JP2981833B2 - Ｖｔｒ等における磁気テープローディング機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ＶＴＲ等の磁気記録
再生装置（記録または再生専用機をも含む）のテープロ
ーディング機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のＶＴＲ等における磁気テ
ープローディング機構として、図６から図８に示すもの
が知られている。図６はテープローディング動作を示す
ものである。図６において符号４はシャシ，５はヘッド
シリンダー、２はテープカセット、６、７はテープガイ
ドを示す。前記シャシ４にはヘッドシリンダー５を挟む
ようにガイド溝４ａが形成され、これらのガイド溝４ａ
のヘッドシリンダー５側の終端にはストッパー４ｂが形
成されている。テープカセット２をこのＶＴＲに装着し
た時には、テープガイド６、７は磁気テープ１の内側に
位置し、テープローディング動作時にはテープガイド
６、７をガイド溝４ａに沿ってストッパー４ｂまで移動
させることで、テープ１をヘッドシリンダー５に巻き付
けさせ、録画再生可能な状態とする。録画再生中にはテ
ープガイド６、７の姿勢の乱れは画質に直接影響するの
で、ストッパー４ｂに対して、適切な力で圧着を行う必
要がある。

【０００３】上記動作を行なわしめるための従来のテー
プローディング機構を図７と図８で説明する。これらの
図において、前記図６と同一符号は同様のものを示す。
図７はテープローディング機構を裏面から見たもので、
機構駆動用のローディングモータ８の出力軸にはウオー
ムギヤ９が設けられており、これに噛み合うように、は
すば歯車と小歯車を有する中継ギヤ１０がシャシ４のボ
ス４ｃに回転自在に取り付けられ、中継ギヤ１０の小歯
車と噛み合うように駆動ギヤ１１がボス４ｅ上に回転自
在に取り付けられている。また、駆動ギヤ１１は小歯車
を一体に有しており、これと噛み合うようにラック１２
ａを有するスライダ１２がボス４ｆ、４ｇをガイドとし
てスライド動作可能に取り付けられている。さらに、ス
ライダ１２には間欠ラック１２ｂが形成されており、こ
れと噛み合う間欠歯車を有するギヤ１３は、ボス４ｈ上
にアーム１４と共に回転自在に取り付けられ、またボス
４ｉ上には前記ギヤ１３と噛み合ったギヤ１５とアーム
１６が回転自在に取り付けられている。

【０００４】前記アーム１４にはジョイント１７が、ア
ーム１６にはジョイント１８が回転自在に取り付けら
れ、さらにジョイント１７、１８にはテープガイド６、
７が回転自在に取り付けられている。前記ギヤ１３とア
ーム１４の間には破線で示すようなバネ１９が取り付け
られ、このバネ１９はギヤ１３の内部に配設されてい
る。前記ギヤ１５及びアーム１６間にも同様にバネが取
り付けられている。

【０００５】ローディング動作時には駆動ギヤ１１がロ
ーディングモーター８から駆動力を受けて、図において
時計方向に回り、スライダ１２が左方向にスライドし、
間欠ラック１２ｂによってギヤ１３が回転する。このギ
ヤ１３の回転によりバネ１９を介してアーム１４が回動
される。ギヤ１３に噛み合うギヤ１５はギヤ１３と反対
方向に回転し、ア−ム１６が前述のアーム１４と同様に
回動する。図８はテープローディング終了時の状態を示
す。テープローディング動作終了時にはテープガイド７
がストッパー４ｂに当たってアーム１４が止まるが、ギ
ヤ１３はさらに所定の角だけ回転し停止する。こうする
ことでアーム１４がバネ力により押圧され、この力によ
りテープガイド７はストッパー４ｂに圧着される。また
ギヤ１５側についてもギヤ１５がギヤ１３と同様に動作
して、同様の動作を行いテープガイド６を圧着する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の上記したテープ
ローディング機構においては、テープガイドを圧着させ
るためのバネ力を右側、左側で独立して発生させている
ために、部品構成が複雑になり、組立も容易ではない。
そのためコストアップの要因となっていた。この発明
は、上記に鑑み、部品点数が少なく、組立が容易なＶＴ
Ｒ等における磁気テープローディング機構を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、前
記の目的を達成するための、この発明のＶＴＲ等におけ
る磁気テープローディング機構は、モータにより回転さ
れる、駆動間欠ギヤ部を有する第１のギヤと、このギヤ
の前記駆動間欠ギヤ部に噛み合う従動間欠ギヤを有する
第２のギヤと、前記第１のギヤによって回動される第１
のアームと、前記第２のギヤの回転により回動される第
２のアームと、前記第１のアームと第２のアームの回動
によってそれぞれ移動される各別のテープガイドと、こ
れらのテープガイドの移動を所定位置で停止させるスト
ッパーとを備え、前記テープガイドの前記した移動によ
り、テープカセットから磁気テープを引き出してヘッド
シリンダーに巻き付け、前記ストッパーによって停止さ
れた位置にある前記テープガイドにより、走行する磁気
テープを案内するようにしたＶＴＲ等における磁気テー
プローディング機構において、前記第１のギヤと第１の
アームとを同軸上に配置し、第１のギヤ及び第１のアー
ムとの間には、これらの第１のギヤ及び第１のアームと
同軸上に配置されたトーションバネを介在し、前記トー
ションバネにおける、前記第１のアームに対して前記第
１のギヤを付勢する側の末端を曲げて、前記第１のギヤ
の一面側から他面側に至る腕部を形成し、前記第２のギ
ヤと前記第２のアームを互いに固定し、前記のようにテ
ープガイドがストッパーに当接される付近にきたとき
に、前記トーションバネの末端の腕部が前記第２のギヤ
の外形の腕部に位置するように構成し、前記のようにテ
ープガイドがストッパーに当接されるまで前記第１のギ
ヤが回転したときには、前記駆動間欠ギヤ部と前記第２
のギヤ上の従動間欠ギヤ部との噛み合いが外れ、前記第
１のアームが一方のテープガイドをストッパーに圧接す
る際に、前記トーションバネが円周方向に撓んで前記第
１のギヤに対して前記第１のアームを付勢し、そして前
記バネの末端の前記腕部が前記第２のギヤの前記腕部を
付勢することによって他方のテープガイドが前記ストッ
パーに圧接されるようにしたことを特徴とするものであ
る。

