JP2984582B2 - 摩擦再生ポンプ - Google Patents
摩擦再生ポンプInfo
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- JP2984582B2 JP2984582B2 JP7210218A JP21021895A JP2984582B2 JP 2984582 B2 JP2984582 B2 JP 2984582B2 JP 7210218 A JP7210218 A JP 7210218A JP 21021895 A JP21021895 A JP 21021895A JP 2984582 B2 JP2984582 B2 JP 2984582B2
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- pump
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Description
【0001】
【産業上利用分野】本発明は、自動車の燃料ポンプ等に
使用される、ウエスコポンプと呼ばれることもある摩擦
再生ポンプの改良に関し、特に従来の摩擦再生ポンプに
比して、吐出量を減少させることなく、吐出圧を増大せ
しめて、ポンプ効率を向上せしめたものである。
使用される、ウエスコポンプと呼ばれることもある摩擦
再生ポンプの改良に関し、特に従来の摩擦再生ポンプに
比して、吐出量を減少させることなく、吐出圧を増大せ
しめて、ポンプ効率を向上せしめたものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦再生ポンプは、平坦な円盤状の基板
の周縁部において、該周縁部の両側面に形成された複数
個の溝と、これらの溝の間に前記基板の半径方向に位置
せしめたブレードとを備えたインペラを有し、前記ハウ
ジングに形成したポンプ室内において、前記インペラ
を、その基板の中心に配設した軸により、該軸に垂直な
面内において回転せしめ、前記ハウジングに形成した流
入口から流入する液体を高圧で前記ハウジングに形成し
た吐出口から吐出せしめる、非接触式かつ非容積式のポ
ンプとして知られている。
の周縁部において、該周縁部の両側面に形成された複数
個の溝と、これらの溝の間に前記基板の半径方向に位置
せしめたブレードとを備えたインペラを有し、前記ハウ
ジングに形成したポンプ室内において、前記インペラ
を、その基板の中心に配設した軸により、該軸に垂直な
面内において回転せしめ、前記ハウジングに形成した流
入口から流入する液体を高圧で前記ハウジングに形成し
た吐出口から吐出せしめる、非接触式かつ非容積式のポ
ンプとして知られている。
【0003】従来一般に知られている摩擦再生ポンプ
は、図17および図18に符号P01を付して示したよ
うに、ハウジング1内のポンプ室に収納されて回転する
インペラ3は、平坦な円盤状の基板よりなり、該基板の
周縁部には、該基板の両側面に該基板の外周端縁に至る
に従い深さを大とした溝5が複数個等間隔に形成され、
これらの溝5の間には、周方向の幅が等しいブレード4
が、前記基板の半径方向に延びて形成されている。前記
インペラ3を収容するポンプ室は、前記基板の平坦な側
面部と対向する平坦な内側壁6と、前記基板外周縁のブ
レード4の周端縁と対向する円筒状の内周壁7と、前記
ブレード4の両側面に対応する位置において、前記内側
壁6と内周壁7とを接続するとともに、前記ハウジング
1に形成した流入口と吐出口(ともに図示せず)とを連
結する流体通路2を形成する弧状の溝状壁面8とを備え
る。
は、図17および図18に符号P01を付して示したよ
うに、ハウジング1内のポンプ室に収納されて回転する
インペラ3は、平坦な円盤状の基板よりなり、該基板の
周縁部には、該基板の両側面に該基板の外周端縁に至る
に従い深さを大とした溝5が複数個等間隔に形成され、
これらの溝5の間には、周方向の幅が等しいブレード4
が、前記基板の半径方向に延びて形成されている。前記
インペラ3を収容するポンプ室は、前記基板の平坦な側
面部と対向する平坦な内側壁6と、前記基板外周縁のブ
レード4の周端縁と対向する円筒状の内周壁7と、前記
ブレード4の両側面に対応する位置において、前記内側
壁6と内周壁7とを接続するとともに、前記ハウジング
1に形成した流入口と吐出口(ともに図示せず)とを連
結する流体通路2を形成する弧状の溝状壁面8とを備え
る。
【0004】この従来の摩擦再生ポンプP01において
は、流体とインペラ3の回転により、流体通路2にはブ
レード4と流体との摩擦に基づく流れLMが矢印Fで示
すインペラ3の回転方向に生ずるとともに、前記ブレー
ド4のインペラ3の回転方向Fに関して前方に位置する
面9に沿つてインペラ3の半径方向に生ずる流れLB
が、前記流体通路2内で前記流れLMに合流する。これ
により前記流入口から流入して前記流体通路2を流れる
流体の流れLMの速度の減少により、速度エネルギを圧
力エネルギに変換し、前記吐出口より高圧で吐出するこ
ととなる。特開平2−45690号公報には、図19お
よび図20に示す摩擦再生ポンプの改良が記載されてい
る。このポンプP02においては、インペラ3の各ブレ
ード4の周方向の幅が、図18で明らかなように、前記
インペラ3の回転中心からの半径が小なる領域において
は、前記半径の減少に応じて次第に増大せしめられ、そ
の結果、各凹溝5の前記インペラ3の回転中心側の端縁
は2個の弧面4a,4bが連結された形状とされる。
は、流体とインペラ3の回転により、流体通路2にはブ
レード4と流体との摩擦に基づく流れLMが矢印Fで示
すインペラ3の回転方向に生ずるとともに、前記ブレー
ド4のインペラ3の回転方向Fに関して前方に位置する
面9に沿つてインペラ3の半径方向に生ずる流れLB
が、前記流体通路2内で前記流れLMに合流する。これ
により前記流入口から流入して前記流体通路2を流れる
流体の流れLMの速度の減少により、速度エネルギを圧
力エネルギに変換し、前記吐出口より高圧で吐出するこ
ととなる。特開平2−45690号公報には、図19お
よび図20に示す摩擦再生ポンプの改良が記載されてい
る。このポンプP02においては、インペラ3の各ブレ
ード4の周方向の幅が、図18で明らかなように、前記
インペラ3の回転中心からの半径が小なる領域において
は、前記半径の減少に応じて次第に増大せしめられ、そ
の結果、各凹溝5の前記インペラ3の回転中心側の端縁
は2個の弧面4a,4bが連結された形状とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記ポンプP02にお
いては、前記各ブレード4の周方向の幅の中心点は、そ
れぞれ前記インペラ3の回転中心を通る1個の半径線上
に位置する点で前記ポンプP01と同じであるが、該ポ
ンプP01に比べて凹溝5内に生ずる流体の流れLB
は、前記弧面4a,4bの存在によつて円滑に流れ、ポ
ンプ吐出圧を高めることができる。しかし、ブレード4
の半径方向の長さを前記ポンプP01のブレード4の長
さと同一とした場合、前記凹溝5の容積が減少し、吐出
量を減少させるので、ポンプ効率は向上しない。本発明
の目的とするところは、吐出量を減少させることなく吐
出圧を上昇させることにより、ポンプ効率を向上せしめ
た摩擦再生ポンプを提供することにある。
いては、前記各ブレード4の周方向の幅の中心点は、そ
れぞれ前記インペラ3の回転中心を通る1個の半径線上
に位置する点で前記ポンプP01と同じであるが、該ポ
ンプP01に比べて凹溝5内に生ずる流体の流れLB
は、前記弧面4a,4bの存在によつて円滑に流れ、ポ
ンプ吐出圧を高めることができる。しかし、ブレード4
の半径方向の長さを前記ポンプP01のブレード4の長
さと同一とした場合、前記凹溝5の容積が減少し、吐出
量を減少させるので、ポンプ効率は向上しない。本発明
の目的とするところは、吐出量を減少させることなく吐
出圧を上昇させることにより、ポンプ効率を向上せしめ
た摩擦再生ポンプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハウジング
と、該ハウジングに軸により回転自在に支承され、その
両側面が前記軸の回転軸に垂直な面内においてそれぞれ
回転せしめられる平坦な円盤状の基板と、該基板の周縁
部において該周縁部の両側面に形成された複数個の凹溝
と、これらの凹溝の間に在つて前記基板に関しほぼ半径
方向に位置するブレードとを備えたインペラと、前記ハ
ウジングに形成され、前記インペラの基板の平坦な両側
面に対向する平坦な内側壁と、前記ブレードの先端縁と
対向する円筒状の内周壁と、前記ブレードの側面に対向
する位置において前記内側壁と内周壁とを接続するとと
