JP3225198B2 - 粉体塗料の塗装方法 - Google Patents

粉体塗料の塗装方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、滑り防止機能を有した
塗膜を形成する粉体塗料の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、溶剤塗料に比べ揮発分、臭
気とも少なく、公害対策および環境規制の面で非常に有
益であることは周知である。そして、このような有益な
粉体塗料を近年、滑り防止塗膜の用途に応用しようとす
る試みがなされている。従来、上記のような滑り防止塗
膜としては、溶剤塗料において、塗膜に滑り防止機能を
付与するためにセラミック粉等の滑り防止剤を塗料中に
混合して用いることが行われていた。しかし、粉体塗料
の技術分野では滑り防止塗膜用として優れたものがない
のが現状である。上記のように、粉体塗料においてもセ
ラミック粉等を含有させ使用することも可能であるが、
この場合は次のような問題点を有することが確認され
た。すなわち、粉体塗料において、滑り防止機能を付与
するには、塗膜表面にセラミック粉等が露出しているこ
とが必要であり、多量のセラミック粉等を添加しないと
十分な滑り止め効果を得ることができないものである。
しかし、この場合、多量のセラミック粉等の添加によっ
て、焼き付け後の塗膜の被塗物への密着性不良、混練機
の負荷電流が高くなることによる生産性の悪化、混練機
および粉砕機内部の磨耗が激しい等の問題が生じてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
問題を改善し、十分な滑り防止機能を持った塗膜を静電
粉体塗装法により塗装可能にすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂を含有する熱硬化型粉体塗料を用いて被塗物に塗
膜層を形成し、該塗膜層を焼き付ける前に滑り防止剤を
前記塗膜層に積層塗装し、しかる後焼き付けを行い、焼
き付け後の塗膜厚をA、滑り防止剤の平均粒子径をBと
した場合、次式で得られたKの値が1.2〜2である
とを特徴とする粉体塗料の塗装方法である。K=A/B
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用される粉体塗料は、少なくとも結着樹脂を含有する
熱硬化型粉体塗料である。該結着樹脂としてはポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が使用
できる。また、粉体塗料粒子には、イソシアネート、ア
ミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ
化ホウ素酸、酸ジヒドラジド、イミダゾール等の硬化
剤、アクリルオリゴマー、シリコーン等の流展剤、酸化
チタン、カ−ボンブラック等の顔料、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム等の充填剤、あるいは発泡防止剤等を適宜
添加してもよい。 本発明における粉体塗料は、上記組成
物を乾式混合し、熱溶融混練後、粉砕、分級して得る
か、または上記組成物を懸濁重合法、乳化重合法等の重
合法により得てもよい。本発明の粉体塗料粒子には、必
要に応じてシリカ、アルミナ、酸化チタンなどの無機微
粒子をその表面に付着させてもよい。無機微粒子を粉体
粒子の表面に付着させるには、三井三池社製のヘンシェ
ルミキサー、川田製作所社製のスーパーミキサー等の高
速ミキサーにて両者を乾式混合すればよい。
【0006】前記粉体塗料の体積平均粒子径は5〜20
μmの範囲であることが被塗物上の塗膜層を薄く形成さ
せることができるので好適である。粉砕分級方法により
上記の範囲内に粉体粒子を調製するには、粉砕工程時に
ジェットミルやミクロンジェット等の高圧気流式の粉砕
機で熱溶融混練物を粉砕し、小粒径化した後、分級する
ことにより得ることができる。体積平均粒子径は、コー
ルターカウンターTA−II型を用い、界面活性剤を用