【０００８】

【作用】上記のように構成されたこの発明のＶＴＲ等に
おける磁気テープローディング機構では、テープガイド
を圧着するためのバネは一つで済み、一方のギヤとアー
ムも一体化することができるため、部品点数が減り、組
立も容易となる。

【０００９】

【実施例】以下にこの発明の一実施例を図１から図５を
用いて、また従来と同様の構成は図６から図８をも用い
て説明する。なお、図１から図５において、前記図６か
ら図８と同一符号は特に断わりがない限り同様のものを
示す。図１はこの発明によるテープローディング機構の
要部の側断面図であり、機構裏面図とともに説明するた
めに上方がシャシ裏面としてある。シャシ４の裏面側に
はボス４ｈ、４ｉが設けられ、これらのボス４ｈ、４ｉ
には噛み合ったギヤ１３とギヤ２０とがそれぞれ回転自
在に取り付けられている。ギヤ１３には、アーム１４が
このギヤ１３に対して指定角度範囲内で回動可能にはめ
込まれ、またギヤ１３内部にはトーションバネ２１が組
み込まれている。このバネ２１の一端はアーム１４に懸
架され、もう一端にはギヤ１３より厚み方向に突き抜け
る立ち上げた腕部２１ａが形成され、この腕部２１ａが
ギヤ１３の外部に懸架されている。ギヤ２０には一体に
アーム部が形成され、またトーションバネ２１の前記腕
部２１ａの立ち上げ高さの範囲内の高さでレバー部２０
ａが形成されている。符号１３ａはギヤ１３に設けられ
た突起であり、このギヤ１３に対する前記アーム１４の
前記回動の範囲を定めるものである。

【００１０】図２はこの発明によるテープローディング
機構の要部の裏面図であり、テープローディング以前の
状態を示している。図２においてギヤ１３とアーム１４
の間のトーションバネ２１はギヤ１３とアーム１４を一
体化する方向、即ちこのアーム１４が前記突起１３ａに
圧接される方向に懸架されている。この状態は従来例と
同様であるが、前述のようにトーションバネ２１の腕部
２１ａがギヤ１３より突出していることが異なる。ま
た、ギヤ１３の一部は間欠駆動歯車となっている。な
お、前記アーム１４、ギヤ２０によって、前記従来例を
示す図６〜図８で説明したジョイント１７、１８を介し
てテープガイド６、７が移動される。

【００１１】次に動作について説明する。テープローデ
ィング動作時には、従来例で説明した駆動ギヤ１１、ス
ライダ１２によってギヤ１３が反時計方向に回転され、
アーム１４の回動により、前記ジョイント１７が動かさ
れ、その動きにより、テープガイド７が前記ストッパー
４ｂ位置近傍まで動かされる。また、ギヤ２０側も同様
の動作を行う。図３から図５まではテープローディング
終了付近の動作を示す。図２の状態からギヤ１３、ギヤ
２０が回転して図３の状態まで移行すると、ギヤ１３の
外部の駆動間欠歯車部がギヤ２０の従動間欠歯車部との
噛み合いから外れ、さらにギヤ１３が回転しても、ギヤ
２０は既に間欠停止状態になっているため、図４のよう
にトーションバネ２１の腕部２１ａがギヤ２０のレバー
部２０ａと当接するまでギヤ２０は停止している。