もに、前記ハウジングに形成した流体の流入口と吐出口
とを連結する流体通路を形成する弧状の溝状壁面とを備
え、その内部に前記インペラを収容するポンプチヤンバ
と、よりなる摩擦再生ポンプに係るものである。
と、該ハウジングに軸により回転自在に支承され、その
両側面が前記軸の回転軸に垂直な面内においてそれぞれ
回転せしめられる平坦な円盤状の基板と、該基板の周縁
部において該周縁部の両側面に形成された複数個の凹溝
と、これらの凹溝の間に在つて前記基板に関しほぼ半径
方向に位置するブレードとを備えたインペラと、前記ハ
ウジングに形成され、前記インペラの基板の平坦な両側
面に対向する平坦な内側壁と、前記ブレードの先端縁と
対向する円筒状の内周壁と、前記ブレードの側面に対向
する位置において前記内側壁と内周壁とを接続するとと
もに、前記ハウジングに形成した流体の流入口と吐出口
とを連結する流体通路を形成する弧状の溝状壁面とを備
え、その内部に前記インペラを収容するポンプチヤンバ
と、よりなる摩擦再生ポンプに係るものである。
【0007】本発明は、前記インペラに形成した各ブレ
ードを、前記インペラの回転方向に関して前方に位置す
る面が前記回転中心軸に垂直な面内において凹んだ面に
形成し、かつ前記回転中心軸に垂直な面内における前記
ブレードの周方向の幅の中心点を、前記回転中心軸に関
して半径方向外方の第1の領域においては、前記回転中
心軸に関して半径方向内方の第2の領域よりも、前記回
転中心軸を通る一半径線に関して前記インペラの回転方
向に関し少なくとも後方に位置する一直線上に延在せし
めるものである。そして本発明においては、前記ブレー
ドを、前記回転中心軸に垂直な面内における周方向の幅
の中心点が、前記回転中心軸に関して半径方向外方の第
1の領域においては、前記回転軸に関して半径方向内方
の第2の領域よりも、前記回転中心軸を通る一半径線に
関して前記インペラの回転方向に関し次第に後方に位置
するように延在せしめたものとし、前記回転中心軸に関
して半径方向外方の第1の領域においては、前記ブレー
ドの周方向の幅の中心点を、前記一半径線に関して5度
またはそれ以下の角度で交叉する一直線上に位置せしめ
ることを特徴とする。
ードを、前記インペラの回転方向に関して前方に位置す
る面が前記回転中心軸に垂直な面内において凹んだ面に
形成し、かつ前記回転中心軸に垂直な面内における前記
ブレードの周方向の幅の中心点を、前記回転中心軸に関
して半径方向外方の第1の領域においては、前記回転中
心軸に関して半径方向内方の第2の領域よりも、前記回
転中心軸を通る一半径線に関して前記インペラの回転方
向に関し少なくとも後方に位置する一直線上に延在せし
めるものである。そして本発明においては、前記ブレー
ドを、前記回転中心軸に垂直な面内における周方向の幅
の中心点が、前記回転中心軸に関して半径方向外方の第
1の領域においては、前記回転軸に関して半径方向内方
の第2の領域よりも、前記回転中心軸を通る一半径線に
関して前記インペラの回転方向に関し次第に後方に位置
するように延在せしめたものとし、前記回転中心軸に関
して半径方向外方の第1の領域においては、前記ブレー
ドの周方向の幅の中心点を、前記一半径線に関して5度
またはそれ以下の角度で交叉する一直線上に位置せしめ
ることを特徴とする。
【0008】本発明によれば、前記インペラの各ブレー
ドは、前記インペラの回転方向に関して前方に位置する
面は、前記回転中心軸に垂直な面内における周方向の幅
の中心点が、前記回転中心軸からの半径の大なる部分に
おいては、前記回転中心軸よりの半径が小なる部分より
も、前記インペラの回転方向に関して、少くとも同一半
径線上の位置または後方に位置するように延在せしめら
れる。これにより、前記インペラの回転に伴つて前記各
ブレードの前記インペラの回転方向に関して前方に位置
する面に沿つて流れる流体に、遠心力を作用せしめる面
の長さを保証し、ポンプの吐出圧を増大せしめることが
でき、圧力脈動の発生を阻止するため圧力変動を有効に
抑制できる。
ドは、前記インペラの回転方向に関して前方に位置する
面は、前記回転中心軸に垂直な面内における周方向の幅
の中心点が、前記回転中心軸からの半径の大なる部分に
おいては、前記回転中心軸よりの半径が小なる部分より
も、前記インペラの回転方向に関して、少くとも同一半
径線上の位置または後方に位置するように延在せしめら
れる。これにより、前記インペラの回転に伴つて前記各
ブレードの前記インペラの回転方向に関して前方に位置
する面に沿つて流れる流体に、遠心力を作用せしめる面
の長さを保証し、ポンプの吐出圧を増大せしめることが
でき、圧力脈動の発生を阻止するため圧力変動を有効に
抑制できる。
【0009】そして、前記インペラの各ブレードの前記
回転中心軸に垂直な面内における周方向の幅の中心点
が、前記インペラの回転中心軸に関して半径方向外方の
第1の領域においては、前記回転中心軸に関して半径方
向内方の第2の領域よりも、前記回転中心軸を通る前記
基板の一半径線より前記インペラの回転方向に関し少く
とも後方に位置する一直線上に延在せしめられる。これ
により、前記ブレードの前記インペラの回転方向に関し
前方に位置する面に沿つて流れる流体の放射方向の流れ
を前記ポンプチヤンバを流れる流体の流れにほぼ垂直に
合流させ、ポンプの吐出圧をさらに増大させることがで
き、ポンプの回転速度−吐出量特性の直線性を向上さ
せ、特に低温時始動性を安定させることができるととも
に、前記ブレードの前記インペラの回転方向に関し前方
に位置する面に沿つて流れる流体に作用せしめる遠心力
の大きさと、前記流体の流れが前記流体通路を流れる流
体と合流する角度とを選択することができ、前記摩擦再
生ポンプの用途に応じた吐出圧を得ることができる。
回転中心軸に垂直な面内における周方向の幅の中心点
が、前記インペラの回転中心軸に関して半径方向外方の
第1の領域においては、前記回転中心軸に関して半径方
向内方の第2の領域よりも、前記回転中心軸を通る前記
基板の一半径線より前記インペラの回転方向に関し少く
とも後方に位置する一直線上に延在せしめられる。これ
により、前記ブレードの前記インペラの回転方向に関し
前方に位置する面に沿つて流れる流体の放射方向の流れ
を前記ポンプチヤンバを流れる流体の流れにほぼ垂直に
合流させ、ポンプの吐出圧をさらに増大させることがで
き、ポンプの回転速度−吐出量特性の直線性を向上さ
せ、特に低温時始動性を安定させることができるととも
に、前記ブレードの前記インペラの回転方向に関し前方
に位置する面に沿つて流れる流体に作用せしめる遠心力
の大きさと、前記流体の流れが前記流体通路を流れる流
体と合流する角度とを選択することができ、前記摩擦再
生ポンプの用途に応じた吐出圧を得ることができる。
【0010】さらに本発明によると、前記インペラの各
ブレードは、前記回転中心軸に垂直な面内における周方
向の幅の中心点が、前記回転中心軸に関して半径方向外
方の第1の領域が、前記回転中心軸に関して半径方向内
方の第2の領域よりも、前記回転中心軸を通る一半径線
に関して前記インペラの回転方向に関し少くとも後方に
位置する一直線上に延在せしめられ、かつ、該一直線は
前記回転中心軸を通る一半径線に関して5度又はそれ以
下の角度で交差していることを特徴とする。この角度が
5度を超えると、摩擦再生ポンプの吐出圧P−吐出量Q
のグラフ(図15)及び回転速度N−吐出量Qのグラフ
(図16)における吐出量(Q)が、従来の摩擦再生ポ
ンプより低下するので、この交差角の上限を5度とす
る。
ブレードは、前記回転中心軸に垂直な面内における周方
向の幅の中心点が、前記回転中心軸に関して半径方向外
方の第1の領域が、前記回転中心軸に関して半径方向内
方の第2の領域よりも、前記回転中心軸を通る一半径線
に関して前記インペラの回転方向に関し少くとも後方に
位置する一直線上に延在せしめられ、かつ、該一直線は
前記回転中心軸を通る一半径線に関して5度又はそれ以
下の角度で交差していることを特徴とする。この角度が
5度を超えると、摩擦再生ポンプの吐出圧P−吐出量Q
のグラフ(図15)及び回転速度N−吐出量Qのグラフ
(図16)における吐出量(Q)が、従来の摩擦再生ポ
ンプより低下するので、この交差角の上限を5度とす
る。
【0011】
【実施例】図3および図4に、本発明の摩擦再生ポンプ
の一実施例を用いた自動車エンジン用の燃料ポンプを示
す。前記燃料ポンプは、本発明によるポンプP1と、モ
ータ41をカバー42内に収容して構成される。ポンプ
P1は、この実施例では第1および第2の2個のインペ
ラ31A,31Bが配設されており、アウタボデイ12
と隔壁プレート19とにより形成された第1のポンプチ