いて水中で懸濁させ超音波分散機により30秒間分散さ
せて濃度5〜9%の状態で測定した体積50%径の値で
ある。粉体塗料の体積平均粒子径は、小さいほど塗膜の
平滑性が向上し、薄膜塗装が可能となり、滑り防止剤の
平均粒子径が小さい場合においても後で説明するK値の
数値範囲を満たす良好な滑り防止効果を有する塗膜を得
ることができる。しかし、粉体塗料の体積平均粒子径が
5μmより小さい場合は、流動性不足と、ファンデルワ
ールス力等に起因する粒子間力が大きくなることによ
り、塗装機内で凝集しやすくなり、凝集粉により塗膜層
にプツ(凸状物)が発生し易い。逆に体積平均粒子径が
20μmより大きい場合は、付着粒子層での粒子の充填
率が低くなるため十分な平滑性を得ることができにくく
なる。また、上記粒子径範囲外の場合で塗膜層の膜厚が
部分的に異なると、塗膜層の焼き付け時に滑り防止剤
が、溶融した塗膜層に取り込まれる程度(滑り防止剤の
露出の程度)が異なるため焼き付け後の塗膜にムラが生
じやすい。
【0007】被塗物上に粉体塗料の塗膜層を形成させる
方法は、正荷電あるいは負荷電のどちらの静電粉体塗装
機を用いてもよい。正荷電の静電粉体塗装機としては、
トリボ帯電方式のスプレーガンが挙げられる。この方式
は、空気流によって搬送される粉体塗料がスプレーガン
内壁に存在するフッ素原子を含有する部材との摩擦によ
って正に帯電し、空気流のみによって被塗物まで飛翔し
て付着するものである。上記フッ素原子を含有する部材
は、スプレーガン内部の粉体塗料搬送部にそのまま形成
されるかまたは表面処理される。フッ素原子を含有する
部材は長期間の継続使用において物理的劣化が少ないと
いう利点があり、また強い負帯電性を有するため、この
部材と粉体塗料の摩擦によって粉体塗料側を正極性に帯
電することができる。上記フッ素原子を含有する部材と
しては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオ
ロクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリジクロルジフルオロエチレンなどが使用さ
れる。一方、負荷電の静電粉体塗装機としては、コロナ
帯電方式のスプレーガンが挙げられる。この方式は、ス
プレーガンの先端に設けられたコロナ電極から生成され
たコロナイオンによって負荷電された粉体塗料が、導電
体である被塗物と電極との間に形成された電界及び空気
流にそって飛翔し、被塗物に付着するものである。ま
た、流動浸漬塗装法が挙げられる。
【0008】前記粉体塗料によって被塗物上に形成され
た塗膜層に積層されるための滑り防止剤としては、炭化
珪素、窒化珪素、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化
アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロム、酸
化セリウム、三酸化アンチモン、酸化ジルコニム、硫酸
バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、
チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、珪砂、
その他各種無機酸化物顔料等の微粒子が挙げられ、この
中でも特に炭化珪素微粒子が好適である。炭化珪素微粒
子のモース硬度は9.5であり十分な硬度を保持してお
り耐磨耗性に優れているからである。上記滑り防止剤を
塗膜層上に積層させる方法は、前記粉体塗料において説
明した正荷電あるいは負荷電のどちらの静電粉体塗装機
を用いてもよい。特に炭化珪素微粒子を塗膜層に積層塗
装する場合は、炭化珪素微粒子を負荷電する静電粉体塗
装機を用いることが好適である。珪素を主成分とする炭
化珪素微粒子は、負荷電されやすく、粒子を負荷電する
ことによる静電気力を利用して塗装するコロナ帯電方式
塗装法や流動浸漬塗装法を用いることによって良好な塗
着性や平滑性を得ることができる。
【0009】滑り防止剤の平均粒子径は20〜150μ
mの範囲のものが好適である。平均粒子径が20μmよ