【００１２】この状態で前述の従来例と同様にテープガ
イド６、７がストッパ４ｂに当接して、さらにギヤ１３
が所定の角度回転すると、図５に示すように前記突起１
３ａはアーム１４から離れ、アーム１４はトーションバ
ネ２１を介して押圧される。その際、トーションバネ２
１の立ち上げ腕部２１ａはギヤ１３の外壁によって前記
所定の角度回動させられるため、この腕部２１ａによっ
てギヤ２０のレバー部２０ａが押圧される。即ち、ギヤ
２０は図５に示すように所定角度回転した位置で前述と
同様にテープガイド６がストッパ４ｂに当接し、それ以
上トーションバネ２１の腕部２１ａがレバー部２０ａを
押圧することで立ち上げ腕部２１ａが撓んでギヤ２０を
図において反時計方向に付勢する。

【００１３】

【発明の効果】この発明のＶＴＲ等における磁気テープ
ローディング機構は、上記のように構成されているの
で、部品点数が少なく、組立も容易になし得るため、Ｖ
ＴＲ等の機構部のコストダウンが図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すテープローディング
機構の要部の側断面図である。

【図２】この発明の一実施例を示すテープローディング
機構の要部の底面図である。

【図３】この発明の一実施例を示すテープローディング
機構の要部の底面図であって、図２とは異なる動作状態
を示す。

【図４】この発明の一実施例を示すテープローディング
機構の要部の底面図であって、図２及び図３とは異なる
動作状態を示す。

【図５】この発明の一実施例を示すテープローディング
機構の要部の底面図であって、図２乃至図４とは異なる
動作状態を示すものである。

【図６】従来のＶＴＲにおけるテープローディングを説
明するための概略平面図である。

【図７】従来のテープローディング機構の構成を示す底
面図である。

【図８】従来のテープローディング機構の構成を示す底
面図であって、図７とは異なる動作状態を示すものであ
る。

【符号の説明】

１ 磁気テープ ２ テープカセット ４ シャシ ４ａ ガイド溝 ４ｂ ストッパー ４ｃ，４ｅ，４ｆ，４ｇ，４ｈ，４ｉ，ボス ５ ヘッドシリンダー ６，７ テープガイド ８ ローディングモータ ９ ウオームギヤ １０ 中継ギヤ １１ 駆動ギヤ １２ スライダ １２ａ ラック １２ｂ 間欠ラック １３ ギヤ １３ａ 突起 １４ アーム １５ ギヤ １６ アーム １７，１８ ジョイント １９ バネ ２０ ギヤ ２０ａ レバー部 ２１ トーションバネ ２１ａ 腕部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータにより回転される、駆動間欠ギヤ
   部を有する第１のギヤと、このギヤの前記駆動間欠ギヤ
   部に噛み合う従動間欠ギヤを有する第２のギヤと、前記
   第１のギヤによって回動される第１のアームと、前記第
   ２のギヤの回転により回動される第２のアームと、前記
   第１のアームと第２のアームの回動によってそれぞれ移
   動される各別のテープガイドと、これらのテープガイド
   の移動を所定位置で停止させるストッパーとを備え、 前記テープガイドの前記した移動により、テープカセッ
   トから磁気テープを引き出してヘッドシリンダーに巻き
   付け、前記ストッパーによって停止された位置にある前
   記テープガイドにより、走行する磁気テープを案内する
   ようにしたＶＴＲ等における磁気テープローディング機
   構において、 前記第１のギヤと第１のアームとを同軸上に配置し、第
   １のギヤ及び第１のアームとの間には、これらの第１の
   ギヤ及び第１のアームと同軸上に配置されたトーション
   バネを介在し、 前記トーションバネにおける、前記第１のアームに対し
   て前記第１のギヤを付勢する側の末端を曲げて、前記第
   １のギヤの一面側から他面側に至る腕部を形成し、 前記第２のギヤと前記第２のアームを互いに固定し、 前記のようにテープガイドがストッパーに当接される付
   近にきたときに、前記トーションバネの末端の腕部が前
   記第２のギヤの外形の腕部に位置するように構成し、 前記のようにテープガイドがストッパーに当接されるま
   で前記第１のギヤが回転したときには、前記駆動間欠ギ
   ヤ部と前記第２のギヤ上の従動間欠ギヤ部との噛み合い
   が外れ、 前記第１のアームが一方のテープガイドをストッパーに
   圧接する際に、前記トーションバネが円周方向に撓んで
   前記第１のギヤに対して前記第１のアームを付勢し、そ
   して前記バネの末端の前記腕部が前記第２のギヤの前記
   腕部を付勢することによって他方のテープガイドが前記
   ストッパーに圧接されるようにしたことを特徴とするＶ
   ＴＲ等における磁気テープローディング機構。