JPH0993438A - 画像処理装置およびその方法 - Google Patents

画像処理装置およびその方法

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JPH0993438A
JPH0993438A JP7247588A JP24758895A JPH0993438A JP H0993438 A JPH0993438 A JP H0993438A JP 7247588 A JP7247588 A JP 7247588A JP 24758895 A JP24758895 A JP 24758895A JP H0993438 A JPH0993438 A JP H0993438A
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data
image
image data
level
image processing
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JP7247588A
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Yoshiharu Ikegawa
嘉治 池川
Yoshinori Abe
喜則 阿部
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AE処理を行う際は、原稿をプリスキャンして
濃度ヒストグラムを作成するので、画像を出力するまで
に時間がかかる。 【解決手段】 ヒストグラム作成部39を用いて、画像圧
縮部37から出力される符号データの直流成分DCcodeから
入力画像データの輝度分布を示すヒストグラムを作成
し、そのヒストグラムから入力画像データの特徴を検出
し、その特徴に応じて入力画像データの画像タイプを判
定し、判定した画像タイプと検出した特徴に応じて画像
圧縮部37から出力された画像データを画像処理するため
の変換テーブルを作成し、その変換テーブルを濃度補正
部40に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置および
その方法に関し、例えば、入力された画像データを符号
化して記憶し、記憶した符号データを復号して画像処理
を施す画像処理装置およびその方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】圧縮した画像データをリテンションメモリ
ボードなどに蓄積した後、蓄積した情報を伸長してレー
ザビームプリンタなどの出力装置により画像として記録
する場合に、AE(Automatic Exposure)処理を行う際は、
原稿をプリスキャンして濃度ヒストグラムを作成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した技術
においては、次のような問題点がある。つまり、一度原
稿をプリスキャンしなければならないので、画像を出力
するまでに時間がかかる問題がある。
【0004】本発明は、上述の問題を解決するためのも
のであり、AE処理などを行う際にプリスキャンを必要と
しない画像処理装置およびその方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0006】本発明にかかる画像処理装置は、入力され
た画像データを符号化して記憶し、記憶した符号データ
を復号して出力する画像処理装置であって、前記符号デ
ータから前記入力画像データの特徴を検出する検出手段
と、前記検出手段により検出された特徴に応じて、前記
復号された画像データを画像処理するための変換テーブ
ルを作成する作成手段とを有することを特徴とする。
【0007】また、入力された画像データを符号化して
記憶し、記憶した符号データを復号して出力する記憶手
段と、前記符号データから前記入力画像データの特徴を
検出する検出手段と、前記検出手段により検出された特
徴に応じた変換テーブルを用いて前記記憶手段から出力
された画像データを処理する処理手段とを有することを
特徴とする。
【0008】本発明にかかる画像処理方法は、入力され
た画像データを符号化して記憶し、記憶した符号データ
を復号して出力する画像処理装置の画像処理方法であっ
て、前記符号データから前記入力画像データの特徴を検
出する検出ステップと、検出した特徴に応じた変換テー
ブルを用いて前記復号された画像データを処理する処理
ステップとを有することを特徴とする。
【0009】また、入力された画像データを符号化して
記憶し、記憶した符号データを復号して出力する画像処
理装置の画像処理方法であって、前記符号データから前
記入力画像データのデータ分布を検出する第一の検出ス
テップと、検出したデータ分布から前記入力画像データ
の特徴を検出する第二の検出ステップと、検出した特徴
に応じて前記入力画像データの画像タイプを判定する判
定ステップと、判定した画像タイプと検出した特徴に応
じて、前記復号された画像データを処理するための変換
テーブルを作成する作成ステップとを有することを特徴
とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施形態
の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
【第1実施形態】 [装置概観]図1は本発明にかかる一実施形態の画像処
理装置の構造を示す概観図である。
【0012】図1において、原稿給送装置1は、載置され
た原稿を一枚ずつあるいは二枚連続に原稿台ガラス2上
の所定位置へ供給する。スキャナユニット4は、ランプ3
やミラー5などで構成され、原稿給送装置1により原稿が
原稿台ガラス2上へ供給されると、図示しない駆動手段
により所定方向に走査される。原稿からの反射光は、ミ
ラー5,6,7を介してレンズ8を通過し、RGB色分解フィル
タとCCDラインセンサなどを備えたイメージセンサ部9に
結像する。イメージセンサ部9から出力された画像信号
は、後述する画像処理部へ送られる。
【0013】また、レーザスキャナで構成される露光制
御部10は、後述する制御部から出力される画像信号に基
づき変調した光ビームにより感光体11を走査して、感光
体11の表面に静電潜像を形成する。感光体11に形成され
た静電潜像は、現像器12または13により所定色の現像剤
(トナー)で可視化されてトナー像になる。
【0014】記録紙積載部14または15に積載収納されて
いる定型サイズの記録紙(記録媒体)は、給送ローラに
よりレジスト配設位置25 まで搬送され、感光体11に形
成される画像との画像先端を合わせるためのタイミング
がとられた後、転写分離帯電器16へ供給される。その
後、記録紙は、転写分離帯電器16により、感光体11上の
トナー像が転写された後、感光体11より分離され、搬送
ベルト27により定着部17へ送られ、トナー像が定着され
る。
【0015】排紙ローラ18は、画像が記録された記録紙