り小さい場合は、焼き付け時に溶融した塗膜層内部に取
り込まれてしまい、塗膜層表面上に滑り防止剤の凸部の
露出部位が得られにくいため、十分な滑り防止機能が得
られない場合がある。反対に、150μmより大きい場
合は、塗着性が悪化し塗装ムラができやすくなる場合が
ある。滑り防止剤の平均粒子径は電子顕微鏡により確認
することができ、電子顕微鏡に写しだされた画面からラ
ンダムに15個の粒子を選択し、その平均値により求め
ることができる。
【0010】次に塗膜層表面上に形成された滑り防止剤
による層は、塗膜層を焼き付けることによって塗膜層表
面に固定化され、被塗物上に優れた滑り防止効果を有す
る表面状態を得ることができる。この場合、塗膜層の焼
き付け後の塗膜厚(粉体塗料の塗膜層が焼き付けされて
被塗物表面上に形成された層と該層から凸部状に露出さ
れた滑り防止剤の層との合計値)と滑り防止剤の平均粒
子径との関係を表した次式Kの値は1.2〜2であるこ
とが必要である。 K=A/B (A:焼き付け後の塗膜厚、B:滑り防止剤の平均粒子
径) Kの値が1.2より小さい場合は、塗膜層と滑り防止剤
との接着面積の不足のため、引っ掻き、あるいは擦り等
の衝撃により、滑り防止剤が焼き付け後の塗膜から脱落
し易い。一方、Kの値が2より大きい場合は、滑り防止
剤が焼き付け時に溶融した塗膜層の中に取り込まれてし
まい、塗膜表面に露出しにくいので十分な滑り防止機能
が得られにくくなる。なお、焼き付け後の塗膜厚Aは、
ケット科学研究所社製の万能型膜厚計(商品名:LZ−
200)を用いて測定した10箇所の平均値である。
【0011】また、焼き付け後の塗膜に含まれる滑り防
止剤の重量割合が50%以上であることが好ましい。焼
き付け後の塗膜に含まれる滑り防止剤の重量割合が50
%以上の場合は、滑り防止剤が焼き付け後の塗膜表面に
十分に露出しているため十分な滑り防止機能を得ること
ができる。しかし、50%より少ない場合は、滑り防止
剤が焼き付け時に溶融した塗膜層の中に取り込まれてし
まい、塗膜表面に露出しにくいので十分な滑り防止機能
が得られにくくなる。焼き付け後の塗膜中の滑り防止剤
の重量割合は以下の方法により測定することができる。
まず、滑り防止剤を有する焼付け後の塗膜が形成された
被塗物の重量を測定した後に、該被塗物を700℃で1
時間加熱して塗膜を炭化させる。次に被塗物上の炭化し
た塗膜をメタノール等の溶剤を用いて洗浄し被塗物を乾
燥した後に重量を測定し、減量分を塗膜の重量(W1
とする。また、洗浄によって得た炭化した塗膜が含まれ
る溶剤を超音波分散器で30分間分散させた後に、目の
開きが20μm等のスクリーンに該溶剤を通すことによ
り、例えば粒子径が20μm以上の滑り防止剤はスクリ
ーン上に残留する。そして、スクリーン上の残留物を乾
燥させた後に重量を測定することにより滑り防止剤の重
量(W2)を求めることができる。そして、W2/W1×
100(%)により塗膜中に含まれる滑り防止剤の重量
割合を求めることができる。前記K値あるいは焼き付け
後の塗膜に含まれる滑り防止剤の重量割合を上記の範囲
内にするには、塗膜層の付着量と滑り防止剤の付着量、
及び滑り防止剤の平均粒子径を変化させることにより任
意に調整することができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例
において部とは重量部を示すものである。 <実施例1> 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、ジェット
ミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で体積平均粒子径
が7μmとなるように分級し粉体塗料を得た。この粉体
塗料を、正荷電塗装機であるノードソン社製トリボ方式
スプレーガン(商品名:トリボマチック・パウダーコー
ティング・システム)を用いて、0.8×70×150
mmの日本テストパネル社製のテストパネル(商品名:
PB−137M)に塗布し塗膜層を得た。次に該塗膜層
の上に、秩父小野田社製のコロナ方式スプレーガン(商
品名:GX−108)を用いて、平均粒子径が20μm
