JP2985908B2 - 窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法 - Google Patents
窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法Info
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- JP2985908B2 JP2985908B2 JP29230391A JP29230391A JP2985908B2 JP 2985908 B2 JP2985908 B2 JP 2985908B2 JP 29230391 A JP29230391 A JP 29230391A JP 29230391 A JP29230391 A JP 29230391A JP 2985908 B2 JP2985908 B2 JP 2985908B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は青色発光ダイオード、青
色発光レーザーダイオード等に用いることのできる窒化
ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法および素子に関
し、特に窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性を向上さ
せることができる結晶成長方法に関する。
色発光レーザーダイオード等に用いることのできる窒化
ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法および素子に関
し、特に窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性を向上さ
せることができる結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】青色発光デバイスは、II-VI族のZnS
e、IV-IV族のSiC、III-V族のGaN等を用いて研究
が進められ、最近、その中でも窒化ガリウム系化合物半
導体[GaXAl1-XN(0≦X≦1)]が、常温で、比
較的優れた発光を示すことが発表され注目されている。
e、IV-IV族のSiC、III-V族のGaN等を用いて研究
が進められ、最近、その中でも窒化ガリウム系化合物半
導体[GaXAl1-XN(0≦X≦1)]が、常温で、比
較的優れた発光を示すことが発表され注目されている。
【0003】窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を成長
させる方法として、有機金属化合物気相成長法(以下M
OCVD法という。)、分子線エピタキシー法(以下M
BE法という。)等の気相成長法がよく知られている。
例えば、MOCVD法を用いた方法について簡単に説明
すると、この方法は、サファイア基板を設置した反応容
器内に反応ガスとして有機金属化合物ガス(トリメチル
ガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア等)を
供給し、結晶成長温度をおよそ900℃〜1100℃の
高温に保持して、基板上に窒化ガリウム系化合物半導体
のエピタキシャル層を成長させ、必要に応じて他の反応
ガスを供給しながら窒化ガリウム系化合物半導体をn
型、p型(p型は未だ実現していない。)に積層する方
法である。
させる方法として、有機金属化合物気相成長法(以下M
OCVD法という。)、分子線エピタキシー法(以下M
BE法という。)等の気相成長法がよく知られている。
例えば、MOCVD法を用いた方法について簡単に説明
すると、この方法は、サファイア基板を設置した反応容
器内に反応ガスとして有機金属化合物ガス(トリメチル
ガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア等)を
供給し、結晶成長温度をおよそ900℃〜1100℃の
高温に保持して、基板上に窒化ガリウム系化合物半導体
のエピタキシャル層を成長させ、必要に応じて他の反応
ガスを供給しながら窒化ガリウム系化合物半導体をn
型、p型(p型は未だ実現していない。)に積層する方
法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】MOCVD法、MBE
法のように窒化ガリウム系化合物半導体を気相成長させ
る場合において最も重要なことは、如何に優れた結晶性
を有する化合物半導体の結晶を積層するかということで
ある。
法のように窒化ガリウム系化合物半導体を気相成長させ
