JP2983294B2 - 配線基板の配線の欠陥を検出する装置 - Google Patents

配線基板の配線の欠陥を検出する装置

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、配線基板の配線の欠陥を検出する検出装置
に関する。
背景技術 従来、電気回路等の被測定物の所定部分の断線、短絡
の検査を行うために、種々の電圧検出装置が用いられて
きた。この種の電圧検出装置としては、被測定物の所定
部分にプローブを接触させて当該部分の電圧を検出する
ものであった。
しかしながら、プリント配線基板を例に取ると、特に
今日では、プリント配線基板の高密度化、即ちファイン
パターン化、ファインピッチ化及び多層化が急速に進展
している。THD(スルーホール実装デバイス)用基板の
配線幅は、1.27mmピッチであるのに対して、SMD(表面
実装デバイス)用基板では0.3mmピッチの配線幅が要求
され、更にCOB(チップ・オン・ボード)用基板では0.1
mmピッチの配線幅が要求されている。このようなプリン
ト配線基板の高密度化は、配線の断線や短絡といった欠
陥の発生の増加を招く。従って、プリント配線基板の検
査行程に於いて一層正確で低コストな配線の検査方法が
必要になってきている。一般に、配線の断線や短絡とい
った欠陥の発生は、配線の数が多くなり、配線幅が小さ
くなるほど、さらに層数が多くなるほど増加する。従っ
て、プリント配線基板の導通および絶縁検査、更に配線
の細り及び太り等の検査は、電子部品実装後のトラブル
を未然に防ぐ意味から不可欠の工程になっている。
現在使用されているプリント配線基板検査機は大きく
分けて接触型と非接触型の2種類がある。接触型検査機
には、プリント配線基板に対応したフィックスチャーを
用いる方式と、数本のプローブピンをプリント配線基板
上で自由に移動させ電気的検査を行うフライング式の2
種類があるフィックスチャー式では、スプリング付きコ
ンタクトプローブピンに圧力を加えてプリント配線基板
上のランドに接触させ、あるバイアス電圧を加えて各ラ
ンドすなわち各プローブピン間の導通状況を検出し、基
準データあるいは設計データと比較して、配線を検査す
る。フィックスチャーは、検査対象のプリント配線基板
毎に作製する必要があるので、フィックスチャーの設計
及び製作にコストがかかると共に、融通性に欠けるとい
う欠点を有する。更に、プローブピンの形状やピン立て
の精度の制限から0.5mm以下のピッチをもつプリント配
線基板の検査には利用できないという欠点もある。フラ
イング方式では、0.5−0.15mmピッチのプリント配線基
板の検査を行うことができる。しかしながら、プリント
配線基板内の多くの被検出点にピンを移動して検査する
必要があり、フィックスチャー方式よりも時間がかかる
とともに、装置が高価になるという欠点を有している。
しかも、接触型検査機は、プリント配線基板の2次元的
な配線及び導通の情報を同時に得ることができないの
で、配線の細りの場所の検出が難しく、したがって、接
触型検査機を目視又は光学式画像処理と併用する必要が
ある。この目的のために、カメラから入力される画像を
用いる方法が併用されている。
一方、非接触型検査機としては、プリント配線基板の
画像イメージを用いて検査を行うプリント配線基板外観
検査機がある。プリント配線基板外観検査機には、被検
査体の画像イメージと良品サンプルの画像イメージとの
比較を行う方式、あらかじめ設定した設計規則に従って
パターンが形成されたかどうかをチェックする特徴抽出
方式、プリント配線基板のCADデータとの比較による検
査方式及び特異点認識方式またはそれらの組み合せによ
る方式がある。これらの方式では、配線の細りの箇所を
検出することが出来る。しかし、配線の短絡の位置を検
出することは出来ない。
また、多層プリント配線基板の検査については、多層
化後に多層プリント配線基板の内層配線を検査すること
は出来ないので、内層板の接着前に検査する必要があ
る。また、非接触型検査機の一つである電子ビームを用
いた電圧検出機では、配線間又は配線とプローブとの間
の電圧を検出し、それを基準にプリント配線基板の検査
を行う。この電圧検出機では、プローブを被検査基板に
接触させずに電圧を検出することができる。しかし、こ
の電圧検出機では測定されるべき部分を真空中に置く必
要があり、かつその部分は露出していなければならな
い。また、電子ビームにより測定されるべき部分が損傷
するおそれもある。
特開昭59−500186及び特開昭63−133068には、電気光
学結晶を用いた集積回路の検査装置が記載されている。
この検査装置は、電気光学材料の複屈折率が電場によっ
て変わるという性質を利用している。電気光学材料にレ
ーザ光を照射すると、電場の大きさに応じて、照射した
光に直交する2つの方向の振動成分の位相差、即ち偏光
状態が変化する。通常、この偏光状態の変化は、ある適
当な軸方向に設定された偏光板に偏光した光を通すこと
によって強度変化に変換できる。レーザ光にパルス波を
用いれば、時間的に変化する電場、即ち、電気信号の時
間変化をレーザのパルス幅に相当する分解能で測定でき
る。ここで用いられている電気光学結晶はLiNbO3などの
無機物質である。これら無機物質の誘電率は、被測定部
分と電気光学結晶との間の誘電率よりも一般に大きいの
で、電気光学結晶にかかる電場が小さくなり、測定感度
が落ちるという欠点がある。そこで、被測定部分と電気
光学結晶との間の誘電率を上げるために、特開平3−15
6379号においては、エチルアルコール、エチレングリコ
ールなどの有機物を被測定部分と電気光学材料の間に入
れることが提案されているが、実用上操作が繁雑となる
という欠点を有している。さらに、これらの無機電気光
学材料の光透過可能な波長は近赤外領域にあるので、検
出に用いる光源が制限されるという欠点を有している。
一方、特開平1−119778には、複数の電子構成要素を
備えたプリント配線基板を試験する非接触型検査機にお
いて、高分子電気光学材料を用いたものが記載されてい
る。しかしながら、この検査機では、電気構成要素間を
流れる信号は測定できるものの、プリント配線基板の配
線の細りや短絡といった欠陥を検出することはできな
い。
更に例を取ると、液晶表示パネルは、大型化及びファ
インピッチ化に伴う高画質化等への期待が大きく、現在
活発に実用化への研究が進められており、小〜中型のも
のでは製品化が実現されている。例えばアクティブマト
リックス型液晶表示パネルでは、液晶表示パネルのすべ
ての画素にスイッチング素子としてのトランジスタやダ
イオード等のアクティブエレメントを形成する必要があ
る。このように、製造プロセスが複雑であるにもかかわ
らず、画素数が百万を超えるアクティブマトリックス型
液晶表示パネルも市販されるまでになってきている。こ
のようなファインピッチ化が進むアクティブマトリック
ス型液晶表示パネルでは、製造プロセスのコストダウン
及びプロセス改善による歩留まりの向上が望まれてい
る。
コストダウンの面では、液晶表示パネルの不良品の早
期発見が特に重要である。現在LCDパネルの検査は、ほ
とんどの場合、液晶セルを形成した後に行われており、
発見された欠陥品は注入された液晶ごと、特にカラーデ
ィスプレーの場合は中に挿入されるカラーフィルターご
と廃棄しなければならず、コストアップにつながってい
る。従って、液晶注入前のパネル段階での検査が非常に
有効となる。
従来から、液晶表示パネルの検査方法として、電気的
な測定方法と光学的な測定方法とが採られてきた。電気
的な方法としてはプローブピンを用いた電圧測定検査が
挙げられる。例えば、アクティブマトリックス型液晶表
示パネルの薄膜トランジスタ(TFT)アレイの外部接続
用パッド又は測定用のパッドで、各ゲート線、ドレイン
線、Csバス間を、基本的に抵抗測定法により断線及び短
絡のみを検査する装置がこれに相当する。しかし、この
ような電気的な測定では、画素数が百万を超えるような
アクティブマトリックス型液晶表示パネルのすべての画
素を検査することはできない。仮に全数検査を行っても
検査時間がかかりすぎ、実用的なものではないという欠
点がある。光学的な検査としては、アクティブマトリッ
クス型液晶表示パネルの画素電極と対向電極との間に液
晶を注入してセルにした後に行われる液晶表示パネル目
視感応検査が挙げられる。この検査では、被測定液晶表
示パネル面に光を照射し、人間の目に代わって二次元CC
Dセンサーにより画像を読み取り、パターン認識と画像
処理技術を用いて隣接する周期的なパターンを順次比較
