JP2983056B2 - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電圧制御により、その粘弾性特性を大きく、
しかも可逆的に変えることが可能な電気粘性(Electro
Rheological)流体に関するもので、エンジンマウン
ト、ショックアブソーバー、バルブ、アクチュエータ
ー、クラッチなどの機械装置の電気制御に利用される。
[従来の技術] 電場の印加により見かけの粘度が大きく変わる現象は
ウィンズロー効果として古くから知られている。初期の
流体はデンプンなどを鉱油や潤滑油に分散させたもので
あり、その電気粘性効果の重要性を認識する上では十分
であったが再現性が欠如していた。
電気粘性効果が高く再現性の良い流体を得るため、こ
れまで微粉体を中心に多くの提案がなされている。例え
ばポリアクリル酸のような酸基をもつ高吸水性樹脂微粒
子(特開昭53−93186)、イオン交換樹脂(特公昭60−3
1211)、アルミナシリケート(特開昭62−95397)等が
知られていた。
これらの電気粘性流体はいずれも親水性の固体微粉体
に含水させ、絶縁性の油状媒体中に分散させたものであ
り、外部から高電圧を印加時、水の作用により微粉体に
分極を生じる。この分極により粒子間の電場方向の架橋
が生じるため粘度が増大すると言われている。
しかし電気粘性効果を向上させるために水を吸収させ
た分散相を用いた電気粘性流体は、高温における消費電
力の増大、水の蒸発又は凍結による電気粘性効果の低
減、長期間使用した場合に水の蒸発による性能の低下、
あるいは水分を含有することによる腐食性などの欠点を
有している。
近年強誘電体物質や半導体粒子を用いた水分を含まな
い非水系電気粘性流体が提案されている。例えばポリア
センキノンなどの有機半導体微粒子を用いる流体(特開
昭61−216202)、有機固体粒子の表面に導電性薄膜層を
形成した上にさらに電気絶縁性薄膜層を形成した誘電体
微粒子(特開昭63−97694)、光学異方性を有するカー
ボン微粉体(特願昭63−212615)などが提案されてい
る。
これら非水系電気粘性流体は従来の水の存在による種
々の欠陥を克服する可能性が大きく、多くの研究が進め
られている。
以上のように電気粘性流体に用いられる粉体について
多くの試みがなされているが、一方電気粘性効果は用い
た粉体と油状媒体との組合せによってもその特性は異な
る故に、電圧印加時により高い粘性変化を示す組合せの
提案がなされている。例えば特開平1−198696にはポリ
メタクリル酸樹脂粒子がポリフルオロアルキルメチルシ
ロキサンと組み合わされて、従来開示された英国特許1,
570,234に用いられた塩素化パラフィンよりも高い粘性
効果の示されることが記されている。
これら従来技術は、多くが水系の電気粘性流体におい
て検討されてきたために、それぞれの組み合せにおいて
電気粘性効果の上昇は認められるものの、上述のように
水系の欠点が解決されていないと同時に、実用上重要な
問題である沈降性に関しても油状媒体と粉体との比重差
の問題が解決されていない。
このような問題を解決するために、フルオロアルコキ
シホスホニトレートもしくはこれを主とする油状媒体
に、微粉体を分散させた実質的に無水の状態において電
気応答性を示す電気粘性流体が提案されている(特開平
2−196892)。この提案では、水系の電気粘性流体の欠
点の多くは除かれ、良好な電気応答性を示し、さらに比
重差による沈降性も改良されたとしている。しかし、フ
ルオロアルコキシホスホニトレートもしくはこれを主と
する油状媒体は、高温で転移反応が起こり易く耐熱性が
劣り、さらに加水分解性があり長期耐久性が劣るため、
電気粘性流体の実用化に関する問題を解消しているとは
言い難い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、電気粘性流体を構成する油状媒体と
して特定のホスフォニトリル環化合物からなる混合体
と、粉体として実質的に水分を含有しないものとを組み
合わせることにより、電気粘性効果が大きく、広い温度
範囲にわたって安定した効果を示し、高温でも過大な電
流が流れることなく、耐熱性に優れ、耐加水分解性を有
するため長期耐久性に優れ、長期間にわたって安定な分
散状態を保持する沈降性の改良された電気粘性流体を与
えることにある。
[課題を解決するための手段] 発明者らは、電気粘性流体を構成する基本成分である
油と粉体との関係を鋭意検討した結果、電気絶縁性に優
れた油状媒体中に粉体を分散させてなる電気粘性流体に
おいて、 分子構造が で表されるホスフォニトリル環化合物の混合体であっ