ヤンバ11Aの内部に配置された第1のインペラ31A
と、前記隔壁プレート19とインナボデイ25とにより
形成された第2のポンプチヤンバ11Bの内部に配設さ
れた第2のインペラ31Bとが、前記モータ41の駆動
軸47により同時に回転駆動される、二段式のポンプで
ある。
の一実施例を用いた自動車エンジン用の燃料ポンプを示
す。前記燃料ポンプは、本発明によるポンプP1と、モ
ータ41をカバー42内に収容して構成される。ポンプ
P1は、この実施例では第1および第2の2個のインペ
ラ31A,31Bが配設されており、アウタボデイ12
と隔壁プレート19とにより形成された第1のポンプチ
ヤンバ11Aの内部に配置された第1のインペラ31A
と、前記隔壁プレート19とインナボデイ25とにより
形成された第2のポンプチヤンバ11Bの内部に配設さ
れた第2のインペラ31Bとが、前記モータ41の駆動
軸47により同時に回転駆動される、二段式のポンプで
ある。
【0012】前記インペラ31A,31Bは同一の構造
を有し、それぞれ平坦な円盤状の基板10と、該基板1
0の周縁部において該基板10の両側面に形成された複
数個の凹溝34と、これらの凹溝34の間に在つて前記
基板10に関し半径方向に位置するブレード33とを備
えている。両インペラ31A,31Bは、前記基板10
の平坦な側面が前記モータ41の駆動軸47の回転中心
軸に垂直な面内において回転するように、該駆動軸47
に支承される。
を有し、それぞれ平坦な円盤状の基板10と、該基板1
0の周縁部において該基板10の両側面に形成された複
数個の凹溝34と、これらの凹溝34の間に在つて前記
基板10に関し半径方向に位置するブレード33とを備
えている。両インペラ31A,31Bは、前記基板10
の平坦な側面が前記モータ41の駆動軸47の回転中心
軸に垂直な面内において回転するように、該駆動軸47
に支承される。
【0013】前記ポンプP1のアウタボデイ12には、
その外側面に流入管13が一体的に設けられ、その第1
のポンプチヤンバ11Aに面する面には、前記第1のイ
ンペラ31Aの基板10の平坦面に対向する平坦な内側
壁14Aと、前記第1のインペラ31Aのブレード33
の先端縁に対向する円筒状の内周壁18Aとが形成さ
れ、かつ、前記ブレード33の側面と対向する位置にお
いて前記内側壁14Aと内周壁18Aとを接続するとと
もに、前記流入管13の内部通路と連通する流入口16
と前記隔壁プレート19を貫通せしめて形成した後述す
る流出−流入口23に対向する位置とを連結する凹んだ
溝状壁面15が、図5に示すように前記第1のポンプチ
ヤンバ11Aの周長のほぼ5/6の長さにわたつて形成
されている。この溝状壁面15の流出−流入口23と連
通する端部には、段差を設けて消音用の凹部15a(図
5参照)が形成されている。なお符号37は、前記アウ
タボデイ12の内側壁14Aの中心部に形成された、前
記駆動軸47の先端部を緩く収容するための凹所を示
す。
その外側面に流入管13が一体的に設けられ、その第1
のポンプチヤンバ11Aに面する面には、前記第1のイ
ンペラ31Aの基板10の平坦面に対向する平坦な内側
壁14Aと、前記第1のインペラ31Aのブレード33
の先端縁に対向する円筒状の内周壁18Aとが形成さ
れ、かつ、前記ブレード33の側面と対向する位置にお
いて前記内側壁14Aと内周壁18Aとを接続するとと
もに、前記流入管13の内部通路と連通する流入口16
と前記隔壁プレート19を貫通せしめて形成した後述す
る流出−流入口23に対向する位置とを連結する凹んだ
溝状壁面15が、図5に示すように前記第1のポンプチ
ヤンバ11Aの周長のほぼ5/6の長さにわたつて形成
されている。この溝状壁面15の流出−流入口23と連
通する端部には、段差を設けて消音用の凹部15a(図
5参照)が形成されている。なお符号37は、前記アウ
タボデイ12の内側壁14Aの中心部に形成された、前
記駆動軸47の先端部を緩く収容するための凹所を示
す。
【0014】前記隔壁プレート19は円形の輪郭を有す
る平板状のもので、その中心部には前記モータ41の駆
動軸47を緩く挿通す貫通孔20が形成されるととも
に、前記アウタボデイ12に形成した流入口16と対応
する位置から前記第1のポンプチヤンバ11Aの周長の
ほぼ5/6の長さ周方向に隔たつた位置には、該隔壁プ
レート19を貫通せしめて形成した流出−流入口23が
形成される。前記隔壁プレート19の前記第1のポンプ
チヤンバ11Aに面する面には、前記第1のインペラ3
1Aの基板10の平坦面に対向する平坦な壁面17Aが
形成され、かつ図6に示すように、前記壁面17Aと前
記アウタボデイ12の内周壁18Aとを接続するととも
に、前記流出−流入口23と前記流入口16と対応する
位置との間に、凹んだ溝状壁面21が前記第1のポンプ
チヤンバ11Aの周長のほぼ5/6の長さにわたり円弧
状に形成される。この結果、前記第1のポンプチヤンバ
11Aには、アウタボデイ12に形成した溝状壁面15
と隔壁プレート19に形成した溝状壁面21とにより、
前記流入口16と流出−流入口23とを連結する第1の
流体通路36Aが、ポンプチヤンバ11Aの周長のほぼ
5/6の長さにわたり、周方向に形成される。この流体
通路36A内には第1のインペラ31Aのブレード33
が露呈される。
る平板状のもので、その中心部には前記モータ41の駆
動軸47を緩く挿通す貫通孔20が形成されるととも
に、前記アウタボデイ12に形成した流入口16と対応
する位置から前記第1のポンプチヤンバ11Aの周長の
ほぼ5/6の長さ周方向に隔たつた位置には、該隔壁プ
レート19を貫通せしめて形成した流出−流入口23が
形成される。前記隔壁プレート19の前記第1のポンプ
チヤンバ11Aに面する面には、前記第1のインペラ3
1Aの基板10の平坦面に対向する平坦な壁面17Aが
形成され、かつ図6に示すように、前記壁面17Aと前
記アウタボデイ12の内周壁18Aとを接続するととも
に、前記流出−流入口23と前記流入口16と対応する
位置との間に、凹んだ溝状壁面21が前記第1のポンプ
チヤンバ11Aの周長のほぼ5/6の長さにわたり円弧
状に形成される。この結果、前記第1のポンプチヤンバ
11Aには、アウタボデイ12に形成した溝状壁面15
と隔壁プレート19に形成した溝状壁面21とにより、
前記流入口16と流出−流入口23とを連結する第1の
流体通路36Aが、ポンプチヤンバ11Aの周長のほぼ
5/6の長さにわたり、周方向に形成される。この流体
通路36A内には第1のインペラ31Aのブレード33
が露呈される。
【0015】ポンプP1のインナボデイ25には、その
中心部にモータ41の駆動軸47を緩く挿通す貫通孔2
6が形成されるとともに、前記隔壁プレート19に形成
した流出−流入口23に対向する位置から第2のポンプ
チヤンバ11Bの周長のほぼ5/6の長さ周方向に隔た
つた位置には、前記インナボデイ25を貫通して前記第
2のポンプチヤンバ11Bと前記カバー42の内部空間
とを連通する吐出口29が形成される。前記インナボデ
イ25のポンプチヤンバ11Bに面する面27には、第
2のインペラ31Bの基板10の平坦部と対向する平坦
な内壁面14Bと、前記インペラ31Bのブレード33
の先端縁に対向する円筒状の内周壁18Bとが形成さ
れ、かつ前記ブレード33の側面と対向する位置におい
て前記内側壁14Bと内周壁18Bとを接続するととも
に、前記吐出口29と前記流出−流入口23に対向する
位置とを連結する凹んだ溝状壁面28が、図8に示すよ
うに形成される。
中心部にモータ41の駆動軸47を緩く挿通す貫通孔2
6が形成されるとともに、前記隔壁プレート19に形成
した流出−流入口23に対向する位置から第2のポンプ
チヤンバ11Bの周長のほぼ5/6の長さ周方向に隔た
つた位置には、前記インナボデイ25を貫通して前記第
2のポンプチヤンバ11Bと前記カバー42の内部空間
とを連通する吐出口29が形成される。前記インナボデ
イ25のポンプチヤンバ11Bに面する面27には、第
2のインペラ31Bの基板10の平坦部と対向する平坦
な内壁面14Bと、前記インペラ31Bのブレード33
の先端縁に対向する円筒状の内周壁18Bとが形成さ
れ、かつ前記ブレード33の側面と対向する位置におい
て前記内側壁14Bと内周壁18Bとを接続するととも
に、前記吐出口29と前記流出−流入口23に対向する
位置とを連結する凹んだ溝状壁面28が、図8に示すよ
うに形成される。
【0016】前記隔壁プレート19の第2のポンプチヤ
ンバ11Bに面する面には、前記第2のインペラ31B
の基板10の平坦面に対向する平坦な壁面17Bが形成
され、かつ図7に示すように、該壁面17Bと前記イン
ナボデイ25の内周壁18Bとを接続するとともに、前
