JP2982763B2 - 捕捉追尾制御装置 - Google Patents

捕捉追尾制御装置

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JP2982763B2
JP2982763B2 JP9286237A JP28623797A JP2982763B2 JP 2982763 B2 JP2982763 B2 JP 2982763B2 JP 9286237 A JP9286237 A JP 9286237A JP 28623797 A JP28623797 A JP 28623797A JP 2982763 B2 JP2982763 B2 JP 2982763B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標を捕捉・追尾
するアンテナの捕捉追尾制御装置に関し、特に、宇宙衛
星間光通信のアンテナ捕捉・追尾技術などに使用される
捕捉追尾制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の宇宙衛星間光通信の捕捉追尾用制
御装置は、光ビームの捕捉ならびに粗追尾制御を行うた
めの駆動機構(粗駆動機構制御系)と精追尾制御のため
の駆動機構(精駆動機構制御系)とを装備し、それぞれ
の系を独立に制御することでアンテナ全系の所望の制御
性能/制御精度を達成している。
【0003】このような宇宙衛星間光通信の捕捉追尾用
制御装置としては、例えば、1993年宇宙科学連合講
演会予稿集(51頁〜52頁)に記載された論文、「相
薗他、“衛星間レーザ通信用追尾/指向系の試作試験”
表題番号1B12」などに提案されたものが知られてい
る。
【0004】図4は、上記文献に記載された従来のアン
テナ捕捉追尾用制御装置の一例を示す構成図である。こ
の従来の捕捉追尾用制御装置は、捕捉・粗追尾センサ1
00、捕捉・粗追尾制御装置101、粗駆動制御用アク
チュエータ102、粗駆動機構ダイナミクス103から
なる粗駆動機構制御系120と、精追尾センサ104、
精追尾制御装置105、精駆動制御用アクチユエータ1
06、精駆動機構ダイナミクス107からなる精駆動機
構構制御系121により構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
成をとる捕捉追尾用制御装置では、粗駆動機構制御系1
20と粗駆動機構制御系121とが独立した構成となっ
ているため、精追尾制御装置105が粗駆動機構制御系
120の捕捉・粗追尾センサ検出信号108を、また、
捕捉・粗追尾制御装置101が精駆動機構制御系121
の精追尾センサ検出信号109を、相互に直接的に参照
することができない。
【0006】そのため、粗駆動機構制御系120により
捕捉が完了し、その後、精駆動機構制御系121による
精追尾制御が開始した場合でも、外乱など何らかの影響
により通信/追尾状態が遮断されると、精駆動機構ダイ
ナミクス107の駆動範囲では十分な捕捉性能を得るこ
とができないので、再度、粗駆動機構制御系120によ
る初期捕捉シーケンスをやり直す必要性が生じ、通信ミ
ッションを安定に運用することが困難となる場合があ
る。
【0007】また、前記構成においてアンテナの捕捉・
追尾性能をより向上させようとする場合には、粗駆動制
御用アクチュエータ102、精駆動制御用アクチュエー
タ106、捕捉・粗追尾センサ100および精追尾セン
サ104として利用するアクチュエータ、センサのそれ
ぞれの性能を改善することが必要となるが、高性能モー
タやセンサの使用は、駆動機構の大型化、重量化を伴う
結果となってしまい、前記構成のまま捕捉追尾制御装置
全体の小型軽量化と高性能化を両立させることは困難な
状況にあった。
【0008】また、特開平6−160916号公報に開
示されている光ビーム初期捕捉方式では、自衛星と目標
衛星との推定軌道誤差、姿勢誤差および光アンテナの方
位誤差を考慮して両衛星の視野が空間的にオーバーラッ
プするよう自己の捕捉視野および2次元の初期捕捉範囲
を定め、該捕捉視野の中心を、該初期捕捉範囲において
目標衛星の推定軌道と速度から算出された該目標衛星と
の相対角速度をゼロとし且つ両衛星の捕捉視野を重なり