をトレー20に排出する。排紙ローラ18の直前に配置され
たフラッパ21は、画像が記録された記録紙の搬送先を排
出口または内部搬送路22に切換えるもので、多重または
両面画像形成プロセスにおいて用いるものである。ま
た、クリーナ26は、記録紙に転写されずに感光体11表面
に残留したトナーを除去するためのものである。
【0016】両面画像形成プロセスにおいては、記録紙
が排紙センサ19を通過後、排紙ローラ18を逆転しすると
ともに、フラッパ21を上方に上げて、記録転を搬送路22
と23を介して、中間トレー24に搬送する。次の画像形成
タイミングで、中間トレー24に格納された記録紙を上述
した画像形成部へ供給し、記録紙の裏面に画像を記録す
る。また、多重画像形成プロセスにおいては、フラッパ
21を上方に上げて、定着部17を通過した記録紙を搬送路
22と23を介して中間トレー24に搬送する。次の画像形成
タイミングで、中間トレー24に格納された記録紙を上述
した画像形成部へ供給し、記録紙の表面に画像を多重記
録する。
【0017】[制御部]図2は本実施形態の画像処理装
置の各制御部を示すブロック図で、CPU回路部1025は、R
OM1026に予め格納された制御プログラムに従って、後述
する各制御部をそれぞれ制御する。また、RAM1027は、C
PU回路部1025によって演算や処理を行う際のワークメモ
リなどとして利用される。
【0018】原稿自動給送装置制御部1021は、原稿自動
給送装置1に載置された原稿を一枚ずつあるいは二枚連
続に原稿台ガラス2上へ供給する動作などを制御する。
【0019】イメージリーダ制御部1022は、前述したイ
メージセンサ部9などを含み、イメージセンサ部9により
光電変換されたアナログ画像信号を出力する。画像信号
制御部1023は、イメージセンサ部9から出力された画像
信号、すなわちイメージリーダ制御部1022の出力信号に
画像処理を施す。プリンタ制御部1024は、画像信号制御
部1023から出力されたビデオ信号に基づいて、露光制御
部10を駆動して得た光ビームを感光体11に照射し走査す
る。
【0020】操作部1028は、画像形成に必要なモード設
定のためのキーボードやタッチパネル、装置の動作状態
や動作条件などを表示するLCDなどの表示器などを備え
た操作パネルである。
【0021】[画像信号制御部]図3は画像信号制御部1
023の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0022】図3において、イメージリーダ制御部1022
から出力されたアナログRGB画像信号は、A/D変換器30に
より例えば各8ビットのディジタルRGB信号に変換され、
黒補正/白補正部31により黒レベルと白レベルが補正
(シェーディング補正)された後、ND信号生成部32に入
力される。ND信号生成部32は、次式によりRGB信号値の
平均から輝度信号Doutを出力する。 Dout = (Rin + Gin + Bin)/ 3 …(1)
【0023】また、色検出部33は、RGBの信号比率によ
り、例えば赤,緑,青,ラインマーカのピンク,イエロ
ー,橙,白および黒に分類した例えば3ビットの色信号C
outを出力する。
【0024】変倍部34は、輝度信号Doutおよび色信号Co
utに主走査方向(CCDのライン方向)の変倍処理あるい
は画像の移動処理を施す。マーカ領域検出部35は、変倍
部34から入力された色信号Coutに基づいて、マーカで指
定された原稿の領域を検出し、その領域を示す処理領域
信号outを出力する。なお、処理領域信号outは、領域内
外の白黒反転,網がけなどの処理に利用される。画像処
理部36は、変倍部34から入力された色信号Coutとマーカ
領域検出部35から入力された処理領域信号outに基づい
て、同様に入力された輝度信号Doutに、網がけ,色情報
を単一色のパターンに変換するパターン化処理,マスキ
ング,トリミング,白黒反転などの画像編集処理を施
す。
【0025】画像圧縮部37は、画像処理部36から入力さ
れた例えば8ビットの画像データを画像圧縮した符号デ
ータを内部の画像メモリに記憶し、画像メモリから読出
した符号データを伸長して出力する。また、画像圧縮部
37は、ヒストグラム作成に用いる符号化ブロックの直流
成分DCcodeも出力する。
【0026】画像合成部38は、操作部1028からの指示に
従い、必要に応じて、画像処理部36から入力された画像
データと、画像圧縮部37から入力された画像データとを
合成した合成画像を生成する。濃度補正部40は、その詳
細を後述するヒストグラム作成部39からの信号に基づい
て、画像合成部38から入力された画像データに、輝度-
濃度変換処理およびプリンタに対応した濃度補正(ガン
マ補正)を施して、プリンタ制御部1024へ例えば8ビッ
トの濃度信号を出力する。
【0027】図4は画像圧縮部37の構成例を示すブロッ
ク図である。
【0028】図4において、記憶制御部404は、図示しな
い画像信号制御部1023を制御する制御部からの指令によ
り、コマンドバス405を介して、画像圧縮部37全体の動
作を制御する。
【0029】メモリ制御部401は、メモリ制御信号406に
より画像メモリ402へのデータ書込みおよび読出しを制
御し、データバス407を介して、圧縮処理部400から入力
された符号データを画像メモリ402へ書込み、画像メモ
リ402に記憶された符号データを伸長処理部403へ出力す
る。
【0030】画像処理部36から入力された画像データ
は、圧縮処理部400で圧縮され、メモリ制御部401により
画像メモリ402の所定のアドレスに書込まれる。画像メ
モリ402に記憶された符号データは、メモリ制御部401に
より、所定のタイミングで、装置の動作モードに応じた
順に読出され、伸長処理部403で伸長された後、画像合
成部38へ送られる。
【0031】図5は画像圧縮部37が画像データを圧縮す
る方法を示す概念図である。
【0032】画像データの圧縮(符号化)は、例えば主
走査4画素×副走査4ラインの計16画素ブロックを単位と
して行う。4×4画素ブロックに切り出された原画像デー
タを、符号503で示すようにXij(i,j=1,2,3,4)とすると
き、これに対して4×4のアダマール変換501を施し、符
号504で示すYij(i,j=1,2,3,4)を得る。アダマール変換
は、直交変換の一種であり、フーリエ変換により時間領
域もしくは空間領域の信号を周波数領域もしくは空間周
波数領域に変換するのに相当する。すなわち、アダマー
ル変換後のYijは、入力信号の行列Xijのもつ空間周波数
の各成分に相当する信号になる。
【0033】ここで、二次元のフーリエ変換の場合と同
様に、このアダマール変換の出力Yijにおいて、iの値
(すなわち行の位置)が大きくなればなるほど、副走査
方向の高い周波数成分が配置され、jの値(すなわち列
位置)が大きくなればなるほど主走査方向の高い空間周
波数成分が配置される。i=j=1の場合、Y11=(1/4)ΣXij
になり、入力データXijの直流成分すなわち4×4画素ブ
