JP2981647B2 - 冷・温配膳車 - Google Patents

冷・温配膳車

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JP2981647B2
JP2981647B2 JP8005082A JP508296A JP2981647B2 JP 2981647 B2 JP2981647 B2 JP 2981647B2 JP 8005082 A JP8005082 A JP 8005082A JP 508296 A JP508296 A JP 508296A JP 2981647 B2 JP2981647 B2 JP 2981647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、給食を行う施
設、例えば、病院などにおいて給食を患者のもとへ運搬
する際に用いられる冷・温配膳車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】給食を行う施設、例えば病院などにおい
ては、病室の患者一人一人への食事の配膳を配膳車を用
いて行っている。
【0003】この配膳車は、従来、台車に棚を設け、そ
の棚に複数のトレイを載せられるようにしたものが多く
用いられているが、近年、医療環境の質的向上を図るた
め、病院給食においても、患者のもとへ届けられる給食
を温かいものは温かく、冷たいものは冷たさを保ったま
ま運べるようにした冷・温配膳車が用いられるようにな
っている。
【0004】この冷・温配膳車は例えば図5に示すよう
に、台車1上に設けたケース2に収納室3(図のもので
は、左右に二室)を設け、その収納室3を断熱板(以
下、セパレータ)4で仕切って冷蔵室5と温蔵室6とを
左右に形成し、その収納室3に連通する開口をケース2
の両サイド(表と裏)に設けたもので、前記両サイドに
設けた開口には、前記冷蔵室と温蔵室とを区切るセパレ
ータ4から左右に開くドア7が設られている。
【0005】また、前記セパレータ4は、収納室3の対
向する内壁に両端を固定して上下方向に所定の間隔を置
いて複数設けられた支持ロッド8に垂直に取り付けられ
られており、この各支持ロッド8ごとに取り付けられた
セパレータ4は、高さを前記支持ロッド8間の間隔よ
り、給食用のトレイの厚みだけ小さく形成してある。そ
して、セパレータ4間に隙間を形成し、前記トレイが嵌
入できるようになっており、嵌入されたトレイの冷蔵室
5側に冷蔵する料理を盛り付け、温蔵する料理をトレイ
の温蔵室6側に盛り付けることにより、温かい料理は温
かく、冷たい料理は冷たさを保ったまま保温できるよう
にしている。
【0006】このとき、普通、給食される温かい料理と
冷たい料理の割合は、温かい料理の方が圧倒的に多いた
め、トレイの温蔵エリアを冷蔵エリアに比べて大きく形
成したものとなっている。このため、セパレータ4は、
支持ロッド8の真ん中に設けるのでなく、冷蔵室側に偏
って取り付け、温蔵できる温蔵室側の面積が大きく取れ
るようになっている。
【0007】ところが、近年、嗜好の変化などから野菜
サラダ類などの冷蔵しなければならないメニューが増え
たため、冷蔵室と温蔵室の割合を料理のメニューに応じ
て適宜変更したいという問題があった。
【0008】そのため、その問題を解決する一つの方法
として実平3−67985号には、図5で示すよう
に、支持ロッド8の両端に側枠10を設けて棚状部材に
形成し、その棚状部材の側枠10を着脱自在に支持する
ガイド11を収納室3の対向する内壁に上下方向に複数
段設けたものが記載されている。
【0009】そして、このものでは、複数段設けたガイ
ド11により、取り外した棚状部材を180度反転させ
て収納室3に取り付けられるようにして、収納室3の冷
蔵室5と温蔵室6の大きさを変更できるものが考えられ
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
棚状部材を反転させる冷・温配膳車では、冷蔵室と温蔵
室の広さを変えるときには、収納室から全ての棚状部材
を一旦取り外し、個々の棚状部材を全て180度反転さ
せて取り付けなければならず、非常に時間と手間がかか
るという問題がある。
【0011】そこで、この発明の課題は、冷蔵室と温蔵
