JP2983868B2 - 粉体塗料およびそれを使用した粉体塗装方法 - Google Patents

粉体塗料およびそれを使用した粉体塗装方法

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    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B5/00Electrostatic spraying apparatus; Spraying apparatus with means for charging the spray electrically; Apparatus for spraying liquids or other fluent materials by other electric means
    • B05B5/025Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns
    • B05B5/047Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns using tribo-charging

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  • Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜塗装に適した粉体塗
およびそれを使用した粉体塗装方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、溶剤塗料に比べ、揮発分・
臭気とも少ないため公害対策および環境規制の面で非常
に有益であることは周知である。従来より、コロナ帯電
方式のスプレーガンが粉体塗料塗装に使用されている。
この方式では、スプレーガンの先端に設けられたコロナ
電極から生成されたコロナイオンによって帯電された粉
体塗料が、導電体である被塗物と電極との間に形成され
た電界及び空気流に沿って飛翔して被塗物に付着する。
【0003】このコロナ帯電方式には、2つの大きな問
題点があることが分かっている。1つはファラデーケー
ジ効果と呼ばれ、電界(電気力線)が被塗物の凹部に形
成されないため粉体塗料が凹部には少量しか付着せず、
逆に電気力線が集中するエッジ部には多量に付着すると
いう現象である。他の1つは逆電離現象と呼ばれ、被塗
物上に堆積された粉体塗料及び遊離コロナイオンの蓄積
電荷が大きくなりすぎて火花放電を生じ、塗装面にクレ
ータ状の不良箇所を生じる現象である。
【0004】これらの問題を解決するため、近年、トリ
ボ帯電方式スプレーガンが使用されてきている。この方
式では、粉体塗料がスプレーガン内壁との摩擦によって
帯電し、空気流のみによって被塗物まで飛翔して付着す
る。この方式によれば電界が形成されないので、凹部へ
も粉体塗料が良好に付着することができる。また、遊離
イオンが発生しないので逆電離現象も起きにくい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粉体塗
料の帯電が摩擦だけによるため、絶対的な帯電量はコロ
ナ帯電方式よりも低い。したがって、スプレーガンから
の粉体塗料の吐出速度を上げると充分な帯電量が得られ
ない。また、連続して使用するとスプレーガン内壁に摩
擦電荷が蓄積される。これらが原因となり、粉体塗料の
摩擦帯電量が低下して被塗物への付着が不充分になる。
このため、粉体塗料の摩擦帯電性の調整、スプレーガン
からの吐出速度および吐出量の調整が、塗装後の塗面の
仕上がり状態に大きな影響を及ぼしていた。
【0006】トリボ帯電方式スプレーガンには、平均粒
径が30μm程度の粉体塗料が広く使用されていた。3
0μmより小さい平均粒径を有する粉体塗料では流動性
が悪化し、摩擦帯電不良やスプレーガン内部での粒子塊
の発生、選択付着による回収粉の品質劣化などが発生し
易い。また、良好なレベリング性を得るためには均一な
粉体付着層を形成させることが必須であるが、そのため
には付着層の厚さを粒子径の2〜3倍にする必要があ
る。したがって、従来の粉体塗料では塗膜の厚さを60
μm程度にせざるを得なかった。上記帯電性、レベリン
グ性、および流動性の他に、市場では更にトータルコス
トダウン等が要望されている。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、塗膜の薄膜化を可能ならしめる小粒径、良好なレ
ベリング性を有し、トリボ帯電方式のスプレーガンを使
用して塗装に好適に使用される粉体塗料および得られた
粉体塗料を好適に塗装できる粉体塗装方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の粉体塗料は、結