し、その違いを欠陥として検出する。この検査は、基本
的には外観検査であるので、パネル上に付着したゴミや
異物のみならずパターン欠陥をも認識できるが、電気的
な断線及び短絡は正確に検出できない。
この他、前述のように、非接触型検査機の一つとし
て、電子ビームを用いた電圧検出器があり、荷電半導体
による二次電子エネルギーを計測するシステムもある。
この電圧検出器では、プローブを被測定パネルに接触さ
せずに電圧を検出することができる。しかし、被測定液
晶表示パネルを真空中に置く必要があり且つその被検査
部分は露出していなければならない。また、電子ビーム
によって測定されるべき液晶表示パネルが損傷するおそ
れもある。
特開平5−240800号及び特開平5−256794号には、電
気光学材料或いは高分子分散型液晶シートを用いた液晶
ディスプレイ基板の検査装置が記載されている。
前述の電気光学材料を用いた検査装置は、電気光学材
料の複屈折率が液晶ディスプレイ基板からの電場によっ
て変化するという性質を利用している。電気光学材料に
レーザー光を照射すると、電場の大きさに応じて、照射
した光の直交する二つの方向の振動成分の位相差、即
ち、偏光状態が変化する。通常、この偏光状態の変化
は、ある適当な幅方向に設定された偏光板に偏光した光
を通すことによって電気的強度変化に変換できる。その
電気的強度のある位置での強弱を観察することにより液
晶ディスプレイ基板の欠陥を検査することができる。電
気光学材料としては、現在一般的にLiNbO3などの無機結
晶が主流である。これら無機結晶の誘電率は被測定部分
と無機結晶との間の誘電率よりも一般的に大きいので、
無機結晶にかかる電場が小さくなり、測定感度が落ちる
という欠点がある。また、一般的に結晶では、無機、有
機どちらでも大面積のものが得られないという欠点もあ
る。
一方、高分子分散型液晶シートは透明ケースに封入さ
れ、液晶表示パネルの上方に配置される。このような液
晶シートを用いた場合には、検査装置の応答速度は液晶
分子の電界に対する応答速度に依存しているためにミリ
セカンドのオーダーになってしまい、検査時間に限界を
有する。
また、LSI等の多端子の集積回路は、プリント基板等
へ実装する際に端子ピッチを広げるための変換コネクタ
を必要とする。しかも、最近の高速クロック集積回路は
かなりの量の熱を発するので、放熱性の良いセラミック
パッケージに封入することが多く、それほど放熱の必要
のない集積回路は安価なプラスティックパッケージに封
入される。これらの集積回路用のパッケージもファイン
ピッチ化が進行中で、現在は0.3mmピッチであるのに対
して0.1mmピッチのものも検討されている。
従来の0.3mmピッチのパッケージを検査する場合、専
用フィクスチャー或いはフライング式プローバーが用い
られてきた。しかし、前者の場合、それぞれのパッケー
ジの電極配置とその数に対応したピン配置を行ったフィ
クスチャーを設ける必要があるため、汎用性に欠く、ま
た細いピンは高価でありコスト面で問題がある。更に、
技術的に見ても、0.1mmピッチのようなファインピッチ
に対応するのは困難である。一方、後者の場合には、大
型のプリント基板用の市販のものが代用されている。こ
の方法は、前述のフィクスチャー方式とは違い、数本の
針状のプローブを用いるため、装置全体では高価である
が、消耗品であるプローブは安価である。しかしなが
ら、狭い電極に正確にプローブを接触させることは難し
いので、種々の工夫を要するうえ、数本のプローブを電
極に接触させなければならないので、汎用性は良いもの
の、検査時間が長くなるという欠点を有する。また、狭
い電極に対応できるようにプローブを細く針状に形成
し、その表面上を金でメッキしているため、検査の際、
電極の金メッキに傷を付けてしまうという欠点もある。
以上述べたような機械的な接触による検査方法には限
界があり、総じて0.1mm以下のピッチのパッケージに対
応したフィクスチャー及びピンプローブの作成及びそれ
を用いた計測は困難である。
上記のような問題点に鑑み、本発明は、狭い配線幅に
も対応することができ、配線の細り、配線の導通状態及
び配線の短絡位置を非接触で検出することができる、配
線基板の配線の欠陥を検出する検出装置を提供すること
を第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、プリント配線基板の配線基板
の欠陥を検出する検出装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、多層基板の表面及び裏面の配
線のみならず内層の配線の欠陥をも非接触で検出するこ
とができる、プリント配線基板の配線の欠陥を検出する
検出装置を提供することである。
本発明の第4の目的は、検出精度が高く、小さな画素
面積にも対応可能であって、液晶表示パネルの透明電極
の断線、細り及び短絡状態等を液晶セルの組み立て前に
且つ液晶パネルに傷を付けることなく非接触で検出する
検出装置を提供することである。
本発明の第5の目的は、集積回路用パッケージのファ
インピッチにも対応可能な、配線の欠陥を発見する装置
を提供することである。
発明の開示 本発明によると、少なくとも一層の配線から成る配線
基板の配線の欠陥を検出する検出装置が提供される。該
検出装置は、 透明基板と、前記透明基板上に設けられた透明電極
と、前記透明電極上に設けられた高分子非線形光学材料
の膜と、前記膜上に設けられた反射膜とを備えていて、
前記配線基板の測定されるべき配線に非接触で且つ近接
して配置される光学センサーと、 光源と、前記光源からの光を前記光学センサーに入射
させる光学手段と、前記光学センサーからの反射光を検
出して前記配線に電圧を印加したときの前記反射光の強
度に対応した信号を導出する検出手段とを備えるセンサ
ーヘッドと、 前記検出手段から導出された前記信号を処理して前記
配線の欠陥の有無に対応する信号を出力する処理部と、 を具備する。ここで、前記配線の欠陥とは、前記配線の
細り若しくは断線、前記配線間の短絡又はこれらの任意
の組み合わせである。
このように構成された本発明に係る検出装置は電気光
学効果を利用して配線の欠陥を検出する。電気光学効果
を利用した公知の技術、例えば特開平1−119778号公報
に開示されているような検出装置は、プリント配線基板
に実装された電子部品間の信号の測定を目的とする所謂
インサーキットボードテスターであるのに対し、本発明
の検出装置は電子部品を実装する前の配線の欠陥を検出
することを目的とするものである。また、前記検出手段
は被検査基板上を移動して走査を行い、これによって配
線の欠陥を検出する。この点で、本発明の検出装置は、
光ビームだけをミラーによって走査する前記特開平1−
119778号公報に開示されたような装置とは相違する。
本発明の検出装置では、前記光学センサーと前記セン
サーヘッドとを一体化しても、別体としてもよい。後者
の場合、前記光学センサーは予め配線基板と接触しない
ように配線基板上に固定され、固定された光学センサー
の上を前記センサーヘッドを移動させて配線基板の走査
を行う。
本発明の検出装置においては、光学センサーを検査さ
れる配線基板と略同寸法又はそれより大きく形成しても
よい。こうすると、光学センサーを固定しておき、セン
サーヘッドを移動させて、そこからのビーム状の光で配
線基板を走査する配置とすることができる。光学手段及
び検出手段を直線状にし、ビーム状の光に代えて直線状
の光を用いることにより、測定時間を短縮することがで
きる。また、光学手段及び検出手段を平面状にし、ビー
ム状の光に代えて平面状の光を用いることによっても測
定時間を短縮することができる。
本発明の検出装置は、少なくとも一層の配線を有する
プリント配線基板中の配線の欠陥を検出するのにも用い
ることができる。該プリント配線基板は、一層の配線を
有するプリント配線基板でも、多層プリント配線基板で
もよい。多層プリント配線基板中の配線の欠陥を検出す
る場合には、一度の操作ですべての層中の配線の欠陥を
検出することも、各層毎に配線の欠陥を検出することも
可能である。該プリント配線基板の材質には特に制限は
なく、プリント配線基板として通常用いられている材質
のものであれば、本発明の検出装置によって測定するこ
とができる。
本発明の検出装置は、透明電極を有する透明ガラス基
板を含んで成る液晶表示パネルの検査にも使用できる。
この様な液晶表示パネルとしては、STNに代表される単
純マトリックス型液晶表示パネルと、アクティブエレメ
ント(薄膜トランジスターやバルクトランジスターのよ