記流出−流入口23と前記吐出口29に対向する位置と
の間に凹んだ溝状壁面22が、前記ポンプチヤンバ11
Bの周長のほぼ5/6の長さにわたり円弧状に形成され
る。この結果、前記第2のポンプチヤンバ11Bには、
インナボデイ25に形成した溝状壁面28と隔壁プレー
ト19に形成した溝状壁面22とにより、前記流出−流
入口23と吐出口29とを連結する第2の流体通路36
Bが、第2のポンプチヤンバ11Bの周長のほぼ5/6
の長さにわたり、周方向に形成される。この流体通路3
6B内には、第2のインペラ31Bのブレード33が露
呈される。
ンバ11Bに面する面には、前記第2のインペラ31B
の基板10の平坦面に対向する平坦な壁面17Bが形成
され、かつ図7に示すように、該壁面17Bと前記イン
ナボデイ25の内周壁18Bとを接続するとともに、前
記流出−流入口23と前記吐出口29に対向する位置と
の間に凹んだ溝状壁面22が、前記ポンプチヤンバ11
Bの周長のほぼ5/6の長さにわたり円弧状に形成され
る。この結果、前記第2のポンプチヤンバ11Bには、
インナボデイ25に形成した溝状壁面28と隔壁プレー
ト19に形成した溝状壁面22とにより、前記流出−流
入口23と吐出口29とを連結する第2の流体通路36
Bが、第2のポンプチヤンバ11Bの周長のほぼ5/6
の長さにわたり、周方向に形成される。この流体通路3
6B内には、第2のインペラ31Bのブレード33が露
呈される。
【0017】図9に本発明によるインペラの平面図を示
す。第1のインペラ31Aおよび第2のインペラ31B
は両者同一の構造であるので、図中においては符号31
で示す。インペラ31は平坦な円盤状の基板10から成
り、該基板10の周縁部において該基板10の両面に、
周端縁に至るに従つて深さを増大する凹溝34を複数
個、周方向に等間隔に形成し、これらの凹溝34間には
周方向の幅が一定であるブレード33を形成する。前記
基板10の一面の中心部には隆起部38を形成し、かつ
該基板10の回転中心に、回転中心軸を中心とする円筒
状内壁と平面状内壁とを結合した断面D字状の軸孔32
を貫通形成し、この軸孔32を介してインペラ31を前
記モータ41の駆動軸47に取付ける。前記基板10の
前記凹溝34より直径方向に内方の側面部は平坦な面と
する。
す。第1のインペラ31Aおよび第2のインペラ31B
は両者同一の構造であるので、図中においては符号31
で示す。インペラ31は平坦な円盤状の基板10から成
り、該基板10の周縁部において該基板10の両面に、
周端縁に至るに従つて深さを増大する凹溝34を複数
個、周方向に等間隔に形成し、これらの凹溝34間には
周方向の幅が一定であるブレード33を形成する。前記
基板10の一面の中心部には隆起部38を形成し、かつ
該基板10の回転中心に、回転中心軸を中心とする円筒
状内壁と平面状内壁とを結合した断面D字状の軸孔32
を貫通形成し、この軸孔32を介してインペラ31を前
記モータ41の駆動軸47に取付ける。前記基板10の
前記凹溝34より直径方向に内方の側面部は平坦な面と
する。
【0018】本発明において特徴とするところは、前記
インペラ31の周縁部の一部を拡大した図10に示すよ
うに、前記ブレード33のインペラ31の回転方向(矢
印Fで示す方向)に関し前方に位置する面が、前記イン
ペラ31の回転中心軸に垂直な面内において凹んだ面3
0に形成されており、前記ブレード33の前記回転中心
軸に垂直な面内における周方向の幅の中心点40は、前
記ブレード33の周方向の中心点40の前記回転中心軸
からの半径が最小である位置の中心点を40A、半径が
最大の位置の中心点を40C、前記中心点40A、40
Cのほぼ中央位置にある中心点を40Bとすると、前記
ブレード33の前記回転中心軸に関して半径方向外方の
第1の領域(前記中心点40Bと中心点40Cとの間の
領域)においては、前記回転中心軸に関して半径方向内
方の第2の領域(前記中心点40Aと中心点40Bとの
間の領域)よりも、前記インペラ31の回転方向Fに関
して後方に位置せしめた点にある。
インペラ31の周縁部の一部を拡大した図10に示すよ
うに、前記ブレード33のインペラ31の回転方向(矢
印Fで示す方向)に関し前方に位置する面が、前記イン
ペラ31の回転中心軸に垂直な面内において凹んだ面3
0に形成されており、前記ブレード33の前記回転中心
軸に垂直な面内における周方向の幅の中心点40は、前
記ブレード33の周方向の中心点40の前記回転中心軸
からの半径が最小である位置の中心点を40A、半径が
最大の位置の中心点を40C、前記中心点40A、40
Cのほぼ中央位置にある中心点を40Bとすると、前記
ブレード33の前記回転中心軸に関して半径方向外方の
第1の領域(前記中心点40Bと中心点40Cとの間の
領域)においては、前記回転中心軸に関して半径方向内
方の第2の領域(前記中心点40Aと中心点40Bとの
間の領域)よりも、前記インペラ31の回転方向Fに関
して後方に位置せしめた点にある。
【0019】本発明において好ましくは、前記ブレード
33のインペラ31の回転中心軸に垂直な面内におい
て、前記ブレード33の周方向の中心点40の前記回転
中心軸からの半径が最小である位置の中心点を40A、
半径が最大の位置の中心点を40C、前記中心点40
A、40Cのほぼ中央位置にある中心点を40Bとする
と、前記回転中心軸に垂直なる面内において中心点40
を結ぶ線は、中心点40Aから中心点40Bまでの間は
前記矢印Fの方向に関し前方を凹とした弧状線上に位置
し、中心点40Bから中心点40Cまでの間は、中心点
40Bを通る基板10の一半径線60上よりも、図10
よりは前記インペラ31の回転方向Fに関して後方に位
置せしめる。図10において破線で示すブレード33は
前記基板10の背面に形成したブレードを示し、実線で
示した表面のブレード33とは周方向に位置をずらせて
形成されている。図11に、図10に示すインペラ31
の変形例を示す。このインペラ31は、前記基板10の
正面および背面の同一位置にブレード33を形成し、か
つ凹溝34の外周縁の半径を各ブレード33の先端部の
半径より小としている。これにより図10に示すインペ
ラ31に比較して凹溝34内にとり込む流体量が増大す
る。
33のインペラ31の回転中心軸に垂直な面内におい
て、前記ブレード33の周方向の中心点40の前記回転
中心軸からの半径が最小である位置の中心点を40A、
半径が最大の位置の中心点を40C、前記中心点40
A、40Cのほぼ中央位置にある中心点を40Bとする
と、前記回転中心軸に垂直なる面内において中心点40
を結ぶ線は、中心点40Aから中心点40Bまでの間は
前記矢印Fの方向に関し前方を凹とした弧状線上に位置
し、中心点40Bから中心点40Cまでの間は、中心点
40Bを通る基板10の一半径線60上よりも、図10
よりは前記インペラ31の回転方向Fに関して後方に位
置せしめる。図10において破線で示すブレード33は
前記基板10の背面に形成したブレードを示し、実線で
示した表面のブレード33とは周方向に位置をずらせて
形成されている。図11に、図10に示すインペラ31
の変形例を示す。このインペラ31は、前記基板10の
正面および背面の同一位置にブレード33を形成し、か
つ凹溝34の外周縁の半径を各ブレード33の先端部の
半径より小としている。これにより図10に示すインペ
ラ31に比較して凹溝34内にとり込む流体量が増大す
る。
【0020】なお図3に示す燃料ポンプにおいては、前
記ポンプP1を駆動するモータ41は、前記カバー42
内に配設され、該モータ41のロータ46は前記駆動軸
47の一端部において前記インナボデイ25に軸受49
を介して支承され、前記駆動軸47の他端部においては
前記カバー42の端部を閉塞する端部材43に軸受50
を介して支承されている。モータ41のコンミユテー
タ、ブラシ、チヨークコイル等は図示を省略した。前記
モータ41を駆動せしめると、ポンプP1の第1のイン
ペラ31Aおよび第2のインペラ31Bは前記駆動軸4
7とともに回転し、前記流入管13より吸入した燃料
を、第1のポンプチヤンバ11Aの流体通路36A、第
2のポンプチヤンバ11Bの流体通路36Bを経てイン
ナボデイ25の吐出口29から前記カバー42の内部空
間に吐出する。このカバー42の内部空間に吐出された
燃料は、前記モータ41のロータ46とカバー42に固
定されたマグネツト48との間の空間を流れ、前記端部
材43に配設したチエツクバルブ45を通り、吐出管4
4から排出される。
記ポンプP1を駆動するモータ41は、前記カバー42
内に配設され、該モータ41のロータ46は前記駆動軸
47の一端部において前記インナボデイ25に軸受49
を介して支承され、前記駆動軸47の他端部においては