ロック内の平均値に相当する信号が出力される(実際に
は平均値を四倍したもの)。
【0034】さらに、Yijの16個の要素に量子化502を施
し符号データを得る。このとき、直流成分Y11は8ビット
で線形量子化を行い、直流成分の符号データDCcodeを得
る。この8ビットの符号データDCcodeは、ほぼ4×4画素
ブロック内の平均値になり、後述するヒストグラム作成
部39の入力になる。
【0035】図6はヒストグラム作成部39の構成例を示
すブロック図、図7はヒストグラム作成部39の動作状態
例を示すタイミングチャートである。
【0036】ヒストグラム作成部39全体の動作は、装置
の同期信号HSYNC,HVALID,CLKに基づきタイミング発生部
64で発生された制御信号と、CPU回路部1025からの制御
信号によって制御される。
【0037】CPU回路部1025からの制御信号CPALは、D-F
/F69によりHSYNCに同期されて、信号TSELになる。TSEL
がLレベルの期間、画像圧縮部37から入力されたDCcode
は、バッファ61を介してメモリ60に書込まれる。TSELが
Hレベルの期間、CPU回路部1025によりメモリ60の記憶内
容が読取られて、CPU回路部1025のRAM1027にヒストグラ
ムが作成される。
【0038】ここで、メモリ60は、RAMなどの読み書き
可能なメモリで、画像圧縮部37における符号化ブロック
1ライン分のDCcode信号を記憶できる容量を備えてい
る。出力制御が可能なバッファ61は、TSEL信号がLレベ
ルのときに、DCcode信号をメモリ60のデータ入力DATAへ
送る。
【0039】データセレクタ62および63は、それぞれTS
EL信号に従って、タイミング発生部64で発生された制御
信号(アドレス,/OE,/WR,/CS)、または、CPU回路部1025
から送られてくる制御信号(アドレスバス,/MRD,/MWR,/M
CS)を選択し、選択した信号をメモリ60に与える。な
お、信号名の先頭に付した記号「/」は、その信号が負
論理であることを示している。
【0040】出力制御が可能なバッファ65は、ゲート67
に入力される/TSEL信号および/MWR信号で出力制御さ
れ、ゲート67の出力がLレベルになると、CPU回路部1025
のデータバスを介して送られてくるデータをメモリ60の
データ入力DATAへ送る。また、出力制御が可能なバッフ
ァ66は、ゲート68に入力される/MCS信号および/MRD信号
で出力制御され、ゲート68がLレベルになると、メモリ6
0から読出されたデータをCPU回路部1025のデータバスへ
送る。
【0041】図8はヒストグラム作成部39内のメモリ60
の読み書きタイミング例を示すタイミングチャートであ
る。
【0042】同図(a)は、符号データDCcodeをメモリ60
へ書込む期間(図7参照)におけるメモリ書込タイミン
グを示し、このときの制御信号はタイミング発生部64で
作成される。つまり、HSYNCの立上りで、タイミング発
生部64内のアドレスカウンタ(不図示)がイニシャライ
ズされADRS信号が0になる。アドレスカウンタは、HVALI
DがHレベルのときに、DCcodeの同期信号であるCLKをカ
ウントアップしてADRSを発生する。これに応じて、、メ
モリ書込信号/WRのLからHレベルへ立上がるときに、DCc
odeはADRSで指定されるアドレスに書込まれる。
【0043】同図(b)は、CPUによるメモリ読出およびヒ
ストグラム作成期間(図7参照)におけるCPU回路部1025
のメモリ読出タイミングを示し、CPU回路部1025からの
メモリ選択信号/MCSがLレベルのときにメモリ60からの
読出しが許可される。CPU回路部1025のアドレスバスに
出力されたアドレス信号は、メモリ60のアドレス端子AD
RSに与えられる。CPUメモリリード信号/MRSがLレベルの
とき、メモリ60から記憶内容が読出されてデータバスへ
出力される。なお、図8(a)または(b)に示すタイミング
信号は、前述したように、TSEL信号により選択され、メ
モリ60へ与えられる。
【0044】[AE処理]図9は本実施形態におけるAE処
理の一例を示すフローチャートで、CPU回路部1025によ
り実行されるものである。
【0045】ステップS111でヒストグラムを作成し、ス
テップS112でヒストグラムの特徴点を検出し、ステップ
S113で後述する方法により原稿の画像タイプ(以下では
単に「原稿タイプ」という場合がある)を判定し、ステ
ップS114で変換テーブルを作成する。そして、ステップ
S115で、この変換テーブルを含めてガンマテーブルが作
成され、画像信号制御部1023の濃度補正部40へ補正テー
ブルとして書込まれる。
【0046】●ヒストグラムの作成方法 ステップS111のヒストグラムの作成は次の手順で行う。
【0047】画像メモリ402に蓄積された圧縮データか
ら各4×4画素ブロックのDCcodeをサンプリングする。こ
のサンプリングには全信号(DCcode)を入力してもよい
が、原稿の濃度分布を崩さない程度に間引いてサンプリ
ングする。このサンプリング間隔は例えば1mm程度にす
る。
【0048】(1)1ライン分のDCcodeの入力 TSEL信号がLレベルの期間に1ライン分の全データ(DCcod
e)がメモリ60に書込まれる。TSEL信号がLレベルのと
き、バッファ61の出力はイネーブル状態になり、画像圧
縮部37から出力されたDCcode信号がメモリ60に与えられ
る。また、データセレクタ62と63は、セレクト信号がL
レベルであるから、A端子へ入力されるタイミング発生
部64で作成された制御信号(アドレス,/OE,/WR,/CS)を選
択し、これらの制御信号がメモリ60に与えられる。な
お、書込タイミングは図8(a)に示したとおりである。
【0049】(2)CPUによるメモリ読出 CPU回路部1025は、CPAL信号から生成されるTSEL信号を
操作して、TSEL信号がHレベルの期間に、上記(1)でメモ
リ60に書込んだ内容、つまりTSEL信号がHレベルになる
直前の1ライン分のデータをメモリ60から読出すことが
できる。
【0050】このとき(TSEL信号がHレベルのとき)、
バッファ61は出力がディスイネーブル状態(出力はハイ
インピーダンス)であり、データセレクタ62と63は、セ
レクト信号(TSEL)がHレベルであるから、B端子へ入力さ
れるCPU回路部1025からの制御信号(アドレス,/MRD,/MW
R,/MCS)を選択し、これらの制御信号をメモリ60に与え
る。
【0051】また、このとき、CPU回路部1025は、/MCS
と/MRDをともにLレベルにして、バッファ66の出力をイ
ネーブル状態にして、メモリ60から読出したデータをデ
ータバスへ出力させるとともに、/TSELと/MWRをともにL
レベルにして、バッファ65の出力をディスイネーブル状
態にする。
【0052】ここで、通常の読取解像度が600dpiで、画
像圧縮に用いる符号化ブロックのサイズが4×4画素であ
