JP2984567B2 - 平判瓦 - Google Patents

平判瓦

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JP2984567B2
JP2984567B2 JP7009617A JP961795A JP2984567B2 JP 2984567 B2 JP2984567 B2 JP 2984567B2 JP 7009617 A JP7009617 A JP 7009617A JP 961795 A JP961795 A JP 961795A JP 2984567 B2 JP2984567 B2 JP 2984567B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全体として平板状を成
す平判瓦に関するものである。
【0002】
【従来の技術】屋根を葺くために用いられる瓦材は、一
般に、横列方向の両側部のうちの一方に設けられて隣接
する瓦の下に差し入れられる襟部と、横列方向の両側部
のうちの他方に設けられて隣接する瓦の上に重ねられる
桟部と、縦列方向の上側端部に設けられて隣接する瓦の
下に差し入れられる尻部と、縦列方向の下側端部に設け
られて隣接する瓦の上に重ねられる頭部とを備えてい
る。和瓦は、水を流すために全体として凹状に湾曲させ
られるとともに、横列方向の一端に位置する桟部が横に
隣接する瓦の他端の上に重ねられるように凸状に湾曲さ
せられている。また、S字状瓦は、半円状の凹および凸
が連続させられて横断面がS字状に形成され、凸状の桟
部が横に隣接する瓦の他端の上に重ねられるようになっ
ている。
【0003】そして、上記の瓦は、通常、屋根の下地面
上に土を介して或いは直接に載置されて、縦列方向およ
び横列方向に整列した状態となるように順次配列され
る。
【0004】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記和瓦やS字状
瓦のように、桟部が持ち上がっている形式の瓦において
は、屋根の下地面に配列されるに際して瓦の位置決めが
困難であり、熟練した屋根葺き職人に頼らざるを得なか
った。すなわち、桟部が持ち上がっている形式の瓦は、
特に横列方向における相互の位置が決められないことか
ら、たとえば瓦位置の基準とする縦列方向の糸を横列方
向に所定の間隔を有するように予め張設し、その糸に沿
って瓦を縦列方向に位置決めすることにより、屋根を葺
く必要があったのである。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、瓦相互の位置決
めを容易とすることにより屋根を容易に葺くことのでき
る平判瓦を提供することにある。
【0006】
【0007】
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、横列方向の両
側部のうちの一方に設けられて隣接する瓦の下に差し入
れられる襟部と、横列方向の両側部のうちの他方に設け
られて隣接する瓦の上に重ねられる桟部と、縦列方向の
上側端部に設けられて隣接する瓦の下に差し入れられる
尻部と、縦列方向の下側端部に設けられて隣接する瓦の
上に重ねられる頭部とを備え、全体として平板状を成し
且つ前記桟部が凸状に盛り上げられてその横断面が湾曲
させられた形式の平判瓦であって、(a) 前記桟部の裏面
側であって横列方向に隣接する瓦の表面に近接させられ
る近接面に、前記縦列方向と平行に設けられた縦方向凹
溝と、(b) 横列方向に隣接する瓦の縦方向凹溝に嵌め入
れられるために、前記襟部の表面において前記縦列方向
と平行方向に連続した状態で突設された縦方向水返し突
条とを、含むことにある。
【0009】
【作用および第1発明の効果】このようにすれば、平判
瓦の桟部の裏面側であって横列方向に隣接する瓦の表面
に近接させられる近接面に縦列方向と平行に設けられた
縦方向凹溝と、襟部の表面において縦列方向と平行方向
に連続した状態で突設された縦方向水返し突条とが相互
に嵌め入れられることにより、相互の横列方向位置が決
定される。したがって、平判瓦の相互の横列方向位置が
容易に決定されるので、熟練を要することなく屋根を葺
くことができる。また、上記縦方向凹溝と縦方向水返し
突条とが相互に嵌め入れられることにより、襟部の上面