前記カバー42の端部を閉塞する端部材43に軸受50
を介して支承されている。モータ41のコンミユテー
タ、ブラシ、チヨークコイル等は図示を省略した。前記
モータ41を駆動せしめると、ポンプP1の第1のイン
ペラ31Aおよび第2のインペラ31Bは前記駆動軸4
7とともに回転し、前記流入管13より吸入した燃料
を、第1のポンプチヤンバ11Aの流体通路36A、第
2のポンプチヤンバ11Bの流体通路36Bを経てイン
ナボデイ25の吐出口29から前記カバー42の内部空
間に吐出する。このカバー42の内部空間に吐出された
燃料は、前記モータ41のロータ46とカバー42に固
定されたマグネツト48との間の空間を流れ、前記端部
材43に配設したチエツクバルブ45を通り、吐出管4
4から排出される。
【0021】図12および図13に、本発明の摩擦再生
ポンプの他の実施例を用いた自動車エンジン用の燃料ポ
ンプを示す。図11に示す燃料ポンプは、図3に示す燃
料ポンプにおけるポンプP1に代えて、本発明の他の実
施例であるポンプP2を用いた点にのみ差異があるの
で、図3に示す燃料ポンプと同一の部分には同一の符号
を付して示し、その説明は省略する。本実施例のポンプ
P2は、インナボデイ25とアウタボデイ12との間に
形成される1個のポンプチヤンバ11内に1個のブレー
ド33を配設したものであつて、インペラ31は前記第
1および第2のインペラ31A,31Bと同一のもので
ある。アウタボデイ12は図4,5に示したものと同一
構造を備える。即ちアウタボデイ12はその外側面に流
入管13を有し、そのポンプチヤンバ11に面する面に
は、前記インペラ31の基板10の平坦な壁面10Aに
対向する平坦な内側壁14と、前記ブレード33の先端
縁と対向する内周壁18と、これら内側壁14と内周壁
18とを接続するとともに流入口16に接続する弧状の
溝状壁面15とが形成される。
ポンプの他の実施例を用いた自動車エンジン用の燃料ポ
ンプを示す。図11に示す燃料ポンプは、図3に示す燃
料ポンプにおけるポンプP1に代えて、本発明の他の実
施例であるポンプP2を用いた点にのみ差異があるの
で、図3に示す燃料ポンプと同一の部分には同一の符号
を付して示し、その説明は省略する。本実施例のポンプ
P2は、インナボデイ25とアウタボデイ12との間に
形成される1個のポンプチヤンバ11内に1個のブレー
ド33を配設したものであつて、インペラ31は前記第
1および第2のインペラ31A,31Bと同一のもので
ある。アウタボデイ12は図4,5に示したものと同一
構造を備える。即ちアウタボデイ12はその外側面に流
入管13を有し、そのポンプチヤンバ11に面する面に
は、前記インペラ31の基板10の平坦な壁面10Aに
対向する平坦な内側壁14と、前記ブレード33の先端
縁と対向する内周壁18と、これら内側壁14と内周壁
18とを接続するとともに流入口16に接続する弧状の
溝状壁面15とが形成される。
【0022】インナボデイ25の前記ポンプチヤンバ1
1に面する面には、図4,6に示した隔壁プレート19
と同様に、前記基板10の平坦な側壁10Bに対向する
平坦な壁面17と、該壁面17と前記内周壁18とを接
続する溝状凹壁21とが形成され、前記流出−流入口2
3の位置に、前記インナボデイ25を貫通する吐出口2
9が形成される。この結果、前記ポンプチヤンバ11に
はアウタボデイ12に形成した溝状壁面15とインナボ
デイ25に形成した溝状壁面21とにより、前記流入口
16と吐出口29とを連結する流体通路36が、前記ポ
ンプチヤンバ11の周長のほぼ5/6の長さにわたり、
周方向に形成される。この流体通路36内には、インペ
ラ31のブレード33が露呈される。
1に面する面には、図4,6に示した隔壁プレート19
と同様に、前記基板10の平坦な側壁10Bに対向する
平坦な壁面17と、該壁面17と前記内周壁18とを接
続する溝状凹壁21とが形成され、前記流出−流入口2
3の位置に、前記インナボデイ25を貫通する吐出口2
9が形成される。この結果、前記ポンプチヤンバ11に
はアウタボデイ12に形成した溝状壁面15とインナボ
デイ25に形成した溝状壁面21とにより、前記流入口
16と吐出口29とを連結する流体通路36が、前記ポ
ンプチヤンバ11の周長のほぼ5/6の長さにわたり、
周方向に形成される。この流体通路36内には、インペ
ラ31のブレード33が露呈される。
【0023】図1および図2に模式的に示した本発明の
摩擦再生ポンプの実施例に基いて、本発明の作用を説明
する。これらの図は、図12および図13に示した一段
式のポンプP2と同一符号を用いている。インペラ33
が矢印Fで示す方向に回転せしめられると、2個の溝状
壁面15,21によりポンプチヤンバ11内に形成され
た流体通路36には、該流体通路36内に露出している
ブレード33の移動により矢印Fと同一の方向に流体の
流れLMが生ずる。インペラ31を構成する基板10の
平坦な両側面10A,10B(図2)と、アウタボデイ
12の平坦な内側面17およびインナボデイ25の平坦
な内側面14との間の隙間は、インペラ31の回転中心
軸を中心として回転するにあたり、基板10がアウタボ
デイ12およびインナボデイ25に接触せず、かつ前記
隙間にはインペラ31の半径方向には流体の流れが生じ
ないような、最小限の寸法とされている。
摩擦再生ポンプの実施例に基いて、本発明の作用を説明
する。これらの図は、図12および図13に示した一段
式のポンプP2と同一符号を用いている。インペラ33
が矢印Fで示す方向に回転せしめられると、2個の溝状
壁面15,21によりポンプチヤンバ11内に形成され
た流体通路36には、該流体通路36内に露出している
ブレード33の移動により矢印Fと同一の方向に流体の
流れLMが生ずる。インペラ31を構成する基板10の
平坦な両側面10A,10B(図2)と、アウタボデイ
12の平坦な内側面17およびインナボデイ25の平坦
な内側面14との間の隙間は、インペラ31の回転中心
軸を中心として回転するにあたり、基板10がアウタボ
デイ12およびインナボデイ25に接触せず、かつ前記
隙間にはインペラ31の半径方向には流体の流れが生じ
ないような、最小限の寸法とされている。
【0024】ところで、インペラ31の回転に伴い、イ
ンペラ31の周縁部において、矢印Fで示すインペラ3
1の回転方向に関し前方に位置するブレード33の面3
0に接触する流体には、インペラ31の回転に伴う遠心
力が付与され、前記凹溝34内には、矢印fで示す放射
方向の流れLBが生ずる。前記インペラ31の前記回転
中心軸に垂直な面(図1)内において、前記インペラ3
3の周方向の幅の中心点40は、前記ブレード33の前
記回転中心軸に関して半径方向外方の第1の領域(中心
点40Bと中心点40Cとの間の領域)においては、前
記回転中心軸に関して半径方向内方の第2の領域(中心
点40Aと中心点40Bとの間の領域)よりも、前記イ
ンペラ31の回転方向Fに関して後方に位置する。従つ
て前記ブレード33の基部(中心点40Aの位置)から
先端部(中心点40Cの位置)までの長さに対応する面
30の長さは、図17に示す従来のインペラ3における
面9の長さより長く、前記インペラ3、31の回転速度
を同一とすれば、本発明のインペラ31により生ずる半
径方向の流れLBに生ずる遠心力は、従来のインペラ3
により生ずる半径方向の流れLBに生ずる遠心力より大
である。
ンペラ31の周縁部において、矢印Fで示すインペラ3
1の回転方向に関し前方に位置するブレード33の面3
0に接触する流体には、インペラ31の回転に伴う遠心
力が付与され、前記凹溝34内には、矢印fで示す放射
方向の流れLBが生ずる。前記インペラ31の前記回転
中心軸に垂直な面(図1)内において、前記インペラ3
3の周方向の幅の中心点40は、前記ブレード33の前
記回転中心軸に関して半径方向外方の第1の領域(中心
点40Bと中心点40Cとの間の領域)においては、前
記回転中心軸に関して半径方向内方の第2の領域(中心
点40Aと中心点40Bとの間の領域)よりも、前記イ
ンペラ31の回転方向Fに関して後方に位置する。従つ
て前記ブレード33の基部(中心点40Aの位置)から
先端部(中心点40Cの位置)までの長さに対応する面
30の長さは、図17に示す従来のインペラ3における
面9の長さより長く、前記インペラ3、31の回転速度
を同一とすれば、本発明のインペラ31により生ずる半
径方向の流れLBに生ずる遠心力は、従来のインペラ3
により生ずる半径方向の流れLBに生ずる遠心力より大
である。
【0025】そして本発明において、前記インペラ31
の回転中心軸に垂直な面内における前記ブレード33の
周方向の幅を、該ブレード33の基部(中心点40Aの