うなトランジスター、及び、金属・絶縁体・金属ダイオ
ードやZnOバリスタや金属・半絶縁体ダイオードやリン
グダイオードのようなダイオード)を有するアクティブ
マトリックス型液晶表示パネルとがあるが、本発明では
その両者の透明電極の欠陥である断線、細り、及び短絡
を同時に検出することができる。本発明において透明電
極とは、単純マトリックス型液晶表示パネルにおいては
走査電極を意味し、アクティブマトリックス型液晶表示
パネルにおいては、走査電極、信号電極及びアクティブ
エレメントを意味する。これらの透明電極の形状には制
限はなく、また、液晶表示パネルに配向膜が塗布してあ
る状態であっても、本発明の検出装置によって配線の欠
陥を検出することができる。
本発明の検出装置は集積回路用パッケージの欠陥を検
出するのにも用いることができる。このようなパッケー
ジとしては、ceramic−Ball Grid Array(c−BG
A)、plastic Ball Grid Array(p−GBA)、Quad
Flat Package with Bumper(BQFP)、Butt Joint
Pin Grid Array(BJPGA)、Cerdip、Cerquad、Cerami
c Leaded Chip Carrier(CLCC)、Plastic Leaded
Chip Carrier(PLCC)、Dual Flat Package(DF
P)、ceramic−Dual In−line Package(c−DIP)、
plastic−Dual In−line Package(p−DIP)、Small
Out−line Package(SOP)、Dual Tape Carrier
Package(DTCP)、Quad Flat Package(QFP)、Fine
pitch Quad Flat Package(FQFP)、Quad Flat
Packagewith Guard ring(GQFP)、ceramic Pin Gr
id Array(c−PGA)、plastic Pin Grid Array
(p−PGA)、Leadless Chip Carrier(LCC)、Land
Grid Array(LGA)、Low profil Quad Flat Pac
kage(LQFP)、L−QUAD、Multi−Chip Module(MC
M)、Metric Quad Flat Package(MQFP)、ceramic
Quad Flat Package(c−QFP)、plastic Quad F
lat Package(p−QFP)、Metal Quad(MQUAD)、Min
i Square Package(MSP)、Piggy Back、Quad Flat
High Package(QFH)、Quad Flat I−leaded Pa
ckage(QFI)、Quad Flat J−leaded Package(QF
J)、Quad Flat non−leaded Package(QFN)、Tape
Carrier Package(TCP)、Quad Tape Carrier Pa
ckage(QTCP)、Quad In−line Package(QUIP)、Sh
rink Dual In−line Package(SDIP)、Single In
−line Package(SIP)、Single In−line Memory
Module(SIMM)、Skinny Dual In−line Package(S
kinny−DIP)、Slim Dual In−line Package(SL−D
IP)、Small Out−line Package(SOP)、Small Out
−line I−leaded Package(SOI)、Small Out−li
ne J−leaded Package(SOJ)、Small Out−line
L−leaded Package(SOL)、Small Out−line Non
−fin(SONF)、Small Out−line Package Wide−ty
pe、Shrink Quad Flat Package(SQFP)、Shrink S
ingle In−line Package(SSOP)、Surface Vertica
l Package(SVP)、Shrink Zigzag In−line Packa
ge(SZIP)、Thin−Srink Small Outline Package
(Thin−SSOP)、Test Pad QFP(TPQFP)、Thin Qua
d Flat Package(TQFP)、Thin Small Out−line
Package(TSOP)、Ultra Small Outline Package(U
SO)、Ultra Thin SmallOutline Package(UTSO
P)、Zigzag In−line Package(ZIP)、Very short
pitch Small Out−line Package with Heat si
nk(VHSO)、Very Small Quad Flat Package(VQF
P)、Very Short Pitch Small Out−line Package
(VSO)、Very Small Out−line Package(VSOP)等
を挙げることができる。
前記光学センサーは前記集積回路用パッケージの集積
回路のボンディングされる部分全体を覆う形で非接触で
近接して配置され、それら電極にはピン側から電圧が印
加され、前述のとおりの原理によって前述集積回路用パ
ッケージの電極の欠陥が検出される。本発明の検出装置
はソルダーレジストが塗布された後のパッケージを検査
するのにも使用できる。
図面の簡単な説明 図1の(a)〜(d)は、本発明に係る検出装置の光
学センサーの作製工程を順に示す図である。
図2は、図1の光センサーの電気光学定数をどう測定
するかを説明するための図である。
図3は、本発明に係る検出装置の一実施例の構成を概
略的に示す図である。
図4は、本発明に係る検出装置の変形例の構成を示す
図である。
図5は、図3の光センサーとセンサーヘッドとを一体
化した、本発明に係る検出装置の他の実施例の構成を示
す図である。
図6は、本発明の検出装置をプリント配線基板の欠陥
検出に応用したときの配置を示す図である。
図7は、本発明の検出装置を単純マトリックス型液晶
表示パネルの欠陥検出に応用したときの配置を示す図で
ある。
図8は、本発明の検出装置を集積回路用パッケージの
欠陥検出に応用したときの配置を示す図である。
図9は、本発明に係る検出装置をプリント配線基板の
配線の細りの検出に応用したときの配置を示す図であ
る。
図10は、図9のプリント配線基板の配線について得ら
れたイメージを示す図である。
図11は、本発明に係る検出装置を単純マトリックス型
液晶表示パネルの配置の細りの検出に応用したときの配
置を示す図である。
図12は、図11の配置により単純マトリックス型液晶表
示パネルから得られたイメージを示す図である。
図13は、本発明に係る検出装置により配線の短絡を検
出する測定に供される配線パターンを示す図である。
図14は、本発明に係る検出装置によりTFT−アクティ
ブマトリックス型液晶表示パネルのTFTの電極間の短絡
を検出する測定に供された模擬液晶表示パネルのイメー
ジを表す図である。
図15は、本発明に係る検出装置によりTFT−アクティ
ブマトリックス型液晶表示パネルのTFTの電極間の断線
を検出する測定に供された模擬液晶表示パネルのイメー
ジを表す図である。
図16は、本発明に係る検出装置を集積回路用パッケー
ジの断線の検出に応用したときの配置を示す図である。
図17は、図16の配置において検出装置から得られたパ
ターンを示す図である。
図18は、本発明に係る検出装置を集積回路用パッケー
ジの短絡の検出に応用したときの配置を示す図である。
図19は、図18の配置において検出装置から得られたパ
ターンを示す図である。
発明を実施するための最良の形態 図1の(a)〜(d)は、本発明に係る検出装置に使
用される光学センサーを作製する工程を示している。ま
ず、透明基板10上に透明電極12を設ける(図1
(a))。透明基板10は、入射光の波長範囲で透明であ
る必要があり、例えば、ソーダガラス、石英ガラス又は
パイレックスガラスのようなガラス類及び光学プラスチ
ック類が好適である。本発明においては、配線基板中の
配線の欠陥を発見する場合に、入射光を高分子非線形光
学材料の薄膜に対して斜めから入射させ、該材料の最大
非線形有効成分であるγ33を利用することが望ましい。
