JP2985111B2 - モータの軸受装置 - Google Patents

モータの軸受装置

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JP2985111B2
JP2985111B2 JP4217857A JP21785792A JP2985111B2 JP 2985111 B2 JP2985111 B2 JP 2985111B2 JP 4217857 A JP4217857 A JP 4217857A JP 21785792 A JP21785792 A JP 21785792A JP 2985111 B2 JP2985111 B2 JP 2985111B2
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bearing
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bearings
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茂 大塚
真朗 是永
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種事務用(OA)機器等
に使用されるモータの軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA分野等の電子機器の低コスト
化が推進され、その駆動系の心臓部ともいえるモータに
対しても低コスト化の要望がなされている。このモータ
における材料コストで大きなウェイトを占めているもの
に軸受があるが、信頼性の高いミニチュアボールベアリ
ングは非常に高価であり、これに対し比較的低コストで
ある含油すべり軸受はその信頼性において、ミニチュア
ボールベアリングより若干劣ってしまうという問題点を
含んでおり、モータの低価格化に対応するために、含油
すべり軸受の高信頼性化が要望されていた。
【0003】従来、この種の含油すべり軸受を採用して
いるモータとして代表的なものに軸流ファンモータの軸
受装置がある。図3は従来の軸流ファンモータの軸受装
置の構造を示す半断面図であり、図3において、1はシ
ャフト、2,3はシャフト1を回転自在に支承する含油
すべり軸受、4はスラスト方向の荷重を受けるワッシ
ャ、5はワッシャ4を含油すべり軸受3に安定して接触
させるための止めリング、6は含油すべり軸受2,3を
内部に収納固定するステータボス、7はシャフト1に連
結されて回転するロータフレーム、8はステータボス6
の外周部に固定されたステータであり、ロータフレーム
7に接着固定された界磁マグネット9とステータ及びこ
のステータに巻かれた駆動用コイル10との磁気的反発作
用によりモータは回転するような構成となっている。1
1,12はそれぞれロータフレーム側からの油の流出を防
ぐための油切りと、反ロータフレーム側からの油漏れを
防止する油漏れ防止キャップであり、13は駆動コイル10
の転流作用を司る駆動用回路を示している。
【0004】以上のように構成された従来の軸受装置に
ついて、以下その動作を説明する。まず、ステータ8と
界磁マグネット9との磁気的反発作用によりロータフレ
ーム7及びシャフト1が回転すると、含油すべり軸受
2,3の内径面とシャフト1の外径面が摺動し、その摺
動による摩擦熱の発生に伴う含油すべり軸受2,3内部
の潤滑油の膨張及び粘度低下、また含油すべり軸受2,
3自体のポンピング作用の両者により潤滑油が湧出す
る。この湧出した油がシャフト1と含油すべり軸受2,
3の内径面とが形成する隙間の狭い方へ、くさび状に押
し込まれることにより油膜に圧力を発生し、この圧力が
シャフト1を上方へ浮かせる力として働き、両者の摩擦
抵抗を微少に保ち、長期間にわたり金属接触の起こらな
い潤滑状態を維持するように作用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成においては、含油すべり軸受2と3の両者の受
け持つラジアル方向の荷重は、当然ロータフレーム7,
界磁マグネット9の自重の重心位置に対するモーメン
ト、及びシャフト1の先端にかかるアンバランス荷重の
モーメントの関係からロータフレーム7側の含油すべり
軸受2の方が、反ロータフレーム側の含油すべり軸受3
に比べて高荷重となり、両者の軸受の油の消耗状態に偏
差が生じ、これにより双方の軸受寿命に偏差を生じさせ
る原因となっていた。
【0006】この軸受寿命の偏差により反ロータフレー
ム側の含油すべり軸受3はダメージを受けていない(つ
まり十分油が残存している)にも関わらず、ロータフレ
ーム7側の含油すべり軸受2が先に油の消耗によるダメ
ージを受けて寿命に至ってしまうため、それに引きずら
れる形で軸受全体の寿命を短いものにしてしまう傾向に
あった。
【0007】これを改善するため、従来は高荷重側の含
油すべり軸受2を大きくするといった2つの含油すべり
軸受の形状に差を設ける方法等が採用されていた。しか
しながら、この方法では形状の違う軸受の金型を2面起
こす必要性や、含油すべり軸受2を大きくすることによ
る材料コストの増加、又、寸法管理も2種類になるとい
った業務の煩雑化を招き、含油すべり軸受自体、及びこ
れを搭載するモータのコストを上昇させる原因となって
いた。
【0008】本発明は、このような従来の課題を解決
し、簡単な構成によって軸受負荷の偏差を是正し、長寿
命化を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のモータの軸受装
置は、内周に界磁マグネットを有するロータフレーム
と、このロータフレームに連なるシャフトと、このシャ
フトを回転自在に支持する含油軸受と、この含油軸受を
内部に収納固定し、かつステータを外周部に固定するス
テータボスを有する構成において、前記含油軸受を、高
負荷側の含油すべり軸受と低負荷側の含油すべり軸受と
を互いに対向面で接触させ、さらに高負荷側の含油すべ
り軸受の空孔度を低負荷側の含油すべり軸受の空孔度よ
り小さく設定したことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明によれば、ステータと界磁マグネットと
の磁気的反発作用によりロータフレーム及びシャフトが
回転し、油膜圧力がシャフトと含油すべり軸受の間に発
生し、高負荷側の含油すべり軸受と低負荷側の含油すべ
り軸受の両者の間に、荷重の大小による油の消耗状態の
偏差が生じた際に、あらかじめ油の消耗率が大きい高負