位置)から先端部(中心点40Cの位置)まで同一寸法
とすれば、前記ブレード33の間に形成される凹溝34
の容積は、同一寸法の幅を有するブレード4を備えた前
記従来のインペラ3における凹溝5の容積と同一であ
る。従つて本発明の摩擦再生ポンプ(P1,P2)は、
従来の摩擦再生ポンプ(P01)に比して、吐出量を減
少させることなく、吐出圧を増大せしめることができ
る。ここに、ポンプ効率〔η(%)〕は、数1で与えられ
る。
の回転中心軸に垂直な面内における前記ブレード33の
周方向の幅を、該ブレード33の基部(中心点40Aの
位置)から先端部(中心点40Cの位置)まで同一寸法
とすれば、前記ブレード33の間に形成される凹溝34
の容積は、同一寸法の幅を有するブレード4を備えた前
記従来のインペラ3における凹溝5の容積と同一であ
る。従つて本発明の摩擦再生ポンプ(P1,P2)は、
従来の摩擦再生ポンプ(P01)に比して、吐出量を減
少させることなく、吐出圧を増大せしめることができ
る。ここに、ポンプ効率〔η(%)〕は、数1で与えられ
る。
【数1】η(%)=κ・P・Q/N・T 数1中のκは補正係数、Pは吐出圧力(ΚPa),Qは
吐出流量(l/h),Nは回転速度(rpm),Tは負
荷トルク(N・m)である。図3,図4に示す本発明の
実施例のポンプP1においては、κ=0.265,T=
0.034N・mであつた。数1により、回転速度Nと
負荷トルクTとをそれぞれ一定値とすれば、ポンプ効率
ηは吐出圧力Pと吐出流量Qとを乗じた値(P・Q)に
比例することがわかる。従つて吐出量を減少させること
なく吐出圧を増大せしめれば、ポンプ効率が向上する。
吐出流量(l/h),Nは回転速度(rpm),Tは負
荷トルク(N・m)である。図3,図4に示す本発明の
実施例のポンプP1においては、κ=0.265,T=
0.034N・mであつた。数1により、回転速度Nと
負荷トルクTとをそれぞれ一定値とすれば、ポンプ効率
ηは吐出圧力Pと吐出流量Qとを乗じた値(P・Q)に
比例することがわかる。従つて吐出量を減少させること
なく吐出圧を増大せしめれば、ポンプ効率が向上する。
【0026】以下に本発明の実施例である前記ポンプP
1を、図17および図18に示す従来のポンプP01お
よび図19および図20に示す従来の改良型ポンプP0
2と比較した試験データを表1に示す。試験に用いた比
較ポンプP01,P02および本発明の実施例のポンプ
P1は、図3および図4に示すように、それぞれインペ
ラ3または31を二段式に配設したものである。またこ
れらのポンプP01,P02,P1はインペラ3,31
の寸法およびポンプチヤンバの形状を同一とするもので
あり、各インペラ3,31に形成したブレード4,33
の形状が、図17,19および図1に示した形状に、そ
れぞれ異なつた形状とされている。
1を、図17および図18に示す従来のポンプP01お
よび図19および図20に示す従来の改良型ポンプP0
2と比較した試験データを表1に示す。試験に用いた比
較ポンプP01,P02および本発明の実施例のポンプ
P1は、図3および図4に示すように、それぞれインペ
ラ3または31を二段式に配設したものである。またこ
れらのポンプP01,P02,P1はインペラ3,31
の寸法およびポンプチヤンバの形状を同一とするもので
あり、各インペラ3,31に形成したブレード4,33
の形状が、図17,19および図1に示した形状に、そ
れぞれ異なつた形状とされている。
【0027】
【表1】 前記比較試験は、各ポンプP01,P02およびP1の
吐出圧力Pを一定値に設定して比較したものであるが、
吐出流量Qについては、本発明の実施例のポンプP1は
63.3(l/h)を示し、比較ポンプP01,P02
の吐出流量Q(l/h)がそれぞれ61.1,59.5
であるのに比して吐出流量Qが大である。従つて、吐出
量と吐出圧とを乗じた値に比例するポンプ効率ηは、本
発明によるポンプP1が、比較ポンプP01,P02に
比して大である。
吐出圧力Pを一定値に設定して比較したものであるが、
吐出流量Qについては、本発明の実施例のポンプP1は
63.3(l/h)を示し、比較ポンプP01,P02
の吐出流量Q(l/h)がそれぞれ61.1,59.5
であるのに比して吐出流量Qが大である。従つて、吐出
量と吐出圧とを乗じた値に比例するポンプ効率ηは、本
発明によるポンプP1が、比較ポンプP01,P02に
比して大である。
【0028】次に本発明の実施例のポンプの吐出圧
(P)−吐出量(Q)特性および回転速度(N)−吐出
量(Q)特性を、比較例ポンプのそれらと対比する。
(P)−吐出量(Q)特性および回転速度(N)−吐出
量(Q)特性を、比較例ポンプのそれらと対比する。
【0029】図14の(a)ないし(e)は、前記対比
に用いたポンプのインペラに形成したブレートの断面形
状をそれぞれ示したもので、各図は前記インペラの回転
中心軸に垂直な面内における各ブレードの断面を模式的
に輪郭線であらわしたものである。本比較試験に用いた
各ブレードは、前記回転中心軸に垂直な面内における、
ブレードの周方向の幅tを同一とし、かつ前記面内にお
けるブレードの先端部(中心点40Cの位置)の回転中
心軸からの半径および前記先端部と基部(中心点40A
の位置)との半径差とを同一としたものである。
に用いたポンプのインペラに形成したブレートの断面形
状をそれぞれ示したもので、各図は前記インペラの回転
中心軸に垂直な面内における各ブレードの断面を模式的
に輪郭線であらわしたものである。本比較試験に用いた
各ブレードは、前記回転中心軸に垂直な面内における、
ブレードの周方向の幅tを同一とし、かつ前記面内にお
けるブレードの先端部(中心点40Cの位置)の回転中
心軸からの半径および前記先端部と基部(中心点40A
の位置)との半径差とを同一としたものである。
【0030】図14(a)に示すブレード61は、前記
ポンプP1におけるブレード33に相当するものであつ
て、ブレード61の前記先端部(中心点40Cの位置)
から中央部(中心点40Bの位置)までの前記回転中心
軸に関して半径方向外方の第1の領域においては、前記
ブレード61の周方向の幅の中心点40を結ぶ線(40
C−40B)を、前記回転中心軸と中心点40Cとを結
ぶ半径線60と一致させ、ブレード61の前記中央部か
ら基部(中心点40Aの位置)までの前記回転中心軸に
関して半径方向内方の第2の領域においては、前記ブレ
ード61の周方向の幅の中心点40を結ぶ線(40B−
40A)を、前記半径60に接する円弧としたものであ
る。この結果、図14(a)においてインペラの回転方
向Fに関して前方に位置する面30は、ブレード61の
基部より中央部までは半径R1(R1=3t)の円弧が
あらわれ、前記中央部からブレード61の先端部までは
直線があらわれる。
ポンプP1におけるブレード33に相当するものであつ
て、ブレード61の前記先端部(中心点40Cの位置)
から中央部(中心点40Bの位置)までの前記回転中心
軸に関して半径方向外方の第1の領域においては、前記
ブレード61の周方向の幅の中心点40を結ぶ線(40
C−40B)を、前記回転中心軸と中心点40Cとを結
ぶ半径線60と一致させ、ブレード61の前記中央部か
ら基部(中心点40Aの位置)までの前記回転中心軸に
関して半径方向内方の第2の領域においては、前記ブレ
ード61の周方向の幅の中心点40を結ぶ線(40B−
40A)を、前記半径60に接する円弧としたものであ
る。この結果、図14(a)においてインペラの回転方
向Fに関して前方に位置する面30は、ブレード61の
基部より中央部までは半径R1(R1=3t)の円弧が
あらわれ、前記中央部からブレード61の先端部までは
直線があらわれる。
【0031】図14(b)は、図14(a)に示すブレ
ード61の変形例である本発明のブレード62を示す。
該ブレード62は前記中央部(中心点40Bの位置)か
ら先端部(中心点40Cの位置)までの半径方向外方の
第1の領域を、前記中心点40Cと40Bとを結ぶ線
(40C−40B)が、前記インペラの回転方向Fに関
し、前記半径線60に対し角θ(θ≒5度)で後方に交
叉する直線66に一致する直線としたものである。
ード61の変形例である本発明のブレード62を示す。
該ブレード62は前記中央部(中心点40Bの位置)か
ら先端部(中心点40Cの位置)までの半径方向外方の
第1の領域を、前記中心点40Cと40Bとを結ぶ線
(40C−40B)が、前記インペラの回転方向Fに関
し、前記半径線60に対し角θ(θ≒5度)で後方に交
叉する直線66に一致する直線としたものである。
【0032】図14(c)および図14(d)は比較ポ
ンプのブレード63,64をそれぞれ示す。これらのブ
レード63,64においては、各ブレード63,64の