合わせる所定の走査速度でラスタースキャンを行って捕
捉できるように構成することで、初期捕捉範囲を2次元
としたあらゆる衛星間での初期捕捉を可能としている
が、この方式では初期捕捉性能は向上するものの、衛星
間光通信において最も重要な追尾制御精度を直接的に改
善することができないため、この方式だけでは衛星間光
通信を高精度に実現することは不可能である。
【0009】(発明の目的)本発明の目的は、目標の高
精度の捕捉追尾制御の性能を有し、且つ機構系の小型軽
量化を可能とする捕捉追尾制御装置を提供することにあ
る。
【0010】本発明の他の目的は、目標を広範囲/高分
解能で検出する捕捉追尾性能を有し、且つ機構系の小型
軽量化を可能とする衛星間光通信用の捕捉追尾制御装置
を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、粗駆動機構制御系と
精駆動機構制御系との協調動作を可能とし、捕捉及び追
尾制御を統一的に扱い、粗駆動機構への性能配分の最適
化することを可能とした捕捉追尾制御装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の捕捉追尾
制御装置は、目標の捕捉・追尾用アンテナの指向角制御
に精駆動機構制御系及び粗駆動機構制御系を有する捕捉
追尾制御装置において、精駆動機構制御系は、捕捉・追
尾センサにより検出したアンテナ指向角誤差信号が所定
値より大きい場合は捕捉制御信号を出力し、前記所定値
以下の場合は追尾制御信号を出力する制御手段と、前記
制御手段の出力によりアンテナの精駆動を行う精駆動制
御用アクチュエータと、アンテナの高精度指向制御を可
能とする精駆動機構ダイナミクスとを備え、粗駆動機構
制御系は、前記精駆動機構ダイナミクスの出力により制
御される粗駆動制御用アクチュエータと、前記精駆動機
構ダイナミクス全体を支持しアンテナの広範囲指向制御
を可能とする粗駆動機構ダイナミクスとを備えることを
特徴とする。
【0013】本発明の第2の捕捉追尾制御装置は、分解
能ならびに性能の異なる2つの光学センサを組み合わせ
アンテナ指向角誤差信号を広範囲/高分解能に検出する
ことを可能とした捕捉・追尾センサと、捕捉・追尾セン
サによって検出されたアンテナ指向角誤差信号をもとに
捕捉制御信号を発生する捕捉制御装置と、アンテナ指向
角誤差信号をもとに追尾制御信号を発生する追尾制御装
置と、アンテナの高精度指向制御を可能とする精駆動機
構ダイナミクスと、アンテナを前記精駆動機構ダイナミ
クスを介して高精度に駆動するための精駆動制御用アク
チュエータと、アンテナ指向角誤差信号をもとに捕捉駆
動制御用アクチュエータへの指令信号を捕捉制御信号と
追尾制御信号との間で切り替える制御出力信号切り替え
スイッチと、アンテナを粗精度に制御可能な粗駆動機構
ダイナミクスと、アンテナを粗捕捉制御信号をもとに粗
駆動機構ダイナミクスを介して粗精度で駆動するための
粗駆動制御用アクチュエータと、粗駆動機構ダイナミク
スを介して得られたアンテナの粗駆動系指向角信号と精
駆動機構ダイナミクスを介して得られたアンテナの精駆
動系指向角信号との差をもとに粗捕捉制御信号を発生す
る粗駆動機構制御装置とを備えることを特徴とする。
【0014】本発明の第3の捕捉追尾制御装置は、第2
の捕捉追尾制御装置の位置決め制御器において、アンテ
ナ指向角誤差信号を入力とする捕捉制御装置及び精駆動
系指向角信号と粗駆動系指向角信号との差を入力とする
粗駆動機構制御装置を、それぞれ独立にアンテナの駆動
プロファイルを規定するリファレンスモデル補償器と、
フィードバック制御系を安定化するための安定化補償器
とからなるモデルフォロイング型2自由度ロバスト追尾
/捕捉制御系を構成することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0016】図1は、本発明を宇宙衛星間光通信に適用
した捕捉追尾用制御装置の第1の実施の形態を示す構成
図である。本捕捉追尾用制御装置は、一体化した捕捉・
追尾センサ1を有する精駆動機構制御系20と、前記精
駆動機構制御系が出力する指向角信号により動作する粗
駆動機構制御系21と、前記精駆動機構制御系及び粗駆
動機構制御系の両系の出力の指向角信号を前記捕捉・追