と桟部の裏面との間の水密性能が高められるので、暴風
雨時などにおける雨漏れが好適に防止される。
【0010】ここで、上記第1発明の好適な態様では、
前記襟部の端縁に沿って連続し、その襟部の表面に所定
高さで立設された縦方向連続壁と、その縦方向連続壁と
前記縦方向水返し突条との間に設けられて、その縦方向
連続壁および前記縦方向水返し突条と平行な平行部とそ
の平行部の上端部から前記尻部へ向かう程その縦方向連
続壁に接近してそれに接続する傾斜部とを備えた水寄せ
突条とが、さらに設けられる。このようにすれば、上記
第1発明と同様の効果が得られるのに加えて、平判瓦の
上面であって縦方向連続壁と縦方向水返し突条との間に
おいて流れる水が、水寄せ突条によって縦方向水返し突
条側へ寄せられるので、一層雨漏れが防止される。
【0011】また、前記縦方向水返し突条には、その上
端部から前記尻部へ向かう程縦方向連続壁に接近し且つ
その接近位置が前記水寄せ突条の平行部が位置する平判
瓦の幅方向位置以上にその縦方向連続壁側となる傾斜部
が備えられる。このようにすれば、平判瓦の上面におい
て水寄せ突条により縦方向水返し突条側へ寄せられた水
は、縦列方向下側に位置する平判瓦の上面に流れ落ちた
後には、上記縦方向水返し突条の傾斜部によってその縦
方向水返し突条よりもさらに桟部側へ寄せられるので、
さらに雨漏れが防止される。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、横列方向の両
側部のうちの一方に設けられて隣接する瓦の下に差し入
れられる襟部と、横列方向の両側部のうちの他方に設け
られて隣接する瓦の上に重ねられる桟部と、縦列方向の
上側端部に設けられて隣接する瓦の下に差し入れられる
尻部と、縦列方向の下側端部に設けられて隣接する瓦の
上に重ねられる頭部とを備え、全体として平板状を成し
且つ前記桟部が凸状に盛り上げられてその横断面が湾曲
させられた形式の平判瓦であって、(a) 前記頭部の裏面
側であって縦列方向に隣接する瓦の表面に近接させられ
る近接面に、前記横列方向と平行に設けられた横方向凹
溝と、(b) 隣接する瓦の横方向凹溝に嵌め入れられるた
めに、前記尻部の表面において前記横列方向と平行方向
に連続した状態で突設された横方向水返し突条とを、含
むことにある。
【0013】
【作用および第2発明の効果】このようにすれば、平判
瓦の頭部の裏面側であって縦列方向に隣接する瓦の表面
に近接させられる近接面に横列方向と平行に設けられた
横方向凹溝と、平判瓦の尻部の表面において横列方向と
平行方向に連続した状態で突設された横方向水返し突条
とが相互に嵌め入れられることにより、相互の縦列方向
位置が決定される。したがって、平判瓦の相互の縦列方
向位置が容易に決定されるので、熟練を要することなく
屋根を葺くことができる。また、上記横方向凹溝と横方
向水返し突条とが相互に嵌め入れられることにより、尻
部の上面と頭部の裏面との間の水密性能が高められるの
で、暴風雨時などにおける雨漏れが好適に防止される。
【0014】
【課題を解決するための第3の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、横列方向の両
側部のうちの一方に設けられて隣接する瓦の下に差し入
れられる襟部と、横列方向の両側部のうちの他方に設け
られて隣接する瓦の上に重ねられる桟部と、縦列方向の
上側端部に設けられて隣接する瓦の下に差し入れられる
尻部と、縦列方向の下側端部に設けられて隣接する瓦の
上に重ねられる頭部とを備え、全体として平板状を成し
且つ前記桟部が凸状に盛り上げられてその横断面が湾曲
させられた形式の平判瓦であって、(a) 前記襟部の端縁
に沿って前記尻部側の端面に到達するまで連続し、その
襟部の表面に所定高さで立設された縦方向連続壁と、
(b) 縦列方向に隣接する瓦の縦方向連続壁との干渉を避
けるために前記襟部の頭部側の裏面において形成され、
縦方向連続壁の尻部側の端部を受け入れる切欠とを、含
むことにある。
【0015】
【作用および第3発明の効果】このようにすれば、平判
瓦の襟部の端縁に沿って前記尻部側の端面に到達するま
で連続し、その襟部の表面に所定高さで立設された縦方
向連続壁が設けられる一方、前記襟部の頭部側の裏面に