るとすれば、1mmは約24ドットであるので、サンプリン
グ間隔約1mmを得るには、CPU回路部1025は6アドレスピ
ッチ(例えば、1,7,13,19,25,…)でデータを読出せば
よい(主走査方向)。なお、読出タイミングは図8(b)に
示したとおりである。
【0053】(3)ヒストグラムの作成 CPU回路部1025は、上記のようにして得たDCcodeのレベ
ルごとに度数をカウントしてヒストグラムを作成する。
DCcodeが例えば8ビットであれば、0から255の各レベル
について度数をカウントする。また、一つのレベルを16
ビットでカウントすると約65000度数までカウントする
ことができるが、この場合、ヒストグラムを記憶するメ
モリには256ワード(512バイト)の容量が必要になる。
【0054】(4)上記(1)および(2)を所定の範囲内で繰
返す 副走査方向においても同様のサンプリング間隔(例えば
約1mm)にすると、6ラインピッチでDCcodeをメモリ60へ
書込めばよい。メモリ60への書込みタイミングは、CPU
回路部1025がCPAL信号を制御することで決まるので、6
ライン分の時間に相当する時間ピッチでCPAL信号をHレ
ベルにして、1ライン分のヒストグラムを作成後にCPAL
信号をLレベルにすればよい。
【0055】ここで、サンプリングとヒストグラム作成
範囲の関係を説明する。図10は本実施形態におけるヒス
トグラム作成範囲例を示す図、図11は本実施形態におけ
るサンプリング間隔例を示す図で、これらの図により、
原稿に対するサンプリングおよびヒストグラム作成範囲
の関係を説明する。
【0056】例えば、16ビットで各度数をカウントする
と、その最大度数は約65000になるから、約1mmピッチの
サンプリングでヒストグラムを作成することができる範
囲は、A4サイズ(210mm×297mm)程度になり、図10に示す
ように、A3サイズを載置することができる原稿台ガラス
2であるとすれば、原稿台ガラス2の約半分の領域がヒス
トグラム作成範囲になる。
【0057】また、図11はヒストグラム作成範囲に含ま
れるサンプリングする符号データの位置を示している
が、約1mmピッチのサンプリングをする場合、主走査方
向に六個ごとに、副走査方向に6ラインごとにDCcodeを
サンプリングすることになる。
【0058】●ヒストグラムの特徴点の検出 図12は以上の処理を繰返すことにより作成されるヒスト
グラムの一例を示す図で、通常の原稿からヒストグラム
を作成した場合に一般的に得られるヒストグラムを示し
ている。つまり、原稿の広範囲にほぼ同一濃度の背景
(「地肌」と呼ぶ)があり、地肌の上に地肌より濃い濃
度の文字などが描かれている原稿である。ヒストグラム
の横軸は信号レベルを表し、読取レベルは例えば256段
階なので、左が0レベル(暗い)、右が255レベル(明る
い)に対応する。また、縦軸は度数を表し、通常、全体
度数の割合(%)で表現する。
【0059】ステップS112でヒストグラムの形状を詳し
く解析するために、ヒストグラムのピークをすべて求め
る。ピークの求め方の概略は、0レベルから255レベルま
で順にチェックし、チェックしているレベルの度数がピ
ーク判定基準値YLIM以上で、その度数が前後のレベルの
度数よりも大きいとき、配列pdataのそのレベルに対応
する値を‘1’にすることで、そのレベルをピークと認
識させる。本実施形態においては、例えば、YLIMは全体
度数の0.03%に設定し、配列pdataは256個の領域をも
ち、予め‘0’で初期化されているものとする。そし
て、ヒストグラムの特徴点として、以下のデータを求め
る。 peakn ピーク総数 lpeakn 暗部のピーク総数 rpeakn 明部のピーク総数 Imax 度数が最も高い信号レベル Ilight 最も明るい信号レベル Idark 最も暗い信号レベル rpeak 明部中、地肌部のピークと認識した中で最も暗
いピーク rwidth ある一定レベル以上の度数をもつ連続領域の中
で最大のもの
【0060】つまり、図12において、Imaxを中心とする
信号レベル(輝度信号レベル)の範囲が地肌部分に、Id
arkから地肌までの範囲が文字部分(原稿の情報部分)
に対応する。これらのデータの求め方を次に説明する。
【0061】peaknの検出: pdata(0)からpdata(255)ま
で順にチェックし、ピークと認識された(つまり値が
‘1’)レベルをカウントする
【0062】lpeaknの検出: pdata(0)から暗部と明部の
閾値ILIM(つまりpdata(ILIM))まで順にチェックし、
ピークと認識されたレベルをカウントする
【0063】rpeaknの検出: pdata(255)からpdata(ILI
M)まで順にチェックし、ピークと認識されたレベルをカ
ウントする
【0064】rpeakの検出: pdata(255)からpdata(ILI
M)まで順にチェックし、n番目に検出されたピーク(rp
eakn>nのとき)、または、rpeakn番目に検出されたピー
ク(rpeakn≦=nのとき)のレベルを採用する
【0065】Idarkの検出: 0レベルから255レベルまで
の度数を順にチェックし、最初に判定基準度数doslimを
越えた度数のレベルを採用する。この判定基準度数dosl
imは、ヒストグラム作成時のノイズなどによる判定エラ
ーを防ぐもので、全体度数値の0.01%ぐらいに設定され
る。例えば、全体度数が65000であれば、doslimは65に
なり、65以上の度数があるレベルをIdarkとして検出す
【0066】Ilightの検出: 255レベルから0レベルまで
の度数を順にチェックし、最初にdoslimを越えた度数の
レベルを採用する
【0067】Imaxの検出: IdarkからIlightの範囲で最
大度数hmaxを示すレベルを採用する
【0068】rwidthの検出: 0レベルから255レベルまで
の度数をチェックし、doslim以上の度数が連続する区間
中、最大の連続区間を求め、その連続量を採用する
【0069】なお、何らかの理由により、IdarkおよびI
lightが検出できなかった場合は、Idarkに0が、Ilight
に255を与える。
【0070】●原稿タイプの判定 図13はステップS113における原稿タイプの判定手順の一
例を示すフローチャートで、ステップS112で求めたヒス
トグラムの特徴点データから原稿のタイプを判定する。
なお、本実施形態では、原稿のタイプを「普通画像タイ
プ」「反転画像タイプ」「階調画像タイプ」の三つのタ
イプに分けて、それぞれの方法により輝度信号の変換テ
ーブルを作成する。この変換テーブルは、それぞれのタ
イプの原稿を忠実に再現したり、その濃度などが強調さ
れるように輝度信号を変換するためのものである。
【0071】図14は普通画像タイプの原稿のヒストグラ
ム例と変換テーブル例を示す図で、このタイプの原稿
は、地肌部分は記録せず文字部分(情報部分)にある鉛
筆など描かれた薄い文字などを濃くするように処理する
のが望ましい。なお、多くの原稿はこのタイプに含まれ