しかしながら、入射光を斜めから入射するとビームプロ
ファイルが悪くなるという欠点がある。この問題点を解
決するために、透明基板10の厚さをなるべく薄くする必
要がある。例えば、入射光の直径を10μm以下に集光し
た場合には、透明基板の厚さは約1000μm以下が望まし
い。さらに好ましくは、取扱性を考慮し、約300−400μ
mの厚さである。
透明電極12は、入射光の波長範囲で透明である必要が
ある。透明電極12としては、ITO(インジウム・ティン
・オキサイド)や、SnO2などの無機導電体を使用するこ
とができる。透明電極12での入射光の反射率をおさえる
ために、透明電極12の膜厚は薄いことが好ましい。透明
電極12の膜厚は約100−1000Åであることが好ましい。
透明基板10上に透明電極12を設ける方 法には特に制限はなく、従来公知の如何なる方法をも使
用することができる。例えば真空蒸着法を用いることが
できる。また、商業的に入手可能なネサガラス(登録商
標)等を使用してもよい。
透明電極12上に高分子非線形光学材料の薄膜14を設け
る(図1(b))。薄膜14は従来公知の任意の薄膜作製
方法を使用することができる。例えば、高分子非線形光
学材料をシクロヘキサノンのような溶媒に溶解せしめ、
この溶液を透明電極12上に約200−5000rpmの回転数でス
ピンコーティングする。次いで、加熱して溶媒を蒸発除
去せしめ高分子非線形光学材料の薄膜14を作製する。薄
膜14の厚みは、配線基板の配線から生じる電界を十分に
取り込むことの可能な膜厚でなければならない。配線基
板の配線と前記透明電極との間の電界、或いは配線基板
の配線から任意に発生する電界をを測定する場合であっ
て前記光学センサーと配線との間の誘電率が前記高分子
非線形光学材料の誘電率に比べて小さいときには、光学
センサーとプリント配線基板の配線との間の距離よりも
十分に厚い約10−1000μmであることが好ましい。更に
好ましくは、膜厚は約20μmである。
高分子非線形光学材料中の非線形光学活性を有する原
子団(クロモファーともいう)は、薄膜14中において一
定の方向に配向していることが望ましい。原子団が配向
することによって、大きな非線形光学効果が得られるか
らである。配向の方向は、薄膜14の面と平行な方向でも
よく、又は薄膜14の面と垂直な方向でもよい。或いは、
薄膜14の面に対して傾いていてもよい。配向処理には、
例えば次のような方法が用いられる。
まず、図1(c)に示すように薄膜14上に配向処理の
ための配向用電極16を設ける。配向用電極16は薄膜14の
全面に設けてもよく、又は配向処理すべき部分にのみ設
けてもよい。配向用電極16の材質は抵抗値が小さいもの
であることが好ましく、例えば金、銀、銅又はアルミニ
ウムを使用することができる。配向用電極16の膜厚は約
600Å以上のものが好ましく、特に約1000〜1500Åが望
ましい。配向用電極16を設けるには、例えば真空蒸着法
を用いることができる。電源と配向用電極16及び透明電
極12とを接続するための導線を配向用電極16及び透明電
極12に固定するためには、電気導電性の接着剤を使用す
ることができる。
次いで、図1(d)に示すように、ホットプレート18
を用いて薄膜14をそのガラス転移温度以上に加熱する。
加熱温度に特に上限はないが、薄膜14がその形状を保ち
得る融点以下とするのが実用的である。薄膜14を十分に
加熱し、非線形光学活性を有する原子団にモビリティー
を付与した後に、薄膜14上の配向用電極16と透明電極12
との間に電圧を印加する。大きな非線形光学効果を得る
ためには、印加電圧は高い程良く、印加時間は前記印加
電圧下において原子団の配向が完了するのに十分な時間
である。印加電圧は、薄膜14が絶縁破壊を起こさない範
囲内において約100〜300V/μmであることが好ましく、
印加時間は数分程度であることが好ましい。引き続き、
薄膜14に電圧を印加したままで薄膜14を室温まで冷却
し、原子団の配向を固定する。このような処理によっ
て、薄膜14の面に対して垂直方向又は斜め方向に原子団
を配向させることができる。
配向処理に用いた薄膜上の配向用電極は、後述する当
該薄膜の電気光学定数の測定用電極及び反射膜として用
いた後、一般には、エッチング剤によって除去される。
エッチング剤によって配向用電極を除去した薄膜上に反
射膜を設ける。反射膜としては、金属ミラーや誘電体の
多層膜ミラーを用いることができる。誘電体の多層膜ミ
ラーとしては、例えばSiO2の薄膜とTiO2の薄膜とを交互
に積層したものを用いることができる。積層には例えば
真空蒸着法を用いることができる。このように得られた
光学センサーは配線基板の形状に合わせてダイシングさ
れる。
本発明の光学センサーに用いられる高分子非線形光学
材料には、高分子材料の他に無機材料や有機低分子材料
が知られているが、無機材料や有機低分子材料では、高
感度で大型の膜を得ることが困難であることに鑑みて、
本発明においては高分子非線形光学材料を用いるのが好
ましい。
本発明で用いられる高分子非線形光学材料としては、
二次の非線形光学効果を有し、誘電率が小さく、電気光
学定数が高く、且つ透明性の高い高分子材料を用いるこ
とが好ましい。本発明においては、例えば、下記一般式
I及び一般式IIに示す高分子材料 を用いることが出来る。
一般式Iにおいて、Pは非線形光学活性共重合体の主
鎖である。Pとしてはポリビニル系、ポリシロキサン
系、ポリオキシアルキレン系、ポリビニリデン系、ポリ
ウレタン系、ポリトリアジン系、ポリエステル系又はポ
リアミド系が好ましい。Sは直接結合であるか、又は炭
素原子数1〜20の直鎖炭化水素基から成るスペーサーグ
ループである。スペーサーグループは可撓性に富むの
で、スペーサーグループの末端に結合するクロモファー
のモビリティーが大きくなる。[X−Y−Z]は非線形
光学活性を有するクロモファーである。このうち、Xは
電子供与基であり、例えば−NR1−、−O−又は−S−
が好ましい。なお、R1としては水素又はメチル基等の低
級アルキル基を用いることができる。Yはπ電子共役系
であり、例えばスチルベン系、アゾベンゼン系、ビフェ
ニル系、ジフェニルブタジエン系又はジシアノビニル−
ヘキサトリエン系が好ましい。Zは電子吸引基であり、
例えば−NO2、−CN又は−CF3が好ましい。
更に、Aは非線形光学活性を有しない共重合単位であ
り、Bは他の機能を有する共重合単位及び/又は官能性
共重合単位である。また、スペーサーグループとクロモ
ファーの化学結合態様には、例えば のようなものがある。
一般式IIにおいては、非線形光学活性を有するクロモ
ファーである[X−Y−Z]は、非線形光学活性共重合
体の主鎖単位を構成する。X、Y、Z、A及びBの定義
は、上記の一般式Iの場合と同様である。また、クロモ
ファーの化学結合態様には、例えば のようなものがある。
具体的な高分子非線形光学材料としては、例えば、米
国特許第4,801,670号、同第5,415,510号、同第5,155,19
5号、同第5,171,803号、同第4,694,066号、同第4,795,6
44号、同第4,822,865号、同第4,810,338号,同第4,835,
235号、同第4,851,502号、同第4,865,430号、同第4,86
7,540号、同第4,913,844号、同第4,915,491号、同第4,9
62,160号、同第4,757,130号、同第4,808,332号、同第4,
978,476号、同第5,002,361号、同第5,041,509号、同第
5,044,725号及び同第5,061,760号に記載されているもの
を使用することができる。
特に好ましくは、下記の式III及び式IVに示されたニ
トロアミノスチルベン又はインドリニルアゾベンゼンを
ペンダンドしたメタクリート系共重合体を高分子非線形
光学材料として用いることができる。
また、以下の式Vで表される繰り返し単位を含んでな
る、トリアジン環を含むポリマーも高分子非線形材料と
して好ましい。この種のトリアジン環を含むポリマーの
場合、高品質膜の形成が可能であり、更に耐熱性の良い
材料が期待できる。
式中、 X1及びX2は、同一でもよく又は異なっていてもよい
S、NR1又はOであり、 R1は、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、 Yは、アルキレン基、色素分子残基を含まない二価の
置換若しくは非置換芳香族環基、該芳香族環基が結合若
しくは縮合したもの、又は で表される基であり、 Ar1及びAr2は、同一でもよく又は異なっていてもよい