着樹脂および硬化剤を含有する粉体粒子と、無機微粉体
とからなる粉体塗料であって、上記粉体粒子の平均粒子
径が5〜20μmであり、上記無機微粉体は少なくとも
窒素原子を含有するシラン化合物で表面処理されてお
り、BET法による比表面積が70m2 /g以上であ
り、単位表面積当りのCO2 ガス吸着個数が4.0個/
nm2 以下であり、かつ単位面積当たりのNH3 ガス
の吸着個数が1.0個/nm2 以下であって、上記粉体
粒子100重量%に対して0.05〜5重量%の割合で
粉体粒子表面に付着していることを特徴とするものであ
る。
【0009】以下、本発明の粉体塗料についてより詳細
に説明する。本発明の粉体塗料は、粉体粒子と、無機微
粉体とからなる。上記粉体粒子は、結着樹脂、硬化剤、
およびその他の添加剤を含有している。該結着樹脂とし
ては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂等が使用できる。上記ポリエステル樹脂は比較
的負帯電性が強い樹脂であるが、本発明の無機微粉体を
表面に付着させることで適正な正帯電性を得ることがで
きる。硬化剤としては、イソシアネート、アミン、ポリ
アミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素
酸、酸ジヒドラジド、イミダゾール等が挙げられる。そ
の他の添加剤としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、酸化アルミニウム、およびケイ酸カルシウム等の充
填剤、アクリルオリゴマー、およびシリコーン等の流展
剤、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、およびカーボン
ブラック等の着色剤、および発泡防止剤等を例示でき
る。
【0010】本発明の粉体粒子の粒子径は、体積50%
径が5〜20μm(コールターカウンターTAII型で
の測定値)という範囲になければならない。体積50%
径が5μm未満の粉体粒子はファンデルワールスカなど
に起因する粒子間力が大きくなるため凝集しやすく粉体
としての流動性が悪化するため、粉体塗料として実用的
でない。さらに、このような小粒径の粉体粒子を一般的
な溶融混練、粉砕分級方法で製造しようとすると、粉砕
分級工程で大きなエネルギーを必要とするため、製造コ
ストがかなり高くなってしまう。逆に、体積50%径が
20μmを越えると、薄く均一な粉体付着層を被塗装面
に得ることができず、したがって良好な薄膜が得られな
い。
【0011】無機微粉末は、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン等の無機微粒子からなり、その表面は少なくとも窒
素原子を含有するシラン化合物で処理されており、BE
T法による比表面積が70m2 /g以上であり、単位表
面積当りのCO2 ガス吸着個数が4.0個/nm2 以下
であり、単位表面積当りのNH3 ガス吸着個数が1.0
個/nm2 以下であるという特性を有するものである。
【0012】上記窒素原子を含有するシラン化合物は表
面処理剤として使用されており、例えば、アミノ基含有
シランカップリング剤、アミノ基含有ポリシロキサン、
アミド基含有ポリシロキサン、イミド基含有ポリシロキ
サンが好適に用いられる。これらのシラン化合物は、他
のシラン化合物と比較して、処理粉体に良好な正帯電性
を付与できるため好ましい。このような窒素原子を含有
する表面処理剤で無機微粒子を表面処理した場合、表面
処理状態が良好であれば、NH3 ガスは無機微粒子表面
には化学吸着し得ない。単位面積当りのNH3ガスの吸
着個数が1.0個/nm2を越える場合には、表面処理
が不充分であるものと判断される。表面処理が不充分な
無機微粒子を付着させて得る粉体塗料の帯電性は不充分
となるため、被塗物への粉体塗料の充分な付着性を得る
ことができない。単位面積当りのNH3 ガスの吸着個数
が1.0個/nm2 以下となるよう、窒素原子を含有す
るシラン化合物で表面処理された無機微粒子は、高い正
帯電性を有することとなる。
【0013】BET法による比表面積が70m2 /g未
満では、無機微粉末の1次粒子径が大きくなり、粉体塗
料粒子から脱落し易くなる。特に、塗装時の回収粉の再
利用に問題が生じるため、70m2 /g未満は好ましく
ない。
【0014】CO2 ガスは大きい4重極モーメントを有
するH2O 分子に似た極性分子であるため、CO2 ガス
の吸着性によって水分の吸着しやすさを判定することが
できる。本発明では、このCO2 ガスと水分との関係を
利用して、塗料の帯電性を判断している。つまり、本発
明の粉体塗料に使用される無機微粉体は単位面積当りの
