JP2983858B2 - 空気調和機の暖房運転方法 - Google Patents

空気調和機の暖房運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷暖房運転が可能な空
気調和機に関するものであり、特に詳しくは圧縮機から
吐出した冷媒の流路を切り換えることにより、冷房運転
と暖房運転とを選択切り換えすることができる空気調和
機の暖房運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の空気調和機として、例えば図3
に示した構成の空気調和機が特開昭58−6372号公
報に開示されている。この空気調和機は、暖房運転では
圧縮機1から吐出した冷媒を四方切換弁2・室内熱交換
器6・減圧器4a、開閉弁5a・室外熱交換器3・四方
切換弁2・逆止弁7aを通って圧縮機1に戻る室外空気
を熱源とする冷媒回路と、圧縮機1から吐出した冷媒を
四方切換弁2・室内熱交換器6・開閉弁8・冷媒加熱器
10aを通って圧縮機1に戻る冷媒回路とが選択形成で
きるようになっており、冷房運転時は圧縮機1から吐出
した冷媒が四方切換弁2・室外熱交換器3・開閉弁5a
・減圧器4a・室内熱交換器6・四方切換弁2・逆止弁
7aを通って圧縮機1に戻るようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】冷媒の流路を切り換え
て冷暖房を選択するための四方切換弁としては、通電し
た時に冷媒が実線矢印の向きに流れる暖房モードに切り
換わり、電源がオフになると破線矢印の向きに流れる冷
房モードに戻る構造のものを一般に使用しているが、暖
房運転を行う時に四方切換弁が正常に切り換わったか否
かを確認することが出来ないと云った問題点があり、こ
の点の解決が課題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
課題を解決するための具体的手段として、圧縮機から吐
出した冷媒を前記圧縮機の吐出側に設置した流路切換弁
機構によって、室外熱交換器に先に供給する冷媒回路
と、室内熱交換器に先に供給する暖房回路とが選択形成
可能に構成された空気調和機において、
【0005】記流路切換弁機構と前記室内熱交換器とを
接続する配管内の冷媒温度に所定の温度上昇が認められ
ない時、前記流路切換弁機構が動作不良状態にあると判
定する空気調和機の暖房運転方法、を提供することによ
り、前記した従来技術の課題を解決するものである。
【0006】
【作用】圧縮機から吐出した冷媒は、圧力の上昇と共に
温度も上昇しているので、流路切換弁機構が暖房運転モ
ードに正常に切り換わってこの昇圧・昇温した冷媒が室
内熱交換器に向かって流れると、流路切換弁機構と室内
熱交換器とを接続している配管内の温度が上昇するの
で、この管内温度を測定することにより、流路切換弁機
構が正常に切り換わった否かが正確に把握できる。
【0007】
【実施例】以下、図1と図2に基づいて本発明の一実施
例を詳細に説明する。図1に例示した空気調和機は、圧
縮機1が圧縮して吐出したフロンなどの冷媒が四方切換
弁2を切換操作することによって、室外熱交換器3・減
圧手段であるキャピラリーチューブ4・逆止弁5・室内
熱交換器6・逆止弁7を経由して圧縮機1に還流する破
線矢印で示した冷房運転用の冷媒回路か、室内熱交換器
6・第1の開閉弁8・加熱手段9に設けた冷媒加熱熱交
換器10を経由して圧縮機1に還流する実線矢印で示し
た暖房運転用の冷媒回路の何れかが、選択可能に形成さ
れる共に、四方切換弁2と室内熱交換器6とを接続して
いる配管が圧縮機1の冷媒吸入口側に、第2の開閉弁1
1とオリフィス12とを介して連通可能に接続してい
る。
【0008】なお、オリフィス12は、冷房運転時に室
内熱交換器6で相対的に温度の高い室内空気から熱を奪
って蒸発したガス状冷媒が、開閉弁11・オリフィス1
2を通って圧縮機1に直接還流する冷媒の流量と、四方
切換弁2・逆止弁7を通って圧縮機1に還流する冷媒の
流量とがほぼ等しくなるように二分されて流れるよう
に、内部抵抗を選定してある。
【0009】また、13は圧縮機1の手前の冷媒回路に
設置したアキュムレータであり、14は加熱手段9に接
続する燃料供給管に設けて加熱手段9に供給する燃料、
例えばガスの流量を制御する流量制御弁、15は安全の
ために前記燃料供給管に2個連設した開閉弁である。
【0010】さらに、四方切換弁2と室内熱交換器6と
を接続している配管を流れる冷媒の温度T1を測定する
ための温度センサ17を設けると共に、この温度センサ
から入力された温度信号に基づいて四方切換弁2の切換
状態の判定などを行う制御器19を設けてある。
【0011】上記構成の空気調和機による暖房運転は、
計時・記憶・演算・比較など所要の機能を備えた前記制
御器19によって、例えば図2のフローチャートのよう
に制御して行われる。
【0012】すなわち、先ず圧縮機1を起動する前の前
記配管内の温度T1を、温度センサ17によって測定す
る。そして、四方切換弁2を冷媒が実線矢印の暖房回路
を形成するように切換設置し、圧縮機1を起動して冷媒