室のスペースの変更を簡単に行うことのできる冷・温配
膳車を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の請求項1に係る発明では、断熱板からな
るセパレータの取り付けられた複数の支持ロッドを、上
下方向に該ロッドに載置されるトレイの厚み分だけの間
隙を上方のセパレータ下端との間に形成して収容室の対
向する内壁に掛け渡し、セパレータで収納室の内部を左
右に仕切って冷蔵室と温蔵室とを設けた冷・温配膳車に
おいて、上記セパレータは板面に貫通孔が設けられ、そ
の貫通孔にリニアブッシュを介して上記支持ロッドが挿
通されるとともに、前記ロッドにロッドの周方向に形成
される溝が所定の間隔で設けられ、一方、その溝と係合
する突起を有するレバーが前記セパレータの板面に回動
自在に取り付けられ、そのレバーがスプリングによって
付勢され、前記突起がロッドに当接するようにした構成
を採用したのである。このような構成を採用することに
より、貫通孔に挿通された支持ロッドによって支持され
たセパレータは、支持ロッドに沿って移動させることが
できるので、移動の際には、レバーを動かして突起とロ
ッドの係合を一時解除し、セパレータを支持ロッドに沿
って移動させる。移動後は、レバーを離せばスプリング
により突起がロッドに係合して固定できる。この操作を
各段のセパレータごとに行えば、トレイに応じて収納室
の大きさを変えることができる。このとき、貫通孔設け
たリニアブッシュは、ロッドと貫通孔間の隙間を防ぐこ
とができるので、例えば、セパレータで左右に分けた収
納室の空気が混ざらないようにするとともに、ガタつき
を防止して自在にスライドさせることができる。
【0013】また、請求項2に係る発明では、上記支持
ロッドの端部に側枠が設けられ、その側枠を着脱自在に
支持するガイドレールを上記収納室の対向する内壁に設
けた構成を採用したのである。
【0014】このような構成を採用したことにより、ロ
ッドの端部に側枠を設け、その側枠をガイドレールで収
納室の内壁に着脱自在にしたので、支持ロッドをガイド
から引き出せば、例えば、庫内の清掃が簡単に行える。
【0015】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基
づいて説明することにする。
【0016】その際、従来例で述べた部分については、
図面に同一符号を付して詳しい説明は省略することにす
る。
【0017】図1乃至図4に第1実施形態としてこの発
明に係る冷・温配膳車の収納室3における支持ロッド8
部分の構造を示す。
【0018】すなわち、この形態の支持ロッド8は、平
行な二本のロッド8a,8bからなり、セパレータ4を
スライド自在に支持するものであって、収納室3の対向
する内壁に、上下方向に所定の間隔を置いて複数設けら
れる。
【0019】この各支持ロッド8の両端には、側枠10
が取り付けられている。前記側枠10は、図1に示すよ
うに、例えば筒状のパイプホルダー12を備えた角柱状
のもので、そのパイプホルダー12をロッド8a,8b
の先端に嵌入し、取り付けられるようになっている。
【0020】一方、収納室3の対向する内壁には、ガイ
ド11としてコの字型のレールが設けられ、そのガイド
11に前記ロッド8の側枠10を嵌入することにより、
着脱自在に支持できるようにしてある。そのため、前記
ロッド8を取り外して庫内の清掃などが容易にできるよ
うになっている。
【0021】また、前記支持ロッド8に支持されるセパ
レータ4は、板面に貫通孔を設けて支持ロッド8に嵌入
されており、前記支持ロッド8に対して垂直となるよう
に取り付けられている。
【0022】その際、例えば貫通孔にリニアブッシュな
どのブッシュを取り付けてロッド8a,8bと貫通孔に
隙間が生じず、かつ、ガタつきを防止しながら、ロッド
8a,8b上を自在にスライドできるようにしてある。
【0023】このようにスライド自在に支持されるセパ
レータ4は、その高さ寸法が収納室3に設けられるガイ
ド11の所定の間隔より少し小さく、例えばトレイ9の
厚みの分だけ小さめに形成してあり、また、その上部は
テーパー13に形成し、トレイ9の底面に形成されたト
レイ9を冷蔵部と温蔵部とに分けるための凹部と嵌合す