基部における幅方向の中心点40Aおよび先端部におけ
る幅方向の中心点40Cが、中央部の幅方向の中心点4
0Bにより前記回転方向Fに関して前方に位置する形状
のものである。そして図14(c)に示すブレード63
は、前記回転方向Fに関して前方に位置する面30の輪
郭線は、前記回転中心軸に関して半径方向内方の第2の
領域においては半径R1(R1=3t)の円弧で、前記
回転中心軸に関して半径方向外方の第1の領域において
は半径R2(R2=6t)の円弧であらわされる。また
図14(d)に示すブレード64は、前記回転方向Fに
関して前方に位置する面30の輪郭線は、全領域におい
て半径R1(R1=3t)の円弧であらわされる。
ンプのブレード63,64をそれぞれ示す。これらのブ
レード63,64においては、各ブレード63,64の
基部における幅方向の中心点40Aおよび先端部におけ
る幅方向の中心点40Cが、中央部の幅方向の中心点4
0Bにより前記回転方向Fに関して前方に位置する形状
のものである。そして図14(c)に示すブレード63
は、前記回転方向Fに関して前方に位置する面30の輪
郭線は、前記回転中心軸に関して半径方向内方の第2の
領域においては半径R1(R1=3t)の円弧で、前記
回転中心軸に関して半径方向外方の第1の領域において
は半径R2(R2=6t)の円弧であらわされる。また
図14(d)に示すブレード64は、前記回転方向Fに
関して前方に位置する面30の輪郭線は、全領域におい
て半径R1(R1=3t)の円弧であらわされる。
【0033】図14(e)は他の比較ポンプのブレード
65を示す。該ブレード65はその中央部(中心点40
Bの位置)と先端部(中心点40Cの位置)との間の中
間部(中心点40Dで示す位置)までの、前記ブレード
65の幅方向の中心点40を結ぶ線が前記基部の中心点
40Aと回転中心軸とを結ぶ半径線60上に位置し、前
記中心点40Dと先端部の中心点40Cとを結ぶ線が円
弧状とされて、前記インペラの回転方向に関して前方に
位置している。この結果、前記ブレード65の回転方向
Fに関して前方の面30の輪郭線は、前記基部から中間
部(中心点40Dの位置)までが前記半径線60に平行
な直線、前記中間部から先端部までが半径R1(R1=
3t)の円弧であらわされる。
65を示す。該ブレード65はその中央部(中心点40
Bの位置)と先端部(中心点40Cの位置)との間の中
間部(中心点40Dで示す位置)までの、前記ブレード
65の幅方向の中心点40を結ぶ線が前記基部の中心点
40Aと回転中心軸とを結ぶ半径線60上に位置し、前
記中心点40Dと先端部の中心点40Cとを結ぶ線が円
弧状とされて、前記インペラの回転方向に関して前方に
位置している。この結果、前記ブレード65の回転方向
Fに関して前方の面30の輪郭線は、前記基部から中間
部(中心点40Dの位置)までが前記半径線60に平行
な直線、前記中間部から先端部までが半径R1(R1=
3t)の円弧であらわされる。
【0034】図15および図16に比較試験の結果を示
す。図15はポンプを駆動するモータの設定電圧をそれ
ぞれ6V,8Vおよび12Vとしたときの試験に供した
各ポンプの吐出圧Pと吐出量Qとの関係を示すP−Q特
性の図表である。ここで、前記設定電圧は、比較試験に
用いた各ポンプのモータ始動に要求される最低電圧であ
つて、6Vは低温始動時の最低電圧、8Vは高温始動時
の最低電圧、12Vは常温始動時の最低電圧を示す。ま
た図16は吐出圧Pを一定値(284kPa)とする条
件下で、インペラの回転速度Nと吐出量Qとの関係を示
すN−Q特性の図表である。これらの図において符号6
10,620,630,640,650は、それぞれ図
14(a)−14(e)に示すブレード61,62,6
3,64,65を有するインペラを備えたポンプの特性
線である。
す。図15はポンプを駆動するモータの設定電圧をそれ
ぞれ6V,8Vおよび12Vとしたときの試験に供した
各ポンプの吐出圧Pと吐出量Qとの関係を示すP−Q特
性の図表である。ここで、前記設定電圧は、比較試験に
用いた各ポンプのモータ始動に要求される最低電圧であ
つて、6Vは低温始動時の最低電圧、8Vは高温始動時
の最低電圧、12Vは常温始動時の最低電圧を示す。ま
た図16は吐出圧Pを一定値(284kPa)とする条
件下で、インペラの回転速度Nと吐出量Qとの関係を示
すN−Q特性の図表である。これらの図において符号6
10,620,630,640,650は、それぞれ図
14(a)−14(e)に示すブレード61,62,6
3,64,65を有するインペラを備えたポンプの特性
線である。
【0035】インペラの回転方向に関して各ブレードの
前方に位置する面が回転中心軸に垂直な面内において凹
んだ面に形成された点と、各ブレードの周方向の幅の中
心点は、回転中心に関して半径方向外方の第1の領域に
おいては、前記回転中心に関し半径方向内方の第2の領
域よりも、回転中心軸を通る一半径線に関し少くとも後
方に位置する一直線上に延在し、前記半径方向外方の第
1の領域においては、該一直線は前記回転中心軸を通る
一半径線に関して5度又はそれ以下の角度で交差してい
る点とにより、図15から明らかなように、低温始動時
に燃料噴射弁から噴射される吐出量に余裕があり、低温
始動を確実に行える。即ち、通常噴射弁の低温始動時の
燃圧(吐出圧)は1.2(kg/cm2)以上必要であ
り、図15の低温始動時の最低電圧に相当する6V特性
から判るように、図14(c),図14(d)に示すブ
レード63、64の吐出圧1.2(kg/cm2)時の吐
出量は、符号630、640に示すように微量であるの
に、図14(a),図14(b)に示すブレード61、
62を有するインペラを備えた本発明の実施例ポンプに
おいては、符号610、620に示すように吐出量が1
0(l/h)程度と余裕があり、設定電圧が6V,8Vの
ように低い場合においても安定している。また図16か
ら明らかなように、符号610、620に示す図14
(a)、図14(b)に示すブレード61,62を有す
るインペラを備えた本発明の実施例ポンプにおいては、
ポンプの回転速度が3500rpmから6000rpm
の範囲で直線性を得られるため、吐出量の調節を回転速
度を変化させて行う、回転速度制御方法が可能となる。
とくに5000rpm以下の低吐出量の制御が可能とな
り、回転速度制御がしやすい。図15および図16に見
られるように、本発明の実施例ポンプにおいては、低温
始動時および高温始動時においても吐出量40(l/h)
以下において安定した吐出圧を得ることができるから、
ポンプ始動時の供給開始吐出圧(締め切り吐出圧)とし
て安定した設定吐出圧を供給することができる。なお図
14(b)に示す実施例ポンプの場合、前記傾斜角θが
5度以下であると、図15および図16に示したよう
に、図14(a)に示す従来の摩擦再生ポンプとほぼ同
一の、若しくは良好なる特性を示すが、前記角θが5度
を超えると吐出量が従来の摩擦再生ポンプより低下する
ので、前記角θの上限を5度とする。
前方に位置する面が回転中心軸に垂直な面内において凹
んだ面に形成された点と、各ブレードの周方向の幅の中
心点は、回転中心に関して半径方向外方の第1の領域に
おいては、前記回転中心に関し半径方向内方の第2の領
域よりも、回転中心軸を通る一半径線に関し少くとも後
方に位置する一直線上に延在し、前記半径方向外方の第
1の領域においては、該一直線は前記回転中心軸を通る
一半径線に関して5度又はそれ以下の角度で交差してい
る点とにより、図15から明らかなように、低温始動時
に燃料噴射弁から噴射される吐出量に余裕があり、低温
始動を確実に行える。即ち、通常噴射弁の低温始動時の
燃圧(吐出圧)は1.2(kg/cm2)以上必要であ
り、図15の低温始動時の最低電圧に相当する6V特性
から判るように、図14(c),図14(d)に示すブ
レード63、64の吐出圧1.2(kg/cm2)時の吐
出量は、符号630、640に示すように微量であるの
に、図14(a),図14(b)に示すブレード61、
62を有するインペラを備えた本発明の実施例ポンプに
おいては、符号610、620に示すように吐出量が1
0(l/h)程度と余裕があり、設定電圧が6V,8Vの
ように低い場合においても安定している。また図16か
ら明らかなように、符号610、620に示す図14
(a)、図14(b)に示すブレード61,62を有す
るインペラを備えた本発明の実施例ポンプにおいては、
ポンプの回転速度が3500rpmから6000rpm
の範囲で直線性を得られるため、吐出量の調節を回転速
度を変化させて行う、回転速度制御方法が可能となる。
とくに5000rpm以下の低吐出量の制御が可能とな
り、回転速度制御がしやすい。図15および図16に見