る場合において最も重要なことは、如何に優れた結晶性
を有する化合物半導体の結晶を積層するかということで
ある。
【0005】例えばGaNの場合、高温でサファイア基
板上に直接エピタキシャル成長を行うと、結晶層の表面
状態、結晶性が著しく悪くなるため、高温でエピタキシ
ャル成長を行う前に、まず600℃前後の低温でAlN
よりなるバッファ層を形成し、続いてバッファ層の上
に、高温でエピタキシャル成長を行うことによりGaN
の結晶性が格段に向上することが明らかにされている
(特開平2−229476号公報)。また本発明者は先
に特願平3−89840号において、AlNをバッファ
層とする従来の方法よりもGaNをバッファ層とする方
が優れた結晶性の窒化ガリウム系化合物半導体が積層で
きることを示した。
板上に直接エピタキシャル成長を行うと、結晶層の表面
状態、結晶性が著しく悪くなるため、高温でエピタキシ
ャル成長を行う前に、まず600℃前後の低温でAlN
よりなるバッファ層を形成し、続いてバッファ層の上
に、高温でエピタキシャル成長を行うことによりGaN
の結晶性が格段に向上することが明らかにされている
(特開平2−229476号公報)。また本発明者は先
に特願平3−89840号において、AlNをバッファ
層とする従来の方法よりもGaNをバッファ層とする方
が優れた結晶性の窒化ガリウム系化合物半導体が積層で
きることを示した。
【0006】このように、バッファ層を形成することに
よって窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性は非常に良
くなっているが、例えば、高出力の青色発光ダイオー
ド、青色レーザー等のように極めて優れた結晶性を要求
される発光デバイスを実用化するには未だ不十分であ
る。それは、結晶性に優れた層同士のp−n接合が実現
できないからである。
よって窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性は非常に良
くなっているが、例えば、高出力の青色発光ダイオー
ド、青色レーザー等のように極めて優れた結晶性を要求
される発光デバイスを実用化するには未だ不十分であ
る。それは、結晶性に優れた層同士のp−n接合が実現
できないからである。
【0007】本発明はこのような事情を鑑み成されたも
のであり、その目的とするところは高出力青色発光ダイ
オード、青色発光レーザー等を実用化するために、結晶
性に優れた窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を得るこ
とができるその成長方法を提供するものである。
のであり、その目的とするところは高出力青色発光ダイ
オード、青色発光レーザー等を実用化するために、結晶
性に優れた窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を得るこ
とができるその成長方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の結晶成長方法は
サファイア基板上に、GaNまたはAlNで表されるバ
ッファ層を200℃〜900℃で成長させ、さらにその
バッファ層の上にn型GaN層を成長させた後、そのn
型GaN層上に、薄膜のAlN層とGaN層とを交互に
成長させた多層膜層を成長させることを特徴とする。
サファイア基板上に、GaNまたはAlNで表されるバ
ッファ層を200℃〜900℃で成長させ、さらにその
バッファ層の上にn型GaN層を成長させた後、そのn
型GaN層上に、薄膜のAlN層とGaN層とを交互に
成長させた多層膜層を成長させることを特徴とする。
【0009】本発明の結晶成長方法を、例えばMOCV
D法を用いてサファィア基板のC面にGaNの結晶を成
長させる場合について説明する。まず、予め洗浄された
サファイア基板を反応容器内のサセプターに設置し、還
元雰囲気中、高周波加熱等でサセプターを1000℃以
上に加熱して基板上の酸化物を除去する。加熱後、徐冷
し、サセプターの温度を600℃前後にまで下げた後、
反応容器内に反応ガスを供給し、まず基板上にGaXA
l1-XN(0≦X≦1)のバッファ層を成長させる。反
応ガスはGa源として、例えばトリメチルガリウム(T
MG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TM
A)等の有機金属化合物ガス、N源としてアンモニアガ
スを用いる。バッファ層を成長させた後、サセプターの
温度を900℃以上の高温にし、1050℃に保持し
て、TMGガスとアンモニアガスを流しながらGaNの
