JP2986844B2 - 画像２値化方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、絵と文字の混在画像を読み取って得た多値
画情報を２値化画情報に変換する画像２値化装置に関す
る。

［従来の技術］ １ページ内に文字と、写真のようなハーフトーンの絵
とが混在する場合に、その画像の文字領域と絵領域とを
分離して画像処理する画像処理装置が知られている。

第４図は、このような画像処理装置の一例を示したも
ので、画像読取部１は、原稿画像を読み取ってアナログ
信号で画信号を出力する。A/D変換回路２は、その画信
号をデジタル信号、つまり多値画信号に変換する。ハー
フトーン２値化処理部３は、ハーフトーン画像のため
に、ディザ法などの既知処理により多値画信号を２値画
信号に変換する。また、ラインアート２値化処理部４
は、文字や線画のために、一定のしきい値による通常の
方法で多値画信号を２値画信号に変換する。なお、この
ラインアート２値化処理部４では、例えば、特開昭63−
236469号公報に見られるように、画像の白黒領域輪郭部
の画素濃度を、白はさらに白側に黒はさらに黒側に補正
する場合もある。

像域判別部５は、A/D変換回路２から出力された画信
号が絵領域であるか文字領域であるかを判別し、画信号
選択部６は、その画信号が絵領域の場合、ハーフトーン
２値化処理部３から２値化画信号を取り出し、文字領域
の場合、ラインアート２値化処理部４から２値化画信号
を取り出す。画像出力部７は、その２値化画像を表示出
力する。

このように、文字と絵の画像をそれぞれ別々に適した
方法で処理することにより、自然で見やすい良好な出力
画像が得られるようになる。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、上記像域判別部５は、例えば画信号のレベ
ル変化の幅により、その画信号が文字領域か絵領域かを
判別している。この場合、とくに網が粗い印刷物の網点
画像の絵を読み取った場合、絵を文字と誤って判別して
しまうことがあった。

これにより、例えば、第５図に示すように、１つの絵
Ａに対して、一定の領域Ｐは正しく絵領域として判別す
るが、一部の領域Ｃを文字領域として判別してしまうこ
とがあった。この場合、文字領域と判別された画像は単
純に２値化されるため、絵Ａの中でその領域Ｃの画像が
目立ち、極めて不自然な出力画像になるという問題があ
った。

本発明は、上記の問題を解決し、絵と文字の混在画像
に対して自然性の高い良好な出力画像が得られる画像２
値化装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記多値画情報に絵画情報と文字画情報が混在する場
合、先ず、絵領域の画情報と文字領域の画情報とに領域
分離し、その分離した文字領域の画情報については濃淡
を強調する濃度補正処理を実施し、しかる後、その濃度
補正した文字領域の画情報と前記絵領域の画情報とを合
成し、中間調を再現する方式により２値化画情報に変換
するようにしたことを特徴としている。

［作用］ 多値画情報の絵の部分を文字と誤って判別した場合、
文字の画情報として濃度補正されるが、その後、中間濃
度を再現する方式により２値化されると、濃度が濃い部
分に白画素、薄い部分に黒画素が混在するようになる。

これにより、正しい絵の画情報と判別して２値化した
画情報との相違が小さくなって、絵の中の誤判別領域が
目立たない自然性の高い良好な２値画像が得られるうよ
うになる。

［実施例］ 以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を詳
細に説明する。

第１図は、本発明の一実施例に係る画像処理装置のブ
ロック構成図を示したものである。図において、第４図
と同一符号は同一ブロックを示しており、画信号分離部
８は、像域判別部５の判別結果に基づいて、A/D変換回
路２から出力される画信号を、絵の画信号と文字の画信
号とで２方向に分離するものである。ラインアート強調
部９は、その分離された文字の画信号に対して、MTF（M
odulation Transfer Function）補正や白黒領域の濃淡
を強調する既知の画素濃度補正処理を行なうものであ
る。

ハーフトーン２値化処理部３は、その補正された文字
の画信号と画信号分離部８から出力される絵の画信号と
を合わせて、ディザ法あるいは誤差拡散法など既知方式
により２値化するもので、画像出力部７は、その２値化
された画像を画面表示や記録紙への記録により画像出力
するものである。

以上の構成で、いま、文字と絵が混在した１ページの
原稿画像の読み取りを開始したとする。

このとき、画像読取部１で読み取られた画信号はA/D
変換回路２で多値画信号に変換されて順次出力される。

像域判別部５は、その出力される画信号を監視し、例
えば、その画信号のレベル変化がゆるやかなときは絵の
領域、信号レベル変化が急激なとき文字領域と判別す
る。画信号分離部８は、その画信号の内、絵領域の画信
号をハーフトーン２値化処理部３に出力する一方、文字
領域の画信号をラインアート強調部９に出力する。