二価の置換又は非置換芳香族基であり、 R2及びR3は、同一でもよく又は異なっていてもよい水
素原子又はアルキル基であり、 Qは、炭素原子又はケイ素原子であり、 mは、1〜4の整数であり、 Zは、−G−(CH2)n−で表される基から成るスペ
ーサーグループ(nは1から10の整数である)であるか
又は直接結合であり、 Gは、S、NR4又はOであり、 R4は、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、 Aは、π電子系を介して電子供与性基と電子吸引性基
が共役している有機色素分子残基である。このポリマー
の重量平均分子量は、一般に約5、000〜約1、000、00
0である。特に好ましくは、下記の式VI及び式VIIで表さ
れる共重合体を高分子非線形光学材料として用いること
ができる。
このような高分子非線形光学材料は、無機の電気光学
結晶に比べて誘電率が小さく、被測定部に近接させた場
合でも、配線に印加した電圧を効率よく該材料中に取り
込めるので、測定感度を向上させることができる。ま
た、これら高分子非線形光学材料の電界に対する応答速
度はピコセカンドのオーダー以上と極めて速く、高速測
定に適している。
上記のようにして薄膜の面に対して平行でない方向に
非線形光学活性な原子団が配向した高分子非線形光学材
料は、該配向方向と平行な方向の電界の変化に対して最
も感度よく複屈折率が変化する。図2は、薄膜14の面に
対して垂直方向に非線形光学活性な原子団が配向した光
学センサーの電気光学定数を求めるための測定装置を表
したものである。図2において、10は透明基板、12は透
明電極、14は高分子非線形光学材料の薄膜、20は電極を
兼ねた反射膜である。光源22からの光は、ポーラライザ
ー23により線偏光となって光学センサーの透明基板10側
から入射し、薄膜14を通過して、反射膜20で反射する。
反射光はバビネソレイユ補償板24及びアナライザー26を
通して光電変換器28にて検出される。透明電極12と薄膜
14との間に外部の電源から変調電圧が印加され、この変
調電圧に従って高分子非線形光学材料の複屈折率も変化
するので、光電変換器28にて検出される反射光の強度も
変化する。測定方法の詳細については、例えば、C.C.Te
ng and H.T.Man,Appl.Phys.Lett.56(18),30 April
1990を参照されたい。例えば、830nmの光源30を使用
したとき、光電変換器28からは30pm/V以上のγ33が得ら
れた。なお、光学センサー100の透明電極12は変調電圧
を印加する際にグランドとして使用され、被検査基板の
形状に応じてダイシングされる。
図3は本発明の検出装置の一実施例の構成を概略的に
示す図である。即ち、本発明の検出装置DTは、上記の高
分子非線形光学材料の薄膜を備えた光学センサー100と
センサーヘッド102と信号処理部104とを備えており、セ
ンサーヘッド102は光源30と、光源30からの光を光学セ
ンサー100に入射させる光学手段32と、光学センサー100
に入射した光が光学センサー100の反射膜から反射され
た光を検出する検出手段34とを有している。
光源30としては、市販の600〜1550nmまでの波長を出
力できる半導体レーザ、He−Neレーザのような気体レー
ザ及びYAGやYVO4等の固体レーザ並びにその第2高調波
を発振するレーザなどを用いることができる。光源30は
一次元的に直線状でも、二次元的に平面状でもよい。光
源30からの光を光学センサー100に入射させる光学手段3
2は、例えば、光源30からの光のうち所定の偏光成分の
みを選別するためのポーラライザー36と、電気的なバイ
アスと等価なバイアスを光学的にかけるためのλ/4波長
板38と、適当な角度で光を光学センサー100に入射させ
るための第1の光学部材40と、光学センサー100からの
反射光を検出手段34に入射させる第2の光学部材42とを
有する。光源30が直線状又は平面状に配列している場合
には、それに対応して光学手段32も直線状又は平面状に
配列させることができる。光学部材40、42としては、例
えば、光学レンズ、光学ミラー、プリズム及び光ファイ
バーを用いることができる。
光学センサー100からの反射光を検出する検出手段34
は、ポーラライザー36を通過する偏光成分に垂直な偏光
成分或いは平行な偏光成分を通過するように角度設定さ
れたアナライザー44と、フォトダイオードや光電子倍増
管のような光電変換器46とから成る。光電変換器46から
の電気信号は、コンピューター等の信号処理部104によ
って処理される。光源30が直線状又は平面状に配列され
ている場合には、それに対応して検出手段34も直線状又
は平面状に配列される。直線状の検出手段は、例えば、
直線状のアナライザーとアレイ型のフォトダイオードと
の組み合わせによって構成することができる。
配線基板の配線の欠陥を検出するために、光学センサ
ー100はその反射膜20の側を配線基板の測定されるべき
配線に非接触で且つ近接して配置される。その配線には
交流電圧又は直流電圧が印加される。配線に交流電圧を
印加する場合、その周波数は1Hzからテラヘルツ帯まで
の任意のものを用いることができるが、計測の容易さか
らは100Hzからギガヘルツ帯の周波数が好ましい。本発
明の検出装置においては移動手段によりセンサーヘッド
102或は配線基板を移動させることによって該配線基板
を光学手段32からの光で走査するようにしているため、
振動ノイズを拾うことがある。この振動ノイズは1Hz〜5
0kHzの範囲に存在する為、配線が印加する交流を50kHz
〜100kHzに取り、更にバンドパスフィルタにてノイズを
取ることが好ましい。
光源30からの光は光学センサー100の透明基板10の側
から入射する。入射角度は約1度〜57度の範囲であり、
好ましくは約20〜45度である。光学センサー100に入射
した光は高分子非線形光学材料の薄膜14を通過し、反射
膜20にて反射される。薄膜14の複屈折率は、配線に印加
された電圧によって生ずる電界に応じて変化するので、
屈折率の変化に応じて薄膜14を通過する光の偏光面が変
化する。その結果、入射した光と出射した光との偏光面
が異なるので、アナライザー44を通過する光の強度が偏
光面の方向によって変化する。この強度変化を光電変換
器46によって電気信号に変換する。この場合、光学セン
サー100中の透明電極12は接地電位にあることが好まし
い。
本発明の検出装置DTにおいては、光学センサー100と
センサーヘッド102とを一体化しても、別体としてもよ
い。一体化した場合には光学センサー100とセンサーヘ
ッド102とを、別体とした場合にはセンサーヘッド102
を、平面移動手段(図示せず)により配線基板の配線上
を非接触で移動させる。これにより配線基板を走査す
る。平面移動手段は公知のものを使用することができ、
通常、移動精度は繰り返しで±30μm以下である。第1
の光学部材40としてレンズのような集光系を用いると、
光学部材40により直径約1μm−5mm程度までビーム径
を変えることができる。この光のビーム径は装置の検出
精度に対応するので、本発明の検出装置DTは約1μm−
5mm程度の検出精度を有することになる。
このように、平面移動手段と集光系とを併用すること
により、THD用基板に要求されている検出ピッチ1.27m
m、SMD用基板で要求されている0.3mmピッチ、及びCOBで
要求されている0.1mmピッチのすべてのピッチに対応し
て配線の欠陥を検出することができるばかりでなく、フ
ァインピッチの液晶表示パネルに要求されている数10〜
100μm単位ピッチの透明電極の欠陥をも検出すること
ができ、更に、0.3、0.1mmピッチの集積回路用パッケー
ジにも適用することができる。
平面移動手段を用いてセンサーヘッド102を移動さ
せ、配線基板の配線に印加されている電圧を任意の箇所
において観測する場合、配線に印加する電圧は約1Vから
約1kVの交流又は直流である。欠陥のない配線基板をセ
ンサーヘッド102からの光で走査すると、配線の存在す
る部分では電界が高分子非線形光学材料の薄膜14に印加
され、その電界に応じて高分子非線形光学材料の薄膜14
の複屈折率が変化し、その変化量に応じて光電変換器46
から発生される電圧が変化する。一方、配線が存在しな
い部分では電界が生じないので、高分子非線形光学材料
の薄膜14の複屈折率が変化せず、その結果、光電変換器
46の発生電圧も変化しない。検出手段34によって検出さ
れた電圧の分布状況は、センサーヘッド102で走査した
各位置に対してコンピュータ等の信号処理部104の画像