結晶を成長させる。n型のGaN層を得る場合には、通
常、それらのガスと共にシランガスを流しGaN結晶中
にSiをドープする。ここで、本発明の多層膜層をn型
層中に入れる場合には、そのn型GaN層の成長途中に
TMGガス、TMAガスを交互に流しながらGaNとA
lNの薄膜を積層することによって形成することができ
る。なお、この多層膜層の成長途中、シランガスは特に
流さなくてもよいが、流した方がより結晶性の高いn型
層が得られる。多層膜層形成後、再びTMGガス、TM
Aガス、シランガスを流しn型GaN層を形成する。次
にn型GaN層の上にp型GaN層を形成する場合に
は、TMGガス、TMAガスに加えてジエチルジンク
(DEZ)、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp
2Mg)ガス等を流してGaN層にZnまたはMgをド
ープする。なお多層膜層はこのp型層の成長中に入れて
もよい。
D法を用いてサファィア基板のC面にGaNの結晶を成
長させる場合について説明する。まず、予め洗浄された
サファイア基板を反応容器内のサセプターに設置し、還
元雰囲気中、高周波加熱等でサセプターを1000℃以
上に加熱して基板上の酸化物を除去する。加熱後、徐冷
し、サセプターの温度を600℃前後にまで下げた後、
反応容器内に反応ガスを供給し、まず基板上にGaXA
l1-XN(0≦X≦1)のバッファ層を成長させる。反
応ガスはGa源として、例えばトリメチルガリウム(T
MG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TM
A)等の有機金属化合物ガス、N源としてアンモニアガ
スを用いる。バッファ層を成長させた後、サセプターの
温度を900℃以上の高温にし、1050℃に保持し
て、TMGガスとアンモニアガスを流しながらGaNの
結晶を成長させる。n型のGaN層を得る場合には、通
常、それらのガスと共にシランガスを流しGaN結晶中
にSiをドープする。ここで、本発明の多層膜層をn型
層中に入れる場合には、そのn型GaN層の成長途中に
TMGガス、TMAガスを交互に流しながらGaNとA
lNの薄膜を積層することによって形成することができ
る。なお、この多層膜層の成長途中、シランガスは特に
流さなくてもよいが、流した方がより結晶性の高いn型
層が得られる。多層膜層形成後、再びTMGガス、TM
Aガス、シランガスを流しn型GaN層を形成する。次
にn型GaN層の上にp型GaN層を形成する場合に
は、TMGガス、TMAガスに加えてジエチルジンク
(DEZ)、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp
2Mg)ガス等を流してGaN層にZnまたはMgをド
ープする。なお多層膜層はこのp型層の成長中に入れて
もよい。
【0010】本発明の結晶成長方法において、まず基板
の上に成長させるバッファ層は、これから成長させる窒
化ガリウム系化合物半導体の結晶性を向上させるために
必ず必要である。その一般式はGaXAl1-XN(0≦X
≦1)で表すことができるものであるが、以前本発明者
が明らかにしたようにAlNをバッファ層とするより
も、GaAlNをバッファ層とする方が結晶性が好まし
く、最も好ましいのはGaNのバッファ層である。バッ
ファ層の成長温度は通常200℃〜900℃の低温であ
る。例えばMOCVD法においては600℃前後である
が、MBE法ではそれ以下の温度で成長させることがで
きる。
の上に成長させるバッファ層は、これから成長させる窒
化ガリウム系化合物半導体の結晶性を向上させるために
必ず必要である。その一般式はGaXAl1-XN(0≦X
≦1)で表すことができるものであるが、以前本発明者
が明らかにしたようにAlNをバッファ層とするより
も、GaAlNをバッファ層とする方が結晶性が好まし
く、最も好ましいのはGaNのバッファ層である。バッ
ファ層の成長温度は通常200℃〜900℃の低温であ
る。例えばMOCVD法においては600℃前後である
が、MBE法ではそれ以下の温度で成長させることがで
きる。
【0011】多層膜層は、それぞれGaN結晶膜と、A
lN結晶膜とを積層したものであるこれ以外の材料、例
えばGaAs、BNのような半導体材料では結晶性良く
成長できない。成長温度は窒化ガリウム系化合物半導体
結晶を成長させる際の温度と同一温度で形成できる。G
aN層およびAlN層はそれぞれ10〜3000オング
ストロームの膜厚で2層以上積層し、通常は20〜50
0オングストローム前後の膜厚で10〜100層積層す
る。多層膜の総膜厚が20オングストロームより薄い