る。
【0072】図15は反転画像タイプの原稿のヒストグラ
ム例と変換テーブル例を示す図で、このタイプの原稿
は、普通画像タイプの原稿に比べて度数のピークが逆側
にあり、例えば黒ベタの地に白抜き文字があるような原
稿がこれに当たる。この場合、地肌部分に相当する部分
はより濃く記録し、白抜き部分は多少の地かぶりを無く
す処理を施すのが望ましい。
【0073】図16に階調画像タイプの原稿のヒストグラ
ム例と変換テーブル例を示す図で、このタイプの原稿
は、濃度が連続に滑らかに変化する写真などの原稿に当
り、階調性を損なわない入出力がリニアな変換テーブル
が適している。
【0074】次に、図13に示すフローチャートを説明す
るが、説明に用いる記号の意味は次のとおりである。 HLIM 階調画像タイプ判定の基準度数 ILIM 普通画像タイプと反転画像タイプの判定基準レ
ベル IWLIM 階調画像タイプを判定するための情報幅の判定
基準レベル PWIDTH 階調画像タイプを判定するための連続性の判定
基準レベル WAREA 普通画像タイプと階調画像タイプの判定基準レ
ベル
【0075】図13において、ステップS101でピーク総数
peaknが零であるかどうかを判定し、零ならステップS11
0で階調画像タイプの変換テーブルを作成する。peakn>0
のときはステップS102で、ヒストグラムの最大度数hmax
とHLIMを比較して、hmax<HLIMのときはステップS103で
情報幅のチェックを行う。このHLIMの値は、多くの画像
のデータから全度数の例えば1.5%程度に決められてい
て、全度数が65000であれば975になる。
【0076】ステップS103で、最明レベルIlightと最暗
レベルIdarkから求めた情報幅(Ilight-Idark)とIWLIMを
比較し、情報幅≧IWLIMのときはステップS110で階調画
像タイプの変換テーブルを作成する。このIWLIMの値
は、HLIMと同様に決められるもので、例えば200に設定
されている。
【0077】hmax≧HLIMのとき、および、情報幅<IWLIM
のときは、ステップS104でrwidthとPWIDTHを比較して、
rwidth≧PWIDTHならばステップS105へ進み、そうでなけ
ればステップS107へ進む。このPWIDTHの値は、HLIMと同
様に決められるもので、例えば60に設定されている。
【0078】ステップS105では、明部のピーク数rpeakn
が零かどうかを判定し、零ならばステップS110で階調画
像タイプの変換テーブルを作成する。rpeakn>0のときは
ステップS106でrpeakとWAREAを比較し、rpeak>WAREAな
らばステップS110で階調画像タイプの変換テーブルを作
成し、そうでなければステップS109で普通画像タイプの
変換テーブルを作成する。このWAREAの値は例えば192に
設定されている。
【0079】一般に、階調画像のヒストグラムは、ある
度数以上のレベルが連続して存在するので、判定対象の
ヒストグラムに、この連続領域があるかどうかを調べる
ことで、階調画像を判定することができる。しかし、こ
の手法は、例えば普通原稿と判定したい新聞原稿などの
場合でも、階調画像と判定してしまうことがある。そこ
で、新聞原稿などの場合、明部にその地肌部分のピーク
が現れるので、ステップS105,S106に判定により新聞原
稿などを階調原稿と判定してしまうことを防いでいる。
【0080】ステップS104でrwidth<PWIDTHと判定した
場合は、ステップS107で最大度数の信号レベルImaxとIL
IMを比較して、Imax≧ILIMのときはステップS109で普通
画像タイプの変換テーブルを作成し、Imax<ILIMのとき
はステップS108で反転画像タイプの変換テーブルを作成
する。なお、このILIMにより、地肌濃度をどこまで出力
するか、または、しないかを決めることができるが、本
実施形態では130に設定する。
【0081】●変換テーブル作成 上記のようにして判定した画像タイプに応じて、ステッ
プS114で変換テーブルを作成するが、変換テーブルは入
力レベルをIin、出力レベルをIoutとすると次式で表さ
れる。 if (Iin < black) Iout = 0 if (black≦Iin≦white) Iout = {255/(white - black)}*{x - black } if (white < Iin) Iout = 25
【0082】ここでblackおよびwhiteの値は、次に説明
するように、原稿のタイプ別に求める。
【0083】(1)普通原稿タイプの場合 図17はwhiteの値を求めるサブルーチン例のフローチャ
ートである。ステップS201でrpeakとかぶり防止基準値K
LIMを比較して、rpeak>KLIMのときはステップS205で折
り返し値turnにKTURNを設定した後、ステップS206へ進
み、そうでないときはステップS202へ進んでrvalleyとr
peakの差(rvalley-rpeak)とLIGHTを比較する。
【0084】ここで、KTURNの値は、本実施形態では4に
設定されている。また、LIGHTは、地肌の飛ばし過ぎを
防ぐための折り返し量の制限値であり、本実施形態では
16に設定されている。また、rvalleyは、rpeaknが1のと
きはIlinghtにし、rpeakが明部に現れたピークの中で一
番明るいものでないときは、rpeakから次に明るいピー
クまで順にチェックし、最初にdoslimより小さくなった
レベルか、その区間の中で最小の度数をもつレベルにす
る。
【0085】ステップS202の条件が満たされた場合はス
テップS204で折り返し値turnにLIGHTと設定し、そうで
なければステップS203でturnに(rvalley-rpeak)を設定
する。
【0086】この後、ステップS206でwhiteに(rpeak-tu
rn)を設定する。
【0087】図18はblackの値を求めるサブルーチン例
のフローチャートである。ステップS211でblackを最暗
レベルのIdarkに設定するが、零からIdarkの間に、ノイ
ズを除去するための閾値doslimより小さい度数をもつレ
ベルがある程度存在する場合は、Idarkを補正すること
により、ノイズが強調されるのを防ぐことが望ましい。
そこで、ステップS212で、零からIdarkの間にある零よ
り大きい度数をもつレベルの数を調べて、その数が所定
値(例えば32)以上であればステップS213で、零からId
arkの間において零より大きい度数をもつ最も暗いレベ
ルをblackに設定する。
【0088】次に、ステップS214で(white-black)とCON
TLIMを比較して、(white-black)<CONTLIMの場合はステ
ップS215でblack=0にする。このCONTLIMはコントラスト
を付けるレベル幅の最低値で、地肌だけの原稿や、文字
などの濃度が非常に薄い原稿の場合、whiteとblackの差
が小さくなり、コントラストが強調され過ぎるのを防ぐ