て、その化合物のP原子上の側鎖基のR1及びR2はフェノ
キシ基であり、さらに該化合物のP=N結合単位の数n
が3である化合物の含量が混合体中のモル分率で90%以
下で、かつnが7である化合物の含量が混合体中のモル
分率で1%以上である油状媒体と、比重が1.2以上で水
分含有率が4.0重量%以下、C/H比(炭素/水素原子比)
が1.2〜5の炭素質の粉体を用いることにより、上記の
目的を満足する電気粘性流体が得られることを発見し本
発明に到達した。
本発明により、電気粘性流体の油状媒体は重要な要素
である電気絶縁性、高誘電率、高引火点、低蒸気圧、耐
熱安定性、および優れた耐加水分解性を持ち、比重調整
可能な特性を有するものとなる。
本発明の電気粘性流体において使用される油状媒体に
ついて詳細に説明すると、ホスフォニトリル環化合物の
P原子上の側鎖基はフェノキシ基である。
本発明で使用される油状媒体は、上記環化合物のP=
N結合単位の数nが3(3量体)から15(15量体)の化
合物の混合体であって、nが3である化合物の含量が混
合体中のモル分率で90%以下、好ましくは85%以下であ
り、かつnが7である化合物の含量が混合体中のモル分
率で1%以上、好ましくは5%以上であるものが用いら
れる。なおnが3である化合物の含量がモル分率で90%
を越えるか、もしくはnが7である化合物の含量がモル
分率で1%未満の場合は、室温でオイル状とならないこ
とがあり好ましくない。nが7である化合物の含量の上
限に関しては特に制限はなく、純度99.9%以上の、実質
的に純品に近いものであっても良い。
この芳香族化合物を側鎖基として有するホスフォニト
リル環化合物の代表的な合成法について述べると、ハロ
ゲン原子を含む3量体、4量体、n量体のホスフォニト
リル環化合物を、たとえばC6H5ONa、CH3C6H4ONaのよう
な求核試薬で置換して得ることができる。
すなわち、(PNF2、(PNF2、(PNF2[n
≦15]等の側鎖基がF原子の3量体、4量体、n量体の
化合物、(PNCl2、(PNCl2、(PNCl2[n
≦15]等の側鎖基がCl原子の3量体、4量体、n量体の
化合物、(PNBr2、(PNBr2、(PNBr2[n
≦15]等の側鎖基がBr原子の3量体、4量体、n量体の
化合物、(PNI2、(PNI2、(PNI2[n≦1
5]の側鎖基がI原子の3量体、4量体、n量体の環化
合物のハロゲン原子とC6H5ONa、CH3C6H4ONa、(C6H5O)
2Caのようなフェノール類の金属塩との反応、C6H5OHの
ようなP原子上のハロゲン原子と求核置換し得るフェノ
ール類と、アニリンなどのアミン類、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどの塩素受容体化合物との混合に
よる方法を挙げることができる。
本発明におけるホスフォニトリル環化合物は一般にこ
のようにして合成されるが、置換反応を主体とする合成
方法には特に限定しない。また環状骨格中のnの数が3
であるホスフォニトリル環化合物を混合体中のモル分率
で1〜90%、かつまた環状骨格中のnの数が7であるホ
スフォニトリル環化合物を混合体中のモル分率で1%以
上含んでいる混合体の調製方法に関しては、置換反応を
行う前の原料であるハロゲン化ホスフォニトリル環化合
物における3量体及び7量体の含量を目的とする混合体
に合わせた後置換反応を行い油状物質を得る方法、ある
いは置換反応を行った後2種以上の環化合物を配合し油
状物質を得る方法などが考えられるが、本発明は、いず
れの方法でもその目的が達成される。ハロゲン化ホスフ
ォニトリル環化合物の合成において、単一の環状化合物
を合成する方法は一般に難しく経済的ではないことを考
えると、好ましくは置換反応前の混合比は油状物質に近
い方法が選択される。
本発明の電気粘性流体の粉体として好適な炭素質粉末
について更に説明すると、炭素含有量80〜97重量%のも
のが好ましく、特に好ましくは90〜95重量%のものであ
る。また炭素質粉末のC/H比(炭素/水素原子比)は1.2
〜5のものが好ましく、特に好ましくは2〜4のもので
ある。
前記のC/H比を持つ炭素質粉末を具体的に示すと、コ
ールタールピッチ、石油系ピッチ、ポリ塩化ビニルを熱
分解して得られるピッチなどを微粉砕したもの、それら
ピッチ又はタール成分を加熱処理して得られる各種メソ
フェーズからなる粉末、すなわち加熱により形成される
光学的異方性小球体(球晶またはメソフェーズ小球体)
を溶剤でピッチ成分を溶解し分別することによって得ら
れる粉末、さらにそれに微粉砕したもの、ピッチ原料を