荷側の含油すべり軸受の空孔度を、低負荷側の含油すべ
り軸受の空孔度より小さいものとしておくことにより、
両者接触面に毛細管現象が発生し、油の消耗率の少ない
低負荷側の含油すべり軸受の油を、高負荷側の含油すべ
り軸受の空孔内に吸収し、これを高負荷側の含油すべり
軸受の潤滑に供与することが可能となる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例における軸流ファン
モータの軸受装置の構造を示す半断面図であり、図3の
従来例で示した各構成部品について同じものは同様の記
号で示してある。この軸流ファンモータの軸受装置にお
いて従来例と異なる点は、ロータフレーム7側の含油す
べり軸受21と反ロータフレームの含油すべり軸受31の両
者が互いに接触して配置されると共に、図2(a),(b)に
図1の含油すべり軸受21,31の顕微鏡による拡大図に示
されるように前者の空孔度が後者の空孔度に比べて比較
的に小さいもので構成されていることにある。
【0012】上記のように構成された軸流ファンモータ
の軸受装置は、ステータ8と界磁マグネット9との磁気
的反発作用によりロータフレーム7及びシャフト1が回
転し、前記油の湧出による油膜圧力がシャフト1と含油
すべり軸受21,31の間に発生する。そして、ロータフレ
ーム7側の含油すべり軸受21と反ロータフレーム側の含
油すべり軸受31の両者の間に、軸受負荷の大小による油
の消耗状態の偏差が生じる。この際に、あらかじめ油の
消耗率が大きいロータフレーム7側の含油すべり軸受21
の空孔度を反ロータフレーム側の含油すべり軸受31の空
孔度より小さいものにしてあるため、両者接触面に毛細
管現象が発生し、油の消耗率の少ない反ロータフレーム
側の含油すべり軸受31の油を高負荷側であるロータフレ
ーム7側の含油すべり軸受21の空孔内に吸収し、これを
高負荷側の軸受の潤滑に供与することができる。
【0013】前述した図2(a),(b)に示してある空孔度
の違いは、それぞれ粒度の違う材料を用いることで実現
可能であり、その方法として両者の含油すべり軸受に、
一般的に粒度の異なるCu系の軸受材料、又はCu−Fe
系の軸受材料、もしくは互いに異なる軸受材料等を適時
配置することにより、これを可能ならしめることができ
る。
【0014】また、前記2つの材料はそれぞれ高いなじ
み性、高い耐摩耗性等の特長を持っている関係上から、
同一の軸受装置に両者の特徴を生かした配置をすること
はこの意味においても、軸受装置の高信頼性化に大きく
寄与することができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のモータの
軸受装置は、2つの含油すべり軸受を互いに接触させる
と共に、その含油すべり軸受の空孔度に故意に適切な偏
差を設けるといった極めて簡単な構成によって、従来の
含油すべり軸受の高信頼性化を阻んでいた軸受負荷の違
いによる油消耗率の偏差を是正し、含油すべり軸受に含
まれている油を有効利用することにより、長寿命かつ安
価なモータの軸受装置を提供することを可能ならしめる
ものである。
【0016】そのうえ、本発明によれば、従来使用され
ていたそれぞれの含油すべり軸受の形状に差を設けると
いった方法のように、2種類の含油すべり軸受の金型や
寸法管理、また、材料のコストアップ等も考慮する必要
もなく、同一金型を有効利用することができ、この点に
関しても低コスト・高信頼性のモータの軸受装置の実現
に貢献することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における軸流ファンモータの
軸受装置の構造を示す半断面図である。
【図2】図1のロータフレーム側と反ロータフレーム側
の各含油すべり軸受の空孔度を示す拡大図である。
【図3】従来の軸流ファンモータの軸受装置の構造を示
す半断面図である。
【符号の説明】
1…シャフト、 4…ワッシャ、 5…止めリング、
6…ステータボス、 7…ロータフレーム、 8…ステ
ータ、 9…界磁マグネット、 10…駆動用コイル、
11…油切り、 12…油漏れ防止キャップ、 13…駆動回
路、 21…ロータフレーム側含油すべり軸受、 31…反
ロータフレーム側含油すべり軸受。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−196416(JP,A) 特開 平4−64712(JP,A) 特開 平5−10331(JP,A) 特開 平5−71539(JP,A) 実開 平5−19649(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 5/167 F16C 33/10 F16C 17/00 - 17/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周に界磁マグネットを有するロータフ
    レームと、このロータフレームに連なるシャフトと、こ
    のシャフトを回転自在に支持する含油軸受と、この含油
    受を内部に収納固定し、かつステータを外周部に固定
    するステータボスを有する構成において、前記含油軸受
    を、高負荷側の含油すべり軸受と低負荷側の含油すべり
    軸受とを互いに対向面で接触させ、さらに高負荷側の含
    油すべり軸受の空孔度を低負荷側の含油すべり軸受の空
    孔度より小さく設定したことを特徴とするモータの軸
    置。
  2. 【請求項2】 前記高負荷側の含油すべり軸受と低負荷
    側の含油すべり軸受とを略同一形状にしたことを特徴と
    する請求項1記載のモータの軸受装置。
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JP3475215B2 (ja) * 1995-11-30 2003-12-08 日立粉末冶金株式会社 複合型多孔質軸受
KR100350664B1 (ko) * 2000-06-24 2002-08-28 삼성전기주식회사 팬 모터
KR100376998B1 (ko) * 2000-07-13 2003-03-26 삼성전기주식회사 유체정압 베어링 모터
JP2006304565A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd ブラシレスモータとその製造方法

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