ことを目的としている。なお、CONTLIMは本実施形態で
は55に設定されている。
【0089】(2)反転画像タイプの場合 図19はblackの値を求めるサブルーチン例のフローチャ
ートである。ステップS221で暗部のピーク数lpeaknを判
定して、lpeakn>1であればステップS222でblack=Idark
にし、そうでなければステップS223でblack=Imaxにす
る。
【0090】図20はwhiteの値を求めるサブルーチン例
のフローチャートである。ステップS231でIlightとILIM
を比較して、Ilight<ILIMの場合はステップS237でwhite
=255にする。また、Ilight≧ILIMの場合はステップS232
でrpeaknを判定して、rpeakn=0ならばステップS236でwh
ite=Ilight-IOFFにする。またrpeakn≠0ならば、ステッ
プS233で(rvalley-rpeak)とLIGHTを比較して、(rvalley
-rpeak)>LIGHTであればステップS235でwhite=rpeak-LIG
HTにし、そうでなければステップS234でwhite=rpeak-(r
valley-rpeak)にする。ここでIOFFは、反転画像の白抜
き部分のかぶりを無くすために設けた値で、本実施形態
では10が設定されている。
【0091】次に、ステップS238で、(white-black)と
コントラスト幅CONTLIMを比較して、(white-black)<CON
TLIMの場合はステップS239でwhite=255にする。
【0092】(3)階調画像タイプ この場合は、階調性を維持する必要からリニアな変換テ
ーブルを作成するので、black=0、white=255を設定す
る。
【0093】●ガンマテーブルの作成 上記のようにして得られた変換テーブルを基に、ステッ
プS115でガンマテーブル(γテーブル)を作成する。
【0094】図3に示した濃度補正部40は、LUT(ルック
アップテーブル)を用いて、輝度-濃度変換およびプリ
ンタの階調を補正する階調補正を行うものである。輝度
-濃度変換処理は、原稿画像を読取った輝度信号を濃度
信号に変換するもので、一般的にはlog変換と呼ばれて
いる。log変換テーブルは次式から算出される。 Dout = -255 / DMAX×log(Din / 255)
【0095】次に、階調補正処理は、プリンタの階調特
性を補正するものであり、図21Aは電子写真プリンタの
階調特性例を示す図、図21Bは図21Aに対応する階調補正
テーブルの特性例を示す図である。従って、輝度-濃度
変換および階調補正が施されたデータ、つまり濃度補正
部40の出力は次式で表される。 補正data = f(-255 / Dmax×log(Din / 255)) ここで、f(x)は階調補正テーブルを表す
【0096】これらのlog変換テーブルおよび階調補正
テーブルは、例えばCPU回路部1025内のROM1026にテーブ
ルとして記憶されていて、本実施形態では、原稿タイプ
の判定結果が「普通画像」または「反転画像」である場
合は文字強調用の階調補正テーブルが、「階調画像」で
ある場合は階調画像用の階調補正テーブルが、CPU回路
部1025によって自動的に選択される。さらに、CPU回路
部1025は選択した階調補正テーブルと、上述したAE処理
により得られた輝度信号の変換テーブルとを組み合わせ
て最終的な階調補正テーブルが作成する。
【0097】このようにして得られたlog変換テーブル
および階調補正テーブルは、CPU回路部1025により、RAM
などで構成される濃度補正部40のメモリに書込まれる。
なお、これらのテーブルは、原稿を交換した時点で、そ
の都度、演算または選択されて、濃度補正部40に書込ま
れる。なお、これらの処理はCPU回路部1025がプログラ
ムを実行することにより行われる。
【0098】また、得られた各種の変換テーブルそれぞ
れを、濃度補正部40にそれぞれ別個に設定することもで
きる。この場合、濃度補正部40は、原稿タイプに応じて
設定された図14から図16に示すような変換テーブルによ
り入力された輝度信号を変換し、log変換テーブルによ
り濃度信号に変換し、さらに、原稿タイプに応じて選択
された階調補正テーブルによりプリンタの階調特性に合
った濃度信号に補正した後、プリンタ制御部1024へ出力
することになる。
【0099】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、圧縮され蓄積されている画像データから原稿の輝度
分布を示すヒストグラムを作成し、その特徴から輝度信
号の変換テーブルを作成し、LOG変換およびプリンタの
階調補正を含めたLUTを作成することにより、ユーザが
濃度や原稿タイプを選択しなくても、プリスキャンを行
うことなく自動的に、適切な濃度で再現された原稿の複
写画像を出力することができる。
【0100】さらに、原稿の不要な部分、例えば背景部
分(地肌)を記録せずに、かつ、情報部分(文字や線画
などの部分)の濃度が薄い原稿であっても、その情報部
分を濃く強調して記録することができる。また、階調性
のある原稿、例えば濃度レベルの変化が緩やかな写真画
像などに対しては、階調性を損うことなく記録すること
ができる。
【0101】また、所謂孫コピーなどと呼ばれるコピー
原稿の場合でも、そのコピー原稿に対して最適な変換テ
ーブルを作成することができるため、文字の潰れが少な
い、画質劣化の少ない画像出力を得ることができる。
【0102】
【第2実施形態】以下、本発明にかかる第2実施形態の画
像処理装置を説明する。なお、第2実施形態において、
第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付
して、その詳細説明を省略する。
【0103】前述した第1実施形態においては、一度メ
モリに書込んだDCcodeを、CPU回路部1025が読出すこと
によりヒストグラムを作成する例を説明したが、ハード
ウェアによりヒストグラムを作成することもできる。図
22はハードウェアによりヒストグラムを作成する構成例
を示すブロック図である。
【0104】図22において、メモリ220は、RAMなどの読
み書き可能なメモリであり、256ワードの記憶容量をも
つ。加算回路221は、メモリ220から読出されたデータに
一を加算して、再度、メモリ220に書込む。制御回路222
は、符号データDCcodeを指定されたサンプリング間隔で
メモリ220へ書込むための制御信号を発生する。なお、
このサンプリング間隔およびサンプリング範囲は、前述
したように、CPU回路部1025により設定される。
【0105】データセレクタ223と224は、ハードウェア
側からの制御か、CPU側からの制御かを、CPU回路部1025
からの選択信号SELによって選択するものである。バッ
ファ225は、CPU回路部1025がデータを読出す際のデータ
の流れを制御するものである。
【0106】このような構成を備えれば、図6に示した