おいて形成されて上記縦方向連続壁の尻部側の端部を受
け入れる切欠が設けられることにより、平判瓦の縦方向
連続壁がその上に載置される平判瓦の襟部の頭部側端部
と干渉することが回避される。また、本発明によれば、
切欠の内壁面に縦方向連続壁の尻側端部を当接させるこ
とにより、平判瓦の相互の縦列方向位置が決定される。
したがって、平判瓦の相互の縦列方向位置が容易に決定
されるので、熟練を要することなく屋根を葺くことがで
きる。また、上記平判瓦の襟部の端縁に沿って連続して
立設された縦方向連続壁は、平判瓦の襟部における水返
し作用を有するので、暴風雨時などにおける雨漏りを好
適に防止できる。しかも、その水返し作用を有する縦方
向連続壁によって瓦全体を平板状とすることができるこ
とから、凹状に湾曲した従来の瓦に比較して、平判瓦相
互の隙間或いは屋根の下地面との間の隙間が少なくなっ
て密着性が高められるので、一層強風に耐えることがで
きる。さらに、上記縦方向連続壁は尻部側の端面に到達
するまで連続して形成されていることから、平判瓦をそ
の尻部を下にして平面上において垂直に立てることが容
易となるので、従来の和瓦やS字状瓦と同様の姿勢で窯
詰めができ、高い焼成効率が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例である平判瓦を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は平判瓦10の表面を示す正面図であ
り、図2は平判瓦10の裏面を示す背面図である。図3
は平判瓦10の上端面を示す平面図であり、図4は平判
瓦10の下端面を示す底面図である。また、図5は平判
瓦10の左側面図であり、図6は平判瓦10の右側面図
である。
【0018】平判瓦10は、全体として平板状を成し、
図示しない屋根の傾斜した下地面上に土を介して或いは
直接に載置されるものであって、図7および図8に示す
ように、端部が隣接する平判瓦10の上または下に重ね
られた状態で縦列方向および横列方向の一直線に沿って
整列した状態となるようにすなわち、配列方向に平行な
端面が略一致するように順次配列される。図7は平判瓦
10a とその縦列方向において上側に隣接する平判瓦1
0b とをそれらの正面から示す図であって、破線は平判
瓦10a の外形状を示す透視線を示しており、雨水は図
7の上方から下方へ向かって流れ下る。また、一点鎖線
は横列方向において平判瓦10a の右側に隣接する平判
瓦10c を示し、二点鎖線は平判瓦10b の横列方向に
おいて右側に隣接する平判瓦10d を示している。ま
た、図8は、横列方向の配列状態を示すために、平判瓦
10a および10c をそれらの上端面から見た図であ
る。
【0019】平判瓦10は、その横列方向の右側部に設
けられて隣接する平判瓦10の下に差し入れられる襟部
12と、横列方向の左側部に設けられて隣接する平判瓦
10の襟部12の上に重ねられる桟部14と、縦列方向
の上側部に設けられて隣接する平判瓦10の下に差し入
れられる尻部16と、縦列方向の下側部に設けられて隣
接する平判瓦10の尻部16の上に重ねられる頭部18
と、図示しない屋根の下地に横列方向に平行に設けられ
た掛止部材に掛け止めるために尻部16の裏面に突設さ
れた一対の掛止部20とを備えている。上記桟部14
は、平板状を成す他の部分よりも盛り上げられることに
より上方向に突き出した凸形状に形成され、その横断面
が凸状に湾曲させられている。
【0020】上記襟部12には、その端縁に沿って連続
し且つその襟部12の表面に所定の高さで突き出す縦方
向連続壁24が立設されている。この縦方向連続壁24
は、襟部12の端面に連続する垂直面とその垂直面に対
して傾斜した傾斜面とにより囲まれることにより先端に
向かう厚み寸法が小さくなる直角三角形状の横断面とな
るように形成されており、尻部16側の端面および頭部
18側の端面に到達するまで連続させられている。上記
縦方向連続壁24は、水返しとしての機能を果たすため
に充分な高さH1 を備えており、平判瓦10の桟部14
以外の部分を平板状とすることを可能としている。
【0021】上記桟部14の裏面は凹状を成しており、
その凹状の裏面内において横列方向に所定の間隔を隔て
て位置する2対の突起26、28の間には、横列方向に