尾センサ1に入力するようにした構成を有する。
【0017】本捕捉追尾用制御装置では、従来、図4に
示すように粗駆動機構制御系と精駆動機構制御系におい
て別々に備えていた捕捉・粗追尾用センサ及び精追尾セ
ンサを捕捉・追尾センサ1として一体化し、このセンサ
を精駆動制御用アクチュエータ5と組み合わせることに
より捕捉及び追尾制御をすべて単一の精駆動機構制御系
20において行うように構成している。一方、粗駆動機
構制御系21では、精駆動制御用アクチュエータ5の動
きを粗駆動制御用アクチュエータ8を用いて補償する役
割を持たせることで、粗駆動機構制御系21と精駆動機
構制御系20との間での協調動作を実現することを可能
としている。
【0018】従来の捕捉追尾用制御装置では、粗駆動機
構制御系と精駆動機構制御系との協調制御が不可能であ
ったため、運用上多くの問題点があったが、本構成では
粗駆動機構制御系21と精駆動機構制御系20との間の
協調制御を可能とする構成を有しているので、捕捉モー
ドと追尾モードの切り替えを最適化し、通信ミッション
の運用をより確実なものとすることができる。また、本
構成の捕捉追尾用制御装置では、捕捉・追尾センサ1に
より検出されるアンテナ指向角誤差信号10の大きさに
応じ、捕捉制御装置2または追尾制御装置3を選択的に
切り替える制御出力信号切り替えスイッチ4を設けるこ
とで、一体化した捕捉・追尾センサ1の能力を最大限に
引き出し、捕捉追尾制御装置全体の高性能化を実現して
いる。
【0019】以下、本発明の実施の形態の捕捉追尾制御
装置の構成及び具体的動作を詳細に説明する。
【0020】精駆動機構制御系20は、分解能は低いが
広範囲の検出が可能なセンサ、例えばCCDセンサ及び
分解能が高いが検出範囲の狭いセンサ、例えばQDセン
サのように性能の異なる光学センサを複数組み合わせて
構成される一体化された捕捉・追尾センサ1と、該捕捉
・追尾センサ1から出力されるアンテナ指向角誤差信号
10を入力とする捕捉制御装置2及び追尾制御装置3
と、前記アンテナ指向角誤差信号10により捕捉制御モ
ードか追尾制御モードかを判断し、前記捕捉制御装置2
及び追尾制御装置3のいずれかの出力を捕捉・追尾制御
信号17として選択的に出力する制御出力信号切り替え
スイッチ4を有している。また、前記捕捉・追尾制御信
号17により各モードに応じて駆動される精駆動制御用
アクチュエータ5と、粗駆動機構ダイナミクス9に全体
を支持された精駆動機構ダイナミクス6とを有してい
る。
【0021】制御出力信号切り替えスイッチ4は、アン
テナ指向角誤差信号10の大きさにより制御モードが捕
捉制御モードか追尾制御モードかを判断し、各モードに
応じた制御信号を精駆動制御用アクチュエータ5へ切り
替え供給する。つまり、一体化された捕捉・追尾センサ
1により計測されるところの捕捉・追尾すべきターゲッ
トの方向と光アンテナ指向方向とのなす角度であるアン
テナ指向角誤差信号10がある基準値より大きい場合に
は、捕捉制御装置2により発生される捕捉制御信号11
を選択し、また、前記基準値以下の場合には追尾制御装
置3により発生される追尾制御信号12を選択する。制
御出力信号切り替えスイッチ4の出力の捕捉・追尾制御
信号17は精駆動制御用アクチュエータ5へ指令値とし
て与えられ精駆動機構ダイナミクス6が駆動される。
【0022】精駆動機構ダイナミクス6は、精駆動制御
用アクチュエータ5の駆動変位に応じて光アンテナの指
向方向を変化させるとともに、この指向方向の変化に応
じた信号の精駆動系指向角信号13を発生して粗駆動機
構制御系21に出力する。ここで、精駆動制御用アクチ
ュエータ5は、駆動可能範囲が精駆動の機能により一定
の限度があるため、この駆動可能範囲に比べて捕捉・追
尾センサ1で検出されるアンテナ指向角誤差信号10の
値が大きい場合は光アンテナの指向方向の制御は不可能
となる。
【0023】粗駆動機構制御系21は、精駆動機構ダイ
ナミクス6全体を支持する粗駆動機構ダイナミクス9を
有し、上述のような過大なアンテナ指向角誤差信号10
に対する光アンテナの指向方向の粗駆動制御を行い前記
精駆動制御用アクチュエータ5の駆動範囲の制限を補償
するためのものである。
【0024】粗駆動機構制御系21は、粗駆動機構ダイ