である炭化珪素微粒子(昭和電工社製、商品名:デンシ
ックC #600)を積層塗装した後に、180℃で2
0分間焼き付けを行い塗膜を得た。この焼き付け後の塗
膜厚は34μmで、K=1.70、焼き付け後の塗膜に
含まれる炭化珪素微粒子の重量割合は60%であった。
【0013】<実施例2>実施例1において、体積平均
粒子径を15μmとなるように分級した以外は同様にし
て粉体塗料を得た。この粉体塗料を、秩父小野田社製の
コロナ方式スプレーガン(商品名:GX−108)を用
いて、0.8×70×150mmの日本テストパネル社
製のテストパネル(商品名:PB−137M)に塗布し
塗膜層を得た。次に該塗膜層の上に、上記と同一の塗装
機を用いて、平均粒子径が70μmである炭化珪素微粒
子(昭和電工社製、商品名:デンシックC #150)
を積層塗装した後に、180℃で20分間焼き付けを行
い塗膜を得た。この焼き付け後の塗膜厚は100μm
で、K=1.43、焼き付け後の塗膜に含まれる炭化珪
素微粒子の重量割合は67%であった。
【0014】<実施例3>実施例2の粉体塗料を、秩父
小野田社製のコロナ方式スプレーガン(商品名:GX−
108)を用いて、0.8×70×150mmの日本テ
ストパネル社製のテストパネル(商品名:PB−137
M)に実施例2と比較して吹き付ける量を少なくして塗
布し塗膜層を得た。次に該塗膜層の上に、上記と同一の
塗装機を用いて、実施例2と同一の炭化珪素微粒子を積
層塗装した後に、180℃で20分間焼き付けを行い塗
膜を得た。この焼き付け後の塗膜厚は85μmで、K=
1.21、焼き付け後の塗膜に含まれる炭化珪素微粒子
の重量割合は74%であった。
【0015】<実施例4>実施例2の粉体塗料を、秩父
小野田社製のコロナ方式スプレーガン(商品名:GX−
108)を用いて、0.8×70×150mmの日本テ
ストパネル社製のテストパネル(商品名:PB−137
M)に実施例2と比較して吹き付ける量を多くして塗布
し塗膜層を得た。次に該塗膜層の上に、上記と同一の塗
装機を用いて、実施例2と同一の炭化珪素微粒子を積層
塗装した後に、180℃で20分間焼き付けを行い塗膜
を得た。この焼き付け後の塗膜厚は135μmで、K=
1.92、焼き付け後の塗膜に含まれる炭化珪素微粒子
の重量割合は54%であった。
【0016】<実施例5> 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、ジェット
ミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で体積平均粒子径
が15μmとなるように分級し粉体塗料を得た。この粉
体塗料を秩父小野田社製のコロナ方式スプレーガン(商
品名:GX−108)を用いて、0.8×70×150
mmの日本テストパネル社製のテストパネル(商品名:
PB−137M)に塗布し塗膜層を得た。次に該塗膜層
の上に、上記と同一の塗装機を用いて、実施例2と同一
の炭化珪素微粒子を積層塗装した後に、180℃で20
分間焼き付けを行い塗膜を得た。この焼き付け後の塗膜
厚は100μmでK=1.43、焼き付け後の塗膜に含
まれる炭化珪素微粒子の重量割合は64%であった。
【0017】<比較例1>実施例2の粉体塗料を、秩父
小野田社製のコロナ方式スプレーガン(商品名:GX−
108)を用いて、0.8×70×150mmの日本テ
ストパネル社製のテストパネル(商品名:PB−137
M)に塗布し塗膜層を得た。次に該塗膜層の上に、滑り
防止剤を積層塗装せずそのまま180℃で20分間焼き
付けを行い塗膜を得た。この焼き付け後の塗膜厚は30
μmであった。
【0018】<比較例2> 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、ジェット
ミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で体積平均粒子径
が40μmとなるように分級し粉体塗料を得た。この粉
体塗料を、秩父小野田社製のコロナ方式スプレーガン
(商品名:GX−108)を用いて、0.8×70×1