処理/表示手段(図示せず)に表示される。このように
して、配線の欠陥である、配線の細り、断線、配線間の
短絡、又はこれらの任意の組み合わせの有無を検出する
ことができる。
図4に示すように、センサーヘッド102における光源3
0と光電変換器46とを一体化した集積素子48を使用する
ことができる。そのような集積素子48としては、例え
ば、発光ダイオードとフォトトランジスタとが一体化し
たものがあり、フォトリフレクタやフォトセンサの商品
名で市販されている。
本発明の検出装置DTは、多層プリント配線板中のすべ
ての層の配線を同時に測定するのにも使用することがで
きる。この場合、検出手段34において測定される電圧
は、光学センサー100と配線との距離、及び、光学セン
サー100と配線との間の誘電率の双方に関係する。即
ち、各層に同じ電圧を印加している場合でも、光学セン
サー100から遠い配線ほど、また光学センサー100と配線
との間の誘電率が低いほど測定される電圧の値は低くな
る。従って、配線の状態を各層別に識別して同時に測定
することが可能となる。
更に、本発明の検出装置DTは、例えば、アクティブエ
レメントとしてTFTを用いたアクティブマトリックス型
液晶表示パネルの欠陥を検出するのにも使用することが
できる。ソース−ドレイン間の短絡を検出する場合は、
アクティブマトリックス型液晶表示パネルの信号電極の
みに電圧を印加する。いずれかのTFTのソース−ドレイ
ン間に短絡が生じていると、ドレインを通じて画素電極
にも電圧が印加されるので、短絡が生じたTFTが接続さ
れている画素電極でシグナルが観測される。ゲート−ド
レイン間の短絡を検出する場合には、走査電極に電圧を
印加する。ゲート−ドレイン間が短絡されている場合に
は、ドレインを通じて画素電極にも電圧が加わるので、
ゲート−ドレイン間が短絡されたTFTが接続されている
画素電極でシグナルが観測される。
また、TFTがスイッチオンの状態となるように信号電
極と走査電極との間に電圧を印加したとき、ソース−ゲ
ート間で、又は信号電極と走査電極との交差点で短絡が
生じているときには、画素電極に正常な電圧が加わらな
いので、短絡がある箇所の画素電極で正常なシグナルが
観察されない。
アクティブマトリックス型液晶表示パネルの信号電極
の断線を検出する場合は、信号電極と走査電極との間に
電圧を印加する。信号電極に断線がある場合には、断線
箇所から先の画素電極に電圧が加わらないので、画素電
極上でシグナルが観察されないことになる。同様に、走
査電極の断線を検出するためには、信号電極と走査電極
との間に電圧を印加する。走査電極の断線がある場合に
は、断線箇所から先の画素電極に電圧が加わらず、画素
電極上でシグナルが観察されない。
一方、集積回路用パッケージの配線の欠陥を検出する
場合には、光学センサー100とセンサーヘッド102とが一
体化された検出装置DTを予め配線上に接触しないように
且つ近接して移動させるか、又は、光学センサー100を
予め配線上に接触しないように且つ近接して固定してお
き、センサーヘッド102のみを移動させるかして配線を
走査する。
また、検出装置DTにより、集積回路用パッケージの配
線の断線を検出する場合、ピンをろう付けする前であれ
ば全ショートバーを介して、ピンろう付け後であれば電
圧印加用のソケットを介して、集積回路用パッケージの
全部の配線に対して電圧を印加する。次いで、検出装置
DTによって集積回路用パッケージを走査して前記のよう
に配線上の電圧を検出し、断線箇所を検出する。
検出装置DTにより、集積回路用パッケージの配線の短
絡を検出する場合には、集積回路用パッケージのピン側
に電圧印加用のソケットを接続し、1つの配線に対して
電圧を加える。そこで検出装置DTよって、電圧の検出さ
れる配線の有無を確認する。電圧を印加した配線以外の
配線から電圧が検出されれば、それらの配線間が短絡さ
れていることになる。こうした手順を順に全部の配線に
ついて行うことにより、全配線について短絡の有無を検
査することができる。この場合、電圧印加用のソケット
をスキャナーに接続し、順に配線に電圧を加わるように
するとよい。
ここで、図1の(a)〜(d)によって既に説明した
光学センサー100の作製工程とその構成とを具体的に説
明する。メタクリル酸メチルとクロモファーとの割合が
50:50モルパーセントである前記の式IIIに示した高分子
非線形光学材料をシクロヘキサノンに溶解する。窒素雰
囲気下、60℃で24時間攪拌した後、室温まで冷却し、0.
2μmのフィルターを用いて吸引濾過することにより15
重量%の溶液が得られる。一方、50×50×0.4mmのホウ
ケイ酸ガラス(透明基板10)に無機導電体であるITOを
蒸着し、透明電極12を形成する。透明電極12の膜厚は、
185Åであり、抵抗値は、450Ω/□である。次いで、こ
の透明電極12が形成されたガラスの透明基板10を純水中
で洗浄してから、スピンコート法にて透明電極12上に上
記の溶液を塗布する。160℃にて5時間乾燥してシクロ
ヘキサノンを蒸発除去すると、薄膜14が形成される。得
られた薄膜14の膜厚を触針膜厚計にて測定したところ、
15μmであった。次いで、通常の蒸着装置を用いて、薄
膜14上に金の配向用電極16を設ける。配向用電極16の厚
さは約1000Å、直径は5mmである。銀ペーストにより導
線が配向用電極16及び透明電極12にそれぞれ接続され
る。
次いで、ホットプレート18を用いて薄膜14をそのガラ
ス転移温度である140℃以上に加熱する。加熱により非
線形光学活性を有するクロモファーにモビリティーを付
与した後、配向用電極16と透明電極2との間に150V/μ
mの直流電圧を5分間印加する。こうして電圧を印加し
たまま薄膜14を室温まで冷却させ、クロモファーの配向
を固定する。
こうして構成された光学センサー100の薄膜14に、図
2のように外部より100Vの変調電圧を印加し、光電変換
器28の出力を観測したところ、直流電圧成分105mVに対
して1.5mVの交流成分が得られ、γ33は31pm/Vであり、
配線基板の配線に印加した電圧の測定が可能なことが確
認された。
その後、配向用電極16をエッチングにより除去し、薄
膜14上にSiO2とTiO2とを交互に蒸着して、厚み約1.8μ
mの反射膜20を設ける。波長830nmの光を45度の入射角
で反射膜20に入射させたときの反射率は80%であった。
図5は、本発明の検出装置DTの他の実施例の構成を示
しており、図1の(a)〜(d)に示す工程で作製され
た光センサー100とセンサーヘッド102とは一体化されて
いる。この実施例のセンサーヘッド102においては、第
1及び第2の光学部材40、42は省略され、光源30は830n
mの波長のレーザ光を発生する半導体レーザである。光
源30からのレーザ光のビーム形状はコリメータレンズ47
によって整形され、整形されたレーザ光はポーラライザ
ー36によって直線偏光に変換される。λ/4波長板38は雲
母製であり、光電変換器46はフォトダイオードである。
光源30から出射されるレーザ光のビーム径は50μmであ
り、光学センサー100への入射角は45度である。ポーラ
ライザー36の消光比は10-4である。アナライザー44はポ
ーラライザー36と同型のものでよい。光電変換器46の出
力は、オペアンプ49によりインピーダンス変換及びプリ
アンプを行った後、信号処理系104に供給され、適宜処
理される。なお、本発明の検出装置DTは光センサー100
とセンサーヘッド102とを別体としても同様に機能す
る。
以下、本発明に係る検出装置DTを用いて若干の異なる
配線基板の欠陥を検出する応用例について詳述する。
応用例1 図5の検出装置DTによってプリント配線基板の配線の
欠陥を検出するために、図6に示すように検出装置DTを
センサー100がプリント配線基板50に非接触で且つ近接
するように配置し、プリント配線基板50の300μm幅の
配線52に100V、50kHzの交流電圧を印加した。そこでオ
ペアンプ49の出力信号をバンドパスフィルタに通して50
kHz成分を取り出し、オシロスコープ54に印加したとこ
ろ、配線52に印加した交流電圧に同期した信号が観測さ
れた。
応用例2 図7に示すように、図5の検出装置DTをセンサー100
が単純マトリックス型液晶表示パネル50′上に非接触で
且つ近接するように配置し、単純マトリックス型液晶表
示パネル50′の300μm幅の透明電極52′に10V、60kHz
の交流電圧を印加し、オペアンプ49の出力信号をオシロ
スコープ54にて観察したところ、透明電極52′に印加し
た交流電圧に同期した信号が観測された。