と、後に述べる格子欠陥を止めることが困難であり、ま
た、それぞれの膜厚が3000オングストロームより大
きいと、その多層膜層の結晶性が悪くなる傾向にある。
それぞれの層の厚さは同一であっても異なっていてもよ
い。さらに多層膜層は前述したように、窒化ガリウム系
化合物半導体の結晶を成長させる途中であればどの層中
に形成してもよく、例えば、n型層の中、n型層の上、
p型層の中等に形成することができる。
lN結晶膜とを積層したものであるこれ以外の材料、例
えばGaAs、BNのような半導体材料では結晶性良く
成長できない。成長温度は窒化ガリウム系化合物半導体
結晶を成長させる際の温度と同一温度で形成できる。G
aN層およびAlN層はそれぞれ10〜3000オング
ストロームの膜厚で2層以上積層し、通常は20〜50
0オングストローム前後の膜厚で10〜100層積層す
る。多層膜の総膜厚が20オングストロームより薄い
と、後に述べる格子欠陥を止めることが困難であり、ま
た、それぞれの膜厚が3000オングストロームより大
きいと、その多層膜層の結晶性が悪くなる傾向にある。
それぞれの層の厚さは同一であっても異なっていてもよ
い。さらに多層膜層は前述したように、窒化ガリウム系
化合物半導体の結晶を成長させる途中であればどの層中
に形成してもよく、例えば、n型層の中、n型層の上、
p型層の中等に形成することができる。
【0012】
【作用】本発明の多層膜層の作用について説明する。サ
ファイア基板(C面)と例えばGaNとは格子定数が約
15%もずれている。AlNはGaNに比べてそのズレ
が小さい。この格子定数の違いによりサファイア基板と
GaN層との間に大きな歪が発生する。さらにこの歪に
よりGaN層中に格子欠陥ができ、この欠陥がGaN成
長中最後まで連続して走っていく。このためこの連続し
てできる欠陥を、途中に異なる薄膜材料を積層すること
により、ここで止めることができる作用を有するのが本
発明の多層膜層である。
ファイア基板(C面)と例えばGaNとは格子定数が約
15%もずれている。AlNはGaNに比べてそのズレ
が小さい。この格子定数の違いによりサファイア基板と
GaN層との間に大きな歪が発生する。さらにこの歪に
よりGaN層中に格子欠陥ができ、この欠陥がGaN成
長中最後まで連続して走っていく。このためこの連続し
てできる欠陥を、途中に異なる薄膜材料を積層すること
により、ここで止めることができる作用を有するのが本
発明の多層膜層である。
【0013】また、図1に本発明の結晶成長方法の一実
施例によって得られる素子の断面図を示す。この図はサ
ファイア基板上にGaN層、Siをドープしたn型Ga
N層、SiをドープしながらAlNとGaNの薄膜を積
層したn型多層膜層、Mgをドープしたp型GaN層を
順に積層したもので、この多層膜層によって前記格子欠
陥をn型GaN層で止めることができ、結晶性に優れた
p型GaN層が得られるため、優れた特性のp−n接合
が実現できる。
施例によって得られる素子の断面図を示す。この図はサ
ファイア基板上にGaN層、Siをドープしたn型Ga
N層、SiをドープしながらAlNとGaNの薄膜を積
層したn型多層膜層、Mgをドープしたp型GaN層を
順に積層したもので、この多層膜層によって前記格子欠
陥をn型GaN層で止めることができ、結晶性に優れた
p型GaN層が得られるため、優れた特性のp−n接合
が実現できる。
【0014】
【実施例】以下実施例で本発明の結晶成長方法を詳説す
る。 [実施例1] まず良く洗浄したサファイア基板を反応容器内のサ
セプターに設置する。容器内を真空排気した後、水素ガ
スを流しながら基板を1050℃で、20分間加熱し、
表面の酸化物を除去した。その後、温度を500℃にま
で冷却し、500℃においてGa源としてTMGガス、
N源としてアンモニアガス、キャリアガスとして水素ガ
スを流しながら、GaNバッファ層を200オングスト
ロームの膜厚で成長した。
る。 [実施例1] まず良く洗浄したサファイア基板を反応容器内のサ
セプターに設置する。容器内を真空排気した後、水素ガ
スを流しながら基板を1050℃で、20分間加熱し、
表面の酸化物を除去した。その後、温度を500℃にま
で冷却し、500℃においてGa源としてTMGガス、
N源としてアンモニアガス、キャリアガスとして水素ガ
スを流しながら、GaNバッファ層を200オングスト
ロームの膜厚で成長した。
【0015】 次にTMGガスのみを止め、温度を1
080℃にまで上昇させた後、再びTMGガス、SiH
4(モノシラン)ガスを流し、Siドープn型GaN層
を4μmの膜厚で成長した。
080℃にまで上昇させた後、再びTMGガス、SiH