隣接する平判瓦10の縦方向連続壁24と係合する一対
の係合面30、32から構成される係合溝34が形成さ
れている。これにより、平判瓦10の配列状態において
は、上記係合面30、32と前記縦方向連続壁24との
係合により、平判瓦10の相互の横列方向位置が決めら
れるようになっている。図9は、図1の断面図であり、
縦方向連続壁24およびそれと係合する係合溝34など
を示している。
【0022】前記桟部14の裏面側であって横列方向に
隣接する平判瓦10の表面に略接触するまで近接させら
れる近接面38には、前記縦列方向と平行に形成された
縦方向凹溝40が設けられている。また、前記襟部12
の表面においては、前記縦列方向と平行方向に連続する
平行部42とその上端部から尻部16へ向かう程縦方向
連続壁24に接近する傾斜部44とから成る縦方向水返
し突条46が、縦方向連続壁24の高さH1 よりも低く
設定された所定の高さH3 で突設されており、平判瓦1
0の配列状態において、横列方向に隣接する平判瓦10
の桟部14の裏面に形成された縦方向凹溝40に上記平
行部42が嵌め入れられるようになっている。上記縦方
向凹溝40とそれに嵌め入れられる縦方向水返し突条4
6とは、平判瓦10の襟部12とその上に重ねられる平
判瓦10の桟部14との間を水密機能を高めると同時
に、係合溝34が設けられない場合には横列方向の平判
瓦10の相互の位置決め機能を果たすものである。
【0023】上記縦方向連続壁24と縦方向水返し突条
46との間には、縦方向連続壁24および縦方向水返し
突条46の平行部42と平行な平行部48とその平行部
48の上端部から尻部16へ向かう程縦方向連続壁24
に接近してそれに接続する傾斜部50とを備えた水寄せ
突条52が縦方向連続壁24の高さH1 と縦方向水返し
突条46の高さH3 との中間に設定された所定の高さH
2 で立設されている。この水寄せ突条52は、平判瓦1
0の上面であって縦方向連続壁24と縦方向水返し突条
46との間において下側へ流れ下る水を縦方向水返し突
条46側へ寄せる機能を備えている。図7の矢印Aは水
寄せ突条52により寄せられた水の流線を示している。
【0024】また、前記縦方向水返し突条46の傾斜部
44は、縦方向連続壁24に接近するその先端が水寄せ
突条52の平行部48が位置する平判瓦10の幅方向位
置付近またはそれ以上に縦方向連続壁24側となるよう
に形成されている。すなわち、上記傾斜部44の先端部
と襟部12側端面との間の距離D1 は、上記平行部48
と襟部12側端面との間の距離D2 以下となるように形
成されているのである。これにより、平判瓦10の上面
において水寄せ突条52により縦方向水返し突条46側
へ寄せられた水は、縦列方向下側に位置する平判瓦10
の上面に流れ落ちた後には、上記縦方向水返し突条46
の傾斜部44によってその縦方向水返し突条46よりも
さらに桟部14側へ寄せられる。図7の矢印Bは縦方向
水返し突条46の傾斜部44によって寄せられた水の流
線を示している。
【0025】平判瓦10の頭部18の裏面側であって縦
列方向の下側に隣接する平判瓦10の上に重ねられる面
には、横列方向と平行の横方向凹溝58が設けられてい
る。また、平判瓦10の尻部16の表面には、横列方向
と平行な方向に連続する横方向水返し突条60が縦方向
水返し突条46の高さH3 と同様の高さH4 にて突設さ
れており、平判瓦10の配列状態において、縦列方向に
隣接する平判瓦10の頭部18の裏面に形成された横方
向凹溝58が嵌め入れられるようになっている。上記横
方向凹溝58とそれに嵌め入れられる横方向水返し突条
60とは、平判瓦10の尻部16とその上に重ねられる
平判瓦10の頭部18との間の水密機能を高めると同時
に、縦列方向の平判瓦10の相互の位置決め機能を果た
すものである。
【0026】また、平判瓦10の尻部16には、その端
縁に沿って連続する横方向連続壁62が横方向水返し突
条60の高さH4 よりも高い高さH5 にて突設されてい
る。この横方向連続壁62は、その両端が桟部14と縦
方向連続壁24とに接続されており、水返し機能を高め
ている。
【0027】そして、平判瓦10の襟部12の頭部18
側の裏面には、襟部12の端縁に高さH1 にて立設され
た縦方向連続壁24と縦列方向の上側に隣接する平判瓦