CO2 ガス吸着個数を4.0個/nm2 以下とした。
4.0個/nm2 を越えると、保存時に空気中の水分を
吸着し、粉体塗料の帯電性が損なわれるため好ましくな
いからである。なお、本発明で規定されたBET法によ
る比表面積、単位表面積当りのCO2ガス吸着個数、単
位表面積当りのNH3 ガス吸着個数の3項目は、日本ベ
ル社製の高精度ガス自動吸着装置BELSORP28を
用いて測定した値である。
【0015】本発明の粉体塗料では、上記構成からなる
粉体粒子100重量%に対して、0.05〜5重量%の
割合で、無機微粉体が上記粉体粒子表面に付着してい
る。なお、本明細書では「付着している状態」には、粉
体粒子の表面に無機微粉末が一部埋設した状態をも含む
ものとする。
【0016】 以下、上記粉体塗料の製造方法についてよ
り詳しく説明する。粉体粒子は、上記成分からなる組成
物を乾式混合し、熱溶融混練後、粉砕、分級することに
より得ることができる。その他に、懸濁重合法、乳化重
合法等の重合法を採用することもできる。
【0017】 無機微粉体は、シリカ、アルミナ、および
酸化チタン等の無機微粒子に、上記窒素原子を含有する
シラン化合物からなる表面処理剤を表面処理してなるも
のである。表面処理する方法としては、表面処理剤に微
粒子を浸漬させる方法、表面処理剤を微粒子にスプレー
する方法などを例示することができるが、表面処理剤を
微粒子表面に固定させることができる限りどのような手
段を用いても構わない。得られた無機微粒子を粉体粒子
の表面に付着させるには、三井三池社製のヘンシェルミ
キサー、川田製作所社製のスーパーミキサー等の高速ミ
キサーにて両者を乾式混合すればよい。その他に、両者
に加熱処理又は機械的衝撃力を加えて粉体粒子の表面に
生じた摩擦熱により無機微粉末が一部埋設させてること
もできる。使用する装置としては、具体的には、上記ミ
キサー類以外に、表面改質機として上市されているハイ
ブリダイザー(奈良機械社製)、ナカノフュージョンシ
ステム(ホソカワミクロン社製)を例示することができ
る。
【0018】 本発明の粉体塗料の塗装方法は、上記粉体
塗料を、スプレーガン内部の粉体塗料搬送部に形成され
たフッ素原子を含有する部材を用いて摩擦して正極性に
帯電させた後、対象物に噴霧して塗装することを特徴と
する方法である。このように、部材を摩擦により帯電さ
せ、その荷電を利用して被塗物に付着させる方式は、一
般に、トリボ帯電方式と呼ばれている。このトリボ帯電
方式では粉体塗料の吐出量および吐出速度を調整するこ
とにより、粉体塗料の帯電量を調整している。
【0019】 上記フッ素原子を含有する部材としては、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロル
エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、
ポリジクロルジフルオロエチレンなどを例示することが
できる。上記フッ素原子を含有する部材は物理的劣化が
少なく、強い負帯電性を有するため、本発明の粉体塗装
方法においてはトリボ帯電方式のスプレーガン内部に設
けられている粉体塗料搬送部はフッ素原子を含有する部
材で形成されている。
【0020】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づき本発明の
粉体塗料およびそれを使用した粉体塗装方法を説明す
る。 <実施例1> 粉体塗料の製造 ・ポリエステル樹脂 55.8重量% (日本エステル社製 商品名:ER−6680) ・ブロックイソシアネート 10.2重量% (ダイセルヒュルス社製 商品名:BF−1540) ・二酸化チタン 33.0重量% (石原産業社製 商品名:CR−90) ・流展剤 0.66重量% (BASF社製 商品名:アクロナール4F) ・発泡防止剤 0.34重量% (みどり化学社製 商品名:ベンゾイン) 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、加圧ニーダーを用いて120℃で熱溶融混練した
後、ジェットミルで粉砕した。その後、乾式気流分級機
で体積50%径が13μmとなるように分級した。 無機微粉体の製造 シリカ微粉末(BET比表面積:131.3m2/g)
に、窒素原子を含有するシラン化合物(N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)
を流動槽内で噴霧し、シリカ微粉末を表面処理した。表
面処理後のシリカ微粉末のBET比表面積は116.7
2 /gであり、CO2 吸着個数は2.2個/nm2
あり、NH3 吸着個数が0.7個/nm2であった。 粉体塗料の製造 得られた粉体粒子100重量部に対し、無機微粒子0.