られるように、本発明の実施例ポンプにおいては、低温
始動時および高温始動時においても吐出量40(l/h)
以下において安定した吐出圧を得ることができるから、
ポンプ始動時の供給開始吐出圧(締め切り吐出圧)とし
て安定した設定吐出圧を供給することができる。なお図
14(b)に示す実施例ポンプの場合、前記傾斜角θが
5度以下であると、図15および図16に示したよう
に、図14(a)に示す従来の摩擦再生ポンプとほぼ同
一の、若しくは良好なる特性を示すが、前記角θが5度
を超えると吐出量が従来の摩擦再生ポンプより低下する
ので、前記角θの上限を5度とする。
【図1】本発明による摩擦再生ポンプの要部を示す概要
断面図、
断面図、
【図2】図1の線II−IIに沿う断面図、
【図3】本発明による摩擦再生ポンプの一実施例を用い
た燃料ポンプの縦断面図、
た燃料ポンプの縦断面図、
【図4】図3に示す実施例におけるポンプの拡大断面
図、
図、
【図5】前記ポンプにおけるアウタボデイの平面図、
【図6】前記ポンプにおける隔壁プレートの底面図、
【図7】前記ポンプにおける隔壁プレートの平面図、
【図8】前記ポンプにおけるインナボデイの底面図、
【図9】前記ポンプにおけるインペラの平面図、
【図10】前記ポンプにおけるインペラの周縁部の一部
拡大平面図、
拡大平面図、
【図11】図9および図10に示すインペラの変形例の
平面図、
平面図、
【図12】本発明による摩擦再生ポンプの他の実施例を
用いた燃料ポンプの縦断面図、
用いた燃料ポンプの縦断面図、
【図13】図12に示す実施例におけるポンプの拡大断
面図、
面図、
【図14】本発明のポンプインペラのブレードの断面形
状(a)および(b)を、比較例のポンプインペラのブ
レードの断面形状(c),(d)および(e)とともに
輪郭線で示した図、
状(a)および(b)を、比較例のポンプインペラのブ
レードの断面形状(c),(d)および(e)とともに
輪郭線で示した図、
【図15】本発明のポンプの吐出圧と流量との関係を、
比較例のポンプのそれとともに示した線図、
比較例のポンプのそれとともに示した線図、
【図16】本発明のポンプのインペラの回転速度と流量
との関係を、比較例のポンプのそれと比較して示した線
図、
との関係を、比較例のポンプのそれと比較して示した線
図、
【図17】従来の一般的な摩擦再生ポンプの要部拡大断
面図、
面図、
【図18】図17のXVIII−XVIII線に沿う断
面図、
面図、
【図19】公知の改良型摩擦再生ポンプの要部拡大断面
図、
図、
【図20】図19のXX−XX線に沿う断面図。
10 基板 11,11A,11B ポンプチヤンバ 12 アウタボデイ 13 流入管 14,14A,14B 内側壁 15,21,22,28 溝状壁面 16 流入口 17,17A,17B 壁面 18,18A,18B 内周壁 19 隔壁プレート 25 インナボデイ 29 吐出口 31,31A,31B インペラ 33 ブレード 34 凹溝 36,36A,36B 流体通路 40,40A,40B,40C 幅方向中心点 41 モータ 42 カバー 46 ロータ 47 駆動軸
Claims (1)
- 【請求項1】 ハウジング、 該ハウジングに軸により回転自在に支承され、その両側
面が前記軸に垂直な面内において回転せしめられる平坦
な円盤状の基板と、該基板の周縁部において、該周縁部
の両側面に形成された複数個の凹溝と、これらの凹溝の
間に在つて前記基板に関しほぼ半径方向に位置するブレ
ードとを備えたインペラ、および前記ハウジングに形成
され、前記インペラの基板の平坦な両側面に対向する平
坦な内側壁と、前記ブレードの先端縁と対向する円筒状
の内周壁と、前記内側壁と内周壁とを接続するととも
に、前記ハウジングに形成した流入口と吐出口とを連結
する弧状の溝状壁面とを備え、その内部に前記インペラ
を収容するポンプチヤンバ、とよりなる摩擦再生ポンプ
において、 前記インペラに形成した各ブレードは、前記インペラの
回転方向に関して前方に位置する面が前記回転中心軸に
垂直な面内において凹んだ面に形成され、かつ前記回転
中心軸に垂直な面内における前記ブレードの周方向の幅
の中心点は、前記回転中心に関して半径方向外方の第1
の領域においては、前記回転中心軸に関して半径内方の
第2の領域よりも、前記回転中心軸を通る一半径線に関
して前記インペラの回転方向に関し少なくとも後方に位
置する一直線上に延在せしめられ、前記回転中心軸に関
して半径方向外方の第1の領域においては、該一直線は
前記回転中心軸を通る一半径線に関して5度またはそれ
以下の角度で交叉していることを特徴とする摩擦再生ポ
ンプ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7210218A JP2984582B2 (ja) | 1994-08-01 | 1995-07-27 | 摩擦再生ポンプ |
DE1995139909 DE19539909B4 (de) | 1995-07-27 | 1995-10-26 | Peripheralpumpe |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18031894 | 1994-08-01 | ||
JP6-180318 | 1994-08-01 | ||
JP7210218A JP2984582B2 (ja) | 1994-08-01 | 1995-07-27 | 摩擦再生ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08100780A JPH08100780A (ja) | 1996-04-16 |
JP2984582B2 true JP2984582B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=26499885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7210218A Expired - Fee Related JP2984582B2 (ja) | 1994-08-01 | 1995-07-27 | 摩擦再生ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2984582B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
US6113363A (en) * | 1999-02-17 | 2000-09-05 | Walbro Corporation | Turbine fuel pump |
JP3600500B2 (ja) | 2000-03-31 | 2004-12-15 | 株式会社エンプラス | 円周流ポンプ用インペラ |
JP4552221B2 (ja) * | 2000-04-14 | 2010-09-29 | 株式会社デンソー | 燃料ポンプ |
US6425733B1 (en) * | 2000-09-11 | 2002-07-30 | Walbro Corporation | Turbine fuel pump |
DE10048695A1 (de) * | 2000-09-30 | 2002-04-11 | Leybold Vakuum Gmbh | Pumpe als Seitenkanalpumpe |
US6974302B2 (en) | 2002-06-06 | 2005-12-13 | Hitachi Unisia Automotive, Ltd. | Turbine fuel pump |
JP4505797B2 (ja) * | 2004-04-07 | 2010-07-21 | 株式会社デンソー | インペラおよびそれを用いた流体ポンプ |
JP4672420B2 (ja) * | 2005-04-08 | 2011-04-20 | 愛三工業株式会社 | 燃料ポンプ |
JP2022053726A (ja) * | 2020-09-25 | 2022-04-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 渦流ポンプ |
-
1995
- 1995-07-27 JP JP7210218A patent/JP2984582B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08100780A (ja) | 1996-04-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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