4(モノシラン)ガスを流し、Siドープn型GaN層
を4μmの膜厚で成長した。
【0016】 次に、TMGガスを止め、Al源とし
てTMAガスを流しAlN層を100オングストローム
成長させた後、TMAガスを止め、再びTMGガスを流
しGaN層を同じく100オングストローム成長させ
た。この操作を交互に15回繰り返し、AlN層15層
とGaN層15層とからなるSiドープの多層膜層を成
長した。
てTMAガスを流しAlN層を100オングストローム
成長させた後、TMAガスを止め、再びTMGガスを流
しGaN層を同じく100オングストローム成長させ
た。この操作を交互に15回繰り返し、AlN層15層
とGaN層15層とからなるSiドープの多層膜層を成
長した。
【0017】 SiH4ガス、AlNガスを止め、新
たにCp2Mgガスを流しながら、引き続き多層膜層の
上にMgドープp型GaN層を0.5μmの厚さで成長
させ、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を有
する素子を得た。
たにCp2Mgガスを流しながら、引き続き多層膜層の
上にMgドープp型GaN層を0.5μmの厚さで成長
させ、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を有
する素子を得た。
【0018】[比較例1] において多層膜層を成長しない他は実施例1と同様に
して窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を有する素子を
得た。
して窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を有する素子を
得た。
【0019】このようにして得られた実施例1と比較例
1との素子の、窒化ガリウム系化合物半導体結晶の結晶
性を評価するため以下の試験を行った。
1との素子の、窒化ガリウム系化合物半導体結晶の結晶
性を評価するため以下の試験を行った。
【0020】まず、p型層にHe−Cdレーザーを照射
して、フォトルミネッセンス測定を行い、その結果を図
2に示す。この図に示すように、実施例1で得られた素
子の方が明らかにその450nmにおける青色発光強度
が大きく、p型層のGaNの結晶性が優れていることが
分かる。
して、フォトルミネッセンス測定を行い、その結果を図
2に示す。この図に示すように、実施例1で得られた素
子の方が明らかにその450nmにおける青色発光強度
が大きく、p型層のGaNの結晶性が優れていることが
分かる。
【0021】次に、p型層のダブルクリスタルX線ロッ
キングカーブを測定し、その半値幅(FWHM:full w
idth at half-maximum)を求めた。FWHMは小さいほ
どその結晶性が優れていると見なすことができる。その
結果、実施例1の素子は3分であったのに対し、比較例
のそれは5分であった。
キングカーブを測定し、その半値幅(FWHM:full w
idth at half-maximum)を求めた。FWHMは小さいほ
どその結晶性が優れていると見なすことができる。その
結果、実施例1の素子は3分であったのに対し、比較例
のそれは5分であった。
【0022】さらに、得られた素子をダイシングにより
0.5mm角のチップにした後、常法に従って、p型層
とn型層から電極を取り出しリードフレームにセットし
て樹脂モールドを施すことにより、青色発光ダイオード
(LED)を作製し、発光させた。その結果、順方向電
流20mAにおいて、実施例1の素子より得られたLE
Dの発光出力は70μWであったのに対し、比較例1の
それは35μWにしかすぎなかった。また順方向電圧も
実施例1のLEDは4Vであったのに対し、比較例のそ
れは20Vであった。
0.5mm角のチップにした後、常法に従って、p型層
とn型層から電極を取り出しリードフレームにセットし
て樹脂モールドを施すことにより、青色発光ダイオード
(LED)を作製し、発光させた。その結果、順方向電
流20mAにおいて、実施例1の素子より得られたLE
Dの発光出力は70μWであったのに対し、比較例1の
それは35μWにしかすぎなかった。また順方向電圧も
実施例1のLEDは4Vであったのに対し、比較例のそ
れは20Vであった。
【0023】[実施例2] の工程において、AlN層、およびGaN層をそれぞ
れ200オングストロームの膜厚で20層ずつ積層する
他は、実施例1と同様にして、本発明の窒化ガリウム系
化合物半導体の結晶を有する素子を得た。
れ200オングストロームの膜厚で20層ずつ積層する
他は、実施例1と同様にして、本発明の窒化ガリウム系