10の襟部12との干渉を避けるために縦方向連続壁2
4の尻部16側の端部を受け入れる切欠64が形成され
ている。この切欠64は、傾斜した傾斜内壁面66と直
角三角形状の底壁面68とにより囲まれた所定の縦方向
長さLを有する角柱形状の空間を形成しており、その切
欠64の横断面形状は、縦方向連続壁24の横断面形状
と同様の直角三角形状に形成されることにより、縦方向
連続壁24の斜面と切欠64の傾斜内壁面66とが略接
触する程度に近接させられるようになっており、平判瓦
10の配列状態における水密機能が高められている。
【0028】また、上記切欠64は、その底壁面68を
縦方向連続壁24の尻部16側の端面と当接させること
により、平判瓦10の縦列方向の相互の位置決めをする
機能も備えている。したがって、前記横方向凹溝58お
よび横方向水返し突条60が設けられていない場合で
も、平判瓦10の縦列方向の相互の位置決めが容易に可
能となる。
【0029】なお、平判瓦10において、襟部12の頭
部18側に設けられた矩形の切欠70、および桟部14
の尻部16側に設けられた矩形の切欠72は、例えば図
7に示すように、共通の平判瓦10a の上に重ねられて
対角線方向に隣接する平判瓦10b の襟部12の頭部1
8側の端部と平判瓦10c の桟部14の尻部16側の端
部との相互の干渉を回避させ、且つ平判瓦10b の襟部
12の頭部18側の端面と平判瓦10c の桟部14の尻
部16側の端面との組み合わせ位置が縦列方向において
平判瓦10a の尻部16側端面と平判瓦10d の頭部1
8側端面との間に位置させるためのものである。
【0030】上述のように、本実施例によれば、平判瓦
10の襟部12の端縁に沿って連続して所定の高さH1
で立設された縦方向連続壁24と平判瓦10の桟部14
の裏面に設けられた係合溝34の係合面30或いは32
とが相互に係合させられることにより、平判瓦10の相
互の横列方向位置が容易に決定されるので、熟練を要す
ることなく屋根を葺くことができる。また、上記襟部1
2の端縁に沿って連続して立設された縦方向連続壁24
は、襟部12における水返し作用を有するので、暴風雨
時などにおける雨漏りを好適に防止できる。しかも、そ
の水返し作用を有する縦方向連続壁24によって平判瓦
10全体を平板状とすることができることから、凹状に
湾曲した従来の瓦に比較して、平判瓦10の相互の積み
重ね方向の隙間或いは屋根の下地面との間の隙間が少な
くなって密着性が高められるので、一層強風に耐えるこ
とができる。
【0031】また、本実施例によれば、平判瓦10の桟
部14の裏面側であって横列方向に隣接する平判瓦10
の表面に近接させられる近接面38に縦列方向と平行に
設けられた縦方向凹溝40と、襟部12の表面において
縦列方向と平行方向に連続した状態で突設された縦方向
水返し突条46とが相互に嵌め入れられることにより、
平判瓦10の相互の横列方向位置が容易に決定されるの
で、熟練を要することなく屋根を葺くことができる。ま
た、上記縦方向凹溝40と縦方向水返し突条46とが相
互に嵌め入れられることにより、襟部12の上面と桟部
14の裏面との間の水密性能が高められるので、暴風雨
時などにおける雨漏れが好適に防止される。
【0032】また、本実施例によれば、縦方向連続壁2
4と縦方向水返し突条46との間に設けられて、その縦
方向連続壁24および縦方向水返し突条46と平行な平
行部48とその平行部48の上端部から尻部16へ向か
う程縦方向連続壁24に接近してそれに接続する傾斜部
50とを備えた水寄せ突条52が、さらに設けられるこ
とから、平判瓦10の上面であって縦方向連続壁24と
縦方向水返し突条46との間において流れる水が、水寄
せ突条52によって縦方向水返し突条46側へ寄せられ
るので、一層雨漏れが防止される。
【0033】また、本実施例によれば、縦方向水返し突
条46には、その上端部から尻部16へ向かう程縦方向
連続壁24に接近し且つ先端位置が水寄せ突条52の平
行部48が位置する平判瓦10上の幅方向位置以上に縦
方向連続壁24側となる傾斜部44が備えられているの
で、平判瓦10の上面において水寄せ突条52により縦
方向水返し突条46側へ寄せられた水は、縦列方向下側
に位置する平判瓦10の上面に流れ落ちた後には、縦方
向水返し突条46の傾斜部44によってその縦方向水返