構成の場合と同様に、ヒストグラムを作成することがで
きる。
【0107】
【他の実施形態】また、本発明の目的は、前述した実施
形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード
を記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給
し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(または
CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することに
なり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発
明を構成することになる。プログラムコードを供給する
ための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,
ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD-RO
M,CD-R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0108】図24は本発明にかかるプログラムコードが
格納された記憶媒体のメモリマップの一例を示す図で、
各モジュールに付記した符号は図9のステップ番号に対
応する。
【0109】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際
の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述
した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは
言うまでもない。
【0110】前述した実施形態においては、アダマール
変換を用いて画像データを圧縮する例を説明したが、ア
ダマール変換に限定されるわけではなく、直流成分が得
られる他の直交変換を用いてもよい。また、符号化のブ
ロックサイズを4×4画素として説明したが、いかなる大
きさのブロックサイズを用いてもよい。また、直流成分
を8ビットで線形量子化すると説明したが、いかなるビ
ット数で量子化してもよく、線形量子化に限らなくても
よい。
【0111】また、前述した実施形態においては、ヒス
トグラム作成の範囲をA4サイズ、サンプリング間隔を主
走査方向,副走査方向ともに約1mmと説明したが、これ
に限定されるものではない。サンプリング間隔は、約1m
mである必要はなく2〜3mm程度でもよい。サンプリング
範囲はA4に限られず、原稿サイズに応じた範囲でヒスト
グラムを作成した方が、原稿そのものの特性を表すこと
ができることは言うまでもない。
【0112】また、前述した実施形態においては、ヒス
トグラムの特徴点を検出する際に、得られたヒストグラ
ムデータをそのまま用いる例を説明したが、隣り合う信
号レベルの度数を平均化して変換処理してもよい。例え
ば、三画素ないし五画素の範囲。この方が判定のエラー
が少なくなる。
【0113】また、前述した実施形態においては、全体
度数の0.01%を特徴点の検知基準レベルdoslimとして、
最暗レベルIdark,最明レベルIlightを求めたが、基準
レベルでなく信号レベルで連続して度数レベルが存在す
るときに、その検知レベルとしてもよい。また、最大度
数を100%として、検知基準レベルを決定してもよい。
【0114】また、前述した実施形態においては、それ
ぞれの原稿タイプで変換テーブルを変える例を説明した
が、図23に示すように、それぞれオフセット値を設定し
て最適な変換テーブルを算出してもよい。それぞれの原
稿タイプに対して、IOFF1からIOFF6のオフセットはそれ
ぞれ、操作部1028から直接に設定してもよいし、例えば
「濃くする」「薄くする」といったコピー結果を指示す
る方法で指定してもよい。
【0115】また、前述した実施形態においては、原稿
タイプの判定基準としてHLIM(階調画像タイプ判定の基
準度数)、IWLIM(階調画像タイプを判定するときの情
報幅)を用いたが、これに限定されるものではなく、ヒ
ストグラムの全信号レベルにおける度数の差分値、ある
いは特定の信号レベルにおける度数合計の割合などを用
いて判定してもよい。また、ヒストグラムのその他の特
徴点、例えば、文字部における最大度数レベル、最大度
数レベルから調べた度数の差分が基準値より少ない位置
のレベル、最暗あるいは最明レベルからの累積度数が基
準値を超えた位置のレベルなどを利用してもよい。
【0116】また、暗部のピーク中で最も暗いレベルで
あるlpeakを検出し、反転画像タイプと判定されたと
き、blackの値をlpeakとしてもよい。
【0117】また、前述した実施形態においては、輝度
信号(0が暗く、255が明るい)を用いてヒストグラムを
作成していたが、濃度信号(輝度信号を反転したもの)
を用いてもよい。この場合、図14から図16に示したヒス
トグラムは左右が反転したものになる。
【0118】また、前述した実施形態においては、変倍
部34の後ろにヒストグラム作成部39を設けたが、変倍部
34の前、あるいは画像処理部36におけるMTF補正回路の
後に設けてもよい。また、変換テーブルを設定する濃度
補正部40は、画像信号制御部1023の最終段に設けたが、
変換テーブルを設定する補正部を変倍部34の前あるいは
後に設けてもよく、その位置は限定されない。また、そ
の都度、変換テーブルを演算により求めているが、予め
演算されROMなどに格納された複数の変換テーブルか
ら、ヒストグラムの特徴に基づいて最適なものを選択す
ることもできる。
【0119】また、前述した実施形態においては、ヒス
トグラムの作成を原稿色に関係無く一色で行ったが、原
稿色に対応させてもよい。例えば、赤と無彩色(黒およ
び白)の二つのヒストグラムを作成して、それぞれの原
稿色に対して別々の変換テーブルを演算して処理しても
よい。この方が原稿に対して最適な濃度に変換でき、読
取系の色に対する感度特性の影響にも対応することが可
能になる。また、R,G,B信号を任意の割合で混ぜ合わせ
た信号から、ヒストグラムを作成してもよい。
【0120】また、明部の地肌と認識するレベルrpeak
を求める際に、何番目のピークまでを地肌と認識するか
を、ユーザが選択できるようにしてもよい。また、HLI
M,ILIM,IWLIM,PWIDTH,WAREA,LIGHTの値もユーザが設定
できるようにしてもよい。
【0121】普通画像タイプの変換テーブルを作る際、
blackとwhiteの差が所定のコントラスト幅CONTLIMより
小さいときはblack=0としたが、零と(white-CONTLIM)の
間でノイズレベルを下げてblackを補正してもよい。こ
のとき新たに設定したノイズレベルを超える度数をもつ
レベルの中で、最も大きな度数をもつレベルをblackと
してもよいし、最も暗いレベルをblackとしてもよい。
もし、適当なレベルが見つからなければ、さらにノイズ