の圧縮循環を開始する。圧縮機1の起動から所定時間
(例えば、燃焼開始から30秒)が経過するのを待って
温度センサ17により配管内の温度T2を再度測定し、
温度上昇幅ΔT=T2−T1を演算して、この温度上昇
幅が所定温度、例えば2℃以上になったか否かを判定
し、2℃以上の場合は四方切換弁2が正常に切り換わっ
ていると判定してメイン制御に戻り、2℃未満の場合は
四方切換弁2が正常に切り換わていないと判定して、図
示しないブザーの吹鳴や電光掲示などによって警告して
メイン制御に戻る。
【0013】なお、四方切換弁2の上記誤動作判定は、
開閉弁8・11を開け、加熱手段9を起動した状態の冷
媒循環をしながら行って良いし、開閉弁8・11を閉
じ、加熱手段9を起動しないて圧縮機1を起動し、室外
熱交換器3に溜った冷媒を室内熱交換器6に移行させる
いわゆる冷媒回収運転時に行っても良い。
【0014】ところで、上記構成の空気調和機における
冷房運転は、圧縮機1が圧縮して吐出した冷媒が破線矢
印で示した冷房運転用の冷媒回路、すなわち室外熱交換
器3・キャピラリーチューブ4・逆止弁5・室内熱交換
器6・逆止弁7を経由して圧縮機1に還流するように四
方切換弁2を切換操作して行われる。
【0015】なお、この場合は逆止弁5を通過した冷媒
の全てが室内熱交換器6に流入し、冷媒加熱熱交換器1
0には流入しないように開閉弁8は閉じておく。また、
室内熱交換器6を吐出した冷媒のほぼ半分が一点鎖線矢
印で示した開閉弁11・オリフィス12を経由して圧縮
機1に還流するように、開閉弁11は開けておく。
【0016】このため、圧縮機1から吐出した圧力と温
度の上昇した冷媒は、四方切換弁2を経由して室外熱交
換器3に入り、ここで図示しないファンによって供給さ
れる相対的に温度の低い外気と熱交換して凝縮する。外
気に放熱して凝縮した液状冷媒は、キャピラリーチュー
ブ4で減圧されて室内熱交換器6に流入し、ここで図示
しないファンによって供給される相対的に温度の高い室
内空気から熱を奪って室内空気を冷却し、自身は蒸発し
て圧縮機1に吸引されて循環する。
【0017】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱
しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0018】例えば、四方切換弁2に代えて、冷媒の流
れる方向が上記のように適宜切換可能に、複数の開閉弁
などを組み合わせた流路切換弁機構であっても良い。
【0019】また、加熱手段9・冷媒加熱熱交換器10
がなく、室内熱交換器6で放熱した冷媒を室外熱交換器
3に送って外気から熱を汲み上げるいわゆるヒートポン
プタイプの暖房運転可能な冷媒回路を有する空気調和機
であっても良い。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、暖
房運転時に流路切換弁機構が誤動作しておれば、これを
確実に見付け出して警告することなどが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和機の説明図である。
【図2】一制御例の説明図である。
【図3】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 四方切換弁 3 室外熱交換器 4 キャピラリーチューブ 5 第1の逆止弁 6 室内熱交換器 7 第2の逆止弁 8 開閉弁 9 加熱手段 10 冷媒加熱熱交換器 11 開閉弁 12 オリフィス 13 アキュムレータ 14 流量制御弁 15 開閉弁 16 配管 17 温度センサ 19 制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 和也 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−4797(JP,A) 特開 平6−50642(JP,A) 特開 平5−223360(JP,A) 特開 平3−247959(JP,A) 特開 平2−75868(JP,A) 実開 昭59−193970(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 13/00 F25B 49/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機から吐出した冷媒を前記圧縮機の
    吐出側に設置した流路切換弁機構によって、室外熱交換
    器に先に供給する冷媒回路と、室内熱交換器に先に供給
    する暖房回路とが選択形成可能に構成された空気調和機
    において、 前記流路切換弁機構を暖房運転用に切換操作して前記圧
    縮機を起動しても、前記流路切換弁機構と前記室内熱交
    換器とを接続する配管内の冷媒温度に所定の温度上昇が
    認められない時、前記流路切換弁機構が動作不良状態に
    あると判定することを特徴とする空気調和機の暖房運転
    方法。
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