50mmの日本テストパネル社製のテストパネル(商品
名:PB−137M)に塗布し塗膜層を得た。次に該塗
膜層の上に、滑り防止剤を積層塗装せずそのまま180
℃で20分間焼き付けを行い塗膜を得た。この焼き付け
後の塗膜厚は80μmであった。
【0019】次に前記実施例および比較例の塗膜の均一
性を目視で観察し評価した後に、下記の試験方法により
紙(大昭和製紙社製コピ−用紙、商品名:BM用紙68
T目)と塗膜面との動摩擦係数をTOYO MEASURING IN
STRUMENTS社製のUNIVERSALTESTING MACHINE(商品名:T
ENSILON/UTM-III)を用いて下記の手順で測定した。
環境は25℃/60RHで行った。実施例および比
較例の塗装板を、塗膜を上にして水平に固定する。2
cm×10cmに切断した紙の表の面を下にして、該塗
膜上に重ねて置き、その上に接触面積が1.0cm2
重量が1.075(Kg)の重りを乗せ、紙の片方を1
00mm/min.の速度で水平に50mm引っ張り、
その間の紙と塗膜面との動摩擦抵抗値(g)を測定し
た。動摩擦抵抗値(g)÷重りの重量(g)で紙と塗
膜との動摩擦係数を算出した。その評価結果を表1に記
した。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示されている結果から、実施例1〜
5の塗膜は、滑り防止効果の指標となる動摩擦係数が
0.8以上あって十分な滑り防止機能を有し、塗膜の表
面均一性についても全く問題がないことが確認された。
これに対し、滑り防止剤を後処理していない比較例1及
び比較例2では、動摩擦係数が0.8未満であって滑り
防止効果に劣ることが確認された。また、塗膜面からの
炭化珪素微粒子の脱落の程度を確認するため、上記試験
で擦り合わせた箇所にセロハンテープを張り付け、その
上から消しゴムでよく擦った後に、セロハンテープを剥
がすことにより、炭化珪素微粒子の塗膜面からの脱落の
程度を確認した。その結果、実施例1〜5では炭化珪素
微粒子がセロハンテープに付着されないで塗膜からの脱
落がなく、炭化珪素微粒子が強固に塗膜面に付着されて
いることが確認された。また、塗膜が被塗物から剥がれ
ることも全くなかった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の塗装方法に
よれば、薄膜で均一な表面を有し、十分な滑り防止機能
と被塗物の塗着面との密着性が良好であって、滑り防止
剤が塗膜から脱落することもない優れた塗膜を得ること
ができる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂を含有する熱硬化型
    粉体塗料を用いて被塗物に塗膜層を形成し、該塗膜層を
    焼き付ける前に滑り防止剤を前記塗膜層に積層塗装し、
    しかる後焼き付けを行い、焼き付け後の塗膜厚をA、滑
    り防止剤の平均粒子径をBとした場合、次式で得られた
    Kの値が1.2〜2であることを特徴とする粉体塗料の
    塗装方法。K=A/B
  2. 【請求項2】 粉体塗料の体積平均粒子径が5〜20μ
    mであることを特徴とする請求項1記載の粉体塗料の塗
    装方法。
  3. 【請求項3】 滑り防止剤が、炭化珪素微粒子であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の粉体塗料の塗装方法。
  4. 【請求項4】 炭化珪素微粒子を塗膜層に積層塗装する
    方法が、炭化珪素微粒子を負荷電にする静電粉体塗装機
    を用いて行うことを特徴とする請求項3記載の粉体塗料
    の塗装方法。
  5. 【請求項5】 滑り防止剤の平均粒子径が20〜150
    μmであることを特徴とする請求項1記載の粉体塗料の
    塗装方法。
  6. 【請求項6】 焼き付け後の塗膜に含まれる滑り防止剤
    の重量割合が50%以上である請求項1記載の粉体塗料
    の塗装方法。
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