応用例3 図8に示すように、検出装置DTの光学センサー100と
センサーヘッド102とを別体とし、光学センサー100をセ
ンサーヘッド102の先端部から3mmのワーキングディスタ
ンスを取って固定すると共に、ITO層を接地電極として
配線した。検出装置DTを光学センサー100が集積回路用
パッケージ(例えばPGA)50″に非接触で且つ近接する
ように配置し、電極52″に100V、70kHzの交流電圧を印
加した。このときオペアンプ49から得られた信号をバン
ドパスフィルタ56に通して70kHzの電圧成分を抽出し、
この電圧成分を増幅してからオシロスコープ54及びロッ
クインアンプ54′に通したところ、電極52″に印加した
交流電圧に同期した信号が観測された。
応用例4 図5の光源30と光電変換器46とに代えて、図4に示す
ようなフォトリフレクタ48(浜松ホトニクス製、P282
6)を使用した検出装置を作製し、応用例1〜応用例3
と同様の測定をそれぞれ行ったところ、配線52、透明電
極52′及び電極52″に印加した交流電圧に同期した信号
が観測された。
応用例5 本発明の検出装置DTによってプリント配線基板50の配
線52の細りを検出した。この応用例では、図5のセンサ
ーヘッド102のλ/4波長板38の出射側及びアナライザー4
4の入射側にそれぞれ集光用レンズを設けた検出装置DT
を用いた。この集光用レンズにより、光源30からのレー
ザ光を約10μmに絞り込んだ。この応用例のために、図
9に示すように、プリント配線基板50上には250μm幅
の配線52の一部に約50μm幅の細り部分を設け、この配
線52に100V、80kHzの交流電圧を印加した。検出装置DT
を±1μm精度の平面移動装置を用いてプリント配線基
板50に近接して移動させることにより、プリント配線基
板50の走査を行い、検出装置DTのそれぞれの位置はエン
コーダによって読み取るようにした。
このとき検出装置DTから出力される信号をバンドパス
フィルタに通し、その出力及びエンコーダからの検出装
置DTの位置情報信号をA/Dコンバーター58によってディ
ジタル信号に変換してからコンピューター等の信号処理
部104で処理してイメージとしてディスプレーに表示し
た。図10はディスプレーに表示されるイメージの一例を
示す。この応用例において、配線52の細り部分から得ら
れたデータを信号処理部104で処理したところ、配線52
の細り部分の幅のFWHM(Full Width at Half Maxim
um)は61μmであることが分かった。
応用例6 応用例5のプリント配線基板50に代えて、単純マトリ
ックス型液晶表示パネルについて、その透明電極の細り
を検出した。図11に示すように、幅100μmの透明電極5
21′を持つ単純マトリックス型液晶表示パネル501
と、幅150μmの透明電極522′を持つ単純マトリックス
型液晶表示パネル502′とを隣接して配列して、疑似的
に透明電極の幅に細りのある液晶表示パネルを形成し
た。応用例5で使用したのと同じ検出装置DTを用い、光
源30からのレーザー光を集光用レンズにより約10μmに
絞り込んだ。±1μm精度の平面移動装置を用いて検出
装置DTにより液晶表示パネルを走査し、検出装置DTのそ
れぞれの位置をエンコーダによって読み取った。
透明電極521′、522′に100V、90kHzの交流電圧を印
加し、このとき検出装置DTから出力される信号をバンド
パスフィルタに通過させ、更にエンコーダからの検出装
置DTの位置情報信号と共にそれらの出力をA/Dコンバー
ター58によってディジタル信号に変換し、その出力をコ
ンピューター等の信号処理部104で処理してイメージと
してディスプレーに表示した。図12はディスプレーに表
示されるイメージの一例を示す。このイメージの細い部
分及び太い部分に対応する透明電極のデータから、これ
らの細い部分及び太い部分の幅のFWHMはそれぞれ119μ
m及び182μmであることが分かった。これより、本発
明の検出装置DTが単純マトリックス型液晶表示パネルの
透明電極の細りの検出にも有効であることを確認した。
応用例7 応用例3で用いたと同じ検出装置DTを用いて、配線の
短絡の検出を行った。この目的のために、図13に示すよ
うに、幅100μmの2本の配線521、522を100μmの間隔
を置いて形成し、それらの間を幅20μmの配線523で短
絡した。一方の配線521にのみ100V、100kHzの交流電圧
を印加した。応用例6と同様に、このとき検出装置DTか
ら出力される信号をバンドパスフィルタに通過させ、更
にエンコーダからの検出装置DTの位置情報信号と共にそ
れらの出力をA/Dコンバーター58によってディジタル信
号に変換してから、その出力を信号処理部104で処理し
てイメージとしてディスプレーに表示した。その結果、
ディスプレーには電圧を印加していない他方の配線522
のイメージも表示されたので、両配線間が短絡されてい
ることが確認された。
応用例8 図5に示す検出装置DTを用いて、TFT−アクティブマ
トリックス型液晶表示パネルのソース−ドレイン間及び
ゲート−ドレイン間の短絡の有無を検出する測定を行っ
た。この目的のために、模擬液晶表示パネルとして100
μm幅の走査電極(ゲート線)X1、X2、X3と信号電極
(ソース線)Y1、Y2、Y3とを格子状に配置し、1つの透
明な画素電極Aと信号電極Y1との間をaに示すように細
いワイヤーで接続して信号電極(ソース線)又はドレイ
ン線と画素電極との間が短絡されているパネルを使用し
た。いま信号電子Y1に5V、70kHzの交流信号を印加し、
検出装置DTでパネルを走査した。そのとき検出装置DTか
ら得られた信号をバンドパスフィルタに通過させ、更に
エンコーダからの位置情報信号と共にそれらの出力をA/
Dコンバーター58によってディジタル信号に変換してか
ら、その出力を信号処理部104で処理してイメージとし
てディスプレーに表示した。この測定により得られたイ
メージを図14に示す。この応用例において、信号電極Y1
と短絡された画素電極Aに電位が生じていることが確認
できた。
応用例9 TFTのソース−ゲート間の短絡、信号電極と走査電極
との交差点での短絡、及びLCDパネル上の任意の点にお
ける電極の断線の検出を行った。このような欠陥が生じ
た場合には、画素電極に電圧が加わるように通常の電圧
を印加しても、実際には画素電極に電位が加わらないと
考えられる。そこで、この応用例においては、全部の画
素電極を対応の信号電極Y1、Y2、Y3とワイヤーで接続
し、そのうちの1つの画素電極Bのワイヤーのみをbに
示すように切断した模擬パネルを用いた。こうして信号
電極Y1に5V、70kHzの交流信号を印加したときに検出装
置DTから得られた信号をバンドパスフィルタに通過さ
せ、更にエンコーダからの位置情報信号と共にそれらの
出力をA/Dコンバーター58によってディジタル信号に変
換し、その出力を信号処理部104で処理してイメージと
してディスプレーに表示した。図15はこのとき得られた
イメージを示している。この応用例において、画素電極
Bには電位が生じないことが確認できた。
応用例10 検出装置DTにより、1μmの間隔で幅100μmの2本
の配線を形成したプリント配線基板に耐圧試験時に絶縁
破壊による短絡が生じたかどうかの測定を行った。この
目的のために、これらの配線の一方に1kHzの交流電圧を
印加し、その電圧を50Vから500Vまで上昇させながら検
出装置DTでプリント配線基板上を走査したところ、約45
0Vで絶縁破壊による配線間の短絡が生じ、電圧を印加し
ない配線にも電圧が発生していることが観測された。
応用例11 図9のプリント配線基板50の配線52の一部を断線さ
せ、応用例5で使用した検出装置DTを用いて該プリント
配線基板の断線を検出する実験を行った。配線52には5
V、70kHZzの交流電圧を印加し、検出装置DTでプリント
配線基板50上を走査し、検出装置DTの出力信号をバンド
パスフィルタを通した後にA/Dコンバータでディジタル
信号に変換し、このディジタル信号を信号処理部104で
処理してディスプレーに表示した。表示された配線パタ
ーンと元の配線パターンとのデータ比較により、断線箇
所を検出することができた。
応用例12 図16に示すように、センサーヘッド102と光センサー1
00とが別体とされた検出装置DTとセンサーヘッド102を
一方向に移動させる移動装置60とを用いて集積回路用パ
ッケージ50″の断線検出を行った。光センサー100は10
×10mmにダイジングされて集積回路用パッケージ50″に