ナミクス9の出力である粗駆動系指向角信号14と前記
精駆動系指向角信号13との差を入力とする粗駆動機構
制御装置7と、粗駆動機構制御装置7から出力される捕
捉制御信号である粗捕捉制御信号16を指令値とする粗
駆動制御用アクチュエータ8と、粗駆動制御用アクチュ
エータ8により駆動される前記粗駆動機構ダイナミクス
9とを有している。
【0025】粗駆動機構制御系21では、前記精駆動系
指向角信号13と精駆動機構ダイナミクス6全体を支持
する粗駆動機構ダイナミクス9により発生する粗駆動系
指向角信号14との差を粗駆動機構制御装置7へ入力
し、粗駆動機構制御装置7が生成する粗捕捉制御信号1
6を粗駆動制御用アクチュエータ8へ指令値として与え
ることで、粗駆動機構ダイナミクス9を駆動し前記粗駆
動系指向角信号14を発生する。
【0026】従って、粗駆動機構制御系21では、精駆
動制御用アクチュエータ5の駆動に基づく光アンテナの
指向角に応じた精駆動系指向角信号13を目標信号とし
て粗駆動機構ダイナミクス9が駆動され、その出力であ
る粗駆動系指向角信号14が前記目標信号と一致するよ
うな負帰還制御動作が行われる。
【0027】本実施の形態の捕捉追尾用制御装置は、粗
駆動機構ダイナミクス9が精駆動機構ダイナミクス6全
体を支持するように構成されているから、最終的なアン
テナ指向角信号15は、精駆動機構ダイナミクス6の駆
動により生じる精駆動系指向角信号13と粗駆動機構ダ
イナミクス9の駆動により生じる粗駆動系指向角信号1
4とを加算した信号となる。
【0028】このように粗駆動機構制御系21は、精駆
動制御用アクチュエータ5の動きを逐次補償するような
制御系の構成を有しているので、精駆動制御用アクチュ
エータ5はアンテナ指向角誤差信号10に対する目標の
捕捉及び捕捉後の追尾動作における精駆動の制御がその
駆動可能範囲において常に高精度に行うこと可能とな
る。
【0029】そのため、一般に精駆動機構制御系と粗駆
動機構制御系との性能配分が全体性能を決める大きな要
因の一つとなるが、本実施の形態によれば、分解能の異
なる両駆動機構間での積極的な協調動作による装置全体
の捕捉追尾性能の向上を実現させることが容易となり、
従来の捕捉追尾制御装置における課題の一つである粗駆
動機構制御系への過大な捕捉制御性能の配分を緩和する
ことが可能となる。
【0030】この結果、粗駆動制御用アクチュエータの
性能条件が緩和され、例えば、ボイスコイルモータVC
等を使用することが可能となり、このため粗駆動制御用
アクチュエータ等の大きさや重量が低減化されるので捕
捉追尾装置全体を従来装置と比べて大幅に小型化、軽量
化することが可能となる。
【0031】次に、本発明の第2の実施の形態の捕捉追
尾制御装置について説明する。
【0032】本実施の形態は、モデルフォロイング型2
自由度ロバスト捕捉/追尾制御系を精駆動機構制御系2
0の捕捉制御装置2および粗駆動機構制御系21の粗駆
動機構制御装置7に適用して捕捉追尾制御装置の高精度
制御を可能としたものである。
【0033】ここで、モデルフォロイング型2自由度ロ
バスト捕捉/追尾制御系とは、図2に示すように、制御
対象53の応答を比較的低次元な補償器によって実現し
たリファレンスモデル50を用いて制御する制御系であ
る。目標値をリファレンスモデル50に供給しその応答
信号である出力に所定のゲイン52をかけて生成したフ
ィードフォワード制御信号55と、その出力と制御対象
53からのフィードバック信号との差を入力とする安定
化補償器51が生成するフィードバック制御信号56と
を足し合わせた信号を制御対象53に対する制御信号5
7とするようにした制御系である。本実施の形態では単
純な2次系をリファレンスモデルとして用いてモデルフ
ォロイング型2自由度ロバスト捕捉/追尾制御系を構成
した。
【0034】本実施の形態の捕捉/追尾制御装置の特性
ないし作用を検証するため、第1の実施の形態の精駆動
制御用アクチュエータ5ないし精駆動機構ダイナミクス
6及び粗駆動制御用アクチュエータ8ないし粗駆動機構
ダイナミクス9を制御対象とする捕捉制御装置2及び粗
駆動機構制御装置7に前記モデルフォロイング型2自由
度ロバスト捕捉/追尾制御系を適用し、精駆動機構ダイ