し突条46よりもさらに桟部14側へ寄せられるので、
さらに雨漏れが防止される。
【0034】また、本実施例によれば、平判瓦10の頭
部18の裏面側であって縦列方向に隣接する平判瓦10
の尻部16上に重ねられる部分に横列方向と平行に設け
られた横方向凹溝58と、平判瓦10の尻部16の表面
において横列方向と平行方向に連続した状態で突設され
た横方向水返し突条60とが相互に嵌め入れられること
により、相互の縦列方向位置が容易に決定されるので、
熟練を要することなく屋根を葺くことができる。また、
上記横方向凹溝58と横方向水返し突条60とが相互に
嵌め入れられることにより、尻部16の上面と頭部18
の裏面との間の水密性能が高められるので、暴風雨時な
どにおける雨漏れが好適に防止される。
【0035】また、本実施例によれば、縦方向連続壁2
4が平判瓦10の襟部12の端縁に沿って尻部16側の
端面に到達するまで連続して設けられる一方、襟部12
の頭部18側の裏面に形成されて上記縦方向連続壁24
の尻部16側の端部を受け入れる切欠64が設けられる
ことにより、平判瓦10の縦方向連続壁24がその上に
載置される平判瓦10の襟部12の頭部18側端部と干
渉することが回避される。また、切欠64の底壁面68
に縦方向連続壁24の尻部16側端部を当接させること
により、平判瓦10の相互の縦列方向位置が容易に決定
されるので、熟練を要することなく屋根を葺くことがで
きる。また、上記平判瓦10の襟部12の端縁に沿って
連続して立設された縦方向連続壁24は、平判瓦10の
襟部12における水返し作用を有するので、平判瓦10
の全体、詳細には桟部14以外の部分を平板状とするこ
とができることから、平判瓦10相互の隙間或いは屋根
の下地面との間の隙間が少なくなって密着性が高められ
るので、一層強風に耐えることができる。さらに、上記
縦方向連続壁24は尻部16側の端面に到達するまで連
続して形成されていることから、平判瓦10をその尻部
16を下にして平面上において垂直に立てることが容易
となるので、従来の和瓦やS字状瓦と同様の姿勢で窯詰
めができ、高い焼成効率が得られる。
【0036】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0037】たとえば、前述の実施例の縦方向連続壁2
4は尻部16側の端面まで到達して形成されているが、
必ずしも尻部16側の端面まで到達していなくても、一
応の横列方向の位置決め作用および水返し作用が得られ
る。また、その縦方向連続壁24は直角三角形状の横断
面であったが、矩形などの他の断面形状であってもよ
い。このような場合には、切欠64の横断面形状は縦方
向連続壁24と同様の形状とされることにより、上記縦
方向連続壁24の上端部と切欠64の内壁面とが略接触
する程度に近接させられて水密機能が高められる。
【0038】また、前述の実施例では、縦方向連続壁2
4と係合するために係合溝34が2個所に設けられた2
対の突起26および28によりそれぞれ構成されていた
が、長手方向に連続する溝となるように形成されてもよ
い。また、上記係合溝34は、突起26および28によ
り構成されていたが、それらのうちの一方だけが設けら
れることにより係合面30および32のうちの一方によ
り構成されてもよい。
【0039】また、前述の実施例の平判瓦10では、縦
方向連続壁24およびそれと係合するための係合溝34
と、縦方向凹溝40およびそれに嵌め入れられる縦方向
水返し突条46とがそれぞれ設けられていたが、それら
のうちのいずれも横列方向の位置決め作用を備えている
ので、いずれか一方だけが設けられていてもよいのであ
る。
【0040】また、前述の実施例の平判瓦10では、横
方向凹溝58およびそれに嵌め入れられる縦方向水返し
突条60と、縦方向連続壁24およびその尻部16側端
面に当接させられる切欠64の底壁面68とがそれぞれ
設けられていたが、それらのうちのいずれも縦列方向の
位置決め作用を備えているので、いずれか一方だけが設
けられていてもよいのである。
【0041】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の平判瓦を示す正面図であ
る。
【図2】図1の実施例の平判瓦を示す裏面図である。