4重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで撹拌混合して
粉体塗料を得た。 塗装工程 上記粉体塗料を、塗料搬送部に4フッ化エチレン樹脂を
使用したトリボ帯電方式スプレーガンに適用し、ブライ
ト仕上げされたリン酸亜鉛処理鋼板(SPCC−SB
板)に吹き付けを行った後、200℃で焼付けを行っ
た。
【0021】 <実施例2> 実施例1と同様にして、体積50%径が13μmの粉体
粒子を得た。また、得られた粉体粒子100重量部に対
し、無機微粉体を2.0重量部添加する以外は実施例1
と同様にして粉体塗料を得て、塗装を行った。
【0022】 <実施例3> 実施例1と同様にして、体積50%径が13μmの粉体
粒子を得た。また、無機微粉体の表面処理剤として窒素
含有シラン化合物であるアミノ変性シリコンオイル(東
レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名:
BY16−853B)を使用した以外は実施例1と同様
にして粉体塗料を得て、塗装を行った。なお、本実施例
において得られた無機微粉体のBET比表面積は98.
5m2 /gであり、CO2 吸着個数は2.8個/nm2
であり、NH3 吸着個数は0.6個/nm2 であった。
【0023】 <比較例1> 実施例1と同一の配合比からなる原料をスーパーミキサ
ーで混合し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、
ジェットミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で体積5
0%径が4.8μmとなるように分級した。その他は実
施例1と同様にして粉体塗料を得て、塗装を行った。 <比較例2> 実施例1と同一の配合比からなる原料をスーパーミキサ
ーで混合し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、
ジェットミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で体積5
0%径が26.0μmとなるように分級した。その他は
実施例1と同様にして粉体塗料を得て、塗装を行った。 <比較例3> シリカ微粉末(BET比表面積:66.2m2 /g)に
実施例1で使用した表面処理剤と同様の窒素含有シラン
化合物を使用して、BET比表面積が55.0m2 /g
であり、CO2 吸着個数が2.4個/nm2 であり、N
3 吸着個数が0.7個/nm2 である無機微粉体を得
た以外は実施例1と同様にして粉体塗料を得て、塗装を
行った。 <比較例4> 実施例1で使用した表面処理剤と同様の窒素含有シラン
化合物および窒素を含有しないシラン化合物(ヘキサメ
チルジシラザン)を使用して、BET比表面積が10
4.6m2 /gであり、CO2 吸着個数が4.8個/n
2 であり、NH3 吸着個数が1.0個/nm2 である
無機微粉体を得た以外は実施例1と同様にして粉体塗料
を得て、塗装を行った。
【0024】 <比較例5> 無機微粉体を得る際、窒素原子を含有しない表面処理剤
(ヘキサメチルジシラザン)で表面処理した以外は実施
例1と同様にして粉体塗料を得て、塗装を行った。な
お、使用した無機微粉体のBET比表面積は122.2
2 /gであり、CO2 吸着個数が2.0個/nm2
あり、NH3 吸着個数は2.1個/nm2であった。 <比較例6> 実施例1では得られた粉体粒子100重量部に対し、無
機微粉体を0.4重量部添加したのに対して、本比較例
では0.03重量部添加した。それ以外は実施例1と同
様にして粉体塗料を得て、塗装を行った。 <比較例7> 実施例1では得られた粉体粒子100重量部に対し、無
機微粉体を0.4重量部添加したのに対して、本比較例
では6.0重量部添加した。それ以外は実施例1と同様
にして粉体塗料を得て、塗装を行った。
【0025】 実施例1〜実施例3、および比較例1〜比
較例7でなされた吹き付けの状態、及びそれを焼付けし
た後の塗膜面について以下に示す評価をした。 (1)塗面への付着性 (2)塗面状態 粉体塗料を吹き付け、それを焼き付けた後の塗面の状態
を目視により観察した。 (3)回収粉の状態 リン酸亜鉛処理鋼板(SPCC−SB板)に吹き付けを
行った際、上記鋼板に付着せず、下に散乱している粉体
塗料を回収し、その状態を観察した。さらに、回収粉体
を再度吹き付けテストしその塗着状態を観察した。これ
らの項目についての評価結果を下記表1、および表2に
示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】上記表1および表2から明らかなように、
比較例で得られた粉体塗料と比較して、実施例1〜3で
得られた粉体塗料によれば、噴霧量に対する被塗物への
塗着効率も良好で、焼付け後の塗膜面も良好であった。 (4)塗膜厚測定 実施例、比較例1、および比較例3〜比較例8までは、