レベルを下げるか、適当なオフセット値、例えば(ILIM-
LIGHT-CONTLIM)をblackとすればよい。このようにする
ことで、文字などの濃度が非常に薄い原稿もコントラス
トを強調し過ぎることなしに再現することができる。ま
た、写真原稿には非常に暗い読取レベルが含まれている
ことが多いので、例えば、レベル0〜4の間にある度数以
上のレベルがある場合は、階調画像タイプと判断しても
よい。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
AE処理などを行う際にプリスキャンを必要としない画像
処理装置およびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施形態の画像処理装置の概
観図、
【図2】本実施形態の画像処理装置の各制御部を示すブ
ロック図、
【図3】図2に示す画像信号制御部の詳細な構成例を示
すブロック図、
【図4】図3に示す画像圧縮部の構成例を示すブロック
図、
【図5】画像圧縮部が画像データを圧縮する方法を示す
概念図、
【図6】図3に示すヒストグラム作成部の構成例を示す
ブロック図、
【図7】ヒストグラム作成部の動作状態例を示すタイミ
ングチャート、
【図8】ヒストグラム作成部内のメモリの読み書きタイ
ミング例を示すタイミングチャート、
【図9】本実施形態におけるAE処理の一例を示すフロー
チャート、
【図10】本実施形態におけるヒストグラム作成範囲例
を示す図、
【図11】本実施形態におけるサンプリング間隔例を示
す図、
【図12】作成されるヒストグラムの一例を示す図、
【図13】原稿タイプの判定手順の一例を示すフローチ
ャート、
【図14】普通画像タイプの原稿のヒストグラム例と変
換テーブル例を示す図、
【図15】反転画像タイプの原稿のヒストグラム例と変
換テーブル例を示す図、
【図16】諧調画像タイプの原稿のヒストグラム例と変
換テーブル例を示す図、
【図17】普通画像タイプにおいてwhiteの値を求める
サブルーチン例のフローチャート、
【図18】普通画像タイプにおいてblackの値を求める
サブルーチン例のフローチャート、
【図19】反転画像タイプにおいてblackの値を求める
サブルーチン例のフローチャート、
【図20】反転画像タイプにおいてwhiteの値を求める
サブルーチン例のフローチャート、
【図21A】電子写真プリンタの階調特性例を示す図、
【図21B】図21Aに対応する階調補正テーブルの特性
例を示す図である。
【図22】第2実施形態のハードウェアによりヒストグ
ラムを作成する構成例を示すブロック図、
【図23】オフセット値を設定して最適な変換テーブル
を算出する例を説明する図、
【図24】本発明にかかるプログラムコードが格納され
た記憶媒体のメモリマップの一例を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像データを符号化して記憶
    し、記憶した符号データを復号して出力する画像処理装
    置であって、 前記符号データから前記入力画像データの特徴を検出す
    る検出手段と、 前記検出手段により検出された特徴に応じて、前記復号
    された画像データを画像処理するための変換テーブルを
    作成する作成手段とを有することを特徴とする画像処理
    装置。
  2. 【請求項2】 入力された画像データを符号化して記憶
    し、記憶した符号データを復号して出力する記憶手段
    と、 前記符号データから前記入力画像データの特徴を検出す
    る検出手段と、 前記検出手段により検出された特徴に応じた変換テーブ
    ルを用いて前記記憶手段から出力された画像データを処
    理する処理手段とを有することを特徴とする画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、前記符号データから前
    記入力画像データのデータ分布を検出し、検出したデー
    タ分布から前記入力画像データの特徴を検出することを
    特徴とする請求項2に記載された画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段は直交変換を用いて符号化
    を行い、前記検出手段は前記直交変換によって得られた
    画像データの直流成分から前記データ分布を検出するこ
    とを特徴とする請求項3に記載された画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は、所定間隔でサンプリン
    グした前記画像データの直流成分から前記データ分布を
    検出することを特徴とする請求項4に記載された画像処
    理装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、前記データ分布を示す
    ヒストグラムから、最明レベル,最暗レベル,最大度数
    およびそのレベル,ピーク数およびそれらのレベル,所
    定レベルの連続幅を含むデータを前記入力画像データの
    特徴として検出することを特徴とする請求項3に記載さ
    れた画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記処理手段は、検出された特徴から前
    記入力画像データの画像タイプを判定し、その判定結果
    および前記特徴に応じた輝度または濃度変換テーブルを
    用いて画像処理を行うことを特徴とする請求項2に記載
    された画像処理装置。
  8. 【請求項8】 入力された画像データを符号化して記憶
    し、記憶した符号データを復号して出力する画像処理装
    置の画像処理方法であって、 前記符号データから前記入力画像データの特徴を検出す
    る検出ステップと、 検出した特徴に応じた変換テーブルを用いて前記復号さ
    れた画像データを処理する処理ステップとを有すること
    を特徴とする画像処理方法。
  9. 【請求項9】 入力された画像データを符号化して記憶
    し、記憶した符号データを復号して出力する画像処理装
    置の画像処理方法であって、 前記符号データから前記入力画像データのデータ分布を
    検出する第一の検出ステップと、 検出したデータ分布から前記入力画像データの特徴を検
    出する第二の検出ステップと、 検出した特徴に応じて前記入力画像データの画像タイプ
    を判定する判定ステップと、 判定した画像タイプと検出した特徴に応じて、前記復号
    された画像データを処理するための変換テーブルを作成
    する作成ステップとを有することを特徴とする画像処理
    方法。
JP7247588A 1995-09-26 1995-09-26 画像処理装置およびその方法 Withdrawn JPH0993438A (ja)

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