシートの割れを
防ぐためには、該積層体の内部応力が実質的に0になる
温度が、該温度範囲の中央の温度範囲即ち−10℃以上50
℃未満の範囲に存在することが好ましい。
このことを達成する方法として例えばPVBシート層を
介してガラスシート層とPCシート層を接着させる時、80
℃以上の温度範囲に於いて固定させる際に予め外力を加
えて、平面状の積層体の場合、ガラスシートが曲面の
凹面側に位置する様な状態で固定し、ガラスシートが
曲面の凸面側に位置する様な曲面状の積層体の場合、そ
の曲率半径を所定の曲率半径より大きくした状態で固定
し、ガラスシートが曲面の凹面側に位置する様な曲面
状の積層体の場合、その曲率半径を所定の曲率半径より
小さくした状態で固定することにより、出来上がった積
層体の内部応力が実質的に0となる温度を、−10℃以上
50℃未満の温度範囲に存在させることができる。
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
各図は、本発明の積層体の断面の一部を模式的に示し
たものである。第1,2図及び第7図は平面状積層体、第
3図及び第4図は、ガラスシート層が曲面の凸面側に位
置する曲面状積層体、第5図及び第6図はガラスシート
層が曲面の凹面側に位置する曲面状積層体である。本発
明には、この様に曲面状積層体も含まれる。
各図において、1がガラスシート層、2がPVBシート
層、3は粘度平均分子量3万以上又は同、2万以上、か
つ、2軸延伸されたPC層、4がリジッドコート層、5は
粘度平均分子量3万未満の無延伸PC層である。
〔実施例〕
以下に示す実施例では、本発明内容を明確にする目的
で、平面状積層体について説明するが本発明は、2次曲
面状積層体及び3次曲面状積層体に対しても充分適用し
うる。
本実施例中で各層を構成するシートは次の物を用い
た。
ガラスシート:ソーダガラスの未強化ガラスシート PVBシート:積水化学工業(株)製「エスレックフィ
ルム」HIタイプ 粘度平均分子量が3.5万及び4万のPCシート:特開平
1−158033号公報に示された方法で製造された粘度平均
分子量5万のPCを圧縮成形で無延伸のシート状にしたも
の 粘度平均分子量が6万のPCシート:バイエル社製粘度
平均分子量25万のPC「マクロロン5900」から成る0.2mm
厚無延伸シート 2軸延伸PCシート:簡中プラスチック工業(株)製2m
m厚の「サンロイドポリカエース」を特開昭60−149420
号公報に示された圧縮延伸成形法により面積比で5倍に
2軸延伸し、0.4mmにしたもの。
PCの粘度平均分子量は1.8万及び2万である。
粘度平均分子量が2万のPCシート:粘度平均分子量が
2万の無延伸PCシート、0.4mm厚。
実施例1 3mm厚のガラスシート、0.38mm厚のPVBシート、0.4mm
厚の粘度平均分子量が4万のPCシートを重ね合せ、全体
を真空パック袋に入れ、該真空パック袋内を真空にした
後、真空パックを封止する。該積層体をガラス側を上、
PC側を下にして水平状にオートクレーブに入れ、ガラス
の中央に上から荷重をかけてガラス側が凹、PC側が凸状
にわん曲させた状態で、温度120℃、圧力10kg/cm2の条
件下で10分間加熱加圧して接着させた。そのまま50℃ま
で冷却した後、オートクレーブより取り出し、本発明の
積層体を得た。積層体は室温で水平状であり、残留応力
は無く、安全グレージング材として良好なものであっ
た。
1ケ月後に積層体を剥離してもPCはPVBによっておか
された形跡は無く、耐溶剤性も良好であった。更に該積
層体に、PCシート側を上面にしてJIS R 3212に示すヘッ
ドフォームテストを行ったところ、ガラスには蜂の巣状
に割れが入ったが、PCとPVBには割れは無く、自動車等
の耐擦傷性に優れた安全グレージング材であった。
実施例2 PCシートとして、粘度平均分子量が6万と3.5万のPC
シートを用いて、実施例1と同様にして積層体を成形し
た。積層体のテストもいずれも実施例1と同様の項目に
つき同様に行ったところ、実施例1と同様に優れた安全
グレージング材であった。
実施例3 PCシートとして、粘度平均分子量が2万と1.8万の2
軸延伸PCシートを用いて、実施例1と同様に積層体を成
形し同様にテストしたが、同様に優れた安全グレージン
グ材であった。
比較例1 PCシートとして、粘度平均分子量が2万のPCシートを
用いて実施例1と同様に積層体を成形した。成形後1ケ
月たって積層体を剥離すると、PCシートはPVBによって
浸触され、白化が起っており、安全グレージング材とし
て長期にわたって使用することはできなかった。
〔発明の効果〕
本発明の積層体は、白化防止、衝突時の耐擦傷性の向
上、軽量化などの効果が大きい。したがって、用途とし
て例えば自動車の安全グレージング材、すなわち、ウイ
ンドシールド、サンルーフ、リアウインドウ、サイドウ
インドウ等に好ましく用いられる。更に公共施設、運動
施設等の安全グレージング材に、軽量性、安全性を目的
に良好に使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1〜7図は、本発明の積層体の例の横断面図の一部
を、模式的に示したものである。 各図において、 1:ガラスシート層、2:ポリビニルブチラールシート層、
3:ポリカーボネート樹脂シート層、4:リジッドコート
層、5:粘度平均分子量3万未満の無延伸のPC層である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−24611(JP,A) 特開 昭60−243115(JP,A) 特開 昭63−118362(JP,A) 特開 昭63−125523(JP,A) 特開 昭63−189430(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 17/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中間層のポリビニルブチラールシート層を
    介して、ガラスシート層と粘度平均分子量が3万以上の
    芳香族ポリカーボネート樹脂シート層とを有する積層
    体。
  2. 【請求項2】中間層のポリビニルブチラールシート層を
    介して、ガラスシート層と粘度平均分子量が1.5万以上
    であり、かつ、面積比で2倍以上に2軸延伸された芳香
    族ポリカーボネート樹脂シート層とを有する積層体。
  3. 【請求項3】ガラスシート層の厚みが1〜10mm、ポリビ
    ニルブチラールシート層の厚みが0.1〜1.5mm、芳香族ポ
    リカーボネート樹脂シート層の厚みが0.1〜1.5mmであ
    り、かつ、(ガラスシート層の厚み)/(芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂シート層の厚み)の比が1以上である請
    求項1又は請求項2記載の積層体。
  4. 【請求項4】芳香族ポリカーボネート樹脂シート層が、
    分岐を有するポリカーボネート樹脂からなる請求項1、
    請求項2又は請求項3記載の積層体。
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