平均して約30μmの薄膜が得られた。これに対して、
比較例2では表面が平滑な薄膜は得られず、平滑な塗面
を得るためには膜厚を60μmと厚くする必要があっ
た。 (5)耐環境性試験 実施例および比較例で得られた粉体塗料を30日放置
(室温:約25℃、湿度:約70%)した後、塗装に使
用した。その結果、実施例1〜3で得られた粉体塗料は
何等問題なく塗装することができた。これに対して、比
較例4の粉体塗料では塗面への付着性が悪化し、塗面に
付着しない塗料がさらに多かった。 (6)凹凸が形成されている塗面に塗装を施した場合の
塗面状態 実施例1〜3で得られた粉体塗料は被塗物の凹部にも良
好に付着した。これに対して、比較例3〜5、および比
較例7で得られた粉体塗料は、実用上満足のいくように
塗装がなされなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明の粉体塗料は、結着樹脂および硬
化剤を含有する粉体粒子と、無機微粉体とからなる粉体
塗料であって、上記粉体粒子の平均粒子径が5〜20μ
mであり、上記無機微粉体は少なくとも窒素原子を含有
するシラン化合物で表面処理されており、BET法によ
る比表面積が70m2 /g以上であり、単位表面積当り
のCO2 ガス吸着個数が4.0個/nm2 以下であり、
単位表面積当りのNH3 ガス吸着個数が1.0個/nm
2 以下であり、上記粉体粒子100重量%に対して0.
05〜5重量%の割合で粉体粒子表面に付着しているこ
とを特徴とする粉体塗料である。本発明の粉体塗料は、
塗膜の薄膜化を可能ならしめる小粒径を有しているた
め、良好なレベリング性を有する。また、無機微粒子表
面には窒素原子およびシリコン原子が存在しているた
め、正帯電性および流動性に優れている。粉体粒子に対
して無機微粒子の一次粒子径が充分小さいので、無機微
粒子が粉体粒子から脱落しにくい。したがって、塗装時
の回収粉を再利用することができる。粉体粒子表面に付
着している無機微粒子は水分を吸着しにくいため、粉体
塗料の帯電性は劣化し難い。無機微粒子の表面処理は充
分になされているため、優れた帯電性を粉体塗料に付与
することができる。したがって、単位面積当たりの粉体
塗料の使用量を大幅に削減することができ、市場で要望
されているトータルコストダウンを実現することができ
る。
【0030】 本発明の粉体塗料の塗装方法は、上記粉体
塗料を、フッ素原子を含有する部材を用いて摩擦せしめ
て正極性に帯電させた後、対象物に噴霧して塗装するこ
とを特徴とする方法である。本発明の粉体塗料の塗装方
法によれば、厚さが薄く、かつ優れたレベリング性を有
する塗装が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 167/00 C09D 167/00 175/06 175/06 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 5/03 C09D 5/46 C09C 3/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂および硬化剤を含有する粉体粒
    子と、無機微粉体とからなる粉体塗料であって、 上記粉体粒子の平均粒子径が5〜20μmであり、 上記無機微粉体は少なくとも窒素原子を含有するシラン
    化合物で表面処理されており、BET法による比表面積
    が70m2 /g以上であり、単位表面積当りのCO2
    ス吸着個数が4.0個/nm2 以下であり、単位表面積
    当りのNH3 ガス吸着個数が1.0個/nm2 以下であ
    り、上記粉体粒子100重量%に対して0.05〜5重
    量%の割合で粉体粒子表面に付着していることを特徴と
    する粉体塗料。
  2. 【請求項2】 前記窒素原子を含有するシラン化合物
    が、アミノ基含有シランカップリング剤、アミノ基含有
    ポリシロキサン、アミド基含有ポリシロキサン、イミド
    基含有ポリシロキサンから選ばれた1種または2種以上
    のシラン化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    の粉体塗料。
  3. 【請求項3】 前記結着樹脂がポリエステル樹脂を含有
    することを特徴とする請求項1記載の粉体塗料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    体塗料を、スプレーガン内部の粉体塗料搬送部に形成さ
    れたフッ素原子を含有する部材を用いて摩擦させて正極
    性に帯電させた後、対象物に噴霧して塗装することを特
    徴とする粉体塗料の塗装方法。
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