ナミクス6及び粗駆動機構ダイナミクス9の捕捉追尾応
答を求める。
【0035】図3は、本実施の形態の捕捉追尾制御装置
において得られるアンテナ指向角信号15と図4に示す
従来の捕捉追尾制御装置において得られるアンテナ指向
角信号115の捕捉追尾応答の結果である。図中、実線
は本実施の形態の捕捉追尾応答であり、破線は従来装置
の捕捉追尾応答である。同図に示す応答結果は、指向角
3500μradを目標値とする捕捉追尾応答であり、
3500μradに達していない時が捕捉モード、35
00μrad付近の状態が追尾モードである。
【0036】本実施の形態の捕捉追尾制御装置では、指
向角に応じ制御出力信号切り換えスイッチ4によって捕
捉制御装置2又は追尾制御装置3による制御動作に切り
替わるのに対し、従来装置では粗駆動機構制御系120
が常に動いた状態で追尾モードに移った時だけ精駆動機
構制御系121が動作する違いがある。
【0037】図3の結果を見るとどちらの場合も約0.
05[sec]ほどの応答遅れが生じているが、これは
アンテナ指向角変位を検出する捕捉・追尾センサ1もし
くは捕捉・粗追尾センサ100の検出遅れ(センサダイ
ナミクス)の影響によるものである。捕捉追尾制御装置
のセンサとしては、検出遅れに関しては同一特性を持つ
ものを使用しており、図3にはその影響が出ていると考
察される。
【0038】さらに、捕捉・追尾センサ1もしくは捕捉
・粗追尾センサ100からアンテナ指向角誤差信号10
または捕捉・粗追尾センサ検出信号108が検出された
後の特性であるが、3500μrad以下の捕捉モード
においては、点線で示す従来装置の応答に対し実線で示
す本発明の制御装置の応答の立ち上がりの方が早く、よ
り高速に追尾モードへ移行している様子が確認できる。
【0039】さらに、追尾モードに移行してからも、本
発明の制御装置による応答の方が整定時間が早く高精度
を維持できるのに対し、従来の制御装置では点線で示す
ように追尾モードに移行後、まもなく振動的な挙動を示
しており追尾精度の劣化が生じていることがわかる。
【0040】このような結果からみても明らかなように
本発明の捕捉追尾制御装置は従来装置と比較して応答特
性の優位性が確認できる。
【0041】以上の実施の形態においては、本発明の捕
捉追尾制御装置を宇宙衛星間光通信に適用した例により
説明したが、本発明は光通信に限られるものではなく地
上における光通信及び電波通信においても高精度アンテ
ナ捕捉追尾装置として適用できることは明らかである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アンテナ捕捉追尾機構の高性能化と装置全体の小型軽量
化が同時に実現できるため、高速で高精度なアンテナ捕
捉追尾制御が可能となる。
【0043】また、本発明によれば、モデルフォロイン
グ型2自由度ロバスト捕捉/追尾制御系をアンテナの捕
捉追尾制御系として適用することにより、従来と比較し
て高精度な捕捉追尾制御を実現することが可能である。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に適用するモデルフォ
ロイング型2自由度ロバスト捕捉/追尾制御系を示す図
である。
【図3】追尾応答特性を示す図である。
【図4】従来技術の一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 捕捉・追尾センサ 2 捕捉制御装置 3 追尾制御装置 4 制御出力信号切り替えスイッチ 5 精駆動制御用アクチュエータ 6 精駆動機構ダイナミクス 7 粗駆動機構制御装置 8 粗駆動制御用アクチュエータ 9 粗駆動機構ダイナミクス 10 アンテナ指向角誤差信号 11 捕捉制御信号 12 追尾制御信号 13 精駆動系指向角信号 14 粗駆動系指向角信号 15 アンテナ指向角信号 16 粗捕捉制御信号 17 捕捉・追尾制御信号 20 精駆動機構制御系 21 粗駆動機構制御系 50 リファレンスモデル 51 安定化補償器 52 ゲイン 53 制御対象 54 目標値 55 フィードフォワード制御信号 56 フィードバック制御信号 57 制御信号 58 リファレンスモデル補償器 100 捕捉・粗追尾センサ 101 捕捉・粗追尾制御装置 102 粗駆動制御用アクチュエータ 103 粗駆動機構ダイナミクス 104 精追尾センサ 105 精追尾制御装置 106 精駆動制御用アクチュエータ 107 精駆動機構ダイナミクス 108 捕捉・粗追尾センサ検出信号 109 精追尾センサ検出信号 110 アンテナ指向角信号 120 粗駆動機構制御系 121 精駆動機構制御系