化合物半導体の結晶を有する素子を得た。
【0024】この素子も、フォトルミネッセンス測定、
FWHM測定、青色発光ダイオードと同様にして結晶性
の評価を行ったところ、実施例1で得られた素子とほぼ
同一の結果が得られた。
FWHM測定、青色発光ダイオードと同様にして結晶性
の評価を行ったところ、実施例1で得られた素子とほぼ
同一の結果が得られた。
【0025】[実施例3] の工程において、AlN層、およびGaN層をそれぞ
れ50オングストロームの膜厚で10層ずつ積層する他
は、実施例1と同様にして、本発明の窒化ガリウム系化
合物半導体の結晶を有する素子を得た。
れ50オングストロームの膜厚で10層ずつ積層する他
は、実施例1と同様にして、本発明の窒化ガリウム系化
合物半導体の結晶を有する素子を得た。
【0026】この素子も、フォトルミネッセンス測定、
FWHM測定、青色発光ダイオードと同様にして結晶性
の評価を行ったところ、実施例1で得られた素子とほぼ
同一の結果が得られた。
FWHM測定、青色発光ダイオードと同様にして結晶性
の評価を行ったところ、実施例1で得られた素子とほぼ
同一の結果が得られた。
【0027】[実施例4] において、GaNバッファ層に代えて、バッファ層に
AlNバッファ層を200オングストロームの膜厚で成
長する他は、実施例1と同様にして、本発明の窒化ガリ
ウム系化合物半導体の結晶を有する素子を得た。
AlNバッファ層を200オングストロームの膜厚で成
長する他は、実施例1と同様にして、本発明の窒化ガリ
ウム系化合物半導体の結晶を有する素子を得た。
【0028】この素子も、同様にして結晶性の評価を行
ったところ、フォトルミネッセンス強度は実施例1で得
られたものより10%低下、FWHMは3.8分、青色
発光ダイオードの発光出力63μW、順方向電圧6Vと
実施例1で得られたものよりも若干悪かった。
ったところ、フォトルミネッセンス強度は実施例1で得
られたものより10%低下、FWHMは3.8分、青色
発光ダイオードの発光出力63μW、順方向電圧6Vと
実施例1で得られたものよりも若干悪かった。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法は、まずバッファ層に
より、その上に成長する窒化ガリウム系化合物半導体の
結晶性を整え、さらに格子定数のズレにより発生するそ
の結晶の格子欠陥を、多層膜層で止めることができるた
め、積層した結晶の結晶性を格段に向上させることがで
きる。
より、その上に成長する窒化ガリウム系化合物半導体の
結晶性を整え、さらに格子定数のズレにより発生するそ
の結晶の格子欠陥を、多層膜層で止めることができるた
め、積層した結晶の結晶性を格段に向上させることがで
きる。
【0030】以上説明したように、本発明の製造方法に
よると窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶性が格段に
向上する。そのため、本発明の方法によって得られる素
子は、今まで実用化できなかった青色発光ダイオード、
青色発光レーザー等の青色発光デバイス等の実用化に向
けて、産業上のメリットは多大なものがある。
よると窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶性が格段に
向上する。そのため、本発明の方法によって得られる素
子は、今まで実用化できなかった青色発光ダイオード、
青色発光レーザー等の青色発光デバイス等の実用化に向
けて、産業上のメリットは多大なものがある。
【図1】 本発明の結晶成長方法の一実施例による素子
の断面を表す模式図。
の断面を表す模式図。
【図2】 本発明の結晶成長方法の一実施例による素子
と従来法による素子とのフォトルミネッセンス測定によ
る発光強度を比較して示す図。
と従来法による素子とのフォトルミネッセンス測定によ
る発光強度を比較して示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 サファイア基板上に、GaNまたはAl
Nで表されるバッファ層を200℃〜900℃で成長さ
せ、さらにそのバッファ層の上にn型GaN層を成長さ
せた後、そのn型GaN層上に、薄膜のAlN層とGa
N層とを交互に成長させた多層膜層を成長させることを
特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶成長方
法。
Priority Applications (1)
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