近接させて固定され、その接地電極はワイヤーによって
接地した。この場合、光センサー100と集積回路用パッ
ケージ50″との間の間隔が大きいと信号レベルが低下す
るので、こうした間隔の設定には十分な注意が必要であ
る。疑似的に断線箇所を作るために集積回路用パッケー
ジ50″の適宜の電極を接地し、それらの電極には交流電
圧を印加しないようにすると共に、集積回路用パッケー
ジ50″に電圧印加装置62を接続し、接地されていない電
極にピン側から100V、70kHzの交流電圧を加える。こう
して、センサーヘッド102を移動装置60により5mm/秒の
速度で集積回路用パッケージ50″上を移動させながら、
光センサー100からの反射光をセンサーヘッド102で電気
信号に変換して増幅し、バンドパスフィルタ64によって
70kHzの信号成分のみを取り出す。取り出された信号成
分をRMS/DCコンバータ66によって直流に変換し、70kHz
の信号成分の信号強度をストレージ型オシロスコープ5
4″に表示した。図17はこうして表示されたパターンの
一例を示している。ここで、横軸は時間を、縦軸は信号
強度を示している。このパターンは、交流電圧を印加さ
れない(接地された)電極からは信号が生じないことを
示しており、この表示されたパターンと元の配線パター
ンとのデータ比較によって配線の断線箇所を検出するこ
とができることが確認された。また、FWHMは平均102μ
mとなり、実際の配線幅と一致することがわかった。
応用例13 図5に示す検出装置DTを用いて集積回路用パッケージ
50″の短絡箇所の有無を検出する測定を行った。この目
的のために、図18に示すように、集積回路用パッケージ
50″の任意の2本のピンの間をワイヤーで接続して短絡
し、これらのピンの一方に交流電圧を印加した。こうし
て検出装置DTを移動装置60により集積回路用パッケージ
50″上を移動させ、検出装置DTで得た信号を同様に処理
してディスプレーに表示したところ、図19に示すパター
ンが得られた。ここで、横軸は時間を、縦軸は信号強度
を示している。このパターンから、短絡されている電極
を検出できることが確認された。
産業上の利用可能性 以下、本発明を若干の実施例に基づいて詳細に説明し
たところから理解されるとおり、本発明は、プリント配
線基板、液晶表示パネル、集積回路用パッケージ等の種
々の配線基板での断線、細り及び短絡等の欠陥の存在及
び発生箇所を非接触で且つ短時間に検出することが可能
となるという格別の効果を奏する。また、本発明を多層
プリント配線基板に適用すると、全部の層に存在する欠
陥を同時に検出することが可能となるという効果を奏す
る。しかも、液晶表示パネルにおける欠陥の検出は配向
膜が塗布された状態でも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−133068(JP,A) 特開 平3−156379(JP,A) 特開 平1−119778(JP,A) 特開 平5−240800(JP,A) 特開 平5−87839(JP,A) 特開 平4−37825(JP,A) 特表 昭59−500186(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/84 - 21/91 G01R 19/00 - 19/32 G01R 31/00 - 31/30

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一層の配線からなる配線基板の
    配線の欠陥を検出する検出装置であって、 透明基板と、前記透明基板上に設けられた透明電極と、
    前記透明電極上に設けられた高分子非線形光学材料の膜
    と、前記膜上に設けられた反射膜とを備えていて、前記
    配線基板の測定されるべき配線に非接触で且つ近接して
    配置される光学センサーと、 光源と、前記光源からの光を前記光学センサーに入射さ
    せる光学手段と、前記光学センサーからの反射光を検出
    して前記配線に電圧を印加したときの前記反射光の強度
    に対応した信号を導出する検出手段とを備えるセンサー
    ヘッドと、 前記検出手段から導出された前記信号を処理して前記配
    線の欠陥の有無に対応する信号を出力する処理部と、 を具備することを特徴とする検出装置。
  2. 【請求項2】前記高分子非線形光学材料が、下記の式I
    又は式IIで示される構造を有することを特徴とする請求
    項1記載の検査装置。 (式中、Pは非線形光学活性共重合体の主鎖単位であ
    り、Sは直接結合又は炭素原子数120の直鎖炭化水素基
    からなるスペーサーグループであり、[X−Y−Z]は
    非線形光学活性を有するクロモファーであり、Xは電子
    供与基、Yはπ電子共役系、そしてZは電子吸引基であ
    り、Aは非線形光学活性を有しない共重合単位であり、
    Bは他の機能を有する共重合単位及び/又は官能性共重
    合単位である)
  3. 【請求項3】前記主鎖単位Pが、ポリビニル系、ポリシ
    ロキサン系、ポリオキシアルキレン系、ポリビニリデン
    系、ポリウレタン系、ポリトリアジン系、ポリエステル
    系又はポリアミド系であることを特徴とする請求項2記
    載の検査装置。
  4. 【請求項4】前記光学センサーと前記センサーヘッドと
    を一体化したことを特徴とする請求項1記載の検出装
    置。
  5. 【請求項5】前記光学センサーと前記センサーヘッドと
    を別体としたことを特徴とする請求項1記載の検出装
    置。
  6. 【請求項6】前記光学センサーの寸法が、前記配線基板
    の寸法と実質的に等しいことを特徴とする請求項5記載
    の検出装置。
  7. 【請求項7】前記配線の欠陥が、前記配線の細り若しく
    は断線、前記配線間の短絡又はこれらの任意の組み合わ
    せであることを特徴とする請求項1記載の検出装置。
  8. 【請求項8】前記光学手段によって前記光学センサーに
    入射する光が直線状又は平面状であることを特徴とする
    請求項1記載の検出装置。
  9. 【請求項9】前記配線に印加する電圧の周波数が50kHz
    〜100kHzの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の
    検出装置。
  10. 【請求項10】前記配線基板がプリント配線基板である
    ことを特徴とする請求項1記載の検出装置。
  11. 【請求項11】多層プリント配線基板中の各々の層の配
    線の欠陥を同時に検出するようになされたことを特徴と
    する請求項10記載の検出装置。
  12. 【請求項12】前記配線基板が液晶表示パネルであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の検出装置。
  13. 【請求項13】前記液晶表示パネルが単純マトリックス
    型パネルであることを特徴とする請求項12記載の検出装
    置。
  14. 【請求項14】前記液晶表示パネルがアクティブ・マト
    リックス型パネルであることを特徴とする請求項12記載
    の検出装置。
  15. 【請求項15】前記液晶表示パネルに配向膜が塗布され
    た状態で前記配線の欠陥を検出することを特徴とする請
    求項12記載の検出装置。
  16. 【請求項16】前記配線基板が集積回路用パッケージで
    あることを特徴とする請求項1記載の検出装置。
  17. 【請求項17】前記集積回路用パッケージがPGA、PPG
    A、BGA及びPBGAのうちの任意の1つであることを特徴と
    する請求項16記載の検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101409218B1 (ko) * 2012-02-27 2014-06-19 엘아이지에이디피 주식회사 합착기판의 검사장치 및 검사방법
CN110013682A (zh) * 2019-05-05 2019-07-16 河北工业大学 一种新型的纳米二氧化钛生产流程控制装置和方法

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CN110013682B (zh) * 2019-05-05 2024-01-26 河北工业大学 一种新型的纳米二氧化钛生产流程控制装置和方法

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