るようになっている。このとき、セパレータ4には、前
記テーパー13の稜線に沿って弾性材14を張り付ける
ことにより、トレイ9との密着性の改善を図り、滑り止
めと気密性の向上を図ってある。
【0024】このように弾性材14の張りつけられたセ
パレータ4の側面には、ストッパー15が設けられてい
る。
【0025】前記ストッパー15は、第1と第2の二本
のレバー15a,15bからなり、前記レバー15a,
15bには、図2及び図3に示すように上向きの突起1
6が設けられている。また、第1と第2のレバー15
a,15bは、一端部同士を例えばリベットなどを軸1
7として貫通孔下方に回動自在に取り付け、両レバー1
5a,15bに係合部ピン19を設けてスプリング18
を取り付けることにより、図2に示すように、第1と第
2のレバー15a,15bがスプリング18の張力でも
って前記リベット軸17を支点として折れ曲がるように
してある。
【0026】そのため、折れ曲がったレバー15a,1
5bの突起16がロッド8a,8bと当接し、セパレー
タ4のスライドを規制することができるようになってい
る。
【0027】このとき、この形態では、ロッド8a,8
bに溝20を設け、その溝20に前記突起16を係合さ
せ、セパレータ4を固定できるようにするとともに、そ
の固定位置を容易に決められるようにしてある(この溝
20の位置はトレイに合わせて決めればよい)。
【0028】また、このとき、セパレータ4の移動を規
制するだけなら、ロッド8a,8bに溝20を設ける以
外にも、レバー15a,15bの突起16の先端に弾性
材を取り付け、滑り止めとすれば、同じようにセパレー
タ4の移動を規制できる。
【0029】一方、第1と第2のレバー15a,15b
の他端、つまり、リベット軸17により接続された第1
と第2のレバー15a,15bの両端には、図1に示す
ように外向きに折り曲げた押圧部21が形成されてい
る。すなわち、このような押圧部21をレバー15a,
15bの両端に設けることにより、両サイドに設けた開
口から手を差し入れて前記押圧部21に指を掛けて押し
下げると、リベット軸17を支点として第1と第2のレ
バー15a,15bを前述したのと逆方向に折り曲げ、
図3に示すようにロッド8a,8bとの係合を解除する
ことができるようにしてある。
【0030】なお、図中符号22は、前記レバー15
a,15bの下げ過ぎを防ぐための係止ピンである。
【0031】この実施の形態は以上のように構成され、
このように収納室3にセパレータ4が支持ロッド8にス
ライド自在に支持された冷・温配膳車では、セパレータ
4を支持ロッド8に沿って移動させることにより、冷蔵
室と温蔵室との大きさを決めることができる。
【0032】すなわち、図3に示すように、セパレータ
4のストッパー15の押圧部21を下向きに押し、前記
ロッド8a,8bの溝20との係合を解除した後、セパ
レータ4を支持ロッド8に沿って移動させる。
【0033】すると、ストッパー15がロッド8a,8
bの溝20に嵌入し、セパレータ4が決められた位置
(トレイ9の凹部に対応させた位置)に固定される。
【0034】このため、この操作を収納室3に設けられ
た各セパレータ4について行えば冷蔵室5と温蔵室6の
大きさを変えることができる。
【0035】このとき、最上段のセパレータ4では、図
4に示すように、収納室3の天井との間に隙間が形成さ
れないように、例えば、セパレータ4の上部にゴムなど
の弾性材を用いたシール部材23を設けることにより、
セパレータ4の移動に係わらず閉塞できるようにしてあ
る。
【0036】なお、実施例では、弾性材によるシール部
材23を用いるようにしたが、これに限定されるもので
はなく、これ以外にも天井側に左右に移動できる閉塞材
を設けるようにしてもよい。
【0037】また、図では示していないが、セパレータ
4の移動によってドア7との間に隙間が生じることが考
えられるが、この問題を解決する方法としては、例えば
ドア7の内側に、セパレータ4との間隙を塞ぐためのシ
ール材としてセパレータ4の移動位置に対応した幅のパ
ッキンを設けるようにすればよい。
【0038】こうして位置を変えたセパレータ4とセパ
レータ4の間に形成された隙間に、給食の乗ったトレイ
9を嵌入すると、図4で示すように、トレイ9の冷蔵部