【図3】図1の実施例の平判瓦の上端面を示す平面図で
ある。
【図4】図1の実施例の平判瓦の下端面を示す底面図で
ある。
【図5】図1の実施例の平判瓦の左側面図である。
【図6】図1の実施例の平判瓦の右側面図である。
【図7】図1の実施例の平判瓦の配列状態を説明する図
であって、上方から見た図である。
【図8】図1の実施例の平判瓦の配列状態を説明する図
であって、上端面側から見た図である。
【図9】図1のIX−IX視断面図である。
【符号の説明】
10:平判瓦 12:襟部 14:桟部 16:尻部 18:頭部 24:縦方向連続壁 34:係合溝 38:近接面 40:縦方向凹溝 46:縦方向水返し突条 52:水寄せ突条 58:横方向凹溝 60:横方向水返し突条 64:切欠

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横列方向の両側部のうちの一方に設けら
    れて隣接する瓦の下に差し入れられる襟部と、横列方向
    の両側部のうちの他方に設けられて隣接する瓦の上に重
    ねられる桟部と、縦列方向の上側端部に設けられて隣接
    する瓦の下に差し入れられる尻部と、縦列方向の下側端
    部に設けられて隣接する瓦の上に重ねられる頭部とを備
    え、全体として平板状を成し且つ前記桟部が凸状に盛り
    上げられてその横断面が湾曲させられた形式の平判瓦で
    あって、 前記桟部の裏面側であって横列方向に隣接する瓦の表面
    に近接させられる近接面に、前記縦列方向と平行に設け
    られた縦方向凹溝と、 隣接する瓦の縦方向凹溝に嵌め入れられるために、前記
    襟部の表面において前記縦列方向と平行方向に連続した
    状態で突設された縦方向水返し突条とを含むことを特徴
    とする平判瓦。
  2. 【請求項2】 前記襟部の端縁に沿って連続し、該襟部
    の表面に所定高さで立設された縦方向連続壁と、 該縦方向連続壁と前記縦方向水返し突条との間に設けら
    れ、該縦方向連続壁および前記縦方向水返し突条と平行
    な平行部と該平行部の上端部から前記尻部へ向かう程該
    縦方向連続壁に接近してそれに接続する傾斜部とを備え
    た水寄せ突条と、 を含むものである請求項1の平判瓦。
  3. 【請求項3】 横列方向の両側部のうちの一方に設けら
    れて隣接する瓦の下に差し入れられる襟部と、横列方向
    の両側部のうちの他方に設けられて隣接する瓦の上に重
    ねられる桟部と、縦列方向の上側端部に設けられて隣接
    する瓦の下に差し入れられる尻部と、縦列方向の下側端
    部に設けられて隣接する瓦の上に重ねられる頭部とを備
    え、全体として平板状を成し且つ前記桟部が凸状に盛り
    上げられてその横断面が湾曲させられた形式の平判瓦で
    あって、 前記頭部の裏面側であって縦列方向に隣接する瓦の表面
    に近接させられる近接面に、前記横列方向と平行に設け
    られた横方向凹溝と、 隣接する瓦の横方向凹溝に嵌め入れられるために、前記
    尻部の表面において前記横列方向と平行方向に連続した
    状態で突設された横方向水返し突条とを含むことを特徴
    とする平判瓦。
  4. 【請求項4】 横列方向の両側部のうちの一方に設けら
    れて隣接する瓦の下に差し入れられる襟部と、横列方向
    の両側部のうちの他方に設けられて隣接する瓦の上に重
    ねられる桟部と、縦列方向の上側端部に設けられて隣接
    する瓦の下に差し入れられる尻部と、縦列方向の下側端
    部に設けられて隣接する瓦の上に重ねられる頭部とを備
    え、全体として平板状を成し且つ前記桟部が凸状に盛り
    上げられてその横断面が湾曲させられた形式の平判瓦で
    あって、 前記襟部の端縁に沿って前記尻部側の端面に到達するま
    で連続し、該襟部の表面に所定高さで立設された縦方向
    連続壁と、 縦列方向に隣接する瓦の縦方向連続壁との干渉を避ける
    ために前記襟部の頭部側の裏面において形成され、該縦
    方向連続壁の尻部側の端部を受け入れる切欠とを含むこ
    とを特徴とする平判瓦。
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