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標の捕捉・追尾用アンテナの指向角制
    御に精駆動機構制御系及び粗駆動機構制御系を有する捕
    捉追尾制御装置において、精駆動機構制御系は、捕捉・
    追尾センサにより検出したアンテナ指向角誤差信号が所
    定値より大きい場合は捕捉制御信号を出力し、前記所定
    値以下の場合は追尾制御信号を出力する制御手段と、前
    記制御手段の出力によりアンテナの精駆動を行う精駆動
    制御用アクチュエータと、アンテナの高精度指向制御を
    可能とする精駆動機構ダイナミクスとを備え、粗駆動機
    構制御系は、前記精駆動機構ダイナミクスの出力により
    制御される粗駆動制御用アクチュエータと、前記精駆動
    機構ダイナミクス全体を支持しアンテナの広範囲指向制
    御を可能とする粗駆動機構ダイナミクスとを備えること
    を特徴とする捕捉追尾制御装置。
  2. 【請求項2】 前記捕捉・追尾センサは、検出範囲が広
    範囲のセンサと該センサと比較して分解能が高く検出範
    囲の狭いセンサとを組み合わせて構成される一体化され
    た捕捉・追尾センサであることを特徴とする請求項1記
    載の捕捉追尾制御装置。
  3. 【請求項3】 宇宙衛星間光通信における光アンテナの
    捕捉追尾制御に適用したことを特徴とする請求項1又は
    2記載の捕捉追尾制御装置。
  4. 【請求項4】 宇宙衛星間光通信用アンテナの目標の捕
    捉追尾制御装置において、分解能及び性能の異なる2つ
    の光学センサを組み合わせアンテナ指向角誤差信号を広
    範囲/高分解能に検出可能とした捕捉・追尾センサと、
    前記捕捉・追尾センサによって検出された前記アンテナ
    指向角誤差信号をもとに捕捉制御信号を発生する捕捉制
    御装置と、前記アンテナ指向角誤差信号をもとに追尾制
    御信号を発生する追尾制御装置と、前記アンテナの高精
    度指向制御を可能とする精駆動機構ダイナミクスと、前
    記アンテナを前記精駆動機構ダイナミクスを介して高精
    度に駆動するための精駆動制御用アクチュエータと、前
    記アンテナ指向角誤差信号をもとに前記精駆動制御用ア
    クチュエータへの指令信号を前記捕捉制御信号と前記追
    尾制御信号との間で切り替える制御出力信号切り替えス
    イッチと、前記アンテナを粗精度に制御可能な粗駆動機
    構ダイナミクスと、前記アンテナを粗捕捉制御信号をも
    とに前記粗駆動機構ダイナミクスを介して粗精度で駆動
    するための粗駆動制御用アクチュエータと、前記粗駆動
    機構ダイナミクスを介して得られた前記アンテナの粗駆
    動系指向角信号と前記精駆動機構ダイナミクスを介して
    得られた前記アンテナの精駆動系指向角信号との差をも
    とに前記粗捕捉制御信号を発生する粗駆動機構制御装置
    とを設けたことを特徴とする捕捉追尾制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アンテナ指向角誤差信号を入力とす
    る捕捉制御装置及び前記精駆動系指向角信号と粗駆動系
    指向角信号との差を入力とする前記粗駆動機構制御装置
    は、それぞれ独立に前記アンテナの駆動プロファイルを
    規定するリファレンスモデル補償器と、フィードバック
    制御系を安定化するための安定化補償器とからなるモデ
    ルフォロイング型2自由度ロバスト追尾/捕捉制御系を
    構成することを特徴とする請求項4記載の捕捉追尾制御
    装置。
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