ラインアート強調部９は、入力される画信号の各画素
に対して、MTF補正や画像の濃淡の強調補正を行なう。
この強調補正は、第５図のラインアート２値化処理部４
の動作で説明したように、輪郭部の画素濃度を白はさら
に白側に黒はさらに黒側に補正すると共に、本実施例で
は、黒領域内の全画素をさらに黒側に補正する。

ハーフトーン２値化処理部３は、そのラインアート強
調部９から出力される文字領域の画信号と、画信号分離
部８から出力される絵字領域の画信号とを合せて、前記
ディザ法などにより２値化する。画像出力部７は、その
２値化画像を出力する。

これにより、原稿画像の絵はハーフトーンで再現され
る一方、文字は各種補正により強調された後、２値化さ
れるので黒白はっきりした文字画像になる。

ところで、前述したように、とくに印刷物の網点画像
の絵を読み取る場合に、像域判別部５が絵を文字と誤っ
て判別してしまうことがある。

この場合、絵の画信号がラインアート強調部９によ
り、白黒の濃淡が強調される。いま、この強調により、
例えば、第２図（ａ）に示すように、絵の画像の一部に
濃度の濃い画素と薄い画素とがはっきり二分された領域
があったとする。

この画像の画信号は、ハーフトーン２値化処理部３に
おいて中間調を再現する前記方式で２値化される。この
ため、同図（ｂ）に示すように、濃度の濃い部分の一部
の画素は白、薄い部分の一部の画素は黒になり、濃淡が
緩和されることになる。

従って、第３図に示すように、１つの絵Ａに対して、
一部の領域Ｃを文字領域として判別したとしても、領域
Ｃの画像は、上記のように白黒画素が混在して濃淡が緩
和されるため、従来ほど目立たなくなる。これにより、
絵の中の誤判別領域が目立たない自然性の高い良好な出
力画像が得られるうようになる。

なお、以上の実施例では、原稿画像読み取りながら各
種画像処理を同時に実行したが、読み取った画情報を一
旦メモリに格納した後、画像処理を行なうようにしても
よいことは当然である。

［発明の効果］ 以上のように、本発明によれば、多値画情報の内、文
字の画情報は画素濃度を既知方式で適宜補正した後、絵
の画情報と共に中間濃度を再現する方式により２値化す
るようにしたので、絵を文字と誤って判別しても、２値
化処理により白画素と黒画素とが混在するようになるた
め、絵の中の誤判別領域が目立たない自然性の高い良好
な出力画像が得られるうようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る画像処理装置のブロッ
ク構成図、第２図は２値化処理により得られる画情報の
説明図、第３図は本実施例において絵の一部を文字と誤
判別したときの画像の一例を示す説明図、第４図は従来
の画像処理装置のブロック構成図、第５図は従来におい
て絵の一部を文字と誤判別したときの画像の一例を示す
説明図である。 １……画像読取部、２……A/D変換回路、３……ハーフ
トーン２値化処理部、５……像域判別部、７……画像出
力部、８……画信号分離部、９……ラインアート強調
部。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画像を構成する多値画情報を２値化画情報
   に変換する画像２値化方法において、 前記多値画情報に絵画情報と文字画情報が混在する場
   合、先ず、画像領域を絵領域の画情報と文字領域の画情
   報とに領域分離し、その分離した文字領域の画情報につ
   いては濃淡を強調する濃度補正処理を実施し、しかる
   後、その濃度補正した文字領域の画情報と前記絵領域の
   画情報とを合成し、中間調を再現する方式により２値化
   画情報に変換することを特徴とする画像２値化方法。
2. 【請求項２】画像を構成する多値画情報を２値化画情報
   に変換する画像２値化装置において、 前記多値画情報に絵画情報と文字画情報が混在する場
   合、それを絵領域の画情報と文字領域の画情報とに領域
   分離する画情報領域分離手段と、 該画情報領域分離手段により分離した文字領域の画情報
   の濃淡を強調する濃度補正を行うラインアート処理手段
   と、 該ラインアート処理手段により補正した文字領域の画情
   報と前記画情報領域分離手段より得られる絵領域の画情
   報とを合成した後、中間調を再現する方式により２値化
   画情報に変換するハーフトーン処理手段とを備えている
   ことを特徴とする画像２値化装置。