と温蔵部との境目に形成された凹部とセパレータ4のテ
ーパー13とが嵌合して支持される。このため、トレイ
9に載せた冷たいものは冷たく、熱いものは熱く保温が
なされる。
【0039】また、例えばトレイ9を反転させて用いる
ことにより、冷蔵室5を大きく温蔵室6を小さく、ある
いは温蔵室6を大きく冷蔵室5を小さくする場合は、上
述したようにセパレータ4のストッパー15の押圧部2
1を下向きに押し、ロッド8a,8bとの係合を一
除してセパレータ4を支持ロッド8に沿って前記と逆方
向へ移動させて位置を決め、ロッド8に係合させてセパ
レータ4を固定すればよく、この操作を格段のセパレー
タごとに行えばよい。
【0040】このように、この冷・温配膳車では、各セ
パレータ4を移動させるだけで冷蔵室5と温蔵室6の大
きさを変えることができるので、棚状部材を取り外して
反転させるものに比べ、変更作業が簡単に行え、しか
も、それに係る時間も短縮できる。
【0041】なお、清掃の際には、支持ロッド8をガイ
ド11から引き出せば、蔵内の清掃が簡単に行なえる。
【0042】また、図に示すように支持ロッド8に溝2
0を複数設ければ、冷蔵室5と温蔵室6の大きさを適宜
変えれるようにできる。また、このとき、トレイ9はそ
の大きさに合わせて凹部の位置を変えたものを準備すれ
ばよい。
【0043】さらに、この実施形態では、冷・温蔵庫の
ドアが冷蔵室と温蔵室とを区切るセパレータ4から左右
に開くものについて述べたが、これに限定されるもので
はなく、ドアの形態はどのようなものでもよいことは明
白である。
【0044】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成し、セパ
レータを移動できるようにしたので、冷蔵室と温蔵室の
スペースの変更作業が簡単、かつ、容易に行え、しか
も、その変更作業も短時間で行えるようにできる。
た、ロッドの端部に側枠を形成し、側枠を着脱自在に支
持するガイドを収納室の内壁に設けたことにより、前記
ロッドを取り外して庫内の清掃などが容易にできるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の斜視図
【図2】第1実施形態の作用説明図
【図3】第1実施形態の作用説明図
【図4】第1実施形態の作用説明図
【図5】従来の冷・温配膳車の斜視図
【符号の説明】
3 収納室 4 セパレータ 5 冷蔵室 6 温蔵室 8 支持ロッド 8a ロッド 8b ロッド 9 トレイ 10 側枠 11 ガイド 12 パイプホルダー 13 テーパー 15 ストッパー 15a 第1のレバー 15b 第2のレバー 16 突起
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47B 31/00 A47B 31/02 A47J 39/02 F25D 23/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱板からなるセパレータの取り付けら
    れた複数の支持ロッドを、上下方向に該ロッドに載置さ
    れるトレイの厚み分だけの間隙を上方のセパレータ下端
    との間に形成して収容室の対向する内壁に掛け渡し、セ
    パレータで収納室の内部を左右に仕切って冷蔵室と温蔵
    室とを設けた冷・温配膳車において、上記セパレータは板面に貫通孔が設けられ、その貫通孔
    にリニアブッシュを介して上記支持ロッドが挿通される
    とともに、前記ロッドにロッドの周方向に形成される溝
    が所定の間隔で設けられ、一方、その溝と係合する突起
    を有するレバーが前記セパレータの板面に回動自在に取
    り付けられ、そのレバーがスプリングによって付勢され
    て前記突起がロッドに当接するようにしたことを特徴と
    する 冷・温配膳車。
  2. 【請求項2】 上記支持ロッドの端部に側枠が設けら
    れ、その側枠を着脱自在に支持するガイドレールを上記
    収納室の対向する内壁に設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の冷・温配膳車。
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