加熱処理によりバルクメソフェーズ(例えば特開昭59−
30887号参照)とし、それを微粉砕したもの、また一部
晶質化したピッチを微粉砕したもの、フェノール樹脂な
どの熱効果性樹脂を低温で炭化したものなど、いわゆる
低温処理炭素粉末が例示される。
[参考例] (ホスフォニトリル環化合物の混合体の合成) 斉藤肇、梶原鳴雪:工業化学雑誌66,618(1963)に準
拠して、PCl5をテトラクロロエタンに溶解した溶液中に
大過剰のNH4Clを添加し130℃以上に加熱した。反応終了
後反応液を濾過し、未反応のNH4Clを分離した。濾液を
蒸留した後、残部を石油エーテルで処理し、クロロホス
フォニトリル環化合物の混合体を得た。
フェノール24gをTHF(テトラヒドロフラン)に溶解
し、これに金属Na5.8gを加えナトリウムフェノキシドを
合成した。この溶液に前記のクロロホスフォニトリル環
化合物10gを含むTHF溶液をゆっくり滴下した。滴下終了
後THFの沸点付近の温度に加温し、1時間還流した。反
応終了後THFを留去し、エーテルと希水酸化ナトリウム
水溶液を用いて洗浄した。洗浄後エーテル抽出を行いホ
スフォニトリル環混合体を含むエーテル溶液を塩化カル
シウムで乾燥した。1昼夜乾燥後エーテルを除去すると
電気絶縁性に優れた油状物が得られた。得られた油状物
の成分は下記に示すようなホスフォニトリル環化合物の
混合体であった。
[(C6H5O)2PN] 45% [(C6H5O)2PN] 1% [(C6H5O)2PN] 15% [(C6H5O)2PN] 25% [(C6H5O)2PN] 12% 8量体以上 2% [実施例1] 非水系粉体として、コールタールピッチを原料とした
メソフェーズカーボンを窒素気流中で熱処理して製造し
た平均粒径3ミクロンの炭素質粉末(炭素含有量93.78
重量%、C/H比2.35、水分0.2重量%)10gを、参考例に
示したホスフォニトリル環化合物の油状混合体34gに分
散させて流体を製造した。電気粘性効果は、2重円筒型
回転粘度計を使用して、内外円筒間に0又は2kV/mmの電
圧を印加したときの剪断速度366sec-1、温度25℃におけ
る粘度で評価した。
電圧を印加しないときの粘度は5.8ポイズ、2kV/mm印
加時の粘度は37.4ポイズで、電気粘性効果(電圧印加時
の粘度と無印加時の粘度との差)は31.6ポイズであっ
た。また2Kv/mm印加時の電流値は0.385mAであった。
[比較例1] 実施例1と同一の炭素質粉末10gを、シリコーン油
(東芝シリコーン(株)製:TSF451−10とTSF451−500と
のブレンド油)19gに分散させて流体を製造した。
この流体を実施例1と同様な方法で電気粘性効果を測
定したところ、電圧を印加しないときの粘度は6.1ポイ
ズであり、2kV/mm印加時の粘度は11.8ポイズで、電気粘
性効果(電圧印加時の粘度と無印加時の粘度との差)は
5.7ポイズであった。また2kV/mm印加時の電流値は0.185
mAであった。
この結果から明らかなように、本発明の電気粘性流体
は高い電気粘性効果を示す。
[発明の効果] 本発明の電気粘性流体は、電気粘性効果が大きく、広
い温度範囲に亙って安定した効果を示し、高温でも過大
な電流が流れることなく、高温での耐久性および長期耐
久性に優れ、長期間安定な分散状態を保持し、金属に対
する腐蝕性が低く、ゴムや樹脂などとの相互作用の小さ
い流体であるため、エンジンマウント、ショックアブソ
ーバー、バルブ、アクチュエーター、クラッチなどの機
械装置や、電気粘性流体を構成要素として含む先端複合
材料の物性の電気制御に応用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 40:14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性に優れた油状媒体中に粉体を分
    散させてなる電気粘性流体において、分子構造が で表されるホスフォニトリル環化合物の混合体であっ
    て、その化合物のP原子上の側鎖基のR1及びR2はフェノ
    キシ基であり、さらに該化合物のP=N結合単位の数n
    が3である化合物の含量が混合体中のモル分率で90%以
    下で、かつnが7である化合物の含量が混合体中のモル
    分率で1%以上である油状媒体と、比重が1.2以上で水
    分含有率が4.0重量%以下、C/H比(炭素/水素原子比)
    が1.2〜5の炭素質の粉体を用いることを特徴とする電
    気粘性流体。
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